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【発明の名称】 防火区画用スクリーンシャッター
【発明者】 【氏名】谷 道夫
【住所又は居所】京都府宇治市宇治戸ノ内5番地 ユニチカ設備技術株式会社内

【氏名】登根 克三
【住所又は居所】愛知県岡崎市日名北町4番地1 ユニチカ設備技術株式会社

【氏名】安原 清巳
【住所又は居所】東京都港区芝大門2丁目12番地9号 ユニチカグラスファイバー株式会社内

【要約】 【課題】間口の狭い場所やエレベーターの扉前、階段室の出入り口などであっても使用可能な避難扉を備えてこれら場所に好ましく設置できるとともに、スクリーン幕の幕面に扉機能をもたせる必要のない避難扉を備えてスクリーン幕の繰り出し・巻き取り動作も安定化させることができる防火区画用スクリーンシャッターを提供する。

【解決手段】スクリーン幕5を展開状態として防火区画を形成する防火区画形成手段および当該幕を昇降動作可能として、上昇した幕下が避難通路となる昇降式の避難扉とする扉形成手段を備え、扉形成手段は、スクリーン幕を繰り出し巻き上げするドラム8、スクリーン幕を繰り出し方向に付勢する降下用ウエイト10、スクリーン幕を巻き上げる方向に付勢するねじりバネ25、スクリーン幕の降下速度を減速する減速手段31、並びにスクリーン幕の上昇時にこれと減速手段とを切り離すクラッチ手段32とを有する昇降速度調整手段33を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スクリーン幕を展開状態として防火区画を形成する防火区画形成手段と、上記スクリーン幕を昇降動作可能として、上昇した当該スクリーン幕下が避難通路となる昇降式の避難扉とする扉形成手段とを備えたことを特徴とする防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項2】 前記防火区画形成手段が、天井から降下された前記スクリーン幕を床に係脱自在に係止する展開状態維持手段を有することを特徴とする請求項1に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項3】 前記防火区画形成手段が、前記スクリーン幕を天井に係脱自在に係止するロック手段と、解除信号に応じて上記スクリーン幕を上記天井から離脱させるために上記ロック手段を離脱作動させるロック解除手段とからなるスクリーン幕格納手段を有することを特徴とする請求項2に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項4】 前記扉形成手段が、前記スクリーン幕が巻回されてこれを繰り出し巻き上げするドラムと、上記スクリーン幕を繰り出し方向に付勢する降下用ウエイトと、上記スクリーン幕を巻き上げる方向に付勢する付勢手段とを備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項5】 前記扉形成手段が、前記スクリーン幕に接続され、その降下速度を減速する減速手段と、該減速手段と上記スクリーン幕との間に設けられ、該スクリーン幕の上昇時にこれと該減速手段とを切り離すクラッチ手段とを有する昇降速度調整手段を備えることを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項6】 前記減速手段が、前記スクリーン幕に接続され、該スクリーン幕の降下速度を増速して出力する増速手段と、該増速手段に接続され、これより伝達される出力速度に応じて制動力を発生する遠心力ブレーキとからなることを特徴とする請求項5に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項7】 前記防火区画形成手段および前記扉形成手段が、上方枠と左右一対の側方枠とに組み込まれることを特徴とする請求項1〜6いずれかの項に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項8】 前記展開状態維持手段は、スクリーン幕の両側を天井から床面まで昇降可能にガイドするガイドと、スクリーン幕下部の両端にあって、前記ガイドの下部に形成した横穴に突出して、前記スクリーン幕を展開状態にロックする左右一対のロック手段と、手動操作により前記ロック手段によるロックを解除するためのロック解除手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項9】 前記ロック解除手段が前記ウエイトの中央一箇所で操作されることで、左右のロック手段のロック解除を同時に行えるものであることを特徴とする請求項8記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【請求項10】 前記遠心力ブレーキに連繋して前記スクリーン幕の近傍に配置され、ブレーキのロックオン、ロックオフするための手動ロック操作ボタン及びロック解除用手動操作ボタンを設けたことを特徴とする請求項6に記載の防火区画用スクリーンシャッター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、間口の狭い場所やエレベーターの扉前、階段室の出入り口などであっても使用可能な避難扉を備えてこれら場所に好ましく設置できるとともに、スクリーン幕の幕面に扉機能をもたせる必要のない避難扉を備えてスクリーン幕の繰り出し・巻き取り動作も安定化させることができる防火区画用スクリーンシャッターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の防火区画用スクリーンシャッターは図14に示すように、天井部iに取り付けられたブラケットaに軸受bを介して回転自在に支持され、スクリーン幕cが巻き取られているドラムdと、クラッチ付きの回転伝達機構で構成された開閉機eとを、チェーン・スプロケット機構fを介して連結し、クラッチの切り離しによる回転伝達機構の自由回転、ひいてはドラムdの自由回転により、スクリーン幕cの繰り出し始端に設けたウエイトの重さを利用してスクリーン幕cを繰り出して床に向かって降下させ、ウエイトの着床により天井部iから床にわたってスクリーン幕cを展開して防火区画を形成するようになっていた。展開したスクリーン幕cを天井部iに格納する場合には、開閉機eの回転伝達機構のクラッチを繋ぎ、その後取っ手gを手動で回して回転伝達機構を駆動したり、モータhで回転伝達機構を駆動してスクリーン幕cをドラムdに巻き取るようにしていた。
【0003】またスクリーン幕cには避難通路を確保するために、スクリーン幕cに対して前後に折り返すように開閉される扉式の避難扉や、スクリーン幕cに沿って左右にスライドされて開閉される引き戸式の避難扉が設けられていた。そして火災発生時には、火災報知信号が開閉機eに入力されてクラッチが切り離され、このクラッチの切り離しによりスクリーン幕cがウエイトの重さでドラムdから繰り出されて床まで降下され、これによって防火区画が形成され、また避難者は、スクリーン幕cの扉式の避難扉を前後に押し引きしたり、あるいは引き戸式の避難扉を左右に押し引きすることで開放して、避難するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の防火区画用スクリーンシャッターにあっては、避難扉が引き戸式の場合、引き戸の開放により確保される避難通路の左右いずれか一方に、引き開けられた引き戸を格納できる引き戸分のスペースが必要であり、スクリーン幕cの横幅として避難扉の2枚分以上必要となってスクリーン幕cの幅が長大化し、特に、エレベータの扉前や階段室の出入り口などの間口の狭い場所に当該スクリーンシャッターを設置することができないという課題があった。また、避難扉が前後に開かれる扉式の場合は、避難扉の前後に当該扉を開閉することができるスペースが必要であり、この扉式の避難扉を備えたスクリーンシャッターも、エレベータの扉前や階段の段差がすぐに始まる階段室の出入り口などには設置し難いという課題があった。
【0005】さらにこれら形式の避難扉にあっては、引き戸式や扉式にするためにスクリーン幕c、特にその幕面に対してスライド機構や折り返し機構などの扉機能をもたせる必要があって構造が複雑化し、このようなスクリーン幕cの幕面の構造の複雑化はスクリーン幕cのドラムdへの巻き取り動作やドラムdからの繰り出し動作に支障を生じさせるおそれもあった。
【0006】本発明は従来の課題に鑑みて創案されたもので、間口の狭い場所やエレベーターの扉前、階段室の出入り口などであっても使用可能な避難扉を備えてこれら場所に好ましく設置できるとともに、スクリーン幕の幕面に扉機能をもたせる必要のない避難扉を備えてスクリーン幕の繰り出し・巻き取り動作も安定化させることができる防火区画用スクリーンシャッターを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる防火区画用スクリーンシャッターは、スクリーン幕を展開状態として防火区画を形成する防火区画形成手段と、上記スクリーン幕を昇降動作可能として、上昇した当該スクリーン幕下が避難通路となる昇降式の避難扉とする扉形成手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】また、前記防火区画形成手段が、天井から降下された前記スクリーン幕を床に係脱自在に係止する展開状態維持手段を有することを特徴とする。
【0009】また、前記防火区画形成手段が、前記スクリーン幕を天井に係脱自在に係止するロック手段と、解除信号に応じて上記スクリーン幕を上記天井から離脱させるために上記ロック手段を離脱作動させるロック解除手段とからなるスクリーン幕格納手段を有することを特徴とする。
【0010】さらに、前記扉形成手段が、前記スクリーン幕が巻回されてこれを繰り出し巻き上げするドラムと、上記スクリーン幕を繰り出し方向に付勢する降下用ウエイトと、上記スクリーン幕を巻き上げる方向に付勢する付勢手段とを備えることを特徴とする。
【0011】また、前記扉形成手段が、前記スクリーン幕に接続され、その降下速度を減速する減速手段と、該減速手段と上記スクリーン幕との間に設けられ、該スクリーン幕の上昇時にこれと該減速手段とを切り離すクラッチ手段とを有する昇降速度調整手段を備えることを特徴とする。
【0012】さらにまた、前記減速手段が、前記スクリーン幕に接続され、該スクリーン幕の降下速度を増速して出力する増速手段と、該増速手段に接続され、これより伝達される出力速度に応じて制動力を発生する遠心力ブレーキとからなることを特徴とする。
【0013】さらに、前記防火区画形成手段および前記扉形成手段が、上方枠と左右一対の側方枠とに組み込まれることを特徴とする。
【0014】また、前記展開状態維持手段は、スクリーン幕の両側を天井から床面まで昇降可能にガイドするガイドと、スクリーン幕下部の両端にあって、前記ガイドの下部に形成した横穴に突出して、前記スクリーン幕を展開状態にロックする左右一対のロック手段と、手動操作により前記ロック手段によるロックを解除するためのロック解除手段を備えたことを特徴とする。
【0015】またさらに、前記ロック解除手段が前記ウエイトの中央一箇所で操作されることで、左右のロック手段のロック解除を同時に行えるものであることを特徴とする。
【0016】またさらに、前記遠心力ブレーキに連繋して前記スクリーン幕の近傍に配置され、ブレーキのロックオン、ロックオフするための手動ロック操作ボタン及びロック解除用手動操作ボタンを設けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる防火区画用スクリーンシャッターの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1および図2に示すように本実施形態にかかる防火区画用スクリーンシャッター1は、建物内部の向かい合う柱2間や壁間、特に間口の狭い場所や階段室の出入り口、さらにはエレベーターの扉前のこれら柱2間で天井3から床4にわたって展開されて防火区画を形成するスクリーン幕5と、天井部6に設置され、上記間口や出入り口、エレベーター扉前の上方枠を成すボックス7内に回転自在に設けられ、スクリーン幕5が繰り出し巻き上げ可能に巻回されたドラム8と、柱2などに高さ方向に沿って設けられて上記間口や出入り口、エレベーター扉前の左右の側方枠を成し、ドラム8から繰り出され巻き上げられて昇降されるスクリーン幕5の両側縁の移動を案内するガイド9と、スクリーン幕5の下縁に設けられ、スクリーン幕5を繰り出し方向に付勢して降下させつつ最終的に床4に接地される降下用ウエイト10とから主に構成され、上記ボックス7およびガイド9とからなる三方枠内において天井部6のドラム8と着床した降下用ウエイト10との間にスクリーン幕5を展開状態として防火区画を形成する防火区画形成手段が備えられる。
【0018】防火区画形成手段を構成する降下用ウエイト10と、中空筒体状に形成され、スクリーン幕5の両側縁の移動を案内するためにそれらが挿入されるスリット9bが形成されたガイド9との間には図1、図3および図4に示すように、天井部6から降下されたスクリーン幕5を床4側であるガイド9の下端9a位置に係脱自在に係止し、降下用ウエイト10の着床状態を維持してスクリーン幕5の展開状態を維持する展開状態維持手段18が備えられる。
【0019】この展開状態維持手段18は、ガイド下端9aにスリット9bに隣接させて形成された横穴11と、スクリーン幕5の左右幅方向に沿う降下用ウエイト10の長さ方向両端に形成されたシリンダ室12内にスライド自在に設けられ、その鍔部13aの一方に横穴11に向かって進退自在に進出されて当該横穴11に挿抜自在に挿入される係止ロッド部13bを有するとともに、鍔部13aを挟んで係止ロッド部13bと反対側に解除操作ピン14を有する操作ロッド部13cが形成されたロッド13と、シリンダ室12内に降下用ウエイト10とロッド13の鍔部13aとの間に挟み込んで設けられ、鍔部13aを介してロッド13を降下用ウエイト10外方へ押圧付勢して係止ロッド部13bを横穴11に向かって進出させるスプリング15と、降下用ウエイト10にその回動軸17aが回動自在に支持され、係合端16aが解除操作ピン14に係合されるとともに、解除力入力部16bが降下用ウエイト10外方に延出され、解除力入力部16bを操作することで解除操作ピン14を介して、スプリング15に抗してロッド13をスライドさせて係止ロッド部13bを横穴11から後退させて抜き出す解除レバー17とから構成される。この解除レバー17は、スクリーン幕5を挟んで降下用ウエイト10の両側に一対設けられ、スクリーン幕5のいずれの側からも操作できるようになっている。
【0020】特に係止ロッド部13bは、横穴11に向かって僅かに先細りとなるテーパ面13dで形成され、これにより横穴11への挿入を確実化できるとともに、横穴11からの抜き出しを円滑に行えるようになっている。展開状態維持手段18は、スプリング15で常時横穴11に向けて付勢されている係止ロッド部13bが、降下用ウエイト10の着床で自動的に横穴11に挿入されて降下用ウエイト10の着床状態を維持し、これによりスクリーン幕5が床4側に係止されるとともに、解除レバー17の操作で係止ロッド部13bが横穴11から後退されると、これによってスクリーン幕5は床4側から離脱されるようになっている。
【0021】また、本実施形態の防火区画用スクリーンシャッター1にあっては図1および図5に示すように、防火区画形成手段を構成するスクリーン幕5、図示例にあってはその降下用ウエイト10と、スクリーン幕5を巻き取るドラム8を支持するボックス7との間に、常時はスクリーン幕5のドラム8への巻き取り状態を維持し、解除信号である火災報知信号に応じて巻き取り状態を解除してスクリーン幕5の展開を可能とするスクリーン幕格納手段19が備えられる。
【0022】このスクリーン幕格納手段19は、降下用ウエイト10の一方の側面にほぼ水平に窪ませて形成されたロック孔20と、ボックス7に形成された中空室21内にスライド自在に設けられ、その鍔部22aの一方にロック孔20に向かって進退自在に進出されて当該ロック孔20に挿抜自在に挿入されるロックヘッド部22bを有するとともに、鍔部22aを挟んでロックヘッド部22bと反対側にスライド軸部22cが形成されたシャフト22と、中空室21内にボックス7とシャフト22の鍔部22aとの間に挟み込んで設けられ、鍔部22aを介してシャフト22をボックス7外方へ押圧付勢してロックヘッド部22bをロック孔20に向かって進出させるバネ23とからなるロック手段、並びにボックス7にスライド軸部22cを囲繞して設けられ、火災報知信号が入力されることで励磁されて、バネ23に抗してシャフト22をスライドさせてロックヘッド部22bをロック孔20から後退させて抜き出すロック解除手段としてのソレノイド24とから構成される。
【0023】特にロックヘッド部22bは、スクリーン幕5の昇降方向下側が斜めに切除された形態を有し、水平な上側が降下用ウエイト10の下降を規制する規制部22dをなすとともに、ボックス7側から外方へ向かうに従って順次上向きに傾斜された下側は、ロックヘッド部22bをロック孔20に自動的に係合させるために、降下用ウエイト10で押圧してシャフト22を後退させる押圧部22eとなっている。これにより降下用ウエイト10の下降は規制部22dによって阻止される一方で、スクリーン幕5の巻き上げに伴う降下用ウエイト10の上昇に際しては、降下用ウエイト10の上端肩部10aがロックヘッド部22bの押圧部22eに当接すると、ロックヘッド部22bはバネ23に抗してボックス7側に向かって後退し、その後継続する降下用ウエイト10の上昇によってロック孔20がロックヘッド部22b位置に達すると、バネ23によりロックヘッド部22bが降下用ウエイト10に向かって進出されて当該ロック孔20に挿入され、これにより降下用ウエイト10がシャフト22と係合されるようになっている。
【0024】このように構成したスクリーン幕格納手段19は、スクリーン幕5を巻き上げて格納する操作では、バネ23で常時ロック孔20に向けて付勢されているロックヘッド部22bが降下用ウエイト10の上昇で自動的にロック孔20に挿入されることでスクリーン幕5の巻き上げに伴う格納動作が行われ、また降下用ウエイト10の降下を阻止するロック孔20とロックヘッド部22bの係合により、スクリーン幕5は天井部6に係止されてその格納状態が維持され、さらに、火災報知信号によりソレノイド24が励磁されてロックヘッド部22bがバネ23に抗してロック孔20から後退されて離脱されることで、スクリーン幕5は天井部6から離脱されるようになっている。スライド軸部22cを移動させるソレノイド24については、火災報知信号の入力の際に励磁される設定としても、火災報知信号の入力後継続的にその励磁状態が維持される設定としても、いずれであってもよい。
【0025】図示例にあっては、スクリーン幕格納手段19はボックス7の中央部に設置されているが、その設置位置は問わない。また、スクリーン幕5を天井部6に係脱自在に係止するロック手段の構成としては、上述したシャフト22を降下用ウエイト10に対して係脱させるものに限らず、シャフト22をドラム8に対して係脱自在に係止させるようにしてもよく、このようにしてもドラム8の回転の阻止によりスクリーン幕5を天井部6に係脱自在に係止することができる。
【0026】さらに本実施形態の防火区画用スクリーンシャッター1にあっては図6〜図8に示すように、上記スクリーン幕5を昇降動作可能として、上昇したスクリーン幕5下が避難通路となる昇降式の避難扉にする扉形成手段が備えられる。この扉形成手段は、上述した降下用ウエイト10と、上記ドラム8に備えられて、スクリーン幕5を巻き上げる方向に当該ドラム8を付勢する付勢手段としてのねじりバネ25とから主に構成される。
【0027】扉形成手段に適用されるドラム8は、両端部が細径で形成され、そのうちの一端部がボックス7内に設けられたブラケット7aに固定状態で取り付けられた固定軸27と、固定軸27を取り囲んで設けられ、スクリーン幕5が巻き付けられる中空筒体28と、中空筒体28の一端に固設されるとともに固定軸27の一端部にラジアル軸受29aを介して回転自在に支持され、固定軸27に対して中空筒体28を相対回転可能とするリング部材29と、ボックス7内に設けられた軸受26に軸部30aが回転自在に支持されるとともに、ロッド支持部30bが中空筒体28の他端に固設されかつラジアル・スラスト軸受30cを介して固定軸27の他端部に対し相対回転可能に挿入されたボス30とから構成され、ねじりバネ25はその一端が固定軸27の一端部側に、他端がボス30に固定して設けられる。
【0028】これにより、中空筒体28は、ブラケット7aおよび軸受26によりその両端がボックス7に支持され、またラジアル軸受29aおよびラジアル・スラスト軸受30cを介して固定軸27に対し回転することができる。そして、スクリーン幕5の巻き上げ繰り出しのために中空筒体28が正逆回転される際、この中空筒体28の回転は、軸受26に支持された軸部30aに入力され、この軸部30aは自在に正逆回転される。そしてこの中空筒体28の回転が生じた際、中空筒体28とともに回転するボス30と回転しない固定軸27との間に掛け渡されたねじりバネ25には、これらボス30と固定軸27の相対回転に応じたねじりトルクが発生し、このねじりトルクによってドラム8にスクリーン幕5を巻き上げる方向の付勢力が加えられるようになっている。
【0029】このねじりトルクは、スクリーン幕5がドラム8に巻き取られたときには得られずあるいは小さく、スクリーン幕5が繰り出されて降下用ウエイト10が着床した状態で最も大きくなる。そして、このねじりトルクと降下用ウエイト10の重さとのバランスを好適に設定することにより、着床している降下用ウエイト10を持ち上げることでスクリーン幕5がドラム8に巻き取られて上昇する一方で、その上昇過程で小さくなるねじりトルクに対し降下用ウエイト10の重さが勝るようになると今度はスクリーン幕5が下降を開始し最終的に降下用ウエイト10が再度着床されて防火区画が形成されるという、防火区画を形成すべく展開状態とされるスクリーン幕5に、上昇した当該スクリーン幕5下が避難通路となる昇降式の避難扉の機能が付与される。
【0030】ねじりバネ25が発生するねじりトルクはあくまでも、降下用ウエイト10およびスクリーン幕5の自重よって降下されるスクリーン幕5の展開を妨げるものではなく、避難扉としてスクリーン幕5を開放するために着床状態の降下用ウエイト10を持ち上げる際の持ち上げの勢いを補助する程度に設定される。また他方で、ねじりバネ25のねじりトルクは、スクリーン幕格納手段19でスクリーン幕5を天井部6のボックス7に係止すべくスクリーン幕5を高い位置まで持ち上げて降下用ウエイト10の重みがほとんどスクリーン幕5やドラム8に作用しないように支持した状態では、その時点でのねじりトルクによってスクリーン幕5を巻き取ってロックヘッド部22bがロック孔20に係止されるように、シャフト22を付勢するバネ23を収縮させることができる程度の巻き取り力が得られるように設定される。
【0031】さらに、扉形成手段には、スクリーン幕5、図示例にあってはスクリーン幕5が巻回される上記ドラム8のボス30の軸部30aに接続され、スクリーン幕5の降下速度を減速する減速手段31と、この減速手段31とボス30との間に設けられ、スクリーン幕5の上昇動作時にはボス30と減速手段31との接続を切り離してボス30、ひいてはドラム8の回転をフリーとするクラッチ手段32とからなる昇降速度調整手段33が備えられる。減速手段31としては例えば、スクリーン幕5、具体的にはこれが巻回されるドラム8のボス30に接続され、スクリーン幕5の降下速度に対応するボス30の回転速度を増速して出力する増速手段34と、増速手段34に接続され、その出力速度に応じて制動力を発生する遠心力ブレーキ35とから構成される。
【0032】遠心力ブレーキ35としては図9に例示するように、軸部30aに連結されて回転駆動されるディスク36と、支軸37によりその一端がディスク36に回動自在に連結され、他端が支軸37周りに制動ドラム38に向かって揺動されるブレーキシュー39とを備え、ボス30によりディスク36が回転されることでブレーキシュー39の他端に発生する遠心力が当該ブレーキシュー39を制動ドラム38に押し付け、これにより相当の制動力を発生するものなど、各種の周知の遠心力ブレーキを適用することができ、要するにドラム8の回転によって当該ドラム8を制動させ得るものであれば、その構造は問わない。
【0033】また増速手段34は、周知の歯車減速機など、ボス30の回転速度を増速して遠心力ブレーキ35に伝達することができるものであれば、その構造は問わない。増速手段34は、天井部6から床4までという比較的短い距離ではスクリーン幕5の下降に伴うドラム8の回転速度はさほど上がらず、またこれに加えて、ねじりバネ25との関係で降下用ウエイト10が比較的軽量に設定されてこの面からもドラム8の回転速度が上がらないことを考慮して、低速度のドラム8回転を増速して遠心力ブレーキ35のブレーキシュー39を適切に制動ドラム38に押し付けることができるようにし、これによって遠心力ブレーキ35の制動作用を保証できるようになっている。従って、増速手段34は、ドラム8の回転速度が十分に速い場合には必要とされない。
【0034】そしてこの減速手段31を作動・非作動とする切り換えを行うためにクラッチ手段32が備えられる。このクラッチ手段32としては、一方向回転時には自動的に接続されて回転伝達を行い、反対方向回転時には自動的に切り離されて回転伝達を遮断する、周知のワンウエイクラッチなどが採用される。本実施形態ではこのワンウエイクラッチは、スクリーン幕5の降下時に減速手段31を作動させるべく接続されて回転伝達を行い、スクリーン幕5の上昇時にはその上昇動作を妨げないよう減速手段31を非作動とするために切り離され、減速手段31への回転伝達を遮断する。これにより、スクリーン幕5の速い上昇動作と緩やかな下降動作とを確保し、スクリーン幕5下に適切な避難通路を形成するようになっている。また緩やかな下降動作により、降下用ウエイト10が落下するようなスクリーン幕5の挙動を抑止でき、スクリーン幕5下の避難通路を避難する避難者への安全が確保される。
【0035】以上の構成を備えた本実施形態にかかる防火区画用スクリーンシャッター1の作用について説明すると、常時はスクリーン幕5はドラム8に巻き取られ、スクリーン幕格納手段19のシャフト22が降下用ウエイト10のロック孔20に係合されていて、これによりスクリーン幕5は天井部6に係脱自在に係止されて格納された状態にある。火災発生などによる火災報知信号に応じてソレノイド24が励磁されると、シャフト22がロック孔20から抜き出されてスクリーン幕5は天井部6から離脱される。この際、減速手段31を構成する遠心力ブレーキ35や増速手段34は、以前のスクリーン幕5の巻き上げ動作の際にクラッチ手段32が切り離されていることからボス30との接続が断たれている。従って、ドラム8はシャフト22がロック孔20から後退した時点では回転自由であり、天井部6から離脱されたスクリーン幕5は降下用ウエイト10の重さを利用して、床4に向かって下降を開始する。
【0036】スクリーン幕5が下降し始めるとすぐにクラッチ手段32が接続状態となり、ドラム8の回転が遠心力ブレーキ35に入力される。スクリーン幕5の降下速度が上がると、遠心力ブレーキ35のブレーキシュー39が制動ドラム38に適宜に押し付けられ、これにより降下用ウエイト10の落下するような下降が阻止されて、この時点でスクリーン幕5下を避難通路として避難する避難者に向かって降下用ウエイト10が落ちるような事態を防ぐことができ、避難行動の安全を確保することができる。降下を続けるスクリーン幕5は、降下用ウエイト10が着床することで展開状態とされ、防火区画を形成する。このとき、降下用ウエイト10の着床に応じて展開状態維持手段18のロッド13がガイド9の横穴11に係合し、これにより天井3から降下されたスクリーン幕5が床4側に係脱自在に係止される。
【0037】このように降下用ウエイト10を介して床4に係止されたスクリーン幕5には、ドラム8に組み込まれたねじりバネ25のトルクも作用するため、当該スクリーン幕5を床4と天井3との間で相当のテンションをもってゆるみなく張りわたすことができるとともに、火災発生側と避難側との差圧でスクリーン幕5にはらみが生じるようなことがあっても、ねじりバネ25の弾性で融通を利かせることができる。従って、防火区画として良好な封鎖性能を発揮させることができる。
【0038】さらに上記従来技術にあっては、降下用ウエイトの重量のみによってその着床状態を確保してスクリーン幕の展開状態を維持するようにしていたため、降下用ウエイトを相当の剛性を有する重量物とする必要があったが、本実施形態にあっては、ロッド13の横穴11への係合でスクリーン幕5の展開状態を維持できるので、降下用ウエイト10を軽量化でき、避難行動の際の安全性を高めることができる。
【0039】次いで、スクリーン幕5による防火区画の封鎖状態で当該スクリーン幕5を昇降動作させて避難通路を確保する際には、操作レバー17を操作することにより展開状態維持手段18のロッド13を横穴11から抜き出してスクリーン幕5を床4から離脱させ、降下用ウエイト10を持ち上げあるいは跳ね上げる。降下用ウエイト10を持ち上げると、スクリーン幕5はねじりバネ25のねじりトルクの作用も手伝って上昇する。この際、スクリーン幕5の上昇動作の開始によってクラッチ手段32が切り離されて、遠心力ブレーキ35とドラム8のボス30との接続が断たれる。従って、ドラム8はスクリーン幕5が上昇する限り回転自由であり、スクリーン幕5はドラム8に速やかに巻き上げられてスクリーン幕5下に避難通路が形成され、これを通って避難することができる。
【0040】降下用ウエイト10の持ち上げは、ねじりバネ25のトルクによって助けることができるので、軽い操作でスクリーン幕5を上昇させることができる。スクリーン幕5の上昇過程で、ねじりバネ25のトルクが次第に小さくなって降下用ウエイト10の重さが勝ると、今度はスクリーン幕5は反対に下降し始め、その後はスクリーン幕5を繰り出して展開するときと同様に、降下用ウエイト10が着床し展開状態維持手段18が働いて、スクリーン幕5は防火区画を封鎖する。
【0041】他方、一旦下降させたスクリーン幕5を天井部6へ格納する際には、スクリーン幕5を高い位置まで持ち上げて降下用ウエイト10の重みがほとんどスクリーン幕5やドラム8に作用しないように支持すれば、ねじりバネ25のねじりトルクによってスクリーン幕5が自動的にドラム8に巻き取られるとともに、この過程でシャフト22がロック孔20に係合し、これによりスクリーン幕5をボックス7内に格納することができる。このように本実施形態にあっては、スクリーン幕5の繰り出し・巻き上げ動作に関して、回転方向に応じて自動的に断続されるクラッチ手段32の切り離し状態で、繰り出し動作はソレノイド24による解除動作によることとし、また巻き上げ動作はねじりバネ25のねじりトルクによることとしたので、上記従来技術の回転伝達機構を備えた開閉機やモータ等を省略することができる。
【0042】そして特に本実施形態にかかる防火区画用スクリーンシャッター1にあっては、防火区画を形成すべく昇降動作されるスクリーン幕5の当該昇降動作を利用して避難扉を形成するようにしたので、引き戸式や扉式のように避難扉の開閉のために必要となるスペースを特段に確保する必要がなくなり、間口の狭い場所やエレベータの扉前、階段室の出入り口と行った場所でも適切に設備することができて、このような場所に対する防火区画の形成と避難扉の設置という両方の要請に一挙に応えることができる。
【0043】また、避難扉がスクリーン幕5自体であるので、従来技術のようにスクリーンの幕面にスライド機構や折り返し機構などの扉機能をもたせる必要がまったくなくて構造が簡単であるとともに、このように構造が簡単であることからスクリーン幕5の繰り出し動作や巻き取り動作に支障を生じさせる要因がなく、きわめて安定した作動を保証することができて防災設備としてきわめてすぐれた性能を発揮させることができる。
【0044】さらに、以上説明した本実施形態にあっては、防火区画形成手段を構成するスクリーン幕5や、ドラム8、降下用ウエイト10、展開状態維持手段18、ロック手段とロック解除手段とからなるスクリーン幕格納手段19、さらに扉形成手段として機能するねじりバネ25、増速手段34および遠心力ブレーキ35を備える減速手段31とクラッチ手段32とからなる昇降速度調整手段33のすべてが、上方枠であるボックス7や左右一対の側方枠であるガイド9、あるいはそれらの間に組み込まれていて、これらボックス7やガイド9でなる三方枠内に防火区画用スクリーンシャッター1全体を一体に収めることが可能であり、一体型として設置することができて施工性に優れるとともに、コンパクトに設置することができる。特に、エレベーターの扉前への適用については、当該エレベーター設備の三方枠に組み込んで、防火・防煙性能を有するエレベーター設備として提供することができる。
【0045】次に図10、図11を用いて本発明の他の実施形態を説明する。図において前記実施形態と同一箇所には同一符号を用いて、その説明を省略し、異なる箇所あるいは新たに付加された箇所にのみ異なる符号を用いて説明する。
【0046】まず、図10において、上述する遠心力ブレーキ35の支軸37(図9参照)には手動ロックワイヤー50、及びロック解除用のワイヤー51が連繋し、各ワイヤー50,51は、ガイド9に沿って、あるいはガイド9近傍の手動操作可能な位置に配置した手動ロック操作ボタン52、及びロック解除用手動操作ボタン53に接続されている。
【0047】これにより、手動ロックワイヤー50に接続された手動ロックボタン52を操作することより、支軸37の回転をロックし、スクリーン幕5の降下を一時停止する機能を具備している。
【0048】他方、ロック解除用ワイヤー51に接続されたロック解除用手動操作ボタン53を操作することにより、手動ロックボタン52の操作によるブレーキ支軸37のロックを解除し、スクリーン5を再降下させる機能も具備している。
【0049】図11は、前記各ワイヤー50,51とブレーキ支軸37との関係を示すものであり、これらワイヤー50,51は、ソレノイド式駆動装置54に接続されている。
【0050】この駆動装置54は、上述のスクリーン幕格納手段9と連動して通常状態で前記ブレーキ支軸37に係合してこれをロックし、火災報知信号によりロック解除するためのものであり、以下の基本構成を具備している。
【0051】すなわち、駆動装置54は、ケース55と、ケース55の中段位置にあってL字形のヨーク56aに支持され、かつ着磁面を上部に向けて固定されたソレノイド56と、ヨーク56aの頂部を支点としてソレノイド56の頂部に離接可能に頃動支持された逆L字形のアクチュエータ57と、ケース55の上部位置に進退可能に軸止され、アクチュエータ57の上部に一体に突設された係止突起57aに係合することで常時突出位置に保持されるプランジャ58と、プランジャ58の外周囲に配置され、プランジャ58を後退方向に付勢するコイルバネ59とを備えている。
【0052】この構造の駆動装置54における通常状態では、ソレノイド56は消磁され、アクチュエータ57は図中想像線に示すごとく、ソレノイド56の上部より離間し、プランジャ58を突出させた状態に保持する。プランジャ58の先端は同じく想像線で示すように突出状態で前記ブレーキ支軸37の端部外周に係合し、これによってブレーキ支軸37の回転をロックする。
【0053】この状態から、火災報知信号がソレノイド56に入力されることにより、アクチュエータ57は図中実線で示すごとくソレノイド56側に吸着され、係止突起57aがプランジャ58から掛け外され、コイルバネ59のバネ圧により、プランジャ58は急速に後退し、ブレーキ支軸37に対するロックを解除する。
【0054】以上の構成に加え、駆動装置55には、ケース55の背面における前記ブレーキ支軸37との反対位置上部にはピン60を支点として手動ロックレバー61が垂設され、その下端を前記ケース55を横方向に貫通して配置された前記手動ロックワイヤー50の端部に連結している。
【0055】これに対し、プランジャ58のケース55からの後部突出端にはアタッチメント62を介して前記手動ロックレバー61の上部前面に接している。またロックレバー61の下端とケース55の後部壁面間において、手動ロックワイヤー50の外周には小径のコイルバネ63が介在されている。このコイルバネ63は、前記アタッチメント62とレバー61間のガタ止めと、ワイヤー50の矢印に示す引張り時に小さな抵抗を与える機能とを具備している。
【0056】さらに前記アクチュエータ57の先端垂直部57bには、前記ロック解除用ワイヤー51の端部が連結されている。そして、ケース55の前部側にはL形をしたバネ取付金具64が突出配置され、これの垂直壁64aと前記アクチュエータ57側の垂直部57bとの間において、ワイヤー51の外周には小径のコイルバネ65が介在されている。このコイルバネ65は、常時アクチュエータ57をソレノイド56の上方に離間させる機能及びワイヤー51の矢印に示す引張り時に小さな抵抗を与える機能とを具備している。
【0057】以上の構成において、前記手動ロックボタン52を操作することにより、手動ロックワイヤー50は矢印方向に引かれ、アタッチメント62を介してプランジャ58を再び前進方向に移動させ、ブレーキ支軸37の回転をロックすることになり、スクリーン幕5の下降を停止させる。
【0058】また、この状態で、前記ロック解除用手動操作ボタン53を操作することにより、アクチュエータ57の垂直部57bは前部側に引かれ、その結果支点部を基点にソレノイド56側に頃動し、係止突起57aが掛け外され、再びプランジャ58が急速に後退し、この結果、再度ロックが掛けはずれ、スクリーン幕5は下降する。
【0059】なお、図11中符号66はケース55の上部内側にあって、プランジャ58のロック、非ロック状態を検出するためのマイクロスイッチである。
【0060】次に、前記展開状態維持手段18の他の実施形態を図12,13を用いて説明する。なお本実施形態において、前記実施形態と共通する箇所には同一符号を付し、異なる箇所にのみ異なる符号を用いて説明する。
【0061】図において、展開状態維持手段18は、ガイド9の下端9aにおいて、スリット9bに隣接させて形成された横穴11に対向して降下用ウエイト10の長さ方向両端に固定配置したシリンダ70と、シリンダ70内にあって、前記横穴11に向けて挿抜可能に設けられたロッド71と、シリンダ70内にあって、ロッド71の外周に介挿され、その鍔部71aを押しつけることによりロッド71の先端部を横穴11に向けて突出付勢する圧縮コイルバネ72とを備えている。ロッド70の後部はシリンダ70の後端に突出しその突出端に設けたフランジ70bはワイヤー73に連結されている。
【0062】ワイヤー73は、左右のロッド71(図では向って左側のロッド70のみを示す)を連結するもので、ウエイト10の側面にピン74を介して揺動可能に支持された略く字形のレバー75にコマ76を介して連結している。
【0063】レバー75の一端部75aは図12(a)に示すように、ウエイト10の下面より床面4側に向けて突出しているとともに、他端部75bはウエイト10の側面に配置された引張りコイルバネ77に連結している。
【0064】引張りコイルバネ77のバネ力は前記シリンダ70内に設けた圧縮コイルバネ72のバネ圧よりも大きく設定されており、また、ウエイト10の重量よりも小さく設定されており、これにより、図12(a)に示すように、ウエイト10及びスクリーン幕5が床面4から離れている状態では、引張りコイルバネ77のバネ力により、両側のロッド71はシリンダ70内に引込まれ、またワイヤー73の中央側はたるみが生じており、さらにはレバー75の一端部75aは床面4側に向けて突出している。
【0065】この状態から、ウエイト10が着床すると、図12(b)に示すように、レバー75の一端部75aは床面4に度当りし、引張りコイルバネ77のバネ力に抗してピン74を支点として回動して、床面4位置に固定される。これによって、ワイヤー73のロッド連結端側にはたるみが生じ、圧縮コイルバネ72に対する規制が解消され、バネ圧をロッド71に作用させて突出側に付勢し、同図(b)及び図13に示すごとく、横穴11内に突出し、スクリーン幕5を閉鎖状態にロックする。
【0066】この状態からロック解除するためには、ワイヤー73の中央側を引くことにより、両側のロッド71を同時にシリンダ70内に没入させ、ロック解除されることになるのである。
【0067】したがって、本実施形態では、スクリーン幕5の幅が広いと場合であっても、ロック解除する際にワイヤー73の中央を引張り上げることにより、左右同時にロッド72によるロックを解除でき、操作を迅速に行うことができるほか、スクリーン幕5の降下時にロッド72の先端が左右のガイド9に接触することを防止できる。
【0068】なお、ロック解除時におけるワイヤー73の引上げ操作は直接手で行ってもよいが、例えばレバーなどにより、ワイヤー73の左右を同時に巻上げる機構をウエイト10の中央に設け、この機構に付属する注意表示などを近傍に配置しておくことで、避難者が迅速に対応して操作可能となる。
【0069】
【発明の効果】以上要するに、本発明にかかる防火区画用スクリーンシャッターにあっては、防火区画を形成すべく昇降動作されるスクリーン幕の当該昇降動作を利用して避難扉を形成するようにしたので、間口の狭い場所やエレベータの扉前、階段室の出入り口と行った場所でも適切に設備することができて、このような場所に対する防火区画の形成と避難扉の設置という両方の要請に一挙に応えることができる。また、避難扉がスクリーン幕自体であるので、構造が簡単であるとともに、このように構造が簡単であることからスクリーン幕の繰り出し動作や巻き取り動作に支障を生じさせる要因がなく、安定した作動を保証することができる。
【出願人】 【識別番号】591148060
【氏名又は名称】ユニチカ設備技術株式会社
【住所又は居所】京都府宇治市宇治戸ノ内5番地
【識別番号】000115234
【氏名又は名称】ユニチカグラスファイバー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区南船場1丁目18番17号
【出願日】 平成14年8月20日(2002.8.20)
【代理人】 【識別番号】100071283
【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外2名)
【公開番号】 特開2003−310777(P2003−310777A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−239619(P2002−239619)