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【発明の名称】 スプリンクラーヘッドカバー
【発明者】 【氏名】石川 広輝
【住所又は居所】東京都足立区千住橋戸町23番地 千住スプリンクラー株式会社内

【要約】 【課題】スプリンクラーヘッドカバーの本体とカバーの接合強度を向上させ、カバーが落下しにくい構造のスプリンクラーヘッドカバーの提供。

【解決手段】スプリンクラーヘッドHと係合する本体10と、該本体10とスプリンクラーヘッドを覆い隠すカバー30とを接合する低融点合金によって構成されるスプリンクラーヘッドカバーにおいて、球状に形成した低融点合金20または一部が切欠かれた環状の形状記憶素材40を前記本体10とカバー30の間に介装した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スプリンクラーヘッドと係合する本体と、該本体とスプリンクラーヘッドを覆い隠すカバーとを結合する低融点合金によって構成されるスプリンクラーヘッドカバーにおいて、球状に形成した低融点合金を係止部品として用い、前記本体とカバーの間に介装することで結合されることを特徴とするスプリンクラーヘッドカバー。
【請求項2】 スプリンクラーヘッドと係合する本体と、該本体とスプリンクラーヘッドを覆い隠すカバーとを結合する低融点合金によって構成されるスプリンクラーヘッドカバーにおいて、一部が切欠かれた環状の形状記憶素材を前記本体とカバーの間に介装することで結合されることを特徴とするスプリンクラーヘッドカバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常はスプリンクラーヘッドがカバーで覆われており、火災時に該カバーが落下するスプリンクラーヘッドカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のスプリンクラーヘッドカバーとしては、例えば図6に示すものがある。該スプリンクラーヘッドカバーは、本体1、係止部2、カバー3、低融点合金4から構成される。
【0003】本体1は円筒状であり、上部が周縁から軸方向へ拡張した内フランジ形状となっており中央に穴が穿設されている。該穴の周縁は上方に立上がっており、直径はスプリンクラーヘッドHの配管接続ネジ部の最大径部分より大きく、スプリンクラーヘッドHのフレーム鍔部5より小さい。本体1の下部外周には牡ネジが螺設され、該牡ネジは係止材2の牝ネジ部に螺入される。
【0004】係止材2は円筒形状で、上部には前述の牝ネジ部が螺設されている。下端は外側へ拡張されたフランジ形状となっており、該フランジ部の数箇所に、フランジ面より下方へ垂下した接続部6が複数設けられている。
【0005】接続部6の下端は水平に曲げられており、下面は溶融させた低融点合金4によってろう付けされ、カバー3と接合している。
【0006】カバー3は円盤状であり、前述のとおり係止材2と低融点合金4によって接合している。低融点合金4はいわゆる半田であり、係止材2とカバー3をろう付けしている。
【0007】上記のスプリンクラーヘッドカバーを設置するには、まず本体1の下方からスプリンクラーヘッドHを挿入し、該スプリンクラーヘッドHの配管接続ネジ部に、本体1上部の穴周縁の立上がり部分をネジ山に押圧し、本体1をスプリンクラーヘッドHに固定させた状態で配管にスプリンクラーヘッドHを螺入して接続させる。
【0008】次に、本体1の下部の牡ネジ部と係止材2上部の牝ネジ部を螺合させるのであるが、あらかじめ係止材2には低融点合金4によってカバー3を接合させておく。該係止材2を係止材2下部のフランジ上面が天井面に接するまで本体1へねじ込むことでスプリンクラーヘッドカバーが取付けられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のスプリンクラーヘッドカバーは、係止材とカバーは低融点合金にて溶着されているが、長い間天井面に設置されていると経年変化によって結合強度が弱くなり接合面が剥れ、カバーが落下してくる危険性がある。
【0010】そこで本発明では、本体とカバーの結合強度を向上させ、カバーが落下しにくい構造のスプリンクラーヘッドカバーの提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、スプリンクラーヘッドと係合する本体と、該本体とスプリンクラーヘッドを覆い隠すカバーとを結合する低融点合金によって構成されるスプリンクラーヘッドカバーにおいて、球状に形成した低融点合金を係止部品として用い、前記本体とカバーの間に介装することで結合されるスプリンクラーヘッドカバーである。
【0012】請求項2記載の発明は、スプリンクラーヘッドと係合する本体と、該本体とスプリンクラーヘッドを覆い隠すカバーとを結合する低融点合金によって構成されるスプリンクラーヘッドカバーにおいて、一部が切欠かれた環状の形状記憶素材を前記本体とカバーの間に介装することで結合されるスプリンクラーヘッドカバーである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を図1から図3を参照して説明する。図1は第1実施形態の断面図であり、図2は本体とカバーを結合する際の断面図であり、図3は溝が螺旋状であるカバーの実施形態断面図である。
【0014】本発明のスプリンクラーヘッドカバーは本体10、低融点合金20、カバー30から構成されている。
【0015】本体10は円筒形状で、上部は複数の切欠き溝が形成され、複数の舌状体11が形成されている。舌状体11の内壁には線状の突起12が水平に伸び、また同様の突起12が垂直方向に複数設置されている。
【0016】本体10の下端は外側へ拡張されたフランジ13となっている。側面下部には低融点合金20を介装するために外部に突出させ設置されたポケット15が複数存在する。ポケット15の上部には低融点合金20をポケット15内に嵌入するための穴が穿設されている。ポケット15は上部から下部に向かって軸方向に収束するテーパ面が設けられている。
【0017】また本体10は低融点合金20に伝わった熱を本体10に伝導させないために樹脂等の熱伝導性の良くない材質で形成するのが好ましい。
【0018】低融点合金20は、本体10とカバー30を係止するための係止部品であり、火災の熱によって容易に溶融する金属あるいは合金である。また低融点合金20はスプリンクラーヘッドHの作動温度よりも低い温度で溶融するものを用いるのが好ましい。低融点合金20の形状は球状であり、前述ポケット15に嵌入できる大きさに形成する。
【0019】カバー30は、有底円筒形状をしており外径は本体10の下端内径より僅かに小径で、側面には低融点合金20が介装される水平溝31が刻設されている。カバー30は金属材料から形成されており、火災の熱を低融点合金20に伝わりやすくして低融点合金20が早く溶融するようにしている。
【0020】カバー30の他の実施形態として、図3に示す螺旋状の溝32を有するカバーを用いることも可能である。螺旋状の溝32によって、カバー30を回転させることで設置高さを調節することが可能となる。
【0021】また、火災による熱気流をスプリンクラーヘッドカバー内に流入させ、スプリンクラーヘッドの感熱分解部にも熱が伝わるように、カバー底面や側面下部に気流取り込み穴を穿設してもよい。
【0022】次に第1実施形態のスプリンクラーヘッドカバーの組み立て手順について図2を参照して説明する。図2(a)は第1実施形態の本体10とカバー20を結合する前の状態である。組み立ての手順は、カバー20の上部を本体10の下端より僅かに嵌入させた状態で、球状の低融点合金20をそれぞれのポケット15内に入れる。このとき低融点合金20はカバー30の側面に当接した状態である。
【0023】さらにカバー30を本体10内部へ押し込むと、図2(b)に示すように低融点合金20が水平溝31に嵌合してカバー30がそれ以上本体10の内部へ進まなくなる。これにより低融点合金20によって本体10とカバー30が係止され、結合される。
【0024】次に上記手順によって組み立てられたスプリンクラーヘッドカバーをスプリンクラーヘッドに取り付ける手順について説明する。図1に示すスプリンクラーへッドHのフレーム鍔部Fには外周面に水平溝が複数刻設されており、該水平溝と、本体10の舌状体11内側の突起12が係合して本体10がスプリンクラーヘッドHと係合される。
【0025】実際の作業としては、既に天井に設置されたスプリンクラーヘッドHに本体10を下方から挿通させ、舌状体11の突起12がスプリンクラーヘッドHのフレーム鍔部Fと係合するまで上方に押し上げ、本体10のフランジ13上面が天井面と近接する位置に調節し設置する。
【0026】続いて火災が発生した際のスプリンクラーヘッドカバーの作用について説明する。火災が発生すると、火災の熱がカバー30に吸収され低融点合金20に伝わる。該熱によって低融点合金20が軟化してカバー30を支えきれなくなりカバー30が落下し、続いてスプリンクラーヘッドHが作動して水が室内に散布され火災を鎮圧・消火する。
【0027】次に第2実施形態について説明する。第1実施形態では、球状の低融点合金を用いて本体とカバーを結合していたが、第2実施形態では、一部が切欠かれた環状の形状記憶素材によって本体とカバーを結合するものである。
【0028】第2実施形態を図4、図5を参照して説明する。図4は第2実施形態のスプリンクラーヘッドカバーの断面図である。図5は図4のカバーの断面図である。
【0029】第2実施形態のスプリンクラーヘッドカバーは、本体10、カバー30、リング40から構成される。尚、本体10、カバー30の第1実施形態と構造が同じ部分については、同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】図4に示す本体10は、第1実施形態と略同じであるが、本体10の内周面下部には、内径がリング40よりも大径である水平溝16が刻設されている。該溝16にはリング40が嵌入される。
【0031】カバー30は、有底円筒形状であり開口周縁には複数の舌状体33・・・が立設され、該舌状体33の先端には外側に張り出した爪34が形成されている。爪34の上面はテーパー形状または曲面となっている。カバー30は熱伝導性が良好で弾性を有する金属材料から形成される。
【0032】リング40は形状記憶素材から形成され、一部が切欠かれた環状になっている。該リング40はある一定の温度に達すると予め記憶された形状に変化する性質を有している。具体的例として、リング40の温度が50から60度に達すると、リング40の径が拡大するように設定されたものを用いる。リング40の内径はカバー30外周面と略同じか、または僅かに大径である。
【0033】続いて第2実施形態のスプリンクラーヘッドカバーの組み立て手順について説明する。まずリング40を本体10の水平溝16に嵌める。次にカバー30を本体10の下端から嵌入させる。すると舌状体33の爪34のテーパー部分がリング40の内周に当接する。
【0034】さらにカバー30をカバー10内に挿入すると、舌状体33は自らの弾性によって軸方向へ屈曲する。リング40の上に爪34の下端が達するまでカバー30を本体10に押し込むと、舌状体33は元の形状に戻り爪34の下端がリング40と係合され、本体10とカバー20が結合される。
【0035】上記手順によって組み立てられた第2実施形態のスプリンクラーヘッドカバーをスプリンクラーヘッドに取り付ける手順は、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0036】第1実施形態および第2実施形態ではフレームタイプのスプリンクラーヘッドに本発明のスプリンクラーヘッドカバーを設置していたが、同様に他の種類のスプリンクラーヘッドにも設置が可能である。
【0037】また、火災発生時において低融点合金の溶融によるカバーの落下を促すために、スプリンクラーヘッドとカバーの間にバネ等の弾発体を介在させてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、球状の低融点合金または環状の形状記憶素材によってスプリンクラーヘッドカバーの本体とカバーを係合することにより、本体とカバーの結合強度が向上し、カバーが落下しにくい構造のスプリンクラーヘッドカバーが提供できる。
【出願人】 【識別番号】000199186
【氏名又は名称】千住スプリンクラー株式会社
【住所又は居所】東京都足立区千住橋戸町23番地
【出願日】 平成14年2月4日(2002.2.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−225321(P2003−225321A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−26611(P2002−26611)