| 【発明の名称】 |
消火設備 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 祥吾 【住所又は居所】東京都千代田区九段南4丁目7番3号 能美防災株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】泡消火を行うための配管内に泡水溶液を充填しておく必要をなくすることができる消火設備を提供する。
【解決手段】消火設備1の配管3内に固体状の消火剤を収納し、配管3内を消火水が流れる際に、固体状の消火剤は消火水に溶けるものであることとする。さらに、消火設備1の配管3を、固体状の消火剤を収納する部分10の上流側に火災発生時に開放する感熱開放弁8を有するものとし、その感熱開放弁8の下流側は常時においては消火水が充填されていない空配管とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 消火設備の配管内に固体状の消火剤を収納し、該配管内を消火水が流れる際に、該固体状の消火剤は該消火水に溶けるものであることを特徴とする消火設備。 【請求項2】 前記固体状の消火剤は、中心に孔を有する形状に固形化されているものであることを特徴とする請求項1記載の消火設備。 【請求項3】 前記固体状の消火剤は、前記消火設備の配管に設けられた消火剤収納筒に収納されるものであることを特徴とする請求項1記載の消火設備。 【請求項4】 前記消火剤収納筒は、多数の孔を有する多孔板により形成され、分流板により蓋をされているものであることを特徴とする請求項3記載の消火設備。 【請求項5】 前記固体状の消火剤は、前記配管に設けられ、略Y字状又は略T字状に形成され、三つの開口部の内の一つを消火剤交換用の差し込み口とする消火剤収納配管部に収納されるものであることを特徴とする請求項1記載の消火設備。 【請求項6】 前記消火設備の配管は、前記固体状の消火剤が収納される部分の上流側に火災発生時に開放する感熱開放弁が設けられ、該感熱開放弁の下流側は常時においては消火水が充填されていない空配管であることを特徴とする請求項1記載の消火設備。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、消火設備に関するもので、特に泡消火を行う消火設備に関する。 【0002】 【従来の技術】消火設備には、水消火を行うものや、泡消火を行うもの等がある。尚、本願明細書において、泡消火とは、泡ヘッドを用いて泡水溶液を泡状にして放出するものだけでなく、泡ヘッドを用いずにスプリンクラヘッドを用いて泡水溶液を液状のまま放出するものも含むものとする。 【0003】泡消火を行う消火設備は、石油、ガソリン等の可燃性液体の火災の様に、水消火が困難な火災を対象とする場合に主に採用されており、例えば自動車が多数置かれる駐車場等の様に可燃性液体による火災が生じ得る場所に設備されていることが多い。 【0004】従来の泡消火を行う消火設備を図13に基づき説明する。尚、図13に示す例は、ビルの駐車場に設備される消火設備の例であり、車両が駐車される駐車場においては泡消火を行い、駐車場に隣接する場所や、ビルの他のフロア等においては水消火を行う様構成されている。 【0005】図13において、水が貯水された貯水槽101を基端とする泡消火系配管100には、配管100中に圧力を加えるポンプ102、泡の原液が充填された泡原液槽103、水と泡原液とを混合する混合器104と、混合器104で混合された泡水溶液が通過することを検知する流水検知装置105、火災発生時等に弁を開放する一斉開放弁106、一斉開放弁106より分岐し、火災を感知して一斉開放弁106の弁を開放する目的で設けられる感知ヘッド107、一斉開放弁106より分岐し、泡水溶液を泡状にして放出する泡ヘッド108等が設けられている。 【0006】又、図13において、水が貯水された貯水槽101を基端とする水消火系配管200には、配管200中に圧力を加えるポンプ202、水が通過するのを検知する流水検知装置203、火災を感知して水を放出する閉鎖型スプリンクラヘッド204等が設けられている。 【0007】図13に示す従来例では、泡消火系配管100において、貯水槽101から混合器104までは水(斜線ハッチ部分)が、混合器104から一斉開放弁106、そして一斉開放弁106より分岐して感知ヘッド107までは泡水溶液(塗りつぶしハッチ部分)が常時充填されていることとなる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上記従来例は泡消火を行う消火設備の一例であるが、上記従来例に限らず従来の泡消火を行う消火設備においては、その配管には泡水溶液が常時充填されている。このため、次の如き問題がある。 ■感知ヘッドの暴発等により、非火災時に泡ヘッドから泡が放出されてしまうことがある。この場合、後始末が非常に面倒であるとともに廃棄にコストがかかる。更には、泡水溶液の中には環境上好ましくない物質が含まれていることもあり、非火災時に泡が放出されることは環境面を考慮すれば好ましいものではない。 ■設備後長期間経過すると、泡水溶液が充填されている箇所の各機器における動作部分が固着してしまうこともある。 ■水消火と泡消火の双方を行う消火設備を構成する場合、泡消火を行うためには配管に泡水溶液を充填しておく必要があることから、水消火を行うための配管と泡消火を行うための配管とを上記図13の例の水消火系配管200と泡消火系配管100の様に別系統の配管とする必要があり、更に同例の様にポンプ等をそれぞれ設ける必要があり、設備コストが高い。 【0009】この発明は、上記事情に鑑み、泡消火を行うための配管内に泡水溶液を充填しておく必要をなくすることができる消火設備を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するこの発明について述べれば、それは、消火設備の配管内に固体状の消火剤を収納し、該配管内を消火水が流れる際に、該固体状の消火剤は該消火水に溶けるものであることを特徴とする消火設備、である。 【0011】この発明によれば、火災発生時配管内に消火水を流してそれに消火剤を溶かすことで、消火水を泡水溶液にすることができるので、泡消火を行うための配管内に泡水溶液を常時充填しておく必要をなくすることができる。 【0012】又、上記発明において、前記固体状の消火剤は、一定の形状に固形化された固形消火剤であることが好ましく、更に好ましくは、中心に孔を有する形状に固形化されていることが好ましい。中心に孔を有する形状としては、例えば、中心に孔を有する円柱形状(ちくわ形状)のものや、中心に孔を有するタブレット形状(ドーナツ形状やそろばん玉形状)のもの等がある。前記固体状の消火剤を中心に孔を有する形状に固形化された固形消火剤とすることで、消火水は固形消火剤における中心の孔を通ることとなるので、消火剤と消火水との接触面積が増加し、消火剤は溶け易くなる。又、固形消火剤における中心の孔は、消火水の流路となるので、ヘッド側への給水量を十分に確保できる。 【0013】尚、前記固体状の消火剤は、一定の形状に固形化されているのが好ましいが、粉状又は粒状の消火剤を用いるようにしてもよい。粉状又は粒状の消火剤を用いる場合には、例えば、粉状又は粒状の消火剤を水溶性又は透水性のフィルム状の材料により形成した収納袋等に収納したものを用いるのが好ましい。 【0014】又、上記発明において、前記固体状の消火剤は、前記消火設備の配管に設けられた消火剤収納筒に収納されるものであることが好ましい。これによれば、消火剤は、消火剤収納筒内に収納されて配管に設けられることとなり、消火設備の配管において所定位置に保持される。 【0015】又、上記発明において、前記消火剤収納筒は、多数の孔があいた多孔板、例えばメッシュ板によって形成され、上端及び又は下端が分流板によって蓋をされていることが好ましい。これによれば、消火剤収納筒が多孔板によって形成されていることから、消火剤と消火水との接触面積が増加し、消火剤が溶け易くなる。又、消火剤収納筒の下端を分流板によって蓋をすることで、消火剤が欠けたりしても、消火ヘッドが詰まることがないようにすることができる。更に、消火剤収納筒の上端を分流板によって蓋をすることで、供給される消火水を消火剤に当たり易く分流させることができる。 【0016】又、上記発明において、前記固体状の消火剤は、配管に設けられ、略Y字状又は略T字状に形成され、三つの開口部の内の一つを消火剤交換用の差し込み口とする消火剤収納配管部に収納されるものであることが好ましい。これによれば、容易に消火剤の交換が可能となる。略Y字状又は略T字状の消火剤収納配管部に消火剤を収納するようにすることで、消火剤を横に寝かした如き状態、即ち消火剤の長手方向側面を消火水の流れに対して対向するが如き向きに向けた状態で収納することができ、消火剤と消火水との接触面積を増加させて、消火剤を溶け易くすることができる。 【0017】又、上記発明において、前記消火設備の配管は、前記固体状の消火剤が収納される部分の上流側に火災発生時に開放する感熱開放弁が設けられ、該感熱開放弁の下流側は常時においては消火水が充填されていない空配管であることが好ましい。これによれば、感熱開放弁の下流側だけを泡消火を行う設備とすることができ、同一系統の配管において、感熱開放弁の上流側を水消火を行う設備とし、感熱開放弁の下流側を泡消火を行う設備とすることができる。このため、水消火と泡消火の両方を行う消火設備を設備する場合に、水消火を行うための配管と泡消火を行うための配管とを別系統にしなければならなかった従来例に比して、設備を簡略化して構成することができるとともに、より安価に設備を構成することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。 【0019】図1は、この発明の消火設備を駐車場の消火設備に適用する場合の一例の常時における状態の設備全体の概略を示すもので、駐車場部分には泡消火を行い、駐車場に隣接する部分には水消火を行う構成としたものである。 【0020】図1において、消火設備1は、消火水が貯水された貯水槽2を基端とする配管3を備えている。配管3には、配管3中に圧力を加えるポンプ4、配管3内を消火水が通過するのを検知する流水検知装置5、駐車場に隣接する場所に配置され、水消火を行うための閉鎖型スプリンクラヘッド6、駐車場に配置され、泡消火を行うための泡消火配管部7とが順次設けられている。 【0021】泡消火配管部7は、継手であるとともに火災発生時熱を感知して弁を開放する感熱開放弁(以下、感熱開放継手ともいう)8を介して配管3に設けられており、中継配管部9、内部に固体状の消火剤を収納した消火剤収納配管部10、泡水溶液を泡状にして放出する泡ヘッド11とからなる。 【0022】内部に固体状の消火剤を収納した消火剤収納配管部10は、消火水が内部に流入したときに、その消火水に固体状の消火剤が溶ける如く構成されており、又、固体状の消火剤が消火水に溶けることによって生成される泡水溶液を泡ヘッド11に供給する如く構成されている。 【0023】消火剤収納配管部10に収納する固体状の消火剤は、一定の形状に固形化されているものを用いるのが好ましく、更には消火水に溶け易い形状に固形化されているものを用いるのが好ましい。 【0024】消火剤収納配管部10に収納する固体状の消火剤の例については後記において説明する。 【0025】尚、消火剤収納配管部10に収納する固体状の消火剤は、上記の如く一定の形状に固形化されているものを用いるのが好ましいが、それに代えて、粉状又は粒状の消火剤を用いるようにしてもよい。その場合、例えば、粉状又は粒状の消火剤を水溶性又は透水性のフィルム状の材料により形成した収納袋等に収納したものを用いるのが好ましい。又、固体状の消火剤は、半固体状、即ちジェル状としてもよい。又、液状の消火剤を利用することも考えられるが、この場合には、消火水が流れる際、少しずつ液状の消火剤を消火水に溶け込ませる機構が必要となる。 【0026】図1においては、消火剤収納配管部10として、その外観がストレート形をなすものとY字形をなすものとが示されているが、それらの詳細についてはストレート形消火剤収納配管部12とY字形消火剤収納配管部14として後記において説明する。 【0027】感熱開放継手8は、継手であるとともに火災発生時熱を感知して弁を開放するものであればよいが、例えば特開平10−108917号公報に開示されているものを用いるのが好ましい。特開平10−108917号公報に開示されている感熱開放継手(同公報におけるスプリンクラヘッド取付具1)を用いることで、この実施の形態における感熱開放継手8と泡ヘッド11の様に、感熱部とヘッド部分とを離間させることができるので、感熱部は感熱に最適の位置に配置し、ヘッド部分は放出に最適の位置に配置させることができる。 【0028】尚、感熱開放継手8を用いる代わりに、起動手段を別途設ける必要はあるが、公知の一斉開放弁を配管3の適宜位置に設け、その下流に泡消火配管部7を設けるようにしてもよい。 【0029】更に、泡ヘッド11は、発泡手段を備えており、泡水溶液を泡状にした上で放出するものであるが、この泡ヘッド11に代えて、発泡手段を備えていない放出ヘッドを用いてもよい。この場合、放出される泡水溶液は、ほとんど発泡することなく液状のまま放出されるが、デフレクタ等に衝突させることで液滴状にして飛散させることができ、又この液滴状に放出される泡水溶液は泡に比して重いので遠方まで飛散させることができるとともに火炎中に直接飛び込ませることができる。このため、泡ヘッド11を噴霧ヘッドと呼ぶ場合がある。 【0030】消火設備1の配管3においては、図1に斜線ハッチングで示す通り、その基端部3aから感熱開放継手8までは常時消火水が充填されているが、感熱開放継手8は常時においては弁体を閉じているので、泡消火配管部7は常時においては所謂空配管であり、常時においては消火水は充填されていない。 【0031】閉鎖型スプリンクラヘッド6は、配管3における常時において消火水が充填されている部分に設けられており、スプリンクラヘッド6が開放すれば、スプリンクラヘッド6からは消火水が放出されることとなる。従って、消火設備1によれば、閉鎖型スプリンクラヘッド6が配置されている駐車場に隣接する場所においては、水消火が行われることとなる。 【0032】泡消火用配管部7は常時においては空配管であるが、感熱開放継手8の感熱部が火災時の熱を感知してその弁を開放すると、泡消火用配管部7には消火水が流入ることとなる。泡消火用配管部7に消火水が流入すると、その消火水は、中継配管部9を通過して消火剤収納配管部10に至り、そこで消火剤収納配管部10に収納されている固体状の消火剤を溶かして泡水溶液となる。そして、その泡水溶液は泡ヘッド11から泡状となって放出されることとなる。従って、消火設備1によれば、泡消火用配管部7が配置されている駐車場においては、泡消火が行われることとなる。 【0033】上記の如き消火設備1によれば、泡消火を行うことができる構成を備えていながら、泡水溶液を配管中に常時充填しておく必要がない消火設備を構成することができる。 【0034】又、消火設備1が正にそうであるが、上記の如き消火設備1によれば、泡水溶液を配管中に常時充填しておかなくても泡消火を行う構成を備えることができることから、水消火を行う構成と泡消火を行う構成とを同一系統の配管に併設することができる消火設備を構成することができる。 【0035】図2乃至6は、この発明の消火剤収納配管部10の一例であるストレート形消火剤収納配管部12を示すもので、図2はストレート形消火剤収納配管部12の縦断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図、図5は図2のC−C線断面図、図6は消火水(泡水溶液)の流れを示すストレート形消火剤収納配管部12の断面図である。 【0036】図2乃至6において、ストレート形消火剤収納配管部12は、直筒状のストレート形外管部12aによって構成され、その上方開口部12bには中継配管部9が連結され、その下方開口部12cには消火剤交換用ソケット12dを介して泡ヘッド11が取り付けられている。ストレート形外管部12aは、その内部に薄板により形成された第一の消火剤収納筒12eを有している。第一の消火剤収納筒12eの外側面はストレート形外管部12aの内壁に略接触している。更に、第一の消火剤収納筒12eは、その上下の開口部を蓋する如く設けられた分流板12fと同12gを有し、又、その内部に、多孔板、例えばメッシュ板により形成され、消火剤13を第一の消火剤収納筒12eに支持する第二の消火剤収納筒12h及び第三の消火剤収納筒12iを有している。 【0037】第二の消火剤収納筒12hと第三の消火剤収納筒12iは、分流板12f又は分流板12gに固定されており、第一の消火剤収納筒12e内において一定位置に保持され、第一の消火剤収納筒12eと同心状になる如く配置されている。 【0038】消火剤13は、固体状の消火剤で、中心に孔を有する形状に固形化されており、第二の消火剤収納筒12hと第三の消火剤収納筒12iとの間に収納され、第二の消火剤収納筒12hと第三の消火剤収納筒12iによって第一の消火剤収納筒12eに支持されている。 【0039】尚、第一の消火剤収納筒12eは、ストレート形外管部12aの内壁に形成された上方ストッパ部12jにより上流端方向への移動が規制され、消火剤交換用ソケット12dの内壁に形成された下方ストッパ部12kにより下流端方向への移動が規制されている。これにより、第一の消火剤収納筒12eはストレート形外管部12a内において一定位置保持されている。 【0040】分流板12f、12gは、中心に位置する内側分流孔12m、12nと、その周囲に位置する複数の外側分流孔12p、12rを有している。内側分流孔12m、12nは、第三の消火剤収納筒12iの内側に形成される内側流路12sに対し上下方向において重なる如き位置に設けられ、外側分流孔12p、12rは、第二の消火剤収納筒12hの外側に形成される外側流路12tに対し上下方向において重なる如き位置に設けられている。これにより、分流板12fの内側分流孔12mと外側分流孔12pを介しての内側流路12sと外側流路12tへの流入と、分流板12gの内側分流孔12nと外側分流孔12rを介しての内側流路12sと外側流路12tからの流出を円滑にすることができる。 【0041】図6に示す如く、ストレート形消火剤収納配管部12に消火水Wが流れてくると、その流れは分流板12fの内側分流孔12mと外側分流孔12pによって、内側流路12sを流れる流れ(矢印A1)と外側流路12tを流れる流れ(矢印A2)とを形成するが、その流れは、メッシュ板により形成された第二の消火剤収納筒12hと第三の消火剤収納筒内壁12iから消火剤13側にも流入して消火剤13を溶かすこととなるので、それにより消火水Wは泡水溶液WFとなり、分流板12gの内側分流孔12nと外側分流孔12rとからそれぞれ流出(矢印A3、矢印A4)することとなる。そして、泡水溶液WFは、ストレート形消火剤収納配管部12の下端に取り付けられた泡ヘッド11から泡状又は液状のまま放出されることとなる。 【0042】消火剤13の交換を行う(消火剤は定期的に交換するのが好ましい)際には、消火剤交換用ソケット12dをストレート形外管部12aから取り外して行う。この取り外し操作を容易に行うことができるようにするために、図2乃至5の例において消火剤交換用ソケット12dは所謂ワンタッチで取り外しを行うことができる構成としてある。尚、十字状のクロス継手を使用して、水平方向にストレート形外管部12aを設けることで、消火水の流れに対して消火剤を垂直方向に対向させた向きで設けるようにしてもよい。 【0043】図7乃至11は、この発明の消火剤収納配管部10の他の一例であるY字形消火剤収納配管部14を示すもので、図7はY字形消火剤収納配管部14の縦断面図、図8は図7のA−A線断面図、図9は図7のB−B線断面図、図10は図7のC−C線断面図、図11は消火水(泡水溶液)の流れを示すY字形消火剤収納配管部14の断面図である。 【0044】図7乃至11において、Y字形消火剤収納配管部14は、三つの開口を有するY字状のY字形外管部14aによって構成され、外管部14aの三つの開口のうち、上方開口部14bには中継配管部9が連結され、下方開口部14cには泡ヘッド11が取り付けられ、消火剤交換用差し込み口を構成する斜め上方開口部14dにはその開口部14dを蓋する如く消火剤交換用キャップ14eが設けられている。Y字形外管部14aは、上方開口部14bと下方開口部14cとを直線状に連絡する如く形状を有する主管部14fと、主管部14fより分岐し、主管部14f内部と斜め上方開口部14dとを連絡する分岐管部14gとからなり、その外観は全体として略Y字形状をなしている。 【0045】Y字形外管部14aにおける分岐管部14gは、その内部に、多孔板、例えばメッシュ板により形成された第一の消火剤収納筒14hを有しており、第一の消火剤収納筒14hは、その側面の一方の側を主管部14f内に臨ませるとともに、その下端も主管部14fに臨ませ、更にその上端が主管部14fに対し斜め上方に向く如く配置されており、その上下端の開口部を蓋する如く設けられた分流板14i、14jを有している。又、第一の消火剤収納筒14hは、その内部に、多孔板、例えばメッシュ板により形成され、消火剤13を第一の消火剤収納筒14hに支持する第二の消火剤収納筒14k、第三の消火剤収納筒14mを有している。 【0046】第二の消火剤収納筒14kと第三の消火剤収納筒14mは、分流板14i又は分流板14jに固定されており、第一の消火剤収納筒14h内において一定位置に保持され、第一の消火剤収納筒14hと同心状になる如く配置されている。 【0047】消火剤13は、固体状の消火剤で、中心に孔を有する形状に固形化されており、第二の消火剤収納筒14kと第三の消火剤収納筒14mとの間に収納され、第二の消火剤収納筒14kと第三の消火剤収納筒14mによって第一の消火剤収納筒14hに支持されている。 【0048】尚、第一の消火剤収納筒14hは、消火剤交換用キャップeに形成された上方ストッパ部14pにより上端方向及び側方への移動が規制され、Y字形外管部14aの内壁に形成された下方ストッパ部14rにより下端方向及び側方への移動が規制されている。これにより、第一の消火剤収納筒14hはY字形外管部14a内において一定位置保持されている。 【0049】分流板14i、14jは、中心に位置する内側分流孔14s、14tと、その周囲に位置する複数の外側分流孔14u、14vを有している。内側分流孔14s、14tは、第三の消火剤収納筒14mの内周側に形成される内側流路14wに対し上下方向において重なる如き位置に設けられ、外側分流孔14u、14vは、第二の消火剤収納筒14kの外周側に形成される外側流路14xに対し上下方向において重なる如き位置に設けられている。これにより、分流板14i、14jにおける内側分流孔14s、14t、外側分流孔14u、14vと、内側流路14w、外側流路14xとの間の流れを円滑にすることができる。 【0050】図11に示す如く、Y字形消火剤収納配管部14に消火水Wが流れてくると、その流れは主管部14f上方側から分岐管部14gのメッシュ板により形成された第一の消火剤収納筒14h内部に流入し、外側流路14xにおける主管部14fに面する側を流れるが、その流れは、上方に向かう流れ(矢印A5)や下方に向かう流れ(矢印A6)等を形成し、このうち、上方に向かう流れ(矢印A5)は、第一の消火剤収納筒14hの上端の分流板14iの外側分流孔14uから第一の消火剤収納筒14hの上方空間14yへの流れ(矢印A7)を形成し、上方空間14yに流出した流れ(矢印A7)は、分流板14iの内側分流孔14sと外側分流孔14uから、内側流路14wへの流れ(矢印A8)と外側流路14xへの流れ(矢印A9)とをそれぞれ形成する。尚、ここで、上方空間14yを形成する消火剤交換用キャップ14eの内面は曲面になっており、上方空間14yから内側流路14wや外側流路14xへの流れを円滑にすることができる様になっている。又、消火水Wの流れは、第一の消火剤収納筒14hの周方向に流れる流れや、分岐管部14gの外側部に形成した隆起部内部の隆起空間14zにおいて外側流路14xから第一の消火剤収納筒14hの外周側に流れ出る流れなども形成するが、それらの流れは、隆起空間14zがあることにより、隆起空間14zから外側流路14xを流れる流れに合流する様になっている。この様に分岐管部14gに隆起空間14zを形成することで、さらにその隆起空間部14zを形成する隆起部の内周面を曲面にすることで、水の流れを円滑にし、それにより消火剤13との接触を高めることができる様になっている。消火水Wは、内側流路14wと外側流路14xを流れる際に、メッシュ板により形成される第二の消火剤収納筒14kと第三の消火剤収納筒14mから消火剤13側にも流入して消火剤13を溶かすこととなるので、それにより泡水溶液WFとなって分流板14jの内側分流孔14tと外側分流孔14vから主管部14fの下方側にそれぞれ流出(矢印A10、矢印A11)することとなる。そして、泡水溶液WFは、Y字形消火剤収納配管部14の下端に取り付けられた泡ヘッド11から泡又は液状のまま放出されることとなる。 【0051】消火剤13の交換を行う(消火剤は定期的に交換した方がよい)際には、消火剤交換用キャップ14eを取り外して行う。この取り外し操作を容易に行うことができるようにするために、図6乃至11の例において消火剤交換用キャップ14eは所謂ワンタッチで取り外しを行うことができる構成になっている。キャップ14eと分流板14iを固定しておいて、キャップ14eを引き抜けば第二の消火剤収納筒14kと第三の消火剤収納筒14mが同時に取り外せるようにしてもよい。 【0052】尚、Y字形消火剤収納配管部14は、その全体の形状が略Y字形をなすものであるが、これに代えて全体の形状が略T字形をなすもの、即ちT字形消火剤収納配管部としてもよい。T字形消火剤収納配管部の図示は省略するが、Y字形消火剤収納配管部14における分岐管部14gを主管部14fに対して垂直方向に向けることで、全体として略T字形をなすT字形消火剤収納配管部を構成することができる。このT字形消火剤収納配管部によれば、Y字形消火剤収納配管部14に比して高さを低くすることができる。このため、機械式駐車場に適した消火剤収納配管となる。 【0053】図12の(a)乃至(c)は、この発明の固体状の消火剤の例をそれぞれ示し、上記したストレート形消火剤収納配管部12及びY字形消火剤収納配管部14(T字形消火剤収納配管部とする場合も含む)に収納される消火剤13として用いることができるもので、(a)はちくわ形固形消火剤15の斜視図、(b)はドーナツ形タブレット状固形消火剤16の斜視図、(c)はそろばん玉形タブレット状固形消火剤17の斜視図である。 【0054】図12の(a)乃至(c)において、ちくわ形固形消火剤15、ドーナツ形タブレット状固形消火剤16、そろばん玉形タブレット状固形消火剤17は、それぞれ一定の形状に固形化された固形消火剤であり、中心に軸心方向に貫通する孔15a、16a、17aをそれぞれ有している。このように、固体状の消火剤として一定の形状に固形化した固形消火剤を用いることで、設備の際、或いは設備後のメンテナンスの際に、消火剤の取扱いを容易にすることができる。又、中心に孔を有する形状とすることで、消火剤の中心部に消火水の流路を形成することができ、消火剤と消火水との接触面積を広くすることができるので、消火剤を消火水に溶け易くすることができる。 【0055】又、図12の(b)、(c)にそれぞれ示す、ドーナツ形タブレット状固形消火剤16、そろばん玉形タブレット状固形消火剤17の例の様に、固形消火剤をタブレット状にすることで、更に消火剤の取扱いを容易にすることができ、又必要となる消火剤の量の調整をタブレットの個数を調整することで行うことができる。 【0056】更に、図12の(c)に示すそろばん形タブレット状固形消火剤17の例の様に、消火水との接触面に斜面の部分を設けることで、更に消火剤と消火水との接触面積を広くすることができる。特に、消火剤収納配管部10を略Y字状又は略T字状のもの(例えば上記Y字形消火剤収納配管部14やT字形消火剤収納配管部)とし、その消火剤収納配管部10に、消火剤13を横に寝かした如き状態、即ち消火剤の長手方向側面を消火水の流れに対して対向するが如き向きに向けた状態で収納しておく場合に、消火剤13としてそろばん形タブレット状固形消火剤17を用いると、消火剤17の斜面の部分に消火水が当たり易くなるので、より消火剤は溶けやすくなる。 【0057】 【発明の効果】この発明は、上記の如く構成したので、次の如き効果を得ることができる。 【0058】この発明によれば、火災発生時配管内に消火水を流してそれに消火剤を溶かすことで、消火水を泡水溶液にすることができるので、泡消火を行うための配管内に泡水溶液を常時充填しておく必要をなくすることができる。 【0059】又、この発明によれば、固体状の消火剤を中心に孔を有する形状に固形化された固形消火剤とすることで、消火水は固形消火剤における中心の孔を通ることとなるので、消火剤と消火水との接触面積が増加し、消火剤は溶け易くなる。又、固形消火剤における中心の孔は、消火水の流路となるので、ヘッド側への給水量を十分に確保できる。 【0060】又、この発明によれば、固体状の消火剤を消火剤収納筒に収納するようにすることで、固体状の消火剤を配管における所定の位置に保持することができる。 【0061】又、この発明によれば、消火剤収納筒を多孔板によって形成することで、消火剤と消火水との接触面積を増加させ、消火剤を溶け易くすることができ、消火剤筒の下端を分流板によって蓋をすることで、消火剤が欠けたりしても、消火ヘッドが詰まることがないようにすることができ、消火剤収納筒の上端を分流板によって蓋をすることで、供給される消火水を消火剤に当たり易く分流させることができる。 【0062】又、この発明によれば、固体状の消火剤を、略Y字状又は略T字状の消火剤収納配管部に収納するようにすることで、消火剤を横に寝かした如き状態、即ち消火剤の長手方向側面を消火水の流れに対して対向するが如き向きに向けた状態で収納することができ、消火剤と消火水との接触面積を増加させて、消火剤を溶け易くすることができ、略Y字状又は略T字状の消火剤収納配管部の三つの開口のうちの一つの開口を消火剤差し込み口とすることで、消火剤の交換を容易に行うことができる。 【0063】又、上記発明において、前記消火設備の配管を、固体状の消火剤を収納する部分の上流側に火災発生時に開放する感熱開放弁を有するものとし、その感熱開放弁の下流側は常時においては消火水が充填されていない空配管とすることで、感熱開放弁の下流側だけを泡消火を行う設備とすることができ、同一系統の配管において、感熱開放弁の上流側を水消火を行う設備とし、感熱開放弁の下流側を泡消火を行う設備とすることができる。これにより、水消火と泡消火の両方を行う消火設備を設備する場合に、水消火を行うための配管と泡消火を行うための配管とを別系統にしなければならなかった従来例に比して、設備を簡略化して構成することができるとともに、より安価に設備を構成することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000233826 【氏名又は名称】能美防災株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区九段南4丁目7番3号
|
| 【出願日】 |
平成14年2月4日(2002.2.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061284 【弁理士】 【氏名又は名称】斎藤 侑 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−225318(P2003−225318A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月12日(2003.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−27422(P2002−27422) |
|