| 【発明の名称】 |
消火ホース用分岐装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河野 英行
【氏名】深瀬 彊
|
| 【要約】 |
【課題】単一の送水元から供給される圧力水を複数に分岐させて使用する消火用ホースの流量と水圧が、一部の消火用ホースの動作により急激に変動することを防止できる消火ホース用分岐装置を得る。
【解決手段】複数の送水先に接続されている送水先側隔室の圧力が所望の数値から変化した場合、送水元側隔室と送水先側隔室の間を導通或いは遮断すべく、主弁を移動させて送水元側隔室から送水先側隔室への圧力水の供給を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単一の送水元から複数の送水先へ送水する場合の消火ホース用分岐装置において、装置外部から送水先側の水圧を予め設定するための設定圧調整手段を有し、送水先側の水圧が予め定められた設定圧力よりも下回ると、送水先側の水圧が上昇するように、また、送水先側の水圧が予め定められた設定圧を上回ると、送水先側の水圧が減少するように、送水元側隔室と送水先側隔室の間に設けた制御室内に主弁を設置し、送水元側隔室を送水元へ接続すると共に、送水先側隔室に複数の消火用ホースを接続可能にする接続口及びそれぞれの消火用ホースへの送水を各々独立して制御するための手動開閉弁を設置し、送水先側の水圧が予め定められた設定圧力よりも上回った場合には送水元側隔室から送水先側隔室の水圧を主弁を閉鎖することによって迅速に減圧すべくし、送水先側の水圧が予め定められた設定圧力よりも下回った場合には主弁を開放して送水先側隔室の水圧を迅速に昇圧させるべくした事を特徴とする、消火ホース用分岐装置。 【請求項2】主弁を直動型圧力調整装置により制御することを特徴とする請求項1記載の消火ホース用分岐装置。 【請求項3】主弁をパイロット弁型圧力調整装置により制御することを特徴とする請求項1記載の消火ホース用分岐装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は単一の送水元から単一或いは複数の消火用ホースへ水を供給するために使用する消火ホース用分岐装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、単一の送水元から複数の消火用ホースへ水を供給することは火災現場の消火活動において行われている。この場合、送水元からの水を適当な分岐金具によって複数の消火用ホースへ分配して、単一の消火用ホースが必要とする水量の複数倍の圧力水を供給することにより、それぞれの消火用ホースが必要とする流量を確保している。 【0003】それらの消火用ホースが必要とする流量は、消火活動の初期、中間、終了間近においてそれぞれ異なると共に、複数の消火用ホースのそれぞれにおいて要求される流量は微妙に異なり且つ時々刻々と変化する。そのような状況において全ての消火用ホースの要求を満たすために、送水元側で、全ての消火用ホースの要求を満たすべく経験的に水圧の調整を行いながら現場作業に対応している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】送水元側での流量の調整は、各消火用ホースが大量の水を要求する場合には、送水元から送水する水の圧力及び流量を増大させると言う比較的簡単な対応で対処することが出来るが、消火活動が終了に近付き、各消火用ホースの水の使用が揃わずに、あるものは大量放水、あるものは少量放水そしてまたあるものは放水終了と言うバラツキを見せたときに問題が生じる。 【0005】例えば、単一の消火用ホースが放水に必要とする流量をqと仮定し、その消火用ホースが単一の送水元に二本接続されている場合を考えると、送水元側から供給されるべき水の流量Qは、単一の消火用ホースが必要とする流量qの二倍で無ければならない。送水元側からそのような流量で水が供給されている場合、二本のうちのどちらか一方の消火用ホースの使用が停止されると、その瞬間に未だ使用されている他方の消火用ホースには必要とする流量qの二倍量の水が供給され、結果として圧力が急上昇する。このような急激な流量水圧の変動は消火用ホースを支えている作業員に対して極めて深刻な危機的状況を与えることになり、消火用ホースのうねりや蛇行、放水口の反動による移動などが、消火作業員を転倒させたり場合によっては死傷させたりするほか、周囲の人員にも多大な危険を与える物となってしまう。 【0006】 【課題を解決するための手段】単一の送水元と複数の消火用ホースを接続するために別途の装置を設置し、その装置によって消火用ホースに供給される水の流量及び圧力を適切な値に維持するように工夫することによって課題が解決される。 【0007】そのために必要な構造は、装置の送水元側隔室を加圧ポンプなどに接続出来るように、また送水先側隔室には複数の消火用ホースを連結出来るようにし、送水元側隔室と送水先側隔室の間に主弁を設置し、その主弁によって常に送水先側が要求する流量及び圧力の水を供給できるようにしておく。 【0008】このような主弁に要求される作用は、送水先側隔室へ要求される流量及び圧力の水を供給する事が迅速に行えると共に、送水先側隔室が必要とする流量が低下した場合には、主弁が迅速に動作して水の供給を遮断して流量及び圧力を減少させることであり、主弁により送水元側隔室から送水先側隔室への送水を制御することである。それによって、複数(例えば二本)の消火用ホースの一方が放水を停止した場合にも、他方の消火用ホースに供給される水の圧力流量が急激に増大することなく、単一のホースが必要とする流量及び圧力の水が安定的に供給され続けることになり、前述の如き危険な状態を完全に排除することが出来る。 【0009】 【発明の実施の形態】図面に従って本発明の実施例を説明すると、図1から図5に示す第一の実施例において、1は隔壁4によって区分された送水元側隔室2と送水先側隔室3を有する本体で、隔壁4は送水口5を備えている。6は送水元側隔室2に連続する制御室、7は制御室6に連続する支持筒、8は送水先側隔室3から分岐され消火用ホース(図示せず)が接続されるべき分岐管、9は分岐管8から消火用ホースへの水の供給を遮断するレバーである。 【0010】本体1の送水先側隔室3の底部にはドレーンプラグを兼ねた支持盤10が液密的に螺着されており、支持盤10の送水口5に対面する面には支軸筒11が突設されている。また、制御室6に連続する支持筒7の上方には、支持筒7内へ貫通する螺軸12を備えた回動盤13が回動自在に固定されており、螺軸12には支持筒7内部において移動盤14が螺着嵌合されている。移動盤14の端部には表示突起15が突設されており、表示突起15は支持筒7に穿設されたスリット16内を摺動して、支持筒7内における移動盤14の位置を装置外部へ表示する。 【0011】支持筒7内の移動盤14に対向する部分(図1においては支持筒7内の底部)に、ピストン17が挿入されており、該ピストン17と移動盤14の間にはスプリング18が張設され、スプリング18はピストン17を送水元側隔室2方向へ向けて付勢している。これら螺軸12、回動盤13、移動盤14ならびにスプリング18により設定圧調整手段が構成されている。19は送水元側隔室2と制御室6を連結する導通孔で、この導通孔19を介して制御室6に流入した水はピストン17をスプリング18の作用に抗して移動させる原動力となる。更に、ピストン17の軸20は制御室6を貫通して送水元側隔室2を横切り、隔壁4の送水口5及び送水先側隔室3を通過して、その端部を支持盤10の支軸筒11に陥入させている。軸20には、本体1の送水先側隔室3内において主弁21が固定されており、ピストン17及び軸20の昇降によって主弁21が隔壁4の送水口5を閉鎖或いは開放する。 【0012】ピストン17と主弁21が送水元側隔室2に供給された同圧の水の圧力を受けた場合、ピストン17の受圧面積を主弁21の受圧面積より大きく設計することにより、ピストン17が制御室6内で上昇し、それに伴って軸20によってピストン17と一体にされている主弁21も上昇する結果、主弁21は隔壁4の送水口5を閉鎖して安定する。 【0013】このように準備された本発明装置の送水元側隔室2を加圧ポンプ(図示せず)などの送水元に接続し、分岐管8には消火用ホース(図示せず)を接続しレバー9を閉とした状態で送水元から送水を行うと、受圧面積が大きいピストン17が水圧により移動を始め、それによって主弁21が引き上げられて隔壁4の送水口5を閉鎖し、送水先側隔室3への送水が停止される。 【0014】今、このピストン17にスプリング18によって水圧に対向する負荷を与えると、ピストン17の移動即ち主弁21の移動が抑制され、送水先側隔室3の水圧が予め設定した数値になると主弁21が動作するように調整することが出来る。そのための操作は、図1において回動盤13を回動して螺軸12を回動させ、螺軸12に螺着されている移動盤14を図3のごとく下降させることにより、ピストン17に対するスプリング18の作用を強化することによって行われる。そのような予定圧を設定するために、移動盤14の移動位置を外部から視認するためのスリット16と表示突起15が図4に示されている。図4において、支持筒7に表示されている三つの数字は、その位置に表示突起15が有れば送水先側隔室3の予め設定される圧力が平方センチメートルあたり1キロ、3キロ或いは5キロであることを示している。 【0015】図面に従って本発明の第二の実施例を説明すると、図6から図10に示す第二の実施例において、31は送水元側隔室、32は送水先側隔室、33は前記二つの隔室31及び32を連結する制御室である。34は制御室33内にあって送水元側隔室31の開口部を閉鎖する主弁、35は主弁34の上方において制御室34の上部開口を閉鎖する蓋体、36は送水先側隔室32を複数に分岐させた分岐管で、各々開閉バルブ37を備えている。38は開閉バルブ37を外部から操作するための手動レバーである。尚、図中40は適当なストレーナー(図示せず)等を通過させた送水元側隔室31内の水を制御室33に送給する流入路である。 【0016】39は蓋体35上に設置されたパイロット弁であり、その構造は図7及び図8に示す通りで、図7において41は送水先側隔室32に接続された流出路、42は流出路41に接続されると共に制御室33に開口する導通孔である。43は導通孔42を閉鎖する弁体、43aは弁体43を支持するバネ、44は弁体43に連続するステム、45はステム44に当接してこれを移動させる摺動片、46はスプリング47を介して摺動片45の起動圧を設定する回動片、48は回動片46を手動により回動するための制御ハンドルである。摺動片45はスプリング47の作用下に図中下方へ付勢されると共に、導通孔42から孔42aを介して供給される水圧をその下面に受け、水圧とスプリング47の作用の間でバランスを取っている。 【0017】スプリング47による設定圧が例えば単位面積あたり3Kgであるとすると、流出路41ならびに導通孔42内の圧力が3Kg未満の場合、スプリング47の作用が水圧に勝ることになり、摺動片45は下降してステム44を押し下げ、弁体43は導通孔42を閉鎖しない位置に移動して、図8の如き状態が維持される。 【0018】同様に流出路41ならびに導通孔42内の圧力が3Kg以上になった場合には、摺動片45が孔42aを介して水圧を受け、それによって摺動片45は図8の状態から押し上げられて図7のごとく導通孔42を閉鎖し、制御室33から流通路41への水の送給を停止させる。 【0019】制御ハンドル48を蓋体35上で移動させることにより、制御ハンドル48に固定された回動片46が回動昇降し、図9に示す「高」から「低」までの約45度の手動レバー48の移動で、スプリング47による摺動片45への押圧力が変化し、摺動片45が摺動するための圧力が調整される。 【0020】このように準備された中間弁において、送水元側隔室31を送水元に接続し、また、開閉バルブ37を図6のごとく「閉」位置に移動させて、送水側隔室32の分岐管36にそれぞれ消火用ホースを接続し、図9図10の手動レバー38aのごとく「開」位置に移動させて開閉バルブ37を開いてから送水元側隔室31に送水元から圧力水を供給すると、圧力水は主弁34を押し上げ送水先側隔室32に流入し分岐管36を経て消火用ホースへ流入する。消火ホースからの放水によって送水先側隔室32の圧力が所望の圧力より低くなっている状態では、所望の圧力に達するまで主弁34は「開」となり、送水元側隔室31の圧力水は送水先側隔室32へ流入し続ける。 【0021】今、例えば、二つの分岐管36に接続されている二本の消火用ホースのうち一本の使用が停止された場合、送水先側隔室32の圧力は急激に上昇し、その圧力が流出路41を介して摺動片45に伝達され、その圧力が摺動片45に加えられているスプリング47の設定圧を超えると、摺動片45はスプリング47の圧力に抗して上昇し、摺動片45による押圧を解かれたステム44はバネ43aの作用により上昇せしめられるので、導通孔42は弁体43により「閉」方向へ移動させられる。それによって、制御室33から導通孔42及び流出路41を経て送水先側隔室32へ送られていた圧力水の流出が減少せしめられるため、制御室33内の圧力が高まり、その圧力上昇が制御室33内の主弁34を押圧し、送水元側隔室31の開口を閉鎖する方向へ移動させる。このように主弁34の開度が低下させられることによって、送水元側隔室31から送水先側隔室32への送水が減少せしめられ、継続使用されている他の一本の消火用ホースへ供給される水の圧力が急激に上昇する不都合が除去される。 【0022】次いで、使用が停止されていた消火用ホースが再度使用されると、送水先側隔室32の圧力が大幅に低下し、その圧力の低下が流出路41及び孔42aを経て摺動片45の下面に加えられていた圧力を低下させるので、摺動片45はスプリング47の作用により下降せしめられて、ステム44ならびに弁体43をバネ43aの作用に抗して押し下げ、それによって弁体43は導通孔42を開放する方向へ移動せしめられる。その動作によって制御室33内の圧力水が導通孔42流出路41を経て送水先側隔室32へ流入し制御室33の圧力を低下させるので、主弁34は上昇し送水元側隔室31内の圧力水は迅速に送水先側隔室32へ流入し、要求されている圧力を補填する。 【0023】以上のごとく、本発明においては火災現場における圧力水の安定した圧力及び流量を常に維持すると共に、送水先で発生する圧力の変動に常に最適状態で対応できる消火ホース用分岐装置が提供される。 【0024】 【発明の効果】本発明によると、予め圧力設定を行うことにより送水先側隔室の圧力の急激な上昇を阻止し、単一の送水元から分岐させた複数の消火用ホースの圧力を安定させることが出来る効果がある。加えて、回動盤或いは制御ハンドルの構造により、消火活動現場で使用される手袋を着用したままの状態で、水の微妙な圧力調整を簡単迅速に行うことが出来る効果もある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591017847 【氏名又は名称】小熊機械株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年9月10日(2001.9.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079337 【弁理士】 【氏名又は名称】早川 誠志
|
| 【公開番号】 |
特開2003−79757(P2003−79757A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−272844(P2001−272844) |
|