| 【発明の名称】 |
人工呼吸用補助具 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉野 一男 【住所又は居所】大阪市旭区大宮5丁目6番12号 株式会社センジョー内
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| 【要約】 |
【課題】外部から大きな引張力が付加されてもカバーがマウスピースから外れたり、カバーに局部的な破れが生じるの防止することのできる人工呼吸用補助具を提供する。
【解決手段】この人工呼吸用補助具は、傷病者の口の周囲に被せられる柔軟なシートからなるカバー1と、このカバー1に設けた取付孔1aに貫通して取り付けられ、救助者から傷病者に向かう空気を通過させるマウスピース2とを有する。マウスピース2は、救助者の口に挿入される上半部3と、傷病者の口に挿入される下半部4とを有する。マウスピース2の上半部3と下半部4は、互いに嵌合する嵌合周面7,8と、互いに突き合わされるフランジ面5a,6aとを有し、カバー取付孔1aの周縁部が前記フランジ面5a,6aと嵌合周面7,8の根元部との間に挟持される。前記上半部3および下半部4の嵌合周面7,8の根元部には、互いに噛み合う段部9,10が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 傷病者の口の周囲に被せられる柔軟なシートからなるカバーと、前記カバーに設けた取付孔に貫通して取り付けられ、救助者から傷病者に向かう空気を通過させるマウスピースとを有し、前記マウスピースは、救助者の口に挿入される上半部と、傷病者の口に挿入される下半部とを有し、前記上半部と下半部は、互いに嵌合する嵌合周面と、互いに突き合わされるフランジ面とを有し、前記カバーの取付孔の周縁部が前記フランジ面と嵌合周面の根元部との間に挟持されており、前記上半部および下半部の嵌合周面の根元部に、互いに噛み合う段部が形成されている人工呼吸用補助具。 【請求項2】 請求項1において、前記段部は前記根元部の全周に沿って2つ設けられている人工呼吸用補助具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人工呼吸法として一般的に行われている呼気吹き込み人工呼吸(マウスツーマウス)を行うに際し、人工呼吸を施す救助者の口が傷病者の口に接触することなく行える人工呼吸用補助具に関するものである。 【0002】 【従来の技術】意識障害、呼吸停止、心停止またはこれに近い状態に陥った傷病者を救助するための救急蘇生法の一種として、心肺蘇生法が効果的であることが知られている。この心肺蘇生法は、傷病者の鼻孔を塞いで、救助者の口を傷病者の口に当て、空気が漏れないように傷病者の気道内に息を直接吹き込んでマウスツーマウス人工呼吸を行い、かつ、この人工呼吸と心臓マッサージとを交互に行うものである。 【0003】ところで、上述のマウスツーマウス人工呼吸法は、救助者の口が傷病者の口に直接触れるため、病気に感染する恐れがある。そこで、口の周辺を覆う柔軟なカバーの中央部に呼気吹き込み口を設けた人工呼吸用補助具が案出されている。図9は、そのような人工呼吸用補助具の従来例の1つを示す断面図である。この人工呼吸用補助具では、傷病者の口の周囲に被せられるカバー31に設けられた取付孔31aにマウスピース32が取り付けられている。マウスピース32は、救助者から傷病者に向かう空気を通過させる部材であり、救助者の口に挿入される筒状の上半部33と、傷病者の口に挿入される筒状の下半部34と、板状の弁体35とを有し、上半部33と下半部34との間で前記カバー31の取付孔31a周縁部が挟持されている。弁体35は、その一端部に設けられた孔35aを、マウスピース上半部33の下端に設けられた突起36に嵌合させ、この突起36をマウスピース下半部34に設けられた支持片37の嵌合孔38に嵌合させることで、上半部33と下半部34の間に支持されている。弁体35の周辺部はマウスピース上半部33の下端面に着座しており、空気Aをマウスピース32の上方から下方へのみ通過可能としている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成の人工呼吸用補助具では、カバー31の取付孔31aの周縁部を、マウスピース上半部33の外周面に設けたフランジ33aの平坦な下面と、マウスピース下半部34のフランジ34aの平坦な上端面とで挟むようにしているので、カバー31を挟み付ける力が十分でなく、カバー31に外部から大きな引張力が付加されると、カバー31がマウスピース32から外れたり、カバー取付孔31aの周縁部における外れた部分の近傍から局部的な破れが生じ易いという問題点を有する。 【0005】そこで、本発明は、カバーに外部から大きな引張力が付加されてもカバーがマウスピースから外れたり、カバーに局部的な破れが生じるの防止することのできる人工呼吸用補助具を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、本発明に係る人工呼吸用補助具は、傷病者の口の周囲に被せられる柔軟なシートからなるカバーと、前記カバーに設けた取付孔に貫通して取り付けられ、救助者から傷病者に向かう空気を通過させるマウスピースとを有し、前記マウスピースは、救助者の口に挿入される上半部と、傷病者の口に挿入される下半部とを有し、前記上半部と下半部は、互いに嵌合する嵌合周面と、互いに突き合わされるフランジ面とを有し、前記カバーの取付孔の周縁部が前記フランジ面と嵌合周面の根元部との間に挟持されており、前記上半部および下半部の嵌合周面の根元部に、互いに噛み合う段部が形成されている。 【0007】前記人工呼吸用補助具によれば、マウスピースの上半部および下半部の段部によりカバー取付孔の周縁部を噛み込むことで、上半部と下半部の間にカバーを挟持するようにしているので、カバーが段部の角部で折り曲げられて段部間で強く挟まれる結果、上半部と下半部間で強固に保持される。したがって、カバーに外部から大きな引張力が作用してもカバーがマウスピースから外れたり、カバーに局部的な破れが生じるのを防止することができる。 【0008】本発明の好ましい実施形態では、前記段部が前記根元部の全周に沿って2つ設けられている。 【0009】このように構成した場合には、カバーにおける取付孔の周縁部が2つの段部により全周にわたって2か所で折り曲げられるから、カバーを挟持する力がより強くなるので、カバーをより確実に挟持することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳述する。図1(A)および図2は本発明の第1実施形態である人工呼吸用補助具の正面図および使用状態説明図であり、図1(B)はそのカバーの平面図である。この人工呼吸用補助具は、図1に示すように、柔軟な樹脂製の透明シートからなるカバー1と、このカバー1の中央部に取り付けられたマウスピース2とを備えている。マウスピース2は、カバー1に設けた図1(B)の取付孔1aに貫通して取り付けられている。カバー1は図2に示す傷病者の口27の周囲に被せられる。マウスピース2は、図3の救助者から傷病者に向かう空気Aを通過させ,その逆方向への空気の通過を阻止するもので、救助者の口に挿入される上半部3と、傷病者の口27に挿入される下半部4とを有する。 【0011】マウスピース2の上半部3および下半部4は樹脂製であり、共に横断面形が角部に丸味を持つ方形の筒体とされている。図3(A)は、図1(A)におけるIII −III 線断面図を示す。すなわち、図3(A)は、マウスピース2の幅広側から見た正面断面図を示す。また、図4は、マウスピース2の幅狭側から見た側面断面図を示す。図3に示すように、マウスピース上半部3は、マウスピース下半部4の内側に嵌合可能であり、その胴部の上下方向中間部分の外周にフランジ5が一体に形成されている。フランジ5の形成部から下端までの外周面はマウスピース下半部4に嵌合する嵌合周面7とされ、下端に向かって徐々に縮径して横断面形を小さくしてある。また、フランジ5の下向き面であるフランジ面5aと、前記嵌合周面7の根元部との間には、図3(B)に拡大して示すように、前記根元部の全周に沿って延びる2つの段部9,9が形成されている。 【0012】マウスピース下半部4は、上端部に外向きとしたフランジ6が形成されており、フランジ6形成部から胴部の上下方向中間部分までの内周面はマウスピース上半部3の前記嵌合周面7に嵌合する嵌合周面8とされ、前記中間部分に向けて縮径させてある。また、フランジ6の上向き面であるフランジ面6aと、嵌合周面8の根元部との間にも、前記根元部の全周に沿って延びる2つの段部10が形成されている。上半部3の嵌合周面7を下半部4の嵌合周面8に嵌合させた状態で、上半部3のフランジ面5aと下半部4のフランジ面6aは互いに突き合わされ、上半部3の段部9と下半部4の段部10は互いに噛み合う。カバー1の取付孔1aの周縁部は、上半部3および下半部4のフランジ面5a,6aと、嵌合周面7,8の根元部との間に挟持される。この挟持状態において、カバー取付孔1aの周縁部は、上半部3および下半部4の二重の段部9,10に、全周にわたって2か所で折り曲げられて噛み込む。 【0013】さらに、図3(A)に示すマウスピース下半部4の内周面における上下方向中間部には、下方側が拡径するように凹入した段部8aが形成されている。一方、マウスピース上半部3の外周面における下端には、外向きのフランジ部7aが形成され、下半部4内へ上半部3を嵌合させた状態で、上半部3の前記フランジ部7aが下半部4の前記段部8aに係合することで、下半部4への上半部3の嵌合を確実に行い、下半部4から上半部3が脱落するのを防止している。 【0014】マウスピース上半部3の下端内周面の一側部には、下向きに突出する突起11が一体に形成されており、方形の板状体とした軟質の樹脂からなる弁体12の一端部に形成された孔13に、前記突起11が嵌合される。さらに、マウスピース下半部4の胴部内周面における上下方向中間部分には、対向する壁面間に跨がる支持片14が一体に形成され、この支持片14の嵌合孔15に前記突起11を嵌合させることで、弁体12の一端部がマウスピース上半部3の下端とマウスピース下半部4の支持片14とで挟まれて支持される。この支持状態のもとで、弁体12の周辺部はマウスピース上半部3の下端面3aに着座している。これにより、マウスピース上半部3の下端開口が弁体12で開閉可能に閉鎖され、上方から下方への空気Aの通過のみが可能なように弁体12が逆止弁として開弁動作する。 図5(A)は前記マウスピース2の平面図を示し、図5(B)は同マウスピース2の底面図を示す。 【0015】この人工呼吸用補助具の使用においては、図2のように、マウスピース2における下半部4を傷病者の口27にくわえさせると共に、カバー1で傷病者の鼻28、顎29を含む顔の大部分を覆い、上半部3を救助者がくわえて、息を吹き込む。これにより、前記弁体12が開いて救助者の息を傷病者の気道内に送り込むことができ、救助者の口が傷病者の口27に直接触れることがない。 【0016】特に、この人工呼吸用補助具では、図3(B)に示すマウスピース2の上半部3および下半部4の段部9,10によりカバー取付孔1aの周縁部を噛み合わせることで、上半部3と下半部4の間にカバー1を挟持するようにしているので、カバー1が段部9,10の角部で折り曲げられて、段部9,10間で強く挟まれる。その結果、カバー1に外部から大きな引張力が付加されても、カバー1がマウスピース2から外れたり、カバー1の取付孔1aの周縁部における外れた部分から局部的な破れが生じるのを防止することができる。 【0017】すなわち、図1(B)において、カバー1にマウスピース2を嵌め込むと、取付孔1aは破線で示すように変形し、取付孔1aの周縁部全体がマウスピース2の段部9,10(図3(A),(B))間に噛み込む。この状態で、例えば、カバー1にマウスピース2の幅広側から引張力Fが加えられたとき、カバー1の取付孔1aにおける幅広側1aaのみでなく、幅狭側1abも段部9,10に噛み込んでいて、前記引張力Fに抗するから、取付孔1aの周縁部がマウスピース2から外れにくくなる。さらに、この実施形態では、前記段部9,10をそれぞれ2段階としているので、カバー1が、段部9,10によって、環状に延びる2か所で折り曲げられるから、カバー1を挟持する力がさらに強くなり、より確実にカバー1を挟持することができる。 【0018】図6〜図8は、本発明の第2実施形態を示す。図6はマウスピース2の正面断面図を、図7はマウスピース2の側面断面図を、それぞれ示す。また、図8(A)はマウスピース2の平面図を、図8(B)は同マウスピース2の底面図を、それぞれ示す。 【0019】この実施形態の人工呼吸用補助具では、図1〜図5に示した第1実施形態において、弁体12をマウスピース上半部3の下端部中央で支持している。すなわち、図6に示すマウスピース上半部3の下端部内周面には、図8(A)に示すマウスピース2の長手方向と直交する横方向に向けて延び対向する幅広側の壁面間に跨がる1対の横架片20a,20aと、これら両横架片部20a間に跨がる支持片20bとからなる平面視概形がH形の支持体20が一体に形成され、その支持片20bの下面中央に、図6に示す下端を拡径した抜け止め頭部21aとした係合ピン21が一体形成されている。この係合ピン21に方形板状の弁体12の中央部に形成された孔23を拡大するように弾性変形させながら嵌合させることにより、弁体12がマウスピース上半部3の下端に支持される。弁体12の周辺部全体はマウスピース上半部3の下端面3aに着座させられる。 【0020】なお、弁体12の着座を確実にするために、図7および図8(B)のように、マウスピース上半部3の下端の幅広側部分には、弁体12を位置決めする一対の位置決め片24が下方に突出して形成されている。また、マウスピース2の上半部3と下半部4の一体化を確実にするため、図6のように、下半部4の嵌合周面8の対向する長手方向両端部分には係合爪25が一体形成されると共に、上半部3の嵌合周面7の前記係合爪25に対向する部分には、係合爪25に係合する係合凹部26が形成されている。これにより、下半部3内に上半部4を嵌合させた状態で、上半部3の係合凹部26に下半部4の係合爪25が係合することで、下半部4への上半部3の嵌合が確実に行われ、下半部4から上半部3が脱落するのを防止できる。その他の構成は第1実施形態の場合と同様である。 【0021】 【発明の効果】以上のように、本発明の人工呼吸用補助具によれば、マウスピースの上半部および下半部の段部によりカバー取付孔の周縁部を噛み込むことで、上半部と下半部の間にカバーを挟持するようにしているので、カバーが段部の角部で折り曲げられて段部間で強く挟まれる結果、上半部と下半部間で強固に保持される。したがって、カバーに外部から大きな引張力が作用してもカバーがマウスピースから外れたり、カバーに局部的な破れが生じるのを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592084956 【氏名又は名称】株式会社センジヨー 【住所又は居所】大阪府大阪市旭区大宮5丁目6番12号
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| 【出願日】 |
平成14年4月26日(2002.4.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087941 【弁理士】 【氏名又は名称】杉本 修司 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−310774(P2003−310774A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−126023(P2002−126023) |
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