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【発明の名称】 防護楯
【発明者】 【氏名】腰本 雅也

【氏名】花車 律子

【要約】 【課題】通常時にはカタログ類や冊子類等を立てる台、あるいは鏡等の楯以外の用途として身近に使用出来、非常時に身を護る楯として使用出来る。さらには、楯に内蔵した催涙ガススプレー缶を作動させたり、スタンガン威嚇出来る楯の提供を目的とする。

【解決手段】楯本体の裏面部に中空部を有する支持部材、及び把持部材を備え、支持部材と楯本体の連結部に小孔を設け、当該支持部材の中空部に催涙ガススプレー缶を内蔵し、非常時にこの催涙ガススプレー缶を作動させることにより、上記小孔から楯本体の表側前方に向けて催涙ガスを噴射出来るようにした。また、必要に応じて楯本体にスタンガン用電極を配設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】楯本体の裏面部に中空部を有する支持部材、及び把持部材を備え、支持部材と楯本体の連結部に小孔を設け、当該支持部材の中空部に催涙ガススプレー缶を内蔵し、非常時にこの催涙ガススプレー缶を作動させることにより、上記小孔から楯本体の表側前方に向けて催涙ガスが噴射されるようにしたことを特徴とする防護楯。
【請求項2】楯本体の裏面部に、催涙ガススプレー缶を内蔵した支持部材と把持部材とをそれぞれ独立して取り付けたことを特徴とする請求項1記載の防護楯。
【請求項3】通常は、支持部材を支柱にして楯本体を立てて、カタログ類立て又は冊子類立て、あるいは鏡類として他の用途に使用でき、非常時に楯として使用できる請求項1又は請求項2記載の防護楯。
【請求項4】楯本体に高圧放電用電極を配設したことを特徴とする防護楯。
【請求項5】楯本体に高圧放電用電極を配設した請求項1〜請求項3記載の防護楯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常時に身を防護するために使用する楯に関し、特に通常時は楯以外の他の用途に使用出来、非常時に楯として使用出来るとともに、催涙ガス等の威嚇ガスをスプレー出来る、あるいは、いわゆるスタンガンのように高圧放電威嚇出来る楯に係る。
【0002】
【従来の技術】従来から、自衛官や警察官等が身を護るために使用する楯は広く知られている。また、湾曲する四角板状の楯本体をポリカーボネート等の高強度、防弾透明樹脂板としたものも知られている。最近では、市民生活におけるトラブル時に、人を防護するための小型の楯も提案されている。例えば、小学校等の校舎等に無断侵入して来た暴漢者から児童を護るのに、あるいは、銀行やコンビニエンスストアに現れた暴漢者から身を護るために、片手保持や両手保持タイプの楯が提案されている。しかし、このような小型の楯の場合に、暴漢者の方の腕力が勝ると暴漢者に奪い取られてしまう恐れが高い。また、通常時に楯を持ち歩くことは難しく、所定の場所に保管して置くと、いざという時に間に合わない問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、通常時にはカタログ類や冊子類等を立てる台、あるいは鏡等の楯以外の用途として身近に使用出来、非常時に身を護る楯として使用出来る。さらには、楯に内蔵した催涙ガススプレー缶を作動させたり、高圧放電威嚇出来る楯の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、楯本体の裏面部に中空部を有する支持部材、及び把持部材を備え、支持部材と楯本体の連結部に小孔を設け、当該支持部材の中空部に催涙ガススプレー缶を内蔵し、非常時にこの催涙ガススプレー缶を作動させることにより、上記小孔から楯本体の表側前方に向けて催涙ガスを噴射出来るようにした。
【0005】ここで、中空部を有する支持部材とは、例えば円筒状の支持部材をいい、把持部材とは、楯本体の裏面部の少なくとも2箇所に円筒状の支持部材の一端をそれぞれ連結し、他方の端部付近を把持部材にて連結して取手とした構造をいう。また、支持部材の中空部に催涙ガススプレー缶を内蔵するとは、この円筒状の支持部材の一端を楯本体の裏面部に連結した中央部に小さい孔をあけ、この小さい孔にスプレー缶のスプレーノズルが臨むように円筒状の支持部材の後部からスプレー缶を挿入した構造等をいう。従って、スプレー缶が装着出来れば、支持部材は必ずしも円筒状に限定されるものでない。
【0006】請求項2記載の発明は、従来の取手付き楯に催涙ガススプレー缶を装着するための支持部材を取り付けたもので、楯本体の裏面部に催涙ガススプレー缶を内蔵した支持部材と把持部材とをそれぞれ独立して取り付けた。
【0007】請求項3記載の発明は、楯本体の裏面部に取り付けた支持部材を支柱として楯本体を立てかけ、楯本体の表面をカタログや冊子類を立てかける台板として使用し、又は楯本体の表面に反射フイルム等を貼り付け、鏡や装飾部品として使用出来るようにし、非常時に楯として使用出来るようにしたものである。
【0008】請求項4記載の発明は、楯本体に高圧放電用電極を配設したものである。いわゆる、スタンガン的使用を可能にするのが目的であり、楯本体の表面部に一対の放電電極を設けたり、楯本体の縁部の表面と裏面に一対の電極を配設する方法等が考えられる。また、放電用の電池は、支持部材や把持部材の中空部に装着することができる。請求項5記載の発明は、請求項1〜3の発明にスタンガン的機能を追加したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に本発明に係る楯の例の斜視図を示す。楯本体1の裏面部には、円筒状の支持部材2が2本取り付けられ、その後端部付近を把持部材3にて連結して取手になっている。支持部材2の中空部後端開口部から催涙ガススプレー缶4が挿入され、この催涙ガススプレー缶の先端部のノズルが楯本体にあけた小孔5に臨むように配設されている。従って、催涙ガススプレー缶の後端部を押すと楯本体の表面の小孔5からガスが噴射される。その構造の詳細については、後述する。
【0010】楯本体1は、チタン板でも透明なポリカーボネート等の樹脂板でもよい。通常は、図1に示すように支持部材2を支柱にして楯本体1を立てかけ、下に必要に応じて補助枠10を敷いてこの溝にカタログや小冊子等の下端を入れて楯本体を台板にして立てかける。このようにして使用すれば、教室やコンビニエンスストア内の身近な所に置いておくことが出来る。従って、必要に応じて楯本体の表面を鏡や装飾板として使用することも可能である。また図1に示した例は、上下の支持部材2の両方にスプレー缶を装着した例であるが、片側のみに装着してもよい。
【0011】図2に催涙ガススプレー内蔵構造の例を示す。中空形状(円筒状)の支持部材2の一端21が、楯本体1の裏面部に連結されている。この連結部の中央部に小孔5が設けられている。中空形状の支持部材2の後部開口部22からスプレー缶4を挿入し、前部のスプレーノズル41がノズル部スプリング8を介して楯本体裏面部から表面に向けてあけた小孔5に臨むように配設されている。通常は、スプレー缶4の前部くびれ部42に係合するように安全ピン6が支持部材2の側部から貫通挿入されている。また、安全ピン6は、鎖7等にて一端を連結し、他端を楯本体を立てておくテーブル、机、商品架台等に取り付けておくのがよい。このように、通常は安全ピン6が挿入されているので、スプレー缶の後部43を押圧しても催涙ガスは噴射されないが、非常時には取手を把持して楯本体を持ち上げると、鎖7の一端がテーブル等に取り付けられているので必然的に安全ピンが引き抜かれ、ノズル部スプリング41に抗してスプレー缶の後部を押圧すると催涙ガスを噴射させることが出来る。
【0012】図3には、催涙ガススプレー缶内蔵支持部材を取手付き楯に、後から取り付けるのに適した支持部材2の構造例を示す。円筒状支持部材2の一端に円柱状の連結ピース9を挿入し、円筒の外側からピン91等で固定し、この中央部に雌ねじ92が切られている。一方、楯本体の表面からビス等の係止部材51を挿入し、上記連結ピース9の雌ねじ部92に螺合させて支持部材2と楯本体の裏面部を連結する。ここで、係止部材51の中央部に小孔5があけられていて、スプレー缶のノズルの先端が臨むように配置されている。
【0013】図4には、スプレー缶の押圧構造の他の例を示す。図2に示したように、直接スプレー缶の後部を押圧してもよいが、図4に示すようにレバーの「てこ」力を利用した構造でもよい。支持部材2の後部開口部からスプレー缶を装着する場合には、押さえアーム23が枢着24aされていて、上部又は下部方向に回すことによりスプレー缶の装着が可能になっている。押さえアーム23は、レバー24の一端にて枢着連結されていて、レバー24は、支点アーム25の支点部25aで回動可能になっている。レバー24の操作側は、レバー部スプリング26が取り付けられていてスプレー缶の作動操作は、このレバー24を介して行うことができる。
【0014】図5には、楯の裏面部に取手3がすでに取り付けられている場合に、その取手の近傍に支持部材2を取り付け、スプレー缶4を装着出来るようにした例を示す。
【0015】図6には、把持部材(取手)3が2つ取り付けられた楯の例を示す。この場合には、両手保持タイプの楯となり、通常は図6に示したように両方の支持部材22を支柱にして立てることになる。また、催涙ガススプレー缶は、それぞれの支持部材全部に装着しても、一部のみに装着してもよいのは言うまでも無い。図6に示した両手保持タイプの楯の正面図を図7(イ)に、底面図を図7(ロ)に、右側面図を図8(ハ)に、背面図を図9(ニ)に示す。
【0016】図10には、片手保持タイプで楯本体が少し湾曲している場合の楯の例の斜視図を示す。その正面図を図11(イ)に、右側面図を図12(ロ)に、底面図を図13(ハ)に、背面図を図14(ニ)にそれぞれ示す。
【0017】図15には、楯本体1の表面縁部に放電電極11、その裏面部に対極の放電電極12を配設し、それぞれエナメル線等の配線11a、12aにて、支持部材2又は把持部材3に内蔵した電池及び高電圧発生装置に接続されている。図示を省略したが、把持部材(取手)等に設けたスイッチ操作にて、この表面の一対の電極間に放電させて暴漢者にスタンガン威嚇する。図16には、楯本体の表面中央部に高圧放電電極11、12を一対設けて、この間に放電電流を流して威嚇することができる楯の例を示す。
【0018】なお、本実施の形態においては、支持部材2の中空部にスプレー缶を内蔵した場合を中心に説明したが、この中空部に小型のデジタルカメラ等を内蔵して暴漢者から身を防護する際に相手を撮影することもできる。
【0019】
【発明の効果】本発明においては、楯本体の裏面部に取り付けた支持部材に催涙ガススプレー缶を内蔵したので、楯として暴漢者に対抗しつつ、非常時には催涙ガスを楯の裏面側から表面側前方に向けて噴射することができ、暴漢者への威嚇効果が大きい。なお、催涙ガススプレーは、威嚇効果を目的とするものであり、催涙ガスに限定されるものでない。従って、暴漢者を威嚇する「とうがらしスプレー」、暴漢者が逃走した場合にマーキングとしての効果を有する「カラースプレー」、暴漢者を威嚇するとともに周囲に危険を知らせる「防犯音発生スプレー」等も、本発明における催涙ガススプレー缶に含まれる。また、通常は支持部材を支柱にして楯本体を立てて、カタログ類立て等の他の使用に供することが出来るので、日常生活において身近に置いておくことができる。そして、暴漢者が現れたりした非常時には、威嚇スプレーあるいは、威嚇スタンガン放電ができて、比較的腕力の弱い女性や年輩者等でも使用できる。
【出願人】 【識別番号】300060768
【氏名又は名称】腰本 雅也
【識別番号】301025841
【氏名又は名称】花車 律子
【出願日】 平成14年2月26日(2002.2.26)
【代理人】 【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
【公開番号】 特開2003−225317(P2003−225317A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−49255(P2002−49255)