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【発明の名称】 マスクとその使用方法
【発明者】 【氏名】横井 秀輔
【住所又は居所】富山県中新川郡上市町上法音寺93−5 ライフケア技研株式会社内

【要約】 【課題】風邪、鼻炎、喉頭炎、気管支炎等の緩和、治療に効果があり、長時間効果が持続するマスクとその使用方法を提供する。

【解決手段】不織布等のシート状の柔軟な支持体18と、支持体18の少なくとも片面に塗布された含水ゲル20と、支持体18の中央付近に形成された通気部22を備える。含水ゲル20は、天然又は合成の水溶性高分子ゲルであり、揮発性の成分が溶解・分散されている。支持体18には、水分及び水分に溶解・分散した揮発性成分が含浸していてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通気性を有するシート状の支持体である本体と、上記本体に塗布された含水ゲルとを備え、上記含水ゲルは水溶性高分子ゲルであることを特徴とするマスク。
【請求項2】 シート状の柔軟な支持体と、上記支持体の少なくとも片面に塗布された含水ゲルとからなるマスク用ゲルシートを備え、上記含水ゲルは水溶性高分子ゲルであり、上記マスク用ゲルシートを内側に取り付けるようにしたことを特徴とするマスク。
【請求項3】 上記水溶性高分子ゲルは、マンナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、またはゼラチンから選ばれた1種または複数種の天然高分子を0.1〜5%、水分を80〜99%含むことを特徴とする請求項1または2記載のマスク。
【請求項4】 上記水溶性高分子ゲルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはポリアクリル酸ナトリウムから選ばれた1または複数の合成高分子を0.5〜10%、水分を50〜80%含むことを特徴とする請求項1,2または3記載のマスク。
【請求項5】 上記含水ゲルには、揮発性の成分が溶解・分散されていることを特徴とする請求項1,2,3または4記載のマスク。
【請求項6】 上記含水ゲルは、通気性を有する支持体の一部を残して部分的に塗布されていることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載のマスク。
【請求項7】 上記含水ゲルと上記支持体を貫通して設けられた透孔を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載のマスク。
【請求項8】 上記支持体は、不織布、織布、ナイロンネット、パルプ、コットン、吸水性不織布から選ばれた1種又は複数であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載のマスク。
【請求項9】 上記支持体には、水分及び水分に溶解・分散した揮発性成分が含浸していることを特徴とする請求項8記載のマスク。
【請求項10】 上記含水ゲルを備えた支持体が密封包装され、使用前にこの包装とも加熱して使用することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載のマスクの使用方法。
【請求項11】 上記支持体及び含水ゲルは密封包装され、使用前に包装状態で電子レンジにより上記支持体及び含水ゲルを加熱して使用することを特徴とする請求項10記載のマスクの使用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、口や鼻を覆うマスクとその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、咽喉粘膜が乾燥すると雑菌やウイルス等に対する抵抗力が弱まり、感染しやすくなるため、特に感冒の予防にはうがいが奨励される。うがいは、口腔内の雑菌やウイルスを洗浄するとともに、咽喉粘膜の乾燥を抑え免疫力を高める効果があり、感冒の予防に有効である。このように、感冒等の予防、治療や気管支炎に対しては、咽喉粘膜等を加湿することが重要である。
【0003】従来、特開昭63-262161号公報に開示されているように、口や鼻を覆うマスクに、加湿する機能を持たせる目的で、水で湿らせたガーゼ等をマスクに取り付ける方法が提案されている。また、特開平11−342215号公報に開示された花粉症用マスクでは、ガーゼを複数枚重ね、ガーゼ層の間に、ユーカリ・ラジアタ等の薬剤をしみこませた不織布を差し込み、取り付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場合、ガーゼや不織布に水や薬剤を染みこませただけなので、水分保持量が少なく、水分と薬剤が短時間で蒸発し、持続時間が短いものであった。
【0005】この発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、着用するだけで風邪、鼻炎、喉頭炎、気管支炎等の緩和、治療に効果があり、長時間効果が持続するマスクとその使用方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、通気性を有するシート状の支持体である本体と、上記本体に塗布された含水ゲルと、上記本体を顔に保持する保持部材が設けられたマスクである。
【0007】またこの発明は、通気性を有するシート状の柔軟な支持体と、上記支持体の少なくとも片面に塗布された含水ゲルと、上記支持体の中央付近に形成された通気部が設けられ、上記含水ゲルは水溶性高分子ゲルであり、上記支持体をマスクに取り付けて顔に装着するものである。
【0008】上記水溶性高分子ゲルは、マンナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、またはゼラチンから選ばれた1種または複数種の天然高分子を0.1〜5%、水分を80〜99%含むものである。または、上記水溶性高分子ゲルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはポリアクリル酸ナトリウムから選ばれた1または複数の合成高分子を0.5〜10%、水分を50〜80%含むものである。
【0009】上記含水ゲルは、上記含水ゲルは、通気性を有する支持体の一部を残して部分的に塗布されている。上記支持体は、不織布、織布、ナイロンネット、パルプ、コットン、吸水性不織布から選ばれた1種又は複数である。また、上記含水ゲルと上記支持体を貫通して設けられた透孔を備えたものでも良い。この場合、不織布と不透過性フィルムをラミネートしたものでも良い。上記含水ゲルには、揮発性の成分が溶解・分散されている。また、上記支持体には、水分及び水分に溶解・分散した揮発性成分や芳香成分が含有されていても良い。上記揮発性成分は、例えば口腔粘膜、喉頭粘膜、気管支、上気道に作用する消炎剤等の薬剤である。
【0010】この発明のマスクとマスク用ゲルシートは、装着することにより、体温で加温された含水ゲルから水分が持続的に蒸発し、吸気を加湿する。また装着時に水分とともに消炎剤等の薬剤や芳香性成分も持続的に蒸発し、上気道等の気管に持続的に供給することができる。
【0011】またこの発明は、上記含水ゲルを備えたマスクが密封包装され、使用前にこの包装とも熱水または電子レンジにより加熱し、顔に装着するマスクの使用方法である。
【0012】またこの発明は、上記含水ゲルを備えた支持体から成るマスクやマスク用ゲルシートが密封包装され、使用前にこの包装とも熱水やヒーター、電子レンジ等により加熱して用いるものである。電子レンジで加熱する場合、必要に応じて、使用前に上記包装に開口を形成して、包装状態で電子レンジにより加熱すると良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1,図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態のマスク10は、ガーゼを折り畳んで作られた本体12が設けられ、本体12の両脇には耳に掛ける保持部材である環状のゴム紐14が取り付けられている。
【0014】本体12を作るガーゼは適宜折り畳まれて設けられ、マスク用ゲルシート16が差し込み可能に設けられている。マスク用ゲルシート16は、所定形状に切断されたシート状の支持体18が設けられ、支持体18の素材は不織布、織布、ナイロンネット、パルプ、コットン、吸水性不織布等が使用される。そして支持体18の片面には、含水ゲル20が設けられている。含水ゲル20の材料は、天然多糖類等の高分子ゲル、例えば寒天、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、グルコマンナン、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム等の1または数種類で作られている。この他にポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルローズナトリウム、ポリビニルピロリドン等を基剤とすることによっても含水ゲルが得られる。
【0015】含水ゲル20には、口腔粘膜、咽頭粘膜、気管支、上気道に作用する揮発性の有効薬効成分が溶解分散されている。有効成分としては、dl−カンフル、l−メントール、ハッカ油、サリチル酸メチル、エタノール等である。この他に、ハーブ類、香料を分散しても良い。有効成分は水溶性成分が好ましいが、油性成分は粉末化、またはマイクロカプセル中に入れて分散するか、乳化させ分散することができる。また、賦形薬としてカオリン、カープレックスを添加することにより、水分蒸発を早めることができる。また、防腐剤、着色剤が添加されても良い。また、マイナスイオンを生成・放出するトリマリン粉や炭粉、ゼオライト等を含有させても良い。
【0016】そして、支持体18の中央には、着用時に上下方向に位置する一対の線状に、含水ゲル20から支持体18が露出する通気部22が設けられている。通気部22以外の含水ゲル20はほぼ均一な厚みで取り付けられている。
【0017】また、マスク用ゲルシート16は、マスク10内に差し込むときは含水ゲル20が設けられた面は内外いずれを向いていてもよいが、マスク10の内側にこのマスク用ゲルシート16を当てる場合、含水ゲル20を外側に向けてマスク10の内面に当てて着用する。これにより、口に直接含水ゲル20が当たらない。
【0018】次に、マスク用ゲルシート16の製造方法について説明する。まず、支持体18に水溶性高分子の水溶液を塗布してゲル化させる。または、含水ゲル20の溶液を浅い凹型に流し込んだ後、支持体18を溶液表面に被せるように載せ、含水ゲル20を固化し、支持体18と一体化した後、凹型を外す。また、通気部22の形成方法は、支持体18に所定形状で含水ゲル20を塗布しない部分を設け、支持体18が露出した部分を通気部22とする。または、通気部形成部分が被覆され、それ以外で水溶性高分子水溶液が支持体18に付着可能な被覆シートをあらかじめ支持体18表面に取り付け、水溶性高分子水溶液を塗布する。そして含水ゲル20がゲル化した後、被覆シートを剥がす。これにより含水ゲルは被覆されていない部分のみに形成され、通気部22の支持体18が露出する。被覆シートには、含水ゲル20が所定の厚さで形成されるように、所定の厚みを持たせておくとよい。
【0019】この実施形態のマスク10の初期水分蒸発量は15〜40mg/cm/時間であり、その後10〜20mg/cm/時間の水分蒸発量が6時間から10時間持続する。また、マスク用ゲルシート16の場合、含水率95%の含水ゲルを15〜20g塗布したゲルシート(寸法70mm×70mm)では約1〜1.5g/時間の水分が蒸発する。
【0020】この実施形態のマスク10とマスク用ゲルシート16によれば、長時間にわたって鼻、口腔内、咽喉、上気道の加湿を持続的に行い、乾燥を防ぎ一定の湿度を供給するため、乾燥による炎症や風邪等の予防に有効である。更に有効成分が水分とともに持続的に蒸発し、呼気とともに体内に移行するため、鼻、口腔内、咽喉、上気道に持続的に吸収され供給することができる。有効成分は加湿された空気とともに吸入され気管支まで達するため、消炎、殺菌効果が得られ、雑菌やウイルスの定着、増殖を防止することができる。
【0021】この実施形態のマスク10とマスク用ゲルシート16の具体的な効果としては、風邪の予防・治療、のどの消炎・乾き防止、声がれ、咽頭炎、扁桃腺炎、口内炎・口臭の除去、鼻炎予防・治療・加湿、鼻詰まり改善、いびき防止、気管支炎・気管支カタル、咽喉炎、喘息・呼吸系の治療剤、花粉症予防、睡眠導入等があげられる。また、二次的な効果として、含水ゲル20中の水分の蒸発により、マスクを構成する繊維の平衡水分率が上昇して、吸着力が高くなり、塵や花粉等の微粒子の捕捉率が高くなる。このことから、喉や鼻を保護することができ、風邪やインフルエンザ、花粉症の発症を抑える。そして、マスク10を睡眠時に装着することにより、湿度の高い空気を吸入して上気道粘膜の乾燥を防ぎ、いびきを抑える効果がある。さらに、肺気腫に対しても吸気を通して加湿した空気を送り込むことが出来、効果がある。
【0022】さらに、含水ゲル20に治療や予防目的以外の揮発成分、例えばコーヒー等の嗜好品やその香料、ハーブ類を溶解分散することにより、マスク着用時に長時間にわたって香りが持続的に放出させ、マスク使用時に新たな効果を楽しむことができる。また、マスク10とマスク用ゲルシート16は、製造が容易で低コストである。
【0023】なお、この実施形態のマスク用ゲルシート16の通気部22は、図2に示す形状以外に自由に変更可能である。例えば、図3に示すように、通気部24が碁盤目状に設けられ、通気部24により含水ゲル26は複数個の矩形に区分されて形成されている。通気部24と含水ゲル26の配置や形状は、含水ゲル26を剥がす凹型の容器の形状により、自由に設定することができる。
【0024】このマスク用ゲルシート16は、常温のまま使用しても上記効果を得ることができるが、密封包装されたマスク用ゲルシート16を、熱水で加温したり、密封包装の一部を開封して開口部を形成し、電子レンジで加熱した後、マスク10に取り付けて使用するようにしても良い。これにより、水分や薬剤の蒸発が促進され、上記効果をより効率的に得ることができる。
【0025】次にこの発明の第二実施形態について説明する。この実施形態のマスク用ゲルシート28は、支持体18の表面にほぼ均一な厚みで含水ゲル30が取り付けられている。支持体18の素材、含水ゲル30の成分は上記実施形態と同様である。そして、支持体18の中央に、支持体18と含水ゲル30を貫通して、通気用の透孔32が複数個形成されている。
【0026】次に、マスク用ゲルシート28の製造方法について説明する。まず、支持体18の片面に均一に含水ゲルの溶液を塗布し含浸させ、固化してゲル化させる。そして、通気用の透孔32を、支持体18と含水ゲル30を貫通して打ち抜いて形成する。
【0027】この実施形態のマスク用ゲルシート28は、上記実施の形態と同様の使用方法であり、同様の効果を有するものである。また、通気用の透孔32を打ち抜いて形成するため、通気性が良好である。また、使用方法も上記実施形態と同様に、常温または加温して使用し得る。この場合、不織布と不透過性フィルムをラミネートした支持体18でも良い。これにより、外側への水分揮発が無く、水分蒸発の持続時間を長くすることが出来る。
【0028】なお、この発明のマスクは上記各実施形態に限定されるものではなく、マスク本体に取り付ける支持体に、水分や薬剤を含んだ水分が含浸されていても良い。これにより、初期水分蒸発量が増加するとともに、水分蒸発の持続時間を延ばすことが出来る。また、マスク本体を支持体として直接含水ゲルを設けて、上記と同様の使用法により用いても良い。
【0029】
【実施例】以下、この発明の第一実施例のマスク用ゲルシートについて説明する。この実施例では、寒天1.5部、カオリン1部、dl−カンフル0.5部、1−メントール0.3部、エタノール2部、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン0.2部、精製水94.5部を加熱溶解後、目付100g/mのポリプロピレン製不織布に0.2g/cmの割合で含浸して、冷却し固化後、70mm×70mmに裁断した。次に、得られたマスク用ゲルシートに、直径5mmの孔を10個設けて通気孔とした。
【0030】また、この発明の第二実施例のマスク用ゲルシートについて説明する。この実施例では、寒天1.5部、ユーカリ油0.1部、l−メントール0.5部、エタノール2部、カオリン1部、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン0.2部、精製水94.7部を加熱溶解後、凹型容器に0.25g/cmの割合で充填し、目付100g/mのポリプロピレン製不織布を凹型容器に被せて冷却し固化後、70mm×70mmに裁断した。このとき、凹型容器により5mm幅の通気部が縦横に形成され、その間に含水ゲルが形成される。
【0031】また、この実施例のマスク用ゲルシートをマスクの内側にセットし、着用して使用したところ、装着1時間経過後、マスク用ゲルシートの重量が960mg減少した。これは、水分や有効成分が蒸発し、呼吸により吸引されたものである。さらに、装着7〜8時間の蒸発量は、570mgであり、効果が長時間安定に持続した。
【0032】
【発明の効果】この発明のマスクは、簡単な構造であり、製造が容易で、低コストで製造可能である。そして、着用するだけで水分と有効成分を供給し、鼻や喉、気管を保護し、風邪やインフルエンザ、花粉症等の予防や治療を行うことができる。さらに、ゲル中の水分の蒸発により、マスクの繊維の平衡水分率が上昇し、吸着力が高くなり、塵や花粉等の微粒子の捕捉率が高くなる。
【出願人】 【識別番号】397043190
【氏名又は名称】ライフケア技研株式会社
【住所又は居所】富山県中新川郡上市町上法音寺93−5
【識別番号】391044166
【氏名又は名称】玉川衛材株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区岩本町2丁目2番16号
【出願日】 平成13年12月28日(2001.12.28)
【代理人】 【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
【公開番号】 特開2003−190307(P2003−190307A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−400166(P2001−400166)