| 【発明の名称】 |
高所からの脱出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】阿原 一良
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| 【要約】 |
【課題】エアーバックの爆発装置を利用して、迅速で且つ簡潔な機構の高所からの脱出装置を開発する。
【解決手段】本発明高所からの脱出装置は、パラシュート11本体の一部に閉じた傘を開くための環状の空気管12を配したパラシュート部10を形成し、脱出者を保護するエアー室22を内蔵してクッション性を備えた袋状の本体部20を形成し、該パラシュート部10の空気管及び球状袋体21にガスを発生するインフレータ30を連結し、落下過程にあってインフレータからの送気でパラシュート部を強制的に開拡すると共に袋体を膨張させることを特徴として構成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パラシュート本体の一部に閉じた傘を開くための空気管を配したパラシュート部を形成し、脱出者を保護するエアー室を内蔵してクッション性を備えた袋状の本体部を形成し、該パラシュート部の空気管及び球状袋体にガスを発生するインフレータを連結し、落下過程にあってインフレータからの送気でパラシュート部を強制的に開拡すると共に袋体を膨張させることを特徴とする高所からの脱出装置。 【請求項2】 本体部を、内部に脱出者が膝を折り畳んだ状態で全身がすっぽりと入れる容積の収容室を配した球状袋体に形成した請求項1記載の高所からの脱出装置。 【請求項3】 本体部を、前後に胸部及び背部に当接する胴部を設け、脱出者の身体の脇部に直交して伸びる棒状袋体側部を配すると共に身体の垂直方向に平行して伸びる棒状袋体身長部を配した棒状袋体に形成した請求項1記載の高所からの脱出装置。 【請求項4】 本体部を、内部に脱出者の下半身が入り得る容積の収容室を配した半球袋体に形成した請求項1記載の高所からの脱出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は避難用具に関し、更に詳細には高層階ビル等の高所からの脱出を可能とする飛行避難用具に関する。 【0002】 【従来の技術】高層階のビルが多く建設される今日において、ハシゴ車の届くのは7階程度までで緊急時の避難手段の無さは重大な問題となっており、又、脱出階段も緊急時には火炎で使用不可能となる恐れがある。そこで、従来、(a)特開平7−194717号公報「空中浮遊飛行式避難具」には、「ケース内に、翼体またはパラシュートなどの空中浮遊飛行体を折り畳んで収納しておき、そのケース、または空中浮遊飛行体を折り畳んだ状態で空中に投げ出すことによって、空中浮遊飛行体が空中で拡がり、その空中浮遊飛行体にぶら下がって、災害現場から避難することができ、地上に緩降下することができる。」ものが提案されている。 【0003】(b)又、特開平6−79007号公報「超高層建築物からの避難用ゴンドラ」には、「避難者が乗るゴンドラ1を形成し、内部に人が坐れる座席7とつかまりを有する支柱13を設け、一側面にドア4を取り付け、複数の側面部にはパラシュートを収容したカプセルAを支持する支持フレーム15の一端をリベットで固着し、前記ゴンドラの底面部にぼう張可能なクッション部14を形成したことを特徴とする。」ものが提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしこれらは、装置として大型であり個々人が簡潔に用いることができるものはなかった。そこで本発明は、エアーバックの爆発装置を利用して、迅速で且つ簡潔な機構の脱出装置の開発を試みたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明高所からの脱出装置は、パラシュート本体の一部に閉じた傘を開くための環状の空気管を配したパラシュート部を形成し、脱出者を保護するエアー室を内蔵してクッション性を備えた袋状の本体部を形成し、該パラシュート部の空気管及び球状袋体にガスを発生するインフレータを連結し、落下過程にあってインフレータからの送気でパラシュート部を強制的に開拡すると共に袋体を膨張させることを特徴として構成される。 【0006】請求項2記載の本発明装置は、本体部を、内部に脱出者が膝を折り畳んだ状態で全身がすっぽりと入れる容積の収容室を配したエアー室を内蔵してクッション性を備えた球状袋体に形成して構成される。 【0007】請求項3記載の本発明装置は、本体部を、前後に胸部及び背部に当接する胴部を設け、脱出者の身体の脇部に直交して伸びる棒状袋体側部を配すると共に身体の垂直方向に平行して伸びる棒状袋体身長部を配した棒状袋体に形成して構成される。 【0008】請求項4記載の本発明装置は、本体部を、内部に脱出者の下半身が入り得る容積の収容室を配したエアー室を内蔵してクッション性を備えた半球袋体に形成して構成される。 【0009】 【発明の実施の形態1】本発明装置は、パラシュート部10と本体部20及びインフレータ30とからなる。該パラシュート部10には傘型のパラシュート本体11に吊り紐が連結され、脱出者の身体を吊持するのは従来のパラシュートと変わりないが、本発明パラシュートは傘型のパラシュート本体11の一部に閉じた傘を開くための空気管12を形成することに特徴がある。 【0010】即ち、空気管12は、パラシュートの一部に配設される空気を通す為の筒状の管体をいい、それが後述する脱出者が背中に負うリュックに内蔵されたインフレータと連通管13を介して連通し、該インフレータからの送気で管体にエアーが充満すると、その膨出力で閉じた状態の傘型パラシュート本体11が強制的に開拡するものとなる。この空気管12の形成位置は、傘を開拡させるものなら限定されないが、図1に示す如く、傘型裾の末端にリング状に管体を形成すると、リングの拡張で傘の開拡が確実となる。 【0011】次いで、本体部20を説明すると、この本体部20は脱出者を保護すべく内部にエアー室22を内蔵してクッション性を備えた袋体を指すが、その第1の態様は、図2に示す如く、内部にエアー室22を内蔵してクッション性を備えた球状袋体21を形成する。該球状袋体21の内部には、それが膨張した際、内部に脱出者が膝を折り畳んだ状態で全身がすっぽりと入れる容積の収容室24を形成する。即ち、該球状袋体21は、クッション性のエアー室22で脱出者の全身を覆って、落下する脱出者を保護しようとする狙いを持つ。そのクッション性の保持を確実とする意味で、そのエアー室22の内部には区画23を設け、衝突の際の空気圧の偏りを避け、又、圧力調整弁を付設するのが望ましい。 【0012】該収容室24の上方には、脱出者が潜り込めるだけの窓口25を形成し、図2に示す如く、該窓口25から折り畳まれた状態の球状袋体21に脱出者が入り込み可能とし、後述するエアー室22に気体を注入後に、袋体が膨張して身体の周りを取り囲んですっぽり覆う収容室24を形成する。 【0013】即ち、球状袋体21は、通常時には、図3の如く折り畳まれ、コンパクト化してあり、そこにガスを注入すると、そのガスの膨出力で丁度提灯が伸びるように球状袋体21を膨張させ、その内部に収容室24が形成される。 【0014】その球体21は、連結管26を介して、リュック27に内蔵された球体を膨張させるためのガスを発生するインフレータ30に連結される。該インフレータの一例を示すと、図6の如くで、着火剤31と、ガス発生剤32を備え、電気信号によって少量の火薬に点火し、その燃焼熱によって推薬に点火し、アジ化ナトリウムを主成分とした推薬が分解反応する時に発生する窒素ガスを袋体に送る作用を備える。 【0015】即ち、該インフレータ30で発生したガスが連結管26を通して注入されると、その膨出力で折り畳まれた球状袋体21が強制的に開拡し、そこに迅速、確実にクッション性のエアー室22が形成されるようにする。 【0016】別の実施態様2を説明すると、図4に示す如く、パラシュート部10と本体部40及びインフレータ30とから成り、上記実施態様1とパラシュート部10及びインフレータ30とは同様である。 【0017】そして、本体部40にあって、前後に胸部及び背部に当接する胴部41a,41bを設け、そこから脱出者の身体の脇部に直交して伸びる棒状袋体側部42a,42bを配すると共に、身体の垂直方向に平行して伸びる棒状袋体身長部43a,43bを配した棒状袋体41,41に形成する。該棒状袋体41,41は、内部にエアー室を内蔵してクッション性を備えた棒状の袋体に形成し、即ち、該棒状袋体側部42a,42bは、クッション性のエアー室で脱出者の側面を覆い、棒状袋体身長部43a,43bは脱出者の身長方向を覆い、落下する脱出者の側面と身長方向から保護しようとする。そのエアー室の内部には実施態様1と同様区画を設け、衝突の際の空気圧の偏りを避けるのが望ましい。 【0018】更に実施態様3を説明すると、図5に示す如く、パラシュート部10とインフレータ30の他に本体部50を有し、該本体部50は、内部にエアー室を内蔵してクッション性を備えた半球袋体51を形成する。該半球袋体51の内部には、それが膨張した際、内部に脱出者の下半身が入り得る容積の収容室52を形成する。即ち、該半球袋体51は、クッション性のエアー室で脱出者の下半身を覆って、落下する脱出者を保護しようとし、そのエアー室の内部には区画を設け、衝突の際の空気圧の偏りを避けるのが望ましい。 【0019】次に、本実施の形態の作用を説明する。本発明装置は、通常は、高層階のビルディングのオフィス等の一部に折り畳んだ状態でコンパクト化させて備えて置き、一人に対し一個の装置を原則として備える。その置き場所は、数人分を一箇所にまとめて置いても、又、各人が自分の机の傍に置いても良い。 【0020】そして、火災等の緊急避難を要する事態が発生した場合、高層にいる人間及び避難経路を閉ざされた人間にとっては、避難が困難となる事態が想定される。その場合本発明装置を取り出し、先ず、窓際に寄って、球状袋体21を拡げると共に、リュック27を背負う。そして、そのリュック27を背負ったまま、窓口25から、球状袋体21の収容室24の中に潜り込み、そのとき、球状袋体21の底を足が踏む恰好となる。そして、ビルの窓等から階下に向けて、装置を抱えた恰好で飛び降りる。 【0021】その落下過程にあって、インフレータ30の点火ボタンを押す。すると、上述の如く、着火剤31に点火し、その燃焼熱によって推薬に点火し、アジ化ナトリウムを主成分とした推薬が分解反応して、瞬時にして窒素ガスを発生する。 【0022】このガスが先ずパラシュート部10の空気管12に送られると、圧力を伴ったガスが空気管12を膨出させ、その空気管12の膨張で折り畳まれた状態の傘型のパラシュート部10を強制的に開拡させる。特に、空気管12をパラシュート本体11の裾部にリング状に形成した場合には、リングの特性で空気管12の膨出が輪を広げる方向に働き、僅かなガス体でも確実に傘型のパラシュート本体11を拡げるように働く。この結果、パラシュート部10が開くと、その空気抵抗による減速効果で、どんな高層階から飛び降りても、落下速度が抑制される。 【0023】と同時に、上記発生したガスの大部分は、連結管26を通して、球状袋体21のエアー室22に送られるので、そのエアー室22にガスが充満すると、折り畳まれた球状袋体21が膨張し、それが提灯が膨らむように球状の袋体21に膨らむ。そして、内部に収容室24が形成されると、膝を折り畳んだ状態で脱出者をすっぽりと覆う形態となる。即ち、脱出者は、全身をクッション性に富んだエアー室22に囲まれた収納室24内に納まり、その状態で空中を落下して行く形態となる。 【0024】そうして、地上への着地に近づき、上記パラシュート部10の減速効果で、落下速度が極めて緩やかに抑えられつつ、最終的に地面に衝突する。このとき、ある程度の衝撃は避けられないが、しかし、クッション性に富んだエアー室22は、この衝撃を緩和し、内部の脱出者を有効に保護し、安全な避難を実現する。このとき、ビルの谷間にある場合には、隣接する建物等との接触の怖れがあるが、全身を球状袋体21に覆われた収容室24は安全に保護される。又、エアー室22に区画23を設ければ、衝突時に接地箇所に起こる衝突圧の集中を区画23が支えて、衝突圧を緩和する。 【0025】実施態様2の使用にあたっては、緊急避難時に、本発明装置を取りだし、リュックを背負って、ビルの窓等から階下に向けて、装置を抱えた恰好で飛び降り、その落下過程にあって、インフレータ30の点火ボタンを押すことは上記実施態様1と同様である。そして、インフレータ30に発生したガスが胴部41a,41bに送られると、折り畳まれた胴部41a,41bが膨らみ、次いで棒状袋体側部42a,42bが直交方向に膨らみ、脱出者の身体の側面に伸び、一方、棒状袋体身長部43a,43bは、垂直方向に膨らみ、脱出者の身体の身長方向に伸びる。 【0026】その状態で空中を落下して行くと、例えば、その途中に隣接する建物の一部に接触することがあっても、その胸部及び背部が守られると共に、側面及び下部が保護されているので、傷つくことがない。そして、最終的に地面に落下する際には、パラシュート部によって減速されることは勿論、身長方向に伸びたクッション性に富んだ棒状体で衝撃が緩和され、安全に保護される。このとき、袋体は製作が簡潔であると共に身体装着が容易である。 【0027】実施態様3の使用にあっては、本発明装置を取りだし、リュックを背負って、ビルの窓等から階下に向けて飛び降りることは、上記実施態様1と同様であるが、ボタン操作でインフレータ30に発生したガスが、半球袋体51のエアー室に送られると、そのエアー室にガスが充満し、折り畳まれた半球袋体51が膨張して半球状となり、脱出者の下半身を覆う。 【0028】その状態で空中を落下して行くと、例えば、その途中に隣接する建物の一部に接触することがあっても、半球袋体51の側面に保護され、且つ、最終的に地面に落下する際には、パラシュート部によって減速されることは勿論、下方のクッション性に富んだ半球袋体51で衝撃が確実に緩和される。又、海面に落下した場合には、救命ボートの役割を果たす。 【0029】 【発明の効果】上記構成及び作用に基づいて本発明は、以下の如き優れた効果を奏する。 【0030】瞬時にガスを発生させ得るインフレータによって、強制的で確実に開拡されるパラシュート部が落下速度を大幅に減速させると共に、同時にインフレータによって強制的に膨張される袋体のクッション効果によって着地時の衝撃が緩和されるものとなり、従来困難視されていた超高層ビルや飛行機等の高所からの脱出を可能とする画期的役割を果たす。 【0031】その際、操作に不慣れな素人等でも、ボタン操作一つでインフレータを作動させることができるので、後は自動的にパラシュート部の開拡及び袋体の膨張がなされ、操作ミスによる事故が無く、又、それを怖れる不安感をも一掃することができる。 【0032】更に、不使用時には、折り畳んでコンパクトに収納させておくことができるので、ビルの身近な場所や飛行機内においても収納が可能である等実効性に優れた発明である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596163817 【氏名又は名称】阿原 一良
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| 【出願日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095739 【弁理士】 【氏名又は名称】平山 俊夫
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| 【公開番号】 |
特開2003−190305(P2003−190305A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月8日(2003.7.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−390672(P2001−390672) |
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