| 【発明の名称】 |
マスク及びマスク用アレルゲン低減化シート |
| 【発明者】 |
【氏名】藤森 洋治 【住所又は居所】滋賀県甲賀郡水口町泉1259 積水化学工業株式会社内
【氏名】鈴木 太郎 【住所又は居所】大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学工業株式会社内
【氏名】寺本 師士 【住所又は居所】大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ダニや花粉等のアレルゲンを低減化する機能を有するマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートを提供する。
【解決手段】アレルゲン低減化された繊維からなるマスク及びマスク用アレルゲン低減化シート。アレルゲン低減化成分は、線状高分子の側鎖に一般式で示される官能基を有する化合物、一般式に示される官能基を含む単量体又は1価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物等の芳香族ヒドロキシ化合物;アルカリ金属の炭酸塩、明礬、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩;リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛;からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アレルゲン低減化成分を有する繊維原料を紡糸してなる繊維からなることを特徴とするマスク。 【請求項2】 アレルゲン低減化成分と繊維原料を紡糸してなる繊維からなることを特徴とするマスク。 【請求項3】 アレルゲン低減化成分が、繊維に化学的に結合及び/又は繊維に後固着されてなることを特徴とするマスク。 【請求項4】 アレルゲン低減化成分が、芳香族ヒドロキシ化合物であることを特徴とする請求項1〜3項いずれか1項に記載のマスク。 【請求項5】 芳香族ヒドロキシ化合物が、線状高分子の側鎖に下記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物であることを特徴とする請求項4記載のマスク。 【化1】
(Rは水素又は水酸基で、少なくとも1つは水酸基を示し、nは0〜5を示す) 【請求項6】 芳香族ヒドロキシ化合物が、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなることを特徴とする請求項4記載のマスク。 【請求項7】 芳香族ヒドロキシ化合物が、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物であることを特徴とする請求項4記載のマスク。 【請求項8】 アレルゲン低減化成分が、アルカリ金属の炭酸塩、明礬、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3項いずれか1項に記載のマスク。 【請求項9】 アレルゲン低減化成分が、リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛であることを特徴とする請求項1〜3項いずれか1項に記載のマスク。 【請求項10】 アレルゲンが花粉由来であることを特徴とする請求項1〜9項いずれか1項に記載のマスク。 【請求項11】 アレルゲン低減化成分を含む繊維からなることを特徴とするマスク用アレルゲン低減化シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ダニや花粉等のアレルゲンを低減化する機能を有するマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など多くのアレルギー疾患が問題となってきている。その主な原因は、住居内性ダニ類、特に室内塵中に多いチリダニのアレルゲン(Der1,Der2)や、おもに春季に猛威を振るうスギ花粉アレルゲン(Crij1,Crij2)等の多くのアレルゲンが生活空間内に増えてきているためである。特にチリダニのアレルゲンはその原因となるチリダニを駆除しても、その死虫が更にアレルゲン性の高い物質を生活空間に供給することになり、アレルゲンが原因となるアレルギー疾患の根本的な解決には至らない。また、スギ花粉アレルゲンであるCrij1は分子量約40kDaの糖タンパク質、Crij2は分子量約37kDaの糖タンパク質であり、鼻粘膜等に付着すると生体外異物として認識されくしゃみ、鼻水、眼のかゆみなどの炎症反応を引き起こす。よって、アレルギー疾患の症状軽減あるいは新たな感作を防ぐためには、花粉等のアレルゲンを吸入しないよう防御するしか対処方法がなく、さまざまな手段が講じられている。 【0003】花粉等のアレルゲンを体内に吸引しないよう最も簡便に用いられているものはマスクである。しかしながら、マスクは花粉を繊維に絡ませているだけの物理的捕捉でしかなく、捕捉された花粉の粒子は花粉症の抗原性を有した有害な状態でマスク内に残存しており、物理的な衝撃などにより、絡まっていた花粉がマスクから離れて体内に吸引された場合には、花粉症が引き起こされることになる。また、マスクの取り外し時などには、マスク使用者は極めて花粉濃度の高い危険な状態にさらされていると考えられる。従って単なるマスクを取り付けるというだけでは、花粉が原因となる花粉症疾患の根本的な解決には至らない。 【0004】そこで、特開平10−225526号公報では、物理的な捕捉力を強化するため、帯電処理を施して花粉を吸引する方法が開示されている。しかしながら、このような方法では人体から排出される呼気の多量の水分により、静電気の力が著しく低下し、十分な捕捉力を有していないのが実状である。また、水を含んだシートをマスクに挿入して使用するマスク用シートが提案されているが、水によりシート面の吸気抵抗が非常に高くなり、呼吸がし難いといった不具合点があった。また、このようなマスクでは、正面からの花粉カット効果は高いものの、マスクと肌の隙間から入る花粉は従来より多くなり、花粉症を悪化させるという問題点もあった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点に鑑み、アレルギー疾患の症状軽減あるいは新たな感作を防ぐために、マスクに捕捉された花粉等のアレルゲンを低減化する物質を有する繊維からなるマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、アレルゲン低減化成分を有する繊維原料を紡糸してなる繊維からなるマスクを提供する。また、請求項2記載の本発明は、アレルゲン低減化成分と繊維原料を紡糸してなる繊維からなるマスクを提供する。また、請求項3記載の本発明は、アレルゲン低減化成分が、繊維に化学的に結合及び/又は繊維に後固着されてなるマスクを提供する。また、請求項4記載の本発明は、アレルゲン低減化成分が、芳香族ヒドロキシ化合物である請求項1〜3項いずれか1項に記載のマスクを提供する。また、請求項5記載の本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物が、線状高分子の側鎖に上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物である請求項4記載のマスクを提供する。また、請求項6記載の本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物が、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなる請求項4記載のマスクを提供する。また、請求項7記載の本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物が、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物である請求項4記載のマスクを提供する。また、請求項8記載の本発明は、アレルゲン低減化成分が、アルカリ金属の炭酸塩、明礬、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1つである請求項1〜3項いずれか1項に記載のマスクを提供する。また、請求項9記載の本発明は、アレルゲン低減化成分が、リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛である請求項1〜3項いずれか1項に記載のマスクを提供する。また、請求項10記載の本発明は、アレルゲンが花粉由来である請求項1〜9項いずれか1項に記載のマスクを提供する。また、請求項11記載の本発明は、アレルゲン低減化成分を含む繊維からなるマスク用アレルゲン低減化シートを提供する。 【0007】本発明で用いられるアレルゲン低減化成分は、アレルゲンを不活性化し、抗原抗体反応を抑制できる成分であれば、特に限定されるものではなく、いかなる成分を用いても良く、例えば、タンニン酸、カテキンのような植物抽出物、2,5−ジヒドロキシ安息香酸のようなヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。 【0008】上記アレルゲン低減化成分の中でも、マスク及びマスク用アレルゲン低減化シートへの着色性、口に直接接触するため、経口急性毒性及び肌への刺激性を総合して、好ましくは後述するアレルゲン低減化成分が好ましい。 【0009】本発明に用いられるアレルゲン低減化成分がとしては、芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、特に限定されず、中でも、マスクやマスク用シートへの着色の心配が少ないという点から、線状高分子の側鎖に下記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物であることが好ましい。 【0010】 【化2】
(Rは水素又は水酸基で、少なくとも1つは水酸基を示し、nは0〜5を示す) 【0011】上記一般式(1)〜(6)で示される官能基を線状高分子の側鎖に有する化合物において、nの数は0〜5である。5を越えると、線状高分子を使用する効果がなくなることがある。また、Rの少なくとも1つは水酸基であり、水酸基がないと、アレルゲン低減化効果を十分発揮できないことがある。水酸基が多すぎるとマスク及びマスク用低減化シートへの着色性が強くなることがあるため、水酸基は一つが好ましい。また、水酸基の位置は、立体障害が最も少ない箇所に結合していることが好ましく、例えば一般式(1)ではパラ位にあるのが好ましい。 【0012】上記線状高分子とは、例えば、合成高分子ではビニル重合体、ポリエステル、ポリアミドなどのことをいう。また、上記一般式(1)〜(6)で示される官能基と線状高分子との化学結合については、特に限定されず、炭素−炭素結合、エステル結合、エーテル結合、アミド結合等が挙げられる。上記一般式(1)〜(6)で示される官能基を線状高分子の側鎖に有する化合物としては、安全性や入手しやすさ、及び繊維への結合しやすさから、例えば、ポリ3,4,5−ヒドロキシ安息香酸ビニル、ポリビニルフェノール、ポリチロシン、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−6−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシアントラセン)が好ましい。 【0013】また、上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなるものが好ましい。 【0014】上記1価のフェノール基を一個以上有する単量体としては、ベンゼン環に一個の水酸基を有する単量体が一個以上結合している化合物であれば特に限定されず、例えば、ビニルフェノール、チロシン、下記一般式7に示される1,2−ジ(4-ヒドロキシフェニル)エテン等が挙げられる。有効成分が、1価のフェノール基を有すると多価フェノールに比べて変色しにくいといった効果がある。 【化3】
【0015】上記1価のフェノール基を一個以上有する単量体に共重合される他の単量体としては、エチレン、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン等が挙げられる。 【0016】また、上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物であることが好ましい。 【0017】上記芳香族複素環式ヒドロキシ化合物は、特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシフラン、2−ヒドロキシチオフェン、ヒドロキシベンゾフラン、3−ヒドロキシピリジン等が挙げられる。また、線状高分子の側鎖に芳香族複素環式ヒドロキシ基を含有する化合物、芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物等であってもよい。 【0018】上記芳香族複素環式ヒドロキシ基としては、例えば、下記一般式8、9に示されるチオフェンやフラン等の複素環骨格にヒドロキシ基が結合したものや、下記一般式10に示される複素環と芳香族環とを持つ骨格にヒドロキシ基が結合したもの、複素環骨格にヒドロキシ基とアルキル基(炭素数5以下)とを有するもの、複素環と芳香族とを持つ骨格にヒドロキシ基とアルキル基(炭素数5以下)とを有するもの等が挙げられる。 【化4】
【0019】本発明で用いられるアレルゲン低減化成分としては、アルカリ金属の炭酸塩、明礬、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、また、リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛が、マスク及びマスク用低減化シートへの着色の心配が少ないという点から好ましく用いられる。 【0020】上記アルカリ金属の炭酸塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムのアルカリ金属の炭酸塩が挙げられ、特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムは繊維への後処理のしやすさからマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートに好適に用いられる。 【0021】上記明礬としては、硫酸アルミニウムと、アルカリ金属やタリウム、アンモニウム等の1価イオンの硫酸塩とからなる複塩が挙げられる。また、アルミニウムをクロム、鉄、等に置き換えた複塩も同様に挙げられる。好ましくは硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウムである。特にアレルゲン低減化能力の高い硫酸アルミニウムカリウムは、主に十二水和物(AlK(SO4)2・12H2O)あるいは無水物(AlK(SO4)2)が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であってもよい。明礬の一部は、カリミョウバンとして食品添加物および化粧品原料にも指定されているため安全性が高い物質である。また、明礬をマスク及びマスク用低減化シートに用いた場合には、べたつき感を与えず、使用感が良好である。このような安全性、使用感、繊維への後処理のしやすさの点で、マスク及びマスク用アレルゲン低減化シートへの使用として特に好適に用いられる。 【0022】上記ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミンなどのアミン塩が挙げられ、特に好ましくはナトリウム塩、トリエタノールアミン塩である。 【0023】上記リン酸塩としては、水系溶媒に溶解したときPO43-イオンを生成する塩類を指し、例えば、実施例に用いたようなリン酸二水素ナトリウム(リン酸一ナトリウム)、リン酸水素二ナトリウム(リン酸二ナトリウム)の他に、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。 【0024】上記硫酸亜鉛としては、主に水和物(七水和物)あるいは無水物が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であってもよい。硫酸亜鉛は古来より、白ばんあるいは亜鉛華などとして知られており日本薬局方にも収載されている。また、食品添加物であり、人の成長、健康維持に必須の微量金属元素であるZnの供給を目的として、母乳代替食品に添加されているため安全性が高く、マスク及びマスク用低減化シートに好適に用いられる。 【0025】上記酢酸鉛とは、水和物(三水和物)、あるいは無水物が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であっても良い。上記酢酸鉛は、古来より、鉛糖として知られており日本薬局方にも収載されている。 【0026】本発明のマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートは、上記アレルゲン低減化成分が少なくとも1つが有効成分として含まれる繊維からなればよく、2つ以上を組み合わせることも可能である。 【0027】アレルゲン低減化成分が繊維に含まれる量としては、0.1〜300重量%含まれることが好ましい。さらに好ましくは、0.2〜100重量%、特に好ましくは0.5〜50重量%である。0.1重量%未満であれば、アレルゲン低減化効果を発揮することが難しくなることがあり、300重量%を超えると、繊維の表面層が固く脆くなって物性上の低下を招いたり、繊維から脱落しやすくなったりすることがある。 【0028】請求項1記載の繊維原料とは、アレルゲン低減化成分を有する重合性単量体と一般の繊維原料となる重合性単量体が共重合されたものである。上記アレルゲン低減化成分を有する重合性単量体とは、上記アレルゲン低減化成分に重合性を付加した単量体であれば特に限定されない。 【0029】請求項2記載の繊維原料とは、請求項1にて得られたアレルゲン低減化成分を有する繊維原料、及び/又は一般の繊維原料が用いられる。上記一般の繊維原料とは、通常繊維として加工・使用されているものであれば、特に限定されず、例えば、ポリアミド系繊維(ナイロン等)、アクリル系繊維、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリウレタン等の合成繊維原料、アセテート等の半合成繊維原料、キュプラ、レーヨン等の再生繊維原料、天然繊維等が使用できる。 【0030】尚、さらに、上記アレルゲン低減化成分を有する繊維原料と一般の繊維原料を混紡または交撚し紡糸することによって得る方法を用いてもよい。 【0031】上記アレルゲン低減化成分と繊維原料となる重合性単量体とを共重合する方法としては、いかなる方法を用いてもよく、例えば、ビニル重合、環化重合、開環重合等の付加反応、転移重合、異性化重合等の水素移動重合、酸化重合、脱窒素重合、脱炭酸重合、重縮合、付加縮合等の縮合反応等が挙げられる。この方法によれば、アレルゲン低減化成分を強固に繊維に付与することができるため、繰り返しの使用によりアレルゲン低減化成分が脱落、不活性化する可能性が低く、長期使用に耐えるマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートを得ることが可能となる。 【0032】上記共重合反応に用いられるアレルゲン低減化成分は、上記した如くアレルゲン低減化成分に重合性を付加した単量体であれば特に限定されない。中でも、線状高分子の側鎖に上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物を形成しうるモノマーあるいはオリゴマーが好ましく用いられる。 【0033】アレルゲン低減化成分と繊維原料(一般の繊維原料、低減化成分含有繊維原料)とを紡糸する方法としては、特に限定されず、以下の方法が挙げられる。 1)溶融紡糸法:例えば、溶融する繊維原料においては、繊維原料の加熱溶融後、分解点がその繊維原料の加熱溶融点以上のアレルゲン低減化成分を練り込み、溶融混合液とし、これを所望の細孔をもつ紡糸口金を通じて、不活性冷却媒体(例えば空気、窒素、水など)中に押し出し、冷却固化させて繊維とする方法。 2)湿式紡糸法:例えば、繊維原料を溶剤に溶解して溶液とし、アレルゲン低減化成分を分散混合あるいは溶解し(紡糸原液)、これを紡糸口金を通じて高分子を再生凝固させる液体中に押し出して、紡糸原液中に溶けている高分子を繊維状に固化させる方法。 3)乾式紡糸法:例えば、繊維原料を揮発性の溶剤に溶解して、アレルゲン低減化成分を分散混合あるいは溶解して紡糸原液とし、これを口金を通じて加熱気体中に押し出し紡糸原液中の溶剤を蒸発させて、繊維状に固化させる方法。 上記3つの方法は、工業的に広く使われており、目的とするマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートにより使い分けることができる。 【0034】さらに、上記以外の方法として、4)エマルジョン紡糸法:繊維原料のエマルジョン(サスペンジョン、スラリ)を作り、アレルゲン低減化成分を分散混合あるいは溶解して紡糸原液とし、これを湿式紡糸法あるいは乾式紡糸法に準じて紡糸する方法、5)コンジュゲート紡糸法:別々に溶融した2成分以上の繊維原料溶融体中にアレルゲン低減化成分を分散混合あるいは溶解し、または、アレルゲン低減化成分自体を溶融体とし、それら溶融体を紡糸口金の直前で複合して同時に紡出する方法、6)紡糸口金を用いずに高分子物質を繊維状にする方法:例えば、アレルゲン低減化成分を含んだ薄膜を延伸した後、縦に細く切り、更に延伸、熱固定する方法、棒状のアレルゲン低減化成分を含んだ高分子物質を高度に延伸する方法、界面重合による方法等を用いてもよい。 【0035】請求項3記載の繊維とは、アレルゲン低減化成分を化学的に結合及び/又は繊維に後固着できるものであれば、いかなる素材、形態のものも用いてもよく、例えば、ポリエステル、ナイロン、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、キュプラ、レーヨン等の再生繊維、木綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維あるいは、これら各繊維の複合化繊維、混綿などが使用できる。また繊維の形態としては、繊維製品に使用されうるものであればいかなる形態のものでも使用でき、例えば、糸、織布、不織布等のいずれを使用しても良い。 【0036】本発明におけるアレルゲン低減化成分を繊維へ化学的に結合及び/又は繊維に後固着させる方法としては、特に限定されず、例えば、グラフト化反応により繊維に化学的に結合させる方法、溶剤及び/又はバインダーを用いて繊維表面に固着させる方法等が挙げられる。この方法によれば、一般に使用されている繊維をアレルゲン低減化成分で後処理することにより、アレルゲン低減化機能を簡便に付与し、これを用いてマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートを得ることが可能となる。尚、下記するアレルゲン低減化成分が化学的に結合及び/又は繊維に後固着させる方法は、一種類でなく複数行ってもよい。 【0037】上記グラフト化反応としては、特に限定されず、例えば、以下の方法が挙げられる。 1)グラフト重合法;繊維となる幹ポリマーに重合開始点をつくり、アレルゲン低減化成分である枝ポリマーを形成するモノマーを重合させる方法。 2)カップリング法(高分子反応);先に準備したアレルゲン低減化成分である枝ポリマーを高分子反応によって幹ポリマーに結合させる方法。 【0038】上記グラフト重合法としては、特に限定されず、例えば、以下の方法が挙げられる。 (1)繊維への連鎖移動反応を利用し、ラジカルを生成し重合する方法。 (2)第2セリウム塩や硫酸銀塩等をアルコール、チオール、アミンのような還元性物質を作用させて酸化還元系(レドックス系)を形成し、繊維にフリーラジカルを生成して重合を行う方法。 (3)γ線や加速電子線を用い、繊維とモノマーを共存させて照射を行う方法、または繊維だけに照射し、後にモノマーを加えて重合を行う方法。 (4)幹ポリマーを酸化しペルオキシ基を導入、或いは側差のアミノ基からジアゾ導入しこれを重合開始点として重合する方法。 (5)水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の側鎖の活性基によるエポキシ、ラクタム、極性ビニルモノマー等の重合開始反応を利用する方法。 【0039】具体的には、以下の方法が挙げられる。a)ビニルモノマー中でセルロースを磨砕することによってフリーラジカルを生成させグラフト重合を行う方法。b)ビニルモノマーと、繊維として連鎖移動を受けやすい基を持つセルロース誘導体(例えば、メルカプトエチルセルロースなど)を用いてグラフト重合を行う方法。c)オゾンや過酸化物を酸化し、ラジカルを生成させる方法でグラフト重合を行う方法。d)アリルエーテル、ビニルエーテルまたはメタクリル酸エステル等の二重結合を、セルロースの側鎖に導入してグラフト重合を行う方法。e)アンスラキノン-2,7-ジスルホン酸ナトリウムなどを光増感剤として用い紫外線を照射してグラフト重合を行う方法。f)カソードの周りに繊維を巻き、希硫酸中にモノマーを加え外部電圧を加えることにより電気化学的にグラフト重合を行う方法。中でも繊維へのグラフト重合であることを勘案すれば、好ましくは、g)メタクリル酸グリシジル(GMA)と過酸化ベンゾイルを塗った繊維をモノマー溶液中で加熱することによりグラフト重合する方法。h)過酸化ベンゾイル、ノニオン-アニオン型界面活性剤及びモノクロルベンゼンを水へ分散させた液にモノマーを加え、繊維として例えばポリエステル系繊維を浸漬して、加熱してグラフト重合を行う方法等が用いられる。 【0040】上記カップリング方法としては、特に限定されず、一般的な方法が使用できる。例えば、(1)C−Hに対する連鎖移動反応、酸化反応、置換反応(2)二重結合に対する付加反応、酸化反応(3)水酸基のエステル化、エーテル化、アセタール化、エステル基やアミド基に対する置換反応、付加反応、加水分解反応、ハロゲン基に対する置換反応、脱離反応(4)芳香環に対する置換反応(ハロゲン化、ニトロ化、スルホン化、クロルメチル化)等が挙げられる。 【0041】上記グラフト化反応に用いられるアレルゲン低減化成分は、上記アレルゲン低減化成分に反応性あるいは重合性を付加した単量体であれば特に限定されない。中でも、線状高分子の側鎖に上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物を形成しうるモノマーあるいはオリゴマーが好ましく用いられる。 【0042】本発明におけるアレルゲン低減化繊維は、溶剤及び/又はバインダーに、溶解又は分散したアレルゲン低減化成分を繊維に化学的に結合及び/又は繊維に後固着する方法によっても得られる。上記溶剤としては、アレルゲン低減化成分を溶解又は分散できるもの、或いはバインダーを溶解できるものであれば、特に限定されず、例えば、水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)、炭化水素類(トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロセン、シクロヘキサン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド等)等が挙げられる。 【0043】上記バインダーとしては、アレルゲン低減化成分を繊維表面に固着できるものであれば、特に限定されず、例えば、合成樹脂からなるバインダーとしては、1液型ウレタン樹脂、2液型ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。バインダーは、液体状態の場合はそのままの状態で使用しても、また上記溶剤を添加してもよい。固体状態の場合には上記溶剤に溶解又は分散した状態で使用してもよい。また、上記溶剤及びバインダーは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 【0044】上記アレルゲン低減化成分が溶剤及び/又はバインダーに溶解又は分散されている溶液(以下、低減化成分含有溶液と記す場合がある。)を繊維に対し化学的に結合及び/又は繊維に後固着させる方法としては、特に限定されず、繊維を低減化成分含有溶液に浸漬しても、低減化成分含有溶液を繊維に塗布・塗工しても、低減化成分含有溶液を繊維にスプレーにより塗布しても構わない。 【0045】本発明のマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートは不織布からなるものであってもよい。アレルゲン低減化成分は不織布の抄紙の際に添加されるのが有効であり、抄紙の方法としては、湿式法、乾式法、サーマルボンド法、スパンボンド法、メルトブローン法などが代表的である。 【0046】具体的には、以下のような方法で行われる。上記湿式法においては、パルプなどの原料とアレルゲン低減化成分を粉砕ビーターで粉砕し、混合ビーターで大量の水と繊維をバインダー樹脂、分散剤と共に攪拌する。抄紙機に流し込み、水分を取り除いた後、フェルトにのせて繊維をドライヤーで転移させて乾燥させる方法が挙げられる。上記乾式法においては、カード機で原料とアレルゲン低減化成分をオルゴールの針がついた銅版を回転させることにより少量ずつ引っかけてウエップ(綿状シート)を作成する。これに霧吹き、浸漬などによりバインダー、場合によってはアレルゲン低減化成分を塗布し、プレス、乾燥させる方法が挙げられる。上記サーマルボンド法においては、上記乾式方法において原料、アレルゲン低減化成分と一緒にバインダー等の低融点材料をオルゴールの針がついた銅版を回転させることにより少量ずつ引っかけてウエップ(綿状シート)を作成し、熱プレス工程で低融点材料を溶解させて繊維間を固定させる方法が挙げられる。上記スパンボンド法においては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の原料と高分子材料系のアレルゲン低減化成分とを溶融させて直接紡口より繊維として噴出させ、熱ロールでエンボス加工を施してシート化する方法が挙げられる。上記メルトブローン法において、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の原料とアレルゲン低減化成分とを溶融させ、紡糸ノズルの出口に高温・高圧の空気流を吹き出して、繊維を延伸及び開繊して、補集ネットコンベアー(ドラム)上に集積させシート化する方法が挙げられる。 【0047】本発明のマスクは、上述のアレルゲン低減化成分を含む繊維から構成され、アレルゲン低減化成分を含む繊維からなるシートが積層されているのが好ましい。また、アレルゲン低減化成分を含む繊維が取り外し可能な別体(請求項11記載のマスク用アレルゲン低減化シート)になっていてもよい。別体になっていると、後述するアレルゲン化機能を回復させやすくなるという利点がある。また、請求項11の発明であるマスク用アレルゲン低減化シートは、アレルゲン低減化成分を含む繊維で構成されていない通常のマスクに適用することにより、本発明のマスクと同様の効果を得ることができる。 【0048】本発明のマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートは、種々の方法によりアレルゲン低減化機能を回復することができる。アレルゲン低減化機能の回復とは、繊維に含まれたアレルゲン低減化成分が、度重なるアレルゲンとの接触によりその低減化機能を失った場合、再びアレルゲン低減化機能を発揮できるようにすることをいう。アレルゲンの不活性化は、使用する低減化成分の種類により、アレルゲンと低減化成分との反応により低減化成分が消費される場合と、低減化成分が触媒的に作用しアレルゲンを不活性化する場合があると考えられる。このため、低減化成分の機能回復(低減化成分を繊維表面に出す)させるためには、繊維内部に存在する低減化成分を表面にブリードアウトさせる、或いは、低減化繊維の表面に堆積した不活性化アレルゲンを除去する方法等が挙げられる。 【0049】このような方法としては、例えば、マスク及びマスク用アレルゲン低減化シートを液体で洗浄する方法、加熱する方法等が挙げられる。上記洗浄に使用されうる液体としては、マスク及びマスク用アレルゲン低減化シートに損傷を与えるものでなければ、特に限定されず、例えば水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)、炭化水素類(トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロセン、シクロヘキサン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド等)等が挙げられる。中でも簡便に、また家庭でも手軽に処理できると言う点から、水、アルコールが好ましく用いられる。 【0050】上記加熱する温度としては、マスク及びマスク用アレルゲン低減化シート自体に損傷を与えるものでなければ、特に限定されず、また、上記加熱方法としては、いかなる方法も使用でき、例えば、マスク及びマスク用アレルゲン低減化シート自体を加熱する方法、上記溶剤を加熱し洗浄する方法、太陽光で加熱する方法等が挙げられる。 【0051】さらに、本発明では、低減化成分がアレルゲンに対して円滑に作用し低減化効果を高めるために、繊維に親水性成分を含有していることが好ましい。上記方法としては、低減化成分として線状高分子の側鎖に上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物を形成しうるモノマーあるいはオリゴマー等の重合性成分を用いる場合には、例えば、重合する際に親水性モノマーを共重合する方法等を用いる方法が挙げられる。このような親水性モノマーは、特に限定されず、例えば、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等が挙げられる。また、アレルゲン低減化成分と繊維原料とを紡糸する場合には、紡糸する際に親水性物質を添加して使用する方法が挙げられる。このような親水性物質としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。また、繊維に吸湿性・吸水性の高い繊維を使用する方法等も挙げられる。 【0052】本発明で用いられるアレルゲン低減化繊維には、アレルゲン低減化効果の有効性を阻害しない範囲において、湿潤剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の製剤用補助剤が配合されていてもよく、また、殺ダニ剤、殺菌剤、防黴剤、消臭剤等が含有されていてもよい。L−メントール等を少量添加することにより、爽快感が向上すると友に多少の収斂作用も付加されるため、花粉症の各所症状の軽減に有効である。 【0053】本発明のマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートが対象とするアレルゲンとしては、花粉等の植物性アレルゲン、動物性アレルゲンが挙げられる。本発明で用いられるアレルゲン低減化成分は、これらのアレルゲンの特異抗体との反応を抑えることにより、マスク及びマスク用アレルゲン低減化シートに接触したアレルゲンを低減化する。特に効果のある植物性アレルゲンとしては、花粉に由来するアレルゲンのいずれの種類でも対象となり得るが、スギ、ヒノキ、イネ等の花粉アレルゲンに特に効果がある。また、特に効果のある動物性アレルゲンとしては、ダニ類のアレルゲンのいずれの種類でも対象となり得るが、室内塵中、特に寝具類に多く、アレルギー疾患の原因となるチリダニ科、ヒョウヒダニ類に特に効果がある。 【0054】本発明のマスク用アレルゲン低減化シートの使用方法としては、市販の一般的なマスクに挿入して使用することができる。呼気に含まれる水分により低減化効果が向上する成分もあるため、できるだけ口に近い内層に挿入されることが好ましい。 【0055】また、本発明のマスク用アレルゲン低減化シートは、花粉の捕捉率を上げるため、特に繊維の繊度を小さいものとし、100〜500メッシュとすることが好ましい。しかしメッシュがあまり細かくなりすぎると吸気抵抗が大きくなり、呼吸に負担がかかる。 【0056】 【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。 【0057】(実施例1)アレルゲン低減化成分として4-ビニルフェノール(ランカスター社製:純度10%プロピレングリコール溶液)100重量部、重合開始剤として過酸化ベンゾイル(純度75%)1重量部、溶媒として精製水1000重量部、アニオン性界面活性剤(花王社製「エマール2Fニードル」有効成分または固形分90%)1重量部、クロロベンゼン(純度99.5%)10重量部とからなる繊維処理溶液を調整し、この繊維処理溶液中にPET(ポリエチレンテレフタレート)製の布20重量部を浸漬し、100℃で60分間加熱してグラフト重合を行った。その後、100℃精製水中にてこのPET製の布を30分間抽出し、更に0.5%炭酸ナトリウム水溶液で、50℃で30分中和処理し、水洗、乾燥してアレルゲン低減化繊維を得た。この繊維を70×90mmのサイズにカットして、マスク用アレルゲン低減化シートとした。 【0058】(実施例2)アレルゲン低減化成分としてポリチロシン(INCバイオケミカルズ社製:Mw=18000〜36000)2重量部、バインダーとしてアクリル酸エチルとメタクリル酸メチル共重合体(RohmPharma社製「オイドラギットNE30D」:固形分30%) 2重量部、溶媒として精製水100重量部、ノニオン系界面活性剤(花王社製「エマルゲン911」)0.3重量部からなる繊維処理溶液を調製した。得られた繊維処理溶液を、ポリエステル不織布(目付量100g/m2)に20μl/cm2となるように均一にスプレーし、室温で8時間放置して乾燥させ、アレルゲン低減化繊維を得た。この繊維を70×90mmのサイズにカットし、マスク用アレルゲン低減化シートとした。 【0059】(実施例3)アレルゲン低減化成分として硫酸アルミニウムカリウム(和光純薬製試薬:一級規格)10重量部、溶媒としてエチルアルコール45重量部、精製水45重量部からなる繊維処理液を調製した。得られた繊維処理溶液をポリエステル不織布(目付量100g/m2)に10μl/cm2となるように均一にスプレーし、室温で8時間放置して乾燥させ、アレルゲン低減化繊維を得た。この繊維を70×90mmになるようにカットし、マスク用アレルゲン低減化シートとした。 【0060】(実施例4)不織布原料としてポリプロピレンフレークス400kg、アレルゲン低減化成分としてポリビニルフェノール100kgをアセトン1500kgに溶解してドーブを作成した。化繊ノズル製作所の「3600mm PP MELT BLOWN SYSTEM」を用いて、メルトブローン法により不織布を作成した。この不織布を70×90mmの大きさにカットし、マスク用アレルゲン低減化シートとした。 【0061】(比較例1)実施例1で使用したPET製の布を、繊維処理溶液で処理しなかったこと以外は実施例1と同様にしてマスク用アレルゲン低減化シートを得た。 【0062】(比較例2)実施例2で使用したポリエステル不織布を、繊維処理溶液で処理しなかったこと以外は実施例2と同様にしてマスク用アレルゲン低減化シートを得た。 【0063】・アレルゲン低減化マスクの評価得られたマスク用アレルゲン低減化シートを挿入した市販のマスク(ヤガミヘルスケアーコーポレーション社製「抗菌花粉マスク」)を、花粉症と自覚しているパネラー10名に10日間使用してもらい、シートを挿入していないマスクと比較して花粉症の症状が軽減したか否かを判定してもらった。結果を表1に示す。 【0064】 【表1】
【0065】 【発明の効果】本発明のマスク及びマスク用アレルゲン低減化シートは、アレルゲン低減化繊維からなるので、通常使用されているマスクに比べて良好なアレルゲン低減化効果を発揮することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号
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| 【出願日】 |
平成13年10月31日(2001.10.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−79756(P2003−79756A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−334562(P2001−334562) |
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