| 【発明の名称】 |
医療用加速器及び医療用加速器の騒音低減方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 雄一 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内
【氏名】石 禎浩 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】医療用加速器の騒音を低減する。
【解決手段】医療用加速器20において、誘導鉄心5の発生する騒音を集音器10で収集し、収集する騒音が零に近づくよう誘導鉄心5の発生する騒音を打ち消す音をスピーカ14から発生させるフィードバック制御システム11、12、13、18を備えたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粒子加速時の騒音源が発する騒音と位相が180度異なる音を発生させる手段を備え、この手段からの音により上記騒音を打ち消すようにしたことを特徴とする医療用加速器。 【請求項2】 請求項1に記載の医療用加速器において、上記騒音源の発する騒音を集音器で収集し、収集する騒音が零に近づくよう上記騒音源の発する騒音を打ち消す音をスピーカから発生させるフィードバック制御システムを備えたことを特徴とする医療用加速器。 【請求項3】 請求項1に記載の医療用加速器において、上記騒音源のデータから上記騒音源の騒音を打ち消すような音の波形を演算装置で求め、上記演算装置で求めた音の波形を元に生成した音をスピーカで発生させて上記騒音を打ち消し、さらに、打ち消されずに残った騒音を集音器で収集して得た信号を上記演算装置で演算して上記残った騒音を打ち消すような音の波形を求め、この波形を元に生成した音を上記スピーカから発生させて上記残った騒音を打ち消すようにしたことを特徴とする医療用加速器。 【請求項4】 粒子加速時の騒音源のデータから、上記騒音源が発する騒音を打ち消す音の波形を演算により求め、この演算により求めた波形から上記騒音を打ち消す音を生成して上記騒音を低減し、さらに、打ち消されずに残った騒音を収集して上記残った騒音を打ち消す音の波形を演算により求め、この演算により求めた波形から上記残った騒音を打ち消す音を生成し、この作業を繰り返すことにより、上記騒音源が発する騒音を零に近づけるようにしたことを特徴とする医療用加速器の騒音低減方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、荷電粒子を患者に照射し、治療を行うための、医療用加速器及び医療用加速器の騒音低減方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3は例えば「E1ectron Model Fixed Field A1ternating Gradient Accelerator」 (THE REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS, VOLUME 28, NUMBER 6, JUNE, 1957, F.T.Cole et al)に示されたベータトロン加速を用いたFFAG電子加速器である。図において、20は電子加速器である。1および2は、電子加速器20において、それぞれ粒子ビームが円形軌道を安定に周回するための収束および発散機能を司る結合型偏向電磁石、3は粒子ビームが周回する真空ダクト、4は粒子ビームを入射エネルギーから所定のエネルギーまで加速するための加速ギャップ、5は加速ギャップ4に誘導起電力を発生させるための誘導鉄心(以下ベータトロンコアと呼ぶ)、6は粒子ビーム入射用セプタム電磁石、7は電子銃、8は粒子ビーム取出し用キッカー電磁石、9は粒子ビーム取出し用セプタム電磁石ある。図4は、ベータトロンコア5の励磁波形である。 【0003】次に動作を説明する。電子銃7からの粒子ビームは粒子ビーム入射用セプタム電磁石6により真空ダクト3に入射され、偏向電磁石1、2の磁場の中で、真空ダクト3内の周回軌道上を周回する。ベータトロンコア5が図4に示す三角波形のパルスで励磁されると、加速ギャップ4に誘導起電力が発生する。粒子ビームは、この誘導起電力により加速される。その際、粒子ビームは偏向電磁石1及び2により生成される磁場分布に従い、磁場硬度(磁束密度×偏向半径)に応じた軌道をとる。エネルギーが高くなるに従って徐々にその軌道が外側へ移動していき、粒子ビーム取出しキツカー電磁石8および粒子ビーム取出し用セプタム電磁石9により、真空ダクト3の周回軌道から取り出される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の医療用加速器は以上のように構成され、ベータトロンコア5を繰り返しパルス励磁することにより粒子ビームを加速している。ところで、ベータトロンコア5のパルス励磁の際には、電磁力によりベータトロンコア5から大きな騒音が発生し、これが騒音源となる。このため、FFAG電子加速器を医療の治療場所に近いところに配置すると、騒音により患者に大きな不安感を与えることになる。この不安感により患者の脈や呼吸が乱れることも考えられる。あるいは騒音により患者が驚いて反射的に動いてしまうことも考えられる。このように患者の脈や呼吸が乱れたり、あるいは固定していた患者の位置が動いてしまうとFFAG電子加速器から照射される粒子ビームが目標とする標的からずれる可能性が考えられる。従って、通常はFFAG電子加速器は治療場所から遠ざけた配置にせねばならず、その結果、医療装置設備が大きくなり、高価なものになるという問題点があった。 【0005】この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、騒音を低減することができる医療用加速器及び医療用加速器の騒音低減方法を実現しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明に係る医療用加速器は、粒子加速時の騒音源が発する騒音と位相が180度異なる音を発生させる手段を備え、この手段からの音により上記騒音を打ち消すようにしたものである。 【0007】また、上記の医療用加速器において、上記騒音源の発する騒音を集音器で収集し、収集する騒音が零に近づくよう上記騒音源の発する騒音を打ち消す音をスピーカから発生させるフィードバック制御システムを備えたものである。 【0008】また、上記の医療用加速器において、上記騒音源のデータから上記騒音源の騒音を打ち消すような音の波形を演算装置で求め、上記演算装置で求めた音の波形を元に生成した音をスピーカで発生させて上記騒音を打ち消し、さらに、打ち消されずに残った騒音を集音器で収集して得た信号を上記演算装置で演算して上記残った騒音を打ち消すような音の波形を求め、この波形を元に生成した音を上記スピーカから発生させて上記残った騒音を打ち消すようにしたものである。 【0009】また、この発明に係る医療用加速器の騒音低減方法は、粒子加速時の騒音源が発する騒音を打ち消す音の波形を演算により求め、この演算により求めた波形から上記騒音を打ち消す音を生成して上記騒音を低減し、さらに、打ち消されずに残った騒音を収集して上記残った騒音を打ち消す音の波形を演算により求め、この演算により求めた波形から上記残った騒音を打ち消す音を生成し、この作業を繰り返すことにより、上記騒音源が発する騒音を零に近づけるようにしたものである。 【0010】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態では、FFAG電子加速器を例とし、また、その騒音源をベータトロンコアとして説明する。図1において、20及び1乃至5は図3と同様のものであるので説明を省略する。10はベータトロンコア5から発生する騒音を収集し、音を電気信号に変換する集音器、11は集音器10からの電気信号を増幅するアンプ、12は、アンプ11から出力される電気信号の正負を反転する反転回路、13はPID(比例、積分、微分)制御を行うPID制御回路、18は、PID制御回路13からの信号をインピーダンス変換してスピーカ14を駆動するためのドライブアンブ、14は電気信号を音声に変換するスビーカである。スピーカ14はベータトロンコア5の近傍に設置されている。 【0011】次に動作を説明する。電子加速器20を始動すると、ベータトロンコア5は、図4に示されるパルス波形で励磁されるため、波形の繰り返し周波数を主要な周波数成分とする繰り返しパターンの騒音が発生する。この騒音を集音器10で集音し電気信号に変える。この電気信号は、アンプ11で増幅され、反転回路12で電圧の正負が反転され、PID制御回路13で、PID制御され、ドライブアンプ18を通してスピーカ14で音に変換される。スビーカ14から発する音は、ベータトロンコア5が発する騒音と位相が180度ずらされているため、ベータトロンコア5の騒音を打ち消すことになる。このようにして、集音器10で集音される騒音が零になる状態で、集音器10からスピーカ14までのフィードバックループは平衡状態となり、電子加速器20が発する騒音は低減される。 【0012】実施の形態2.次に、この発明の実施の形態2を図2に基づいて説明する。図2において、図1に相当する部分には同一符号を付して説明を省略する。15は、アンプ11の出力をデジタル信号に変換するA/D変換回路、16はA/D変換回路15が変換したデジタルデータを高速で演算処理するデジタル・シグナル・プロセッサ(以下DSPと呼ぶ)、17はDSP16が出力する演算結果(デジタルデータ)をアナログ信号に変換するD/A変換回路である。 【0013】次に動作を説明する。電子加速器20を始動すると、ベータトロンコア5は、図4に示すパルス波形で励磁されるため、波形の繰り返し周波数を主要な周波数成分とする繰り返しパターンの騒音が発生する。DSP16は、予め与えられているベータトロンコア5の励磁波形のデータから、上記騒音を打ち消す音の波形を演算により求め、これをD/A変換回路17でアナログ信号に変え、ドライブアンプ18に加え、スピーカ14から上記騒音を打ち消す音を発生させる。 【0014】これにより大部分の騒音は打ち消される。しかし打ち消されずに残る若干の騒音が発生する。この残った騒音は集音器10で集音され、アンプ11で増幅され、A/D変換回路15でデジタル信号に変換された後、DSP16に供給される。DSP16では上記信号から、残った騒音を打ち消す音の波形を演算により求め、これをD/A変換回路17でアナログ信号に変え、ドライブアンプ18に加え、スピーカ14から上記残った騒音を打ち消す音を発生させる。この作業を数回繰り返すことにより、ベータトロンコア5の騒音を限りなく零に近づけることができる。 【0015】このように、実施の形態2では、フィードフォワード制御を利用してベータトロンコア5の発する騒音を打ち消す音を生成し、これにより騒音の低減を図るようにしているので、実施の形態1に比べて、フィードバックループの伝達時間をなくすことができるため、より高い周波数成分の騒音も打ち消すことができる。 【0016】ここでは、医療用加速器としてFFAG電子加速器を用いて説明したが、他の荷電粒子シンクロトロンに適用しても同様の効果を得ることができる。 【0017】 【発明の効果】この発明の請求項1の発明によれば、医療用加速器が発生する騒音を低減できるため、装置を医療の治療場所近くに設置しても患者に不安を与えることがなく、設備が簡単になる。 【0018】この発明の請求項2の発明によれば、騒音の低減にフィードバックシステムを利用しているので、簡単な構成で騒音低減効果をあげることができる。 【0019】この発明の請求項3の発明によれば、フィードバックループの伝達時間をなくすことができるので、より高い周波数成分の騒音に対しても効果的に打ち消すことができる。 【0020】この発明の請求項4の発明によれば、騒音源のデータからその騒音を打ち消す音を演算により求めて騒音を打ち消し、残った騒音からさらに打ち消し音を演算により求めて残った騒音を打ち消し、この作業を繰り返すようにしているので、より高い周波数成分の騒音も効果的に低減できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号
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| 【出願日】 |
平成13年11月27日(2001.11.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073759 【弁理士】 【氏名又は名称】大岩 増雄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−159342(P2003−159342A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月3日(2003.6.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−361457(P2001−361457) |
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