| 【発明の名称】 |
放射線治療装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】桑原 孝之 【住所又は居所】栃木県大田原市下石上字東山1385番の1 株式会社東芝那須工場内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、駆動させた多分割絞りをメカストッパーに当て、そのメカストッパーにより停止した多分割絞りの位置情報を計数し、原点位置を決定することにより短時間で正確な原点位置の設定を可能とした放射線治療装置を提供する。
【解決手段】放射線治療装置1は、照射野を形成して放射線照射の量を調整する多分割絞り2と、多分割絞り2の動作を制御する多分割絞り制御器3と、原点位置にずれが生じた場合に指示入力を行う放射線治療装置コンソール4と、原点位置の検出を行う絞り検出器5と、指示入力に合わせて多分割絞り2をメカストッパーに当て、そのメカストッパーにより停止した多分割絞り2の位置情報を計数して原点位置を新たに決定し、その新たに決定された原点位置をデータとして記憶する記憶装置6とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射線照射範囲を任意に可変とするための多分割絞り機構を有する放射線治療装置において、前記多分割絞りの原点位置を設定するために予め決められた位置まで前記多分割絞りを駆動させる初期位置決定手段と、前記駆動する多分割絞りの位置規制を行うための位置規制手段と、前記初期位置決定手段により決定された位置から前記位置規制手段により規制された位置までの位置情報を計数する位置情報計数手段と、前記位置情報計数手段により求められた値から原点位置を決定する原点位置決定手段と、前記原点位置決定手段により決定された原点位置にずれが生じた場合に、そのずれに対応した前記多分割絞りの原点位置を調整する原点位置調整手段と、を備えることを特徴とする放射線治療装置。 【請求項2】 前記原点位置決定手段は、装置の立ち上げ時に原点位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の放射線治療装置。 【請求項3】 前記原点位置決定手段は、予め設定された装置の立ち上げ回数に相当する立ち上げが行われた場合に原点位置を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線治療装置。 【請求項4】 前記原点位置調整手段は、前記位置情報計数手段により求められた値から原点位置のずれを調整することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放射線治療装置。 【請求項5】 放射線照射範囲を任意に可変とするための多分割絞りと、予め決められた位置まで前記多分割絞りを駆動させる駆動手段とを備え、前記多分割絞りの自動設定が可能な放射線治療装置であって、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置規制を行うための位置規制手段と、前記位置規制手段により規制された範囲の位置情報を計数することで前記多分割絞りの位置を検出する第1の検出手段と、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置情報を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段による検出値と前記第2の検出手段による検出値との差が所定の値を越えた場合に、前記第1の検出手段の検出値に基づく前記多分割絞りの主駆動制御を、前記第2の検出手段の検出値に基づく多分割絞りの副駆動制御に切り替えるように制御する制御手段と、を含むことを特徴とする放射線治療装置。 【請求項6】 前記自動設定の動作を開始させるための操作手段を有し、前記制御手段は、前記第1の検出手段による検出値と前記第2の検出手段による検出値との差が所定の値を越えて前記多分割絞りの駆動が停止した場合に、前記操作手段による操作入力に基づいて、前記第1の検出手段による検出値に基づく前記多分割絞りの主駆動制御を、前記第2の検出手段による検出値に基づく多分割絞りの副駆動制御に切り替えて、停止した前記主駆動制御から前記副駆動制御に切り替えて前記多分割絞りの駆動を再開するように制御することを特徴とする請求項6に記載の放射線治療装置。 【請求項7】 前記第1の検出手段による検出値と前記第2の検出手段による検出値との差が所定の値を越えた場合に前記多分割絞りの駆動が停止した旨の通知を表示可能な表示手段を有し、前記制御手段は、前記操作手段による操作指示に基づいて、前記多分割絞りの駆動の停止を解除して、前記停止した旨の通知を解除することを特徴とする請求項6に記載の放射線治療装置。 【請求項8】 前記制御手段は、前記副駆動制御に切り替えられている場合に、前記操作手段の操作入力に基づき、前記副駆動制御から前記主駆動制御に戻る切り替えを行うように制御することを特徴とする請求項6に記載の放射線治療装置。 【請求項9】 前記制御手段は、前記第1の検出手段による検出値に基づいて算出された第1の開度と、前記第2の検出手段による検出値に基づいて算出された第2の開度との差が所定の値を越えた場合に、前記第2の開度に基づいて前記駆動手段を駆動制御することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の放射線治療装置。 【請求項10】 放射線照射範囲を任意に可変とするための多分割絞りと、予め決められた位置まで前記多分割絞りを駆動させる駆動手段とを備え、前記多分割絞りの自動設定が可能な放射線治療装置であって、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置規制を行うための位置規制手段と、前記位置規制手段により規制された範囲の位置情報を計数することで前記多分割絞りの位置を検出する第1の検出手段と、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置情報を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段による前記多分割絞りの位置の検出中に、前記第2の検出手段による検出位置が、前記規制された範囲内において予め規定された取り得る範囲を越えた場合に、前記多分割絞りの駆動を停止するように制御する制御手段と、を含むことを特徴とする放射線治療装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多分割絞り機構を備えた放射線治療装置に関し、特に、絞り位置検出誤差が生じた際のシステムダウンの回避と位置検出機能に故障が生じた際の絞り動作暴走を回避するために使用される放射線治療装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、放射線を癌や腫瘍等の病変部に照射することにより、当該病変部の組織細胞を破壊したり、分裂阻止等することで、その治療を目指す放射線治療が広く行われるようになっている。 【0003】ところで、このような放射線治療を実施するにあたっては、前記病変部に対する十分な治療効果を得るために相応の放射線照射(ないし線量)が必要であるとともに、病変部以外の他の正常組織に関しては、障害が発生しないように、その許容放射線量を超えてはならない、という条件を満足しなければならない。 【0004】したがって、放射線治療を実際に開始する前には、上記条件を満足するため、病変部の位置、大きさ、形状、数等を正確に把握し(病変部の特定)、それに基づき放射線を照射する領域(照射野)、照射角度等を決定して、当該病変部に放射線が集中するよい、かつ、当該病変部周囲の線量分布が適当なものとなるような放射線治療を行う必要がある。 【0005】従来から、このような放射線治療装置においては、前記照射野などの調整を行うものとしてキャリブレーション機能を備えた多分割絞り装置を採用している。 【0006】ここで、前記多分割絞り(多分割原体絞り)装置においては、その絞り原点位置を認識させるために、サービスマンがマニュアル操作で光照射野上の所定の位置まで各絞りを動かし、その検出位置を原点と認識させる方法が取られている。 【0007】以下、多分割絞り装置について図10を用いて簡単に説明する。図10は、従来の放射線治療装置の側面方向からの多分割絞り機構の構成を示す概略構成図である。 【0008】多分割絞り機構200は、放射線を照射する放射線源222と、一対の絞り体223、224と、絞り体223、224を停止させるメカストッパー225、226と、各絞り体223、224を駆動させる駆動モータ227、228とを備える。 【0009】放射線源222から照射される放射線を絞り込むために一対の絞り体223、224を駆動モータ227、228により駆動させる。具体的には、駆動モータ227を駆動させて絞り体223の接近や離反を行い、同様に駆動モータ228を駆動させて絞り体224の接近や離反を行う。 【0010】また、絞り体223、224の離反のしすぎを防止するためのメカストッパー225、226が設置されている。具体的に、絞り体223の離反を行う場合に、離反のしすぎを防止するために絞り体223の離反方向の端部にメカストッパー226が設置されている。 【0011】図11は、従来の放射線治療装置の放射線源方向からの多分割絞り機構の構成を示す概略構成図である。 【0012】多分割絞り機構200は、不規則な形状の照射野(不整形照射野)を形成させるための一対の絞り体223、224と、一対の絞り体223、224を構成する複数の絞りブロック224aとを備え、一対の絞り体223、224とを放射線源を中心にX軸方向に互いに接近させたり、離反させたりすることにより放射線照射野を調整する。 【0013】なお、絞りブロック224aのブロック単位の幅は、分割数が多いほど狭くなり、それだけ複雑な照射野を形成することができる。そのため、隣接する絞りブロック同士の隙間は出来るだけ小さく具体的には、0.05〜0.1mm程度に設定されている。 【0014】図12は、従来の放射線治療装置の多分割絞り機構により形成される照射野を示す概略図である。 【0015】一方の絞り体により形成される絞り開口334と、その絞り開口334によって得られる照射野335を示している。一対の絞り体を構成する複数の絞りブロックの端部が階段状に顕われるため、照射野335は厳密には、図10に示すような円弧状の端部を有せず、階段状となるが、絞りブロックをより多くに分割して設けることにより、滑らかな端部形状を得ることができる。 【0016】図9〜図11で説明したように多分割絞り機構は、絞りブロックの位置設定の仕方により放射線照射野が変わるために、絞りブロックの原点位置の調整には、修理を専門に手がけているサービスマンが必要とされていた。 【0017】また、前記多分割絞り機構の絞り体を構成する個々の絞りブロックの位置検出は、通常エンコーダにより行われ、ポテンショメータはバックアップ機能として働く。そして、前記エンコーダによる検出値と、前記ポテンショメータによる検出値とに検出差(開度ずれ)が生じた場合には、インターロックを発生させ、放射線治療装置を停止させていた。 【0018】さらに、多分割絞り機構の開度づれなどがあった場合には、サービスマンがキャリブレーション処理などの調整作業を実施する。この際、特定の点を指定して、各点に絞りブロックを移動させ、各点でのエンコーダのカウント値などのデータからその点の開度を算出し、この開度に基づいて絞りブロックが規定されている位置まで駆動される。前記キャリブレーション処理には、各絞りブロックを一斉に開閉させるようにして移動させ、各点に、より速く到達させるようにしている。 【0019】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の技術においては以下のような解決すべき課題が存在している。 【0020】多分割絞り装置の原点データが何らかの原因で消失したり、ずれが生じた場合には、原点位置の設定を行うためのサービスマンを呼ばなければならなかった。 【0021】また、原点位置の設定を行う際には、サービスマンがお得意先を訪問して全ての枚数の多分割絞りの原点位置の設定を行わなければならないため復旧させるには多くの時間を要するなどの問題が生じていた。 【0022】更には、光照射野などの治具を使用して目視で各絞りを所定の位置に合わせるので、サービスマン間での原点位置の設定に誤差が生じる可能性があった。 【0023】また、放射線治療においては、通常、インターロックが動作すると照射に移行できず、システムダウンとなり、照射が停止するため、患者に対する治療行為を途中で止めてしまうこととなり、治療計画に支障をきたしてしまっていた。 【0024】さらに、従来の多分割絞り機構においては、エンコーダによるデータが完全に消失している場合などには、絞りブロック自身の位置が、認識している位置とかけ離れた位置にいる場合も想定されるために、キャリブレーション処理などの自動設定を実施すると、前記絞りブロックが規定されている設定値に行き着く前に、例えばメカストッパーなどに衝突し、メカ系統に大きなダメージを与え、絞りブロックが動作不良となったり、絞りが開いたままの状態となり、絞りガタが発生し、精度が悪くなるという問題があった。 【0025】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、駆動させた多分割絞りをメカストッパーに当て、そのメカストッパーにより停止した多分割絞りの位置情報を計数し、原点位置を決定することにより短時間で正確な原点位置の設定を可能とした放射線治療装置を提供することにある。 【0026】また、本発明の第2の目的は、検出差のインターロックが発生した場合であっても、システムダウンが生じることなく、患者に対する治療行為を途中で止めることを防止できる放射線治療装置を提供することにある。 【0027】さらに、本発明の第3の目的は、キャリブレーション時の自動設定において、多分割絞りが自身の位置を認識していない場合であっても、メカ的なダメージを防止可能な放射線治療装置を提供することにある。 【0028】 【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、放射線照射範囲を任意に可変とするための多分割絞り機構を有する放射線治療装置において、前記多分割絞りの原点位置を設定するために予め決められた位置まで前記多分割絞りを駆動させる初期位置決定手段と、前記駆動する多分割絞りの位置規制を行うための位置規制手段と、前記初期位置決定手段により決定された位置から前記位置規制手段により規制された位置までの位置情報を計数する位置情報計数手段と、前記位置情報計数手段により求められた値から原点位置を決定する原点位置決定手段と、前記原点位置決定手段により決定された原点位置にずれが生じた場合に、そのずれに対応した前記多分割絞りの原点位置を調整する原点位置調整手段と、を備えることを特徴としている。 【0029】また、上記第2の目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、放射線照射範囲を任意に可変とするための多分割絞りと、予め決められた位置まで前記多分割絞りを駆動させる駆動手段とを備え、前記多分割絞りの自動設定が可能な放射線治療装置であって、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置規制を行うための位置規制手段と、前記位置規制手段により規制された範囲の位置情報を計数することで前記多分割絞りの位置を検出する第1の検出手段と、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置情報を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段による検出値と前記第2の検出手段による検出値との差が所定の値を越えた場合に、前記第1の検出手段の検出値に基づく前記多分割絞りの主駆動制御を、前記第2の検出手段の検出値に基づく多分割絞りの副駆動制御に切り替えるように制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。 【0030】また、上記第3の目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、放射線照射範囲を任意に可変とするための多分割絞りと、予め決められた位置まで前記多分割絞りを駆動させる駆動手段とを備え、前記多分割絞りの自動設定が可能な放射線治療装置であって、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置規制を行うための位置規制手段と、前記位置規制手段により規制された範囲の位置情報を計数することで前記多分割絞りの位置を検出する第1の検出手段と、前記駆動手段により駆動する前記多分割絞りの位置情報を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段による前記多分割絞りの位置の検出中に、前記第2の検出手段による検出位置が、前記規制された範囲内において予め規定された取り得る範囲を越えた場合に、前記多分割絞りの駆動を停止するように制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。 【0032】[第1の実施の形態] (全体構成)先ず、多分割絞り装置の説明に先立って、放射線治療装置の全体の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態の放射線治療装置の全体構成を示す概略斜視図である。 【0033】放射線治療装置1は、図1に示すように、回転架台2、これを支持する回転支持台3および被検体Pが載置される治療台4から構成されている。 【0034】回転架台2は、その断面が略L字状の立体であり、該L字の一端にはX線を被検体Pに対して照射する照射ヘッド2aを備えている。照射ヘッド2aには、図示しない電子加速器や電子線ターゲット等が内設されている。被検体Pに照射されるX線は、前記電子加速器により加速された電子が、前記対電子線ターゲットに照射されることで発生する(X線発生に関与する前記電子加速器及び対電子線ターゲット等からなる構成を、単に「線源」という)。 【0035】照射ヘッド2aには、また、前記発生したX線を被検体Pに対してどのような領域で照射するかを規定する、多分割原体絞りの構造を有した後述する多分割絞り装置が備えられている。これは、二組のリーフ群を構成する複数の板状リーフが、各別に、かつ、その長さ方向であって対向する方向又は離反する方向に移動することにより、X線の照射領域を任意に規定することが可能である。 【0036】また、照射ヘッド2aは、図に示す矢印E2に示すように回動可能部位を有し、前記多分割絞り装置の絞りの角度(ないし回転)位置の調整を通して、X線照射領域の調整を行うことも可能となっている。 【0037】回転支持台3は、上述したように略L字状となる立体である回転架台2における、前記照射ヘッド2aを備えない方の腕を、回動軸2bによって回転可能に支持する。なお、この回動軸の軸線と前記照射ヘッドの回転軸の軸線と交差する点が、この放射線治療装置1における「アイソセンタ」に該当する。 【0038】治療台4は、体軸方向(A2)に移動可能とされた天板4aが備えられているとともに、C2に示すように、上下動が可能である。また、この治療台4は、D2に示すように、天板4aの中心を軸とした回転動等が可能となっている。 【0039】このような構成の放射線治療装置1においては、照射条件の情報を参照して、回転架台2の回転角度、あるいは治療台4の位置の決定、また、照射ヘッド2aにおける多分割絞り装置の絞り調整による照射領域に関する設定等を行い、放射線治療を実際に行うことになる。 【0040】(制御系について)次に、放射線治療装置1の制御系について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態による放射線治療装置の概略構成を説明した機能ブロック図である。 【0041】放射線治療装置1の制御系は、図2に示すように、多分割絞り機構10と、多分割絞り制御器20と、放射線治療装置コンソール24と、絞り位置検出器25と、記憶装置26とを備えた構成である。 【0042】多分割絞り機構10は、放射線の照射量を絞りにより調整し、多分割絞り制御器20は、駆動する多分割絞り機構10の原点位置にずれが生じた場合にその原点位置を制御し、放射線治療コンソール(操作部)24は、新たな原点位置を決定するための指示入力を行い、絞り位置検出器25は、多分割絞り機構10の原点位置を検出し、記憶装置26は、決定された原点位置をデータとして記憶する。 【0043】上述のような構成を有する放射線治療装置1は、放射線治療を目的とした治療装置であり、多分割絞り機構10により照射野を形成し、その照射野により放射線の照射量を調整し、癌や腫瘍などの診療部位を消滅させる。 【0044】(多分割絞り機構)ここで、照射野を形成する多分割絞り機構10のさらに詳細な構成について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態による多分割絞り機構10の構成を説明した側面図である。 【0045】多分割絞り機構10は、図3に示すように、放射線を照射する放射線源11と、照射される放射線を絞るために一対の絞り体12a、12bと、一対の絞り体12a、12bの位置規制を行う一対のメカストッパー14a、14b(位置規制手段)と、各絞り体12a、12bを各々駆動させる駆動モータ16a、16bとを備えた構成である。 【0046】放射線源11は、放射線治療のための放射線の照射を行うもので、その照射された放射線により癌又は腫瘍などの診療部位を消滅させ治療することができる。 【0047】絞り体12a、12bは、照射された放射線を癌又は腫瘍などの診療部位に照射する際に用いられる絞りのことである。メカストッパー14a、14bは、絞り体12a、12bの駆動を規制するために設置された緩衝用ストッパのことであり、絞り体12aと絞り体12bとの間で離反操作が行われた場合に、離反を規制するためにそれぞれの離反方向の端部に設置されている。 【0048】また、駆動モータ16a、16bは、絞り体12a、12bをY方向に駆動させるために用いられ、具体的には駆動モータ16aの動力により絞り体12aが駆動し、駆動モータ16bの動力により絞り体12bが駆動する。なお、駆動モータ16a、16bの駆動制御は、前記多分割絞り制御器20の駆動制御部により制御される。 【0049】次に、多分割絞り機構10の絞り体12a、12bの動作について図4をさらに用いて詳細に説明する。図4は、本発明の実施の形態による多分割絞り機構10を図3の放射線源11側から見た場合の絞り体12a、12bの構成を説明した図である。 【0050】同図に示すように、不規則な形状の照射野(不整形照射野)を形成させるための一対の絞り体12a、12bと、一対の絞り体12a、12bの位置規制を行うメカストッパー14a、14bとを備えた構成である。 【0051】一対の絞り体12a、12bを放射線源11の中心Sを基準にX軸方向に互いに接地させたり、離反させたりすることにより放射線が診療部位に照射される量を調整する。 【0052】また、絞り体12a、12bを構成する複数の絞りブロック13のブロック単位の幅は、分割数が多いほど狭くなり、それだけ複雑な照射野を形成することができる。そのため、隣接する絞りブロック13同士の隙間はできる限り小さく設定し、具体的には、0.05〜0.1mm程度に設定されている。これにより、各絞りブロック13の単位の幅と分割数に応じた照射野の形成が可能になる。 【0053】また、メカストッパー14a、14bは、一対の絞り体12a、12bの離反動作に対する位置規制を行うために設置されたものでそれぞれの離反方向の端部に設定されている。 【0054】多分割絞り制御器20(図2)は、駆動する多分割絞り機構10を制御する制御装置のことであり、具体的には図3で説明した絞り体12a、12bを駆動モータ16a、16bにより駆動する際の制御を行っている。 【0055】放射線治療装置コンソール24(図2)は、駆動する多分割絞り機構10の原点位置にずれが生じた場合に、新たな原点位置を決定するための指示入力を行うための入力装置のことである。 【0056】(各処理について)ここで、決定される新たな原点位置とは、図4で説明したメカストッパー14a、14bと絞り体12a、12bとを用いることにより決定されるもので、その処理については図5を用いて詳細に説明する。 【0057】(原点位置設定処理)図5は、図4で説明した多分割絞り機構10のメカストッパー14a、14bと絞り体12a、12bを当てることにより原点位置の設定を行う原点位置設定処理を説明した図であり、図5の(A)は、図4の多分割絞り機構10の初期設定の構成を説明した概略図である。 【0058】図5(A)に示すように、多分割絞り機構10の初期設定の構成(初期位置決定手段)は、多分割絞り12と、それを構成する複数の絞りブロック13と、メカストッパー14(14a又は14b)とからなる。 【0059】ここでいう、多分割絞り12は、図4で説明した絞り体12a、12bに相当するもので、不規則な形状の照射野を形成するための使用するものである。 【0060】絞りブロック13は、多分割絞り12を構成している板状のブロックのことであり、メカストッパー14は、多分割絞り12の離反動作に対する位置規制を行うものである。 【0061】多分割絞り12をメカストッパー14に当て、そのメカストッパー14に当たるまでの検出器のパルス数を計数することにより原点位置を新たに決定する。 【0062】ここでいう検出器(位置情報計数手段)とは、絞り位置検出器25に設置されている検出器(図示されていない)のことで、パルス数とは、多分割絞り12の位置を示した検出信号のことである。なお、検出器のパルス数は、請求項に記載されている位置情報に相当する。 【0063】検出器のパルス数を計数するためには基準となる位置を設定する必要があり、そのため、ここでは原点位置から+20.0cm(Yの値が0.5cm)の位置を基準点として設定した場合について説明する。 【0064】なお、それぞれのメカストッパーの位置は、オープン側メカストッパーは原点位置から+20.0cmの位置で、クローズ側メカストッパーは原点位置から―10.5cmの位置に設定されている。 【0065】また、メカストッパー14に当たるまでのパルス数を計数することが目的であるために、原点位置から―10.5cmの位置を基準点にしたものや、0.0cmの位置を基準点にしたものであっても構わない。 【0066】次に、多分割絞り12のオープン側メカストッパーあるいはクローズ側メカストッパーから―10.0cm位置までの検出データの保存し、この値をオフセット値とする。ここでいうオープン側メカストッパーとは、図4の一対の絞り体12a、12bであって絞り体12aが絞り体12bに対して接地する方向の端部に設置されたストッパのことである。 【0067】(原点位置決定処理)次に、原点位置決定処理について図5の(B)を用いて説明する。図5(B)は、図4の多分割絞り機構10の原点位置決定処理について説明する概略構成図である。 【0068】図5(B)に示すように、多分割絞り12を、メカストッパー14に当てることにより原点位置を決定するため、ここでは基準点として設定された+20.0cmの手前+19.5cmの位置(Yの値が1.0cm)まで多分割絞り14を移動させる。 【0069】なお、この時のメカストッパー14は、オープン側メカストッパーを使用する。そして、多分割絞り12を形成する絞りブロック13を順次にメカストッパー14に当て、その位置情報を、図2で説明した絞り位置検出器25により計数する。この時、多分割絞り12のスピードを低速に抑えることにより多分割絞り12を傷つけず、メカストッパー14のたわみを最小限に抑えることが可能になる。このような一連の処理の制御を、前記多分割絞り制御器20にて行うためのソフトウエア構成により本発明にいう「原点位置決定手段」を構成できる。 【0070】なお、ここでは、多分割絞り12を形成する絞りブロック13を一時的にメカストッパー14に当てる例について説明しているが、多分割絞り12の絞りブロック13を複数枚毎にメカストッパー14に当てるものであっても構わない。 【0071】この場合には、メカストッパー14のダメージを減少させるために各々離れた場所の絞りブロック13が選ばれるように設定する。 【0072】また、メカストッパー14には、オープン側よクローズ側の2種類が存在するがそのどちらのメカストッパーを使用するものであっても構わない。 【0073】更には、多分割絞り12が100ms変化しなければ絞り位置検出器25により多分割絞り12がメカストッパー14に当たった状態であると識別されるものとする。 【0074】(原点位置調整処理)原点位置決定処理により得られた原点位置にずれが生じていた場合のずれ調整について図5の(C)を用いて説明する。 【0075】図5の(C)は、図4の多分割絞り機構10の原点位置のずれ調整について説明する概略構成図である。 【0076】図5(C)に示すように、メカストッパー14に多分割絞り12が当たるまでの検出器のパルス数を計数して原点位置を決定するため、ほとんどの絞りブロック13の原点位置は一定に設定されるが、メカストッパー14のひずみ等により計数された検出器のパルス数にずれが生じた場合には、そのずれを修復することにより多分割絞り12の全ての絞りブロック13の原点位置の設定が完了する。 【0077】そして、原点位置決定処理を行う前の状態に多分割絞り12を戻す。具体的には、図5の(A)で保存していた多分割絞り12のオープン側メカストッパーあるいはクローズ側メカストッパーから―10.0cm位置までの検出データを取り出して、それぞれの位置データを認識させ、その後、多分割絞り12をメカストッパー14の位置から+19.5cmの位置(Yの値が1.0cm)に移行させる。 【0078】絞り位置検出器25は、多分割絞り機構10、多分割絞り制御器20及び放射線治療コンソール24により設定された原点位置を検出し、検出された結果に誤りが見つかった場合に、新たに原点位置を設定し直すために多分割絞り機構10及び多分割絞り制御器20に原点位置の再設定を行うための信号が送られ、その信号に応じて新たな原点位置の設定が行われる。 【0079】なお、多分割絞り機構10の原点位置の再設定は、図4で説明した絞り体12a、12bを形成する絞りブロック13の単位毎に行うことが可能である。このような一連の処理の制御を前記多分割絞り制御器20で行うソフトウエア構成により、本発明にいう「原点位置調整手段」を構成できる。 【0080】記憶装置6は、新たに設定された原点位置を原点位置データとして記憶する。 【0081】なお、ここでは、原点位置がずれてると認識された場合に放射線治療装置コンソール24から指示入力が送られる例について説明しているが、放射線治療装置1の立ち上げ時に指示入力が送られるものや、予め決められた期間が経過すると指示入力が送られるものであっても構わない。 【0082】例えば、放射線治療装置コンソール24に取り付けられたトリガー電源のスイッチをONすることにより、予め設定されえたプログラムが起動され、所定の日時が経過した場合に、新たに原点位置を設定し直すことができる。 【0083】また、放射線治療装置1を立ち上げる回数を計数して、その回数が予め設定された回数と一致したときに原点位置を決定することも可能である。 【0084】以上のように本実施の形態によれば、駆動させた多分割絞りをメカストッパーに当て、そのメカストッパーにより停止した多分割絞りの位置情報を計数し、原点位置を決定することにより短時間で正確な原点位置の設置を可能とした放射線治療装置を提供することができる。 【0085】[第2の実施の形態]次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図6に基づいて説明する。なお、以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図6は、本実施の形態の放射線治療装置の多分割絞り機構の概略構成を示す機能ブロック図である。 【0086】本実施の形態の放射線治療装置においては、インターロックが発生した場合に、エンコーダによる検出系統からポテンショメータによる検出系統に切り替える検出系統切り替え機能を有して、装置が停止しても多分割絞りの駆動を再開することのできる構成とした場合の例を開示している。 【0087】具体的には、放射線治療装置100は、図6に示すように、多分割絞りの一方の絞り体を構成する絞りブロック102と、駆動する前記絞りブロック102の位置を規制する位置規制手段である一対のメカストッパー103と、前記絞りブロック102を駆動する駆動モータ(駆動手段)104と、前記絞りブロック102の位置を検出するエンコーダ106及びポテンショメータ108と、エンコーダ106のカウント値、ポテンショメータ108の値を各々検出する検出回路110と、放射線治療装置100を操作するための操作器(あるいはそれに類似した入力装置<本発明にいう「操作手段」>)112と、を含んで構成される。 【0088】さらに、放射線治療装置100は、操作器112からの切り替え信号に基づいて、前記エンコーダ106による検出系統を利用した前記多分割絞り102の位置を自動設定するための主駆動制御を、前記ポテンショメータ108の検出系統を利用した前記多分割絞り102の位置を自動設定するための副駆動制御に切り替える制御を行う制御器(制御手段)114と、を含んで構成される。 【0089】なお、本実施の形態の前記エンコーダ106および検出回路110により、本発明にいう「第1の検出手段」を構成でき、また、本実施の形態のポテンショメータ108および検出回路110により、本発明にいう「第2の検出手段」を構成できる。 【0090】また、通常、前記図4に示す実施の形態のように、複数例えば29枚の絞りブロックによる絞り体を一方の側に形成し、一方及び他方の絞り体により計58枚からなる絞りブロックにより多分割絞りが構成されるが、本実施の形態においては、説明を簡単にするために一方側の一つの絞りブロックを代表して多分割絞りとしている。 【0091】エンコーダ106およびポテンショメータ108は、絞りブロック102の1個につき、各々1個ずつ配設されている。 【0092】制御器114は、前記エンコーダ106のカウント値に基づいて算出された第1の開度と、前記ポテンショメータ108の値に基づいて算出された第2の開度との差(の絶対値)が所定の値を越えた場合に、インターロック信号を生成し、(インターロック信号生成機能■)、装置を一旦停止させるとともに不図示の表示手段に前記インターロックにより装置が停止する旨の通知を表示させる(インターロック通知機能)。 【0093】さらに、制御器114は、前記表示手段にインターロックにより装置が停止する旨の通知が表示された場合において、装置使用者の前記操作器112による操作入力に基づいて生成される切り替え信号に基づいて、前記エンコーダ106による検出系統を利用した前記多分割絞り102の位置を自動設定するための主駆動制御を、前記ポテンショメータ108の検出系統を利用した前記多分割絞り102の位置を自動設定するための副駆動制御に切り替える制御を行うように、前記駆動モータ104を駆動制御する(検出系統切り替え機能ないしは切り替え制御機能■■)。 【0094】なお、先に述べたように、本実施の形態においては、一方側の絞りブロック1つを代表して多分割絞りとしているが、もちろん複数の絞りブロックを一方および他方側について各々形成した場合の多分割絞りを構成した場合には、前記制御器は、各絞りブロックの各々について制御を行うことは言うまでもない。 【0095】ここで、上記のような構成を有する放射線治療装置100の多分割絞り装置においては、キャリブレーション処理は、一方の絞り体について全部同時に行い、一方側の複数の絞りブロック102を全部退避させる。具体的には、操作器112により原点位置から特定位置の数値データを指定すると、一方の複数の絞りブロック102を全て前記数値データの位置に揃えさせる。なお、個別に各絞りブロックの位置の設定を行うこともできる。 【0096】このようなキャリブレーション処理において、エンコーダ106の各点におけるカウント値に基づいて算出された第1の開度と、ポテンショメータ108からの値をA/Dコンバータ(不図示)にてコンバートしたA/Dコンバートデータに基づいて算出された第2の開度とに、検出差(開度ずれ)が生じた場合には、制御器114は、インターロック信号を発生させ、装置を一旦停止して照射が停止される。 【0097】そして、本実施の形態においては、前記インターロック信号が発生すると、その旨を不図示の表示手段に対して通知し、装置使用者に対してインターロックが発生した旨の通知を通知する。 【0098】これによって、装置使用者は、インターロックが発生したことを確認することができる。さらに、装置使用者(オペレータ)の判断に基づいて、操作器112により操作入力を行うと、切り替え信号(切り替え了解の信号)が生成され、制御器114は、前記切り替え信号に基づいて、エンコーダ106による検出系統の制御からポテンショメータ108による検出系統の制御に切り替える。 【0099】そして、駆動モータ104を駆動するために使用する開度データを、エンコーダ値を使用した第1の開度からポテンショメータ値を使用した第2の開度に切り替えると共にインターロックを解除する。 【0100】これによって、ポテンショメータ108に基づく位置情報が伝達され、これに基づいて開度が調整されて、治療を続行することができる。 【0101】このように、エンコーダ106が壊れた場合に、オペレータの判断を介在させて、エンコーダ106からポテンショメータ108の検出系統に切り替える検出系統変更機能を備えており、このような機能を利用することにより、インターロックが発生してシステムダウンが生じたとしても、前記操作器112により再開することができ、治療が途中で中断した場合にも治療を続行することができ、放射線治療計画を計画通りに遂行することができる。 【0102】なお、ポテンショメータ108の検出能力は、エンコーダ106の検出能力よりも低いとされるが、全く使用できないレベルではないので、主制御のエンコーダ106から副制御のポテンショメータ108に切り替えたとしても、開度調整の制御を行う上においては、特に問題とならない。 【0103】また、制御器114が、インターロックが発生した場合に、インターロックが発生した旨を前記装置使用者に通知するとともに、システムを一旦停止させずに、前記エンコーダ106による検出系統からポテンショメータ108による検出系統に切り替える制御を自動的に制御をするように構成してもよい。 【0104】さらに、ポテンショメータ108の副制御のモードである場合に、前記操作器112によりエンコーダ106による検出系統の主制御の通常のモードに戻すこともできる。 【0105】以上説明したように本実施の形態によれば、検出差のインターロックが発生した場合、故障を修理によって回避しなくても、一時的に使用できる状態にしてシステムダウンを回避することが可能となる。 【0106】また、システムダウンにより停止したとしても、治療を再開することができ、患者にとって利益となる。 【0107】[第3の実施の形態]次に、本発明にかかる第3の実施の形態について、図7に基づいて説明する。図7は、本発明に係る第3の実施の形態を示す機能ブロック図ある。 【0108】本実施の形態の放射線治療装置の多分割絞り機構においては、キャリブレーションによる自動設定を行う際に、エンコーダおよびポテンショメータの双方のデータを検出しておき、ポテンショメータの値が特定の範囲を越えた場合には、絞りブロックを停止させるようにして、エンコーダのデータ消失等による絞り暴走を回避する場合の例を開示している。 【0109】具体的には、放射線治療装置120は、図7に示すように、多分割絞り体を構成する絞りブロック122と、矢印X方向に駆動する絞りブロック122の位置を規制するための位置規制手段である一対のメカストッパー123と、前記絞りブロック122を駆動する駆動モータ(駆動手段)124と、前記絞りブロック122の位置を検出するエンコーダ126及びポテンショメータ128と、エンコーダ126のカウント値とポテンショメータ128の値を検出する検出回路130と、操作器からの切り替え信号に基づいて、これらを切り替える制御器(制御手段)134と、を含んで構成される。 【0110】なお、本実施の形態の前記エンコーダ106および検出回路110により、本発明にいう「第1の検出手段」を構成でき、また、本実施の形態のポテンショメータ108および検出回路110により、本発明にいう「第2の検出手段」を構成できる。 【0111】また、通常、前記図4に示す実施の形態のように、複数例えば29枚の絞りブロックによる絞り体を一方の側に形成し、一方及び他方の絞り体により計58枚からなる絞りブロックにより多分割絞りが構成されるが、本実施の形態においては、説明を簡単にするために一方側の一つの絞りブロックを代表して多分割絞りとしている。 【0112】メカストッパー(in側)123は、図8に示すように、原点位置Oから―105mm(―X4)の位置に設け、絞りブロック122の一端は、―100mm(―X1)まで移動させるように設定してある。 【0113】つまり、絞りブロック122の移動範囲とメカストッパー123の配置位置との関係は、照射野を大きくすることなく、メカストッパー123の手前で停止させるために、安全上、―100mmよりさらに先の―105mmの位置に設けてある。なお、メカストッパー(out側)123においても、同様に、X2よりも先のX3の位置に設けてある。 【0114】図7に説明を戻すと、エンコーダ126およびポテンショメータ128は、絞りブロック122の1個につき、各々1個ずつ配設されている。なおここに、エンコーダ126のカウント値のデータは、電源等の遮断によってデータが消失する場合があるために、原点位置に対する相対的な位置情報(カウント値)しか持てないが、一方、ポテンショメータ128の値は、データ自体が壊れることが少ない。 【0115】検出回路130は、エンコーダ126からのカウント値を検出する第1検出部(不図示)と、X方向に移動する前記絞りブロック122の移動方向線上の各点(例えば図8に示す―X1、0、X1、X2の4点)での各カウント値に基づいて、1カウントあたりの単位開度を算出することで、任意の前記カウント値の検出による任意の開度を算出する算出手段(不図示)と、ポテンショメータ128からの値をA/D変換するA/Dコンバータ(不図示)と、前記A/Dコンバータにて変換されたコンバートデータを開度の生データとして検出する第2検出部(不図示)と、を含んで構成される。 【0116】制御器134は、エンコーダ126による絞りブロック122の位置の検出中に、ポテンショメータ128が、規制された範囲(一対のメカストッパー123・123間の距離)内において予め規定された取り得る範囲(図9に示すL1)を越えた場合に、前記絞りブロック122の駆動を停止するように駆動モータ124に対して指示制御する(駆動モータ停止機能■■)。 【0117】このために、制御器134は、ポテンショメータ128による検出値をA/Dコンバータ(不図示)によりA/D変換した後の生データの取り得る値を監視する。 【0118】ここで、前記取り得る値について説明する。 【0119】図9には、ポテンショメータ128の生データの取りうる値の範囲が概念的に示されている。同図に示すように、絞りブロック122の移動方向を示すX軸上には、IN側メカストッパー123が配置される位置に対応するX軸上の位置が―X4として示され、OUT側メカストッパー123が配置される位置に対応するX軸上の位置がX3として示されている。 【0120】前記絞りブロック122は、これら両メカストッパー123,123の間にて移動するものであるから、IN/OUTメカストッパー123,123の内側であり、各メカストッパー123,123に衝突することのない例えば(―X4より大きい)―X6から(X3より小さい)X5を前記「取り得る値の範囲L1」として設定されている。 【0121】このように設定することで、ポテンショメータ128の生データ(常時監視している際の現在の検出値)が、前記範囲L1を越えて例えば、点の値X5よりやや大きくなった場合や、点の値―X6よりやや小さくなった場合には、前記絞りブロック122の移動を停止させることができる。 【0122】このようにして、ポテンショメータ128の生データ(A/D変換後の値)を監視し、絶対値で持っている生データが取り得る範囲を越えて動作する場合には、絞りブロック122の動作制御を停止し、自動設定のキャンセルを行う。 【0123】なお、先に述べたように、本実施の形態においては、一方側の絞りブロック122の1つを代表して多分割絞りとしているが、もちろん複数の絞りブロック122を一方および他方側について各々形成した場合の多分割絞りを構成した場合には、前記制御器134は、各絞りブロック122の各々について制御を行うことは言うまでもない。 【0124】上記のような構成を有する放射線治療装置120において、キャリブレーション処理が実行される際には、通常は、エンコーダ126により計算される開度にて自動設定が行われる。 【0125】ここで、多分割絞り機構の各絞りブロック自身が原点位置からどの位置にいるのかを検出するキャリブレーション処理において、前記位置を検出する手法としては、先ず、図8に示すような例えば4つの点、―X1(―100mm)、O(0mm)、X1(100mm)、X2(200mm)に絞りブロックを各々移動させておいて、当該各点におけるエンコーダ126のカウント値と、ポテンショメータ128の値をA/Dコンバータにより変換した後のデータ(値)とを(不図示)のメモリに保存する。 【0126】この際、例えば―100mmから0mmの間の点のカウント値の差を計算して、1mmがXカウントであるということから、現在絞りブロック122はXTmm目にあるということにより開度を算出する。この値がキャリブレーションデータになる。 【0127】なお、キャリブレーション処理は、絞りブロック122の数が片方の側で29枚の合計58枚有するが、これら58枚の各絞りブロック122について全て位置合わせを行う必要がある。 【0128】そして、これらの各絞りブロック122の位置調整を、出来るだけ速く行うために、例えば点―100mmまで一斉に動作させるためのコマンドを操作器を利用して入力する。このようにしてキャリブレーション処理時には、絞りを自動設定する自動設定機能により、片側に29枚ある絞りブロック122を一斉に移動させ、前記4つの各点に速く到達させる処理を行う。 【0129】ここで、従来においては、エンコーダ126のカウント値のデータが完全に消失している場合や、絞りを間違えて入力した場合などには、絞りブロック122自身の位置を認識することができず、絞りブロック122の位置が、本来あるべき原点からの位置とかけ離れた位置にくるようなこともあり、(―100mmを越えてさらに移動してしまう、或いは逆に200mmを越えて移動する等)、自動設定を実施すると設定値に行き着く前にメカストッパー123に衝突し、メカ系統に大きなダメージを与える。 【0130】これに対して本実施の形態では、このような場合にも、診察時の絞りブロック122の位置を検出するために、絞りブロック122の位置を検出するためのポテンショメータ128を設け、自動設定を行う時に、ポテンショメータ128の生データを検出し、絶対値を算出しておく。 【0131】すなわち、制御器134は、常時は、エンコーダ126により計算される開度にて自動設定を行う制御を行いつつ、ポテンショメータ128の生データ(ポテンショメータ128の検出値をA/D変換した後のA/Dコンバートデータ:値)を常に監視する制御を行う。 【0132】このため、自動設定時においては、エンコーダ126のカウント値のデータを検出しつつ、同時に、ポテンショメータ128の値のデータが検出されている。 【0133】そして、前記生データは、絶対値として保有しており、この絶対値のデータが、予め規定される取り得る値の範囲(例えば図9に示すL1)を越えて動作しようとする場合(図9に示すL2やL3の範囲に至ろうとする場合)には、前記自動設定をキャンセルして、前記駆動モータ124を強制的に停止させる制御を行う。 【0134】このように、本実施の形態では、使用している際にキャリブレーションデータが消失することもありうるので、ポテンショメータ128の生データを検出して、予め設定された範囲を越えた場合には、駆動モータを停止する制御を行うので、ポテンショメータ128がバックアップとして機能し、ポテンショメータ128の値を常時監視していることによって前記範囲を越えないように制御できる。 【0135】以上のように本実施の形態によれば、キャリブレーション処理の自動設定にて、複数の絞りブロック122からなる絞り体が自身の位置を大きく見失っていたとしても、暴走せずにメカストッパー123直前で停止させることができ、メカ的にダメージを与えないシステムを構成できる。 【0136】また、本機能を通常の操作にも入れておくことにより、絞り動作中に不幸にしてエンコーダ126の検出データを消失したとしても、絞りブロック122がメカストッパー123まで暴走することを未然に防止することが可能となる。加えて、装置使用者は、安心してキャリブレーション操作を行うことができる。 【0137】なお、本発明にかかる装置と方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。 【0138】さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含むことは言うまでもない。また、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除された構成であってもよい。 【0139】そして、これまでの記述は、本発明の理解を容易にするために、本発明の実施の形態の一例を開示したものであり、前記実施の形態は例証するものであり制限するために記載されたものではなく、所定の範囲内で適宜変形及び/又は変更が可能である。従って、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物を含む趣旨である。 【0140】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、駆動させた多分割絞りを位置規制手段に当て、その位置規制手段により停止した多分割絞りの位置情報を計数し、原点位置を決定することにより短時間で正確な原点位置の設定を可能とした放射線治療装置を提供することができる。 【0141】また、本発明の他の態様によれば、検出値に差が生じてインターロックが発生した場合、故障を修理によって回避しなくても、一時的に使用できる状態にしてシステムダウンを回避することが可能となり、放射線治療を再開することができ、患者にとって利益となる。 【0142】本発明のさらに他の態様によれば、多分割絞りの自動設定にて絞りが自身の位置を大きく見失っていたとしても暴走せず、位置規制手段の直前で停止可能することで、メカ的にダメージを受けない構成とすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月1日(2002.5.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081411 【弁理士】 【氏名又は名称】三澤 正義
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| 【公開番号】 |
特開2003−79754(P2003−79754A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−129947(P2002−129947) |
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