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【発明の名称】 入れ墨消去装置
【発明者】 【氏名】木村 洋勝

【要約】 【課題】本発明の目的は、皮膚がケロイド(やけどの痕)状となったり、肉が盛り上がったり、皮膚が変色したりせず、皮膚へのダメージの少ない入れ墨消去装置を提供することにある。

【解決手段】本発明は、ニードルを備えた入れ墨消去装置である。モータと、このモータの出力軸5の回転運動を直線往復運動に変換する運動変換手段10,11,12と、この運動変換手段10,11,12に連結されたロッド26と、このロッド26に連結された前記ニードル21と、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部36と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ニードルを備えた入れ墨消去装置であって、モータと、該モータの出力軸の回転運動を直線往復運動に変換する運動変換手段と、該運動変換手段に連結されたロッドと、該ロッドに連結された前記ニードルと、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部と、を備えることを特徴とする入れ墨消去装置。
【請求項2】 ニードルを備えた入れ墨消去装置であって、棒状体と、前記ニードルと、前記棒状体と前記ニードルとを連結する連結手段と、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部と、を備えることを特徴とする入れ墨消去装置。
【請求項3】 前記入れ墨消去作用を有する物質は、過酸化水素水であることを特徴とする請求項1又は2記載の入れ墨消去装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入れ墨消去装置に係り、特に入れ墨を消去する際に、皮膚がケロイド(やけどの痕)状となったり、肉が盛り上がったり、皮膚が変色したりせず、皮膚へのダメージの少ない入れ墨消去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入れ墨は、一旦入れると半永久的に皮膚から消えないという性質を有する。したがって、入れ墨を入れた数年後に、入れ墨を消去したいと考えたり、入れ墨の意匠を変更したいと考えるユーザーが増加している。近年、入れ墨を消去、または薄くする方法として、ヤスリ状のもので皮膚表面を削る方法,メスで皮膚を切除したのち縫合する方法,レーザーで入れ墨色素を破壊する方法,皮膚移植をする方法が知られている。
【0003】一方、皮膚に入れ墨を入れる場合、手で持った針で皮膚を刺してここへ墨を浸透させる方法や電動式の入れ墨装置を用いる方法が広く用いられている。電動入れ墨装置は、手持ちのケース内に収納されたモータで駆動されて進退するニードルを備えている。そして、入れ墨を入れる際には、キャップ内の液体状の墨をニードルに付着させ、ニードルの進退により皮膚を刺して、この墨を皮膚内に浸透させている。
【0004】この種のニードルとしては、1本の針からなるもののほかに、図18に示す、平型の「フラットニードル」および図19に示す丸形の「ラウンドニードル」が知られている。フラットニードルは、5〜13本程度の複数の針27を、1〜2列に横に並べ、ろう付け部23でろう付け等することにより、土台24に固結して形成されている。ラウンドニードルは、3〜18本程度の複数の針27を、外周がほぼ円形となるように束ね、ろう付け等により、土台に固結して形成されている。これらの複数の針を1本の軸に固定して形成されたニードルによれば、所定の範囲内の面積を同時に刺すことが可能であるため、1本の針からなるニードルと対比して、早く入れ墨をすることが可能である。
【0005】また、上記ラウンドニードル42を製造する装置として、図20に示す装置が知られている。図20に示すラウンドニードル製造装置44は、所定本数の針27を収容可能な円筒体のパイプ43と、パイプ43を支持部材に結束する結束部材32と、支持部材33によりパイプ43との間に所定の間隔をおいて固定される位置決め部材35と、を備えている。ラウンドニードル42は、パイプ43に所定本数の針27を入れ、パイプ43の上側で針27を互いにろう付けすることにより製造される。このラウンドニードル製造装置44によれば、パイプ43の内側の単一の空間に針7を入れるため、互いの針27の間に間隔のないラウンドニードル42が製造できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記入れ墨を消去、または入れ墨を薄くする方法は、皮膚の外部から行う方法というべきものであり、これらの方法によると、皮膚の表面が荒れるという問題点がある。例えば、皮膚表面をヤスリ状のもので削った場合には、皮膚表面が無理に剥ぎ取られるため、皮膚がケロイド(やけどの痕)状となる。また、メスで皮膚を切除して縫合した場合には、切除した面積分の皮膚が不足して、局所的に皮膚が張った状態となる。したがって、皮膚外観上も不自然なだけでなく、本人の感覚面からも違和感が残る。さらに、縫合した痕は、皮膚が盛り上がった状態となり、しかもこの痕は、完全には消えにくい。
【0007】レーザーで入れ墨色素を破壊した場合には、レーザーを照射した痕が皮膚に残り、皮膚が変色する可能性が高い。また、皮膚移植をした場合には、手術する面積が大きいため、患者にかかる肉体的な負担が多大である。また、臀部等から皮膚移植することになるため、移植する皮膚があった部分(例えば臀部)に、ケロイド状の痕が残ってしまう。縫合した痕は、皮膚が盛り上がった状態となり、しかもこの痕は、完全には消えにくい。
【0008】本発明の目的は、上記問題点を解決することにあり、皮膚がケロイド(やけどの痕)状となったり、肉が盛り上がったり、皮膚が変色したりせず、皮膚へのダメージの少ない入れ墨消去装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、請求項1に係る発明によれば、ニードルを備えた入れ墨消去装置であって、モータと、該モータの出力軸の回転運動を直線往復運動に変換する運動変換手段と、該運動変換手段に連結されたロッドと、該ロッドに連結された前記ニードルと、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部と、を備えることにより解決される。
【0010】上記課題は、請求項2に係る発明によれば、ニードルを備えた入れ墨消去装置であって、棒状体と、前記ニードルと、前記棒状体と前記ニードルとを連結する連結手段と、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部と、を備えることにより解決される。
【0011】このように構成されているため、針を皮膚に刺して入れ墨消去作用を有する物質を皮膚の表皮に直接供給する方法により、入れ墨を消去し、または入れ墨のデザインが視認困難な程度まで薄くすることが可能となる。この針を皮膚に刺して入れ墨消去作用を有する物質を皮膚の表皮に直接供給する方法は、皮膚の表面を痛めることなく、入れ墨を消去し、または入れ墨のデザインが視認困難な程度まで薄くする方法である。このとき、前記入れ墨消去作用を有する物質は、過酸化水素水であると好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、ニードルを備えた入れ墨消去装置である。この装置は、モータ1と、該モータの出力軸5の回転運動を直線往復運動に変換する運動変換手段10,11,12と、該運動変換手段10,11,12に連結されたロッド26と、該ロッド26に連結された前記ニードル21と、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部36とを備える。また、棒状体51と、前記ニードル21と、前記棒状体51と前記ニードル21とを連結する連結手段54と、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部36と、を備えるようにも構成される。前記入れ墨消去作用を有する物質は、過酸化水素水である。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
(実施例1)本発明第1の実施例について説明する。本例は、入れ墨消去装置の実施例である。
【0014】本例の入れ墨消去装置Sは、図1に示すように、モータ1、モータ1とオープンラウンドニードル21,ノズル3等とを連結するための連結部2、モータ1の回転動力を振動に変換するための第一円盤10および第二円盤11、第2円盤11とニードルとしてのオープンラウンドニードル21とを連結するロッド26、チューブ25、オープンラウンドニードル21、ロッド26等を覆うノズル3、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質を貯留する貯留部としてのキャップ36を主要構成要素とする。
【0015】本例のモータ1は、電動入れ墨装置に一般的に使用されるDCモータが用いられる。ただし、これに限定されず、ACモータ等、一般に用いられる他のモータを用いることもできる。モータ1は、図1に示すように、連結部2のモータ取り付け部2bに固定されている。モータ1には、不図示の電線が接続され、この電線は、DC電源に接続されている。なお、モータ1に電池を接続し、電池から電力を投入してもよい。また、モータ1には、不図示のスイッチが設けられ、このスイッチをオン又はオフにするにより、本例の入れ墨装置Sが作動又は停止される。
【0016】連結部2は、モータ1と、ノズル3とを連結するために用いられる。連結部2は、図1に示すように、縦長の略直方体からなるノズル取付部2aと、このノズル取付部2aに対し垂直に形成された略板状体のモータ取付部2bと、を一体に形成してなる。ノズル取付部2aには、図1および図2に示すように、ノズル取付部2aを貫通するノズル取付孔6と、ノズル取付孔6からノズル取付部2aの底面まで伸びてノズル取付部2aを貫通する溝7と、が形成されている。
【0017】また、ノズル取付部2aには、ノズル取付孔6および溝7に垂直になるように、ボルト用の孔が穿孔されており、このボルト用の孔に、ボルト8が螺合されている。このボルト8は、溝7を貫通して設けられており、ボルト8を締めることによって、ノズル3をノズル取付孔6に固定可能に形成されている。
【0018】モータ取付部2bには、図1に示すように、モータ1がネジ9により固定されている。モータ取付部2bには、モータ取付部2bを図面上下方向に貫通する孔4が穿孔され、この孔4を通して、モータ出力軸5が、モータ取付部2bの上側に突出している。
【0019】第一円盤10は、金属製の円盤状体からなり、図5のように、モータ取付部2bの上側にモータ取付部2bと平行に配置されている。第一円盤10の中心には、モータ出力軸5が固定され、第一円盤10は、モータ出力軸5によって回転するように構成されている。
【0020】第二円盤11は、金属製の円盤状体からなり、図5のように、第一円盤10の上に、底面が第一円盤10の上面と接するように配置されている。第二円盤11の中心には、第二円盤軸12が設けられている。この第二円盤軸12は、第1円盤10の中心と周との間に固定されており、第二円盤11が、第二円盤軸12を中心として、第一円盤10に対して回動可能に構成されている。第二円盤11の側面には、図5に示すように、ロッド26の一方の端部26aが固定されている。
【0021】ロッド26は、金属製の略棒状体からなる。ロッド26の一方の端部26aは、第二円盤11の側面に固定されている。ロッド26の他方の端部には、ロッド26の太さよりも細く形成されたチューブ連結部26bが形成されている。ロッド26は、図5,図6に示すように、ノズル取付部2aのノズル取付孔6を貫通するように配置される。
【0022】チューブ25は、ロッド26とオープンラウンドニードル21とを連結すると共に、ロッド26の径方向の振動を吸収するために用いられるものであり、塩化ビニル製の略円筒体からなる。なお、チューブ25は、可撓性を有する略円筒体の部材であればよく、塩化ビニル製に限定されない。また、本例では、ロッド26とオープンラウンドニードル21とを連結するために、可撓性のあるチューブを用いているが、これに限定されず、金属,セラミック等の剛性のある物質からなり、両側がねじ切りされた円筒体として形成してもよい。この場合には、ロッドの径方向の振動を吸収するために、弾性体からなる振動吸収材を、上記円筒体,ロッド26,オープンラウンドニードル21のいずれかに配設するとよい。
【0023】ロッド25とオープンラウンドニードル21との連結は、ロッド26のチューブ連結部26bをチューブ25の一端にねじ込み、オープンラウンドニードル21の連結部24をチューブ25の他端にねじ込むことによって行う。
【0024】本例のオープンラウンドニードル21は、図7に示すように、12本の針27を含むものであり、針先端側のニードル先端部22と、12本の針27を支持する土台24と、針27を互いに固結すると共に土台24に固定するろう付け部23と、から構成されている。土台24には、先端部22の反対側に、ネジが形成されている。針27には、タトゥー用品業者が製造しているステンレススチール製のアメリカ製入れ墨用針を用いる。
【0025】本例のオープンラウンドニードル21は、12本の針27が、互いに、針27の1本分以上の間隔をおいて配置されている。また、隣り合う針27の中心の延長線が、互いに少なくとも交差しない範囲の角度,すなわち平行か、若しくは、針の先端部が外側を向く角度をもつように配置されている。
【0026】オープンラウンドニードル21は、複数の針が、針の中心の延長線が、互いに少なくとも交差しない範囲の角度で配置され、かつ所定の間隔をおいて固結されているので、それぞれの針の間に空間が形成され、この空間に入れ墨消去用の物質が貯留可能となり、入れ墨消去用の物質を比較的長時間溜めておくことが可能となるものである。その結果、頻繁に針先に入れ墨消去用の物質を供給する必要がなくなり、入れ墨消去をスピーディに行うことが可能となる。また、オープンラウンドニードルの複数の針の間隔が従来のものよりも広いため、針を皮膚に刺した後、皮膚にあいた孔と孔とがつながって線状に亀裂するような問題が生じにくくなる。
【0027】本例のオープンラウンドニードル21は、12本の針27を備えているが、図8に示すように、21本の針27を備えるように構成してもよい。また、針の本数は彫る面積に応じて選択すればよく、それ以外の数の針27を備えるように構成してもよい。このオープンラウンドニードル21は、「彫ひろオープンラウンドニードル」と称されるものである。
【0028】従来の「フラットニードル」「ラウンドニードル」によれば、複数の針の間の空間が小さいため、針の間の空間に貯留できる液体の量が少ない。したがって、入れ墨を入れている時に、頻繁に、ニードルの針間に入れ墨消去用の物質を供給する作業を行わなければならないという問題点がある。また、上記従来の「フラットニードル」「ラウンドニードル」は、複数の針の先端の間隔が狭いため、入れ墨を消去する際に、刺すことによりできた皮膚の複数の孔と孔とが繋がって線状の亀裂になる可能性が高くなるという問題点がある。また、上記従来のラウンドニードル製造装置44によれば、針27の間に間隔のないラウンドニードル42しか製造できないという問題点がある。オープンラウンドニードル21は、これらの問題点を解決するものである。
【0029】ノズル3は、図9(A)に示すように、端部3aに向かって図面左側が細くなった略円筒体からなる。本例のノズル3の端部3aは、ノズル3内部に配置されるオープンラウンドニードル21を、直線方向のみに運動させるためのガイドとしての役割を果たすものである。ノズル3には、図9に示すように、孔28があけられている。この孔28は、ノズル3を超音波洗浄器で洗浄する際に、ノズル3内部まで充分に洗浄可能とする役割を果たす。貯留部としての図16に示すキャップ36は、オープンラウンドニードル21をキャップ36内の入れ墨消去作用を有する物質に浸し、オープンラウンドニードル21の先端部に入れ墨消去作用を有する物質を付着させて使用される。
【0030】また、貯留部は、上記のキャップ36のように、オープンラウンドニードル21と別体として構成してもよいが、オープンラウンドニードル21と連通するように、または一体として構成することもできる。例えば、図1のノズル3の外側に配設されたタンクとして構成する。そして、このタンクとオープンラウンドニードルの先端部22とを連通する配管が配設される。タンクから配管を通してオープンラウンドニードルの先端部22に液体を供給可能に構成される。また、貯留部は、図示しないが、液体を含浸可能な物質,例えば綿花等を、オープンラウンドニードル21の先端部22の外側等に配設し、オープンラウンドニードル21と一体としてもよい。
【0031】生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質として、本例では、濃度2〜50W/V%、好ましくは濃度2.5〜35W/V%の過酸化水素水(H水溶液)が用いられる。2.5〜3.5W/V%過酸化水素水である一般的なオキシドールを用いることも可能である。過酸化水素水には、脱色、漂白、しみとり、消毒、殺菌作用等があり、消毒剤として動物、人体にも広く用いられている。過酸化水素水は、入れ墨消去作用があり、かつ人体に対して無害である。本例では、人体に対して毒性のない過酸化水素水を用いているため、皮膚に対する刺激が極めて少なく、入れ墨消去を行った後の皮膚のダメージがない。また、レーザーで入れ墨を消去する場合と異なり、皮膚にシミ等の痕が残るようなことがない。なお、生体皮膚内で入れ墨消去作用を有する物質は、これに限定されず、他の濃度の過酸化水素水、過マンガン酸カリウム等も用いることができる。
【0032】本例の入れ墨消去装置Sは、次の順序で組立てる。まず、連結部2のモータ取付部2bに、ネジ9でモータ1を固定する。次に、第一円盤10をモータ出力軸5に固定し、第二円盤11を第二円盤軸12により、第一円盤10に軸着する。ロッド26を、ノズル取付孔6に通し、端部26aを第二円盤12の側面に、ネジ等で固定する。ロッド26の他方の端部のチューブ連結部26bをチューブ25の一方の端部にねじ込み、チューブ25の他方の端部には、オープンラウンドニードル21の土台24のネジをねじ込む。その後、ノズル3を、ボルト8で、ノズル取付孔6に締め付け固定する。
【0033】次に、本例の入れ墨消去装置Sの動作について、説明する。まず、不図示の電線を電源に接続し、不図示のスイッチをオンにする。これにより、モータ1が作動し、モータ出力軸5が回転する。これに伴い、第一円盤10が、モータ出力軸5を中心に自転し、第二円盤軸12がモータ出力軸5を中心に回転する。これによって、第二円盤11が、図10の11a〜11b〜11c〜11dのように、モータ出力軸5を中心に公転する。また、第二円盤11は、第二円盤軸12を中心に自転する。この第二円盤11の公転および自転により、第二円盤11の側面に固定されたロッド26が、図10の一点破線上,すなわち、26w〜26x〜26y〜26zを回転運動する。
【0034】上記ロッド26は、図10の26w〜26x〜26y〜26zのように、回転運動し、この運動が、オープンラウンドニードル21にも伝達される。このとき、オープンラウンドニードル21は、ノズル3内部に配置されるため、ノズルの端部3aにより、ノズル3の径方向に運動することが阻止される。したがって、オープンラウンドニードル21は、ニードル21の方向(図6、図9のCC’方向)のみに直線往復運動する。なお、オープンラウンドニードル21とロッド26の間に配置されたチューブ25によっても、ノズル3の径方向の振動が吸収され、オープンラウンドニードル21のCC’方向のみの直線往復運動が安定化されている。
【0035】オープンラウンドニードル21は、図9(B)のCC’方向に直線往復運動することにより、図9(A)のニードル先端部22がノズル3内に引き込まれた状態と、図9(B)のニードル先端部22がノズル3から突出した状態とを繰り返す。この図9(A)と図9(B)との進退運動により、高速で着実に入れ墨を入れることが可能となる。
【0036】次に、本例のオープンラウンドニードル21を製造するために用いられる、入れ墨消去用オープンラウンドニードル製造装置について、針を12本備えたオープンラウンドニードルを例として説明する。本例の入れ墨消去用オープンラウンドニードル製造装置は、図11乃至図13に示すように、針27を通す貫通部としての複数のパイプ31、パイプ31を束ねて支持部材33に固定する結束部材32、針27先を揃えるための長さ決め部材34、パイプ31・結束部材32・長さ決め部材34を支持するための支持部材33を主要構成要素とする。
【0037】パイプ31は、耐熱性のある金属からなる円筒体として形成されている。パイプ31の内径は、針27の径よりも僅かに大きく形成され、パイプ31に針27を通したときに、針27の径方向への移動が規制されるように構成されている。このように、複数のパイプ31を用いることにより、パイプ31それぞれに針27を挿入したときに、それぞれの針27の間に、パイプ31の厚みに相当する間隙ができるため、オープンラウンドニードル21のそれぞれの針27の間に、所定の間隔を設けることが可能となる。
【0038】パイプ31は、製造するオープンラウンドニードル21が備える針27の本数に対応する数が、配設される。本例は、針27を12本備えたオープンラウンドニードル21を製造する装置であるため、パイプ31は12本配設される。パイプ31の配置を、図12(B)に示す。なお、本例は、針27を12本備えたオープンラウンドニードル21を製造する装置であるが、これに限定されず、例えば21本等、他の本数の針を備えたオープンラウンドニードル21を製造する装置としてもよい。
【0039】結束部材32は、耐熱性のある金属の塊状体からなり、複数のパイプ31と、支持部材33とを結合する役割を果たす。本例のパイプ31および結束部材32が、本発明の位置決め部材に該当する。結束部材32は、金属の塊状体でなく、針金、糸等で構成してもよい。この場合には、針金、糸等で、パイプ31と支持部材33とを縛り付けるとよい。
【0040】支持部材33は、直径1〜2mm程度の針金からなる。支持部材33は、パイプ31および結束部材32と、長さ決め部材34とを支持して、両者の間隔を一定に保持する役割を果たす。支持部材33は、図13に示すように、略コの字形に曲げられ、オープンラウンドニードル21を製造する際に、33aの範囲内を手で持つことが出来るように形成されている。長さ決め部材34は、シリコーン製の略板状体からなり、パイプ31から所定の間隔をおいた位置で、支持部材33に固定されている。なお、本例のパイプ31、結束部材32、支持部材33、長さ決め部材34は、説明した材料のみに限定されるものでなく、耐熱性のある一般的な金属材料、セラミクス材料等も用いることができるものである。
【0041】なお、本例では、位置決め部材として、パイプ31と結束部材32が設けられているが、図14,図15のように、パイプ31を備えず、所定数の貫通部としての孔37が設けられた位置決め部材35のみを設けるように構成してもよい。この入れ墨消去用オープンラウンドニードル製造装置は、針の直径方向の移動を阻止するための針の径よりもわずかに大きく形成された貫通部を複数有する位置決め部材を備えているため、針と針とが所定の間隔をおいて固定されたオープンラウンドニードルを製造することが可能となる。
【0042】以下、本例の入れ墨消去用オープンラウンドニードル製造装置を用いて本例のオープンラウンドニードル21を製造する方法について、針を12本備えたオープンラウンドニードルを例として説明する。まず、図13に示すように、位置決め部材35に12個設けられた貫通部としてのパイプ31に、12本の針を挿入する。このとき、長さ決め部材34の上面に、針27の先端が接するようにする。
【0043】次に、12本の針を固結する。本例では、12本の針の上に土台24を載せ、針27と土台24と図13のろう付け部23とを銀ろうでろう付けすることにより行う。ろう付けは、一般的なろう付けの方法により行う。その後、ろう付け部23が室温になったら、固結された12本の針27を長さ決め部材34および位置決め部材35から離脱し、オープンラウンドニードル21を完成する。
【0044】次に、本例の入れ墨消去装置Sおよび入れ墨消去用オープンラウンドニードルを用いて入れ墨を消去する方法について説明する。まず、入れ墨消去装置Sに、既に説明した手順で、オープンラウンドニードル21をセットする。図16に示すキャップ36に、過酸化水素水を入れる。なお、このキャップ36は、使用するオープンラウンドニードル21の本数によって、開口の直径が9mm程度のものから18mm程度のものまで、使い分けるとよい。オープンラウンドニードル21をキャップ36内の過酸化水素水に浸し、ニードル21の先端部22に、過酸化水素水を付着させる。
【0045】その後、入れ墨消去装置Sのスイッチを入れ、オープンラウンドニードル21を進退させる。オープンラウンドニードル21を皮膚の入れ墨を消したい場所に刺して、過酸化水素水を皮膚の表皮に入れる。このとき、オープンラウンドニードル21は、皮膚の真皮の外側の表皮の深さまで刺すとよいが、この深さは、皮膚の表面から半紙5枚分程度の深さまで刺すとよい。上記の手順を行った後、皮膚には、かさぶたができる。48時間乃至72時間程度経った時点で、このかさぶたを除去することにより、入れ墨色素が薄くなる。かさぶたは、入浴中等、かさぶたが柔らかくなったときに除去することが好ましい。また、かさぶたの部分をエタノールで拭き、柔らかくなったところでかさぶたを除去してもよい。
【0046】その後、数週間〜数ヶ月経過すると、入れ墨の色素は、薄くなり、または、視認困難になる。また、皮膚に過酸化水素水を刺し込み、かさぶたを除去する手順を数回繰り返すことにより、入れ墨を消去してもよい。この入れ墨を消去する方法によれば、入れてから数年経過した古い入れ墨であっても、入れ墨の色素を薄くし、または視認困難にすることが可能である。
【0047】過酸化水素水を、本例のオープンラウンドニードル21を用いて、皮膚内に供給すると、炭素を含む化合物からなる入れ墨用カラーが酸化されて異なる化合物となり、無色または薄い色の物質となるため、入れ墨が消去され、または視認できない程度に薄くなるのである。また、過酸化水素水を、本例のオープンラウンドニードル21を用いて、皮膚内に供給すると、過酸化水素の酸化剤としての作用により、皮膚内で二酸化炭素が発生し、この二酸化炭素は、皮膚表面に排出される。このとき、二酸化炭素が皮膚表面に向かって移動する物理的な力により、皮膚内の色素が、皮膚表面に浮き上がる。したがって、皮膚表面に形成されたかさぶたを剥離することにより、皮膚表面に浮き上がった色素を除去することが可能となるのである。
【0048】(実施例2)また、入れ墨消去装置は、図17に示す手彫り用の入れ墨消去装置として構成してもよい。この手彫り用の入れ墨消去装置は、棒状体51と、連結部材54と、オープンラウンドニードル21と、貯留部としてのキャップ36とからなる。棒状体51は、入れ墨消去をする際に手で握る部分であり、手が滑らないように、表面を凹凸に加工した滑り止め52が形成されている。棒状体51の図面左側端部には、ネジとして形成された連結ネジ部53が形成されている。
【0049】オープンラウンドニードル21と、棒状体51とは、連結部材54で連結されている。連結部材54は、ネジ孔が形成された筒状体として形成されている。連結部材54の内壁は、オープンラウンドニードル21の土台24に形成されたネジと螺合するネジ部と、棒状体51の連結ネジ部53と螺合するネジ部とが、形成されている。本例の手彫り用入れ墨消去装置の組付けは、棒状体51の連結ネジ部53と、オープンラウンドニードル21の土台24に形成されたネジ部とを、連結部材54のネジ孔に螺着することによって行う。
【0050】次に、本発明の入れ墨消去用オープンラウンドニードルを備えた手彫り用入れ墨消去装置を用いて入れ墨消去を行う方法について説明する。図16に示すキャップ36に、過酸化水素水を入れる。オープンラウンドニードル21をキャップ36内の過酸化水素水に浸し、オープンラウンドニードル21の先端部22に、過酸化水素水を付着させる。その後、オープンラウンドニードル21を皮膚に刺して、過酸化水素水を皮膚の表皮に入れて、入れ墨消去を行う。このとき、オープンラウンドニードル21は、皮膚の真皮の外側の表皮の深さまで刺すとよいが、この深さは、皮膚の表面から半紙5枚分程度の深さまで刺すとよい。本例のその他の構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0051】(参考例1)本例は、入れ墨装置、入れ墨用オープンラウンドニードルおよびその製造装置に係る参考例である。本例の入れ墨装置Sは、図1に示すように、モータ1、モータ1とオープンラウンドニードル21,ノズル3等とを連結するための連結部2、モータ1の回転動力を振動に変換するための第一円盤10および第二円盤11、第2円盤11とオープンラウンドニードル21とを連結するロッド26、チューブ25、オープンラウンドニードル21、ロッド26等を覆うノズル3を主要構成要素とする。
【0052】本例のモータ1は、電動入れ墨装置に一般的に使用されるDCモータが用いられる。ただし、これに限定されず、ACモータ等、一般に用いられる他のモータを用いることもできる。モータ1は、図1に示すように、連結部2のモータ取り付け部2bに固定されている。モータ1には、不図示の電線が接続され、この電線は、DC電源に接続されている。なお、モータ1に電池を接続し、電池から電力を投入してもよい。また、モータ1には、不図示のスイッチが設けられ、このスイッチをオン又はオフにするにより、本例の入れ墨装置Sが作動又は停止される。
【0053】連結部2は、モータ1と、ノズル3とを連結するために用いられる。連結部2は、図1に示すように、縦長の略直方体からなるノズル取付部2aと、このノズル取付部2aに対し垂直に形成された略板状体のモータ取付部2bと、を一体に形成してなる。ノズル取付部2aには、図1および図2に示すように、ノズル取付部2aを貫通するノズル取付孔6と、ノズル取付孔6からノズル取付部2aの底面まで伸びてノズル取付部2aを貫通する溝7と、が形成されている。
【0054】また、ノズル取付部2aには、ノズル取付孔6および溝7に垂直になるように、ボルト用の孔が穿孔されており、このボルト用の孔に、ボルト8が螺合されている。このボルト8は、溝7を貫通して設けられており、ボルト8を締めることによって、ノズル3をノズル取付孔6に固定可能に形成されている。
【0055】モータ取付部2bには、図1に示すように、モータ1がネジ9により固定されている。モータ取付部2bには、モータ取付部2bを図面上下方向に貫通する孔4が穿孔され、この孔4を通して、モータ出力軸5が、モータ取付部2bの上側に突出している。
【0056】第一円盤10は、金属製の円盤状体からなり、図5のように、モータ取付部2bの上側にモータ取付部2bと平行に配置されている。第一円盤10の中心には、モータ出力軸5が固定され、第一円盤10は、モータ出力軸5によって回転するように構成されている。
【0057】第二円盤11は、金属製の円盤状体からなり、図5のように、第一円盤10の上に、底面が第一円盤10の上面と接するように配置されている。第二円盤11の中心には、第二円盤軸12が設けられている。この第二円盤軸12は、第1円盤10の中心と周との間に固定されており、第二円盤11が、第二円盤軸12を中心として、第一円盤10に対して回動可能に構成されている。第二円盤11の側面には、図5に示すように、ロッド26の一方の端部26aが固定されている。
【0058】ロッド26は、金属製の略棒状体からなる。ロッド26の一方の端部26aは、第二円盤11の側面に固定されている。ロッド26の他方の端部には、ロッド26の太さよりも細く形成されたチューブ連結部26bが形成されている。ロッド26は、図5,図6に示すように、ノズル取付部2aのノズル取付孔6を貫通するように配置される。
【0059】チューブ25は、ロッド26とオープンラウンドニードル21とを連結すると共に、ロッド26の径方向の振動を吸収するために用いられるものであり、塩化ビニル製の略円筒体からなる。なお、チューブ25は、可撓性を有する略円筒体の部材であればよく、塩化ビニル製に限定されない。また、本例では、ロッド26とオープンラウンドニードル21とを連結するために、可撓性のあるチューブを用いているが、これに限定されず、金属,セラミック等の剛性のある物質からなり、両側がねじ切りされた円筒体として形成してもよい。この場合には、ロッドの径方向の振動を吸収するために、弾性体からなる振動吸収材を、上記円筒体,ロッド26,オープンラウンドニードル21のいずれかに配設するとよい。
【0060】ロッド25とオープンラウンドニードル21との連結は、ロッド26のチューブ連結部26bをチューブ25の一端にねじ込み、オープンラウンドニードル21の連結部24をチューブ25の他端にねじ込むことによって行う。
【0061】本例のオープンラウンドニードル21は、図7に示すように、12本の針27を含むものであり、針先端側のニードル先端部22と、12本の針27を支持する土台24と、針27を互いに固結すると共に土台24に固定するろう付け部23と、から構成されている。土台24には、先端部22の反対側に、ネジが形成されている。針27には、タトゥー用品業者が製造しているステンレススチール製のアメリカ製入れ墨用針を用いる。
【0062】本例のオープンラウンドニードル21は、12本の針27が、互いに、針27の1本分以上の間隔をおいて配置されている。また、隣り合う針27の中心の延長線が、互いに少なくとも交差しない範囲の角度,すなわち平行か、若しくは、針の先端部が外側を向く角度をもつように配置されている。本例のオープンラウンドニードル21は、12本の針27を備えているが、図8に示すように、21本の針27を備えるように構成してもよい。また、針の本数は彫る面積に応じて選択すればよく、それ以外の数の針27を備えるように構成してもよい。
【0063】ノズル3は、図9(A)に示すように、端部3aに向かって図面左側が細くなった略円筒体からなる。本例のノズル3の端部3aは、ノズル3内部に配置されるオープンラウンドニードル21を、直線方向のみに運動させるためのガイドとしての役割を果たすものである。ノズル3には、図9に示すように、孔28があけられている。この孔28は、ノズル3を超音波洗浄器で洗浄する際に、ノズル3内部まで充分に洗浄可能とする役割を果たす。
【0064】本例の入れ墨装置Sは、次の順序で組立てる。まず、連結部2のモータ取付部2bに、ネジ9でモータ1を固定する。次に、第一円盤10をモータ出力軸5に固定し、第二円盤11を第二円盤軸12により、第一円盤10に軸着する。ロッド26を、ノズル取付孔6に通し、端部26aを第二円盤12の側面に、ネジ等で固定する。ロッド26の他方の端部のチューブ連結部26bをチューブ25の一方の端部にねじ込み、チューブ25の他方の端部には、オープンラウンドニードル21の土台24のネジをねじ込む。その後、ノズル3を、ボルト8で、ノズル取付孔6に締め付け固定する。
【0065】次に、本例の入れ墨装置Sの動作について、説明する。まず、不図示の電線を電源に接続し、不図示のスイッチをオンにする。これにより、モータ1が作動し、モータ出力軸5が回転する。これに伴い、第一円盤10が、モータ出力軸5を中心に自転し、第二円盤軸12がモータ出力軸5を中心に回転する。これによって、第二円盤11が、図10の11a〜11b〜11c〜11dのように、モータ出力軸5を中心に公転する。また、第二円盤11は、第二円盤軸12を中心に自転する。この第二円盤11の公転および自転により、第二円盤11の側面に固定されたロッド26が、図10の一点破線上,すなわち、26w〜26x〜26y〜26zを回転運動する。
【0066】上記ロッド26は、図10の26w〜26x〜26y〜26zのように、回転運動し、この運動が、オープンラウンドニードル21にも伝達される。このとき、オープンラウンドニードル21は、ノズル3内部に配置されるため、ノズルの端部3aにより、ノズル3の径方向に運動することが阻止される。したがって、オープンラウンドニードル21は、ニードル21の方向(図6、図9のCC’方向)のみに直線往復運動する。なお、オープンラウンドニードル21とロッド26の間に配置されたチューブ25によっても、ノズル3の径方向の振動が吸収され、オープンラウンドニードル21のCC’方向のみの直線往復運動が安定化されている。
【0067】オープンラウンドニードル21は、図9(B)のCC’方向に直線往復運動することにより、図9(A)のニードル先端部22がノズル3内に引き込まれた状態と、図9(B)のニードル先端部22がノズル3から突出した状態とを繰り返す。この図9(A)と図9(B)との進退運動により、高速で着実に入れ墨を入れることが可能となる。
【0068】次に、本例のオープンラウンドニードル21を製造するために用いられる、入れ墨用オープンラウンドニードル製造装置について、針を12本備えたオープンラウンドニードルを例として説明する。本例の入れ墨用オープンラウンドニードル製造装置は、図11乃至図13に示すように、針27を通す貫通部としての複数のパイプ31、パイプ31を束ねて支持部材33に固定する結束部材32、針27先を揃えるための長さ決め部材34、パイプ31・結束部材32・長さ決め部材34を支持するための支持部材33を主要構成要素とする。
【0069】パイプ31は、耐熱性のある金属からなる円筒体として形成されている。パイプ31の内径は、針27の径よりも僅かに大きく形成され、パイプ31に針27を通したときに、針27の径方向への移動が規制されるように構成されている。このように、複数のパイプ31を用いることにより、パイプ31それぞれに針27を挿入したときに、それぞれの針27の間に、パイプ31の厚みに相当する間隙ができるため、オープンラウンドニードル21のそれぞれの針27の間に、所定の間隔を設けることが可能となる。
【0070】パイプ31は、製造するオープンラウンドニードル21が備える針27の本数に対応する数が、配設される。本例は、針27を12本備えたオープンラウンドニードル21を製造する装置であるため、パイプ31は12本配設される。パイプ31の配置を、図12(B)に示す。なお、本例は、針27を12本備えたオープンラウンドニードル21を製造する装置であるが、これに限定されず、例えば21本等、他の本数の針を備えたオープンラウンドニードル21を製造する装置としてもよい。
【0071】結束部材32は、耐熱性のある金属の塊状体からなり、複数のパイプ31と、支持部材33とを結合する役割を果たす。本例のパイプ31および結束部材32が、本発明の位置決め部材に該当する。結束部材32は、金属の塊状体でなく、針金、糸等で構成してもよい。この場合には、針金、糸等で、パイプ31と支持部材33とを縛り付けるとよい。
【0072】支持部材33は、直径1〜2mm程度の針金からなる。支持部材33は、パイプ31および結束部材32と、長さ決め部材34とを支持して、両者の間隔を一定に保持する役割を果たす。支持部材33は、図13に示すように、略コの字形に曲げられ、オープンラウンドニードル21を製造する際に、33aの範囲内を手で持つことが出来るように形成されている。長さ決め部材34は、シリコーン製の略板状体からなり、パイプ31から所定の間隔をおいた位置で、支持部材33に固定されている。なお、本例のパイプ31、結束部材32、支持部材33、長さ決め部材34は、説明した材料のみに限定されるものでなく、耐熱性のある一般的な金属材料、セラミクス材料等も用いることができるものである。
【0073】なお、本例では、位置決め部材として、パイプ31と結束部材32が設けられているが、図14,図15のように、パイプ31を備えず、所定数の貫通部としての孔37が設けられた位置決め部材35のみを設けるように構成してもよい。
【0074】以下、本例の入れ墨用オープンラウンドニードル製造装置を用いて本例のオープンラウンドニードル21を製造する方法について、針を12本備えたオープンラウンドニードルを例として説明する。まず、図13に示すように、位置決め部材35に12個設けられた貫通部としてのパイプ31に、12本の針を挿入する。このとき、長さ決め部材34の上面に、針27の先端が接するようにする。
【0075】次に、12本の針を固結する。本例では、12本の針の上に土台24を載せ、針27と土台24と図13のろう付け部23とを銀ろうでろう付けすることにより行う。ろう付けは、一般的なろう付けの方法により行う。その後、ろう付け部23が室温になったら、固結された12本の針27を長さ決め部材34および位置決め部材35から離脱し、オープンラウンドニードル21を完成する。
【0076】次に、本例の入れ墨装置Sおよび入れ墨用オープンラウンドニードルを用いて入れ墨を行う方法について説明する。まず、入れ墨用装置Sに、既に説明した手順で、オープンラウンドニードル21をセットする。図16に示すキャップ36に、入れ墨用液体カラーを入れる。なお、このキャップ36は、使用するオープンラウンドニードル21の本数によって、開口の直径が9mm程度のものから18mm程度のものまで、使い分けるとよい。また、入れ墨用カラーとは、入れ墨専用の顔料をいう。入れ墨のデザインに応じて、数十色の中から、使用する色彩・色調のものを適宜選択する。タトゥー用カラーとしては、アメリカ製のタトゥー用カラーであって、製造時に、滅菌して密封されたものを用いる。
【0077】オープンラウンドニードル21をキャップ36内のカラーに浸し、オープンラウンドニードル21の先端部22に、カラーを付着させる。その後、入れ墨用装置Sのスイッチを入れ、オープンラウンドニードル21を進退させる。オープンラウンドニードル21を皮膚に刺して、カラーを皮膚の表皮に入れて、入れ墨を行う。このとき、オープンラウンドニードル21は、皮膚の真皮の外側の表皮の深さまで刺すとよいが、この深さは、皮膚の表面から半紙5枚分程度の深さまで刺すとよい。なお、入れ墨終了後、または開始前に、本例の入れ墨装置のノズル3、ロッド26は、超音波洗浄器による洗浄、医療用のオートクレーブによる殺菌を行う。また、オープンラウンドニードル21、キャップ36は、一人に対して入れ墨を行う度に、専用の密閉型廃棄ボックスに廃棄する。
【0078】(参考例2)本例は、図17に示すように、オープンラウンドニードル21を、手彫り用の入れ墨装置に適用する参考例である。この入れ墨装置は、棒状体51と、連結部材54と、オープンラウンドニードル21と、からなる。棒状体51は、入れ墨をする際に手で握る部分であり、手が滑らないように、表面を凹凸に加工した滑り止め52が形成されている。棒状体51の図面左側端部には、ネジとして形成された連結ネジ部53が形成されている。
【0079】オープンラウンドニードル21と、棒状体51とは、連結部材54で連結されている。連結部材54は、ネジ孔が形成された筒状体として形成されている。連結部材54の内壁は、オープンラウンドニードル21の土台24に形成されたネジと螺合するネジ部と、棒状体51の連結ネジ部53と螺合するネジ部とが、形成されている。本例の手彫り用入れ墨装置の組付けは、棒状体51の連結ネジ部53と、オープンラウンドニードル21の土台24に形成されたネジ部とを、連結部材54のネジ孔に螺着することによって行う。
【0080】次に、本発明の入れ墨用オープンラウンドニードルを備えた手彫り用入れ墨装置を用いて入れ墨を行う方法について説明する。図16に示すキャップ36に、入れ墨用液体カラーを入れる。オープンラウンドニードル21をキャップ36内のカラーに浸し、オープンラウンドニードル21の先端部22に、カラーを付着させる。その後、オープンラウンドニードル21を皮膚に刺して、カラーを皮膚の表皮に入れて、入れ墨を行う。このとき、オープンラウンドニードル21は、皮膚の真皮の外側の表皮の深さまで刺すとよいが、この深さは、皮膚の表面から半紙5枚分程度の深さまで刺すとよい。本例のその他の構成は、参考例1と同様であるので、説明を省略する。
【0081】
【発明の効果】以上のように請求項1,2に係る発明によれば、針を皮膚に刺して入れ墨消去作用を有する物質を皮膚の表皮に直接供給する方法により、入れ墨を消去し、または視認困難な程度まで薄くすることが可能となる。この針を皮膚に刺して入れ墨消去作用を有する物質を皮膚の表皮に直接供給する方法は、皮膚の表面を痛めることなく、入れ墨を消去し、または視認困難な程度まで薄くする方法である。
【出願人】 【識別番号】300030129
【氏名又は名称】木村 洋勝
【出願日】 平成12年4月13日(2000.4.13)
【代理人】 【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦 (外1名)
【公開番号】 特開2003−339875(P2003−339875A)
【公開日】 平成15年12月2日(2003.12.2)
【出願番号】 特願2003−170915(P2003−170915)