| 【発明の名称】 |
血液透析装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉迫 武則 【住所又は居所】大阪市中央区博労町4−2−15 東レ・メディカル株式会社内
【氏名】今井 正己 【住所又は居所】東京都墨田区錦糸1丁目2番1号 東レ・メディカル株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】患者側への透析液の過剰供給や患者からの除水誤差、とくに過剰除水を確実に検知し、これら不具合が継続されることを防止して、望ましくない患者の体重増加や減少を未然に防止することが可能な血液透析装置を提供する。
【解決手段】血液透析要素2と、透析液循環路10と、切替弁20a、20bを介して交互に透析のために切り替え使用が可能な少なくとも2つの透析液供給・受入要素12a、12bと、透析液供給室13a、13bに交互に未使用透析液を供給する透析液供給経路19と、透析液受入室14a、14bから交互に使用済透析液を排出する使用済透析液排出経路21と、透析液循環路10から除水可能な除水ポンプを備えた除水経路22とを有する血液透析装置において、透析液供給経路19に第1の流量計52を設け、使用済透析液排出経路21の、除水経路22における除水量に対しては無関係な位置に第2の流量計53を設けた血液透析装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 血液流路と透析液流路との間に透析膜を有する血液透析要素と、実質的に閉回路からなり、前記血液透析要素の透析液流路に連通する透析液循環路と、該透析液循環路の前記透析液流路への透析液往路に接続された透析液供給室と透析液循環路の前記透析液流路からの透析液復路に接続された透析液受入室とを有する、透析液循環路に設けられた切替弁を介して交互に透析のために切り替え使用が可能な少なくとも2つの透析液供給・受入要素と、前記透析液循環路に設けられた循環ポンプと、各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に交互に未使用透析液を供給する透析液供給経路と、各透析液供給・受入要素の各透析液受入室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液受入室から交互に使用済透析液を排出する使用済透析液排出経路と、前記透析液循環路の前記透析液復路に接続され、該透析液復路から除水可能な除水ポンプを備えた除水経路とを有する血液透析装置において、前記透析液供給経路の、該透析液供給経路における前記切替弁の上流側の位置に、第1の流量計又はフロースイッチを設け、前記使用済透析液排出経路の、該使用済透析液排出経路における前記切替弁の下流側の位置に、第2の流量計又はフロースイッチを設けるとともに、該第2の流量計又はフロースイッチを、前記除水経路における除水量に対しては無関係な位置に配置したことを特徴とする血液透析装置。 【請求項2】 前記透析液循環路の前記透析液復路に開閉弁を介して少なくとも一つの分岐路が接続されており、該分岐路が、透析液復路側からみて前記開閉弁の下流側の位置で、前記使用済透析液排出経路の前記第2の流量計又はフロースイッチの上流側の位置に接続されている、請求項1の血液透析装置。 【請求項3】 前記第1の流量計および前記第2の流量計が、フロースイッチ付きの流量計からなる、請求項1または2の血液透析装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、血液透析装置に関し、とくに患者側への透析液の供給量および患者からの除水量が適正か否かを確実に監視することが可能な血液透析装置に関する。 【0002】 【従来の技術】血液透析装置は、既に知られ、広く実用化されており、その代表的なものとして、たとえば図6に示すような装置が知られている。図6に示す血液透析装置1において、2は血液流路3と透析液流路4との間に透析膜5を有し、両流路3、4間で血液透析を行う血液透析要素(ダイアライザとも呼ばれる)を示している。血液流路3には、患者の動脈6からの血液が血液回路7中に設けられた定量ポンプからなる血液ポンプ8を介して供給され、透析済の血液が静脈9に戻される。 【0003】上記血液透析要素2の透析液流路4には、実質的に閉回路からなる透析液循環路10が接続され、連通されている。透析液循環路10に設けられた循環ポンプ11により、透析液循環路10の透析液往路10aからの透析前の透析液が透析液流路4に供給され、透析済の透析液が透析液復路10bを戻される。この透析液循環路10は、上述の如く実質的に閉回路に構成されているが、この閉回路から後述の除水ポンプにより定量的に少量の透析液が排出されるので、それに見合う少量の水分が血液中から透析膜5を通して患者の血液中から透析液循環路10中に抜き取られることになる。 【0004】透析液循環路10の往路10aには、透析液供給・受入要素12aの透析液供給室13aが接続され、ここから往路10aに透析前の透析液が供給される。透析液循環路10の復路10bには、透析液供給・受入要素12aの透析液受入室14aが接続され、透析済の透析液がここに戻される。透析液供給室13aと透析液受入室14aとは弾性膜15aによって隔離されており、透析液供給により透析液供給室13aが縮小した分、透析液受入室14aが膨張できるようになっている。 【0005】上記透析液供給・受入要素12aに加え、もう一つの透析液供給・受入要素12bが設けられており、該透析液供給・受入要素12bも同一の構成を有し、透析液供給室13b、透析液受入室14b、弾性膜15bを有している。 【0006】透析液循環路10の透析液供給・受入要素12a、12bの入出口には、往路10a側に開閉弁(二方弁)からなる切替弁16a、16bが、復路10b側に開閉弁(二方弁)からなる切替弁17a、17bが、それぞれ設けられており、これら切替弁による切り替えにより、透析のために各透析液供給・受入要素を交互に切り替え使用できるようになっている。 【0007】切り替え使用される透析液供給・受入要素12a、12bのうちいずれか一方は透析のために使用されて透析液循環路10と連通されるが、他方は、透析液循環路10と遮断され、その間に新しい未使用の透析液が供給されるとともに使用済みの透析液が排出される。 【0008】新しい未使用の透析液の供給は、透析休止中の透析液供給・受入要素の透析液供給室に対し、切替弁18a、18bを備えた透析液供給経路19を通して行われ、使用済みの透析液の排出は、透析休止中の透析液供給・受入要素の透析液受入室に対し、切替弁20a、20bを備えた使用済透析液排出経路21を通して行われる。 【0009】透析液循環路10の復路10bには、除水経路22が接続されており、除水経路22に設けられた定量ポンプからなる除水ポンプ23により、定量的に少量の透析液が排出される。透析液循環路10は実質的に閉回路からなっているので、排出された透析液に見合う少量の水分が血液中から透析膜5を通して患者の血液中から透析液循環路10中に抜き取られることになり、抜き取られた水分と同量の、該水分を含有する透析液が除水経路22を介して排出されることになる。この除水経路22は、上述の使用済透析液排出経路21へと合流されており、抜き取られた水分を含有する透析液が適当な場所へと排出されるようになっている。 【0010】透析液循環路10の血液透析要素2の入出口には開閉弁24、25が設けられており、血液透析要素2の交換や洗浄の際に入出口を遮断できるようになっている。透析液循環路10の往路10aには、流量調整弁26、流量計27、温度センサー28が設けられており、所定の条件に設定して透析液を供給できるようになっている。透析液循環路10の往路10aと復路10bとの間はバイパス弁29を備えたバイパス路30で接続されており、通常時にはバイパス弁29は閉じられているが、透析液循環路10の洗浄時や血液透析要素2の交換時等に、必要に応じてバイパス弁29を開としてバイパス路30を開くことができるようになっている。 【0011】また、透析液循環路10の復路10bに設けられた循環ポンプ23の運転により、とくにその上流側は陰圧となるが、この透析液圧を透析液圧センサー31で検出できるようになっている。また、循環ポンプ23の下流側には、気液分離器32が設けられており、透析液循環路10からエア抜きできるようになっている。この気液分離器32のエア抜きライン33も、大気放出弁34を介して、前述の使用済透析液排出経路21に合流されている。 【0012】さらに、透析液循環路10の復路10bには、陰圧開放弁35を備えた分岐路36が接続されており、分岐路36の他端は使用済透析液排出経路21に合流されている。必要に応じてこの陰圧開放弁35を開くことにより、気液分離器32により追い出した気泡分、復路10b内が過陰圧となることを防ぐことができるよう、使用済透析液排出経路21から透析液を補充できるようになっている。 【0013】なお、透析液供給経路19には、フィルター37、圧力スイッチ38、減圧弁39、遮断弁40、脱気ポンプ41、ヒーター42、温度センサー43、脱気槽44が設けられており、これら機器によって適切な条件に整えられた透析液が待機中の透析液供給・受入要素12aまたは12bの透析液供給室13aまたは13bに供給されるようになっている。脱気槽44からのエア抜きライン45も前述の使用済透析液排出経路21に合流されている。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】このように構成された血液透析装置1においては、システムが正常に作動している場合には別段問題はないが、システムのいずれかの部位に異常が生じた場合、透析液供給・受入要素から患者側に過剰の透析液を供給したり、患者からの除水量が目標とする量から外れたりするおそれがあり、このような透析液の過剰供給や過剰除水を適切に監視できる手段がなかった。 【0015】透析液循環路10は閉回路に構成されているので、透析液供給・受入要素に透析液供給経路に未使用の透析液が過剰に供給され、それが透析に使用されてしまうと、過剰分の透析液を余分に受け入れる出口側としては患者側にしかなく、その分患者の体重増加を招いてしまう。このような透析液の過剰供給は、透析液循環路10から除水量が一定量の下では、結果的に患者からの除水不足を招くことにもなり、あるいは体重増加というトラブルを発生するおそれが生じる。 【0016】また、除水ポンプ23には信頼性の高い定量ポンプ(調整可能なポンプも含む)を使用するので、通常、除水ポンプ23を備えた除水経路22自身を通して排出される除水量に関しては、監視しなくても十分に高精度に目標とする量に制御可能である。ところが、たとえば大気放出弁34や陰圧開放弁35に漏れが生じると、エア抜きライン33や分岐路36を介して透析液循環路10から透析液が余分に排出されてしまい、透析液循環路10が閉回路に構成されていることから、この余分に排出された透析液に見合う量だけ患者から余分に除水してしまうことになる。このような過剰除水が生じると、患者の体重の過減少を生じ、患者に対し大きな負担をかけることになる。 【0017】そこで本発明の課題は、上記のような従来装置における問題点に着目し、簡単な改造で、患者側への透析液の過剰供給や患者からの過剰除水を確実に検知し、これら不具合が継続されることを防止して、望ましくない患者の体重増加や減少を未然に防止することが可能な血液透析装置を提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の血液透析装置は、血液流路と透析液流路との間に透析膜を有する血液透析要素と、実質的に閉回路からなり、前記血液透析要素の透析液流路に連通する透析液循環路と、該透析液循環路の前記透析液流路への透析液往路に接続された透析液供給室と透析液循環路の前記透析液流路からの透析液復路に接続された透析液受入室とを有する、透析液循環路に設けられた切替弁を介して交互に透析のために切り替え使用が可能な少なくとも2つの透析液供給・受入要素と、前記透析液循環路に設けられた循環ポンプと、各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に交互に未使用透析液を供給する透析液供給経路と、各透析液供給・受入要素の各透析液受入室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液受入室から交互に使用済透析液を排出する使用済透析液排出経路と、前記透析液循環路の前記透析液復路に接続され、該透析液復路から除水可能な除水ポンプを備えた除水経路とを有する血液透析装置において、前記透析液供給経路の、該透析液供給経路における前記切替弁の上流側の位置に、第1の流量計又はフロースイッチを設け、前記使用済透析液排出経路の、該使用済透析液排出経路における前記切替弁の下流側の位置に、第2の流量計又はフロースイッチを設けるとともに、該第2の流量計又はフロースイッチを、前記除水経路における除水量に対しては無関係な位置に配置したことを特徴とするものからなる。 【0019】この血液透析装置において、透析液循環路の透析液復路に開閉弁を介して少なくとも一つの分岐路が接続されている場合には、該分岐路が、透析液復路側からみて前記開閉弁の下流側の位置で、前記使用済透析液排出経路の前記第2の流量計又はフロースイッチの上流側の位置に接続されている構成とすることができる。 【0020】また、上記第1の流量計および第2の流量計には、ある流量が検知されたら信号を出力するフロースイッチ付きの流量計を用いることもできる。 【0021】上記のような本発明に係る血液透析装置においては、第1の流量計又はフロースイッチのいずれか、および、第2の流量計又はフロースイッチのいずれかを設けることが可能であるが、流量計を設ける場合について説明するに、待機中の透析液供給・受入要素に新しい透析液を供給する透析液供給経路に第1の流量計が設けられ、待機中の透析液供給・受入要素から使用済透析液を排出する使用済透析液排出経路に第2の流量計が設けられる。そして、除水ポンプを備えた除水経路は、この第2の流量計を設けた位置とは無関係に構成されるか、この第2の流量計をバイパスされ、除水経路における除水量は第2の流量計では検知されないようになっている。待機中の透析液供給・受入要素への新しい透析液の供給が完了してからその透析液供給・受入要素が次の透析に使用されるまでの間(受入れ完了待機期間)は、正常な作動状態では、第1の流量計および第2の流量計の設置位置ではともに流量が零となる。ところが、たとえば待機中の透析液供給・受入要素の入口側の切替弁等に漏れが発生していると、とくに第1の流量計の流量が上記受入れ完了待機期間中に零とはならず、ある流量値を示す。したがって、このような流量値が検知された場合には、その透析液供給・受入要素の入口側、とくに切替弁に異常があると判断可能になり、その判断に基づいた復元が可能となる。その結果、透析液供給・受入要素への透析液の過剰供給、ひいては、患者側への透析液を供給してしまうことによる体重増加を防止することが可能になる。 【0022】また、定量的に除水可能な除水ポンプは、信頼性の高い定量ポンプから構成されているので、この除水ポンプにより除水経路を介して排出される水分を含む透析液は別段流量検知されなくても、精度良く所望の流量に制御される。しかし、透析液循環路の分岐路等から漏れが生じていると、閉回路に構成された透析液循環路からその漏れ分余分に排出してしまうことになり、それによって患者からの除水量が目標値よりも増加して、患者の望ましくない体重減少を招くことになる。このような漏れ経路は使用済透析液排出経路に合流され、その合流位置下流側でかつ上記除水経路における除水量とは無関係な位置に第2の流量計が設置されているので、上記のような漏れが生じた場合、とくに上記受入れ完了待機期間中で第2の流量計による検知流量が零になるべき期間中にも、漏れ流量が検知されてしまうことになる。したがって、この受入れ完了待機期間中にとくに第2の流量計によってある流量が検知されたら、このような漏れが発生していると判断でき、その判断に基づいた復元が可能となる。その結果、過除水の発生を防止でき、ひいては、患者からの水分引きすぎによる望ましくない体重減少を防止することが可能になる。 【0023】さらに、上記受入れ完了待機期間中における第1の流量計および第2の流量計による流量検知は、第1、第2の流量計それぞれ別々に検知することも可能であるが、たとえば両流量計をある流量が検知されたら信号を出力するフロースイッチ付きの流量計とし、第1、第2の流量計の少なくともいずれか一方の流量が検知できるシステム、つまり、いずれの流量計が流量を検知しているかを問わないシステムとすることも可能である。このようにしても、どのタイミングの受入れ完了待機期間中に流量が検知されたかを判定することにより、どの透析液供給・受入要素への透析液供給回路に問題があるかを判断でき、すべての受入れ完了待機期間中に流量が検知される場合には、どの透析液供給・受入要素を使用しているかにかかわらず流量が検知されるわけであるから、透析液循環路からの漏れが生じていると判断することが可能になる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施態様に係る血液透析装置を示している。図1に示した血液透析装置51において、図6に付したのと同一の符号を付した部分については、図6に示した血液透析装置1と実質的に同一の構成を有している。したがって、それらの部分の構成、機能について、前述の図6についての説明に準じる。 【0025】本発明に係る血液透析装置51においては、透析液供給経路19の、該透析液供給経路19における2つの透析液供給・受入要素12a、12bの入口側に設けられた切替弁18a、18bの上流側の位置に、第1の流量計52が設けられている。したがって、これら切替弁18a、18bへと至る回路の流量は、この第1の流量計52で検知できるようになっている。また、使用済透析液排出経路21の、該使用済透析液排出経路21における切替弁20a、20bの下流側の位置に、第2の流量計53が設けられている。そして、この第2の流量計53は、除水経路22における除水量に対しては無関係な位置に配置されており、本実施態様では、除水経路22は第2の流量計53をバイパスさせて排液回路へと合流されている。したがって、使用済透析液排出経路21を介しての流量が発生した場合には、除水経路22における除水量とは無関係に検知されるようになっている。 【0026】また、透析液循環路10の透析液復路10bに開閉弁35(陰圧開放弁)を介して接続された分岐路36の使用済透析液排出経路21への合流位置は、上記第2の流量計53の上流側に配置されており、もしこの分岐路36から透析液が漏れてきた場合には、第2の流量計53で検知できるようになっている。さらに、透析液循環路10の透析液復路10bに設けられた気液分離器32からのエア抜きライン33も、開閉弁34(大気放出弁)の下流側で使用済透析液排出経路21に合流されており、この合流位置は、上記第2の流量計53の上流側に配置されて、もしこのエア抜きライン33から透析液が漏れてきた場合には、第2の流量計53で検知できるようになっている。このエア抜きライン33も、透析液循環路10の透析液復路10bに対しては、分岐路の一種を構成している。 【0027】さらに、本実施態様では、上記第1の流量計52および第2の流量計53は、ある設定流量以上を検知したら信号を発するフロースイッチ付きの流量計から構成されている。そして、第1の流量計52および第2の流量計53からそれぞれ個別の信号を独立に発することも可能であり、いずれかの流量計が信号を発する状態になったら、いずれの流量計かを問わず、単にいずれかの流量計設置回路に漏れが生じているとの検知信号として発することも可能である。 【0028】このように第1の流量計52および第2の流量計53を備え、除水経路22が第2の流量計53をバイパスされた本発明に係る血液透析装置51における作用について説明する。 【0029】まず、血液透析装置51に異常がなく、正常に作動されている場合、たとえば図2の(イ)に示すように、透析液供給・受入要素12a(図2〜図5ではAと表示)、12b(図2〜図5ではBと表示)は、たとえば30秒ずつ透析用に交互に切り替えられて使用され、流量計27によって検知される透析用供給流量(図2(イ)の縦軸)は、実質的に常時所定の一定流量に制御される。つまり、この切り替え動作が繰り返されることによって実質的に連続的な透析が行われる。このとき、透析に使用されていない待機中の透析液供給・受入要素12b、12aは、図2の(ロ)に示すように、上記切り替え周期よりも短いたとえば23秒間で透析液供給経路19を介して透析液供給室に新しい未使用の透析液が受け入れられるとともに、透析液排出経路21を介して透析液受入室から使用済みの透析液が排出され、その受入れが完了された後切り替えまでの残りの7秒間は待機される。この受入れ完了待機中には、正常な作動状態では、第1の流量計52には流量は発生せず、また、後述の分岐路等からの漏れが発生していない状態であるから、第2の流量計53にも流量は発生しない。したがって、たとえば、図2の(ロ)における縦軸を第1の流量計52および第2の流量計53によって検知された合計流量だとすると、上記受入れ完了待機中にはこの流量は零となる。 【0030】ところが、透析液供給・受入要素12b側、とくにその入口側の切替弁16bに漏れが生じると、図3に示すように、透析液供給・受入要素12bの透析液受入室13bに所定量の透析液の受入れが完了したにもかかわらず、上記受入れ完了待機中に第1の流量計52には流量が発生することになり、これが検知される。もちろん、第1の流量計52および第2の流量計53の流量を本実施態様のようにトータル的に検知しても、この流量発生状態は検知される。同様に、透析液供給・受入要素12a側、とくにその入口側の切替弁16aに漏れが生じると、図4に示すように、透析液供給・受入要素12aの透析液受入室13aに所定量の透析液の受入れが完了したにもかかわらず、上記受入れ完了待機中に第1の流量計52には流量が発生することになり、これが検知される。 【0031】このように、断続的に順次発生する受入れ完了待機中のうち、いずれかのタイミングの受入れ完了待機中にのみ漏れ流量が検知される場合には、透析液供給・受入要素12a、12bのいずれかへの透析液供給、とくにその入口側の切替弁に異常が発生していると判断でき、かつ、いずれの透析液供給・受入要素12a、12b側に異常が発生しているかも検知したタイミングにより特定できる。つまり、漏れ判断と漏れ箇所の特定の両方を同時に行うことができる。このような異常発生により、前述の如く、閉回路構成の透析液循環路10から患者側に不要な透析液が供給されてしまい、患者の体重増加を招くおそれがあるが、本発明では、この異常が迅速かつ部位を特定した状態で適切に検知、監視されるので、この種不具合の発生が実質的に未然に防止される。 【0032】また、分岐路36の陰圧開放弁35に漏れが生じると、上記受入れ完了待機中にも(つまり、他方の透析液供給・受入要素により透析が行われている間にも)この漏れが発生することになるので、図5に示すように、いずれの透析液供給・受入要素が受入れ完了待機中であるかに関わらず、すべてのタイミングの受入れ完了待機中に第2の流量計53に流量が発生することになり、この漏れが検知される。もちろん、第1の流量計52および第2の流量計53の流量を本実施態様のようにトータル的に検知しても、この流量発生状態は検知される。第2の流量計53は、除水経路22からは外されているので、定量的に行われている除水とは無関係にこの漏れが検知されることになる。 【0033】同様に、大気放出弁34に漏れが生じると、上記受入れ完了待機中にもこの漏れが発生することになるので、同じく図5に示すように、いずれの透析液供給・受入要素が受入れ完了待機中であるかに関わらず、すべてのタイミングの受入れ完了待機中に第2の流量計53に流量が発生することになり、この漏れが検知される。もちろん、第1の流量計52および第2の流量計53の流量を本実施態様のようにトータル的に検知しても、この流量発生状態は検知される。 【0034】したがって、図5に示したようなすべてのタイミングの受入れ完了待機中に流量が検知されると、透析液循環路10から漏れが生じていると判断でき、その漏れ箇所は、陰圧開放弁35または/および大気放出弁34である可能性が高いと判断でき、漏れ判断と漏れ箇所の特定の両方を同時に行うことができる。 【0035】このような漏れ発生状態を放置すると、閉回路構成の透析液循環路10から過剰に排液されてしまい、その過剰分、患者から余分に水分が除水されてしまうので、除水誤差、とくに、過剰除水(引き過ぎ)となり、患者の望ましくない体重減少を招く。しかし本発明では、この異常が迅速かつ部位を特定した状態で適切に検知、監視されるので、この種不具合の発生が実質的に未然に防止される。 【0036】なお、上記実施態様では、第1の流量計52および第2の流量計53を設け、それぞれ流量を検知できるようにしたが、本発明では、あるレベル以上の流量の発生の有無のみを検知するフロースイッチとすることも可能である。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の血液透析装置によれば、透析液供給・受入要素の入口側に第1の流量計又はフロースイッチを、除水経路を外した状態で、分岐路等が合流された使用済透析液排出経路に第2の流量計又はフロースイッチを設け、各経路に望ましくない漏れが生じたときそれを迅速かつ的確に検知できるようにしたので、患者側への透析液の過剰供給や患者からの過剰除水を確実に検知して、これら不具合が継続されることを防止して、望ましくない患者の体重増加や減少を確実に未然に防止することができる。 【0038】また、本発明では、上記のような望ましくない漏れ発生箇所を即座に特定することが可能であるので、本発明に係る構成を、血液透析装置のシステムの自己診断、とくに除水機構の自己診断に活用することができる。したがって、本発明は、血液透析装置が安定して正常に作動できるよう、そのシステムの信頼性向上に寄与できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591083299 【氏名又は名称】東レ・メディカル株式会社 【住所又は居所】東京都墨田区錦糸一丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成14年4月15日(2002.4.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091384 【弁理士】 【氏名又は名称】伴 俊光
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| 【公開番号】 |
特開2003−305118(P2003−305118A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月28日(2003.10.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−111913(P2002−111913) |
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