| 【発明の名称】 |
医療用ガイドワイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 昇 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内
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| 【要約】 |
【課題】体内に挿入された医療用ガイドワイヤの造影性を保持しつつ、ポリウレタン樹脂等の被覆層の表面に形成された親水性コート層が剥がれ難く、血管内にスムーズに挿入できる効果が保持される医療用ガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】先端側内芯部及び本体側内芯部を有し、広歪範囲高弾性Ni−Ti系合金ワイヤからなる芯線と、前記芯線の全体を被覆する、ポリウレタン樹脂100重量部と、これに対してタングステン微粉末50重量部を配合してなる第1被覆層と、前記第1被覆層を被覆するポリウレタン樹脂からなる第2被覆層と、前記第2被覆層の表面に形成されたポリエチレンオキサイドからなる親水性コート層と、を有する医療用ガイドワイヤ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端側内芯部及び本体側内芯部を有する芯線と、前記芯線の全体を被覆する、高分子材料及び高エックス線造影剤からなる第1被覆層と、前記第1被覆層を被覆する高分子材料からなる第2被覆層と、前記第2被覆層の表面に形成された親水性コート層と、を有する医療用ガイドワイヤ。 【請求項2】 医療用ガイドワイヤの外径が長手方向にわたり同一である請求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。 【請求項3】 前記先端側内芯部の外径が芯線の本体側から長手方向先端に向けて連続的減少する請求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。 【請求項4】 前記芯線が広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤから形成されている請求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。 【請求項5】 前記高エックス線造影剤がタングステンである請求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。 【請求項6】 前記高分子材料がポリウレタンである請求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。 【請求項7】 前記親水性コート層がポリエチレンオキサイドからなる請求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、医療用ガイドワイヤに関し、詳しくは、カテーテル等の挿入を案内するために体腔内に挿入される医療用ガイドワイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、カテーテル治療に際して、橈骨動脈や上腕動脈から医療用ガイドワイヤを挿入する方法が多く行われている。血管内等に挿入された医療用ガイドワイヤの位置を体外から把握するためには、一般に、医療用ガイドワイヤは、タングステン粉末等の高エックス線造影材を配合したポリウレタン樹脂等によって被覆層が形成されている。 【0003】また、さらに、ポリウレタン樹脂等の前記被覆層の表面に無水マレイン酸エチルエステル共重合体等による親水性コート層が形成されており(例えば、特開7−275366号公報等)、大腿動脈より細い血管、あるいは曲がりくねった血管にスムーズに挿入され、かつトルク伝達性が低下することを防いでいる。 【0004】しかし、体内の医療用ガイドワイヤの造影性を高めるべく、前記タングステン粉末等の高エックス線造影材を多量に配合すると、ポリウレタン樹脂等の被覆層の表面が粗くなるために、親水性コート層が剥がれ易くなり、医療用ガイドワイヤを血管内にスムーズに挿入できなくなるという問題が生じる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、体内に挿入された医療用ガイドワイヤの造影性を保持しつつ、ポリウレタン樹脂等の被覆層の表面に形成された親水性コート層が剥がれ難く、血管内にスムーズに挿入できる効果が保持される医療用ガイドワイヤを提供することにある。本発明者は、前記問題を解決すべく検討した結果、タングステン粉末を配合したポリウレタン樹脂の被覆層の外側にさらにポリウレタン樹脂による被覆層を設けることにより、親水性コート層が剥がれ難くなることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。 【0006】 【課題を解決するための手段】かくして本発明によれば、以下の(1)〜(7)が提供される。 (1)先端側内芯部及び本体側内芯部を有する芯線と、前記芯線の全体を被覆する、高分子材料及び高エックス線造影剤からなる第1被覆層と、前記第1被覆層を被覆する高分子材料からなる第2被覆層と、前記第2被覆層の表面に形成された親水性コート層と、を有する医療用ガイドワイヤ。 (2)医療用ガイドワイヤの外径が長手方向にわたり同一である、前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 (3)前記先端側内芯部の外径が芯線の本体側から長手方向先端に向けて連続的減少する、前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 (4)前記芯線が広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤから形成されている、前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 (5)前記高エックス線造影剤がタングステン金属粉である、前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 (6)前記高分子材料がポリウレタンである、前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 (7)前記親水性コート層がポリエチレンオキサイドからなる前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 【0007】 【発明の実施の態様】以下、本発明を詳述する。本発明の医療用ガイドワイヤは、先端側内芯部及び本体側内芯部を有する芯線と、前記芯線の全体を被覆する、高分子材料及び高エックス線造影剤からなる第1被覆層と、前記第1被覆層を被覆する高分子材料からなる第2被覆層と、前記第2被覆層の表面に形成された親水性コート層と、を有するものである。 【0008】本発明の医療用ガイドワイヤ全体の外径は、約0.25〜約1.05mm、好ましくは0.3〜0.65mmである。 【0009】本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線は、先端側内芯部及び本体側内芯部を有するものである。前記芯線の先端側とは、例えば、体孔内に挿入される医療用具(シースイントロデューサー、バルーンカテーテル等)とともに使用される際に、前記医療用具中に挿入される側の部分をいう。 【0010】前記芯線の先端側内芯部の範囲は、芯線の全体長の中、先端から本体側の長手方向に向かって2〜50%、好ましくは5〜30%迄の部分である。前記先端側内芯部の形状は、芯線の外形が、本体側から先端部に向けて連続的に減少するようにテーパー形状をなしていることが好ましい。 【0011】前記本体側内芯部は、芯線の全体の中、前記先端側内芯部を除いた部分であって芯線の全体長の中、50〜98%、好ましくは70〜95%を占める部分である。 【0012】前記芯線の断面形状は、通常、円形であり、その直径は先端部と本体部とで異なってもよく、また、本体部と後端部とで異なっても良い。先端側内芯は先端に向けて連続的に外径が減少するテーパ部を設けても良い。親水性コート層により被覆された医療用ガイドワイヤ全体の外径は、長手方向に同一である。ただし両端は丸みを帯びることが好ましい。 【0013】本発明の医療用ガイドワイヤの芯線の長手方向全体の長さは、とくに限定されないが、通常約10〜1,000cm、好ましくは20〜500cmである。先端側内芯部の長さはとくに限定されないが、通常約1〜50cmであり、好ましくは2〜30cmである。芯線の本体側内芯部の外径は、0.1〜1.5mmであり、好ましくは0.3〜0.6mmである。また、後端側内芯部の外径は、先端側と同様に後端部に向けて連続的に減少しても良い。 【0014】本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線の材料はとくに限定されないが、通常、ステンレス鋼、鉄、Ni−Ti系合金などの種々の金属が使用される。なお、本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線は、通常、前記先端側内芯部と本体側内芯部とが一体に形成されているものであるが、前記先端側内芯部と本体側内芯部とをそれぞれ別々の金属を用いて成形し、これらを溶接または接着剤等の接合手段により一体に形成したものであってもよい。この場合、前記先端側内芯部と本体側内芯部との境界付近においては、それぞれの部分の芯線の外径が同一であることが好ましい。 【0015】本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線の材料としてNi−Ti系合金を用いることが好ましく、なかでも、広歪範囲高弾性Ni−Ti系合金ワイヤから構成されていることがより好ましい。芯線の材料として広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤを使用した場合には、広歪範囲高弾性Ni−Ti系合金ワイヤが有する柔軟性及びトルク伝達性との両方を備えた医療用ガイドワイヤとして機能するからである。広歪範囲高弾性Ni−Ti系合金ワイヤは、冷間伸線加工後に熱処理も施すことなく、機械的矯正加工を行うことによって、材料特性と真直度を改善し、応力マルテンサイト変態を示さない性質のニッケル−チタン系合金ワイヤである(例えば、特開2000−140124号公報)。 【0016】前記高歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤは、通常、引張り試験における応力−ひずみ特性において、降伏点または変曲点が見られず、見かけの弾性率Eは300kgf/cm2(29.4GPa)以上であり、4%以上に延伸した後に除荷した際に、ひずみ2%負荷時と除荷時の応力差が15kgf/cm2(147MPa)以下であり、残留ひずみZが0.15%以下の性能を有し、広いひずみ範囲で高弾性的な性質を示すものである。 【0017】前記広歪範囲高弾性ニッケル−チタン合金としては、(1)Niを50.2〜51.5at%有し、残部がTiからなるNi−Ti系合金、(2)Niを49.8〜51.5at%有し、さらにCr、Fe、V、Al、Cu、Co、Moの中から1種又は2種以上を0.1at%含有し、残部がTiからなるNi−Ti系合金、(3)Tiを49.0〜51.0at%、Cuを5.0〜12.0at%、さらにCr、Fe、V、Al、Co、Moの中の1種または2種以上を0.1〜2.0at%含有し、残部がNiからなるNi−Ti−Cu系合金が用いられる。 【0018】このような広歪範囲高弾性Ni−Ti合金ワイヤは、又、例えば、古河電工株式会社よりNTワイヤー(FHP−NT)として市販されている。 【0019】本発明の医療用ガイドワイヤは、前記芯線の全体を被覆する、高分子材料及び高エックス線造影剤からなる第1被覆層を有するものである。第1被覆層の厚さはとくに限定されないが、通常、芯線の全体を被覆する第1被覆層を含めた全体の外径φ1は、約0.25〜約1.05mm、好ましくは0.3〜0.65mmの範囲になるように、第1被覆層の厚さが決められる。 【0020】前記第1被覆層は、高分子材料100重量部とこれに対して高エックス線造影材20〜200重量部、好ましくは30〜100重量部を配合してなる高分子材料組成物から形成される。前記高分子材料としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、フッ素樹脂、シリコンゴムもしくは各々のエラストマーおよび複合材料等が好適に使用される。なかでも、ポリウレタン樹脂が好ましい。 【0021】前記高エックス線造影材としては、特に限定されないが、例えば、バリウム、タングステン、ビスマス、鉛等の金属単体もしくはこれらの金属化合物による微粉末状のエックス線造影性物質が挙げられる。なかでも、タングステンの微粉末が好ましい。高エックス線造影材は、粒径1〜10μm程度の微粉末であることが好ましい。 【0022】本発明の医療用ガイドワイヤは、前記芯線の全体を被覆する第1被覆層の外側を、さらに、高分子材料からなる第2被覆層を有するものである。第2被覆層の厚さはとくに限定されないが、通常、0.05〜0.2mmである。第2被覆層を形成する高分子材料としては、前記第1被覆層において例示したものと同一のものが使用される。 【0023】芯線の全体を高分子材料と高エックス線造影材からなる第1被覆層及び高分子材料からなる第2被覆層で覆う方法は特に限定されていないが、例えば、芯線を、高分子材料と高エックス線造影材とを適当な溶剤を用いて調製した第1の溶液中に浸漬し、その後、高分子材料を適当な溶剤を用いて調製した第2の溶液中に浸漬して乾燥するコーティング方法;芯線に、高分子材料と高エックス線造影材とからなる組成物を用いて第1のチューブを調製し、これを芯線に被せて熱収縮し、次に高分子材料を用いて調製した第2のチューブを被せて熱収縮する方法;また、芯線と、予めそれぞれ調製した、高分子材料と高エックス線造影材とからなる第1の組成物と、高分子材料からなる第2の組成物とを、押出機を用いて一体に押出し成形する方法等が挙げられる。 【0024】本発明の医療用ガイドワイヤの表面には、親水性材料からなる親水性コート層が形成されている。親水性コート層の厚さは、通常乾燥厚さで、約0.3〜約100μm、好ましくは0.5〜80μmであり、特に好ましくは1〜30μmである。 【0025】前記親水性コート層を形成する親水性材料としては、各種の天然水溶性高分子物質及び合成水溶性高分子物質が使用できる。天然水溶性高分子物質として、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプンなどのデンプン系;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系;タンニン、リグニン系、アルギン酸、アラビアゴムヘパリン、キチン、キトサンなどの多糖類;ゼラチン、カゼインなどのタンパク質などが例示できる。 【0026】合成水溶性高分子物質としては、ポリビニルアルコール;ポリアルキレンオキサイド系として、ポリエチレンオキサイド;ポリアルキレンギリコール系として、ポリエチレングリコール:アクリル酸系として、ポリアクリル酸ソーダ;無水マレイン酸系として、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸ソーダ、メチルビニルエーテル無水マレイン酸アンモニウム塩、無水マレイン酸エチルエステル共重合体;フタル酸系として、ポリヒドロキシエチルフタル酸エステル;水溶性ポリエステルとして、ポリジメチロールプロピオン酸エステル;アクリルアミド系として、ポリアクリルアミド加水分解物、ポリアクリルアミド四級化物、サラニ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルホネート、水溶性ナイロンなどが例示される。 【0027】本発明の医療用ガイドワイヤにおいては、前記親水性コート層を形成する親水性材料としては、これらのなかでも、ポリアルキレンオキサイド系が好ましく、特にポリエチレンオキサイド(PEO)が好適である。 【0028】本発明の医療用ガイドワイヤの表面を、PEOを用いて親水性コート層を形成する方法は特に限定されないが、例えば以下の方法を採用することができる。例えば、ポリウレタン樹脂からなる第2被覆層を形成した医療用ガイドワイヤの表面にジイソシアネート化合物を接触させ、次に、ポリエチレンオキサイド及び塩基とを接触させることにより親水性コート層を設けることができる。塩基としては、ジシクロアミジンが好ましく、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.2]ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が例示できる。 【0029】 【作用】本発明の医療用ガイドワイヤは、体内に挿入された医療用ガイドワイヤの造影性を保持しつつ、ポリウレタン樹脂等の被覆層の表面に形成された親水性コート層が剥がれ難く、血管内にスムーズに挿入できる効果が保持される。 【0030】以下に本発明の実施態様に基づき本発明を説明する。図1は、本発明の実施態様の一つである医療用ガイドワイヤの断面図である。また、図2は、図1のI−I線における拡大断面図である。 【0031】本実施態様の医療用ガイドワイヤ1は、先端側内芯部3及び本体側内芯部4からなる芯線2が一体に構成され、芯線2は、広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤにより形成されている。芯線2の全体は、ポリウレタン樹脂とタングステン微粉末からなる第1被覆層6で被覆され、さらにその外側をポリウレタン樹脂からなる第2被覆層7が形成され、第2被覆層の表面にはPEOからなる親水性コート層8が設けられてる。 【0032】芯線の断面は、図2に示すように円形であり、その直径φ1は、本実施態様では、0.5mmである。本実施態様では芯線2の長手方向全体の長さL1は、120cmである。先端側内芯部3の長さL2は、本実施態様では、5cmである。本実施態様では、先端側内芯部3の外径は、先端部の方向に0.5mmから0.05mmまで減少するテーパ部が設けられている。テーパ部の長さL3は120mmである。 【0033】本実施態様では、第1被覆層6は、ポリウレタン樹脂100重量部と、これに対して、粒径4μmのタングステン微粉末50重量部を配合したものから形成されている。芯線2と第1被覆層6とを含めた外径φ2は、本実施態様では、0.64mmである。本実施態様では、第2被覆層7は、ポリウレタン樹脂から形成されている。芯線2と第1被覆層6及び第2被覆層7とを含めた医療用ガイドワイヤ全体の外径φ3は、本実施態様では、0.9mmである。 【0034】本実施態様では、第2被覆層7の表面には、PEOによって親水性コート層が形成されており、その膜厚は20μmである。本実施態様では下記のように第2被覆層7の表面に親水性コート層を設けた。 ■第1被覆層6及び第2被覆層7によって被覆された医療用ガイドワイヤを、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチルエチルケトン(MEK)溶液(濃度:5〜30%)に浸漬し、■引き上げて、数分間以上風乾し、■次いで、分子量40万のPEOのMEK溶液(濃度1〜20%)と、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンのMEK溶液(濃度0.1〜5%)とにそれぞれ10秒間浸漬し、■引き上げて、数分間風乾し、■さらに、30〜50℃において1〜20時間加熱処理し、■その後、水洗して未反応のPEOを除去した。 【0035】 【実施例】前記実施態様で説明した医療用ガイドワイヤについて、性能評価を行った。 (1)性能評価を行った医療用ガイドワイヤ■前記実施態様の医療用ガイドワイヤの仕様芯線の全長:120cm、先端直径:0.05mm、内芯部直径:0.5mm、先端側内芯部長さ:5cm、テーパ部長さ:120mm、芯線の金属:Niを51%含有し、残部がTiからなる広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤ、第1被覆層:ポリウレタン樹脂100重量部と、これに対してタングステン粉末50重量部配合したポリウレタン樹脂組成物、芯線と第1被覆層とを含めた外径は0.64mm、第2被覆層:ポリウレタン樹脂からなる、親水性コート層:PEOによりコーティングし、膜厚は50μm、医療用ガイドワイヤ全体の外径φ3は、0.9mmである。 ■比較実験のための医療用ガイドワイヤの仕様芯線の全長:120cm、先端直径:0.05mm、内芯部直径:0.5mm、先端側内芯部長さ:5cm、テーパ部長さ:120mm、芯線の金属:Niを51%含有し、残部がTiからなる広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤ、被覆層:ポリウレタン樹脂100重量部と、これに対してタングステン粉末50重量部配合したポリウレタン樹脂組成物、親水性コート層:PEOによりコーティングし、膜厚は50μm、医療用ガイドワイヤ全体の外径φ3は、0.65mmである。 【0036】(2)性能評価方法■直径20mm、厚さ10mmのシリコーン樹脂製円形板の中央に、上下に貫通する直径0.8mmの貫通孔を設け、前記実施態様の医療用ガイドワイヤを、前記貫通孔に先端部から挿入して抜き取る操作を10回行った。その後、前記実施態様の医療用ガイドワイヤから試験片を調製し、後述する湿潤性試験を行った。 ■直径20mm、厚さ10mmのシリコーン樹脂製円形板の中央に、上下に貫通する直径0.6mmの貫通孔を設け、前記比較実験のための医療用ガイドワイヤを、前記貫通孔に先端部から挿入して抜き取る操作を10回行った。その後、前記比較実験のための医療用ガイドワイヤから試験片を調製し、後述する湿潤性試験を行った。 ■湿潤性試験前記操作を行った医療用ガイドワイヤと、操作を行う前の医療用ガイドワイヤとを、それぞれ長さ約5cmに切断して試験片とする。次に加硫ゴムシート(幅5cm、長さ25cm、厚さ10mm)の表面に形成したV字型の溝(幅5mm、深さ2mm、長さ25cm)の上に置き、これらの全体を37℃の水槽内に水平に入れた後、ゴムシートを傾斜させて医療用ガイドワイヤの試験片が滑り落ちるときの傾斜角度(θ)の正接(tanθ)を静摩擦係数として測定した。数値が小さいほど、湿潤性が付与されている。 (3)性能評価結果本実施態様の医療用ガイドワイヤについての湿潤性付与試験では、前記■の操作を行う前の医療用ガイドワイヤの静止摩擦係数が0.2(試験10回の平均値)であり、前記■の操作を行った後の医療用ガイドワイヤの静止摩擦係数が0.25(試験10回の平均値)であり、良好な湿潤性が保持されていた。 【0037】これに対して、前記比較実験のための医療用ガイドワイヤについての湿潤性付与試験では、前記■の操作を行う前の医療用ガイドワイヤの静止摩擦係数が0.2(試験10回の平均値)であったが、前記■の操作を行った後の医療用ガイドワイヤの静止摩擦係数が0.6(試験10回の平均値)であり、湿潤性が低下した。 【0038】 【発明の効果】かくして本発明によれば、体内に挿入された医療用ガイドワイヤの造影性を保持しつつ、ポリウレタン樹脂等の被覆層の表面に形成された親水性コート層が剥がれ難く、血管内にスムーズに挿入できる効果が保持された医療用ガイドワイヤが得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000229117 【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号
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| 【出願日】 |
平成14年2月28日(2002.2.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−250904(P2003−250904A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−52959(P2002−52959) |
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