| 【発明の名称】 |
竹繊維製抗菌性布帛 |
| 【発明者】 |
【氏名】相田 雅彦 【住所又は居所】東京都千代田区東神田1−7−9RYT1号館401美洋株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】抗菌性が高く、使用や洗濯によって、抗菌性が低下しない布帛を得る。
【解決手段】竹の繊維を主成分とした布帛であり、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対して抗菌性を有し、病院のベッドシーツ、枕カバー、寝間着、白衣、マスク、包帯、ガーゼ、ワイシャツやブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料、カーテン等の抗菌用途に用いられる竹繊維製抗菌性の織物、編物等の布帛。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 竹の繊維を主成分とし、抗菌用途に用いられることを特徴とする竹繊維製抗菌性布帛。 【請求項2】 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対して抗菌性を有することを特徴とする請求項1に記載の竹繊維製抗菌性布帛。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は抗菌性を有する布帛に関する。より詳しくは本発明は、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して抗菌性を有する布帛に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の院内感染が問題となっており、特に、病院内において抵抗力の弱っている入院患者や高齢者等の易感染性患者がMRSAに感染すると人命にかかわることがあり、問題となっている。 【0003】従来、繊維製品に抗菌性を付与する方法として、例えば、特開平5−59662号公報には、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩等の中和酸性基含有酸性重合体、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の架橋剤及び硫酸銅・五水和物、硝酸銀等の殺菌性金属化合物を木綿生地等の基体繊維製品に付着することが提案されている。 【0004】また、特開平8−13341号公報には、セルロース系布帛にキトサン酸性溶液を含浸させ、次いで塩基性溶液で処理して、布帛にキトサンを凝固再生することにより付着せしめ、更に多官能エポキシ化合物で架橋処理する方法が提案されている。 【0005】また、特開平10−183466号公報には、多孔性セラミックおよび樹脂により2重に包み込まれているD−リモネンを繊維に付着することが提案されている。 【0006】特開2001−40574号公報には、繊維布帛に酸化チタン光触媒をセルロース系バインダーおよび/または多糖類バインダーで固着することが提案されている。 【0007】更にまた、特開平10−168757号公報には、繊維製品の洗濯において、最終濯ぎ工程終了後に、(a)カチオン界面活性剤系抗菌剤と(b)キレート剤とを含有する抗菌組成物で被処理繊維製品を処理してMRSAに対して抗菌性が付与された寝具類を提供することが提案されている。 【0008】また、特開2002−4148号公報や特開2001−348732号公報には、ポリエステル繊維に抗菌剤を含有させることが提案されている。更に、特開平7−310284号公報には繊維材料に対して抗菌成分を0.05〜3.0%owf、メラミン系化合物を0.05〜2.0%owf付与してMRSAに対しても効果のある抗菌繊維構造物を得ることが提案されている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述したような従来技術においては、繊維製品に抗菌剤を付着させて抗菌性を具備させるか、または、繊維を構成している樹脂体に抗菌剤を含有させて抗菌性を持たせている。しかしながら、このようなものにおいては長期間の使用につれて、また洗濯の繰返しにつれて、抗菌剤が消費されまたは落ちてしまい、抗菌性が低下するという問題がある。また、これらの抗菌性は特別に調合された抗菌剤により得ているため、抗菌性の低下とは別に人体に対する抗菌剤の悪影響が問題となることがある。 【0010】 【課題を解決するための手段】これらの問題を解決するため、本発明者は鋭意研究したところ、驚くべきことに竹から得られた繊維には抗菌性が、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して抗菌性があることを見出し、本発明に到達したものである。 【0011】すなわち、本発明においては竹の繊維を主成分とし、抗菌用途に用いられることを特徴とする竹繊維製抗菌性布帛により、天然の竹に由来する抗菌性をそのまま生かすことによって抗菌性を有する布帛を得るものである。 【0012】このため、本発明に係る布帛は使用によっても布帛の抗菌性は低下せず、また、天然に存在する抗菌性をそのまま用いているため人体に悪影響を与えることもない。特に、本発明に係る抗菌性布帛はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対しては効果が著しいことが見出されている。 【0013】なお、従来から竹を蒸焼きにして得られた竹酢液に抗菌性があることや特開平6−64666号公報に見られるように、セルロース系繊維からなるシート状の基材に竹から抽出された竹エキスを含浸させて生鮮食品用包装材を得ること等が提案されている。 【0014】しかしながら、このように竹から得られたエキスを繊維に含浸させた場合には、使用によりその効果が低減されることは明らかであり、竹繊維そのものの抗菌性に着目したものは、従来知られていなかった。 【0015】本発明に用いる布帛を構成するための竹繊維は、布帛の主成分が竹の繊維で構成されている。竹繊維に他の木綿や麻また絹等の天然繊維、またナイロン、ポリエステル等の合成繊維を混紡したり、竹繊維からなる糸と他の繊維からなる糸とを交織して用いることもできる。この場合に布帛における竹繊維の割合は少なくとも70%以上とすることが好ましい。本発明の布帛は織物、編物、または不織布等であり、ワイシャツ、ブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料も含む。 【0016】本発明に用いる竹としては、種々の種類の竹が用いられるが、例えば、孟宗竹、慈竹、黄竹、西鳳竹、水竹、鳥爪竹、白挟竹、緑竹、方竹等の一種または複数種を混合して用いることができる。 【0017】また竹繊維を得る方法については特に限定されない。例えば、竹の茎を粉砕し重亜硫酸塩、亜硫酸液で高温高圧下に蒸解して脱リグニンし、更に塩素や苛性ソーダを用いて更にリグニン等の不純物を除去して竹パルプとする。この竹パルプを原料として、従来から知られている所謂ビスコースレーヨン製造方法と同様にして、原料竹パルプをアルカリおよび二硫化炭素と反応させてセルロースザンテートとし、これを苛性ソーダに溶解し、更にこの溶液を小さな穴を持つ口金(紡糸ノズル)から硫酸/硫化ナトリウム溶液の凝固浴に押し出し、糸として凝固・再生して、レーヨン糸を得る。このレーヨン糸を用いて、織物、編物または不織布等の布帛(ワイシャツ、ブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料も含む)を作ることができる。 【0018】または、キュプラのように、銅アンモニウム液に竹パルプを溶解し、これを紡糸して糸とする。 【0019】或いは、竹パルプを酢酸と反応させて酢酸セルロースとして、アセテートとして紡糸して糸とする。 【0020】また、竹を原料とした竹パルプを用い、溶媒としてN/メチルモルフォリンオキサイド、凝固剤として水を用いて紡糸して、糸を製造する。このようにして得られた糸を用いて織物、編物、不織布等の布帛(ワイシャツ、ブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料も含む)としてもよい。 【0021】他の方法として、竹の茎をカットして片材とし、これを水に浸け、その後、ボイル、水洗いおよび開繊の工程を数回繰返して竹繊維を得る。好ましくは、竹繊維を得る工程中で軟化剤を用いて、竹繊維を軟化させる。得られた竹繊維を麻繊維と同様に紡績により糸とし、この糸を用いて織物、編物、不織布等の布帛(ワイシャツ、ブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料も含む)とすることもできる。 【0022】 【発明の実施の形態】竹を切断し、洗浄し、リグニン等の不純物を除去して竹パルプとし、この竹パルプを用いてレーヨンと同様の製造方法にて竹繊維100%からなる糸を製造し、この糸を用いて抗菌力試験を行った。標準布は一辺約18mmの正方形に切り取った木綿の布を用いた。竹繊維の糸からなる試料と木綿の標準布とは同じ重さ(0.4g)とした。試料および標準布の抗菌性試験をJIS L 1902:1998「繊維製品の抗菌性試験方法」8.定量試験を参考として行った。この試験においてはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の1菌株で行った。 【0023】試験結果を表1に示す。 【0024】 【表1】
具体的な試験方法は以下の通りである。 1)試験菌Staphylococcus aureus IID 1677(MRSA)2)試験用培地NA培地:Nutrient Agar(Difco)NB培地:Nutrient Broth(Difco)1/20NB培地:NB培地を精製水で20倍に希釈したもの3)試験菌懸濁液の調製試験菌をNA倍地に画線し、37±1℃、48時間培養後、その1コロニーをNB倍地に移植し、37±1℃、18〜24時間、振とう数110r /min で振とう培養した。次に、この培養液を常温のNB倍地で生菌数を約108/mlに調製した。あらかじめ37±1℃に保温したNB倍地20mlにこの菌液0.4mlを加え、37±1℃、2時間±30分、振とう数110r /min で振とう培養した。この培養液を氷冷した1/20NB倍地で菌数を約105/mlに調製し、試験菌懸濁液とした。 4)試料の調製検体を適当な長さに切り取り、俵状にくくったものおよび標準布(綿)を一辺約18mmの正方形に切り取ったもの、これらの約0.4gを試験容器に入れ、ふたを外してアルミホイルで覆い、高圧蒸気滅菌(121℃、15分間)を行った。滅菌後、アルミホイルを外してクリーンベンチ内で1時間風乾し、試料とした。なお、各試験菌について標準布は6試料、検体はそれぞれ3試料を準備した。 5)試験操作試料に試験菌懸濁液0.2mlを接種し、標準布3試料については直後に、他の試料はふたをして37±1℃、18時間培養後に、それぞれの生菌数を測定した。 6)生菌数の測定ポリソルベート80を0.2%添加した滅菌生理食塩水20mlを試験容器に入れ、ふたを閉め、約30cmの振幅で30回上下に振り、試料中の細菌を分散させた。この分散液についてNA倍地を用いた混釈平板培養法(37±1℃、48時間培養)により生菌数を測定し、試料当たりの生菌数を換算した。 【0025】この試験によって本発明に係る竹繊維を主成分とした布帛がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対して極めて高い抗菌性を示すことが分かる。 【0026】この本発明に係る布帛を用いてベッドシーツ、枕カバー、寝間着、マスク、包帯、ガーゼ、ワイシャツやブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料、白衣等を製造し、これらを病院の患者や、医師や、看護婦等に用いることによってMRSAの院内感染を防ぐことができる。 【0027】また、竹繊維70%、綿30%からなる40番手の糸を試料として、試験菌として白癬菌を用いてハロー試験を行ったところ、7日目のハローの幅が10.0mmであった。このことから本発明に係る竹繊維を主成分とした布帛が白癬菌に対しても抗菌性があることが分かった。 【0028】 【発明の効果】本発明によれば、竹そのものが有している抗菌性、特にMRSAに対する抗菌性、を見出したことにより、この抗菌性を有する竹を主成分として布帛を製造し、抗菌性用途に用いることによって極めて高い抗菌性の布帛を得ることができる。従って、この布帛によりベッドシーツ、枕カバー、寝間着、白衣、マスク、包帯、ガーゼ、ワイシャツやブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料、カーテン等を製造し、抗菌用途に用いることによって、MRSAの院内感染を予防することができる。また、この布帛により製造したベッドシーツ、枕カバー、寝間着、白衣、マスク、包帯、ガーゼ、ワイシャツやブラウスのような中衣料、肌着・下着類、ベビー衣料、カーテン等は長期に亘って使用しても、また洗濯によっても、抗菌性が低下することがなく、長く抗菌性を維持する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502150144 【氏名又は名称】美洋株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区東神田1−7−9 RYT1号館401
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| 【出願日】 |
平成14年4月25日(2002.4.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077654 【弁理士】 【氏名又は名称】三中 菊枝 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−310721(P2003−310721A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−125043(P2002−125043) |
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