| 【発明の名称】 |
透明化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂 口 裕 之 【住所又は居所】東京都府中市住吉町5丁目13番地の1 キユーピー株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】天然由来或いは類似の構造を有する界面活性剤を含有し、且つ使用感に優れた透明化粧料を提供する。
【解決手段】一般式【化1】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】一般式【化1】
(式中、R1はC14〜C22の直鎖飽和脂肪酸残基であり、R2はC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である)で表されるホスファチジルコリンを含んでなる透明化粧料。 【請求項2】上記ホスファチジルコリンが、卵黄リゾホスファチジルコリンの2位の水酸基をC8〜C10の飽和n−アルキル酸でエステル化したものである、請求項1に記載の透明化粧料。 【請求項3】上記ホスファチジルコリンが、1位を水素添加処理した大豆リゾホスファチジルコリンの2位の水酸基をC8〜C10の飽和n−アルキル酸でエステル化したものである、請求項1に記載の透明化粧料。 【請求項4】上記ホスファチジルコリンを、化粧料の全重量基準で、0.001〜5%含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明化粧料。 【請求項5】上記ホスファチジルコリンを、0.005〜3%含む、請求項4に記載の透明化粧料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、1位及び2位に特定の直鎖飽和脂肪酸残基を有するホスファチジルコリンを含んでなる新規な透明化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、透明な化粧水で代表される透明化粧料には、香料やトコフェロール等の油性成分を可溶化させるために、親水性の高い非イオン性界面活性剤が使用されている。しかし、透明化粧料で使用されている一般的な非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン部分を構成要素として含んでいる、いわゆるポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤であり、そのポリオキシエチレン部分により親水性を付与しているためか、使用感において滑らかさに欠けるという問題があり、また、合成の非イオン性界面活性剤自体に対して、化粧料上の安全性に関して問題があるのではないかと疑問視されている。したがって、使用感に優れ、且つより安全性の高い界面活性剤に対する要望が存在し、該要望に応じて、近年、天然由来或いは類似の構造を有する界面活性剤が注目されるようになってきた。 【0003】このような界面活性剤の代表的なものとして、例えば、ジアシル型のリン脂質、モノアシル型のリゾリン脂質等が知られており、当分野において、既に、卵黄或いは大豆由来のものが一般的に使用されている。具体的には、ジアシル型のリン脂質を含有した透明化粧料は、特公平6−15449号公報等において、また、モノアシル型のリゾリン脂質を含有した透明化粧料は、特公平5−52286号公報等においてそれぞれ提案されている。 【0004】また、リン脂質は、1位及び2位の脂肪酸残基が一般的に長鎖脂肪酸残基であることから、水に分散させた場合、脂質二重膜であるリポソームを形成すると言われているが、このリポソームを利用した化粧料が、例えば、透明化粧料ではないが、皮膚外用剤として特開昭60−152410号公報において提案されている。 【0005】しかしながら、特公平6−15449号公報に提案されている透明化粧料は、リン脂質を透明に溶解させるために親水性の高いポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤をリン脂質に対して10倍量以上も配合しているためか、皮膚に塗布した場合、滑らかさに欠け、よって、使用感が満足できるものではなかった。また、特公平5−52286号公報に提案されているリゾリン脂質を含有した透明化粧料も滑らかさに欠けており、上記何れの透明化粧料とも依然として使用感に問題があるものであった。 【0006】一方、特開昭60−152410号公報に提案されているリポソーム化粧料は、滑らかさに優れているものの、その状態は透明ではなく白濁を呈しているものである。 【0007】したがって、天然由来或いは類似の構造を有する界面活性剤を含有し、且つ使用感に優れた透明化粧料の開発が切望されているのが現状である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然由来或いは類似の構造を有する界面活性剤を含有し、且つ使用感に優れた透明化粧料を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目的を達成すべく、本出願人が既に特開平2−174787号公報において提案しているリン脂質系乳化剤、即ち、1位にC14〜C22の直鎖飽和・不飽和脂肪酸残基を有し、2位にC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基を有するホスファチジルコリンからなる乳化剤に基いて、鋭意研究を重ねた結果、1位の脂肪酸残基が飽和型のものを用いるならば、意外にも使用感に優れ、且つ透明な化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0010】すなわち、本発明は、一般式【化2】
(式中、R1はC14〜C22の直鎖飽和脂肪酸残基であり、R2はC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である)で表されるホスファチジルコリンを含んでなる透明化粧料を提供するものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。 I.ホスファチジルコリン本発明の透明化粧料は、上記一般式を有するホスファチジルコリンを必須の構成成分として含んでなるものである。本発明におけるR1は、C14〜C22の直鎖飽和脂肪酸残基であるが、ここにおける炭素数は、一般に、天然のホスファチジルコリンやリゾホスファチジルコリンにおいて、グリセロール骨格の1位の水酸基とエステル結合している脂肪酸残基の直鎖炭化水素部分が飽和型のものとほぼ同一である。よって、天然由来のホスファチジルコリンやリゾホスファチジルコリンの飽和型のものを原料として本発明で使用するホスファチジルコリンを製造した場合には、得られるホスファチジルコリンは、一般に、R1がC14〜C22の範囲に入る多種類の直鎖飽和脂肪酸残基を含むものである。また、例えば、1−パルミトイルリゾホスファチジルコリン等を原料として本発明で使用するホスファチジルコリンを製造した場合には、得られるホスファチジルコリンは、R1がC14〜C22の範囲に入る(例えばC16)1種類の直鎖飽和脂肪酸残基のみを含むものである。また、本発明におけるR2は、C8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である。R2相当部分の炭素数が一般にC14〜C22の範囲にある天然由来のホスファチジルコリンのものと比べると、炭素数が一段と低い値のものである。 【0012】本発明で使用するホスファチジルコリンの製造方法の一例を、以下、天然のリゾホスファチジルコリンを出発原料とする製造例でもって説明する。なお、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。 【0013】(1)エステル化反応天然のリゾホスファチジルコリン(1位がエステル結合しており、R1に相当する脂肪酸残基がほぼC14〜C22の直鎖飽和型のもの:例えば、卵黄リゾホスファチジルコリン、1位を水素添加処理した大豆リゾホスファチジルコリン等)の2位の水酸基を下記の方法に準じてC8〜C10の飽和n−アルキル酸でエステル化する。リゾホスファチジルコリン(1モル)、n−アルキル酸(1.5〜2.0モル)、エステル化触媒として4−ジメチルアミノピリジン(2.2〜2.6モル)及び溶媒としてクロロホルム(リゾホスファチジルコリン重量の約60倍量)を、窒素気流下氷冷しながら混合する(混合液はほぼ10℃)。この混合液に、エステル化を促進させるために、脱水剤N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.5〜3.0モル)をその約6倍量のクロロホルム溶液として滴下する。次いで室温において遮光下、窒素気流下で撹拌しながら40時間保持し、エステル化反応を行う。なお、エステル化反応で用いるn−アルキル酸は、具体的には、炭素数が8個のn−オクタン酸、炭素数が9個のn−ノナン酸、又は炭素数が10個のn−デカン酸である。 【0014】(2)脱水剤等の除去処理エステル化反応終了後の反応液から減圧下溶媒(クロロホルム)を留去する。その残留物にクロロホルム溶液[クロロホルム:メタノール:水=5:4:1(容量比)]を、原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約75mlの割合で添加し、撹拌後、主としてN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドの分解物からなる不溶物をガラスフィルター(目径:20〜30μ)で濾過除去する。なお、クロロホルム溶液を加えるのは、未反応(未分解)脱水剤を分解させ、有機溶媒に不溶なものにするためである。このようにして脱水剤(分解物)を除去して得られた濾液は、次いで、これとほぼ同容量のイオン交換樹脂[アンバーライトIRA−45とアンバーライトIRC−50との1:1(容量比)混合物]を充填したカラムに通過させ、未反応の(過剰の)n−アルキル酸及びエステル化触媒4−ジメチルアミノピリジンを樹脂に吸着除去させる。得られた溶出液は、樹脂のクロロホルム溶液(脱水剤除去の際に用いた溶液と同じものでよく、しかも同量でよい)による第一洗浄液と合わせた後、減圧下で溶媒(クロロホルム、メタノール、水)を留去する。残留物を上記のクロロホルム溶液の1/3容量のクロロホルムに溶解させ、生じる不溶物(主として残存しているN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドの分解物)を更にガラスフィルターで濾別除去する。 【0015】(3)ホスファチジルコリンの分画上記の除去処理によって得られた濾液には目的とするホスファチジルコリンの他、上記の処理によっても除去しえない幾分かのn−アルキル酸や4−ジメチルアミノピリジンが依然残留しているので、これらを除くために該濾液を次いで以下に示すシリカゲルカラムクロマト処理に付す。すなわち、濾液をその8倍容量のシリカゲルを充填したカラムに供した後、下記の3種類の混合溶液を用いて段階的に溶出操作を行なう。 【0016】■ 第一溶出操作クロロホルム:メタノール=9:1(容量比)の混合溶媒を原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約500mlの割合で用いる。この溶出操作により主としてn−アルキル酸が溶出される。なお、この操作の終了は、100ml画分で集めた溶出液をそれぞれ溶媒留去した上で残渣(n−アルキル酸)が認められなくなったことを確認した時点とする。 【0017】■ 第二溶出操作クロロホルム:メタノール=1:1(容量比)の混合溶媒を原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約500mlの割合で用いる。この溶出操作により主として4−ジメチルアミノピリジンが溶出される。なお、この操作の終了は、溶出液の一部をTLCで展開後、検出を254nmの紫外線ランプ照射により行ない、黒色スポット(紫外線吸収物質4−ジメチルアミノピリジンの存在は蛍光部を黒色化する)が認められなくなったことを確認した時点とする。 【0018】■ 第三溶出操作クロロホルム:メタノール=3:7(容量比)の混合溶媒を原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約500mlの割合で用いる。この溶出操作により目的とするホスファチジルコリンが溶出される。なお、この操作の終了は、溶出液の一部をTLCで展開後、検出をDittmer試薬噴霧により行ない、リン脂質の存在を示す青色スポットが認められなくなったことを確認した時点とする。上記の第三溶出操作で得られる溶出液は、次いで減圧下で溶媒を留去し、目的とするホスファチジルコリンを得る。収率は、60〜70重量%程度である。 【0019】上記の製造方法は、天然のリゾホスファチジルコリンを出発原料とする方法であるが、他の原料、例えば、1−パルミトイルリゾホスファチジルコリン等を出発原料とする場合も上記に準じて行えばよい。 【0020】II.透明化粧料本発明において「透明化粧料」とは、透明容器に充填し、側面から透視した場合、他方側の様子が認識できる程度に透明な化粧料をいう。必ずしも無色透明である必要はない。具体的には、660nmの透過率が70%以上である、例えば、整肌化粧水、柔軟化粧水、美容液、アクネトリートメントローション、アフターシェーブローション、クレンジングローション等を挙げることができる。 【0021】本発明の透明化粧料は、前記一般式で表されるホスファチジルコリン(式中、R1はC14〜C22の直鎖飽和脂肪酸残基で、R2はC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である)を含んでなるものであるが、その含有量は、化粧料の全重量基準で、0.001〜5%程度であることが好ましく、また、0.005〜3%程度であることがさらに好ましい。このような含有量で前記ホスファチジルコリンを含んでなる本発明の透明化粧料は、所望する滑らかな使用感を有する化粧料である。 【0022】本発明の透明化粧料には、必須成分である上述のホスファチジルコリンのほか、化粧料に一般的に用いられる他の成分、例えば、多価アルコール、油性成分、低級アルコール、保湿剤、美白剤、増粘剤、防腐剤、界面活性剤等を本発明の効果を損わない範囲内で適宜配合することができる。 【0023】用いうる他の成分を、以下、それぞれ具体例を挙げて説明する。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンチレングリコール、イソプレングリコール、グルコース、マルトース、ショ糖、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、エリスリトール等が挙げられる。 【0024】油性成分としては、例えば、油溶性ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK群のビタミン、ジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、ジパルミチン酸アスコルビル、モノパルミチン酸アスコルビル、モノステアリン酸アスコルビル等のビタミン誘導体等)、油溶性ホルモン類(エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストロン、ジエチルスチルペストロール等)、油溶性色素類(スダンIII、フルオレセン等)、油溶性紫外線吸収剤類(オキシベンゾン、2,5−ジイソプロピル桂皮酸メチル等)、動植物油類(アボガド油、オリーブ油等の動植物油、ジグリセリン脂肪酸エステル等の誘導体等)、高級脂肪族炭化水素類(スクワラン、スクワレン、流動パラフィン等)、高級脂肪酸類(ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等)、高級アルコール(ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)、エステル油類(イソプロピルミリステート、オクチルドデシルミリステート等)、コレステロール等のステロール類、スフィンゴ脂質(セラミド、セレブロシド、スフィンゴミエリン等及びこれらの誘導体等)等が挙げられる。 【0025】低級アルコールとしては、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール等が挙げられる。 【0026】保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン又はこれらの塩、コラーゲン、トレハロース等が挙げられる。 【0027】美白剤としては、例えば、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸2−グルコシド等のアスコルビン酸誘導体、アルブチン、プラセンタエキス、コウジ酸、米糠抽出物、エラグ酸、ルシノール、クジンエキス等が挙げられる。 【0028】増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ペクチン、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、タマリンドガム、カンテン末、ポリエチレングリコール等が挙げられる。 【0029】防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、フェノキシエタノール等が挙げられる。 【0030】界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン[以下、POE−と略す]アルキルエーテル(POE−オレイルエーテル、POE−セチルエーテル等)、POE−分岐アルキルエーテル(POE−オクチルドデシルアルコール、POE−2−デシルテトラデシルアルコール等)、ソルビタンエステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンイモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート等)、POE−ソルビタンエステル(POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、POE−ソルビタンモノラウレート等)、グリセリン脂肪酸エステル(グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノミリステート等)、POE−グリセリン脂肪酸エステル(POE−グリセリルモノオレエート、POE−グリセリルモノステアレート、POE−グリセリルモノミリステート等)、POE−ジヒドロコレステロールエーテル、POE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル(POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油イソステアレート等)、POE−アルキルアリールエーテル(POE−オクチルフェノールエーテル等)、グリセロールエーテル(グリセロールモノイソステアレート、グリセロールモノミリステート等)、POE−グリセロールエーテル(POE−グリセロールモノイソステアレート、POE−グリセロールモノミリステート等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルイソステアレート、デカグリセリルデカイソステアレートジステアリルジイソステアレート等)、高級脂肪酸(ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等)の塩(カリウム、ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、リン脂質(ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン及びこれらのリゾ体)等が挙げられる。 【0031】 【実施例】以下、本発明を実施例及び試験例でもって更に詳しく説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1及び比較例1〜4下記の表1に示した配合割合で、油相及び水相の各原料をそれぞれ室温で、或いは必要に応じて一時加温して均一に混合した後、油相を撹拌させながら水相を徐々に添加することにより、各化粧料を調製した。 【0032】なお、表中の「MCPC」は、本発明の実施例1で用いたホスファチジルコリンを示す。当該製品は、前述の[0012]〜[0018]において詳説した製造方法に準じ、原料として、R1がC14〜C22の直鎖飽和脂肪酸残基のものを主に含有する卵黄リゾホスファチジルコリン(キユーピー(株)製「卵黄リゾレシチンLPC−1(商品名)」)と、炭素数が8個のn−オクタン酸を用いて製造したものである。その際用いた各原料の使用量は、以下の通りであった。 (a)卵黄リゾホスファチジルコリン 20gその他の原料は、卵黄リゾホスファチジルコリン1モルに対し、(b)n−オクタン酸 1.8モル(c)4−ジメチルアミノピリジン 2.4モル(d)N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド 2.8モルの比となる量の、(b)、(c)及び(d)を用いた。 【0033】また、表1中の「リゾホスファチジルコリン」及び「水素添加リン脂質」は、それぞれ、MCPCの原料として使用したキユーピー(株)製の「卵黄リゾレシチンLPC−1(商品名)」、及びキユーピー(株)製の「卵黄レシチンPL−100P(商品名)」であることを示す。 【0034】更にまた、表1中の「MCPC(不飽和)」は、卵黄リゾホスファチジルコリンに代えて1−オレイルリゾホスファチジルコリン(SIGMA社製)を用いた他は、上述した本発明のMCPCと同様な方法で製したもので、1位がn−オレイン酸、2位がn−オクタン酸の脂肪酸残基を有しているものを示す。 【0035】 【表1】
【0036】試験例実施例1及び比較例1〜4で得られた各化粧料を下記の方法により評価した。評価結果を下記の表2に示す。 1)透明度660nmの透過率を測定し、透明度を評価した。なお、表中の透明度の各評価記号は下記のことを意味し、カッコ内の数値は実測した透過率を示す。 ◎:透過率90%以上○:70%以上90%未満△:50%以上70%未満×:50%未満【0037】2)使用感(滑らかさ)得られた各化粧料を女性15名に使用してもらい、滑らかさについて評価してもらった。なお、表中の使用感の各評価記号は下記のことを意味し、表中の数値は、当該記号の評価人数を示す。 ◎:非常に滑らかである○:滑らかである△:余り滑らかでない×:滑らかさが全く無い【0038】3)総合評価表中の各評価記号は下記のことを意味する。 ◎:透過率が90%以上で、且つ使用感において「◎」及び「○」と評価した人数の合計が10名以上のもの○:透過率が70%以上で、且つ使用感において「◎」及び「○」と評価した人数の合計が8名以上のもの△:総合評価が「◎」、「○」及び「×」以外のもの×:透過率が50%未満、或いは使用感において「△」及び「×」と評価した人数の合計が10名以上【0039】 【表2】
【0040】MCPCを使用した本発明の実施例1の化粧料は、透明度に優れ、しかも滑らかな使用感を有していた。これに対し、POE(20)オレイルエーテルやリゾホスファチジルコリンを使用した化粧料は、透明度に優れているものの滑らかな使用感を有しておらず、また、MCPC(不飽和)や水素添加リン脂質を使用した化粧料は、滑らかな使用感を有するものの透明度に劣っていた。したがって、MCPCを使用することにより、使用感に優れた透明化粧料が得られることが理解される。 【0041】実施例1のMCPCは、炭素数が8個のn−オクタン酸を原料として製したものであるが、炭素数が9個のn−ノナン酸或いは炭素数が10個のn−デカン酸を原料として製したMCPCを使用した場合にも、試験の結果は、実施例1の場合とほぼ同一であり、よって、使用感に優れた透明化粧料が得られることが理解される。 【0042】 【発明の効果】1位及び2位に特定の炭素数の直鎖飽和脂肪酸残基を有するホスファチジルコリンを含んでなる本発明の透明化粧料は、皮膚に対して滑らかで、使用感に優れた透明化粧料である。上記ホスファチジルコリンとして、天然のリゾホスファチジルコリン、例えば卵黄リゾホスファチジルコリン又は1位を水素添加処理した大豆リゾホスファチジルコリンなどの2位の水酸基をC8〜C10飽和n−アルキル酸でエステル化したものを用いた透明化粧料は、従来の合成非イオン性界面活性剤を用いた透明化粧料に比べて、使用感に優れていることに加えて、安全性の高い透明化粧料を提供し得、よって、当該化粧料の更なる開発並びに需要拡大が期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001421 【氏名又は名称】キユーピー株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区渋谷1丁目4番13号
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| 【出願日】 |
平成14年5月27日(2002.5.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075812 【弁理士】 【氏名又は名称】吉武 賢次 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−342126(P2003−342126A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−152668(P2002−152668) |
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