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【発明の名称】 熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体
【発明者】 【氏名】辻 健司
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】小野 富士夫
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【要約】 【課題】香料含有熱応答性ゲル口腔用組成物のゾルゲル転移温度が大きく変動したり、或いは、使用時にはゲル化しなくなったりすることがなく、更に薬効成分を配合した場合には、熱応答性ゲルの口腔内滞留性に基づいて期待される、高められた薬効を提供する。

【解決手段】温度感応性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤、エタノール、及び香料成分を含有し、ゾルゲル転移温度が20〜45℃の範囲内にある熱応答性ゲル口腔用組成物が、ポリエチレンテレフタレート樹脂の内面からなる容器に充填されていることを特徴とする熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温度感応性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤、エタノール、及び香料成分を含有し、ゾルゲル転移温度が20〜45℃の範囲内にある熱応答性ゲル口腔用組成物が、ポリエチレンテレフタレート樹脂の内面からなる容器に充填されていることを特徴とする熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体。
【請求項2】 熱応答性ゲル口腔用組成物が、温度感応性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤を10〜25%、エタノールを3〜15%、及び香料成分を0.1〜1.5%含有する請求項1記載の熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体。
【請求項3】 熱応答性ゲル口腔用組成物が、更に薬効成分を含有する請求項1又は2記載の熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体【請求項4】 アルミニウム、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂の材質からなる内蓋シートを内部に取り付けたキャップにより密封されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香料成分を配合した熱応答性ゲル口腔用組成物の保存時のゾルゲル転移温度安定性を向上させた熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歯磨や洗口剤等の口腔用組成物には、う蝕、歯周疾患、口臭等の予防・改善を目的として殺菌剤や抗炎症剤などの薬効成分が配合されている。又一般的に、これら口腔用組成物には、香味の調和をはかる等の目的で香料成分も配合されている。殺菌剤としては塩化セチルピリジニウムやトリクロサンが、抗炎症剤としてはトラネキサム酸やε−アミノカプロン酸がよく知られている。これら薬効成分配合の口腔用組成物においては、口腔内の隅々まで容易に製剤を行き渡らせることは勿論であるが、更に、口腔疾患の予防を考えた場合、何らかの方法で製剤の口腔内滞留性を高め、その薬効を充分に発揮させることが必要である。
【0003】今までに、製剤の口腔内滞留性を高める各種の方法が提案された。その中でも、熱応答性ゲル製剤の応用技術がよく知られている。ここにいう熱応答性ゲル製剤とは、温度感応性ゾルゲル転移製剤とも言われ、粘膜などの局所に適用したときにゲル化する可逆性熱ゲル化性製剤であって、例えば口腔用軟膏等に応用されている技術である。一般に熱応答性ゲル製剤は、水性組成物に温度感応性高分子化合物等のゲル化剤を配合して調製される。ゲル化剤の中では、温度感応性のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤が最もよく知られており(例えば、特許文献1、2、3、4参照)、界面活性能や安全性に特に優れるところから好んで用いられている。
【0004】しかし、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤と香料成分を併用した熱応答性ゲル口腔用組成物を調製し、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用性プラスチック容器に充填した包装体を作製し、次いでこの包装体を保存しておくと、内容物である製剤のゾルゲル転移温度が大きく変動したり、或いは、使用時にはゲル化しなくなったりする現象があることを本発明者らは知見した。特に、メントール等の油溶性香料成分を含有する製剤の場合に、上述の現象が顕著に見られた。
【0005】換言すれば、単に従来技術を利用して、温度感応性のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤と香料成分を配合した熱応答性ゲル口腔用組成物を調製し、これを充填した包装体を作製しても、保存後の使用時に所望のゾルゲル転移温度が得られないということである。従って、薬効成分が配合されている場合には、熱応答性ゲルの口腔内滞留性に基づいて期待される、高められた薬効を充分に発揮させることは困難である。
【0006】
【特許文献1】特開昭63−27422号公報(第7−8頁)
【特許文献2】特開平2−300114号公報(第6頁)
【特許文献3】特開2001−302479号公報(請求項1)
【特許文献4】国際公開第95/15152号パンフレット(第7頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、温度感応性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤と香料成分を含有する熱応答性ゲル口腔用組成物を容器に充填し、これを保存した時に、製剤のゾルゲル転移温度にさほど変化がなく、使用時には所望の効果が発揮される熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体を提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、更にエタノールを配合すると共に、熱応答性ゲル口腔用組成物をポリエチレンテレフタレート樹脂の内面からなる容器に充填することにより、ゾルゲル転移温度の安定性が確保されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明によれば、温度感応性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤、エタノール、及び香料成分を含有し、ゾルゲル転移温度が20〜45℃の範囲内にある熱応答性ゲル口腔用組成物が、ポリエチレンテレフタレート樹脂の内面からなる容器に充填されていることを特徴とする熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体は、熱応答性ゲル口腔用組成物と容器とからなる。そして、この熱応答性ゲル口腔用組成物は、20〜45℃の範囲内のゲル転移温度T(G)を有し、そのT(G)よりも低い温度で液状を示し、そのT(G)以上の温度でゲル状を示すものである。
【0011】本発明の熱応答性ゲル口腔用組成物において使用される温度感応性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤は、一般式:HO(CO)a−(CO)b−(CO)cHで表される。式中、a,b,cは任意の整数を表わす。この中から本発明においては、温度感応性として知られているものを適宜選択して用いる。一般的には、総分子量中のポリオキシエチレン部分の割合が50〜90%で、ポリオキシプロピレン部分の分子量が1000〜5000であるものが用いられる。このような、分子量等を有するものは、BASF社から、プルロニックF−127、F−108、F−98、F−88、F−87、F−77、F−68などの商品名で市販されている。これらは2種類以上を併用しても良い。
【0012】ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤の配合量は、特に好ましくは、熱応答性ゲル口腔用組成物全体の10〜25%(質量百分率、以下同じ)の範囲内である。10%に満たないと組成物がゾルゲル転移を示さない場合がある。25%を越えるとカチオン性殺菌剤などを配合した場合にその効果が大きく低下することがある。
【0013】本発明においては、特に、下記第1界面活性剤(A)と下記第2界面活性剤(B)の温度感応性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤を併用して用いると、特に−10℃以下の低温における保存安定性およびカチオン性殺菌剤の抗菌活性の発現が確保される利点がある。
【0014】第1界面活性剤(A)は、総分子量中のポリオキシエチレン部分の割合が75〜85%でポリオキシプロピレン部分の分子量が2,000〜2,500のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤である。その代表的な具体例には、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(40)があり、プルロニックF−88などの商品名で販売されている。
【0015】第2界面活性剤(B)は、総分子量中のポリオキシエチレン部分の割合が65〜75%でポリオキシプロピレン部分の分子量が3,400〜4,300のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤である。その代表的な具体例には、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)があり、プルロニックF−127、ルトロールF−127、ポロクサマー407などの商品名で販売されている。
【0016】この場合、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤(A)に対する界面活性剤(B)の配合割合は2〜30%の範囲内である。2%に満たないと低温保存した場合に析出物の発生等の問題が生じ、また、30%を越えるとカチオン殺菌剤を配合した場合などにその効果が損なわれることがある。次に、界面活性剤(A)と界面活性剤(B)の総配合量は、口腔用組成物全体の10〜25%とするのが好ましい。
【0017】本発明の熱応答性ゲル口腔用組成物は、エタノールを含有する。エタノールは、主として香料や薬効成分等の油溶性成分の可溶化に寄与するものであるが、その他に、製剤のゾルゲル転移温度の変動にも影響する。エタノールの配合量は、通常、熱応答性ゲル口腔用組成物全体の3〜15%、より好ましくは4〜10%である。3%に満たないと、特定種のプルロニックを用いた場合に、油溶性成分が低温保存条件下で析出したり、製剤の白濁化が起こる。又、15%を越えるとゾルゲル転移温度に大きく影響し、特定種のプルロニックを用いた場合に製剤が20〜45℃の範囲内でゲル化しなくなることもある。
【0018】本発明の熱応答性ゲル口腔用組成物には、歯磨や洗口剤などの口腔化粧料分野で知られた各種の香料成分を配合し得る。香料成分としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウインターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、才レンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ペイ油、レモングラス油、オリカナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、および、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルピールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラレート、エチルメチルフェニルグリジデート、バニリン、ウンデカラクトン、ベキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイト、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラゾン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルラレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等が挙げられる。これらはその1種もしくは2種以上を混合し用いられる。
【0019】香料成分の全配合量は、特に好ましくは、熱応答性ゲル口腔用組成物全体の0.1〜1.5%である。0.1%に満たないと使用中あるいは使用後の口中において清涼感をほとんど感じることができず、又、1.5%を越えると油溶性香料成分の析出や製剤の白濁化が顕著に起こり、安定性上の問題点となることもある。
【0020】熱応答性ゲル口腔用組成物には、より好ましい本発明の態様として、各種の薬効成分を配合し得る。薬効成分は、口腔疾患の予防、治療に用いられる殺菌剤、抗炎症剤、止血剤、組織賦活剤、局麻剤などである。具体的には、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、ビオゾール、クロルヘキシジン塩類等の殺菌剤、セファレキシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸ミノサイクリン、フラジオマイシンなどの歯肉炎用薬理成分の他、塩酸プロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸ジブカイン、ベンゾカイン、プロスタグランジンF2、インドメタシン、イブプロフェン、塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、グリチルリチン酸及びその塩類、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェロール、α−ビサボロール、アズレン、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、、銅クロロフィンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第1スズ、モノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッ化物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩などの水溶性リン酸化合物、エビジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナなどの抽出物などである。任意成分については、次の容器説明の後に述べる。
【0021】本発明に用いる容器は、内面がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる。ポリエチレンテレフタレート樹脂に替えてポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を用いても本発明の効果を達することができない。容器の形は、ラミネートチューブ、ブローチーブ、ボトル状容器、ディスペンサー容器、エアゾール容器、スポイト状容器などが挙げられる。これらの容器にはキャップもしくはアトマイザーポンプ、内容物を噴霧することなく噴出させるノズル付きポンプ等を装着させることもできる。
【0022】本発明に用いる容器のキャップとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等の通常使用される材質のもので良い。また、本発明の組成物を内面がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる容器に充填し、さらにアルミニウム、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂の材質からなる内蓋シートを内部に取り付けたキャップで包装体を密封することにより、さらに過酷な保存温度条件下でも良好なゾルゲル転移温度安定性を確保することが可能となる。アルミニウム製のシートを用いる場合、アルミニウムのみから構成されるシートを使用することも可能であるが、アルミニウムのみのシートは破れやすいという問題もある。そのような場合は、表面及び/又は裏面をある材質の樹脂でコーティングしたものを使用することが望ましい。コーティング材質の例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリアクリロニトリル、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、アルミニウム製等の上記シートを使用する場合は、キャップの内面にシートを取り付けて封をする方法と、容器の口の部分にシートをシーリングしてからキャップにて封をする方法のいずれでも採用できる。
【0023】本発明の口腔用組成物は、洗口剤、歯周ポケット用、歯間部用、口腔粘膜用製剤等の液体製剤、液状歯磨剤、口中清涼剤、その他洗浄剤、口腔用水性ゲル基剤等に調製し得るものである。
【0024】本発明の熱応答性ゲル口腔用組成物には、前述した必須成分に加えて任意成分を本発明の効果を妨げない量的範囲で配合しうる。そのような任意成分としては、粘稠剤、粘結剤、甘味剤、防腐剤、着色剤、界面活性剤、研磨剤などがある。
【0025】粘稠剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット等を配合し得る。粘結剤としては、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ガーボポール、グアガム、モンモリロナイト、ゼラチン等を配合し得る。甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等を配合し得る。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等を配合し得る。着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン、酸化アルミナ等が配合し得る。
【0026】界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、N−アシルザルコシネート、N−アシルグルタメート、N−アシルタウレート、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどである。
【0027】研磨剤としては、沈降性シリカ、ジルコノシリケートなどのシリカ系研磨剤、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
【0028】熱応答性ゲル口腔用組成物は、水媒体に前述した成分を添加し調製した後、容器に充填される。その用途は、洗口剤、歯周ポケット用製剤等の液体製剤、液状歯磨剤、口中清涼剤、その他洗浄剤、口腔用水性ゲル基剤などである。
【0029】
【発明の効果】本発明の熱応答性ゲル口腔用組成物充填包装体においては、内容物である製剤のゾルゲル転移温度が大きく変動したり、或いは、使用時にはゲル化しなくなったりすることがない利点を有する。薬効成分を配合した場合には、熱応答性ゲルの口腔内滞留性に基づいて期待される、高められた薬効を提供することができる。
【0030】
【実施例】次ぎに本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
【0031】[実施例1〜2と比較例1〜4]プルロニックと表1に示す香料を配合した表2に示す熱応答性ゲル口腔用組成物を調製し、内容物のゾルゲル転移温度を測定しゾルゲル転移能を評価した。次いで、内容物を表2併記の樹脂製円筒形ボトル状容器(容量30mL、ポリプロピレン製キャップ)に充填し包装体を作製した。この包装体を、40℃の条件下に1ヶ月保存した後、内容物のゾルゲル転移温度を測定しゾルゲル転移温度安定性を評価した。結果を表2に示した。尚、香料は下記の組成のものを共通して用いた。
【0032】
【表1】

【0033】〔ゾルゲル転移温度測定〕内容物4mLを共栓付試験管に取り、クールニクス中で徐々に温度を上昇させた。10分間放置した後、試験管を傾けゲル化し流動しなくなるかどうかを判定した。サンプルが流動しなくなる温度をゾルゲル転移温度とした。また、判定は以下の基準に従った。
【0034】〔ゾルゲル転移能〕
○:ゾルゲル転移温度が20〜45℃の範囲内にある×:ゲル化しないか、又は転移温度が20〜45℃の範囲外である【0035】〔ゾルゲル転移温度安定性〕
○:調製直後品と保存品の転移温度差が±3℃の範囲内である×:調製直後品と保存品の転移温度差が±3℃を超える【0036】
【表2】

【0037】表2の結果が示すように、ゾルゲル転移温度が20〜45℃の範囲内にある液体製剤を、材質がポリエチレンあるいはポリプロピレンの内面からなる容器に充填して保存した場合、内容物のゾルゲル転移温度安定性に良好な結果は認められなかった(比較例1〜4)。一方、材質がポリエチレンテレフタレート製の内面からなる容器に充填して保存した場合には、ゾルゲル転移温度安定性に良好な結果が認められた(実施例1,2)。
【0038】[実施例3〜8と比較例5]表2の実施例1に示す組成の熱応答性ゲル口腔用組成物を調製し、材質がポリエチレンテレフタレート製の内面からなる樹脂製円筒形ボトル状容器(容量30mL、ポリプロピレン製キャップ)に充填し、表3併記の内蓋シートを内部に取り付けたキャップにより包装体を密封した。この包装体を、50℃の条件下に1ヶ月保存した後、内容物のゾルゲル転移温度を測定しゾルゲル転移温度安定性を評価した。結果を表3に示した。尚、香料は表1の組成のものを共通して用いた。
【0039】
【表3】

【0040】表3の結果が示すように、ゾルゲル転移温度が20〜45℃の範囲内にある液体製剤を、材質がポリエチレンテレフタレート製の内面からなる容器に充填し、さらに材質がテフロン(登録商標)、ナイロン又はアルミニウムの内蓋シートを内部に取り付けたキャップにより密封して保存した場合、過酷な温度(50℃)条件下においても内容物のゾルゲル転移温度安定性に良好な結果が認められた(実施例3〜8)。一方、内蓋シートを取り付けないキャップにより密封して過酷な温度(50℃)条件下で保存した場合には、ゾルゲル転移温度安定性に良好な結果は認められなかった(比較例5)。
【0041】〔実施例9〜18〕表4に示す香料を配合した表4に示す熱応答性ゲル口腔用組成物を調製し、ゾルゲル転移能および40℃、1ヶ月保存後のゾルゲル転移温度安定性を上記の方法に従って評価した。結果を表5に示す。
【0042】
【表4】

【0043】
【表5】

【0044】表5に示すように、この組成物は20〜45℃の範囲内でゾルゲル転移温度を有し、しかも内容物をPET製容器に充填し40℃条件下で1ヶ月保存した場合、内容物のゾルゲル転移温度安定性は良好であった。
【0045】

この組成物は20〜45℃の範囲内でゾルゲル転移温度を有し、しかも内容物をPET製容器に充填し、40℃条件下で1ヶ月保存した場合の内容物のゾルゲル転移温度安定性は良好であった。
【0046】

この組成物は20〜45℃の範囲内でゾルゲル転移温度を有し、しかも内容物をPET製容器に充填し、40℃条件下で1ヶ月保存した場合の内容物のゾルゲル転移温度安定性は良好であった。
【0047】

この組成物は20〜45℃の範囲内でゾルゲル転移温度を有し、しかも内容物をPET製容器に充填し、40℃条件下で1ヶ月保存した場合の内容物のゾルゲル転移温度安定性は良好であった。
【0048】

この組成物は20〜45℃の範囲内でゾルゲル転移温度を有し、しかも内容物をPET製容器に充填し、40℃条件下で1ヶ月保存した場合、内容物のゾルゲル転移温度安定性は良好であった。
【0049】

この組成物は20〜45℃の範囲内でゾルゲル転移温度を有し、しかも内容物をPET製容器(容量30mL,ポリプロピレン製キャップ)に充填し、さらにアルミニウムの表面、裏面がそれぞれポリエチレン、PETからなる内蓋シートを内部に取り付けたキャップにより包装体を密封した。この包装体を50℃の条件下に1ヶ月保存した場合、内容物のゾルゲル転移温度安定性は良好であった。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所1丁目3番7号
【出願日】 平成14年10月16日(2002.10.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−327520(P2003−327520A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−335794(P2002−335794)