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【発明の名称】 皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】早瀬 基
【住所又は居所】神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 カネボウ株式会社化粧品研究所内

【氏名】三浦 康資
【住所又は居所】神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 カネボウ株式会社化粧品研究所内

【氏名】古里 真一
【住所又は居所】神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 カネボウ株式会社化粧品研究所内

【氏名】小林 悦子
【住所又は居所】神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 カネボウ株式会社化粧品研究所内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)グリセリンモノ脂肪酸エステル、(B)微生物由来のリポペプチド類、及び(C)25℃で液状の高級脂肪酸を含有することを特徴とする乳化型皮膚外用剤。
【請求項2】 (C)25℃で液状の高級脂肪酸が分岐脂肪酸であることを特徴とする請求項1記載の乳化型皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚外用剤に関する。更に詳しくは、グリセリンモノ脂肪酸エステルを多量に含有しながら幅広い粘度領域を持ち、且つ保存安定性に優れた乳化型皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】グリセリンモノ脂肪酸エステルは皮膚外用剤の汎用原料であり、親油型界面活性剤としてローション、乳液、ジェル、クリーム、クレンジング料等に多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、グリセリンモノ脂肪酸エステルは製剤中で結晶化することが多く、且つ多量に製剤中に配合した場合、粘度を著しく上昇させる。ゆえに、強く望まれているにもかかわらず、グリセリンモノ脂肪酸エステルを多量に配合しながら、幅広い粘度領域(乳液状〜クリーム状〜固形状)の製剤を調製すること、そして優れた保存安定性を得ることは非常に困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情に鑑み、本発明は、グリセリンモノ脂肪酸エステルを多量に含有しながら幅広い粘度領域を持ち、且つ保存安定性に優れた乳化型皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討の結果、グリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する乳化型皮膚外用剤において、微生物由来のリポペプチド類及び25℃で液状の高級脂肪酸を配合することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明の請求項1は、(A)グリセリンモノ脂肪酸エステル、(B)微生物由来のリポペプチド類、及び(C)25℃で液状の高級脂肪酸を含有することを特徴とする乳化型皮膚外用剤である。
【0007】また本発明の請求項2は、(C)25℃で液状の高級脂肪酸が分岐脂肪酸であることを特徴とする請求項1記載の乳化型皮膚外用剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳説する。
【0009】本発明で用いられる(A)グリセリンモノ脂肪酸エステルは、化粧品原料として公知の物質であり、具体例としてはモノステアリン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノヒドロキシステアリン酸グリセリン、モノミリスチン酸グリセリン等が挙げられ、これらを1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】本発明に用いられる(A)グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量は、乳化型皮膚外用剤の総量を基準として、2〜28質量%(以下、単に%と略す)が好ましく、特に好ましくは4〜16%である。配合量が2〜28%の範囲外では、安定な皮膚外用剤を得ることができない場合がある。
【0011】本発明で用いられる(B)微生物由来のリポペプチド類は、化粧品原料として公知の物質であり、特開2000−327591号公報に記載されているような、バチルス属微生物等原核生物に由来したリポペプチド化合物を使用することが好ましい。微生物由来のリポペプチド類としては、例えば、サーファクチン[Biochem.Bioph.Res.Commun.,31:488-494,(1968)]、プリパスタチン[J.Antibiot.,Vol.39,No.6,745-761,(1986)]、アースロファクチン[J.Bacteriol.,Vol.175,No.20,6459-6466,(1993)]、イチュリン[Biochemistry,Vol.17,No.19,3992-3996,(1978)]セラウェッチン[J.Bacteriol.,Vol.174,No.6,1769-1772,(1992)]、及びそれらの構成単位であるアミノ酸由来のカルボキシル基の金属塩(ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等)や有機アンモニウム塩(トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、リジン塩、アルギニン塩、コリン塩等)等が挙げられ、サーファクチンナトリウム(商品名:アミノフェクト、昭和電工社製)を使用することが特に好ましい。
【0012】本発明で用いられる(B)微生物由来のリポペプチド類の配合量は、乳化型皮膚外用剤の総量を基準として、0.05〜9%が好ましく、特に好ましくは0.1〜5%である。配合量が0.05%未満では、本発明の目的を達成することができない場合があり、また9%を超えて配合しても、その超えた配合量に見合った効果の増大が得られない場合がある。
【0013】本発明で用いられる高級脂肪酸は、化粧品原料として公知の物質であり、25℃で液状であればよく、例えば不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸としては、例えばオレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられ、分岐脂肪酸としては、例えば大豆油、綿実油等の植物油、又は硬化油から抽出した分岐脂肪酸や、植物油を原料とするダイマー酸の製造時における副産物として生成する分岐脂肪酸が挙げられる。特に臭い等の嗜好性面から飽和分岐脂肪酸が望ましく、特に望ましくはイソステアリン酸である。
【0014】本発明で用いられる(C)25℃で液状の高級脂肪酸の配合量は、乳化型皮膚外用剤の総量を基準として、0.01〜60%が好ましく、特に好ましくは0.05〜40%である。配合量が0.01%未満では、本発明の目的を達成することができない場合があり、また60%を超えて配合しても、その超えた配合量に見合った効果の増大が得られない場合がある。
【0015】尚、本発明の乳化型皮膚外用剤には上記の必須成分の他に、本発明の目的を達成する範囲で他の成分、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油、パラフィン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブスクワラン、米スクワラン、米糠油、オリーブ油、大豆油、米胚芽油、ホホバ油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油等の植物油、ミツロウ、モクロウ、カルナウバロウ等のロウ類、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル等のエステル油、セタノール、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、コレステロール、フィトステロール等のステロール類、分岐脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステル等のステロール脂肪酸エステル類、セチル硫酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型等の両性界面活性剤、レシチン、水素添加レシチン、リゾフォスファチジルコリン、セラミド、セレブロシド等の天然系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤、硬化油等の加工油類、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のトリグリセリド、タール系色素、酸化鉄等の着色顔料、パラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン、デヒドロジクレオソール等の抗酸化剤、エタノール等の一級アルコール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、珪酸ナトリウム等の無機塩類、琥珀酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム等の有機酸塩類、塩酸エタノールアミン、硝酸アンモニウム、塩酸アルギニン、燐酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸塩等の塩類、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、エデト酸等のキレート剤、水酸化カリウム、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の中和剤、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリン、アセチルグルコサミン等の多価アルコール、乳酸等のヒドロキシ酸、ヒアルロン酸、コラーゲン、シルク蛋白等の生体高分子、乳酸菌、酵母等の培養生成物、カミツレ、センブリ、アロエ、モモ、カロット、スギナ、クワ、桃の葉、セージ、ビワ葉、キュウカンバー、セイヨウキズタ、ハイビスカス、ウコン、ローズマリー、オウゴン、チョウジ、フェンネル、プルーン、甘草等の植物エキス、セリン、スレオニン、N−メチルグリシン、N−メチル−l−セリン、アミノ酪酸、ヒドロキシアミノ酪酸等のアミノ酸類、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルフォン酸塩等の紫外線吸収剤、ビタミンA類、B類、C類、E類等のビタミン類、グリチルリチン酸塩、香料等を用いることができるがこれに限定されるものではない。
【0016】本発明の乳化型皮膚外用剤は、常法に従って製造することができ、前記必須成分及び任意成分の配合量を適宜選択して用いることにより、乳液状〜クリーム状〜固形状の幅広い粘度領域のものを容易に得ることができる。
【0017】また本発明の乳化型皮膚外用剤は、化粧料、医薬部外品、医薬品等に適用することができ、その使用形態としては、例えば美溶液、ローション、乳液、パック、化粧下地、メイクアップ料、マッサージ料、クレンジング料等が挙げられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、組成の単位は全て質量%である。
【0019】実施例に先立ち、本発明の皮膚外用剤、及び比較例の皮膚外用剤を用いた保存安定性試験について述べる。
【0020】<保存安定性試験>試料をガラスビンに入れ、室温で3週間放置後の状態及び外観を観察し異常が認められる場合(分離、析出)を×で表し、異常が認められない場合を○で表した【0021】実施例1〜5、比較例1〜4(乳液)
表1記載の組成で下記の調製法に従い乳液を調製し、前記の試験を実施した。結果を表1に併せて示す。
【0022】(1)組成【表1】

【0023】(2)調製法成分a及び成分bを各々80℃で溶解した後混合して、攪拌しつつ冷却し、30℃まで冷却して、乳液を調製した。
【0024】(3)結果表1より明らかなように本発明に係る乳液(実施例1〜5)は比較例1〜4の乳液と比べて、優れた保存安定性が認められた。
【0025】実施例6、比較例5〜14(クリーム)
表2記載の組成で下記の調製法に従いクリームを調製し、前記の試験を実施した。結果を表2に併せて示す。
【0026】(1)組成【表2】

【0027】(2)調製法成分a及び成分bを各々80℃で溶解した後混合して、攪拌しつつ冷却し、30℃まで冷却して、クリームを調製した。
【0028】(3)結果表2より明らかなように本発明に係るクリーム(実施例6)は、25℃で液状である他の油剤を配合した比較例5〜14のクリームと比べて、優れた保存安定性が認められた。
【0029】実施例7〜9(乳液)
下記の組成及び調製法に従い乳液を調製し、前記の試験を実施した。
【0030】
(1)組成 実施例7 実施例8 実施例9成分aイソステアリン酸 1.0 1.0 3.0モノステアリン酸グリセリン 4.0 4.0 4.0ベヘニルアルコール 2.0 2.0 2.0サラシミツロウ 1.0 1.0 −ミリスチン酸セチル 1.0 1.0 1.0セスキオレイン酸ソルビタン 1.0 1.0 1.0長鎖分岐脂肪酸コレステリル *1 0.1 0.1 0.1水素添加レシチン 0.1 0.1 0.1植物スクワラン 5.0 5.0 5.0ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0 5.0 5.0成分bサーファクチンナトリウム 0.1 1.0 0.11,3−ブチレングリコール 5.0 10.0 0.5 ソルビトール液 5.0 5.0 5.0ポリエチレングリコール4000 0.2 0.2 0.2カルボキシビニルポリマー 0.1 0.1 0.1パラオキシ安息香酸メチル 0.2 0.2 0.2メバロノラクトン 0.1 0.1 0.1エデト酸二ナトリウム 0.2 0.2 0.2ラズベリーケトングルコシド 0.05 0.05 0.05塩化ナトリウム 0.1 0.1 0.1ジプロピレングリコール 0.1 0.1 0.1濃グリセリン 5.0 5.0 5.0ラフィノース 0.1 0.1 0.1アスコルビン酸2−グルコシド 0.1 0.1 0.1カルボキシメチルセルロース 0.05 0.05 0.05精製水 残 量 残 量 残 量*1 商品名:YOFCO CLE−NH(日本精化社製)
【0031】(2)調製法成分a及び成分bを各々80℃で溶解した後混合して、攪拌しつつ冷却し、30℃まで冷却して、乳液を調製した。
【0032】(3)結果実施例7〜9に係る乳液は優れた保存安定性が認められた。
【0033】実施例10〜12(美溶液)
下記の組成及び調製法に従い美容液を調製し、前記の試験を実施した。
【0034】
(1)組成 実施例10 実施例11 実施例12成分aイソステアリン酸 1.0 5.0 1.0モノステアリン酸グリセリン 4.0 4.0 4.0ヘキシルデカノール 2.0 2.0 2.0ニコチン酸dl−α−トコフェロール 0.1 0.1 0.1POE(60)硬化ヒマシ油 0.2 0.2 0.2球状シリコン粉体 *2 1.0 1.0 1.0流動パラフィン 3.0 3.0 3.0ホホバ油 3.0 3.0 3.0マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 1.0 1.0 1.0ミリスチン酸イソセチル 5.0 5.0 5.0トリイソステアリン酸グリセリル 2.0 2.0 2.0イソステアリン酸硬化ヒマシ油 1.0 1.0 1.0フィトステロール 0.1 0.1 0.1成分bサーファクチンナトリウム 1.0 1.0 0.31,3−ブチレングリコール 3.0 3.0 3.0濃グリセリン 3.0 3.0 3.0パラオキシ安息香酸メチル 0.2 0.2 0.2N−アセチルグルコサミン 0.1 0.1 0.1アスコルビン酸リン酸エステル マグネシウム 0.1 0.1 0.1γ−アミノ酪酸 0.2 0.2 0.2N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.1 0.1 0.1アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.1 0.1 0.1ニコチン酸アミド 0.1 0.1 0.1ザルコシン 0.1 0.1 0.1チンピエキス 0.1 0.1 0.1酵母エキス 0.1 0.1 0.1甘草抽出物 0.1 0.1 0.1N−メチル−L−セリン 0.1 0.1 0.1精製水 残 量 残 量 残 量*2 商品名:トスパール(東芝シリコン社製)
【0035】成分a及び成分bを各々80℃で溶解した後混合して、攪拌しつつ冷却し、30℃まで冷却して、美容液を調製した。
【0036】(3)結果実施例10〜12に係る美容液は優れた保存安定性が認められた。
【0037】尚、いずれの実施例の乳化型皮膚外用剤を使用した場合にも、皮膚に発赤、炎症、その他副作用と考えられる症状は発現せず、本発明に係る乳化型皮膚外用剤は安全性にも優れることが明らかであった。
【0038】
【発明の効果】以上のごとく、本発明が、グリセリンモノ脂肪酸エステルを多量に含みながら幅広い粘度領域を持ち、且つ保存安定性に優れた乳液状皮膚外用剤を提供することは明らかである。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区墨田五丁目17番4号
【出願日】 平成14年3月26日(2002.3.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−277220(P2003−277220A)
【公開日】 平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願番号】 特願2002−85075(P2002−85075)