| 【発明の名称】 |
歯周炎治療における補助剤としてのカルメグゲル |
| 【発明者】 |
【氏名】プリュームチット ロヤナパンツ
【氏名】ワンディー グリットサナパン
【氏名】ムリカ シリラット
【氏名】コルチチャ アモーンチャット
|
| 【要約】 |
【課題】歯周炎治療において、効果的で安全な含有成分を有する補助剤を提供する。
【解決手段】カルメグ抽出物を取り出し、及び/又は歯周ポケットに注入することにより徐放剤として作用し得る、ゲル、チップ、又は軟膏の剤形である、歯周炎治療のための治療補助剤としての含有成分となるように調製する方法。ゲル基体の混合物は、水または歯肉からの歯周滲出液と接触した時、その構造が液晶に変化するか、チップ、又は軟膏は序々に成分を放出し、自動的に生分解される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】歯周炎の補助治療のための成分であって、(1)カルメグ抽出物、及び/又はカルメグと同一の殺菌活性を持つ他の植物抽出物(例、マンゴスチン、ターメリック)及びカルメグの活性を促進する植物の抽出物と、(2)生分解性のトリグリセリド/リン脂質、又はチップ、もしくは軟膏を含むゲル基体の混合物とから成る、含有成分。 【請求項2】トリグリセリド/リン脂質の比が6:3から10:1である、請求項1に記載の含有成分。 【請求項3】カルメグ抽出物1〜15%を含む、請求項1乃至2のいずれかに記載の含有成分。 【請求項4】ゲル基体であるトリグリセリド/リン脂質の混合物を80〜99%含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の含有成分。 【請求項5】リン脂質が、生分解性のゲル形、又はチップ、もしくは軟膏として調整されたモノオレイン酸グリセリルである、請求項1乃至4のいずれかに記載の含有成分。 【請求項6】トリグリセリドが、ゴマ油、ひまわり油、大豆油、紅花油、又は他の野菜油のいずれかより選択された油である、請求項1乃至5のいずれかに記載の含有成分。 【請求項7】D−α−酢酸トコフェロール(酸化防止剤)、又は他の天然劣化防止剤を追加することのできる、請求項1乃至6のいずれかに記載の含有成分。 【請求項8】D−α−酢酸トコフェロールが0.5〜5%である、請求項1乃至7のいずれかに記載の含有成分。 【請求項9】グリセリン、又は同様の他の成分を加えた、請求項1乃至8のいずれかに記載の含有成分。 【請求項10】歯周炎治療において補助剤として使用される含有成分の調製方法であって、(1)カルメグ、及び/又はカルメグと同一の細菌活性を持つ他の植物(例、マンゴスチン、ターメリック)及びカルメグの活性を促進する植物を抽出する方法と、(2)歯周炎補助剤としての含有成分の調製方法であって、(2.1)ゲル基体の混合物、又はチップ、もしくは軟膏を調製し、(2.2)該ゲル基体の混合物、又はチップ、もしくは軟膏に、カルメグ抽出物、又は他の生薬抽出物を混和する過程とからなる方法と、からなる調製方法。 【請求項11】歯周炎補助剤としての、請求項1乃至9のいずれかに記載の含有成分の使用方法。 【請求項12】歯周炎治療のためのカルメグゲルを生産するための、請求項1乃至9のいずれかに記載の含有成分の使用方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高度な薬学技術による、生薬の抽出物を使用した歯周炎補助剤製品の開発に重点を置いたものである。 【0002】 【従来の技術】現在、40歳のタイ国民の90%が歯肉炎を患い、その80%が60歳に達すると歯周炎を発症する可能性がある。これらの患者には、歯肉、歯槽骨、セメント質、歯骨膜での炎症が見られる。これらの特徴としては、付着上皮の根尖端への移動、歯肉繊維、歯根膜、及びセメント質の間の結合組織付着の損失があり、歯槽骨が吸収されポケットが形成される。もし患者が治療を受けなければ、これらの病気の進行は支持骨に対してより破壊的になり、歯の移動が見られ、時おり歯周腫瘍が発見される。 【0003】患者側の基本的な治療法としては、口腔衛生指導を行い歯垢を制御することであり、歯科医側の治療法としては、スケーリングとルートプレーニングがある。これらの方法では、目的を効果的に達成することができない為、補助的な抗生物質の使用が行われる。この抗生物質の使用では、抗生物質の全身投与よりはむしろ、局所送達系が使用される。抗生物質の全身投与は、副作用を伴い、例えば、メトロニダゾールの全身投与が繰返されると、胃腸系が刺激され、神経系、皮膚、腎臓に悪影響が出る。この薬の使用期間中のアルコール摂取は許されない。テトラサイクリンの全身投与については、歯周ポケットでの効果的な濃度を保つために、長期間、多量に使用されなければならない。それゆえ、微生物の生態系が破壊され、菌類や細菌耐性菌株による重感染が発生する。 【0004】初期に開発された局所送達系では、抗生剤放出後除去される必要がある非生分解性物質を使用していた。この薬には、次のような多くの欠点があった。一つは、薬の歯周ポケットへの注入が困難であり、抗生剤の放出完了後、患者はキャリアを除去するため再来する必要があった事である。この結果、キャリアを除く際、歯肉治癒に有害となり、また歯茎を刺激することにもなった。 【0005】近年この問題を解決するために、生分解性物質を使用した制御局所送達が開発された。これは抗生物質を含み、有益だが高価である。最近市販されているこのような製品は、メトロニダゾールを含むエリソール(Elysol)であり、価格は1,400バーツであり、ミノサイクリンを含むミノサイクリン軟膏は、1,200バーツである。両方とも特殊な注射器に詰められ、歯周ポケットに注入するための針がついている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、生分解性物質を用いた局所送達系において、安全な歯周炎治療のための手段を提供することにある。 【0007】本発明の別の目的は、生分解性物質を用いた局所送達系において、安価な歯肉炎治療のための手段を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、歯周炎の補助治療のための成分であって、カルメグ抽出物、及び/又はカルメグと同一の殺菌活性を持つ他の植物抽出物(例、マンゴスチン、ターメリック)及びカルメグの活性を促進する植物の抽出物と、生分解性のトリグリセリド/リン脂質、又はチップ、もしくは軟膏を含むことを要旨とする。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の含有成分において、トリグリセリド/リン脂質の比が6:3から10:1であることを要旨とする。請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2のいずれかに記載の含有成分において、カルメグ抽出物1〜15%を含むことを要旨とする。請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の含有成分において、ゲル基体であるトリグリセリド/リン脂質の混合物を80〜99%含むことを要旨とする。請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の含有成分において、リン脂質が、生分解性のゲル形、又はチップ、もしくは軟膏として調整されたモノオレイン酸グリセリルであることを要旨とする。請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の含有成分において、トリグリセリドが、ゴマ油、ひまわり油、大豆油、紅花油、又は他の野菜油のいずれかより選択された油であることを要旨とする。請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の含有成分において、D−α−酢酸トコフェロール(酸化防止剤)、又は他の天然劣化防止剤を追加することのできることを要旨とする。請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の含有成分において、D−α−酢酸トコフェロールが0.5〜5%であることを要旨とする。請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の含有成分において、グリセリン、又は同様の他の成分を加えたことを要旨とする。請求項10に記載の発明は、歯周炎治療において補助剤として使用される含有成分の調製方法であって、カルメグ、及び/又はカルメグと同一の細菌活性を持つ他の植物(例、マンゴスチン、ターメリック)及びカルメグの活性を促進する植物を抽出する方法と、歯周炎補助剤としての含有成分の調製方法であって、ゲル基体の混合物、又はチップ、もしくは軟膏を調製し、該ゲル基体の混合物、又はチップ、もしくは軟膏に、カルメグ抽出物、又は他の生薬抽出物を混和する過程とからなる方法を要旨とする。請求項11に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の含有成分の使用方法において、歯周炎補助剤としての使用方法を要旨とする。請求項12に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の含有成分の使用方法において、歯周炎治療のためのカルメグゲルを生産するための使用方法を要旨とする。本発明による製品は、生体親和性であり生分解性のキャリアを含む徐放製剤形として開発される。この製品は、生薬抽出液のゲル形として開発され、歯周炎ポケットの歯肉液との接触によって構造が液晶に変化する、特殊な性質を有している。この製品は、歯肉ポケットに注入する際の利便性の為、非鋭利な湾曲した針のついた特殊な注射器に詰められる。 【0009】 【発明の実施の形態】1.カルメグ(Andrographis paniculata )、あるいはカルメグと同一の殺菌活性を有する植物(医薬用植物)(例、マンゴスチン、ターメリック等)と、カルメグの活性を促進する植物とを含む抽出物の抽出【0010】1.1 洗浄したカルメグ(Burmf.)Nees.の葉と茎を細かく裁断し、40〜80℃の温熱乾燥機にて2〜8時間乾燥し、粉砕して孔径1〜4mmの篩に通し、密閉容器に保管する。 【0011】1.2 有機溶剤(例、アルコール、アセトン、クロロフォルム、又は他の溶剤)によって粉末を抽出する。粉末400〜700グラム、溶剤3,000〜7,000グラムの割合で用い、ソックスレーの装置を用い30〜95℃で3〜80時間抽出する。 【0012】1.3 溶剤抽出液であるカルメグ抽出混合液に、活性炭を加え(2〜10グラムの抽出液に対し、活性炭1〜5グラム)、1〜5時間放置し、クロロフィルを脱色する。 【0013】1.4 濾過紙(ワットマン、No1)を用い、濾過する。濾過液を30〜95℃の減圧下、ロータリーエバポレータで濃縮する。その後、濃縮液が一定量になるまで、沸騰水浴上で蒸散させる。 【0014】2.歯周炎付加物としての含有成分の調製方法2.1 ゲル基体の調製。 リン脂質、即ちモノグリセリドの一つであるモノオレイン酸グリセリルを基体として使用する。モノオレイン酸グリセリルは、オレイン酸と他の脂肪酸のグリセリドを含み、皮膚軟化特性のあるモノオレイン酸が最も重要である。ゲル基体はトリグリセリドである。モノオレイン酸グリセリルとトリグリセリドの比率は6:3から10:1で、ゲル基体の含有量は混合物の60〜95%を占める。トリグリセリドは、食物中に存在する普通の脂肪の主成分であり、グリセリン分子が飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の形態となっているグリセリン分子との脂肪酸の結合を含む。この処方に使用される形態は油であり、例えば、ゴマ油、ひまわり油、大豆油、紅花油、その他の野菜油がある。 【0015】モノオレイン酸グリセリルが水又は歯周滲出液に接触すると、滲出液の粘度が上昇し、立方中間相の構造となる。トリグリセリドと組み合わさる事により、立方相の構造は液晶の構造をもった六方相に変化する。この液晶は、結晶間の活性成分や生薬抽出物を助け、徐放剤形として徐々に成分を放出する。 【0016】2.2 カルメグ抽出物のゲルへの混和歯周炎補助剤としての含有成分の調製には、モノオレイン酸グリセリル:トリグリセリドを、その比が6:3から10:1w/wの範囲で使用し、酸化防止剤として働くD−α−酢酸トコフェロール0.5〜5%を加える。ここに2〜30%のカルメグ抽出物を混入し、よく混合する。ここで用いた抽出物の濃度はまだやはり、ゲル基体が液晶に変化できるに適した濃度である。グリセリン又は他の同様の持続物を加えることもできる。 【0017】得られたゲルは、歯周ポケットにゲルを注入するのに適した、非鋭利な湾曲した針のついた注射器に詰め込まれる。より便利な他のパッケージを使用することも可能である。 【0018】エリソール(登録商標)(メトロニダゾールゲル)との臨床比較研究の結果、微生物(歯周炎の原因となる微生物)による黒色のコロニーは、カルメグゲルを使用した場合かなり減少したが、メトロニダゾールゲルを使用した場合は減少が見られなかった。 【0019】他の長所は、カルメグゲルはミノサイクリン軟膏との臨床比較研究の結果、桿型の微生物をかなり減少させる事がわかり、これは他のグループでは見られなかった。この事とは別に、カルメグゲルは護衛としての働きをし、ミノサイクリン軟膏よりも可動桿型微生物をかなり減少させ、健康で正常な口内細菌叢のバランスを保つことができる。 【0020】 【発明の効果】以上のように、本発明の生分解性補助剤の使用により、安全な歯肉炎治療を施すことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】502383166 【氏名又は名称】マヒドン ユニバーシティ 【氏名又は名称原語表記】Mahidol University
|
| 【出願日】 |
平成14年10月22日(2002.10.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−171301(P2003−171301A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月20日(2003.6.20) |
| 【出願番号】 |
特願2002−306819(P2002−306819) |
|