| 【発明の名称】 |
粒子及びその製法 |
| 【発明者】 |
【氏名】辻 誠 【住所又は居所】和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研究所内
【氏名】南部 博美 【住所又は居所】和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】皮膚定着性が高く、皮膚上の感触が良好な粒子、更には油剤,香料,薬剤,臭い等を素早く吸収及び/又は吸着する多孔性粒子、その製法及びそれを含有する化粧料の提供。
【解決手段】スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩で表面が被覆されてなる粒子、その粒子を含有する化粧料及びその粒子の製法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩で表面が被覆されてなる粒子。 【請求項2】 多孔性である請求項1記載の粒子。 【請求項3】 金属塩が、多価金属塩である請求項1又は2記載の粒子。 【請求項4】 スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩の割合が、粒子100質量部に対して、0.01〜50質量部である請求項1〜3いずれかの項記載の粒子。 【請求項5】 スルホン酸基を有する界面活性剤が、一般式(I)又は(II)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4いずれかの項記載の粒子。 R1CONR2CH2CH2SO3H (I) [式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基、R2は水素原子又はメチル基を示す。] R3O(CH2CH2O)mCH2CH2SO3H (II) [式中、R3は置換基を有していてもよい炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基、mは0〜25の値を示す。] 【請求項6】 請求項1〜5いずれかの項記載の粒子を含有する化粧料。 【請求項7】 スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩、溶剤並びに重合開始剤存在下、非架橋性ビニルモノマー及び架橋性ビニルモノマーを、懸濁又は乳化重合する、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩で表面が被覆された多孔性粒子の製法。 【請求項8】 さらに、重合中及び/又は重合後に、多価金属化合物を添加する工程を含む請求項7記載の製法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料への配合性、皮膚定着性、感触が良好で、化粧料等に好ましく用いられる、表面が改質された粒子、その製法及びそれを含有する化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、表面に有機酸の多価金属塩を残存させた粒子について、いくつか報告されている。特許2550262号公報には、有機酸金属塩と吸油性架橋重合体からなる吸油剤であって、多量の油を吸収して膨潤し、しかも吸収した油の保油性能に優れ、且つ吸油速度を著しく向上させた吸油剤が開示されている。しかし、膨潤型であるため、吸油によって粒子形状が変化するため、皮膚上の感触が満足できるものではなかった。更に、有機酸金属塩として脂肪酸を用いているため、臭いの問題が生じ、化粧料用途には適さなかった。 【0003】本発明の課題は、皮膚定着性が高く、皮膚上の感触が良好な粒子、更には油剤,香料,薬剤,臭い等を素早く吸収及び/又は吸着する多孔性粒子、その製法及びそれを含有する化粧料を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩で表面が被覆されてなる粒子、及びその粒子を含有する化粧料を提供する。 【0005】また本発明は、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩、溶剤並びに重合開始剤存在下、非架橋性ビニルモノマー(以下、モノマーという)及び架橋性ビニルモノマー(以下、架橋剤という)を、懸濁又は乳化重合する、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩で表面が被覆された多孔性粒子の製法、さらに、重合中及び/又は重合後に、多価金属化合物を添加する工程を含む上記多孔性粒子の製法を提供する。 【0006】 【発明の実施の形態】[粒子]本発明の粒子の平均粒径は、きしみ感やざらつき感を抑え、更に皮膚定着性を向上させる観点から、0.1〜100μmが好ましく、特に0.3μm〜40μmが好ましい。 【0007】この平均粒径は、レーザー回折型粒径分布測定装置(LA−910 堀場製)により、粒子のアルコール(又は水)懸濁液を室温(20℃)において測定した重量平均粒子径である(相対屈折率1.2を用いた)。 【0008】本発明の粒子の形状は、特に限定されないが、球状体が皮膚上の感触が良好であることから好ましい。 【0009】本発明の粒子中の、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩の割合は、粒子自身の性能(発色、吸油/吸水/吸着性等)、親水性媒体への配合性、感触、更に多孔性粒子の場合には親水性媒体中でのスクワレン吸収量を低下させない観点から、粒子全体(スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩を含む)100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜20質量部が更に好ましく、0.1〜10質量部が特に好ましい。 【0010】また、本発明の粒子は、多孔性であることが好ましく、多孔性である場合、その細孔表面積は、後述する水銀圧入法により求められる値で、10〜300m2/gが好ましく、20〜200m2/gが更に好ましい。また、その多孔性粒子は、吸油性であり、後述する測定方法により求められるスクアレン吸収量が0.1[(mL/g)/cm2](30分)以上が好ましく、0.3[(mL/g)/cm2](30分)以上が更に好ましい。 【0011】粒子の種類は、大別して無機物と有機物に分けられ、無機物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄等の無機顔料;タルク、カオリン、雲母、雲母チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ等の体質顔料が挙げられる。有機物としては、キトサン、セルロース、デンプン、糖等の天然物やその誘導体;カルナバロウ、キャンデリラロウ等の天然ワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等のワックス;炭化水素樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂(これらは架橋、非架橋を問わない)が挙げられる。 【0012】特に、多孔性粒子の場合、下記に記載する製法で得られるモノマーから得られるアクリル樹脂、スチレン樹脂等、及び特許3059071号公報に記載されているキトサンと反応性ビニル基を有する有機酸の重合体からなるもの等が挙げられる。 【0013】[製法]本発明の粒子は、例えば下記製法(1)又は製法(2)により得ることができる。 【0014】製法(1):スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩と粒子を乾式又は湿式混合する方法製法(2):スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩を分散剤として、モノマーの重合を行う方法。 【0015】製法(1)において、乾式混合としては、ミル(コーヒーミル、コーミル、ピンミル、ジェットミル、ボールミル、サンドミル等)やニーダー内に、粒子とスルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩を入れ、解砕、混合する方法が挙げられる。 【0016】スルホン酸基を有する界面活性剤は、後述するものを用いることができる。金属塩として、1価の金属塩、多価の金属塩どちらであってもよい。粒子は、前述の無機物及び有機物のいずれであってもよい。粒子とスルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩の混合割合は、粒子100質量部に対して、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩0.01〜50質量部が好ましい。 【0017】湿式混合としては、溶媒中、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩の分散又は可溶化溶液と粒子を混合し、溶媒を除去する方法等が挙げられる。さらに、粒子と混合後、好ましくは酸性下で、多価金属化合物を添加する工程を含むことが好ましい。 【0018】スルホン酸基を有する界面活性剤は、後述するものを用いることができる。金属塩として、1価の金属塩、多価の金属塩どちらであってもよい。粒子は、前述の無機物及び有機物のいずれであってもよい。溶媒は、水、エタノール等のアルコール系溶剤等を用いることができる。 【0019】混合割合は、溶媒100質量部に対して、粒子5〜50質量部、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩0.01〜50質量部が好ましい。 【0020】さらに、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩が、1価の塩の場合、リン酸、塩酸等の無機酸、又はクエン酸等の有機酸を添加し、pHを好ましくは5以下にして、後述する多価金属化合物を添加し、混合することも好ましい。多価金属化合物の添加量は、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩に対して、当量比(モル数/金属の価数)で、0.3〜1.5が好ましく、0.5〜1.2が更に好ましく、0.8〜1.2が特に好ましい。添加温度は、室温〜100℃位が好ましい。溶媒の除去は、留去等の方法により行うことができる。 【0021】製法(2)において、モノマーの重合は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合(シード重合)、乳化重合等いずれの重合法でも良い。例えば、塊状重合や溶液重合を行う場合、後述する重合開始剤、モノマー、溶剤、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩を用いて、反応させ、得られた反応物を解砕することにより粒子を得る。懸濁重合(シード重合)、乳化重合を行う場合、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩、後述する重合開始剤、モノマー、場合によっては架橋剤、分散媒(通常は水、場合によってはアルコール水、アセトン水等の水溶性溶剤と水との混合物)を用いて、反応させ、粒子を得る。 【0022】特に、多孔性粒子を得るためには、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩、溶剤並びに重合開始剤存在下、モノマー及び架橋剤を、懸濁又は乳化重合する方法が好ましい。さらに、重合中及び/又は重合後に、好ましくは酸性下で、多価金属化合物を添加する工程を含むことも好ましい。 【0023】製法(2)は、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩で、粒子表面を、均一に被覆することができ、さらに粒子が多孔性の場合、吸油性となるので好ましい。 【0024】製法(2)における懸濁重合又は乳化重合においては、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩、溶剤並びに重合開始剤存在下、モノマー及び架橋剤を、水を含有した順相の懸濁重合又はO/W型の乳化重合を行い、反応後、溶剤及び水を除去し、乾燥させて、粒子を得る。 【0025】重合温度は重合開始剤の分解速度、モノマーとの親和性等によって選択され、好ましくは室温〜150℃、より好ましくは50〜120℃である。重合時間は重合開始剤の半減期、モノマーの反応性によって適宜選択されるが、2〜48時間が好ましい。スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩の存在量は、モノマーと架橋剤の合計量に対して0.01〜50質量%が好ましく、特に0.1〜50質量%が好ましい。撹拌条件は、速すぎても遅すぎても分散が不安定になりやすいので、強い剪断がかからずに系全体が混合されるように行うのが好ましい。 【0026】上記重合中及び/又は重合後に、好ましくは酸性下で、多価金属化合物を添加することが好ましいが、酸性下とは、リン酸、塩酸等の無機酸、又はクエン酸等の有機酸を添加し、pHを好ましくは5以下にする条件である。多価金属化合物は、後述のものを用いることが出来、その添加量は、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩に対して、当量比(モル数/金属の価数)で、0.3〜1.5が好ましく、0.5〜1.2が更に好ましく、0.8〜1.2が特に好ましい。また、多価金属化合物が水酸化物の場合は、pHが好ましくは7以上、更に好ましくは7〜12になるまで加える。添加温度は、室温〜100℃位が好ましい。 【0027】多価金属化合物は、水溶液又は水分散体として、添加することが好ましい。このような水溶液又は水分散体中、多価金属化合物は、0.1〜50質量%であることが好ましい。多価金属化合物の添加時期は重合中及び/又は重合後であるが、重合の後半以降が望ましい。重合率0〜50%の間に添加すると分散系が不安定となり凝集が起き易いので、好ましくは重合率50〜100%、更に好ましくは重合率80〜100%、特に好ましくは重合率98〜100%の間に添加する。 【0028】尚、重合率は、下記の式から求めることが出来る。ここで未反応モノマー量はガスクロマトグラフィーにより、定量することができる。 【0029】 【数1】
【0030】反応後、水及び溶剤を、濾過、留去等により除去することで、スルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩で表面が被覆された多孔性粒子を得ることが出来る。 【0031】以下、本発明の製法に用いる各成分について説明する。 【0032】[スルホン酸基を有する界面活性剤及びその塩]本発明に用いるスルホン酸基を有する界面活性剤とは、■炭素数4〜30の飽和又は不飽和高級アルコール若しくはそのエトキシレートのスルホコハク酸モノ又はジエステル、■炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸、■炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜10モルのアルキレンオキサイドを付加していてもよい、脂肪酸アミドエーテルスルホン酸、■炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜25モルのアルキレンオキサイドを付加していてもよい、アルキル又はアルケニルエーテルスルホン酸、■炭素数6〜30のアルキル又はアルケニル基を有する脂肪酸とイセチオン酸との縮合物、■炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有する、アシル化タウリン、■炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルカン又はオレフィンスルホン酸、■炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有するα−スルホ脂肪酸又はそのエステル、■炭素数5〜30ののアルキル基又はアルケニル基を有するモノグリセライドのスルホン酸等が挙げられ、これらは2種以上混合して用いてもよい。アルキル基、アルケニル基は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、置換基を有していても良い。 【0033】これらの中では、■、■が好ましく、下記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。 【0034】 R1CONR2CH2CH2SO3H (I) [式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基、R2は水素原子又はメチル基を示す。] R3O(CH2CH2O)mCH2CH2SO3H (II) [式中、R3は置換基を有していてもよい炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基、mは0〜25の値を示す。] 一般式(I)及び(II)において、R1及びR3としては、炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。具体例としては、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル等が挙げられる。また、アルキル基又はアルケニル基の置換基としては、水酸基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、アミド基等が挙げられる。mとしては、0〜10が好ましい。 【0035】スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、総炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニルアミン塩、総炭素数1〜22のアルカノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩等であり、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、この中でもナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。 【0036】スルホン酸基を有する界面活性剤の多価金属塩としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、タングステン、水銀等の遷移金属塩、アルミニウム、ガリウム、錫、鉛、ランタノイド系金属塩等が挙げられる。この中でも、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀、錫塩が一般的な製造上、好ましく、マグネシウム、カルシウム、亜鉛塩が更に好ましい。 【0037】[多価金属化合物]本発明で使用する多価金属化合物とは、二価以上の金属の化合物である。このような多価金属化合物を形成する金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、タングステン、水銀等の遷移金属、アルミニウム、ガリウム、錫、鉛、ランタノイド系金属等が挙げられる。この中でも、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀、錫が一般的な製造上、好ましく、マグネシウム、カルシウム、亜鉛が更に好ましい。 【0038】多価金属化合物としては、上記金属の酸化物、水酸化物又は塩が挙げられる。特に多価金属塩が好ましく、塩を構成する酸としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、亜硝酸、亜硫酸、亜リン酸、次亜塩素酸、次亜リン酸、過塩素酸、過硫酸、炭酸、過炭酸等の無機酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸等の有機酸が挙げられ、特にヒドロキシ基を有する有機酸が好適である。多価金属化合物は単独であるいは組み合わせて用いられる。 【0039】[モノマー]本発明においてモノマーは、通常のラジカル重合性ビニルモノマーが好適に用いられる。モノマーの具体例として、スチレン、アルキル基の炭素数1〜30のアルキル(メタ)アクリレート(ここで「アルキル(メタ)アクリレート」とは、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートを意味し、以下同様の意味で「(メタ)」を用いる。)、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、片末端(メタ)アクリロイル変性ポリシロキサン等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して(共)重合することができる。 【0040】また、生成する粒子の表面特性を制御したり、反応性を付与したりする目的で、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、クロロメチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルピリジン等のモノマーを単独重合又は共重合させることもできる。 【0041】本発明におけるモノマー量は、モノマー及び架橋剤の合計量に対して、0〜95質量%が好ましく、20〜90質量%が更に好ましい。 【0042】[架橋剤]本発明に用いられる架橋剤は、ジビニル系のジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリレート系のエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能性架橋剤、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートやテトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性架橋剤が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して(共)重合することができる。これらの中で好ましい架橋剤は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートである。 【0043】架橋剤量は、適度な架橋度を付与し、油剤を吸収した粒子が応力で油剤を吐き出さないようなゲル強度を有する観点から、モノマーと架橋剤の合計量に対して、5〜100質量%が好ましく、10〜80質量%が更に好ましい。また経済的観点からは、架橋剤量は極力控えた方が好ましい。 【0044】[分散剤]本発明においては、分散剤として、スルホン酸基を有する界面活性剤の1価の塩以外にも、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、4級塩基を導入したカチオン性ポリビニルアルコール、カルボン酸基又はスルホン酸基を導入したアニオン性ポリビニルアルコール、澱粉、4級塩基を導入したカチオン性澱粉等、乳化剤(界面活性剤)又は保護コロイドとして作用して粒子の安定性に効果のある水溶性高分子を使用することもできる。このような分散剤の使用量は、モノマー及び架橋剤の合計量に対して0.01〜10質量%が好ましい。 【0045】[溶剤]本発明の製法に用いられる溶剤としては、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、シリコーン系溶剤又はそれらの混合物が好ましい。脂肪族炭化水素系溶剤として、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等、芳香族炭化水素系溶剤として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等、シリコーン系溶剤として、オクタメチルシクロテトラシロキサン(通称D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(通称D5)、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン(1cs,6cs等)等が例示される。脂肪族炭化水素系溶剤とシリコーン系溶剤は、モノマーを溶解させるがポリマーを溶解させないため、重合が進行するとポリマーと溶剤が相分離し、乾燥時に溶剤を除去することにより多孔構造が得られる。一般にモノマーのSP値(溶解度パラメーター)より1〜2程度小さい溶剤を用いることが特に好ましい。 【0046】更に、芳香族炭化水素系溶剤は、脂肪族炭化水素系溶剤とシリコーン系溶剤の合計量100質量部に対して、0〜50質量部用いられる。全溶剤の使用量は、モノマーと架橋剤の合計量に対して30〜400質量%が好ましく、特に100〜200質量%が好ましい。 【0047】[重合開始剤]本発明において重合開始剤として、例えば、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシド系開始剤、アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(ジメチルイソブチレート)、アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ系開始剤が好適に用いられる。 【0048】重合開始剤の使用量は、モノマーと架橋剤の合計量に対して、0.03〜3モル%が好ましく、0.1〜1モル%が更に好ましい。 【0049】[その他の添加剤]本発明の製法においては、重合に悪影響を与えない範囲で各種添加剤を共存させて重合することができる。かかる添加剤の具体例としては、亜硝酸ナトリウム等の重合禁止剤、可塑剤、染料、抗菌剤、香料等が挙げられる。 【0050】[化粧料]本発明の粒子は、化粧料用粒子、特に多孔性粒子であることが好ましい。本発明の化粧料中、本発明の粒子の含有量は、その化粧料の目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がさらに好ましい。 【0051】本発明の化粧料の形態は特に限定されず、乳化化粧料、水性化粧料、シート状化粧料、スプレー状化粧料、スティック状化粧料、ゲル状化粧料等のいずれでもよい。また本発明の化粧料の種類も特に限定されず、例えばパック、ファンデーション、ローション、コールドクリーム、ハンドクリーム、柔軟化化粧料、栄養化粧料、収斂化粧料、美白化粧料、シワ改善化粧料、老化防止化粧料、制汗剤、デオドラント、吸油剤等の皮膚化粧料;整髪剤、養毛剤等の毛髪化粧料が挙げられる。 【0052】本発明の化粧料は、アルコールを含有することが好ましい。アルコールとしては、エタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール等の炭素数1〜6の一価又は多価アルコール、特に多価アルコールが好ましい。本発明の化粧料中のアルコールの含有量は、1〜30質量%が好ましい。 【0053】本発明の化粧料には、更に化粧料成分として一般に使用されているその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、上記化粧料の形態、種類等に応じて適宜配合することができる。 【0054】かかる化粧料成分としては、例えばマイカ、タルク、セリサイト、カオリン、ナイロンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサン、硫酸バリウム等の体質顔料;酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄等の無機顔料;これら粉体をシリコーン処理等の表面疎水化処理した粉体;固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、セレシン、オゾケライト、モンタンろう等の炭化水素類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ヘキシルドデシルアルコール等の高級アルコール類;カチオン化セルロース、カルボキシベタイン型ポリマー等の感触向上剤;美白剤、鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤等の薬効成分;水;界面活性剤;W/O又はO/W型乳化剤;オクチルメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、グリセリルエーテル変性シリコーン等のシリコーン化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、トラガント、寒天、ゼラチン等の増粘剤;その他、乳化安定剤、キレート剤、紫外線防御剤、pH調整剤、防腐剤、色素類、香料等が挙げられる。 【0055】 【実施例】以下の実施例及び比較例で得られた粒子の細孔表面積の測定は、島津製作所製水銀ポロシメーターPORE SIZER 9320を使用した水銀圧入法で行い、全細孔表面積を算出する際には、水銀の表面張力σ=484dyne/cm,接触角θ=130°を用いた。 【0056】実施例1ビーカーにジビニルベンゼン31.5g、スチレン58.5g、ラウロイルパーオキシド1.8gを仕込み室温下で撹拌混合した。ここにN−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム(日本油脂製ダイヤポンF;act.27.2%)2.7g、亜硝酸ナトリウム0.27gを溶解させたイオン交換水270gを加え、ホモミキサーで粒径が8.9μmになるまで分散させた。 【0057】四つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、窒素置換しながら攪拌を30分程度行った。オイルバスの温度が約30分で25℃から75℃になる様に加温し、10時間重合を行った。その後バス温を85℃に上昇させ、8時間熟成を行った。 【0058】濾過後イオン交換水500gで2回、エタノール500gで1回洗浄を行った。乾燥後、コーヒーミルで解砕し、目開き75μmのメッシュパス品を得た。尚、元素分析による粒子中のN−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム含量は0.3質量%であった。 【0059】実施例2ビーカーにジビニルベンゼン35g、メタクリル酸ラウリル25g、スチレン40g、ヘプタン200g、ラウロイルパーオキシド3gを仕込み室温下で撹拌混合した。ここにN−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム(日本油脂製ダイヤポンF;act.27.2%)55.0gを分散させたイオン交換水500gを加え、ホモミキサーで粒径が7.8μmになるまで分散させた。 【0060】四つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、窒素置換しながら攪拌を30分程度行った。オイルバスの温度が約30分で25℃から75℃になる様に加温し、更に10時間重合を行った。その後バス温を85℃に上昇させ、8時間熟成を行った。 【0061】重合終了後(重合率99%以上)、系内を35℃に保った。1N HCl水をpH2になるまで加えた後、水酸化カルシウムの水スラリーをpH9になるまで加えた。溶液濾過後イオン交換水500gで1回洗浄した。乾燥工程で残存モノマーを除去した後、コーヒーミルで解砕し、目開き75μmのメッシュパス品を得た。尚、元素分析による粒子中のN−ラウロイル−N−メチルタウリンカルシウム含量は10質量%であった。また細孔表面積は、40m2/gであった。 【0062】実施例3ビーカーにジビニルベンゼン35g、メタクリル酸ステアリル25g、スチレン40g、トルエン50g、オクタン150g、ラウロイルパーオキシド3gを仕込み室温下で撹拌混合した。ここにアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム(アバネルS−70;act.35.1%)3gを溶解させたイオン交換水500gを加え、ホモミキサーで粒径が7.0μmになるまで分散させた。 【0063】四つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、窒素置換しながら攪拌を30分程度行った。オイルバスの温度が約30分で25℃から75℃になる様に加温し、更に10時間重合を行った。その後バス温を85℃に上昇させ、8時間熟成を行った。 【0064】濾過後、イオン交換水500gで1回洗浄を行った。乾燥後、コーヒーミルで解砕し、目開き75μmのメッシュパス品を得た。尚、元素分析による粒子中のアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム含量は0.4質量%であった。また細孔表面積は、42m2/gであった。 【0065】比較例1ビーカーにジビニルベンゼン31.5g、メタクリル酸ラウリル22.5g、スチレン36g、トルエン33.75g、オクタン101.25g、ラウロイルパーオキシド1.5gを仕込み室温下で撹拌混合した。ここにポリビニルアルコール(日本合成化学製ゴーセノールGH−17)5gを分散させたイオン交換水500gを加え、ホモミキサーで粒径が8.1μmになるまで分散させた。 【0066】四つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、窒素置換しながら攪拌を30分程度行った。オイルバスの温度が約30分で25℃から75℃になる様に加温し、更に10時間重合を行った。その後バス温を85℃に上昇させ、8時間熟成を行った。 【0067】濾過後イオン交換水500gで2回、エタノール600gで2回洗浄を行った。乾燥後、コーヒーミルで解砕し、目開き75μmのメッシュパス品を得た。細孔表面積は、36m2/gであった。 【0068】実施例1〜3及び比較例1で得られた多孔性粒子について、下記の方法で、親水性媒体中でのスクアレン吸収量を測定し、更に配合性、定着性及び感触を評価した。結果を表1に示す。 【0069】<親水性媒体中でのスクアレン吸収量>図1に示すような測定装置1を用いて測定する。まず粒子1gと86%グリセリン1.2〜1.5gをよく混練させる。混練したペーストを底面積が半径1cmの円になるように整形する。このペーストPをガラスフィルターG付きの塗布台2の上に置き、ガラスフィルターGの下からスクアレンSを供給する。30分間にペースト(粒子1g含有)が吸収したスクアレンの体積を底面積(3.14cm2)で割った値をスクアレン吸収量と定義する。単位は[(mL/g)/cm2](30分)とする(ペーストPがスクワレンSを吸収することにより低下するスクワレンの界面Hの高さに合わせて、ガラスフィルター付きの塗布台2を低下させる)。 【0070】<配合性>粒子0.6g、20%エタノール100gをよく振とうさせ混合する。減圧脱泡し、粒子の状態を目視観察し、下記基準で評価した。 ○:粒子が溶液とよくなじむ×:粒子が溶液をはじく<定着性>3×3cm2の人工皮革上に粒子を約1mg/cm2となるように塗布する。イオン交換水中にこの人工皮革を浸漬し、約120回/分の振とうを60分間続ける。乾燥後、人工皮革上の粒子量により定着性を評価する。単位は[mg/cm2]とする。 【0071】<感触>粒子を人工皮革上に0.1mg/cm2塗布し、下記基準で官能評価する。 ○:滑らかに滑る△:やや引っかかる×:滑らない(きしむ) 【0072】 【表1】
【0073】実施例4:ゲル状化粧料86%グリセリンを5g、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬製、Mw(重量平均分子量)=4400000)を10g、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬製、Mw=250000)を10g、水酸化ナトリウムを適量、水酸化アルミニウムを0.5g、精製水を74g加えて混合したものに、撹拌しながら、実施例2で得られた粒子30gを加えた後、密閉容器に入れ、50℃恒温槽で24時間ゲルを安定化させた。その後、不織布上にゲルを厚さ1mmとなるように塗布してシートを得た。このシートを肌に張り付けることにより、皮脂によるテカリを抑制することができた。 【0074】実施例5:ペースト状化粧料86%グリセリンを5g、ポリエチレングリコール(三洋化成製、PEG−1540)を4g、ポリビニルアルコール(日本合成製、GH−17)を15g、精製水を40g加えて混合したものに、撹拌しながら、実施例3で得られた粒子25gを加えた。このペーストを肌に塗り付けることにより、皮脂によるテカリを抑制することができた。 【0075】 【発明の効果】本発明に用いられるスルホン酸基を有する界面活性剤の金属塩は、脂肪酸の金属塩に比べて、少量で効果がある為、多孔性粒子の細孔を閉塞させる心配がなく、コストの面においても、脂肪酸の金属塩と同等であり、非常に安価に本発明の粒子を製造することができる。 【0076】本発明の粒子は、皮膚定着性が高く、皮膚上の感触が良好であり、また、多孔性の場合、油剤、香料、薬剤、臭い等を素早く吸収、吸着することができ、表面が疎水化されているため、親水性媒体の化粧料中においても、吸油性を有する。本発明の粒子は、感触向上剤、吸皮脂剤、吸油剤、吸着剤、吸臭剤、香料・薬効成分の担持体、コントロールリリース剤等として有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
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| 【出願日】 |
平成13年11月7日(2001.11.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063897 【弁理士】 【氏名又は名称】古谷 馨 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−146826(P2003−146826A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−341376(P2001−341376) |
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