| 【発明の名称】 |
二環式化合物含有の医薬組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】ウァイ・ゴー・チャン
【氏名】ジョン・モリス・エバンス
【氏名】ジェフリー・ステンプ
【氏名】ニール・アプトン
【氏名】ロバート・ニコラス・ウィレット
|
| 【要約】 |
【課題】偏頭痛、パーキンソン病、発作、脳虚血症および/または精神病の治療および/または予防に用いるための医薬組成物を提供すること。
【解決手段】式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩:[式中:YはN、R2は水素であるか、またはYはC-R1であり、R1およびR2の一方は水素であって、他方は水素等であり;R3およびR4の一方は水素またはC1-4アルキルであって、他方はC1-4アルキル等であり;R5はC1-6アルキルカルボニルオキシ等であって、R6およびR9は水素であるか、またはR5はヒドロキシであって、R6は水素であるかまたはC1-2アルキルであってR9は水素であり;R8-N-CO-R7基はR5基に対してシス位にあり;Xは酸素またはNR10を意味する]を含む医薬組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 偏頭痛、パーキンソン病、発作、脳虚血症および/または精神病の治療および/または予防に用いるための医薬組成物であって、式(I):【化1】
[式中:YはNで、R2は水素であるか、またはYはC−R1であり、ここに:R1およびR2のうち一つは水素であって、他方は水素、C3−8シクロアルキル、所望により酸素でさえぎられるかあるいはヒドロキシ、C1−6アルコキシまたは置換アミノカルボニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、CF3S、またはCF3−A−基(ここに、Aは−CF2−、−CO−、−CH2−、CH(OH)、SO2、SO、CH2−O、またはCONHである)、またはCF2H−A'−基(ここに、A'は酸素、硫黄、SO、SO2、CF2またはCFHである);トリフルオロメトキシ、C1−6アルキルスルフィニル、パーフルオロC2−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルコキシスルフィニル、C1−6アルコキシスルホニル、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ホスホノ、アリールカルボニルオキシ、ヘテロアリールカルボニルオキシ、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル(いずれの芳香族基も所望により置換されていてもよい)、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキル−チオカルボニル、C1−6アルコキシ−チオカルボニル、C1−6アルキル−チオカルボニルオキシ、1−メルカプトC2−7アルキル、ホルミル、またはアミノスルフィニル、アミノスルホニルまたはアミノカルボニル(いずれのアミノ基も、所望により1または2個のC1−6アルキル基により置換されていてもよい)、もしくはC1−6アルキルスルフィニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルコキシスルフィニルアミノまたはC1−6アルコキシスルホニルアミノ、または末端がC1−6アルキルカルボニル、ニトロまたはシアノにより置換されたエチレニル、または−C(C1−6アルキル)NOHまたは−C(C1−6アルキル)NNH2からなる群より選択されるか、またはR1およびR2のうち一方はニトロ、シアノまたはC1−3アルキルカルボニルであって、他方はメトキシまたは所望により1または2個のC1−6アルキルまたは1個のC2−7アルカノイルによって置換されていてもよいアミノ;あるいはR1とR2は一緒になって−(CH2)4−もしくは−CH=CH−CH=CH−であるか、または所望により置換されていてもよいトリアゾールまたはオキサジアゾール環を形成し;R3およびR4のうち一方は水素であるかまたはC1−4アルキルであって、他方はC1−4アルキル、CF3またはCH2Xa(ここにXaはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、−S−C1−4アルキル、ニトロ、所望により1または2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアミノ、シアノまたはC1−4アルコキシカルボニル)であるかまたはR3およびR4が一緒になって、所望によりC1−4アルキルによって置換されていてもよいC2−5ポリメチレンであり;R5はC1−6アルキルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、ONO2、ベンジルオキシ、フェニルオキシまたはC1−6アルコキシであって、R6およびR9は水素であるか、またはR5はヒドロキシであって、R6は水素であるかまたはC1−2アルキルであってR9は水素であり;R7はヘテロアリールまたはフェニルであって、共に所望によりクロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、所望によりC1−4アルキルで1または2回置換されていてもよいアミノ、シアノ、アジド、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルよりなる群から選択される基または原子で独立して1回またはそれ以上置換されていてもよく;R8は水素;C1−6アルキル、OR9もしくはNHCOR10であって、ここにR9は水素、C1−6アルキル、ホルミル、C1−6アルカノイル、アロイルまたはアリール−C1−6アルキルであり、およびR10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノまたはジC1−6アルキルアミノ、アミノ、アミノ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アシルオキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R8−N−CO−R7基はR5基に対してシス位にあり;Xは酸素またはNR10であって、ここにR10は水素またはC1−6アルキルを意味する]で示される化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを包含する)またはその医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体とからなる医薬組成物。 【請求項2】 偏頭痛、パーキンソン病、発作、脳虚血症および/または精神病の治療および/または予防用の医薬を製造するための請求項1に記載の式(I)の化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを包含する)またはその医薬上許容される塩の使用方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物、その製法および治療薬としてのその使用に関する。 【0002】 【従来の技術】欧州公開特許出願第0126311号は、6−アセチル−トランス−4−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オールを含む血圧降下作用を有する置換ベンゾピラン化合物を開示する。また、EP−A−0376524、EP−A−0205292、EP−A−0250077、EP−A−0093535、EP−A−0150202、EP−A−0076075号およびWO/89/05808(ビーチャム・グループ・パブリック・リミテッド・カンパニー(Beecham Group plc))は、抗高血圧活性を有するある種のベンゾピラン誘導体を記載する。また、EP−A−0350805(バイアスドルフ(Biersdorf))、EP−A−0277611、EP−A−0277612、EP−A−0337179およびEP−A−0355565(ヘキスト・アクチエンゲセルシャフト(Hoechst Aktiengesellshaft))、EP−A−0466131(日産化学工業(NissanChemical Industries Ltd.))、EP−A−0339562(吉富製薬(Yoshitomi Pharmaceuticals))、EP−A−0415065(イー・メルク(E. Merck))、EP−A−0450415(スクイブ(Squibb))、EP−A−0482934、EP−A−0296975、JO−2004−791およびWO/89/07103も、抗高血圧活性を有すると考えられているある種の化合物を記載する。EP−A−0430621およびEP−A−0385584(ビーチャム・グループ・パブリック・リミテッド・カンパニー(Beecham Group plc))は、前記特許出願に記載されている化合物の製造に有用なある種の中間体の分割を記載する。EP−A−0139992(ビーチャム・グループ・パブリック・リミテッド・カンパニー)は、3および4位にてシス異性化を有するある種のベンゾピラン誘導体を記載し、それは抗高血圧活性を有するとしている。PCT/GB92/01045(スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー(SmithKline Beecham plc)、優先日において未公開)は、ある種のフルオロベンゾイルアミドベンゾピラン、ピラノピリジンおよびテトラヒドロナフチレン(ここに、3位および4位の置換基は互いにトランスである)を記載する。これらの化合物は、とりわけ不安解消および抗痙攣活性を有すると記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】今回、意外にも、以下に示すある種の式(I)の化合物が、抗痙攣活性を有することが見いだされ、また、不安、躁病、鬱状態、クモ膜下出血または神経性ショックに付随する障害、物質乱用からの禁断に付随する作用、パーキンソン病、精神病、偏頭痛および/または脳虚血の治療または予防における用途を有すると考えられる。 【0004】 【課題を解決するための手段】従って、本発明は、式(I):【化2】
【0005】[式中:YはNで、R2は水素であるか、またはYはC−R1であり、ここに:R1およびR2のうち一つは水素であって、他方は水素、C3−8シクロアルキル、所望により酸素でさえぎられるかあるいはヒドロキシ、C1−6アルコキシまたは置換アミノカルボニルで置換されていてもよいC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、CF3S、またはCF3−A−基(ここに、Aは−CF2−、−CO−、−CH2−、CH(OH)、SO2、SO、CH2−O、またはCONHである)、またはCF2H−A'−基(ここに、A'は酸素、硫黄、SO、SO2、CF2またはCFHである);トリフルオロメトキシ、C1−6アルキルスルフィニル、パーフルオロC2−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルコキシスルフィニル、C1−6アルコキシスルホニル、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ホスホノ、アリールカルボニルオキシ、ヘテロアリールカルボニルオキシ、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル(いずれの芳香族基も所望により置換されていてもよい)、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキル−チオカルボニル、C1−6アルコキシ−チオカルボニル、C1−6アルキル−チオカルボニルオキシ、1−メルカプトC2−7アルキル、ホルミル、またはアミノスルフィニル、アミノスルホニルまたはアミノカルボニル(いずれのアミノ基も、所望により1または2個のC1−6アルキル基により置換されていてもよい)、もしくはC1−6アルキルスルフィニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルコキシスルフィニルアミノまたはC1−6アルコキシスルホニルアミノ、または末端がC1−6アルキルカルボニル、ニトロまたはシアノにより置換されたエチレニル、または−C(C1−6アルキル)NOHまたは−C(C1−6アルキル)NNH2からなる群より選択されるか、またはR1およびR2のうち一方はニトロ、シアノまたはC1−3アルキルカルボニルであって、他方はメトキシまたは所望により1または2個のC1−6アルキルまたは1個のC2−7アルカノイルによって置換されていてもよいアミノ;あるいはR1とR2は一緒になって−(CH2)4−もしくは−CH=CH−CH=CH−であるか、または所望により置換されていてもよいトリアゾールまたはオキサジアゾール環を形成し; 【0006】R3およびR4のうち一方は水素であるかまたはC1−4アルキルであって、他方はC1−4アルキル、CF3またはCH2Xa(ここにXaはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、−S−C1−4アルキル、ニトロ、所望により1または2個のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアミノ、シアノまたはC1−4アルコキシカルボニル)であるかまたはR3およびR4が一緒になって、所望によりC1−4アルキルによって置換されていてもよいC2−5ポリメチレンであり;R5はC1−6アルキルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、ONO2、ベンジルオキシ、フェニルオキシまたはC1−6アルコキシであって、R6およびR9は水素であるか、またはR5はヒドロキシであって、R6は水素であるかまたはC1−2アルキルであってR9は水素であり; 【0007】R7はヘテロアリールまたはフェニルであって、共に所望によりクロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、所望によりC1−4アルキルで1または2回置換されていてもよいアミノ、シアノ、アジド、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルよりなる群から選択される基または原子で独立して1回またはそれ以上置換されていてもよく;R8は水素;C1−6アルキル、OR9もしくはNHCOR10であって、ここにR9は水素、C1−6アルキル、ホルミル、C1−6アルカノイル、アロイルまたはアリール−C1−6アルキルであり、およびR10は水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノまたはジC1−6アルキルアミノ、アミノ、アミノ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アシルオキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R8−N−CO−R7基はR5基に対してシス位にあり;Xは酸素またはNR10であって、ここにR10は水素またはC1−6アルキルを意味する]で示される化合物(ただし、シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールのラセミ体以外の化合物)またはその医薬上許容される塩を提供する。 【0008】 【発明の実施の形態】式(I)におけるC1−6アルキルまたはC1−4アルキルまたはアルキル含有基は、すべて、好ましくは、メチル、エチル、n−およびiso−プロピル、n−、iso−、sec−およびtert−ブチルから選択される。適当なC3−8シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを包含する。適当なハロ置換基はフルオロ、クロロおよびブロモを包含する。本明細書中で言及する場合、アリールは必ずフェニルおよびナフチルを含むが、これらに限定されない。 【0009】ヘテロアリールは、本明細書中で言及する場合、必ず、5−または6−員の単環もしくは9−または10−員の二環式ヘテロアリールを包含する。そのうち5−または6−員の単環のヘテロアリールが好ましい。加えて、5−または6−員の単環もしくは9−または10−員の二環式ヘテロアリールは、好ましくは、酸素、窒素および硫黄よりなる群から選択される、1、2または3個のヘテロ原子を含有し、2個以上のヘテロ原子からなる場合には、同一であるかまたは異なる。5−または6−員の単環式ヘテロアリールであって、酸素、窒素および硫黄の群より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有するものの例は、フリル、チエニル、ピリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリルおよびチアジアゾリル、およびピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラゾリルおよびトリアゾリルを包含する。このような基のうち好ましい例は、フラニル、チエニル、ピリルおよびピリジル、特に2−および3−フリル、2−および3−ピリル、2−および3−チエニル、ならびに2−、3−および4−ピリジルを包含する。酸素、窒素および硫黄よりなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む9−または10−員の二環式ヘテロアリールの例は、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリルおよびインダゾリル、キノリルおよびイソキノリル、ならびにキナゾリルを包含する。このような基の好ましい例は、2−および3−ベンゾフリル、2−および3−ベンゾチエニル、ならびに2−および3−インドリル、および2−および3−キノリルを包含する。 【0010】特にアリールおよびヘテロアリールの任意の置換についての適当な基または原子の例は、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ(例、フルオロ、クロロ、ブロモ)、ヒドロキシ、ニトロ、所望によりC1−4アルキルにより1または2回置換されていてもよいアミノ、シアノおよびSOnH(ここにn=0ないし2)よりなる群から独立して選択される1、2または3の置換基を包含する。好ましくは、R1は、シアノ、アセチル、ニトロおよびエチルである。最も好ましくは、R1は、アセチルまたはエチルである。好ましくは、R2は水素である。好ましくは、R3およびR4は共にメチルである。好ましくは、R5はヒドロキシであり、R6およびR9は水素である。 【0011】R7が、所望により独立して置換されていてもよいフェニルである場合、これは、フェニル環に結合した1、2、3、4または5個の基または原子による置換を包含するものである。好ましくは、1または2個の基または原子がフェニル環に結合している。該基または原子はフェニル環の回りのいずれの位置にあってもよい。同様に、R7が、所望により独立して置換されていてもよいヘテロアリールである場合、これは、ヘテロアリール部の回りにあるいずれの空位での置換基も包含する。好ましくは、1または2個の基または原子がヘテロアリール基の回りにあり、最も好ましくは、1個の基または原子がヘテロアリール基の回りにある。好ましくは、R7は2−、3−または4−フルオロフェニル、フェニル、2または3−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、2−ニトロフェニル、2−アミノフェニル、2−クロロチオフェン−3−イル、3−クロロチオフェン−2−イルまたは3−クロロ−4−フルオロフェニルである。 【0012】好ましくは、R7はフルオロフェニルである。より好ましくは、R7はモノフルオロフェニル、さらに好ましくは、R7は2−、3−または4−フルオロフェニルである。最も好ましくは、R7は4−フルオロフェニルである。好ましくは、R8は水素である。好ましくは、Xは酸素である。式(I)の化合物は2−、3−または4−の位置にキラル炭素原子を有し、それゆえエナンチオマーとして存在し得る。本発明は各エナンチオマーと、ラセミ化合物を含むその混合物にまで及ぶ。さらには、個々のエナンチオマーの形態が異なる用途で好ましく、すなわち、クモ膜下出血または神経性ショック以外の用途では3S,4Sエナンチオマーが好ましいが、クモ膜下出血または神経性ショックでは、3R,4Rエナンチオマーが好ましい。あるR1置換基もまたキラル中心を有し、それゆえエナンチオマーとして存在する。本発明は各エナンチオマーと、ラセミ化合物を含むその混合物に及ぶ。 【0013】式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩はまた、例えば水和物のごときそのような化合物の溶媒和化合物を包含する。本発明は、さらには、優勢的に3S,4Sエナンチオマー形で存在する、上記した式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。「優勢的に3S,4Sエナンチオマー形で存在する」という語は、3R,4Rエナンチオマーに比べて、3S,4Sエナンチオマーが50%以上で存在することを意味する。 【0014】より好ましくは、60%以上の3S,4Sエナンチオマーが存在し、さらにより好ましくは、70%以上の3S,4Sエナンチオマーが存在し、その上より好ましくは、80%以上の3S,4Sエナンチオマーが存在し、さらには90%以上の3S,4Sエナンチオマーが存在する。最も好ましくは、3R,4Rエナンチオマーに対して、95%以上の3S,4Sエナンチオマー化合物がある。 【0015】式(I)の化合物は、例えば、以下のとおりである:シス−(±)−6−アセチル−4−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール、シス−6−アセチル−4R−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール、シス−6−アセチル−4S−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−シアノ−4R−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール、シス−6−シアノ−4S−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−エチル−4R−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール、シス−6−エチル−4S−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−アセチル−4S−(2−クロロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、【0016】シス−6−アセチル−4S−(ベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−アセチル−4S−(2−メチルベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−アセチル−4−(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール、シス−6−アセチル−4S−(2−トリフルオロメチルベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−シアノ−4R−(3−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール、シス−4−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−6−ニトロ−2H−1−ベンゾピラン−3−オール、シス−6−アセチル−4S−(2−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−アセチル−4S−(3−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、【0017】シス−6−アセチル−4S−(2−ニトロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−アセチル−4S−(2−アミノベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−アセチル−4S−(3−クロロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−アセチル−4S−(2−クロロチオフェン−3−カルボニルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール、シス−6−シアノ−4−(ベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール、シス−6−アセチル−4S−(3−クロロチオフェン−2−カルボニル)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール、およびシス−6−アセチル−4S−(2−クロロ−4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール。 【0018】シス−6−シアノ−4−(ベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オールおよびその医薬上許容される塩のラセミ体を除くかかる化合物は新規であると考えられ、本発明の好ましい態様を形成する。 【0019】哺乳動物に対する投与は経口であっても非経口であってもよい。前記の障害の治療に有効な量は通常の要因、例えば、治療されるべき障害の性質と重篤度、ならびに哺乳動物の体重に依存する。しかしながら、一単位の用量は、通常、活性化合物が1ないし1000mg、適当には1ないし500mg、例えば2、5、10、20、30、40、50、100、200、300または400mgのごとき2ないし400mgの範囲の用量である。単位用量は、通常、一日あたり1回もしくはそれ以上、例えば、一日に1、2、3、4、5または6回、より普通には一日あたり1ないし4回であり、一日あたりの全用量は普通、体重70kgの大人に対して1ないし1000mgの範囲、例えば1ないし500mgの範囲、すなわち約0.01ないし15mg/kg/日の範囲、より普通には0.1ないし6mg/kg/日、例えば1ないし6mg/kg/日である。 【0020】式(I)の化合物は単位用量の経口、経直腸、局所あるいは非経口(特に静脈内)の単位投与形の組成物で投与されるのが特に好ましい。このような化合物は混合により調製され、適当には経口および非経口投与に適合し、それ自体、錠剤、カプセル剤、経口液体調製物、散剤、顆粒剤、ロゼンジ、復元可能な散剤、注射および注入可能な溶液もしくは懸濁液または坐薬の形であってよい。経口投与が可能な組成物が好ましい、特に成型された経口組成物が好ましい、なぜならそれらは一般的使用に関して、より簡便であるからである。 【0021】経口投与用錠剤およびカプセル剤は、通常、一単位の用量で提供され、結合剤、増量剤、希釈剤、錠剤化剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、フレーバー、および湿潤剤のような慣用賦形剤を含有する。錠剤は当該分野でよく知られた方法に従い被覆されてもよい。使用する適当な増量剤はセルロース、マンニトール、ラクトースおよび他の類似のものを包含する。適当な崩壊剤はデンプン、ポリビニルピロリドンならびにデンプングリコール酸ナトリウムのごときデンプン誘導体を包含する。適当な滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウムを包含する。医薬上許容される適当な湿潤剤はラウリル硫酸ナトリウムを包含する。 【0022】これらの固体の経口用組成物は通常の調合、増量、錠剤化のごとき方法により調製することができる。繰り返し調合操作を用い、大量の増量剤を必要とするこれらの組成物全体に活性薬剤を分散させることができる。このような操作は、勿論、当業者には通常である。 【0023】経口用の液体調製物は、例えば、水性または油性の懸濁液、溶液、乳剤、シロップ、またはエリキシルの形態であってもよく、もしくは使用前に水または他の適当なビヒクルでの復元用乾燥生成物として供給されてもよい。このような液体調製物には懸濁化剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルもしくは硬化食用脂、乳化剤、例えばレシチン、一オレイン酸ソルビタン、またはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含有してもよい)、例えば、扁桃油、分別ココナッツ油、およびグリセリン、プロピレングリコール、もしくはエチルアルコールのエステルのごとき油性のエステル;保存料、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルまたはソルビン酸、ならびに所望により通常のフレーバーまたは着色剤といった通常の添加物を含有させることができる。経口処方は腸溶剤皮の錠剤または顆粒剤のごとき通常の徐放性処方も含む。 【0024】非経口投与の場合、流体状単位投与形は化合物および滅菌ビヒクルを含んで調製される。化合物は、ビヒクルおよび濃度によって、懸濁または溶解させることができる。非経口溶液は、普通、化合物をビヒクルに溶解し、適当なバイアルまたはアンプルに充填し密閉する前にフィルター滅菌することにより調製される。有利には、さらに、局部麻酔剤、保存剤および緩衝剤のごときアジュバントをビヒクル中に溶かす。安定性を強化するために、組成物をバイアルに充填し、減圧下で水を除去した後、凍結させることができる。非経口用懸濁液は、化合物を溶解させる代わりに、ビヒクルに懸濁させ、滅菌ビヒクル中に懸濁させる前にエチレンオキシドに暴露して滅菌する以外は、実質的に同じ方法で調製される。有利には、界面活性剤あるいは湿潤剤を組成物に配合し、本発明の化合物の均一な分配を促進する。慣習として、該組成物に医学的治療に関連して用いるための使用説明書が添付されている。 【0025】本発明はさらに、不安、躁病、鬱状態、クモ膜下出血または神経性ショックに付随する障害、コカイン、ニコチン、アルコールおよびベンゾジアゼピンのごとき物質乱用からの禁断に付随する作用、癲癇のような抗痙攣剤で治療可能または予防可能な障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛および/または脳虚血症の治療および/または予防に用いるための医薬組成物であって、式(I)の化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを包含する)またはその医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供する。 【0026】本発明はまた、不安、躁病、鬱状態、クモ膜下出血または神経性ショックに付随する障害、コカイン、ニコチン、アルコールおよびベンゾジアゼピンのごとき物質乱用からの禁断に付随する作用、癲癇のような抗痙攣剤で治療可能または予防可能な障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛および/または脳虚血症の治療および/または予防方法であって、治療または予防を必要とする患者に有効量または予防量の式(I)の化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを包含する)またはその医薬上許容される塩を投与することからなる治療および/または予防方法を提供する。 【0027】さらなる態様において、本発明は、不安、躁病、鬱状態、クモ膜下出血または神経性ショックに付随する障害、コカイン、ニコチン、アルコールおよびベンゾジアゼピンのごとき物質乱用からの禁断に付随する作用、癲癇のような抗痙攣剤で治療可能または予防可能な障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛および/または脳虚血症の治療および/または予防用の医薬を製造する場合の式(I)の化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを包含する)またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。 【0028】さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを除く)またはその医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、特に、不安、躁病、鬱状態、クモ膜下出血または神経性ショックに付随する障害、コカイン、ニコチン、アルコールおよびベンゾジアゼピンのごとき物質乱用からの禁断に付随する作用、癲癇のような抗痙攣剤で治療可能または予防可能な障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛および/または脳虚血症の治療および/または予防用の治療薬としての、式(I)の化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを除く)またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。このような組成物は前記方法により調製することができる。 【0029】一般に、式(I)の化合物は、EP−0126311、EP−0376524、EP−205292、EP−0250077、EP−0093535、EP−0150202、EP−0076075、WO/89/05808、EP−0350805、EP−0277611、EP−0277612、EP−0337179、EP−0339562、EP−0355565、EP−A−415065(イー・メルク(E.Merck))、EP−A−450415(スクイブ(Squibb))、EP−0466131、EP−A−0482934、EP−A−0296975、JO−2004−791およびWO/89/07103に略記載されている製法を用い、対応するトランス化合物より調製できる。 【0030】シス化合物は、EP−A−0139992に略記載されている操作またはそれに記載されている操作に類似する操作に従って調製できる。式(I)の化合物はまた、ジー・バーレル(G.Burrell)ら、テトラヘドロン・レターズ(Tet.Letters),31,3649−3652(1990)により記載されている操作に従うか、またはユー・クアストおよびイー・ビルハウアー(U.QuastおよびE.Villhauer)、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Eur.J.Pharmacol.),モレキュラー・ファーマコロジー・セクション(Molecular Pharmacology Section)245,165−171(1993)に記載されている操作により製造してもよい。 【0031】さらなる態様においいて、本発明は、式(I)の化合物(シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを除く)またはその医薬上許容される塩の製法であって、対応するトランス化合物(R5はヒドロキシであって、R8は水素である)を、ピリジンのような適当な溶媒中、無水トリフルオロメタンスルホン酸と反応させ、式(II):【化3】
【0032】[式中、すべての可変基は、式(I)に関する記載と同じ]で示されるシス−オキサゾリン化合物を得、つづいて(i)例えば、希硫酸を用いて酸処理に付し、(ii)例えば、炭酸水素ナトリウム溶液を用いて塩基処理に付して式(I)のシス化合物を得、その後、所望により、また適当な順序でいずれのエナンチオマーも分離し、R5(ヒドロキシ)を他のR5基に、および/またはR8(水素)を他のR8基に変換し、および/またはその医薬上許容される塩を形成させることからなる製法を提供する。シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ,3−4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールのラセミ体のオキサゾリン以外の、式(II)のシス−オキサゾリン化合物は新規であり、したがって本発明のさらなる態様を形成する。 【0033】R5(ヒドロキシ)およびR8、各々の変換は、当該分野における慣用的操作を用いて、特に前記特許に概説されている操作を用いて行うことができる。式(I)についてのラセミ化合物を分割してもよく、またはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を当該分野における慣用的操作を用いて、特にEP−0430631およびEP−0355584において概説された方法を用いて調製してよい。 【0034】式(I)の化合物はWO91/14694もしくはWO93/17026に概説されている触媒および条件を用いてキラル的に純粋なエポキシドを形成し、その後、該エポキシドを前記した操作を用いて所望の式(I)の化合物に変換することにより所望のエナンチオマー形を調製することが好ましい。式(I)のトランス化合物は、PCT/GB92/01045に概説した操作に従って製造してもよく、その操作を出典明示により本明細書の一部とする。あるいは、式(I)のトランス化合物は、前記特許文献に記載した操作に類似する操作に従って製造してもよい。R5がヒドロキシであり、R6がC1−2アルキルであって、R9が水素である式(I)のトランス化合物は、アール・ゲリッケ(R.Gericke)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第34巻、3074頁(1991)に概説されている操作により調製することができる。 【0035】 【実施例】以下の化合物を、前記した特許公報に記載の操作に類似する方法により製造した。以下の記載、実施例および薬理試験結果は、本発明を説明するものである。 【0036】記載例1シス−(±)−8−アセチル−2−(4−フルオロフェニル)−3a,9b−ジヒドロ−4,4−ジメチル−4H−1−ベンゾピラン[4,3−d]オキサゾールトランス−(±)−6−アセチル−4−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール(EP 0 126 311 B1の実施例13、2.0g)をピリジン(30ml)に溶かし、該溶液を、窒素下、−5ないし0℃で撹拌した。トリフルオロメタン無水硫酸(1.74g)を、該撹拌溶液に10分間にわたって滴下した。得られた混合物を室温で18時間撹拌した。ピリジンを減圧下で蒸発させ、水(50ml)を残渣に加えた。該溶液をジクロロメタン(50ml)で抽出し、有機層をブライン(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過および蒸発に付して粗生成物を得、それを酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して白色固体の標記オキサゾリン(1.222g)を得た;融点185−186℃。 NMR(DMSO−d6)δ:1.30(s,3H)、1.56(s,3H)、2.55(s,3H)、5.05(d,J=10Hz,1H)、5.48(d,J=10Hz,1H)、6.93(d,J=8Hz,1H)、7.22(m,2H)、7.82(dd,J=10,2Hz,1H)、7.93(m,2H)、8.05(d,J=2Hz,1H)。 質量スペクトル:m/z 339、324、268、123。 IR(ヌジョール):1640、1670cm−1。 【0037】記載例2シス−(±)−6−アセチル−4−アミノ−3−(4−フルオロベンゾイルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン・硫酸塩シス−(±)−オキサゾリン(500mg)を1,4−ジオキサン(40ml)、水(15ml)および5N硫酸(12滴)に溶かした。得られた混合物を室温で2日間撹拌した。1,4−ジオキサンを、減圧下、30℃で蒸発させ、生成物を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過して蒸発させた。残りの物質(500mg)をアセトン/ヘキサンから2回再結晶し、白色結晶塩のアミノエステル塩(260mg)を得た;融点187℃。 NMR(DMSO−d6)δ:1.30(s,3H)、1.40(s,3H)、2.55(s,3H)、5.10(d,J=4Hz,1H)、5.60(d,J=4Hz,1H)、7.02(d,J=7Hz,1H)、7.33(m,2H)、7.90(m,3H)、8.48(s,1H)、8.98(brs,2H)。 質量スペクトル:m/z 339、324、268、163、148、123。 IR:1681、1732cm−1。 【0038】実施例1シス−(±)−6−アセチル−4−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オールアミノエステル化合物(260mg)を1,4−ジオキサン(30ml)および水(20ml)に溶かし、pHが8になるまでNaHCO3(固体)を添加した。1,4−ジオキサンを、減圧下、40℃で蒸発させた。生成物を酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、乾燥(MgSO4)し、濾過して蒸発させた。得られた残りの物質(250mg)をアセトン/ヘキサンから再結晶し、白色結晶固体のシス(±)ベンズアミド(150mg)を得た;融点190℃。 NMR(DMSO)δ:1.30(s,3H)、1.42(s,3H)、2.45(s,3H)、3.72(m,1H)、5.5(d,J=9.5Hz,1H)、5.64(d,J=5Hz,1H)、7.32(m,2H)、7.77(m,2H)、8.10(m,2H)、8.53(d,J=10Hz,1H)。 質量スペクトル:m/z 358、339、324、203、123。 IR(ヌジョール):1620、1667、3360、3400cm−1。 【0039】以下の実施例に示す化合物は、適当なトランス化合物より、実施例1の化合物と同様の方法にて製造した。 実施例2シス−6−アセチル−4R−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール融点:161℃。 [α]D25 +107.3°,MeOH(c=1.0)。 実施例3シス−6−アセチル−4S−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール融点:161℃。 [α]D25 −106.1°,MeOH(c=1.0) 【0040】実施例4シス−6−シアノ−4R−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール融点:105−106℃。 [α]D25 +86.9°,MeOH(c=1.0) 実施例5シス−6−シアノ−4S−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール融点:102−105℃。 [α]D25 −79.9°,MeOH(c=1.0) 【0041】実施例6シス−6−エチル−4R−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール融点:130℃。 [α]D25 +51.4°,MeOH(c=1.0) 実施例7シス−6−エチル−4S−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール融点:130℃。 [α]D20 −40.1°,MeOH(c=1.0) 【0042】実施例8シス−6−アセチル−4S−(2−クロロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール融点:176℃。 [α]D25 −22.7°,MeOH(c=1.0) 【0043】実施例9シス−6−アセチル−4S−(ベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール実施例10シス−6−アセチル−4S−(2−メチルベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール実施例11シス−6−アセチル−4−(2,3−ジクロロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール【0044】実施例12シス−6−アセチル−4S−(2−トリフルオロメチルベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール実施例13シス−6−シアノ−4R−(3−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3R−オール実施例14シス−4−(4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−6−ニトロ−2H−1−ベンゾピラン−3−オール【0045】実施例15シス−6−アセチル−4S−(2−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール実施例16シス−6−アセチル−4S−(3−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール実施例17シス−6−アセチル−4S−(2−ニトロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール【0046】実施例18シス−6−アセチル−4S−(2−アミノベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール実施例19シス−6−アセチル−4S−(3−クロロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール融点:110℃。 [α]D25 −105.7°,MeOH(c=1.0) 実施例20シス−6−アセチル−4S−(2−クロロチオフェン−3−カルボニルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3S−オール【0047】実施例21シス−6−シアノ−4−(ベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール該化合物は、米国特許第4,687,779号(1987)の実施例3の記載に従って製造した。 【0048】実施例22シス−6−アセチル−4S−(3−クロロチオフェン−2−カルボニル)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール実施例23シス−6−アセチル−4S−(2−クロロ−4−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−オール融点:189℃。 【0049】薬理学的データ1.ラット社会相互作用試験シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを含む式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を以下に概説する方法を用いて治療用途について試験する:潜在的不安解消活性を、ファイル(File)によって初めて記載された社会相互作用試験方法(1980,ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・メソッズ(J.Neurosci.Methods),2,219−238)に基づく方法により評価する。この実験にて、不安解消薬剤は運動活性についてのいずれの作用とも独立して社会相互作用を選択的に増加させる。 【0050】方法雄のスプレーグ−ドーリー(Sprague-Dawley)ラット(チャールス・リバー(Charles River),ユナイテッド・キングダム(U.K.),250−300g)を試験に先立ち3日間別々に飼育する。試験日に、動物をランダムに8−16の群に割り当て種々の用量(1−300mg/kg)の化合物またはビヒクルを1ml/kgの投与容量で経口投与する。投与後60分で、ラットを体重および処理を適合させた対の雄(初めて対面)と一緒に、非常に明るい、不慣れな条件下にある社会相互作用試験箱に入れる。該箱は透明なパースペックス製フロントサイドの白色パースペックス(54×37×26cm)から出来ている。床を24の等しい正方形に分け、まぶしく照らす(115ルクス)。活動的な社会相互作用(かぐこと、毛づくろいすること、後を追うこと、乗ること、登ったり下ったりすること、殴ること、噛むこと)にある経過時間(秒)を正方形を横切った回数(運動指標として)と同じく、遠隔モニター観察により「盲検的」に評価する。次いで、社会相互作用における経過時間および正方形を横切った回数についての平均および標準誤差を各処理群について計算し、薬剤誘発の変化を対照値からの増加%または減少%として表す。統計学的比較は有意な一方向性分散分析によるダンネット(Dunnett)複数比較方法を用いてビヒクル−および薬剤−処理群の間で行う。薬剤を1%メチルセルロースに懸濁させる。 【0051】2.MES試験潜在的抗痙攣特性を検出する場合、齧歯類における最大電気ショック発作(MES)閾値試験が特に有効である1。この実験において、プロコンバルサントは発作の閾値を下げるのに対し、抗癲癇剤は電気誘発発作に対する閾値を引き上げる。 【0052】方法マウス(雄、チャールス・リバー(Charles River),U.K.CD−1系,25−30g)をランダムに10−20の群に割り当て、種々の用量の化合物(0.3−300mg/kg)またはビヒクルを10ml/kgの投与容量で経口または腹腔内投与する。ついで、マウスを投与の30または60分後に角膜電極を通じ一回電気ショックに付す(0.1秒、50Hz、正弦波形)。個々の治療群にて、マウスの50%が緊張性発作を誘発するのに必要な平均電流と標準誤差(CC50)をディクソンおよびムード(Dixon and Mood)の「アップ・アンド・ダウン」(up and down)法(1948)2により測定する。ビヒクル処理群と薬剤処理群の間の統計学的比較をリッチフィールドとウィルコクソン(Litchfield and Wilcoxon)の方法(1949)3により行う。対照動物において、CC50は、通常、14−18mAである。かくして、対照群の第一の動物については16mAの電流を流す。緊張性発作が起こらなければ、その後のマウスには電流を増加させる。緊張性痙攣が起これば、電流を減少させるなどして、その群の全ての動物を試験する。対照に対する各群のCC50の増加%または減少%を計算する。0ないし300mAのショックレベルで全可変制御可能なヒューゴー・サックス・エレクトロニック・コンスタント・カーレント・ショック・ジェネレーター(Hugo Sachs Electronik Constant Current Shock Generator)を用いて研究を行い、通常、段階的に2mAの工程を用いる。薬剤を1%メチルセルロースに懸濁させる。 【0053】文献1.ロッシャー,ダブリューおよびシュミット,ディ(Loscher,W.and Schmidt,D.)(1988)エピレプシー・リサーチ(Epilepsy Res.)、2、145−1812.ディクソン,ダブリュー・ジェイおよびムード,エイ・エム(Dixon,W.J.andMood,A.M.)(1948)ジャーナル・オブ・アメリカン・スタティスティカル・アソシェーション(J. Amer. Stat. Assn.)、43、109−1263.リッチフィールド,ジェイ・テイおよびウィルコクソン,エフ(Litchfield,J.T.and Wilcoxon,F.)(1949)ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・テラピューティックス(J.Pharmacol.exp. Ther.)、96、99−113。 【0054】結果実施例7の化合物は、10mg/kg p.o.で105%までショックの閾値を亢進させ、実施例3の化合物は、10mg/kgp.o.で84%までショックの閾値を亢進させた。 【0055】3.X−迷路シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを含む式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を以下に概説する方法を用いて治療用途について試験する:概論不安発生(開アーム)領域と比較的不安を生じさせない(閉アーム)領域を付与する環境中、不安X−迷路試験(ハンドリーおよびミタニ(Handley and Mithani)、1984)により、未経験のラットの探索反応を試験する。それで、薬剤前処理後に開アームの探索が選択的に増加することは、不安解消効果を示すと仮定する。 【0056】方法X−迷路は床から70cmの高さにあり、45cm(長さ)×15cm(幅)×10cm(高さ)の2本の閉アームと45×10×1cmの2本の開アームからなり、各々の2本のアームが互いに向かい合うよう配置した。両方の型のアームを2つの等セクションに区分けする。ラットをX−迷路の中央に置き、10分間観察し、その間、以下のパラメーターを記録する:1)(a)開アーム、(b)閉アーム、(c)開アームの端部および(d)閉アームの端部に入る回数および経過時間;2)セクションを横切った回数。開アームにおいて起こる恐れの衝動は閉アームにおけるそれを上回り、ラットは典型的に閉アームに対して明確な優先性を示す。不安解消薬剤は開アームの外側半分に入る回数および経過時間を増加させ、また開アーム全体にて入る割合および経過時間の割合を増加させる。これらの不安の4つの測定値、またセクションを横切った全数を、各動物につき計算した。薬剤を試験30ないし60分前に一群6ないし12匹のラットに腹腔内または経口投与する。ビヒクル処理群と薬剤処理群の間の統計学的比較をマン−ウィットニー(Mann−Whitney)の「U」試験(two tailed)を用いて行った。エス・エル・ハンドレーおよびエス・ミタニ(S.L.Handley and S.Mithani)、アーカイブズ・オブ・ファーマコロジ−(Arch. Pharmacol.)(1984)、327、1−5。 【0057】4.雑種犬の遅延脳血管痙攣シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを含む式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を以下に概説する方法を用いて治療用途について試験する:25匹の雌の雑種犬(体重9ないし12kg)を、これらの研究において用いる。動物は、ザ・ガイド・フォー・ザ・ケアー・アンド・ユース・オブ・ラボラトリー・アニマルズ(the Guide for Care and Use of Laboratory Animals)[DHEW(DHHS)発行番号(NIH)85−23、1985年改訂]により飼育し、世話をする。実験動物を用いる方法は、すべて、ザ・インスティテューショナル・アニマル・ケア・アンド・ユーズ・コミッティー・オブ・スミスクライン・ビーチャム・ファーマシューティカル(the Institutional Animal Careand Use Committee of SmithKline Beecham Pharmaceutical)により是認されている。各動物をペントバルビタール(35mg/kg、静脈中)で麻酔し、仰向けの位置で加熱した実験机に置く。ついで、全ての動物を気管切開し、麻痺させ(ツボクラリン(tubocurarine);0.1mg/kg、静脈内)、室内の空気で人工呼吸させる。呼吸終期のCO2(etCO2)を継続的に測定し、動脈血液中気体分析を定期的に行い、各実験を通じ安定で適切な換気を保証した。ポリエチレン製カニューレを、薬剤投与、動脈血圧の測定および血液サンプリングのために、各々、左頸静脈、右大腿動脈および静脈に挿入する。次いで、左の脊椎動脈の大腿を経由したカテーテル挿入を5・フレンチ・レーマン・ダクロン・カテーテル(5 french Lehman dacron catheter)(マサチューセッツ州、チュークスベリー(Tewksbury)、バード(Bard))を用い、左大腿動脈を経て行なう。麻酔薬を実験期間前に必要に応じペントバルビタール(5mg/kg、静脈内)で補足する。 【0058】急性脳血管痙攣における本発明の化合物の効果を15匹のイヌについて評価する。全ての動物にて、前側脊柱動脈および脳底動脈の制御ディジタル・サブトラクション血管造影撮影図を、以下の放射性対照物質(オムニパーク(Omnipaque)300)の脊柱内への注入後に得る。各イヌにつき、脳脊髄液4mlを環椎後頭骨膜を穿刺して背部槽から除去し、4mlの自己静脈血を注射した。血液の嚢内への投与の30分後、各イヌにて血管造影法を繰り返し、脳底および前側脊柱動脈の急性血管痙攣を同定し、定量する。ビヒクル(10%ポリエチレングリコール200)の30分間注入は急性血管痙攣に対して効果がない。試験化合物を30分間注入すると、急性血管痙攣の逆転についての効果が脳底および前側脊柱動脈にて観察される。 【0059】本発明の化合物の効果をまた、遅延脳血管痙攣の慢性イヌモデル(脳血管痙攣の2つの出血モデル)において試験する。このモデルにおいて、対照の脊椎骨の血管造影撮影図を得、(前記のように)自己の血液を初日に嚢内に投与する。3日目に血液の嚢内投与を繰り返し、重度の遅延性血管痙攣を全ての動物において7日目に血管造影法的にて量化する。60分間にわたるビヒクル(10%ポリエチレングリコール200)の注入は、脳底および前側脊柱動脈(n=5)はおいて観察される遅延血管痙攣に対して何ら効果を有しない。試験化合物を注入した、有意に遅延した脳血管痙攣の逆転についての効果は該化合物が活性であることを示すものである。 【0060】5.シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを含む式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を以下に略述される方法を用い治療的有用性について試験する:1)抗−パーキンソン病活性6−ヒドロキシドーパミン−病変ラットの試験ウンゲルシュテット・ユー(Ungerstedt,U)、1971年、アクタ・フィジオロジカ・スカンジナビア(Acta Physiol.Scand.)367、49−68および/またはウンゲルシュテット・ユー、1971年、アクタ・フィジオロジカ・スカンジナビア、367、69−93にて記載されている上記試験を用い、シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを含む式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の抗−パーキンソン氏病活性を測定する。 【0061】2)抗精神病活性アンフェタミン−誘発のラット高運動試験コッキンディス・エルおよびアニスマン・エム(Kokkindis LおよびAnisman,M)により、1980、サイコロジカル・ブラティン(Psychological Bulletin)、88、551−579により記載されている上記方法を用い、シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを含む式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の抗精神病活性を測定する。 【0062】3)抗偏頭痛活性皮質拡延性鬱状態および偏頭痛ワール(Wahl)らにより、1987、ブレイン・リサーチ(Brain Research)、411、72−80に記載される上記試験を用い、シス−4−ベンゾイルアミノ−6−シアノ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン−3−オールを含む式(I)またはその医薬上許容される塩の抗偏頭痛活性を測定する。 【0063】4)脳虚血症a)モンゴリアン・ゲルビル(Mongolian Gerbil)試験成熟したモンゴリアン・ゲルビル(タンブルブルック・ファーム(Tumblebrook Farm(マサチューセッツ(MA))、体重60−80g)について、in vivoの実験を行う。一過性前脳虚血症を100%O2麻酔中、2.5%イソフロウラン下、左右両側の頸動脈を連結することにより生じさせ、該動物を加熱パッドにのせ体温を37℃に維持する。総頸動脈を暴露し、動脈瘤のクリップを凡例図に示す、ある期間、総頸動脈に装着した。生理食塩水に溶解したPBNをボーラスとして閉塞の30分前(前処理)または直後および再び再潅流の6時間経過後に、続いて同じ用量を一日に2回、2日間(後処理)腹腔内投与した。CA1ニューロンの量化のために、動物を虚血症後7日で殺し、緩衝ホルマリンにより潅流する。脳を摘出し、ホルマリン中に3日保存し、パラフィン中に埋め込み、7μm厚の冠状セクションに切断し(ブレグマ15の1.5−1.9mm後方)、チオニンで染色した。3つのセクションの海馬両側面のCA1層の750μm以上の長さの無傷のニューロンの数を各動物について測定した。 【0064】b)MCAO法3系統の成熟した雄のラット(SHR)を18週令(体重250−300g)で商業的に入手し(各々、ニューヨーク州、ジャーマンタウン(Germantown)、タコニック・ファームズ(Taconic Farms);マサチューセッツ州、ダンバーズ(Danvers)、チャールズ・リバー(Charles River);およびチャールズ・リバー)、これらの実験に利用する前に2ないし4週間飼育した。実験される系統の動物が実際に高血圧であることおよび正常血圧であることを確かめるため、各系統の動物を2%イソフロウランで麻酔し(ウィスコンシン州、マディソン(Madison)、アナクエスト(Anaquest))、血圧を記録するために無菌状態で慢性的に調製する。大腿動脈をちょうど大動脈まで延びるポリエチレン製チューブ(PE60;ニュージャージ州、パーシパニー(Parsippany)、クレイ・アダムズ(Clay Adams))によりカニューレに付す。該チューブを動脈から皮下的に誘導し、首の後ろの真下にある肩甲骨の間で外部に出し、滅菌等張生理食塩水できれいにし/満たす。2−0の絹の縫合糸を用いて切開を縫合し、5%リドカイン軟膏(マサチューセッツ州、ウェストボラフ(Westborough)、アストラ・ファーマシューティカルズ(Astra Pharmaceuticals))で処理した。動物は手術/麻酔から5分以内に回復する。平均動脈血圧を、手術の4ないし5時間経過後、1ラットにつき5分間、ポリグラフ(R711モデル:カリフォルニア州、フラートン(Fullerton)、ベックマン・インストゥルメンツ・インコーポレイテッド(Beckman Instruments,Inc.))に出力するスタータム・プレッシャー・トランスデューサー(Statham pressure tranducer)(P2.3Db;カリフォルニア州、ロスアンゼルス(Los Angels)、スタータム・メディカル・インストゥルメンツ(Statham Medical Instruments))に、各ラットの外部にあるチューブを連結することにより記録する。 【0065】フォーカル・ストローク(Focal Stroke)法MCAOまたは疑似手術をペントバルビタールナトリウム(65mg/kg、腹腔内、必要に応じ補足)麻酔下、SHR、SDラットにて行なう。全ての動物には手術前および手術後に食物と水を自由に与えた。体温を、手術の間、加熱パッドを用いて37℃に維持する。手術は前記の方法(2.4)と類似の方法で行なう。頭に向かって右背面の毛を刈り、プロビドン−ヨーダインで調製し、ラットを接触走性装置(カリフォルニア州、ツジュンガ(Tujunga)、ディビッド・コプフ・インストゥルメンツ(David Kopf Instruments))に、頭部の手術(右)側を上に置く。眼窩と外部耳導管の間を1〜2cm切開した。側頭筋を頭蓋骨から切り裂き、頬骨結合または下顎神経を傷付けることなくリトラクトする。手術用顕微鏡の下、生理食塩水の潅注液を用い、2−3mmの開頭手術を頬骨−側頭鱗部の頭蓋骨の縫合に対しちょうどくちばし状突起となるように行う。硬膜を先端が変形した30ゲージ針を用いて動脈上で切開した。MCAOを不変かつ正確に行うために、電気凝固法(フォース2・エレクトロサージカル・ジェネレーター(Force 2 Electrosurgical Generator)、コロラド州、ボウルダー(Boulder)、バレー・ラブ・インコーポレイテッド(Valley Lab Inc.))を用い、動脈を同時にふさぎ、下部脳静脈のレベルで側方嗅覚束に対して背側を切断した。ついで、小片の滅菌生理食塩水に浸したゲルフォーム(Gelfoam)(ミズリー州、カラマズー(Kalamazoo)、アップジョン(Upjohn))を開頭上に置き、側頭筋と皮膚を二層にて縫合する。該動物を、加熱ランプ下、麻酔薬から回復させ、ついでそのゲージに戻す。動物をMCAOから24時間経過後に殺し、反応性組織学試験体から脳を調製する。 【0066】虚血障害の測定神経学的評価後(手術後24時間)、ラットをペントバルビタールナトリウムの過剰投与により殺した。2−3分以内に、脳を摘出し、6つの冠状前脳断片(厚さ2mm)を、ラット・ブレイン・スライサー(rat brain slicer[(59);ペンシルベニア州、アリソンパーク(Allison Park)、ツビック−ミラー・ラボラトーリーズ,インコーポレイテッド(Zivic−Miller Laboratories, Inc.)]を用いて嗅球のレベルから皮質と小脳の接合部にかけて調製した。これらの前脳断片を次いで直ちにリン酸緩衝液中の1%塩化トリフェニルテトラゾリウム(TTC)溶液に37℃で20−30分浸した(6.78)。次いで、染色した組織を10%リン酸緩衝ホルマリンを用いて濾過し固定する。各TTC染色のセクションの2つの側面をポラロイド(登録商標)カメラを用いてカラー撮影する。これらの写真を分析し、画像分析システム(アメルシャム(Amersham)RAS3000;ローツ・アソシエーツ・インコーポーレイテッド(Loats Associates,Inc.))を用いて虚血障害を量化する。手術後の形態学的変化を各動物について全前脳(全部で11の平面)にて評価する。11の平面画像が6つの2mm厚のセクションの各側面から得られ、プレグマ(97)から+5mmないし−5mmの略1mmセクション面に一致し、完全な前脳を含む。これらの平面画像表面(写真からの)をデジタル化し、梗塞の大きさと膨張の面積測定用の画像分析システムにおいて用いる。MCAOによる虚血障害の2つのパラメーターを前記(2、4、98、122)したように各断片について測定する。「半球膨張」は同側の(つまり手術側の)半球の、反対側(正常な)半球に対する大きさの増加%として表され、以下のように計算する:半球膨張%=(同側半球面積−反対側半球面積)/反対側半球面積×100【0067】「梗塞の大きさ」は、反対側(正常な)半球面積に関して梗塞組織のパーセントとして表され、以下のように計算された:半球の梗塞の大きさの%=梗塞面積/反対側梗塞面積×100【0068】膨張と梗塞の大きさを反対側半球に関して表す(つまり、同側の虚血障害を正常な反対側半球に対して標準化する)。これらのパラメーターを各断片について測定し、前脳を通して傷害のプロフィール(即ち、「前脳のプロフィール」)およびこれらの式において個々の断片のデータの合計を用いることにより前脳「全体」の変化を評価する。MCAO後の半球膨張に伴う脳浮腫の発生を、前記(45、188)したように、湿/乾重量の比較により測定した。疑似手術またはMCAO手術の24時間後にペントバルビタールナトリウムの過剰投与によってラットを殺した。脳を速やかに摘出し、前脳を小脳−皮質の接合部で単離し、2つの半球に分け、各前脳半球を、断頭後2分以内に、メトラー・タイプ(Mettler Types)H5ケミカル・バランス(chemical balance)(ニュージャージ州、ハイトスタウン(Hightstown)、メトラー・インストルメンツ・コーポレイション(Mettler Instruments Corp.))で測定した。乾重量は同じスケールで半球を80℃において48−72時間オーブン中で乾燥させた後に測定した。各半球の水分含量は湿重量からのフラクション%として湿および乾重量間の違いとして計算した:水含量%=(湿重量−乾重量)/湿重量×100 |
| 【出願人】 |
【識別番号】595047190 【氏名又は名称】スミスクライン ビーチャム パブリック リミテッド カンパニー 【氏名又は名称原語表記】SmithKline Beecham p.l.c. 【識別番号】591002957 【氏名又は名称】スミスクライン・ビーチャム・コーポレイション 【氏名又は名称原語表記】SMITHKLINE BEECHAM CORPORATION
|
| 【出願日】 |
平成5年12月8日(1993.12.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−137779(P2003−137779A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月14日(2003.5.14) |
| 【出願番号】 |
特願2002−260184(P2002−260184) |
|