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【発明の名称】 移り香、残り香の少ない焼香用の香
【発明者】 【氏名】吉井 康人
【住所又は居所】兵庫県津名郡一宮町江井2853番地の1 株式会社梅薫堂内

【要約】 【課題】手や衣服に香りが移らず、焼香時の煙を減少すると共に、焚いた後で香りの残らない消臭、抗菌効果の高い焼香用の香を提供することにある。

【解決手段】焼香用の香であって、A)木酢液及び/又は竹酢液、消臭剤、植物性炭化物及び香の調合材料の混合物と、B)焼香から成る焼香用の香とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 焼香用の香であって、A)木酢液及び/又は竹酢液、消臭剤、植物性炭化物及び香の調合材料の混合物B)焼香から成る焼香用の香。
【請求項2】 前記Bが総量の15〜35重量%であることを特徴とする請求項1に記載の焼香用の香。
【請求項3】 前記木酢液及び/又は竹酢液と前記消臭剤がAの成分中7:3〜9:1とする請求項1又は2に記載の焼香用の香。
【請求項4】 前記消臭剤がフラボノイド、カテキン、タンニン、ユーカリオイル、ポリフェノールのいずれかから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の焼香用の香。
【請求項5】 前記消臭剤がフラボノイドから成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の焼香用の香。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は香に関するものであり、さらに詳しくは手や衣服に香りが移らず、焼香時の煙を減少すると共に、焚いた後で香りの残らない消臭、抗菌効果の高い焼香用の香に関する。なお、この明細書において焼香とは香木や天然香料を細かく刻んで調合した細粒状の香のことをいう。
【0002】
【従来の技術】香は仏事に使われるだけでなく、リラクゼーション効果があるとして部屋でくつろぐ香りとして、広く使われている。香の種類としては、例えば香木や香料を細かく刻んで調合した焼香、仏前で焼香を行う時などに用いたり、長時間香盤などでくゆらせておく抹香、各種の香木や香料を粉末状にして合わせ、体に塗る塗香、更に沈香、白檀、丁字などの香木の原料を香炉を用いて焚くものとか、各種の花の香りやレモンなどの柑橘系の香料とタブノキの皮を粉末にして練り合わせ細かい棒状とした香水線香、又は各種の香木や香料を粉末状にきざみ、蜂蜜や梅肉、炭の粉を練り固めた練り香、白檀、竜脳、薬草、ハーブなどの香料を細かくきざんで混合し、火を使わない状態で香りが発散するように配合した匂い香などが知られている。
【0003】また、法事や葬儀に参列すると、必ず焼香をしなければならないが、それは焼香にはその香気によって仏前を清めたり、亡くなった方を供養するという意味があるためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、核家族化に伴いマンションなど限られた空間に居住する人々が増加する中、焼香時に香を室内で焚くと煙が部屋中に広がり、目に染みたり咳き込んだりすることがあった。また香の香りが衣服や供え物に移ったり、香を直接手でつまむため手が汚れたり、香りが手に移るという問題点を有していた。本発明はこれらの問題点に鑑み、煙の量を減少させ、香り以外に消臭、抗菌等の清浄効果も高い香を提供する目的で発明されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の請求項1に係る発明は、焼香用の香であって、A)木酢液及び/又は竹酢液、消臭剤、植物性炭化物及び香の調合材料の混合物と、B)焼香から成る焼香用の香であり、請求項2に係る発明は、前記Bが総量の15〜35重量%であることを特徴とする請求項1に記載の焼香用の香であり、請求項3に係る発明は、前記木酢液及び/又は竹酢液と前記消臭剤がAの成分中7:3〜9:1とする請求項1又は2に記載の焼香用の香であり、請求項4に係る発明は、前記消臭剤がフラボノイド、カテキン、タンニン、ユーカリオイル、ポリフェノールのいずれかから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の焼香用の香であり、請求項5に係る発明は、前記消臭剤がフラボノイドから成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の焼香用の香である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、木酢液及び/又は竹酢液と消臭剤と植物性炭化物を香の調合材料中に調合し、これを焼香と混合することにより完成したものである。
【0007】木酢液又は竹酢液としては特に限定されないが、ウバメガシ(Quercus phillyreoides A Gray)、コナラ(Quercus serrata Thunb)、クヌギ(Quercus acutissima Carruth.)、モウソウチク(Phyllostachys heterocycla Mitf. var. pubescens Ohwi)、マダケ(Phyllostachys bambusoides Sieb. et Zucc.)等を炭とする際の炭焼きの煙から抽出した木酢液又は竹酢液を用い、好ましくは紀州備長炭木酢液を用いる。特許第3233875号公報に紀州備長炭木酢液には消臭、抗菌作用を有することが報告されている。
【0008】消臭剤としては特に限定されないが、フラボノイド、カテキン、タンニン、ユーカリオイル、ポリフェノール等が挙げられる。好ましくはフラボノイドを使用し、フラボノイド類にはフラバノン、フラボン、カルコン、フラバノノール、フラボノール、オーロン、イソフラボンなどがあるが、より好ましくはウバメガシ抽出天然フラボノイドを用いる。これらの消臭剤を単独で用いても良く、また2種類以上を混合して使用してもよい。
【0009】植物性炭化物としては、特に限定はされないが、炭化温度800℃程度の黒炭、炭化温度1000℃程度の白炭のいずれも好ましく用いられ、樹種としては上記したウバメガシ、コナラ、クヌギ、モウソウチク、マダケやその他炭化できる全ての植物の幹、葉、果実等を黒炭又は白炭にしたものを粉末にした粉を用い、より好ましくは備長炭(ウバメガシの白炭化物)の粉末を使用する。これらの植物性炭化物は単独で用いても良く、また2種類以上を混合しても良い。
【0010】香の調合材料は基剤、糊、香料、天然精油等からなる。基剤としては特に限定されないが、椨粉(日本粉)、シャム粉(タイ国産)、ネシア粉(インドネシア産)、台粉(中国産)等があり、好ましくは椨粉を使用する。椨粉はタブノキ(Machilis thunbergii Sieb. et Zzucc.)の樹皮から採取でき、香を固める原料である。
【0011】糊も香を固める原料であり、糊としては特に限定されないが、天然糊、半合成糊、合成糊の全てが好ましく用いられ、より好ましくはCMC(カルボキシメチルセルロース)を使用する。
【0012】香料としては特に限定されないが合成香料等が挙げられ、合成香料としてはミカン(Citrus unshiu Marc)、レモン(Citrus limonia Burm. f.)、グレープフルーツ(Citrus paradisii Macf.)等の柑橘系、その他ブドウ(Vitis vinifera L.)、モモ(Prunus persica Batsch)などの果実系などをもとに造られた香料が含まれる。
【0013】天然精油としては特に限定されないが、白檀抽出液、沈香抽出液等の香木抽出精油、バラ科(Rosaceae)バラ属(Rosa L)に属する品種全てのバラ抽出液は好ましく用いられ、特にバラ抽出液として好ましくはダマスクバラ(Rosa damascene Miller)が使用でき、更に加えて他の花抽出液、例えばラベンダー(Lavandula angustifolia Mill)、ソケイ(Jasminum offcinale L.)などのフラワー抽出精油が提示でき、更にカモミール(Matricaria chamomilla L.)、イランイラン(Cananga odorata Hook. f. et Thoms)、ハッカ(Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv)等のハーブ抽出精油、チャ(Thea sinensis L.)系抽出液等が挙げられる。これらの香料、天然精油は単独で用いても良く、また2種類以上を混合しても良い。
【0014】前記原料Aのうち木酢液及び/又は竹酢液と消臭剤は重量比で7:3〜9:1、より好ましくは8:2となるように配合するのが好ましい。前記原料Aのうち木酢液及び/又は竹酢液は1.0〜6.0重量%、好ましくは3.5〜4.5重量%、消臭剤は0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%、植物性炭化物は30.0〜55.0重量%、好ましくは40.0〜50.0重量%となるように配合し、香の調合材料は30.0〜60.0重量%、好ましくは45.0〜55.0重量%となるように配合する。木酢液及び/又は竹酢液は総量の1.0重量%未満では、香を焚いても木酢液及び/又は竹酢液の消臭、洗浄効果が弱く、逆に6.0重量%を超えて混入すると木酢液等の臭いが強力となり、いずれも好ましくない。
【0015】上記した木酢液及び/又は竹酢液と消臭剤と植物性炭化物を香の調合材料中にそれぞれ任意の割合で調合したものを焼香と混ぜ合わせ、焼香用の香とする。焼香の含有量は特に限定されないが、香の総量中15.0〜35.0重量%、好ましくは20.0〜30.0重量%となるように配合する。焼香は15%未満では煙は少なくなるが、木酢液及び/又は竹酢液の臭いが強力となり、逆に35%を超えると煙の量が多くなるので好ましくない。
【0016】焼香とは香木や天然香料を細かく刻んで調合した細粒状の香のことであり、焼香としては特に限定はされないが、白檀、沈香、丁字、広南桂皮、蕾香、茴香、安息、竜脳、排草、吉草、陳皮、甘松、山奈、貝香及び零陵等の各種樹種が挙げられる。白檀はビャクダン科のビャクダン(Santalum albunm L.)の心材を乾燥したもの、沈香はジンチョウゲ科のジンコウ(Aguilaria agallocha R.)の材、特にその辺材の材質中に黒色の樹脂が沈着した部分を採集したもの、丁字はフトモモ科のチョウジノキ(Syzygium aromaticum M.)の花蕾を乾燥したもの、広南桂皮はクスノキ科のケイ(Cinnamomum cassia B.)の樹皮を乾燥したもの、蕾香はシソ科のパチョリ(Pogostemon cablin B.)の全草又は葉を乾燥したもの、茴香はセリ科のウイキョウ(Foeniculum vulgare M.)の成熟果実を乾燥したもの、安息はエゴノキ科のアンソクコウノキ(Styrax benzoin D.)の樹脂であり、竜脳はフタバキ科のリュウノウジュ(Dryobalanops sumatrensis K.)の材に含まれる精油、吉草はオミナエシ科のカコノソウ(Valeriana fauriei B.)の根茎をつけた根を乾燥したもの、陳皮はミカン科のオオベニミカン(Citrus tangerina H.)の果皮を乾燥したもの、甘松はオミナエシ科の植物(Nardostachy chinensis B.)の根茎を乾燥したもの、山奈はショウガ科のバンウコン(Kaempferiagalanga L.)の根茎を乾燥したもの、零陵又は排草はサクラソウ科のモロコシソウ(Lysimachia sikokiana M.)やシソ科のカミメボウキ(Ocimum sancitum L.)の全草を乾燥したもの、貝香はホラガイ(Charonia tritonis)、ヤコウガイ(Lunatica marmoratus)、サザエ(Turbo cornutus)、バイ(Babylonia japonica)等の種々の巻貝の殻口を閉じる蓋である。
【0017】上記した焼香を単独で用いても良く、また2種類以上の焼香を混ぜ合わせて使用しても良い。
【0018】以下、実施例を示すことにより、本発明をより明確なものとする。
【実施例】(実施例1)実施例1として、紀州備長炭木酢液を3.0重量%、フラボノイドを0.75重量%、紀州備長炭粉末を33.75重量%、沈香抽出液を基調とした調合香料を37.5重量%、焼香を25.0重量%で配合した。
【0019】(実施例2)実施例2として、紀州備長炭木酢液を4.0重量%、フラボノイドを1.0重量%、紀州備長炭粉末を39.0重量%、沈香抽出液を基調とした調合香料を36.0重量%、焼香を20.0重量%で配合した。
【0020】(比較例)比較例として、紀州備長炭粉末を25.0重量%、沈香抽出液を基調とした調合香料を25.0重量%、焼香を50.0重量%で配合した。
【0021】実施例1及び2で製造した香と比較例の香の煙の量の比較を目視で行ったところ、実施例1及び2の香の煙が比較例の煙の約30%と少なかった。
【0022】以下、本発明に係る焼香用の香の処方例を示す。なお配合量は重量%である。
処方例1 木酢液 3.0 消臭剤(フラボノイド) 0.75 備長炭粉末 33.75 CMC(糊) 2.5 椨粉 34.6 香料 0.4 焼香 25.0 合計 100.0重量%【0023】
処方例2 竹酢液 4.0 消臭剤(タンニン) 1.0 竹炭粉末 35.0 CMC(糊) 2.5 椨粉 32.1 香料 0.4 焼香 25.0 合計 100.0重量%【0024】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の請求項1に係る発明は、焼香用の香であって、A)木酢液及び/又は竹酢液、消臭剤、植物性炭化物及び香の調合材料の混合物と、B)焼香から成る焼香用の香であるので、焚いた後、部屋を消臭、抗菌するので香りが残らず、また手や供え物にも香りが移らない。また、従来品に比べ煙が少ないので、目に染みたり、咳き込んだりすることはない。
【0025】請求項2に係る発明は、前記Bが総量の15〜35重量%であることを特徴とする請求項1に記載の焼香用の香であるので、従来品に比べ煙が少なく、目に染みたり、咳き込んだり、香の臭いが衣服等に移ったりすることはない。
【0026】請求項3に係る発明は、前記木酢液及び/又は竹酢液と前記消臭剤がAの成分中7:3〜9:1とする請求項1又は2に記載の焼香用の香であるので、焚いた後、部屋を消臭、抗菌するので香りが残らない。
【0027】請求項4に係る発明は、前記消臭剤がフラボノイド、カテキン、タンニン、ユーカリオイル、ポリフェノールのいずれかから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の焼香用の香であり、請求項5に係る発明は、前記消臭剤がフラボノイドから成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の焼香用の香であるので、消臭効果の高い焼香用の香となる。
【出願人】 【識別番号】592066332
【氏名又は名称】株式会社梅薫堂
【住所又は居所】兵庫県津名郡一宮町江井2853−1
【出願日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【代理人】 【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
【公開番号】 特開2003−137759(P2003−137759A)
【公開日】 平成15年5月14日(2003.5.14)
【出願番号】 特願2001−338173(P2001−338173)