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【発明の名称】 エアゾール組成物
【発明者】 【氏名】佐藤 征吾
【住所又は居所】東京都墨田区錦糸三丁目2番1号 小池化学株式会社内

【氏名】金野 茂弘
【住所又は居所】埼玉県北足立郡吹上町大字袋字窪882 小池化学株式会社内

【氏名】煤田 学
【住所又は居所】埼玉県北足立郡吹上町大字袋字窪882 小池化学株式会社内

【氏名】横田 博志
【住所又は居所】愛媛県伊予三島市村松町370番地 愛媛製紙株式会社内

【氏名】吉岡 一茂
【住所又は居所】愛媛県伊予三島市宮川1丁目2番27号 カミ商事株式会社内

【要約】 【課題】エアゾールの原液に含まれる成分に対し撥水性や断熱性を付与し、且つ噴射に伴って原液を大量に搬送する。

【解決手段】エアゾール組成物は、羽毛の粉体を含む原液と噴射剤とを含有することを特徴とする。羽毛の粉体は、鳥の羽根を粉砕して得る。この羽毛は優れた撥水性を有し、且つ芯に微細な空隙が形成され、該空隙によって液体成分を保持する機能、断熱機能を発揮する。更に、調湿性も有し、湿度が上昇したとき空気中の水蒸気を吸収し、湿度が低下したとき吸収した水蒸気を放出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 羽毛の粉体を含む原液と噴射剤とを含有することを特徴とするエアゾール組成物。
【請求項2】 前記羽毛の粉体が原液に含まれる有効成分に応じて200μm以下に微粉砕されたものであることを特徴とする請求項1に記載したエアゾール組成物。
【請求項3】 原液に於ける前記羽毛の粉体の含有量が0.05重量%乃至40.0重量%の範囲に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載したエアゾール組成物。
【請求項4】 前記噴射剤が、圧縮空気,窒素ガス,炭酸ガス,液化石油ガス,ジメチルエーテルの中から選択された少なくとも一種類のガスを含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したエアゾール組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、羽毛の粉体を含有したエアゾール組成物に関し、羽毛の粉体が有する撥水性,断熱性,調湿性や搬送体としての機能を有効に発揮させたエアゾール組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エアゾールは、目的の効能を発揮し得る成分を含有した原液と噴射剤とを容器に充填し、バルブの操作に伴って原液を噴射させるものである。このため、目的の機能に対応させて多数種類のエアゾールが市場に提供され、夫々好ましく使用されている。
【0003】例えば、エアゾール式の制汗剤は、制汗機能を有する成分や清涼感を発揮し得る成分及び他の成分に肌のすべすべ感を改善し得るタルクを含有させて原液とし、この原液と噴射剤を容器に充填して構成されている。この制汗剤では、肌に原液をスプレーすることによって制汗作用を発揮させると共に清涼感を発揮させ、且つ肌に付着した原液が乾燥したとき、タルクが残留してすべすべ感を持続させることが可能であり、汗を押さえて使用者にさわやかな感覚を与えることが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のエアゾールでは、予め設定された機能を発揮し得る成分や、含有成分の安定化をはかるための成分が処方されると共に夫々混合されて容器に充填されている。このようなエアゾールでは、有効成分を包含して搬送する搬送体を用いることがある。この搬送体は、噴射対象に応じて(例えば人体或いは人体以外の物等)適宜選択されるが、搬送体の開発は継続的に行なわれるべきである。
【0005】また例えば上記従来の制汗剤では、容器に充填されているタルクが沈殿してしまうため、使用する都度、充分な攪拌を行なうことが必要となり、多少とはいえ使用者の使い勝手が悪いという問題が生じてくる。
【0006】本発明の目的は、目的の機能を発揮する成分に撥水性や断熱性を付与し、且つ原液を有効に搬送することが出来るエアゾール組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明に係るエアゾール組成物は、羽毛の粉体を含む原液と噴射剤とを含有することを特徴とするものである。
【0008】羽毛の粉体は、例えば水鳥に代表される鳥の羽根を粉砕して得たものであり、羽根をアルコール系溶剤に浸漬して石臼式回転磨砕或いはボールミル粉砕を施して得た粉体である。羽毛は極めて優れた撥水性を有し、且つ芯に微細な空隙が形成されているため、該空隙によって液体成分を保持することが可能である。また羽毛は優れた調湿性をも有し、湿度が上昇したとき空気中の水蒸気を吸収し、湿度が低下したとき吸収した水蒸気を放出する機能を有する。更に、羽毛は、構造上空気層を有することが出来るため、優れた断熱機能が発揮される。
【0009】従って、羽毛の粉体をエアゾールの原液に含有させることで、該原液に撥水性や断熱性を付与することが可能であり、且つ芯に形成された空隙に原液を保有して搬送することが可能である。
【0010】例えばエアゾールの原液が塗料の如きものである場合、羽毛の粉体が塗料を芯に形成された空隙に保持し、噴射に伴って飛散した羽毛が被塗装物に付着することによって、該被塗装物に撥水性を持った塗装を施すことが出来る。
【0011】また羽毛を塗料によって染色した後、該羽毛を破砕して粉体とし、この粉体を含有させた原液によって、エアゾールの毛染め剤として機能させることが出来る。
【0012】また制汗剤に含有させたタルクに代えて羽毛の粉体を含有させることによって、制汗作用を持った成分を搬送すると共に、肌に付着した後はさらさら感を発揮することが出来る。特に、容器に充填された状態であっても、羽毛の粉体が沈殿することがなく、使用の都度、容器を振って攪拌する必要がない。
【0013】上記エアゾール組成物に用いる羽毛の粉体は原液が含む有効成分によって異なるものの、粒径が200μm以下の粉体であることが好ましい。羽毛を破砕する場合、最小寸法が2μm程度であり、この寸法の粉体であっても、対象となる成分によっては充分な機能を発揮することが出来る。また粉体の寸法が200μmを超えた場合、原液を噴射する際にバルブに悪影響を及ぼす虞がある。
【0014】例えば、原液が制汗剤や虫忌避剤のように人体に吹き付けて肌に付着させるようなものである場合、肌に対する刺激の大きさや、噴射時の肌触りの良否が問題となり、刺激が強すぎるとエアゾールとして使用し得なくなる虞がある。このため、前記の如き人体に使用するエアゾールでは、羽毛の粉体の寸法は20μm〜100μmの範囲であることが肌触りや刺激等の点から好ましい。
【0015】また原液が断熱被覆塗料であるような場合、噴射に伴って原液をムラなく大量に搬送し得ることが好ましい。この場合、羽毛の粉体の寸法は50μm〜150μmの範囲であることが好ましい。
【0016】また上記エアゾール組成物に於いて、原液に於ける羽毛の粉体の含有量は原液の機能に応じて異なるものの、0.05重量%〜20.0重量%の範囲に設定されることが好ましい。
【0017】また上記エアゾール組成物を噴射する噴射剤としては、圧縮空気,窒素ガス,炭酸ガス,液化石油ガス,ジメチルエーテルの中から選択された少なくとも一種類のガスを含むことが好ましい。このように、噴射剤としては、エアゾールの分野で通常用いられる噴射剤を用いることが出来、特に、ジメチルエーテルは水や有機溶媒との相溶性が良いので、原液の粘度を低下させて噴射特性を改善すると共に噴射後は速やかに揮散し、原液の良好な付着性を発揮することが出来る。更に、噴射剤としての圧縮空気,窒素ガス,炭酸ガス,液化石油ガス,ジメチルエーテルは、単独で、或いはこれらを組み合わせて用いることが出来る。
【0018】特に、噴射剤が炭酸ガスや窒素ガス等の圧縮ガスである場合、製品の内圧,原液の性状や水素イオン濃度指数(pH)に影響を与えることがあるため、混合充填比率は5重量%以下であることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、羽毛の粉体を含有したエアゾール組成物の処方例について説明する。
【0020】
第1処方例(制汗剤)
粉部 無水ケイ酸 ;67.0重量% クロルヒドロキシアルミニウム ;25.0重量% 羽毛粉末 ; 8.0重量% 液部 ミリスチン酸イソプロピル ;59.8重量% 架橋型シリコーン樹脂+低粘度シリコーン油 ;28.0重量% ソルビタン脂肪酸エステル ;11.0重量% トリクロサン(有効成分) ; 0.2重量% 香料 ; 1.0重量% エアゾール L-0.25 65/35 イソペンタン ;95.5重量% 粉部 ; 1.0重量% 液部 ; 3.5重量%この制汗剤では、粉部に羽毛粉末を用いることによって、肌に付着して汗を吸収することが可能であり、効果的に肌の乾燥感,すべすべ感を与えることが可能である。また保湿効果を発揮し、更に、汗に含まれる油を吸収して臭いの発生を防止することが可能である。
【0021】
第2処方例(虫忌避剤)
原液 ジエチルトルアミド(有効成分) ; 8.70重量% ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 ; 0.12重量% トリオレイン酸ソルビタン ; 0.25重量% 羽毛粉末 ; 0.25重量% 変成アルコール ;90.68重量% エアゾール 脱臭ブタン ;50.00容量% 原液 ;50.00容量%この虫忌避剤では、肌に付着したとき有効成分をより長時間保持することが可能であり、且つ汗に含まれる油を吸収して臭いの発生を防止することが可能である。
【0022】
第3処方例(グリップスプレー)
粉部 炭酸マグネシウム ;96.25重量% 羽毛粉末 ; 3.75重量% 液部 変成アルコール ;64.50重量% ロジン ;30.00重量% ミリスチン酸イソプロピル ; 1.50重量% ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.) ; 1.50重量% 香料 ; 2.50重量% エアゾール L-0.25 65/35 イソペンタン ;84.00重量% 粉部 ; 7.50重量% 液部 ; 8.50重量%このグリップスプレーでは、手のひらにある汗を吸収してバットやラケットのグリップを充分に握ることが可能である。
【0023】
第4処方例(育毛,増毛剤)
原液 未変成アルコール ;60.00重量% アクリル樹脂アルカノールアミン液 ;36.00重量% ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 ; 1.00重量% 羽毛粉末(黒染) ; 3.00重量% エアゾール ジメチルエーテル 60/40 脱臭ブタン ;60.00容量% 原液 ;40.00容量%この育毛,増毛剤では、羽毛粉末が搬送体としての機能を発揮することが可能であり、且つ頭皮に付着したとき、該頭皮にある脂を吸収して育毛環境の改善をはかることが可能である。
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係るエアゾール組成物では、原液に羽毛の粉体を含有させたので、原液の成分がもつ固有の性質に加えて、羽毛の持つ撥水性や断熱性を発揮させることが出来る。特に、羽毛の粉体の芯に空隙が形成されるため、この空隙がカプセル状の機能を発揮し、原液を搬送する搬送材として機能することが出来る。このため、噴射に伴って、原液を大量に効率良く搬送することが出来、物体に塗料層を形成する塗装用エアゾールとしたとき有効である。
【0025】また原液と共に容器に充填されたとき、該容器内で沈殿するが、使用の都度、容器を振って容易に再分散する。このため、使い勝手の良いエアゾールを構成することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000185363
【氏名又は名称】小池化学株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区錦糸三丁目2番1号
【識別番号】591108248
【氏名又は名称】カミ商事株式会社
【住所又は居所】愛媛県伊予三島市宮川1丁目2番27号
【出願日】 平成13年10月24日(2001.10.24)
【代理人】 【識別番号】100066784
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 周吉 (外1名)
【公開番号】 特開2003−128520(P2003−128520A)
【公開日】 平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願番号】 特願2001−325935(P2001−325935)