| 【発明の名称】 |
シンバスタチン含有錠剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】東郷 太一郎
【氏名】谷口 俊哉
【氏名】寺井 孝夫
【氏名】山本 善信
|
| 【要約】 |
【課題】工業的に有利に製造できる錠剤であって、シンバスタチンを安定に保持できる錠剤を提供すること。
【解決手段】シンバスタチンと製剤上の添加物との混合物を圧縮成形して錠剤を得る際、前記混合物中にアスコルビン酸を含ませることにより、前記課題を解決した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シンバスタチン、製剤上の添加物及びアスコルビン酸が含まれることを特徴とする錠剤。 【請求項2】シンバスタチン100重量部に対し、アスコルビン酸5重量部〜50重量部が含まれる請求項1記載の錠剤。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高脂血症治療薬として有用なシンバスタチンを、長期に亘って安定に保持する錠剤に関する。 【0002】 【従来の技術】シンバスタチンは、分子内にラクトン環を有しているため、酸性又はアルカリ性の環境下で加水分解され易く、通常の製剤的添加剤を用いて通常の方法で錠剤とした場合は、徐々に分解される問題がある。したがって、その製剤化に際し安定化を図る必要がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、工業的に有利に製造できる錠剤であって、シンバスタチンを安定に保持できる錠剤を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、シンバスタチンと製剤添加物との組成物中にアスコルビン酸が含まれていると、シンバスタチンが安定化することを見出し、さらに検討を加え、本発明を完成することができた。 【0005】すなわち本発明によれば、(1)シンバスタチン、製剤上の添加物及びアスコルビン酸が含まれることを特徴とする錠剤、(2)シンバスタチン100重量部に対し、アスコルビン酸5重量部〜50重量部が含まれる前記(1)の錠剤を提供することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の活性成分であるシンバスタチンは、白色の結晶であり、製剤化に際しては平均粒子径10〜100μm程度に粉末化したものが好適である。本発明に用いられる製剤上の添加剤としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等が含まれる。例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、D−マンニトール、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等が挙げられ、中でも乳糖や結晶セルロースが好ましい。また、崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプン等が使用できる。結合剤としては、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン等が挙げられ、それらの混合物も好適に使用される。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。必要に応じてその他の添加剤を加えてもよい。 【0007】本発明においてシンバスタチンとアスコルビン酸の好ましい混合割合は、シンバスタチン100重量部に対し、アスコルビン酸が5重量部〜50重量部であるが、より好ましくは10重量部〜30重量部である。 【0008】本発明の錠剤を製造する場合、乾式直打法と湿式法の何れでも常法にしたがい好適に錠剤化できるが、より好ましくは乾式直打法である。 【0009】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0010】実施例1シンバスタチン150g、乳糖150g、アスコルビン酸30g及び含水二酸化ケイ素15gを50メッシュのJIS標準篩で篩過し、混合した。この混合物に乳糖2475g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース150gを加え、タンブラー混合機を用いて均一に混合した。次いでステアリン酸マグネシウム30gを加え、混合後、回転式打錠機で圧縮成型して下記組成の白色錠剤を得た。 [成 分] [1錠当たりの重量(mg)] シンバスタチン 5.0 乳糖 87.5 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 5.0 アスコルビン酸 1.0 軽質無水ケイ酸 0.5 ステアリン酸マグネシウム 1.0 合 計 100.0【0011】実施例2シンバスタチン150g、結晶セルロース150g、アスコルビン酸30g及び含水二酸化ケイ素15gを50メッシュのJIS標準篩で篩過し、混合した。この混合物に結晶セルロース2025g及び部分アルファー化デンプン600gを加え、タンブラー混合機を用いて均一に混合した。次いでステアリン酸マグネシウム30gを加え、混合後、回転式打錠機で圧縮成型して下記組成の白色錠剤を得た。 [成 分] [1錠当たりの重量(mg)] シンバスタチン 5.0 結晶セルロース 72.5 部分アルファー化デンプン 20.0 アスコルビン酸 1.0 含水二酸化ケイ素 0.5 ステアリン酸マグネシウム 1.0 合 計 100.0【0012】実施例3シンバスタチン150g、乳糖2625g、ヒドロキシプロピルセルロース60g及びアスコルビン酸30gを高速撹拌造粒機に投入し、混合した後、精製水360mlを投入して造粒した。得られた造粒物を乾燥後、30メッシュのJIS標準篩で篩過し、整粒末を得た。この整粒末にカルボキシメチルセルロースカルシウム90g、含水二酸化ケイ素15g及びステアリン酸マグネシウム30gを加え、タンブラー混合機を用いて均一に混合後、回転式打錠機で圧縮成型して下記組成の白色錠剤を得た。 [成 分] [1錠当たりの重量(mg)] シンバスタチン 5.0 乳糖 87.5 ヒドロキシプロピルセルロース 2.0 カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0 アスコルビン酸 1.0 含水二酸化ケイ素 0.5 ステアリン酸マグネシウム 1.0 合 計 100.0【0013】比較例1シンバスタチン150g、乳糖150g、及び含水二酸化ケイ素15gを50メッシュのJIS標準篩で篩過し、混合した。この混合物に乳糖2505g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース150gを加え、タンブラー混合機を用いて均一に混合した。次いでステアリン酸マグネシウム30gを加え、混合後、回転式打錠機で圧縮成型して下記組成の白色錠剤を得た。 [成 分] [1錠当たりの重量(mg)] シンバスタチン 5.0 乳糖 88.5 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 5.0 軽質無水ケイ酸 0.5 ステアリン酸マグネシウム 1.0 合 計 100.0【0014】比較例2シンバスタチン150g、結晶セルロース150g及び含水二酸化ケイ素15gを50メッシュのJIS標準篩で篩過し、混合した。この混合物に結晶セルロース2055g及び部分アルファー化デンプン600gを加え、タンブラー混合機を用いて均一に混合した。次いでステアリン酸マグネシウム30gを加え、混合後、回転式打錠機で圧縮成型して下記組成の白色錠剤を得た。 [成 分] [1錠当たりの重量(mg)] シンバスタチン 5.0 結晶セルロース 73.5 部分アルファー化デンプン 20.0 含水二酸化ケイ素 0.5 ステアリン酸マグネシウム 1.0 合 計 100.0【0015】比較例3シンバスタチン150g、乳糖2655g及びヒドロキシプロピルセルロース60gを高速撹拌造粒機に投入し、混合した後、精製水360mlを投入して造粒した。得られた造粒物を乾燥後、30メッシュのJIS標準篩で篩過し、整粒末を得た。この整粒末にカルボキシメチルセルロースカルシウム90g、含水二酸化ケイ素15g及びステアリン酸マグネシウム30gを加え、タンブラー混合機を用いて均一に混合後、回転式打錠機で圧縮成型して下記組成の白色錠剤を得た。 [成 分] [1錠当たりの重量(mg)] シンバスタチン 5.0 乳糖 88.5 ヒドロキシプロピルセルロース 2.0 カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.0 含水二酸化ケイ素 0.5 ステアリン酸マグネシウム 1.0 合 計 100.0【0016】試験例1(苛酷試験による製剤の保存安定性比較) 実施例1及び2並びに比較例1及び2で得た各錠剤を、温度60℃、湿度75%で密封保存及びシャーレ中開放保存し、20日後に各錠剤のシンバスタチン残存量を高速液体クロマトグラフ法により測定した。結果(当該クロマトグラムの面積百分率)は下記のとおりである。 密封保存 シャーレ中開放保存 実施例1 98.0% 95.8% 比較例1 94.6% 94.5% 実施例2 97.5% 96.0% 比較例2 94.7% 93.2% 実施例3 98.8% 96.7% 比較例3 93.8% 92.9%この結果から、本発明の実施例1、2及び3の錠剤は、医薬の安定化効果の点で対応する比較例1、2及び3より、それぞれ優れていることが判明した。 【0017】 【発明の効果】本発明によれば、変質し易いシンバスタチンを、長期に亘って安定に保持する錠剤を提供することができる。また、本発明の錠剤は常法にしたがって容易に製造できるため、工業的有利に製造できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】593030071 【氏名又は名称】大原薬品工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年10月11日(2001.10.11) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2003−119134(P2003−119134A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月23日(2003.4.23) |
| 【出願番号】 |
特願2001−313447(P2001−313447) |
|