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【発明の名称】 メラニン生成抑制剤及び皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】松田 洋幸
【住所又は居所】神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高砂香料工業株式会社総合研究所内

【氏名】玉井 英子
【住所又は居所】神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高砂香料工業株式会社総合研究所内

【氏名】渡部 真哉
【住所又は居所】神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高砂香料工業株式会社総合研究所内

【氏名】萩原 利光
【住所又は居所】神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高砂香料工業株式会社総合研究所内

【要約】 【課題】高いメラニン生成抑制効果があり、安定性、安全性に優れたメラニン生成抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤を提供する。

【解決手段】下記一般式で表される大環状α−ヒドロキシケトン化合物を含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1)
【化1】

(式中、R1は、全環員炭素数16〜26のうち、環員炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【請求項2】 下記一般式(2)
【化2】

(式中、R2は、全環員炭素数18〜24のうち、環員炭素数16〜22を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい、飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【請求項3】 請求項1又は2に記載のメラニン生成抑制剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項4】 請求項1又は2記載のメラニン生成抑制剤の1種又は2種以上を0.00001〜10質量%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項5】 下記一般式(3)
【化3】

(式中、R3は、全環員炭素数20又は21のうち、環員炭素数18又は19を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大環状α−ヒドロキシケトン化合物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規大環状ヒドロキシケトン化合物、該新規大環状ヒドロキシ化合物を含む大環状ヒドロキシケトン化合物を含有するメラニン生成抑制剤に関する。さらに、本発明は、これらのメラニン生成抑制剤を1種又は2種以上含有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚への紫外線等の照射により日焼けを起こし、皮膚組織が色黒く変色を生じるのは、紫外線暴露による刺激やホルモン等が原因となって、色素細胞においてメラニンが生成、沈着することに起因する。そばかす、しみなどは皮膚局所において表皮全層にメラニンが滞って沈着している状態である。
【0003】この表皮におけるメラニン合成については、色素細胞の中で生合成された酸化酵素であるチロシナーゼがチロシンを酸化重合させることでメラニンが生成するとされている。このような、メラニンの生成、沈着過程を抑制することが美白剤開発としての課題であり、様々な研究がなされてきた。
【0004】これまでに、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン生成を抑制する物質や、生成したメラニンを淡色漂白化する物質として、ビタミンC、システイン、コウジ酸、アルブチン、グルタチオン、ハイドロキノンや天然物からの抽出物等の有効性が確認されている。しかしながら、これらの物質は安定性、安全性、美白効果も十分ではなく、未だ満足のいく美白剤は得られていない。
【0005】また、大環状ヒドロキシケトン構造を有するメラニン生成抑制効果のある化合物として、ムスク香料の合成中間体として知られる15員環ヒドロキシケトン構造を有する2−ヒドロキシシクロペンタデカノン(特開平9−151129号公報)が報告されている。しかし、この化合物のメラニン生成抑制効果も未だ充分ではなく、さらに活性の強いメラニン生成抑制剤の開発が望まれていた。
【0006】米国特許第6200254号明細書には、下記の化学式(4a)
【化4】

(R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基、aは1又は2、bは1〜6を示す。)で表される大環状ジエンケトン化合物及び下記の化学式(4b)
【化5】

(R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基、aは1又は2、bは1〜6を示す。)で表される飽和又はモノ不飽和大環状ケトンの化合物を合成する際の反応中間体とて、α−ヒドロキシケトン体を経由することが報告されている。
【0007】また、より環員数が大きな大環状ヒドロキシケトンについては、例えば22員環の2−ヒドロキシシクロドコサノン及び24員環の2−ヒドロキシシクロテトラコサノンが、それぞれ[20.3.3]プロペラン-24,27-ジオン及び[22.3.3]プロペラン-26,29-ジオンの合成中間体であることが知られている(Helv. Chim. Acta,68, 2033(1985), J. Am. Chem. Soc., 109, 7477(1987))。
【0008】また、24員環の2−ヒドロキシシクロテトラコサノンは、配座解析に用いるトランス−テトラコサン−1,2−セミジオンの前駆体としても知られている(J. Am. Chem. Soc., 107, 1717(1985))。26員環の2−ヒドロキシシクロヘキサコサンは、ジエチル 1,26−ヘキサコサンジオエートのアシロイン環化反応の生成物として報告されている(Ann. Chim. (Rome), 60(2), 155(1970))。
【0009】さらに、28員環の2−ヒドロキシシクロオクタコサノン及び30員環の2−ヒドロキシシクロトリアコンタノンについては、シャトル分子の大環状リング部分構築に利用した報告がある(Chem. Ber., 113, 941(1980), J. Am. Chem. Soc., 89, 5723(1967))。
【0010】しかし、これらの13〜19員環及び22員環以上の大環状化合物については、α−ヒドロキシケトン体の特性についての記載はなく、したがって、前記一般式(1)で示される環員炭素数16〜26の大環状α−ヒドロキシケトン化合物が、メラニン生成抑制剤として有効であることは全く予想外であったものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高いメラニン生成抑制効果があり、安定性、安全性に優れたメラニン生成抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような現状において、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)
【化6】

(式中、R1は、全環員炭素数16〜26のうち、環員炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で示される大環状α−ヒドロキシケトン化合物が、生きた色素細胞のメラニン産生に対し強力な抑制作用を有していることを見出し本発明を完成した。
【0013】また、該大環状ヒドロキシケトン化合物を含有するメラニン生成抑制剤が、安定性、安全性に優れ、高いメラニン生成抑制効果を有していること、さらに該メラニン生成抑制剤を含有した皮膚外用剤が処方系中もしくは基剤中で安定で且つ安全で、優れた美白効果があることを見いだし、本発明を完成した。本発明は以下の各発明を包含する。
【0014】(1)下記一般式(1)
【化7】

(式中、R1は、全環員炭素数16〜26のうち、環員炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【0015】(2)下記一般式(2)
【化8】

(式中、R2は、全環員炭素数18〜24のうち、環員炭素数16〜22を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【0016】(3) 前記(1)〜(2)項記載のメラニン生成抑制剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【0017】(4) 前記(1)〜(2)項記載のメラニン生成抑制剤の1種又は2種以上を0.00001〜10質量%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【0018】(5) 下記一般式(3)
【化9】

(式中、R3は、全環員炭素数20又は21のうち、環員炭素数18又は19を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。)で表される大環状α−ヒドロキシケトン化合物。
【0019】(6) 前記(5)項記載の大環状α−ヒドロキシケトン化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
【0020】(7) 前記(6)項記載のメラニン生成抑制剤の1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【0021】(8) 前記(6)項記載のメラニン生成抑制剤の1種又は2種以上を0.00001〜10質量%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、さらに詳細に説明する。本発明のメラニン生成抑制剤である前記一般式(1)で示される大環状α−ヒドロキシケトン化合物において、R1は、全環員炭素数16〜26のうち、環員炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。また、一般式(2)において、R2は、全環員炭素数18〜24のうち、環員炭素数16〜22を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい、飽和又は1〜3個の不飽和結合を有する鎖状炭化水素基を示す。ここで、炭素数1〜3の低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などを挙げることができる。
【0023】本発明のメラニン生成抑制剤である一般式(1)及び一般式(2)の化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げることができる。しかしながら、本発明の一般式(1)及び一般式(2)の化合物は、以下に例示した化合物に限定されるものではない。
【0024】飽和体としては、例えば、2−ヒドロキシシクロヘキサデカノン、2−ヒドロキシシクロヘプタデカノン、2−ヒドロキシシクロオクタデカノン、2−ヒドロキシシクロノナデカノン、2−ヒドロキシシクロイコサノン、2−ヒドロキシシクロヘンコサノン、2−ヒドロキシシクロドコサノン、2−ヒドロキシシクロトリコサノン、2−ヒドロキシシクロテトラコサノン、2−ヒドロキシシクロペンタコサノン、2−ヒドロキシシクロヘキサコサノン、2−ヒドロキシ−3−メチルシクロイコサノン、2−ヒドロキシ−20−メチルシクロイコサノン、2−ヒドロキシ−4,19−ジメチルシクロイコサノン、(4R)−2−ヒドロキシ−4−メチルシクロイコサノン、(19R)−2−ヒドロキシ−19−メチルシクロイコサノン等が挙げられる。
【0025】また、不飽和体としては、例えば、2−ヒドロキシ−8−シクロヘキサデセノン、2−ヒドロキシ−9−シクロヘプタデセノン、2−ヒドロキシ−10−シクロオクタデセノン、2−ヒドロキシ−10−シクロノナデセノン、2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン、(Z)−2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン、(E)−2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン、2−ヒドロキシ−10−シクロヘンコセノン、2−ヒドロキシ−11−シクロドコセノン、2−ヒドロキシ−13−シクロテトラコセノン、2−ヒドロキシ−3−メチル−11−シクロイコセノン、2−ヒドロキシ−20−メチル−11−シクロイコセノン、2−ヒドロキシ−4、19−ジメチル−11−シクロイコセノン、(4S)−2−ヒドロキシ−4−メチル−11−シクロイコセノン、(19S)−2−ヒドロキシ−19−メチル−11−シクロイコセノン、(5E、15E)−2−ヒドロキシ−5、15−シクロオクタデカジエノン、(5E、17E)−2−ヒドロキシ−4、19−ジメチル−5、17−シクロイコサジエノン等が挙げられる。
【0026】本発明の一般式(1)及び一般式(2)の化合物は、鎖状炭化水素基の置換により生ずる不斉炭素上の(R,S)構造により光学活性な異性体が存在するが、本発明においては、これらのいずれの異性体であっても、またラセミ体であっても用いることができる。さらに、二重結合により生ずるシス体及びトランス体のいずれの異性体であっても、また、それらの混合物であっても用いることができる。
【0027】本発明のメラニン生成抑制剤である一般式(1)及び一般式(2)の化合物中、前記一般式(3)で示される全環員炭素数20又は21の大環状α−ヒドロキシケトン化合物は、従来、知られていない新規な化合物であり、顕著なメラニン生成抑制効果を示し、安定、保存可能な化合物である。
【0028】一般式(3)の化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げることができる。しかしながら、本発明の一般式(3)で示される化合物は、以下に例示の化合物に限定されるものではない。飽和体としては、例えば、2−ヒドロキシシクロイコサノン、2−ヒドロキシシクロヘンコサノン等が挙げられる。また不飽和体としては、例えば、2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン、2−ヒドロキシ−11−シクロヘンコセノン、2−ヒドロキシ−12−シクロヘンコセノン等が挙げられる。
【0029】本発明の一般式(1)〜(3)の各化合物は、例えば、以下に示すように、相当する炭素数を有する両末端長鎖ジカルボン酸ジエステル(I)から、公知の方法であるアシロイン縮合反応により合成することができる(特許第3087921号)。さらに、飽和体(III)は相当する不飽和体(II)を定法に従い、水素化することで容易に得ることができる。
【0030】
【化10】

【0031】(式中、R’は、炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、R”は、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい1〜3個の不飽和結合を有する炭素数14〜24の鎖状炭化水素基を示し、該R”は、上記飽和体(II)においては、全環員炭素数16〜26のうち、環員炭素数14〜24を形成しており、R''’は、全環員炭素数16〜26のうち、環員炭素数14〜24を形成する、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい飽和鎖状炭化水素基を示す。)
【0032】また、基R”中に不飽和結合を有し、相当する鎖長炭素数を有する両末端長鎖ジカルボン酸ジエステル(I)は、例えば以下に示す様に同一あるいは異なる種類の不飽和エステル間のメタセシス反応により得ることができる。
【化11】

【0033】(式中、R’は、炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、R”は、炭素数1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよい、1〜3個の不飽和結合を有する炭素数14〜24の鎖状炭化水素基を示し、P及びQは、互いに独立して、1〜3個の低級アルキル基で置換されていてもよい、炭素数2〜18の鎖状炭化水素基を示す。但し、P及びQ中の鎖状炭化水素基の直鎖炭素数の総和は10〜20である。)
【0034】ここで、上記式中の不飽和エステル(IVa)及び(IVb)は、市販されているもの〔例えば、10−ウンデセン酸メチル(東京化成)〕をそのまま或いは必要に応じて精製して使用することができる。また、光学活性体を含む3−メチル置換不飽和エステル体は、例えば特開平2000−53675号公報記載の方法で得ることもできる。
【0035】不飽和エステル(IVa)及び(IVb)の上記したメタセシス反応は、無溶媒で行うことも可能であるが、反応に関与しない不活性な溶媒であれば何れのものをも用いることができ、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等の塩素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒等の有機溶媒或いはそれら混合溶媒を、不飽和エステル(IVa)及び(IVb)に対して1〜100倍容量用いて、グラッブス触媒を1000分の1〜5分の1モル倍量の存在下で行われる。反応は、通常約5〜50℃程度で、約1〜20時間程度で完了する。反応の後処理は通常の方法によって行われる。
【0036】得られた化合物(I)の上記したアシロイン縮合は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族系溶媒を、化合物(I)に対して5〜100倍容量用いて、金属ナトリウム、金属リチウムなどのアルカリ金属を4〜8モル倍量の存在下、必要に応じて、塩化トリメチルシリル等の添加剤を4〜8モル倍量を用いて行われる。反応は、通常約100〜150℃程度で、約1〜10時間程度で完了する。反応の後処理は通常の方法によって行われる。
【0037】得られた化合物(II)の前記した水素化に使用できる溶媒は、反応に関与しない不活性な溶媒であれば何れのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶媒等の有機溶媒或いはそれら混合溶媒などを、化合物(I)に対して1〜100倍容量用いて、パラジウム炭素、パラジウム−アルミナ、パラジウム−シリカ、パラジウム−ブラックなどの金属担持触媒を0.1〜50質量%の存在下、水素圧は常圧〜6650Paで行われる。反応は、通常約0〜100℃程度で、約1〜20時間程度で完了する。反応の後処理は通常の方法によって行われる。
【0038】また、本発明の一般式(1)〜(3)におけるR1〜R3において、不飽和結合を二つ以上有し、相当する鎖長炭素数を有する両末端長鎖ジカルボン酸ジエステルは、例えば以下に示すように米国特許6200254号明細書記載の方法に従い合成することができる。
【0039】すなわち、ジアルデヒドを同一あるいは異なる種類の2倍のビニルグリニア反応によりジアリルアルコール体へと導いた後、トリアルキルオルソホルメートを用いたクライゼン転移を行うことで相当する両末端長鎖ジカルボン酸ジエステル(2')を得ることができる。
【0040】
【化12】

【0041】しかしながら、一般式(1)〜(3)の化合物の製造は、上記した方法に制限されるものではなく、他の方法によって製造してもよい。
【0042】本発明の一般式(1)〜(3)の化合物〔以下、一般式(1)の化合物で代表する〕は、以下の実施例にも示すように、色素細胞に対するメラニン生成抑制作用を有し、保存安定性において優れている。
【0043】本発明の一般式(1)の化合物を含有する本発明のメラニン生成抑制剤は、一般式(1)の化合物のうちの1種類のみを含有していても、又は2種類以上を含有していてもよい。また、本発明のメラニン生成抑制剤は、一般式(1)の化合物の1種又は2種以上と、従来公知の美白成分、例えば、パンテテイン−S−スルホン酸、イソフェルラ酸、アスコルビン酸及びこれらの誘導体、アルブチン、コウジ酸、リノール酸、エラグ酸、グリチルリチン酸、甘草抽出物等の1種又は2種以上を含有する混合型のメラニン生成抑制剤であってもよい。
【0044】さらに、本発明のメラニン生成抑制剤は、一般式(1)の化合物の1種又は2種以上と紫外線吸収剤の両方を含有する混合型のメラニン生成抑制剤であってよく、その場合にはメラニン生成抑制効果と紫外線吸収剤のもつ紫外線遮蔽効果の両方の効果を得ることができる。一般式(1)の化合物と併用する紫外線吸収剤としては、従来公知の紫外線吸収剤、例えば、"Parsol 1789”等のジベンゾイルメタン誘導体や”ソフトシェードA”などのα−デヒドロアミノ酸誘導体などのUV−A吸収剤;p−アミノ安息香酸エステル類、p−メトキシ桂皮酸エステル類、2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、サリチル酸フェニルエステル等のサリチル酸誘導体、没食子酸誘導体等のUV−B吸収剤を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0045】本発明において、皮膚外用剤とは、化粧品、医薬品、医薬部外品のことであり、これらの剤型は任意であり、通常、化粧品、医薬品、医薬部外品等に用いられているもの、例えば、化粧水、乳液、パック、ファンデーション、クリーム、軟膏、浴用剤、ゲル等の剤型が挙げられる。
【0046】皮膚外用剤の剤型中のメラニン生成抑制剤の濃度は、基剤の種類、他のメラニン生成抑制剤との併用の有無、使用目的等により適宜変えることができるが、通常は外用剤全量に対して、好ましくは0.00001〜10質量%、さらに好ましくは0.0001〜1質量%の範囲とするのが良い。皮膚外用剤の基剤としては、公知の皮膚外用剤の基剤を用いることができ、本発明化合物に対して不活性なものであれば特に制限されることはなく、固体、液体、乳剤、泡状剤、ゲル状剤等のいずれも使用することができる。
【0047】また、本発明の皮膚外用剤には、本発明の化合物のメラニン生成抑制効果を損なわない範囲において、医薬品、化粧品等で一般に用いられる各種成分、例えば、水性成分、油性成分、粉末成分、界面活性剤、保湿剤、低級あるいは多価アルコール類、増粘剤、着色料、香料、抗酸化剤、PH調整剤、キレート剤、防腐剤、紫外線防御剤、乳化剤、抗炎症剤、薬効成分、皮膚栄養剤、等を適宜添加することができる。また、本発明のメラニン生成抑制剤を皮膚外用剤の剤型中に混合する場合は、単独で他の各種成分と混ぜても、あるいは香料組成物中に溶解させた後にその他の各種成分と混ぜてもどちらでも良い。
【0048】
【実施例】以下に、具体例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。なお、実施例中において用いる測定機器及び測定条件を以下に示す。
【0049】(1)ガスクロマトグラフ(転換率の測定);
機器:HP−5890A(ヒューレットパッカード社製)
カラム:Neutrabond-1 ( 30m×0.25mm )(ジーエルサイエンス株式会社製)
キャリアーガス:ヘリウム測定温度:100 〜300 ℃(10℃/分で昇温)
(2)赤外吸収スペクトル(IR);
機器:AVATAR 360FT-IR(ニコレ−社製)
(3)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR);
機器:DRX-500(500MHz)(ブルッカー社製)
内部標準物質:テトラメチルシラン(4)質量スペクトル(MS);
機器:M−80B質量分析計(イオン化電圧:20eV)(株式会社日立製作所製)
(5)融点;機器:MP−S3型(柳本商事会社製)
【0050】実施例1〔2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン(C20)の合成〕温度計と冷却器を取り付けた500mlの4口反応器にメチル 10−ウンデセノエート(50g、0.252mol)、グラッブス触媒(0.50g、0.566mol)及び塩化メチレン(200ml)を仕込み、窒素気流下室温にて16時間攪拌した。減圧下で反応混合物の溶媒を留去しメタノール(150ml)に溶かした後、−10℃下3時間にて再結晶化を行った。得られた結晶をろ過し、−10℃に冷却したメタノール(150ml)で洗浄後、得られた白色結晶を真空ポンプで乾燥させ、10−イコセン二酸ジメチルエステル23.0g(収率43.9%)を得た。
【0051】温度計、滴下ロート及び冷却器を取り付けた200mlの4口反応器に金属ナトリウム(5.74g、0.250mol)及び乾燥トルエン(375ml)を仕込み、窒素気流下105℃にて加熱攪拌した。そこへ10−イコセン二酸ジメチルエステル(23.0g、0.062mol)、塩化トリメチルシリル(27.1g、0.250mol)の乾燥トルエン(375ml)溶液を5時間かけて滴下し、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を冷却し、メタノール(150ml)でクエンチ後、5%−塩酸水と酢酸エチルを加え分液し、得られた有機層を2回水洗後、飽和食塩水洗を行い、溶媒を減圧下留去して粗生成物22.8gを得た。このものをエタノールで再結晶し、2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン13.3g(収率66.6%)を得た。
【0052】融点:66−67℃1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm :1.14-1.41(m,17H), 1.53-1.66 (m,6H), 1.68-1.80 (m,1H), 1.83-1.92 (m,1H), 1.95-2.09 (m,5H), 2.31-2.40 (m,1H), 2.54-2.62 (m,1H), 3.52(q,1H), 4.19-4.23 (m,1H), 5.30-5.36 (m,2H).IR (KBr) cm-1 : 3425, 1715.MS(m/e):308(M+), 292, 278, 265, 249, 235, 223, 207, 193, 180, 163, 149,135, 121, 111, 98, 81, 67, 55, 41, 29.【0053】実施例2〔2−ヒドロキシシクロイコサノン(C20)の合成〕温度計と冷却器を取り付けた50mlの4口反応器に2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノン(0.60g、1.93mmol)、パラジウム−カーボン(0.060g)及びエタノール10mlを仕込み、水素雰囲気下室温にて16時間加熱攪拌をした。触媒をろ過し、溶媒を減圧下留去して粗生成物0.60gを得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(へキサン/酢酸エチル=10/1)、2−ヒドロキシシクロイコサノン0.60g(収率定量的)を得た。
【0054】1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm : 1.15-1.44 (m,28H), 1.44-1.54 (m,1H), 1.54-1.79 (m,4H), 1.79-1.90 (m,1H), 2.32-2.42 (m,1H), 2.60-2.70 (m,1H), 3.55 (m,1H), 4.24 (m,1H)IR (NaCl) cm-1 :3482,1711.MS(m/e):310(M+), 292, 279, 267, 249, 236, 223, 211, 193, 179, 165, 151,137, 123, 109, 96, 82, 69, 55, 41, 29.【0055】実施例3〔2−ヒドロキシ−10−シクロオクタデセノン(C18)の合成〕実施例1と同様な条件下、10−ウンデセノエートの代わりにメチル 9−デセノエート(15.3g、0.083mol)を使用し、メタセシス反応及び後処理を行い、9−オクタデセン二酸ジメチルエステル7.20gを得た(収率50.2%)。その後環化反応及び後処理を行い、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(へキサン/酢酸エチル=20/1)、2−ヒドロキシ−10−シクロオクタデセノン2.40g(収率40.5%)を得た。
【0056】1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ)ppm : 1.19-1.39 (m,17H), 1.43-1.52 (m,1H), 1.55-1.65 (m,1H), 1.67-1.75 (m,2H), 1.80-1.87 (m,1H), 2.82-2.33 (m,1H), 2.50-2.59 (m,1H), 3.50 (m,1H), 4.18-4.23 (m,1H), 5.35-5.37 (m,2H).IR (NaCl) cm-1 : 3480,1710.MS(m/e):280(M+), 262, 250, 237, 207, 193, 191, 175, 163, 149, 135, 121,111, 98, 81, 67, 55, 41, 29.【0057】実施例4〔2−ヒドロキシシクロオクタデカノン(C18)の合成〕実施例1と同様な条件下、2−ヒドロキシ−10−シクロイコセノンの代わりに2−ヒドロキシ−9−シクロオクタデセノン(1.0g、3.54mmol)を使用し水素化反応及び後処理を行い2−ヒドロキシシクロオクタデカノン1.0g(収率定量的)を得た。
【0058】
融点:31−32℃1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm : 1.07-1.38 (m,24H), 1.38-1.86 (m,6H), 2.36-2.44 (m,1H), 2,48-2.57 (m,1H), 3.48 (m,1H), 4.19 (m,1H).IR (NaCl) cm-1 : 3481,1712.MS(m/e):282(M+), 264, 251, 239, 208, 195, 183, 175, 165, 149, 135, 123,109, 96, 82, 69, 55, 41, 29【0059】実施例5〔2−ヒドロキシ−13−シクロテトラコセノン(C24)の合成〕実施例1と同様な条件下、メチル 10−ウンデセノエートの代わりにメチル12−トリデセノエート(5.80g、0.0256mol)を使用しメタセシス反応及び後処理を行い、12−テトラコセン二酸ジメチルエステル3.56gを得た(収率74.6%)。その後環化反応及び後処理を行い、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(へキサン/酢酸エチル=10/1)、2−ヒドロキシ−13−シクロテトラコセノン1.88g(収率60.9%)を得た。
【0060】融点:78℃1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ) ppm : 1.14-1.40 (m,26H), 1.48-1.65 (m,6H), 1.69-1.78 (m,1H), 1.83-1.90 (m,1H), 1.94-2.05 (m,4H), 2.28-2.40 (m,1H), 2.53-2.61 (m,1H), 3.56 (m,1H), 4.20 (m,1H), 5.31-5.36(m,2H).IR (KBr) cm-1 : 3489, 1704.MS(m/e):364(M+) 346, 334, 321, 281, 265, 252, 237, 223, 207, 191, 177, 163, 149, 135, 121, 109, 95, 81, 67, 55, 41, 29.【0061】実施例6〔2−ヒドロキシシクロテトラコサノン(C24)の合成〕実施例1と同様な条件下、2−ヒドロキシ−11−シクロイコセノンの代わりに2−ヒドロキシ−13−シクロテトラコセノン(0.70g、1.92mmol)を使用し水素化反応及び後処理を行い2−ヒドロキシシクロテトラコサノン0.70g(収率定量的)を得た。
【0062】融点:39−40℃1H-NMR(500MHz,CDCl3,δ)ppm : 1.21-1.38 (m,37H), 1.43-1.52 (m,1H), 1.55-1.64 (m,2H), 1.66-1.73 (m,1H), 1.80-1.88 (m,1H), 2.33-2.41 (m,1H), 2.50-2.58 (m,1H), 3.50 (m,1H), 4.19-4.13 (m,1H).IR (KBr) cm-1 : 3445,1712.MS(m/e):366(M+), 348, 330, 320, 305, 291, 279, 267, 249, 236, 222, 207,193, 179, 165, 151, 137, 123, 109, 98, 82, 69, 55, 43, 29.【0063】実施例7〔色素細胞に対するメラニン生成抑制作用〕プラスチック培養フラスコ(25cm2 )に5×104 個のB−16メラノーマ細胞を播種し、10%血清を含むDMEM培地〔日本水産(株)商品名〕で5%二酸化炭素の存在下、37℃の温度で培養した。2日後、エタノールで希釈したテスト試料を培地中濃度が、0.8、1.6、3.1ppmになる様に添加し、さらに4日間培養した。培養終了後、培地を除去し、リン酸緩衝溶液(以下、PBSという。)で洗浄後、トリプシン及びEDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)含有培地を使用して細胞をフラスコから剥離させ、細胞懸濁液から遠心分離により細胞を回収した。得られた細胞をPBSで1回洗浄した後、沈渣の白色度を目視観察した。その結果を表1に示す。
【0064】
− :溶媒対照と同等(黒色)
+ :溶媒対照とわずかに差がある(黒灰色)
++ :溶媒対照と明らかに差がある(白灰色)
+++:細胞の着色が認められない(白色)
【0065】
【表1】

【0066】これらの結果から明らかなように、本発明化合物である大環状ケトン誘導体は、いずれも溶媒対照(コントロール)に比べ、色素細胞内のメラニン産成を顕著に抑制する作用を有することが認められた。その抑制活性は著しく化合物の環炭素数に依存し、濃度1.6ppmにおける活性は、環炭素数16以下では活性が認められず、18程度以上では充分に強い抑制作用を示した。さらに環炭素数がより大きな20から24程度が特に強い抑制効果を示した。一方、環炭素数がより大きな30では極めて難溶解性であり、特に活性は認められなかった。
【0067】比較例1実施例1と同様の方法で、従来、メラニン生成抑制効果が知られている大環状化合物やアルブチンの色素細胞に対するメラニン生成抑制作用を同条件下で比較測定した。結果を表2に示した。
【0068】
【表2】

【0069】これらの結果から明らかなように、代表的なメラニン生成抑制剤として知られるアルブチン及び特開平9−151129号公報に記載されている大環状ヒドロキシケトン等の比較化合物と比べて、本発明の化合物は、より低濃度においても著しく強いメラニン生成抑制効果が認められた。
【0070】実施例8下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々攪拌しながら溶解した。水相部を油相部に加え可溶化して、化粧水を調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で示す。
【0071】
<油相部> 2−ヒドロキシ−10−シクロイコセノン 0.01 (本発明化合物)
エタノール 20.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O. 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.1<水相部> グリセリン 10.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部【0072】得られた化粧水は、本発明の化合物が配合されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。
【0073】実施例9下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々攪拌しながら溶解した。水相部を油相部に加え可溶化して、乳液を調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で示す。
【0074】
<油相部> 2−ヒドロキシシクロオクタデカノン 0.1 (本発明化合物)
ステアリン酸 2.0 流動パラフィン 6.0 スクワレン 2.0 ソルビタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 2.0 パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 <水相部> グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部【0075】得られた乳液は、本発明の化合物が配合されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。
【0076】実施例10下記表中の油相部と水相部の各成分を70℃で各々攪拌しながら溶解した。水相部に油相部を攪拌しながら徐々に加えて予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却しクリームを調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で示す。
【0077】
<油相部> 2−ヒドロキシ−12−シクロテトラコセノン 0.1 (本発明化合物)
ステアリン酸 2.0 流動パラフィン 23.0 ワセリン 7.0 ソルビタンモノステアレート 3.5 ミツロウ 2.0 ベヘニルアルコール 1.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 2.5 パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 <水相部> グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部【0078】得られたクリームは、本発明の化合物が配合されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。
【0079】実施例11下記表中のA成分を室温にて分散溶解し、これにB成分を加えて均一に溶解しパック剤を調製した。A成分及びB成分の各成分を質量%で示す。
【0080】
<A成分> ポリビニルアルコール 15.0 精製水 40.0<B成分> エタノール 4.0 1,3−ブチレングリコール 4.0 ポリオキシエチレン(8)ポリオキシプロピレングリコール(55) 3.0 ビサボロール 0.5 トコフェロール 0.022−ヒドロキシシクロイコセノン 0.5(本発明化合物)
ParsolR 1789*(Givaudan社) 2.0(紫外線吸収剤)
精製水 残部 (*ParsolR 1789:4-メトキシベンゾイル-4'-t-ブチルベンゾイルメタン)【0081】得られたパック剤は、本発明化合物が配合されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。
【0082】実施例12下記表中の油相部と水相部の成分を室温で各々攪拌しながら溶解した。水相部を油相部に加えて可溶化して、化粧水を調製した。油相部及び水相部の各成分を質量%で示す。
【0083】
<油相部> 2−ヒドロキシ−9−シクロオクタデセノン 0.05 (本発明化合物)
エタノール 20.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.1ParsolR 1789*(Givaudan社) 2.0(紫外線吸収剤)
<水相部> グリセリン 10.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残部(*ParsolR 1789:4-メトキシベンゾイル-4'-t-ブチルベンゾイルメタン)【0084】得られた化粧水は、本発明の化合物が配合されていない処方のものに比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。
【0085】
【発明の効果】本発明によって、安定性、安全性に優れ、高いメラニン生成抑制効果がある新規なメラニン生成抑制剤を提供することができる。また、メラニン生成抑制剤を皮膚外用剤に製剤した時にも、処方系もしくは基剤中で安定性が極めて良く、且つ安全で、充分な美白効果のある皮膚外用剤を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000169466
【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
【住所又は居所】東京都大田区蒲田五丁目37番1号
【出願日】 平成13年10月12日(2001.10.12)
【代理人】 【識別番号】100087022
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 昭 (外2名)
【公開番号】 特開2003−119128(P2003−119128A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−315378(P2001−315378)