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【発明の名称】 アイライナーカバーコート剤
【発明者】 【氏名】杉本 明子

【氏名】井田 廣行

【氏名】平松 功

【要約】 【課題】市販のアイライナーを使用した場合の色のにじみや流れによって生じる眼の周囲の黒化を防止する方法の開発。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】メイクアップ化粧料の一つであるアイライナーを使用したときのにじみや流れを防ぐためのアイライナーカバーコート剤に関する。本品は、皮膜形成成分として、鹸化度が86.0〜89.0モル%で分子量2万〜12万のポリビニールアルコール0.3〜3.0重量%及び分子量350万〜450万のアクリル酸重合体樹脂;0.2〜0.5重量%を各々3:2から6:1の比率で含有することを特徴とする速乾性の透明液体又は半透明液体で、その塗膜は、耐水性、耐温性に優れたアイライナーカバーコート剤に関する。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メイクアップ料アイライナーを塗布後に、汗や涙によってアイライナー中の色素成分が溶け出し、にじみ又は流れを生じる時、これらを未然に防止するためのカバーコート剤に関する。本アイライナーカバーコート剤は、透明液体又は半透明液体で、細筆によりアイライナー塗布部位に塗布するとき、耐水性、耐温性の皮膜を形成するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】メイクアップ化粧料の一つであるアイライナーには、現在、多くのタイプが市販されており、概ね、以下の5種類に分類されている。

これらは、いずれも黒色系の色素成分を5〜20%含有し、塗布後、使用条件によっては、眼の周辺に、にじみや流れを生じるのが多い。近年、各種のエマルションポリマーや樹脂が開発され、これらを配合したアイライナーでは、塗布膜の耐水性、耐温性に関して化粧もちが改善され、従来よりも、にじみや流れが少なくなってきた。しかし、プール、海水浴、サウナなどの厳しい使用条件では、温水又は汗によって色素が流出しやすい。又、結婚式場や葬儀場などでも、涙によって、にじみや流れを生じる場合が多い。これらのケースでは、奥二重の瞼に於けるにじみが多く、又、一重の瞼でも人によりにじみや流れを生じやすく、人によってにじみの度合いが異なる。この様な場合、式場などで化粧の修正時間がない時には、外見上見苦しくなるため、これに関するクレームも多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の理由から、一般の消費者だけではなく、特に、フォーマルな化粧作業に携わっている美容師等からも、この様な欠点改良への要望が多く出されているのが現状である。この様な問題解決のために、アイライナー基剤の皮膜性能に関する改良研究が種々行われてきたが現状では、特殊なタイプは除き、消費者が多用しているペンシルタイプやリキッドタイプの中では、上記のような使用条件での問題を完全に解消できたものは無い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課題を解決するために、既存のメイクアップ料であるアイライナーとは別に、アイライナー塗布後に、その上に塗布することの出来る皮膜形成能を有するカバーコート剤について、鋭意検討してきた。その結果、主成分として、アイライナーの塗膜に対して、適当な接着能と皮膜形成能を有するポリビニールアルコール(以下「ポリビニール」と略す)及びアクリル酸重合体樹脂(以下「アクリル樹脂」と略す)をある範囲の比率で混合し製造したものは、アイライナー塗膜上に塗布するとき、上記の要望を満足することが解った。詳しくは、鹸化度が86.0〜89.0で分子量2万〜12万の「ポリビニール」と分子量350万〜450万の「アクリル樹脂」の比率を3:2〜6:1の割合で混合し、加熱溶解、冷却して得られる透明又は半透明液体は、市販の各種アイライナー塗膜上に塗布するとき、耐水性、耐温性に優れた皮膜を形成し、アイライナー塗膜の性能を損なうことなく、結果として、前記のようなにじみや流れによる眼の周囲の黒化現象をほぼ完全に防ぐことが出来た。但し、このカバーコート剤の性能は、使用するアイライナーの種類によって若干、相違を生じるため、上記の「ポリビニール」と「アクリル樹脂」の比率を変動させることにより、使用するアイライナーに最も適したカバーコートを作成することが出来る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、配合する成分は、上記の皮膜形成成分の他に、にじみ性能を調整するために、グリセリン、1,3ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールを配合できる。更に、本発明によるアイライナーカバーコート剤の性能を損なわない限り、保湿成分として、ヒアルロン酸、コラーゲン、酵母エキス等を配合でき、又、抗炎症成分として、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸等、防腐成分として、メチルパラベン、フェノキシエタノール等を配合できる。
【0006】
【実施例1】


(製造方法)Aを80〜100℃で分散溶解する。B,Cを各々、70〜80℃で溶解し、混合する。これにAをホモジナイザーで攪拌しながら加え、完全に溶解する。更に、Dを攪拌しながら加え、冷却しゲル化させた後、予め滅菌した容器に滅菌室に於いて充填する。
【0007】
【実施例2】

(製造方法)Aを80〜100℃で分散溶解する。B,Cを各々、70〜80℃で溶解し、混合する。これにAをホモジナイザーで攪拌しながら加え、完全に溶解する。更に、Dを攪拌しながら加え、冷却しゲル化させた後、予め滅菌した容器に滅菌室に於いて充填する。
【0008】
【使用試験実施例】
【0009】
【1.ガラス板による代替評価試験】(試験方法)磨りガラス(20×70mm)の片面(磨り面)に、市販のアイライナーを直径約1cm大の円状に塗布し、室温で乾燥させる。その上に、ガラス板全面に、実施例1又は実施例2のアイライナーカバーコート剤を塗布し乾燥する。これらの各試験片を40℃の温水を入れたビーカーに浸漬し、各々のビーカーを40℃の恒温水槽に1時間浸漬する。各々のビーカーから試験片を取り出し、塗布面のにじみ具合を以下の基準により観察評価する。
(評価基準)アイライナーの色がアイライナーカバーコート膜内へにじみ出た面積(円の大きさ)を測定し(3回平均値)相対的なにじみの度合いを下記の基準により求める。

(結果)試験結果をまとめ、【表−1】に示す。
【表−1】

【0010】
【2.実使用試験】(試験方法及び被験者)専門パネル女性;20名(20〜56才)を対象に、常用のアイライナーを塗布、乾燥後、実施例1又は実施例2のアイライナーカバーコート剤を2週間使用したときのアイライナーの色のにじみ及び流れ具合について下記の基準で評価した。
(評価基準)本品の使用によって、アイライナー単独使用の時と比べ、にじみ又は流れが防止され、より良好になったと回答した人数について、下記の4段階で評価した。

(結 果)試験結果をまとめ、【表−2】に示す。
【表−2】

【0011】
【発明の効果】上記の二つの試験結果から、本発明によるアイライナーカバーコート剤は、アイライナー塗布後の上面に塗布することによって、アイライナーに含まれる色素のにじみ及び流れをほぼ完全に防止することが判明した。これにより、本発明者等は、従来から、アイライナー使用者の間でトラブルの一つとなっていた問題を解決するに至った。
【出願人】 【識別番号】500578744
【氏名又は名称】株式会社アリエ
【出願日】 平成13年10月10日(2001.10.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−119112(P2003−119112A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−346746(P2001−346746)