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【発明の名称】 非イオン界面活性剤
【発明者】 【氏名】池田 隆彦

【要約】 【課題】乳化性能がよく,チキソトロピー性を付与し,かつ使用感触を向上させる化粧料を提供する。

【解決手段】本発明によるベヘン酸にオキシアルキレンを付加させたポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤を乳化剤として使用することにより,乳化性能がよく,チキソトロピー性を付与し,かつ使用感触を向上させる化粧料を提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(1),(2)
【化1】;

及び【化2】;

(但し,Rはエチレン,プロピレン,ブチレン等のアルキレンであり,エチレン単独又はエチレンとプロピレン,ブチレン等のアルキレンのランダム又はブロック共重合体である。nは1〜400である)で示される,ベヘン酸にオキシアルキレンを付加させたポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤。
【請求項2】 請求項1記載のポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄,乳化,分散等の作用を有し,化粧クリーム,ボデイローション,マッサージクリーム等のスキンケア,日焼け防止クリーム,日焼け製品,日焼け後のお手入れ用の製品等の日焼けケア,ファンデーション,ペンシル,リップステック,メーキャップ等のメーキャップ,髪のもつれ止めクリーム,トリートメントマスク(フケ/脂/乾燥等の防止),ヘアブリーチ等のヘアケア等に適したベヘン酸から誘導されたポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ベヘン酸を基にした界面活性剤としては,特開平9−49166・耐久親水性繊維,布状物及び成型体がある。これは,ベヘン酸とジエチレントリアミンのジアミドに酸化エチレン(ベヘン酸アミド)10モル付加物25重量%も含む混合物を付着させた強度を低下させない耐久親水性繊維等である。しかし,これは,ベヘン酸にオキシエチレンを付加させたポリオキシエチレンエステル非イオン界面活性剤ではない。従来のポリオキシエチレンエステル非イオン界面活性剤は,乳化性能が弱く,特に経時における安定性が問題であった。また,チキソトロピー性が必ずしも十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,皮膚,粘膜,毛髪等に馴染み,優れた耐性があるベヘン酸を基にしオキシエチレンを付加させた,洗浄,乳化,分散が非常に優れている,界面活性剤であり,特に乳化剤として使用したとき,乳化性能がよく,チキソトロピー性を付与し,かつ使用感触を向上させるポリオキシエチレンエステル非イオン界面活性剤を提供する事を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述の目的に従い鋭意研究を進めた結果,一般式(1),(2)
【化1】;

及び【化2】;

(但し,Rはエチレン,プロピレン,ブチレン等のアルキレンであり,エチレン単独又はエチレンとプロピレン,ブチレン等のアルキレンのランダム又はブロック共重合体である。nは1〜400である)で示される,ベヘン酸にオキシアルキレンを付加させたポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤であり,このポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤を含有する化粧料である。本発明のポリオキシアルキレンベヘン酸エステルを使用することにより,乳化安定性,良好なチキソトロピー性を付与し,かつなじみ等の使用感触が改善されることを見出だし本発明をなすに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明はベヘン酸にオキシアルキレンを付加させたポリオキシアルキレンベヘン酸エステルを提供する。ベヘン酸は硬化菜種油,硬化魚油などから得られる。又はエルカ酸を水素添加しても得られる。このベヘン酸に例えば,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどのアルカリを触媒として酸化エチレンなどの酸化アルキレンを約100〜170℃で付加させることによって得られる。又は,ベヘン酸と,例えば,ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールをエステル化することによっても得ることができる。
一般式(1),(2)
【化1】;

及び【化2】;

(但し,Rはエチレン,プロピレン,ブチレン等のアルキレンであり,エチレン単独又はエチレンとプロピレン,ブチレン等のアルキレンのランダム又はブロック共重合体である)で示される,ベヘン酸にオキシアルキレンを付加させたポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤のアルキレンオキシドの付加モル数は1〜400である。望ましくは5〜100である。付加モル数が3以下であると,乳化性能が弱くなる。200以上になると,使用感触的にべたつく。
【0006】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。但し,本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0007】実施例1;ポリオキシエチレン(12)ベヘン酸エステルの合成攪拌装置,冷却装置を備えた2Lの三口フラスコにベヘン酸324g(1モル),水酸化ナトリウム44gを加え,窒素気流下で約150℃に加熱する。次いで,酸化エチレンを,吹き込み反応させる。12モルの酸化エチレンが付加した時点で吹き込みをやめ,更に約1時間攪拌を続ける。室温まで冷却後,クエン酸で中和し,濾過し,ポリオキシエチレン(12)ベヘン酸エステル810gを得た。
【0008】実施例2;ポリオキシエチレン(15)ベヘン酸エステルの合成攪拌装置,水分採取管を備えた2Lの三口フラスコにベヘン酸324g(1モル),水酸化ナトリウム44g,及びポリエチレングリコール(平均重合度15)660gを加え,窒素気流下で約130℃に加熱し反応を行い,約17gの水分が採取された段階で反応を終了する。室温まで冷却後,クエン酸で中和し,濾過し,ポリオキシエチレン(15)ベヘン酸エステル980gを得た。
【0009】応用例1;チキソトロピー性の評価チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,乳液の皮膚における塗り伸ばしやすさをあらわし,6%乳化剤と,15%オクチルドデシルミリステートをベースとしたチキソトロピー指標の比較試験では,
ポリオキシエチレン(12)ベヘン酸エステル,ポリオキシエチレン(15)ベヘン酸エステルは,他の乳化剤に比べ,チキソトロピー指標がはるかに大きく,乳液の皮膚における塗り伸ばしやすさが良い事を示している。
【0010】応用例2;太陽光線保護指数・SPF測定結果太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,皮膚を太陽光線から保護しやすさをあらわし,有機日焼け止め剤(7%オクチルメトキシシンナメート,2%ブチルメトキシジベンゾイルメタン,及び2%ヘンゾフェノン−3)をベースとした太陽光線保護指数・SPFの比較試験では,
ポリオキシエチレン(12)ベヘン酸エステル,ポリオキシエチレン(15)ベヘン酸エステルは,他の乳化剤に比べ,太陽光線保護指数・SPFが大きく,皮膚を太陽光線から保護しやすさが良い事を示している。
【0011】応用例3;次に示す処方にてエッセンシャルケアを調整した。
1) ポリオキシエチレン(12)ベヘン酸エステル 6% オクチルドデシルミリステート 15% 防腐剤 0.5% 2) 水 78.24% FD&C染料 RED No.4 0.10% 3) 香料 0.16%2)を65〜70℃に加熱する。撹拌(1500rpmローターステーター)しながら1)を2)に加え,65℃にて10分間維持する。撹拌速度は1200rpm。冷却し45℃で撹拌(1000rpm)する。35℃になったら3)を加え撹拌(1000rpm)し,エッセンシャルケアをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,85621であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,11.3であった。
【0012】比較例3;応用例3のポリオキシエチレン(12)ベヘン酸エステルをポリオキシエチレン(12モル)ステアリルエステルに替えた以外は,応用例3と同等にエッセンシャルケアをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,13316であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,6.6であった。
【0013】応用例4;次に示す処方にてサンスクリーンクリームを調整した。
1) ポリオキシエチレン(15)ベヘン酸エステル 6% グリセリルスタアレート 2% オクチルドデシルミリステート 5% ポリデセン 5% 杏仁油 5% オクチルメトキシアナメート 7% ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2% ベンゾフェノン−3 2% トコフェロールアセテート 0.5% 防腐剤 0.5% 2) 酸化亜鉛とC1215アルキルベンゾアート10.00 とポリヒドロキシステアリン酸 3) 水 51.9% エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 0.1% グリセリン 3%1)と2)を65〜70℃に加熱する。撹拌しながら1)を3)に加え,65℃にて10〜15分間維持する。冷却し45℃で撹拌する。冷却し撹拌を続け,サンスクリーンクリームをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,94742であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,12.5であった。
【0014】比較例4 応用例4のポリオキシエチレン(15)ベヘン酸エステルをポリオキシエチレン(15モル)パルミチルエステルに替えた以外は,応用例4と同等にサンスクリーンクリームをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,8569であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,7.2であった。
【0015】応用例5;次に示す処方にてボデイローションを調整した。
1) ポリオキシエチレン(10モル)プロピレン(10モル)
ベヘン酸エステル 3% プロピレングリコールジペラゴネート 2% カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 2% スクァラン 3% 杏仁油 2% ポリセデン 3% 防腐剤 0.5% 2) 水 62.05% キサンテンガム 0.3% カーボマア 0.1% 3) 水酸化ナトリウム(ゾル10%) 0.2% 4) プロピレングリコールとトマトエキストラ 2% プロピレングリコールときゅうりエキストラ 2% 計 100%2)を3)の一部で中和する。1)と2)を70℃に加熱する。撹拌しながら1)を2)に加え,70℃にて10分間維持する。冷却し40℃にて中和を完了する。撹拌しながら35℃で4)を加え,ボデイローションをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,45221であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,10.0であった。
【0016】比較例5;応用例5のポリオキシエチレン(10モル)プロピレン(10モル)ベヘン酸エステルをポリオキシエチレン(10モル)プロピレン(10モル)ステアリルエステルに替えた以外は,応用例5と同等にボデイローションをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,10971であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivoは,6.7であった。
【0017】応用例6;次に示す処方にてクリームリンスを調整した。
1) ポリオキシエチレン(5モル)ベヘン酸エステル 4% 水 88.94% ヒドロキシプロピルグアー 0.15% クエン酸(ゾル50%) 0.01% ベヘニルアルコール 3% エトキシジグリコールベヘナート 1% ベヘントリモニウム クロライド 2% 防腐剤 0.35% 2) シクロメチコン 0.5% 3) 香料 0.05% 計 100%ヒドロキシプロピルグアーを水に分散する。これにクエン酸を加える。1)を85℃に加熱する。撹拌しながら約3分間維持する。冷却し約50℃で2)を加える。約35℃で3)を加え,クリームリンスをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,30432であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,10.6であった。
【0018】比較例6;応用例6のポリオキシエチレン(5モル)ベヘン酸エステルをポリオキシエチレン(5モル)パルミチルエステルに替えた以外は,応用例6と同等にサンスクリーンクリームをつくる。チキソトロピー指標[Pa.s−1]は,4702であり,太陽光線保護指数・SPF[in vivo]は,5.8であった。
【0019】
【発明の効果】本発明のベヘン酸にオキシアルキレンを付加させたポリオキシアルキレンエステル非イオン界面活性剤は,洗浄,乳化,分散が非常に優れており,乳化性能がよく,チキソトロピー指標を高くし,太陽光線保護指数・SPFを高くし,かつ使用感触の良好な化粧品等をつくる事ができる。
【出願人】 【識別番号】591222658
【氏名又は名称】池田物産株式会社
【識別番号】502110399
【氏名又は名称】ガテフォッセ エス エイ
【出願日】 平成13年10月11日(2001.10.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−119106(P2003−119106A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−348064(P2001−348064)