| 【発明の名称】 |
化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】中山 純子 【住所又は居所】東京都北区栄町48番18号 株式会社コーセー研究本部内
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| 【要約】 |
【課題】ビタミンA及びその誘導体を安定に配合し、適度な粘性により使用性に優れ、使用時のコク、みずみずしさなどの使用感及び使用後の肌効果(後肌のハリ感)にも優れ、かつ経時安定性に優れた化粧料を提供すること。
【解決手段】ビタミンA及びその誘導体と、アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤と、油溶性酸化防止剤を必須成分として含有する化粧料。更に、アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤が、次の構造、(A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸、(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上、(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステルの共重合体である化粧料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビタミンA及びその誘導体と、アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤と、油溶性酸化防止剤を含有することを特徴とする化粧料。 【請求項2】 アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤が次の構造(A)、(B)、(C)の共重合体である請求項1記載の化粧料。 (A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステル【請求項3】 金属イオン封鎖剤を含有する請求項1又は2のいずれかに記載の化粧料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ビタミンA及びその誘導体を安定に配合し、使用性、使用感、肌効果に優れた化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、ビタミンA及びその誘導体は、皮膚角化症等の予防や治療、さらには皮膚老化の防止や回復に有効な成分として知られており、これらの目的を有する様々な皮膚外用剤中に有効成分として配合されてきた。しかしながら、本来これらのビタミンA及びその誘導体は極めて不安定な成分であった。すなわち、ビタミンA及びその誘導体は、光、空気、熱、金属イオン等の多くの原因により惹起される、異性化や酸化分解、加水分解等により、容易に変質してしまう成分であり、これによって実質的な有効成分量が減少したり、変色、変臭等の問題が生じ易かった。よって、このようなビタミンA及びその誘導体を配合した化粧料は、経時安定性の確保のために各種安定剤の配合や製剤上の制約が避けられない現状にあった。このため、多量の油分を配合したり、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤を配合することで安定化が図られてきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、ビタミンA及びその誘導体の安定化のために有効であることが知られている各種金属イオン封鎖剤は、電解質であるため、増粘剤である水溶性高分子の配合に悪影響を及ぼし、凝集、粘度低下などを起こす場合が多く、十分な増粘効果や満足な使用感や肌効果を得ることが困難であった。また、多量の油分の配合、高級アルコールや一部の耐塩性水溶性高分子の配合は、みずみずしさの不足、のびの重さ、べたつきなど感触面で悪影響が生じやすく、また後肌のハリ感などの肌効果の面でも満足の行くものではなかった。また、金属イオン封鎖剤を配合しない場合でも、ビタミンA及びその誘導体の安定配合は不可能ではなかったが、そのための製剤上の制約が大きく、満足な使用感、肌効果を得ることは困難であった。従って、ビタミンA及びその誘導体を安定に配合し、なおかつ適度な粘性により使用性に優れ、みずみずしさとコク感、べたつきのなさといった優れた使用感をあわせ持ち、かつ高い肌効果の得られる化粧料の開発が望まれていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、本発明者は上記欠点を克服すべく鋭意研究を行った結果、ビタミンA及びその誘導体を配合した化粧料において、アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤と油溶性酸化防止剤の配合により、安定にビタミンA及びその誘導体を配合し、なおかつ使用しやすい適度な粘性を有し、使用中の適度なコクと使用感、使用後の肌効果の高い化粧料が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 【0005】すなわち本発明は、ビタミンA及びその誘導体と、アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤と、油溶性酸化防止剤を必須成分として含有する化粧料である。更に好ましくは、アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤が、次の構造(A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸、(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上、(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステルの共重合体である化粧料。更に好ましくは、金属イオン封鎖剤を含有する化粧料である。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に本発明の構成について説明する。本発明に用いられるビタミンA及びその誘導体は、肌荒れの改善、皮膚角化症等の予防や治療、更には皮膚老化の防止や回復等に有効な成分として配合されるものである。 【0007】本発明に用いられるビタミンA及びその誘導体は、例えばビタミンA(レチノール)、ビタミンA酢酸エステル、ビタミンAパルミチン酸エステル、ビタミンAプロピオン酸エステル、アスタキサンチン等を挙げることができるが、これに限定されずビタミンA誘導体全般を含む。また、これらのビタミンA及びその誘導体の混合物、例えば水産動物や植物から得られるこれらを含む動植物油も使用することが可能である。これらは、必要に応じて一種、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。 【0008】本発明に用いられるビタミンA及びその誘導体の配合量は、特に限定されないが、好ましくは0.0001質量%(以下、単に「%」と記す)以上であり、更に好ましくは0.001〜10%である。 【0009】本発明に用いられるアルカリ可溶性乳化重合体増粘剤は、ビタミンA及びその誘導体、油溶性酸化防止剤や金属イオン封鎖剤を安定に配合し、適度な粘性を付与しつつ、使用時に厚みとコクを与え、なおかつみずみずしい使用感を併せ持ち、後肌にもハリ感を与えるなど優れた肌効果を付与するための必須成分である。 【0010】本発明に用いられるアルカリ可溶性乳化重合体増粘剤は、そのもの自身では低粘度のポリマー水分散液であり、ポリマーエマルションと称される白濁〜微白濁の液体である。このものは、アルカリ剤の添加により増粘し、且つ透明に変化する。本発明に用いられるアルカリ可溶性乳化重合体増粘剤は、上記の様にアルカリ剤の添加によって透明化し、増粘するものであれば、特に限定なく用いることができるが、具体的に例示すれば、アクリル酸とアクリル酸アルキルエステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、アクリル酸とメタクリル酸アルキルエステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、アクリル酸、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、アクリル酸、メタクリル酸及びアクリル酸アルキルエステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、アクリル酸、アクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸ポリエチレングリコールエステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、アクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)エステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、アクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)エステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、イタコン酸、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)エステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション、アクリル酸、アクリル酸アルキルエステル及びイタコン酸(ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル)エステルの共重合体をポリマー分とするポリマーエマルション等が例示でき、本発明ではこれらの一種又は二種以上の組合せが用いられる。これらの中でも、本発明の効果である、優れた使用性、使用感を得るためには、アルカリ可溶性乳化重合体増粘剤が、次の3種成分の共重合体をポリマー分とするポリマーエマルジョンであることが好ましい。 (A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステル上記の3種成分を共重合して得られる共重合体は、ICID(International Cosmetic Ingredient Dictionary)収載の、アクリレート/セテス−20メタクリレート共重合体(ACRYLATES/CETETH−20 METHACRYLATE COPOLYMER)、アクリレート/ステアレス−50アクリレート共重合体(ACRYLATES/STEARETH−50 ACRYLATE COPOLYMER)、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体(ACRYLATES/STEARETH−20 METHACRYLATE COPOLYMER)、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体(ACRYLATES/BEHENETH−25 METHACRYLATE COPOLYMER)等が例示され、ポリマーエマルションの形態では、アキュリン22、アキュリン28(いずれもローム&ハース社製)等の市販品が、具体的に例示され、本発明品に好適に使用できる。また前記(A)、(B)、(C)3種成分の共重合体ではないが、ICID(International Cosmetic Ingredient Dictionary)収載のアクリレート/ステアレス−20イタコン酸共重合体(ACRYLATES/STEARETH−20 ITACONATE COPOLYMER)、アクリレート/セテス−20イタコン酸共重合体(ACRYLATES/CETETH−20 ITACONATE COPOLYMER)等の共重合体も、本発明のアルカリ可溶性乳化重合体増粘剤として好ましい。ポリマーエマルションの形態では、STRUCTURE3001(ナショナルスターチ社製)が具体的に例示される。 【0011】本発明に用いられるアルカリ可溶性乳化重合体増粘剤の固形分量は、特に限定されないが、好ましくは、0.01〜3%である。 【0012】またアルカリ可溶性乳化重合体増粘剤は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機性塩基性物質やトリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アルギニンなどの有機性塩基性物質を添加することにより増粘させることができる。 【0013】本発明に用いられる油溶性酸化防止剤は、ビタミンA及びその誘導体を安定化する目的で配合されるものである。 【0014】本発明に用いられる油溶性酸化防止剤は、特に限定されないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン(以下BHTと表記する)、ブチルヒドロキシアニソール(以下BHAと表記する)、α、β、γ、δトコフェロール、ノルジヒドログアヤレチン、没食子酸プロピル、油溶性ビタミンC誘導体、ソルビン酸等が挙げられるが、その他化粧品に配合可能な油溶性の酸化防止効果を有する成分一般を一種又は二種以上用いることが可能である。 【0015】本発明に用いられる油溶性酸化防止剤の配合量は、特に限定されないが、ビタミンA及びその誘導体の酸化分解抑制効果をより得るためには、化粧料全体に対して0.001%以上が好ましく、0.01%以上が更に好ましい。配合上限は特に限定されるものではないが、概ね化粧料全体に対して10.0%以下の範囲内で配合することが可能である。 【0016】本発明において、ビタミンA及びその誘導体の更なる経時安定性向上のために、金属イオン封鎖剤を配合することも可能である。本発明に用いられる金属イオン封鎖剤は、特に限定されないが、アラニン、エデト酸塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。これらは、必要に応じて一種、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。 【0017】本発明に用いられる金属イオン封鎖剤の配合量は、特に限定されるものではないが、ビタミンA及びその誘導体の更なる経時安定性向上効果を得るためには、化粧料全体に対して0.001%以上が好ましく、0.01%以上が更に好ましい。配合上限は特に限定されるものではないが、概ね化粧料全体に対して5.0%以下の範囲内で配合することが可能である。 【0018】本発明の化粧料には、上記した必須成分の他に通常の化粧料に使用される成分、例えば、炭化水素、高級脂肪酸エステル、植物油脂、シリコーン油、フッ素系油等の油性成分、上述以外の高分子物質、アルコール類、ポリオール類、水等の水性成分、粉体、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料、清涼剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。 【0019】 【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。 【0020】実施例1〜6および比較例1〜3:化粧料表1に示す組成および下記製法にて化粧料を調製した。得られた化粧料の使用性(使い易い適度な粘性)、使用感(使用時のコク、使用時のみずみずしさ)、肌効果(後肌のハリ感)及び経時安定性について下記の方法により評価し結果を併せて、表1に示した。 【0021】 【表1】
【0022】(製法) A:成分(1)〜(7)を70℃で加熱溶解する。 B:成分(8)〜(14)及び(16)を70℃で加熱溶解後、Aを添加し、乳化する。 C:Bを室温まで冷却し、成分(15)を添加して化粧料を得た。 【0023】(評価方法:使用性、使用感、肌効果)専門評価パネル10名により、実施例1〜6および比較例1〜3の各試料について、(1)使用性(使い易い適度な粘性)、(2)使用感(使用時のコク)、(3)使用感(使用時のみずみずしさ)、(4)肌効果(後肌のハリ感)について、下記(a)評価基準にて5段階評価し、更に各試料の評点の平均値を(b)4段階判定基準を用いて判定した。 【0024】(a)5段階評価基準(評点): (評価) 4 : 非常に良い(ある) 3 : 良い(ある) 2 : 変わらない1 : やや悪い(ない) 0 : 悪い(ない) (b)4段階判定基準(評点の平均値) :(判定) 3.5以上 : ◎2.5以上、3.5未満 : ○1.5以上、2.5未満 : △1.5未満 : ×【0025】(評価方法:経時安定性)各試料を50℃の恒温槽に1ヶ月間保管し、調製直後の状態を基準として、(1)外観の分離の有無、(2)匂いの変化、経時着色の有無の観点より以下の(c)4段階判定基準を用いて判定した。 【0026】(c)4段階判定基準(評価) (判定) 変化なし : ◎軽微な変化がある : ○やや変化がある : △かなり変化がある : ×【0027】表1の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜6は、使用性、使用感(コク、みずみずしさ)、肌効果(後肌のハリ感)に優れた化粧料であった。更に、50℃の恒温槽に1ヶ月間保管しても分離も無く、匂いや色の変化も無いことから、経時安定性にも優れた化粧料であった。 【0028】 実施例7:美容液 (成分) (%) (1)プロピオン酸レチノール 0.2(2)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0(3)BHT 0.1(4)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 10 (5)ジプロピレングリコール 5 (6)アキュリン22 (注1) 5 (7)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2(8)水酸化ナトリウム 適量 (9)エタノール 10 (10)N−アセチル−L−グルタミン酸 0.3(11)ポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド 2 (12)リン酸一水素ナトリウム 0.3(13)防腐剤 適量 (14)精製水 残量 注1.アクリレート/ステアレス−20メタクリレート 共重合体(30%)水分散液 【0029】(製法) A:成分(1)〜(4)を均一に混合溶解する。 B:成分(5)〜(14)を均一に混合溶解する。 C:BにAを加えて乳化し、美容液を得た。 【0030】実施例7で得られた美容液は、使用性、使用感(コク、みずみずしさ)、肌効果(後肌のハリ感)、経時安定性に優れたものであった。 【0031】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の化粧料は、適度な粘性により使用性に優れ、使用時のコク、みずみずしさなどの使用感及び使用後の肌効果(後肌のハリ感)にも優れ、かつ経時安定性に優れた品質を持つものであった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000145862 【氏名又は名称】株式会社コーセー 【住所又は居所】東京都中央区日本橋3丁目6番2号
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| 【出願日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−104827(P2003−104827A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月9日(2003.4.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−302348(P2001−302348) |
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