| 【発明の名称】 |
皮膚外用剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 泰之 【住所又は居所】滋賀県八日市市岡田町112−1 株式会社ノエビア滋賀研究所内
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| 【要約】 |
【課題】保湿作用が相乗的に増強されて肌荒れ症状の優れた改善作用を有し、また、元来皮膚の敏感な人や、何らかの原因で皮膚の防御機能が衰えた状態の人にとっても低刺激性な皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【解決手段】海藻抽出物から選択される1種又は2種以上と、炭素数が4〜6の糖アルコールから選択される1種又は2種以上と、L−アルギニン,グリチルレチン酸及びその誘導体から選択される1種又は2種以上を含有させることにより、優れた保湿効果を有し、肌荒れ症状の改善に有効な、低刺激性の皮膚外用剤を得ることができた。また、組成物のpHは弱酸性とするのが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 海藻抽出物から選択される1種又は2種以上と、炭素数が4〜6の糖アルコールから選択される1種又は2種以上と、L−アルギニン,グリチルレチン酸及びその誘導体から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。 【請求項2】 組成物のpHが5.0〜6.8で、弱酸性であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、優れた保湿効果を有し、肌荒れ症状の改善に有効であり、さらに低刺激性を示す皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、海藻抽出物から選択される1種又は2種以上と、炭素数が4〜6の糖アルコールから選択される1種又は2種以上と、L−アルギニン,グリチルレチン酸及びその誘導体から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤に関する。 【0002】 【従来の技術】肌荒れ症状の防止,改善等に有効な皮膚外用剤に関しては、これまで多くの研究がなされてきた。近年では、皮膚の炎症や肌荒れが皮膚水分量の減少に起因することが明らかになり、皮膚水分減少を防ぐ,あるいは皮膚水分の減少を補うことを目的として、例えば、アミノ酸,核酸,ヒアルロン酸をはじめとするムコ多糖類,スフィンゴ脂質等を、保湿剤又は皮膚閉塞剤として使用するなど、より効果的な保湿剤の開発が進められてきた。 【0003】一方、pH緩衝能が低下した皮膚,皮膚老化やその他の原因によって防御機能が低下した皮膚は、刺激に対して敏感になりやすく、元来刺激に敏感な皮膚も含め、このような皮膚に通常の皮膚用組成物を用いた場合、健常な皮膚に用いた場合には感じられない、ヒリヒリ感,チクチク感といった不快な刺激が敏感に感じられる傾向がある。 【0004】原料の精製度を高める技術の向上により、皮膚外用剤や化粧料用の原料自体の安全性はめまぐるしく改善されている。しかしながら、ヒリヒリ感,チクチク感といった刺激感は、組成物のpHに起因したり、皮膚用組成物の品質維持において必須成分であるパラオキシ安息香酸エステルに代表される防腐剤,界面活性剤,有機酸,香料,さらにエタノールまでもが原因となって生じることが知られており、上記のような皮膚の敏感な消費者が、通常の皮膚用組成物を用いた場合、刺激による苦痛を伴うことが多かった。 【0005】また、近年では、皮膚に対して温和な組成物を得るため、皮膚表面のpHに近い弱酸性の皮膚外用剤が好まれる傾向も認められるなど、上記の問題点に加え、処方設計上の様々な制約もあり、顕著な皮膚保湿効果を有すると共に、皮膚の敏感な消費者も安心して継続使用することのできる、低刺激性の皮膚外用剤を提供することは容易ではなかった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明においては、保湿作用が相乗的に増強されて肌荒れ症状の優れた改善作用を有し、また、元来皮膚の敏感な人や、何らかの原因で皮膚の防御機能が衰えた状態の人にとっても低刺激性な皮膚外用剤を得ることを目的とした。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく、鋭意検討を行った結果、海藻抽出物から選択される1種又は2種以上、炭素数が4〜6の糖アルコールから選択される1種又は2種以上、及びL−アルギニン,グリチルレチン酸及びその誘導体から選択される1種又は2種以上を含有して成る皮膚外用剤が、優れた保湿効果を有し、肌荒れ症状の改善に有効であり、さらに低刺激性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本発明は、海藻抽出物から選択される1種又は2種以上、炭素数が4〜6の糖アルコールから選択される1種又は2種以上、L−アルギニン,グリチルレチン酸及びその誘導体から選択される1種又は2種以上を含有して成る皮膚外用剤に関するものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。 【0010】本発明で用いる海藻抽出物は、医薬品,化粧品等に配合され得る海藻抽出物であれば特に限定されず、テングサ科(Gelidiaceae),アオサ科(Ulvaceae),ウシケノリ科(Bangiaceae),オキツノリ科(Phyllophoraceae),コンブ科(Laminariaceae),カギノリ科(Bonnemaisoniaceae),アイヌワカメ科(Alariaceae),イバラノリ科(Hypneaceae),スギノリ科(Gigartinaceae),ダービリア科(Durvilleaceae),ダルス科(Rhodymeniaceae),ナガマツモ科(Chordariaceae),オゴノリ科(Gracilariaceae),モヅク科(Nemacystaceae),フノリ科(Gloiopeltidaceae),ホンダワラ科(Sargassaceae),レッソニア科(Lessoniaceae),ミリン科(Solieriaceae),ミル科(Codiaceae),ムカデノリ科(Haymeniaceae),ヒバマタ科(Fucaceae)およびヒトエグサ科(Monostromataceae)に属する海藻の抽出物等が用いられる。これらの海藻抽出物は、選択された海藻より、例えば、水,極性有機溶媒(エタノール,1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール等),水と極性有機溶媒の混合溶液等を抽出溶媒として、公知の抽出方法を用いて抽出することができる。 【0011】本発明の皮膚外用剤における海藻抽出物の含有量は、有効性及び使用性等を考慮すると、組成物全体に対して固形分換算で0.0001〜1重量%が好ましく、0.001〜0.1重量%がさらに好ましい。海藻抽出物の含有量が全体に対して0.0001重量%未満であると、十分な皮膚保湿効果を発揮し難くなり、逆に1重量%を超えると皮膚への塗布の際ののびが悪くなったり、べたつきを生じたりと、使用性が低下して好ましくない。 【0012】本発明で用いる炭素数が4〜6の糖アルコールとしては、キシリトール,エリスリトール,ソルビトール等が例示される。 【0013】本発明の皮膚外用剤における炭素数が4〜6の糖アルコールの含有量は、有効性を考慮すると、組成物全体に対して0.01〜20.0重量%が好ましく、0.1〜10.0重量%が特に好ましい。糖アルコールの含有量が、組成物全体に対して0.01重量%未満であると、十分な皮膚保湿効果を発揮し難くなり、逆に20重量%を超えると製剤安定性や使用性を低下させるなど好ましくない。 【0014】本発明で用いるグリチルレチン酸及びその誘導体としては、α−グリチルレチン酸,β−グリチルレチン酸、α−グリチルレチン酸ステアリル,β−グリチルレチン酸ステアリル,α−グリチルレチン酸ピリドキシン,β−グリチルレチン酸ピリドキシン,α−グリチルレチン酸グリセリン,β−グリチルレチン酸グリセリン,3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム等のグリチルレチン酸誘導体、18α−グリチルリチン酸,18β−グリチルリチン酸、18α−グリチルリチン酸メチルエステル,18β−グリチルリチン酸メチルエステル,18α−グリチルリチン酸トリナトリウム,18α−グリチルリチン酸モノカリウム,18α−グリチルリチン酸ジカリウム,18α−グリチルリチン酸モノアンモニウム,18β−グリチルリチン酸トリナトリウム,18β−グリチルリチン酸モノカリウム,18β−グリチルリチン酸ジカリウム,18β−グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸誘導体が例示されるが、これらに限定されるものではない。 【0015】本発明の皮膚外用剤におけるL−アルギニン,グリチルレチン酸及びその誘導体から選択される1種又は2種以上の合計の含有量は、有効性及び使用性,刺激緩和効果を考慮すると、組成物全体に対して0.001〜5.0重量%が好ましく、0.01〜3.0重量%が特に好ましい。この配合量が、組成物全体に対して0.001重量%未満であると、十分な皮膚刺激緩和効果を発揮し難くなり、逆に5重量%を超えると製剤安定性や使用性を低下させるなど好ましくない。 【0016】また、敏感肌といわれる皮膚においてはpH緩衝能が低下していることが多く、さらに、近年では消費者の嗜好として皮膚表面のpHに近い弱酸性のものが好まれる傾向がある。本発明においても、組成物のpHが5.0〜6.8の弱酸性となるよう、L−アルギニンの配合量を調整したり、クエン酸,乳酸等のpH調整剤を配合したりすることができる。 【0017】また、本発明に係る皮膚外用剤においては、本発明の特徴を損なわない範囲で、通常皮膚外用剤に含有される成分、例えば、低級アルコール、乳化剤、可溶化剤、増粘剤、液状油、油脂、樹脂、粉体、色素、香料、抗酸化剤、防腐剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。 【0018】 【実施例】本発明について、実施例を示してより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はそれにより何ら限定されるものではない。 【0019】実施例1〜3として化粧水の処方を表1に、実施例4〜6として乳液の処方を表2に、実施例7〜10としてクリームの処方を表3に示した。なお、特に断わらない限り、実施例中の量目は重量%で示した。また、以下の処方に示される海藻抽出液Aとしては、一丸ファルコス社より「アルジェレックスS」の商品名で販売されている、コンブ科ミツイシコンブ,ワカメ属 ワカメ,ムカデノリ科ヒヂリメン,アオサ科ウスバアオノリの1,3−ブチレングリコール50重量%水溶液抽出液(固形分1.59%)を、海藻抽出液Bとしては、PHILLIPROCKLEY社より「Seamollient」の商品名で販売されている、紅藻類オキツノリ科サイミの水抽出液(固形分3.5%)を用いた。 【0020】 【表1】
製造方法:成分1に、成分2〜成分12を順次添加し、混合均一化した後、成分13を添加してpHを調整し、化粧水を得る。 【0021】 【表2】
製造方法:A相の各成分を75〜85℃にて加熱溶解し、予め混合均一化し75〜85℃に調整したB相の成分を徐々に加えて乳化を行う。続いて冷却を開始し、45〜50℃にてC相の各成分を加えた後、室温までさらに冷却し乳液を得る。 【0022】 【表3】
製造方法:A相の各成分を75〜85℃にて加熱溶解し、予め混合均一化し75〜85℃に調整したB相の成分を徐々に加えて乳化を行う。続いて冷却を開始し45〜50℃にてC相の各成分を加えた後、室温までさらに冷却しクリームを得る。 【0023】上記の実施例1〜実施例10について、皮膚の保湿効果,肌荒れ改善効果及び使用時の刺激感を評価した。その際、実施例3,実施例4,実施例8において、糖アルコールをグリセリンに代替したものをそれぞれ比較例3−1,比較例4−1,比較例8−1とし、L−アルギニン及び(/又は)グリチルリチン酸ジカリウムを精製水に代替したものをそれぞれ比較例3−2,比較例4−2,比較例8−2、海藻抽出物を精製水に代替したものをそれぞれ比較例3−3,比較例4−3,比較例8−3として、同時に評価を行った。 【0024】評価は、敏感肌で、肌荒れ症状を有する20〜50才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例の皮膚外用剤をそれぞれブラインドにて使用させることにより行った。 【0025】まず、保湿効果及び肌荒れ症状の改善については、1日2回,1カ月間連続使用させた後の皮膚の状態により、表4の評価基準に従って評価させて点数化し、20名の平均値を求めた。また、使用時の刺激感については、皮膚に塗布した後30秒〜1分後に感じる,ヒリヒリ感,チクチク感といった刺激感について、表5に示す評価基準に従って評価させて点数化し、20名の平均値を求めた。以上の結果は表6にまとめて示した。 【0026】 【表4】
【0027】 【表5】
【0028】 【表6】
【0029】表6より明らかなように、本発明の実施例1〜実施例10においては、各使用群でおおむね良好な保湿効果及び肌荒れ症状改善効果が認められた。また、使用時に感じる刺激感はいずれも微妙に感じられる程度から少し感じられる程度であり、実使用に際して問題はなかった。これに対して、糖アルコール,L−アルギニン及び(/又は)グリチルリチン酸ジカリウム,海藻抽出物のいずれかを含有しない各比較例使用群においては、保湿効果及び肌荒れ症状改善効果ともに、対応する実施例使用群に比べて有意に低くなっており、また、使用時に感じる刺激感の程度も強くなっていた。なお、皮膚刺激性反応及び皮膚感作性反応を示したパネラーは、実施例使用群及び比較例使用群のいずれにおいても認められなかった。 【0030】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、優れた保湿効果を有し、肌荒れ症状の改善に有効な、低刺激性の皮膚外用剤を得ることができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135324 【氏名又は名称】株式会社ノエビア 【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区港島中町6丁目13番地の1
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| 【出願日】 |
平成13年9月18日(2001.9.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】300008645 【氏名又は名称】川山 みちる
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| 【公開番号】 |
特開2003−89628(P2003−89628A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月28日(2003.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願2001−283946(P2001−283946) |
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