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【発明の名称】 |
新規コレステロール合成阻害剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅沼 大行 【氏名】稲熊 隆博 【氏名】豊田 正武 【氏名】合田 幸広 【氏名】海老塚 豊 【氏名】渋谷 雅明 |
【課題】安全かつ調製が容易な、コレステロール合成阻害剤を提供すること。
【解決手段】サトイモ植物を有機溶媒を用いて抽出することによって得られるラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を、コレステロール合成阻害剤の有効成分とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サトイモ植物及び/又はその処理物から有機溶媒を用いて抽出することによって得られるラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を、有効成分として含有するコレステロール合成阻害剤。 【請求項2】 前記有機溶媒は、エタノール、酢酸エチル、n−ヘキサンからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載のコレステロール合成阻害剤。 【請求項3】 サトイモ植物及び/又はその処理物からエタノールを用いて抽出された抽出物を、エタノールより極性の低い有機溶媒で抽出することによって得られるラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を、有効成分として含有する、コレステロール合成阻害剤。 【請求項4】 サトイモ植物及び/又はその処理物から有機溶媒を用いて抽出された抽出物をクロマトグラフ分画し、かかる分画によって得られるラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を有効成分として含有するコレステロール合成阻害剤であって、ラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質は塩化メチル:メタノール=19:1の有機溶媒を展開溶媒として、メルク社製シリカゲル60を用いて薄層クロマトグラフィーを行った時、Rf値が0.25〜0.29の範囲にあるもの、又は塩化メチレン:メタノール:水=40:10:1の有機溶媒を展開溶媒として、同様のプレートを用いて薄層クロマトグラフィーを行った時、Rf値が0.68〜0.76もしくは0.31〜0.39の範囲にあるものの中から選ばれる、コレステロール合成阻害剤。 【請求項5】 下記の式1〜6で表される化合物又は式7と式8の化合物からなる混合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有する、コレステロール合成阻害剤。 【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【請求項6】 前記請求項1〜5の何れか一項に記載のコレステロール合成阻害剤を含有する医薬用組成物。 【請求項7】 前記請求項1〜5の何れか一項に記載のコレステロール合成阻害剤を含有する食品用組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、サトイモ植物から抽出されたラノステロールを合成する酵素を阻害する作用(以下、「ラノステロール合成酵素阻害作用」ともいう)を有する物質を有効成分として含有するコレステロール合成阻害剤に関する。 【0002】 【従来の技術】血液中のコレステロールや中性脂肪濃度が高い値を示す高脂血症は、アテローム性動脈硬化症の重要な危険因子であり、虚血性心疾患や動脈硬化性脳卒中など、循環器系の生活習慣病発症の危険率を上昇させる。 【0003】よって、これらの循環器系の生活習慣病を予防・改善するためには、血清コレステロール濃度を正常値に低下させることが有効である。 【0004】高脂血症の改善を目的とした薬品の多くは、コレステロールの合成抑制作用を有しており、特にコレステロール生合成の最初の段階において、アセチルCoAから合成された3−β−ヒドロキシメチルグルタリル−CoA(HMG−CoA)をメバロン酸に還元するHMG−CoA還元酵素の阻害薬が主流であり、本作用を有する、ロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、シムバスタチン(simvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)及びセリバスタチン(cerivastatin)等が市販させている。 【0005】しかし、HMG−CoA還元酵素を阻害すると、コレステロールだけでなく、ドリコールやイソペンテニルピロフォスフェート、電子伝達系に関与するヘムAやユビキノンといった、重要な化合物の生成も阻害してしまうという副作用がある。そして、これにより、ミトコンドリア障害が引き起こされ、神経障害が惹起されるとの報告もある(Gaist, D., Garcia Rodriguez, L. A., Are users of lipid-lowering drugs at increased risk of peripheral neuropathy?, Eur. J. Clin. Pharmacol., 56(12), 931-933(2001))。 【0006】このような副作用を回避しつつ高脂血症の改善を行う手段としては、スクアレンから生成した2,3−オキシドスクアレンをラノステロールに転化するラノステロール合成酵素(2,3-oxidosqualene cyclase-lanosterol synthase, EC5.4.99.7)を阻害する方法がある。 【0007】この方法は、HMG−CoA還元酵素よりも選択的に、コレステロールの合成を抑制するために副作用の危険性も低いと考えられている。 【0008】この作用を有する物質として、O−アシル−4−フェニル−シクロヘキサナール(特表平9−512255)、ジベンゾ[a,g]キノリジニウム誘導体(特開2000−191662)、ヘテロ環式化合物(特表2000−504336)が提案されているが、未だ市販されているものはなく、容易に得られ、且つ副作用の可能性の少ない新たな物質が求められていた。 【0009】一方、サトイモについては、葉の粉末がコレステロール負荷食摂取ラットの血中コレステロール濃度を上昇させるとの報告がなされているが、コレステロール生成を抑制するという報告はない。また、高脂血症関連以外でも、これまでに、抗菌活性の報告や、バチルス・ズブチリスで発酵させた培養上清が免疫増強作用を示すとの報告(特開平6−7115)があるが、ラノステロール合成酵素阻害作用を有することは全く知られていなかった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点からなされたものであり、安全かつ調製が容易で、新規なラノステロール合成酵素阻害作用を有する成分を含有するコレステロール合成阻害剤を提供することを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、サトイモ植物及び/又はその処理物から有機溶媒を用いて抽出することによって得られる物質にラノステロールを合成する酵素を阻害する作用があることを見出し、本発明の完成に至った。 【0012】すなわち、本発明は、以下のとおりである。 (1)サトイモ植物及び/又はその処理物から有機溶媒を用いて抽出することによって得られるラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を、有効成分として含有するコレステロール合成阻害剤。 (2)前記有機溶媒は、エタノール、酢酸エチル、n−ヘキサンからなる群から選択される1種又は2種以上である、(1)に記載のコレステロール合成阻害剤。 (3)サトイモ植物及び/又はその処理物からエタノールを用いて抽出された抽出物を、エタノールより極性の低い有機溶媒で抽出することによって得られるラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を、有効成分として含有する、コレステロール合成阻害剤。 (4)サトイモ植物及び/又はその処理物から有機溶媒を用いて抽出された抽出物をクロマトグラフ分画し、かかる分画によって得られるラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を有効成分として含有するコレステロール合成阻害剤であって、ラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質は塩化メチル:メタノール=19:1の有機溶媒を展開溶媒として、メルク社製シリカゲル60を用いて薄層クロマトグラフィーを行った時、Rf値が0.25〜0.29の範囲にあるもの、又は塩化メチレン:メタノール:水=40:10:1の有機溶媒を展開溶媒として、同様のプレートを用いて薄層クロマトグラフィーを行った時、Rf値が0.68〜0.76もしくは0.31〜0.39の範囲にあるものの中から選ばれる、コレステロール合成阻害剤。 (5)下記の式1〜6で表される化合物又は式7と式8の化合物からなる混合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有する、コレステロール合成阻害剤。 【0013】 【化9】
【0014】 【化10】
【0015】 【化11】
【0016】 【化12】
【0017】 【化13】
【0018】 【化14】
【0019】 【化15】
【0020】 【化16】
(6)前記(1)〜(5)の何れかに記載のコレステロール合成阻害剤を含有する医薬用組成物。 (7)前記(1)〜(5)の何れかに記載のコレステロール合成阻害剤を含有する食品用組成物。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <1>本発明のコレステロール合成阻害剤本発明のコレステロール合成阻害剤は、ラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を有効成分として含有する。そして、該ラノステロール合成酵素阻害作用を有する物質は、サトイモ植物及び/又はその処理物から有機溶媒を用いて抽出することにより得られる。 【0022】本発明では、サトイモ植物の球茎を、破砕、摩砕、乾燥、搾汁、濃縮等の処理を行ったサトイモの処理物に対して抽出処理を施してもよい。 【0023】上述した処理、無処理のサトイモ植物を、コレステロール合成阻害剤の有効成分とすることも可能であるが、さらにこれから有機溶媒を用いて抽出を行い、ラノステロール合成酵素阻害作用を有する物質を含む抽出物を本発明のコレステロール合成阻害剤の有効成分とすることが好ましい。 【0024】上記有機溶媒は、エタノール、酢酸エチル、n−ヘキサンからなる群から選択される1種又は2種以上であるとよい。 【0025】上記したラノステロール合成酵素阻害作用を有する物質の抽出例を以下に例示するが、本発明はこの抽出例に限定されるものではない。 (1)溶媒分画まず、サトイモを凍結乾燥し、この乾燥粉末からエタノールを用いてエタノール抽出物を得る。次にエタノール抽出物からエタノールより極性の低い有機溶媒を用いてさらに抽出物を得る。具体的には、ヘキサン/90%メタノールを用いて分配し、ヘキサン画分(ヘキサン画分1と表記する)と90%メタノール画分を得る。次に90%メタノール画分からヘキサン/70%メタノールを用いて分配し、ヘキサン画分(ヘキサン画分2と表記する)と70%メタノール画分を得る。 (2)薄層クロマトグラフによる分画更に上述したヘキサン画分1及びヘキサン画分2を薄層クロマトグラフにより分離し、分画物を得る。具体的には、ヘキサン画分1の展開には、塩化メチル/メタノール(19:1)溶媒を、ヘキサン画分2の展開には塩化メチル/メタノール/水(40:10:1)溶媒を用いてRf値の異なる7種の分画物を得る。 【0026】尚、上記7種の分画物の中でも特に以下の実施例でも明らかにしている通り、ヘキサン画分1に対し塩化メチル:メタノール=19:1の有機溶媒を展開溶媒として、メルク社製シリカゲル60を用いて薄層クロマトグラフィーを行った時、Rf値が0.25〜0.29の範囲にある分画物(以下、画分Bと表記する)、又はヘキサン画分2に対し塩化メチレン:メタノール:水=40:10:1の有機溶媒を展開溶媒として、同様のプレートを用いて薄層クロマトグラフィーを行った時、Rf値が0.68〜0.76もしくは0.31〜0.39の範囲にある分画物(以下、それぞれの画分を、画分D、画分Gと表記する)が本発明のコレステロール合成阻害剤の有効成分として用いるのに好ましい。 (3)HPLCによる分画上記画分D及び画分Gをさらに以下の実施例で示す条件のHPLCにより分画する。その結果、画分Dから3つの分画物(それぞれ、D−10、D−14、D−18と表記する)を、画分Gから4つの分画物(それぞれ、G−12、G−15、G−19、G−26と表記する)を得る。 【0027】上記各7つの分画物はそれぞれ上述した、式1〜式6に示す構造式からなる化合物又は式7と式8の化合物からなる混合物に対応する。つまり、D−10の分画物は、式1で表される構造式からなる化合物である。以下同様に、D−14は式2、D−18は式3、G−12は式4、G−15は式5、G−19は式6が対応する。尚、G−26の分画物は、式7と式8で表される2つの化合物の混合物からなる。 【0028】よって、本発明のコレステロール合成阻害剤は、式1〜式6で表される化合物又は式7と式8で表される化合物からなる混合物を1種又は2種以上有効成分として含むことが好ましい。 【0029】上記の様にして得られた分画物は、本発明の効果を発揮するに有効な量含有させて、コレステロール合成阻害剤として使用する。 【0030】尚、本発明のコレステロール合成阻害剤を実際ヒトに投与する場合には、例えば食用油、エチルアルコールのような親油性溶媒に混合させる又は界面活性剤を介して水に懸濁させる等の方法で使用することができる。 【0031】また、上述した抽出物にラノステロール合成酵素阻害作用を有する物質が含まれているか否かを判断する方法としては、公知のラノステロール合成酵素阻害作用を検定する方法を用いることができる。 【0032】例えば、カリウム−リン酸緩衝液に、エチレングリコールモノメチルエーテル、抽出した試料、[14C]−2,3(S)−オキシドスクアレンを加えてプレインキュベートする。これに酵素溶液を添加してインキュベートする。その後、水酸化カリウム/エタノール溶液を加えて、インキュベートして反応を停止させる。反応停止後、シクロヘキサンを加えて抽出し、有機溶媒層を回収して減圧乾固させる。乾固物をジエチルエーテルに溶解させ、薄層クロマトグラフに供試する。上記酵素反応で精製されたラノステロール及び未反応の2,3(S)−オキシドスクアレンを示すバンドの放射活性を測定する。該測定結果から、以下実施例で示す計算方法を用いてラノステロールを合成する酵素を阻害する阻害率を求める。阻害率の値により、ラノステロール合成酵素阻害作用を有するか否かが判断できる。 <2>本発明のコレステロール合成阻害剤を含有する医薬用組成物。 【0033】本発明の医薬用組成物は、上記のコレステロール合成阻害剤を、常法にしたがって配合したものであり、ラノステロール合成酵素阻害作用が期待できるものであれば特に限定されるものではない。 【0034】本発明の医薬用組成物の剤型は、特に限定されないが、一般に製剤上許容される1または2種類以上の担体、賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリンク剤等の内服剤型とすることが好ましい。このような製剤化は、通常、医薬の製造に用いられる方法に従って製剤化することができる。 【0035】上記医薬用組成物の投与量としては、疾患の種類、症状、患者の年齢、体重等により異なるが、本発明のラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を、成人1日当たり、サトイモ植物の無極性有機溶媒抽出物として10〜5000mgを、また更に化合物として1〜100mgを含むコレステロール合成阻害剤を含有する医薬用組成物を、1回ないし数回に分けて経口投与するのが好ましい。 <3>本発明の抗肥満剤を含有する食品用組成物本発明の食品用組成物は、上記のコレステロール合成阻害剤を、常法にしたがって配合したものである。 【0036】本発明の食品用組成物としては、上記のラノステロール合成酵素阻害作用が期待できるものであれば特に限定されるものではないが、種々の食品に、食品として通常用いられている任意成分とともに、食品原料に抽出物を所要量配合することができる。この抽出物を配合する際に特に留意することはなく、通常の製造方法により加工製造することにより、健康食品、機能性食品を製造することができる。配合量は、食品の種類により異なるが、食品の味を損なわず、且つ十分なラノステロール合成酵素阻害効果を得るためには、食品用組成物全量に対して、本発明のラノステロールを合成する酵素を阻害する作用を有する物質を0.001〜1(重量%)の割合で、より好ましくは0.01〜0.1(重量%)の割合で、配合させるのが望ましい。 【0037】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。 【0038】 【実施例1】<試料抽出方法>試料の抽出方法は、以下のように行った。図1に本発明の分画方法の概略図を示す。 【0039】<1>活性画分の分画市販のサトイモを剥皮後、細断し、さらに凍結乾燥して粉末化した。 (1)溶媒分画サトイモの凍結乾燥粉末100gにエタノール(1L)を加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清をエタノール抽出液として得た(室温、12時間)。この操作を更に2回繰り返し、計3回の操作により、エタノール抽出液を得た。この抽出液をエバポレーターを用いて濃縮乾固させることにより、1.63gの抽出物を得た。次にこのエタノール抽出物をヘキサン/90%メタノール(各400mL)を用いて分配しエバポレーターで乾固させ、ヘキサン画分1(0.27g)と90%メタノール画分を得た。次に90%メタノール画分をヘキサン/70%メタノール(各400mL)を用いて分配しエバポレーターで乾固させ、ヘキサン画分2(0.73g)と70%メタノール画分(0.63g)を得た。 【0040】上記の操作による分画により得られた各画分への分配率(重量%)を表1に示す。ここで、分配率とは、各分画から得られた固形物の重量を、エタノール抽出物の重量(1.63g)で除した値に100を乗じて%表示したものである。 【0041】 【表1】
(2)薄層クロマトグラフによる分画更に上述したヘキサン画分1(0.27g)及びヘキサン画分2(0.73g)を薄層クロマトグラフ(メルク社製シリカゲル60)により分離し、ヘキサン画分1から画分A、B、Cを、ヘキサン画分2から画分D、E、F、G、Hを得た。この際、ヘキサン画分1の展開には、塩化メチル/メタノール(19:1)溶媒を、ヘキサン画分2の展開には塩化メチル/メタノール/水(40:10:1)溶媒を用いた。 【0042】上記の操作による分画により得られた各画分のRf値及び収量を表2に示す。 【0043】 【表2】
(3)HPLCによる分画及び構造決定上記画分D及び画分Gを表3の条件で、HPLCにより分画した。その結果、画分Dから3つ(D−10、D−14、D−18)、画分Gから4つ(G−12、G−15、G−19、G−26)のピークを得た。 【0044】 【表3】
さらに、HPLCにより分取した各画分をNMR(日本電子製JMN-A600型)、HR−MS(日本電子製JMS-700型)で分析し、1H-NMR、13C−NMR、HR−MS、LC−MSによって、構造決定を行った。その結果、画分Dから3種類のモノガラクトシルジアシルグリセロールと、画分Gから5種類のジガラクトシルジアシルグリセロールが得られた。但し、確認された8種類の化合物の中、G−26の分画物は式7と式8で表されるように2種類の化合物の混合物からなるため、分画物の種類としては、7種類となる。 【0045】得られた7つの分画物に対応する化合物の構造式を図2に示す。 【0046】尚、上述のようにG−26の分画物は2つの化合物からなる混合物であるが、その混合比はL&On:L&Pm(式7:式8)=43.7:100の割合であった。 【0047】 【実施例2】<ラノステロール合成酵素阻害活性評価><1>ラノステロール合成酵素阻害作用は、次に示すin vitro の評価系において測定した。 【0048】まず、0.1Mカリウム−リン酸緩衝液(pH7.4)770μLに、エチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株))5μL、以下で示す抽出した各試料(50%エタノールに溶解)120μL、[14C]−2,3(S)−オキシドスクアレン(10,000dpm)5μLを加えて900μLとし、37℃で10分間プレインキュベートした。 【0049】これに以下で示す酵素溶液(1mg protein)100μLを添加して、計1mLの試験溶液として、37℃で1時間インキュベートした。 【0050】その後、6%水酸化カリウム/エタノール溶液1mLを加えて、37℃で10分間インキュベートして反応を停止させた。 【0051】反応停止後、シクロヘキサン2mLを加えて抽出し、有機溶媒層を回収して減圧乾固させた。乾固物をジエチルエーテル100μLに溶解させ、薄層クロマトグラフ(メルク社製シリカゲル60,展開溶媒ベンゼン:アセトン=19:1)に供試した。 【0052】上記薄層クロマトグラフを行った後、酵素反応の結果生成した[14C]−ラノステロールと、未反応の[14C]−2,3(S)−オキシドスクアレンとを示すバンドの放射活性を、バイオ・イメージングアナライザー(BAS-1500、富士写真フィルム(株))で測定した。 尚、阻害率(I)は以下の式で求めた。 阻害率(I)=(1−S/C)×100C:試料の代わりに50%エタノールを120μL添加した場合の酵素活性S:試料を添加した場合の酵素活性酵素活性は以下の式で求めた。 ([14C]-ラノステロールノ放射活性) 酵素活性=───────────────────────────── (([14C]-ラノステロールノ放射活性)+([14C]-2,3(S)-オキシト゛スクアレンノ放射活性)) 上記の酵素溶液は、次に示す方法で調整した。 【0053】ヒトラノステロール合成酵素のcDNA(Molecular cloning of cDNA encoding human lanosterol synthase, C. K. Sung, M. Shibuya, U. Sankawa, Y. Ebizuka, Biol. Pharm. Bull., vol. 18, p.1459-1461(1995))を含むプラスミドを酵母(GIL77(gal2 hem3-6 erg7 ura3-167))に導入し、常法により培養した。 【0054】得られた酵母を、0.1Mカリウム−リン酸緩衝液(0.45M ショ糖、1mM EDTA、1mM dithiothreitol、pH 7.4)で洗浄した。 【0055】続いて、洗浄した酵母を酸処理ガラスビーズ存在下で、氷冷下でWaring Blender(型式500ACD、佐久間製作所)で破砕した。 【0056】粗酵素抽出液の収集、洗浄を数回行った後、前記0.1M カリウム−リン酸緩衝液で1mg protein/100μLになるように希釈して、酵素溶液とした。 <2>試料及び結果(1)有機溶媒分画した画分を試料とした場合有機溶媒で分画した各画分のラノステロール合成酵素阻害活性を評価した(前記した試料溶液1mL中の各画分添加量は600μg)。 【0057】その結果、表4で示すように、エタノール画分、ヘキサン画分に強い阻害活性が認められた。 【0058】 【表4】
(2)薄層クロマトグラフ分画した画分を試料とした場合ヘキサン画分1及び2を、薄層クロマトグラフで分画した各画分のラノステロール合成酵素阻害活性を評価した(前記した試料溶液1mL中の各画分添加量は600μg)。 【0059】その結果、表5に示すように、画分B、D、Gに強い阻害活性が認められた。 【0060】 【表5】
(3)HPLCで分取した各画分を試料とした場合前記画分D及び画分GをHPLCに供し、分取した7つの画分のラノステロール合成酵素阻害活性を評価した(前記した試料溶液1mL中の各画分添加量は300μg)。 【0061】その結果、表6に示すように、全ての画分に強い阻害活性が認められた。 【0062】 【表6】
以上、実験結果から明らかなように、サトイモ植物の抽出物には、ラノステロールを合成する酵素を阻害する作用が認められ、よって、これらを有効成分として含有する剤は、コレステロール合成阻害剤として有効に使用できることが確認できた。 【0063】 【発明の効果】本発明により、安全かつ調製が容易で、新規なラノステロール合成酵素阻害作用を有する成分を含有するコレステロール合成阻害剤を提供することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000104113 【氏名又は名称】カゴメ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年9月4日(2001.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089244 【弁理士】 【氏名又は名称】遠山 勉 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−73292(P2003−73292A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月12日(2003.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−267774(P2001−267774) |
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