| 【発明の名称】 |
表面処理剤、化粧料用粉体の表面処理方法、化粧料用粉体、および化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】森田 正道 【住所又は居所】大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン工業株式会社淀川製作所内
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| 【要約】 |
【課題】非フッ素化合物との分散性が良好で、化粧崩れが少なく、使用感が良好である化粧料用撥水撥油性粉体を製造する方法および表面処理剤を提供する。
【解決手段】フッ素系リン酸エステルおよびフッ素系共重合体を有機溶媒に溶解した溶液中で未処理粉体と混合攪拌する化粧料用粉体表面処理方法。その処理方法で処理して製造した化粧料用粉体。その化粧料用粉体を配合した化粧料。フッ素系リン酸エステルおよび特定のフッ素系共重合体を有機溶剤中に混合溶解した表面処理剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(1):[Rf-A-O]nPO(OH)3-n (1) [式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、【化1】
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基である)、もしくは、【化2】
であり、nは1〜3の数を示す。]で示されるフッ素系リン酸エステルと、(a)フッ素系(メタ)アクリレートから誘導された繰り返し単位5〜95重量%および(b)含ケイ素重合性化合物から誘導された繰り返し単位0〜50重量%、および/または、(c)含ケイ素重合性化合物(b)以外の非フッ素系モノマーから誘導された繰り返し単位0〜50重量%を有するフッ素系共重合体を有機溶媒に溶解した溶液で化粧料用粉体を処理することを特徴とする化粧料用粉体の表面処理方法。 【請求項2】 フッ素系(メタ)アクリレートが、一般式(I−1):【化3】
[式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基であり、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、【化4】
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基である)、もしくは、【化5】
であり、Xは、水素原子またはメチル基である。]で示される化合物、または一般式(I−2):【化6】
[式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基、A1は炭素数1〜4のアルキレン基、【化7】
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基である)、もしくは、【化8】
であり、X11は、水素原子またはメチル基であり、Y11は水素原子またはメチル基であり、mは5〜100である。]で示されるフッ素系(メタ)アクリレートマクロモノマーである請求項1に記載の化粧料用粉体の表面処理方法。 【請求項3】 含ケイ素重合性化合物が、一般式(II−1)または(II−2):【化9】
または【化10】
[式中、R3は、場合によりエーテル結合1個または2個で遮断されている直鎖状または分岐鎖状の炭素鎖を有する炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基であり、lは10〜20であり、mは10〜200であり、nは0.1〜10である。]で示されるメルカプト変性シリコーン、一般式(III−1):【化11】
[式中、Meは、メチル基であり、R4は、メチル基または水素原子であり、R5は、場合によりエーテル結合1個又は2個で遮断されている、直鎖状又は分岐鎖状の炭素鎖を有する炭素原子1〜10個の2価の飽和炭化水素基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは、3〜300である。]で示されるシリコーンマクロモノマー、一般式(IV−1):【化12】
[式中、xは10〜200であり、nは1〜20である。]で示されるアゾ基含有シリコーン、および一般式(V−1)または(V−2):【化13】
またはCH2=CHSi(OR9)3 (V−2) [式中、R7は、メチル基または水素原子であり、R8は、場合によりエーテル結合1個または2個で遮断されている、直鎖状または分岐鎖状の炭素鎖を有する炭素原子1〜10個の2価の飽和炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4のアルキル基である。]で示される重合性シランからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1に記載の化粧料用粉体の表面処理方法。 【請求項4】 非フッ素系モノマーが、一般式(VI−1):CH2=CR10COO−(R11−O)n−R12 (VI−1) [式中、R10およびR12は水素またはメチル基、R11は炭素数2〜6のアルキレン基、nは1〜50の整数を表す。]で示されるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、一般式(VII−1):【化14】
[式中、X2は水素原子またはメチル基であり、nは1〜22である。]で示されるアルキル(メタ)アクリレート、および一般式(VIII−1):【化15】
[式中、X21およびY21のそれぞれは水素原子またはメチル基であり、nは1〜22であり、mは5〜100である。]で示されるアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマーからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の化粧料用粉体の表面処理方法。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の処理方法で処理して製造した化粧料用粉体。 【請求項6】 請求項5に記載の化粧料用粉体を配合した化粧料。 【請求項7】 一般式(1):[Rf-A-O]nPO(OH)3-n (1) [式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、【化16】
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基である)、もしくは、【化17】
であり、nは1〜3の数を示す。]で示されるフッ素系リン酸エステルと、(a)フッ素系(メタ)アクリレートから誘導された繰り返し単位5〜95重量%および(b)含ケイ素重合性化合物から誘導された繰り返し単位0〜50重量%、および/または、(c)含ケイ素重合性化合物(b)以外の非フッ素系モノマーから誘導された繰り返し単位0〜50重量%を有するフッ素系共重合体を有機溶剤中に混合溶解することを特徴とする表面処理剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特定のフッ素系リン酸エステルおよび特定のフッ素系共重合体の溶液と未処理粉体とを混合攪拌する化粧料用粉体表面処理方法、その処理方法で処理して製造した化粧料用粉体、その化粧料用粉体を配合した化粧料、ならびにフッ素系リン酸エステルおよびフッ素系共重合体を有機溶剤中に混合溶解した表面処理剤に関する。 【0002】 【従来の技術】粉体を含有する化粧料としては、ファンデーション、おしろい、チークカラー、アイカラー、ボディーパウダーなどがある。化粧料には、通常、体質顔料、白色顔料、着色顔料と呼ばれる粉体が配合されている。体質顔料はタルク、カオリン、雲母などの無機粉体、蛋白質粉体、魚鱗箔などの有機粉体から成る。また、白色顔料は酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉体、着色顔料はベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄などの無機粉体、レーキ、タール色素などの有機粉体から成る。上記の粉体は通常、両親媒性であり、水にも油にもなじみやすい性質を持つ。このため、このような粉体を配合する化粧料は、水、および、汗、皮脂などの分泌物で濡れやすく、濡れると本来その化粧料が有する色調が損なわれたり、透明化して地肌の色が出てきたり、発汗や顔の動きで化粧膜が移動、凝集する、いわゆる、「化粧崩れ」の現象が起こる。 【0003】従来より、水、汗による化粧崩れを防止する技術として、粉体をシリコーンで表面処理することにより撥水性を付与することが一般的である。しかし、シリコーン処理粉体は、撥水性を有するが撥油性がないために、皮脂による化粧崩れを防止することができなかった。 【0004】近年、皮脂による化粧崩れを防止するために、フッ素化合物で粉体を表面処理して、撥水撥油性を付与することが提案されている。例えば、特開昭62−250074号公報は、フッ素化合物にパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩を用いることを開示しており、既に実用化されている。また、パーフルオロアルキルリン酸エステルを中和せずに酸のまま用いる技術が特公平7-14855号公報に開示されている。 【0005】パーフルオロアルキルリン酸エステルは高い撥水撥油性を付与できる点で優れているが、化粧品で汎用される非フッ素化合物と混合しにくい、皮膚に付きにくい、水が共存する環境下では親油性になる問題が指摘されている[森田, 渡邉,永島, フレグランスジャーナル, 2000-5, p-71]。これを改善するために、WO98/55078および特開平11-269231号公報に、パーフルオロアルキルリン酸エステルで表面処理した後、さらに特定のフッ素系ポリマーで二段処理する技術が開示されている。しかし、二段階で処理を施すために、非常に製造工程が複雑になる問題があった。 【0006】WO00-56820公報は、製造例において、パーフルオロアルキルリン酸エステルのジエタノールアミン塩を水に溶解することを開示している。この方法は、残存するジエタノールアミンが亜硝酸塩との反応で発ガン性のニトロソアミンに変化する欠点がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非フッ素化合物との分散性が良好で、化粧崩れが少なく、使用感が良好である化粧料用撥水撥油性粉体を製造する方法と得られた撥水撥油性粉体、およびその撥水撥油性粉体を配合した化粧料を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、酸の状態のフッ素系リン酸エステルおよびフッ素系共重合体を有機溶媒に溶解した溶液を未処理粉体と混合攪拌する化粧料用粉体表面の処理方法、その処理方法で処理して製造した化粧料用粉体、その化粧料用粉体を配合した化粧料を提供する。 【0009】本発明は、一般式(1):[Rf-A-O]nPO(OH)3-n (1) [式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、【化18】
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基である)、もしくは、【化19】
であり、nは1〜3の数を示す。]で示されるフッ素系リン酸エステルと、(a)フッ素系(メタ)アクリレートから誘導された繰り返し単位5〜95重量%および(b)含ケイ素重合性化合物から誘導された繰り返し単位0〜50重量%、および/または、(c)含ケイ素重合性化合物(b)以外の非フッ素系モノマーから誘導された繰り返し単位0〜50重量%を有するフッ素系共重合体を有機溶媒に溶解した溶液で化粧料用粉体を処理することを特徴とする化粧料用粉体の表面処理方法を提供する。 【0010】式(1)中のRfにおいて、ポリフルオロアルキル基の炭素数は6〜16、例えば8〜12であってよい。ポリフルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であってよい。 【0011】パーフルオロポリエーテル基の具体例としては、F(CF(CF3)CF2O)nCF2CF2−、CF3O(CF(CF3)CF2O)n(CF2O)mCF2−、CF3O(CF2CF2O)n(CF2O)mCF2−、F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2−などが挙げられる。パーフルオロポリエーテル基の数平均分子量(19F−NMRにより測定)は、1,000〜10,000の範囲であることが好ましい。フッ素系リン酸エステルは混合物であってよい。 【0012】フッ素系共重合体に使用するフッ素系(メタ)アクリレートは、例えば以下の一般式(I−1)を有する。 【化20】
[式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基であり、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、【化21】
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基である)、もしくは、【化22】
であり、Xは、水素原子またはメチル基である。] 【0013】また、フッ素系(メタ)アクリレートは、以下の一般式(I−2)を有するフッ素系(メタ)アクリレートマクロモノマーであってよい。 【化23】
[式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基、A1は炭素数1〜4のアルキレン基、【化24】
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基である)、もしくは、【化25】
であり、X11は、水素原子またはメチル基であり、Y11は水素原子またはメチル基であり、mは5〜100である。] 【0014】フッ素系共重合体は、含フッ素基(Rf基)、特にフルオロアルキル基またはパーフルオロポリエーテル基を有する重合体である。フッ素系共重合体におけるフルオロアルキル基およびパーフルオロポリエーテル基の例は、含フッ素リン酸エステルにおけるフルオロアルキル基およびパーフルオロポリエーテル基と同様のものである。 【0015】フッ素系共重合体におけるポリフルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であってよい。フッ素系共重合体におけるパーフルオロポリエーテル基は、具体的には、次のとおりである。 F(CF(CF3)CF2O)nCF2CF2−、[式中、n=3〜30の整数である。] CF3O(CF(CF3)CF2O)n(CF2O)mCF2−、[式中、n=2〜30、m=3〜70の整数である。] CF3O(CF2CF2O)n(CF2O)mCF2−、[式中、n=2〜40、m=4〜70の整数である。] F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2−[式中、n=3〜30の整数である。] パーフルオロポリエーテル基の数平均分子量(19F−NMRにより測定)は、500〜5,000の範囲であることが好ましい。 【0016】フッ素系(メタ)アクリレートの例は、次のとおりである。 CF3 (CF2)7(CH2)OCOCH=CH2、CF3(CF2)6(CH2)OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7(CH2)2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2、HCF2(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2、CF3(CF2)5(CH2)2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7SO2N(C2H5)(CH2)2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OCOCH3)CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、【化26】
F(CF(CF3)CF2O)10CF2CF2−COOCH2CH2CH=CH2、【化27】
【化28】
【化29】
これらのフッ素系(メタ)アクリレートは2種類以上のものを混合させて用いてもよい。 【0017】本発明においてフッ素系(メタ)アクリレートとラジカル重合する非フッ素系モノマーは、含ケイ素重合性化合物と、それ以外の非フッ素系モノマーに分けられる。含ケイ素重合性化合物は、メルカプト変性シリコーン、シリコーンマクロモノマー、アゾ基含有シリコーンおよび重合性シランでからなる群から選択された少なくとも1種であってよい。 【0018】メルカプト変性シリコーンは、少なくとも1つのSH基を有するシリコーンである。メルカプト変性シリコーンは、例えば、以下の一般式(II−1)または(II−2)を有する。 【化30】
または【化31】
[式中、R3は、場合によりエーテル結合1個または2個で遮断されている直鎖状または分岐鎖状の炭素鎖を有する炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基であり、lは10〜20であり、mは10〜200であり、nは1〜10である。] 【0019】メルカプト変性シリコーンの具体例は、つぎのとおりである。 【化32】
【化33】
【0020】シリコーンマクロモノマーは、例えば、以下の一般式(III−1)を有する。 【化34】
[式中、Meは、メチル基であり、R4は、メチル基または水素原子であり、R5は、場合によりエーテル結合1個又は2個で遮断されている、直鎖状又は分岐鎖状の炭素鎖を有する炭素原子1〜10個の2価の飽和炭化水素基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは、3〜300である。] 【0021】R5は、具体的には、−CH2−、−(CH2)3−、−(CH2)6−、−(CH2)10−、−CH2−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH2OCH2CH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2CH2−などが例示される。 【0022】シリコ−ンマクロモノマーは、分子鎖の片末端のラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物として好適に用いられ、具体例としては、以下に示すものが挙げられる。 【0023】 【化35】
【化36】
[上記式中、Meはメチル基である。] 【0024】アゾ基含有シリコーンは、アゾ基およびウレタン結合を有するシリコーンであってよい。アゾ基含有シリコーンは、例えば、以下の一般式(IV−1)を有する。 【化37】
[式中、xは10〜200であり、nは1〜20である。] 【0025】アゾ基含有シリコーンの具体例は次のとおりである。 【化38】
【0026】重合性シランは、エチレン性不飽和二重結合およびシロキサン結合を有する化合物である。重合性シランは、例えば、以下の一般式(V−1)または(V−2)を有する。 【化39】
またはCH2=CHSi(OR9)3 (V−2) [式中、R7は、メチル基または水素原子であり、R8は、場合によりエーテル結合1個または2個で遮断されている、直鎖状または分岐鎖状の炭素鎖を有する炭素原子1〜10個の2価の飽和炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4のアルキル基である。] 【0027】重合性シランの具体例は、次のとおりである。 【化40】
CH2=CHSi(OCH3)3これらの含ケイ素重合性化合物は2種類以上のものを混合させて用いてもよい。【0028】本発明のフッ素含有共重合体は、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレートおよびアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマーからなる群から選択された少なくとも1種の含ケイ素重合性化合物以外の非フッ素系モノマーから誘導された繰り返し単位を有してよい。 【0029】ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートは例えば、以下の構造式(VI−1)を有する。 CH2=CR10COO−(R11−O)n−R12 (VI−1) [式中、R10およびR12は水素またはメチル基、R11は炭素数2〜6のアルキレン基、nは1〜50の整数を表す。] 【0030】具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)nH[式中、nは、2、5または8である。]などが例示される。 【0031】アルキル(メタ)アクリレートは、例えば、以下の構造式(VII−1)を有する。 【化41】
[式中、Xは水素原子またはメチル基であり、nは1〜22(例えば1〜10)である。] 【0032】具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドラジル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。 【0033】アルキル(メタ)アクリレートマクロモノマーは、例えば、以下の構造式(VIII−1)を有する。 【化42】
[式中、X21およびY21のそれぞれは水素原子またはメチル基であり、nは1〜22であり、mは5〜100である。] 【0034】具体的には、【化43】
【0035】 【化44】
などが例示される。これらの非フッ素系モノマーは2種類以上のものを混合させて用いてもよい。【0036】非フッ素系モノマーには、使用感を改質するためや、耐水性、撥水撥油性以外の機能を付与するために、適当なモノマーを併用しても良い。具体的にはグルシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸などが例示される。本発明で用いられるフッ素系共重合体は化粧料用粉体に耐水性、撥水撥油性と好ましい使用感を付与する。 【0037】フッ素系共重合体において、フッ素系(メタ)アクリレート含量は、5重量%以上、より好ましくは10〜95重量%、特に好ましくは20〜90重量%であってよい。共重合体において、非フッ素系モノマーの割合が多いほど、化粧料に配合したときの使用感、すなわち、「すべり感」、「さらさら感」などが良くなるが、非フッ素系モノマーの割合が95重量%を越えると、皮膜に十分な耐水性、撥水撥油性を付与することができない。 【0038】共重合体において、含ケイ素重合性化合物(b)の量は、0〜50重量%、例えば0〜40重量%、特に0〜30重量%、特別に1〜25重量%である。共重合体において、含ケイ素重合性化合物(b)以外の非フッ素系モノマー(c)の量は、0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、特に0〜30重量%、特に好ましくは1〜25重量%である。 【0039】重合体は、1種の単独のものであってよいが、2種以上、例えば3種の重合体の混合物であってよい。重合体の混合物は、例えば、(I)(a)フッ素系(メタ)アクリレートから誘導された繰り返し単位、(b)含ケイ素重合性化合物から誘導された繰り返し単位および(c)含ケイ素重合性化合物(b)以外の非フッ素系モノマーから誘導された繰り返し単位を有する共重合体、ならびに(II)(a)フッ素系(メタ)アクリレートから誘導された繰り返し単位および(c)含ケイ素重合性化合物(b)以外の非フッ素系モノマーから誘導された繰り返し単位を有する共重合体からなっていてよい。この重合体の混合物において、共重合体(I)および(II)のそれぞれは、2種以上の重合体の混合物であってよい。 【0040】本発明において用いられるフッ素系共重合体は、塊状重合、溶液重合、乳化重合で製造することが可能である。塊状重合では、フッ素系(メタ)アクリレートと非フッ素モノマーの混合物を窒素置換後、重合開始剤を投入し、40〜80℃の範囲で数時間、撹拌して重合させる方法が採用される。また、溶液重合の場合、フッ素系(メタ)アクリレートと非フッ素モノマーの混合物を、これらのモノマーが可溶である適当な有機溶剤に溶解して同様に重合する。 【0041】ここで用いられる有機溶剤は、炭化水素系、エステル系、ケトン系、アルコール系、シリコーン系、フッ素系溶剤などである。乳化重合の場合、これらのモノマーを適当な乳化剤を用いて水中に乳化した後、同様に重合する。ある種のフッ素系(メタ)アクリレートと非フッ素系モノマーの組み合わせにおいては、水中でフッ素系(メタ)アクリレートと非フッ素系モノマーの相溶性が悪いために共重合性が悪くなる。この場合は、グリコール類、アルコール類などの適当な補助溶剤を添加して、両モノマーの相溶性を向上させる方法が採用される。乳化重合で用いる乳化剤は疎水基が炭化水素系、シリコーン系、フッ素系のいずれのものでも、また、親水基のイオン性もノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性のものいずれのものでも良い。 【0042】重合開始剤は各種アゾ系、過酸化物等が例示される。重合の際には、必要に応じて、連鎖移動剤やpH調整剤を加えてもよい。重合後に得られるフッ素系共重合体の重量平均分子量は10,000から1,000,000であり、好ましくは20,000から300,000である。重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したものである(ポリスチレン換算)。 【0043】本発明で処理される粉体は、化粧料で汎用される粉体であれば特に限定されない。例えば、タルク、カオリン、セリサイト、マイカ、雲母チタン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、一酸化亜鉛、二酸化亜鉛、重質もしくは軽質炭酸カルシウム、第2燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、シリカゲル、カーボンブラック、酸化アンチモン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成雲母などの無機粉体。蛋白質粉末、魚鱗箔、金属石鹸、タール色素、レーキなどの有機粉末などが挙げられる。本発明において、「処理」とは、表面処理剤(フッ素系化合物)を粉体に付着することを意味する。 【0044】未処理粉体100重量部に対して、付着されるフッ素化合物(フッ素系リン酸エステルおよびフッ素系共重合体)の量は、0.1〜30重量部、例えば1〜20重量部である。処理された後の粉体において、フッ素系リン酸エステルとフッ素系共重合体の重量比は、3:1〜1:3、例えば2:1〜1:2であってよい。 【0045】本発明の化粧料用粉体表面処理方法では、 フッ素系リン酸エステル、および、特定のフッ素系共重合体をイソプロパノール、エタノール、イソプロピルエーテル、イソパラフィンなどの非フッ素系溶剤で希釈した溶液と未処理粉体を混合し、室温、あるいは、加熱下で粉体が溶液で均一に濡れるまで撹拌する。このときの撹拌には、ヘンシェルミキサー、振動式ボールミル、回転式ボールミル、スーパーミキサー、プラネタリーミキサーなどの撹拌装置が使用される。ラボスケールで撹拌するときは、家庭用のジューサーミキサーを用いても良い。 【0046】フッ素系リン酸エステルおよび特定のフッ素系共重合体は、同時に表面処理しても良いし、まず、フッ素系リン酸エステルを表面処理しフッ素系リン酸エステルを優先的に粉体と反応させた後、フッ素系共重合体を追加し、表面処理を完結しても良い。後者の方法では、フッ素系リン酸エステルを内側に、フッ素系共重合体を外側に配向できる特徴を有する。 【0047】溶液中のフッ素化合物の固形分濃度は、特に限定されないが、粉体混合時の撹拌の際に、粘度が高くなりすぎないように調製する。撹拌後、真空状態、あるいは、加熱して有機溶剤を留去し、上記の撹拌装置で処理粉体を均一に分散する。ラボスケールで撹拌するときは、家庭用のジューサーミキサー、あるいは、スピードカッターを用いても良い。 【0048】本発明では、表面処理の際に必要ならば、使用感を改質するための適当な薬剤を併用しても良い。粉体の使用感を改質するための薬剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、レシチン、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸、シリコーン、キトサン、コラーゲン、ワックスなどが例示される。 【0049】本発明の化粧料では、化粧料用撥水撥油性粉体に加えて、通常、化粧料に汎用される原料を配合しても良い。例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコールなどの固形・半固形油分。スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油などの流動油分。パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタンなどのフッ素系油剤。水溶性および油溶性ポリマー、界面活性剤、有機染料等の色剤、エタノール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などが使用される。 【0050】本発明の化粧料は通常の方法に従って製造され、UVケア用の各種化粧料、例えば、ファンデーション、おしろいなどの仕上化粧料;乳液、クリームなどの基礎化粧料;頭髪化粧料に使用できる。 【0051】 【実施例】製造例1還流冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた四つ口フラスコ中にCH2=CHCOO(CH2)2(CF2CF2)nCF2CF3(以下、FAと省略、n=3、4、5の化合物の重量比が5:3:1の混合物)20g、側鎖メルカプト変性シリコーン【化45】
(mは10〜200、nは1〜10である。) (以下、Si−SHと省略、信越化学工業製KF−2001) 10g、ブチルアクリレート(以下、BAと省略) 10g、トルエン 158gを入れ、80℃に加熱後、30分間窒素気流下で撹拌する。これにt-ブチルパーオキシピバレート(商品名パーブチルPV、日本油脂製)2gを添加し、6時間重合した。反応液中の残存FAをガスクロマトグラフィーで分析することより、FAの重合率が95%であることを確認した。得られた反応液の一部をメタノールで沈殿、真空乾燥して、FA/Si−SH/BA(=5/2.5/2.5wt.)共重合体を単離した。得られたFA/Si−SH/BA共重合体の分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は35,000(ポリスチレン換算)であった。 【0052】製造例2製造例1のモノマーであるSi−SH 10gを、シリコーンメタクリレート【化46】
[式中、Meはメチル基である。] [以下、Si−MAと省略、商品名サイラプレーンFM-0721(分子量6900)、チッソ製]10gに置き換える以外は全く同じ方法で重合、単離を行い、FA/Si−MA/BA(=5/2.5/2.5wt.)共重合体を得た。分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は78,000(ポリスチレン換算)であった。 【0053】製造例3製造例1の全モノマー40gを、FA 24g、CH2=CHCOOCH2CH2OH(以下、HEMAと省略)16gに、重合溶媒であるトルエンをイソプロパノールに置き換える以外は全く同じ方法で重合を行った。そして、メタノールの代わりにn−ヘキサンで沈殿し、その後、真空乾燥して、FA/HEMA(=6/4wt.)共重合体を得た。分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は28,000(ポリスチレン換算)であった。 【0054】実施例1[CmF2m+1-CH2CH2-O]nPO(OH)3-n[式中、m=8 50重量%、m=10 30重量%、m=12 20重量%、n=1 35mol%、n=2 60mol%、n=3 5mol%]のフッ素系リン酸エステル1.6g、および、製造例1のFA共重合体0.2g、製造例2のFA共重合体0.2g、製造例3のFA共重合体0.4gを、イソプロパノール120gに60℃で加熱溶解した。この溶液と表1の混合粉体40gをジューサーミキサーにいれ30秒間攪拌した。粉体分散液をアルミバットに流し込み、一昼夜、乾燥機(60℃)中で乾燥させた。溶剤が乾燥後、さらに130℃で3時間加熱した。 【0055】 【表1】
【0056】濾紙の上に表面処理した混合粉体を均一に塗布し、水または所定の油を滴下することにより撥水撥油性の評価をした。表2に示す表面張力の異なる8種類の油を滴下して、1分後にしみこまない油の点数を撥油性とした。 【0057】 【表2】
実施例1で調製したフッ素処理粉体は水をはじき、撥油性は6点であった。 【0058】実施例2実施例1のフッ素系リン酸エステル80gをイソプロパノール4000gに60℃で加熱溶解した。この溶液と微粒子酸化チタン1000gと微粒子酸化亜鉛1000gを密閉式のヘンシェルミキサーに入れ1時間攪拌した。製造例1のFA共重合体50g、製造例2のFA共重合体50g、製造例3のFA共重合体100gをイソプロパノール1000gに60℃で加熱溶解し、この溶液を先のフッ素系リン酸エステルを表面処理したヘンシェルミキサーに入れ、さらに1時間攪拌した。 実施例1と同じ方法で撥水撥油性を評価した。実施例1で調製したフッ素処理粉体は水をはじき、撥油性は5点であった。 【0059】実施例3、比較例1以下の実施例および比較例で得られた化粧料の性能は次のように評価した。化粧持ち、使用感(のび、つき)を次の基準で評価した。 ◎:非常に良い○:良い△:普通×:悪い××:非常に悪い評価は官能評価の専門パネラー5名が行い、その平均を結果とした。 実施例1の混合粉体を実施例3で用い、実施例1においてフッ素系リン酸エステルのみ(FA共重合体なし)で表面処理したものを比較例1で用いた。 【0060】製法:成分(1)〜(4)をアトマイザーで混合粉砕し、これをヘンシェルミキサーに移して、成分(5)、(6)を加え、均一に混合した。これを金型に入れ、プレス成型して、パウダリーファンデーションとした。 【0061】 【表3】
【0062】実施例4、比較例2実施例2の混合粉体を実施例4で用い、実施例2においてフッ素系リン酸エステルのみ(FA共重合体なし)で表面処理したものを比較例2で用いた。サンスクリーンローションを調製し、耐水性(FDA法)、SPF(JCIA法、塗布量2mg/cm2)の測定を行った。また、使用感を次の基準で評価した。 ◎:非常に良い○:良い△:普通×:悪い××:非常に悪い評価は官能評価の専門パネラー5名が行い、その平均を結果とした。 【0063】製法:成分(1)に成分(2)、(3)を添加しサンドミルで分散させる。成分(4)〜(9)を撹拌しながら添加してホモミキサーで乳化し、目的のサンスクリーンローションを得た。 【0064】 【表4】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル
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| 【出願日】 |
平成13年9月3日(2001.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−73235(P2003−73235A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月12日(2003.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−265880(P2001−265880) |
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