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【発明の名称】 胸用パックおよびパック体
【発明者】 【氏名】中村 佳世子
【住所又は居所】東京都港区海岸3丁目20番20号 カネボウ株式会社内

【氏名】柏原 真美
【住所又は居所】東京都港区海岸3丁目20番20号 カネボウ株式会社内

【要約】 【課題】様々な形状のバストに良好にフィットさせることができる新規な胸用パックを提供する。

【解決手段】所定の成分を含んでおり、胸に適用されるシート状の胸用パックを提供する。この胸用パック4は、縁部の少なくとも一部が円弧状に湾曲している湾曲縁部4aを含み、この湾曲縁部4aより内側に向けて切込み3cが設けられている。この切込み3cによって形成される一対の対向縁部を相対的に変位させれば、平面的な胸用パック4を容易に立体化できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】所定の成分を含んでおり、胸に適用されるシート状の胸用パックにおいて、前記胸用パックの縁部の少なくとも一部が円弧状に湾曲しているとともに、当該湾曲縁部より内側に向けて切込みが設けられていることを特徴とする胸用パック。
【請求項2】前記胸用パックの中心部に開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載された胸用パック。
【請求項3】前記開口部は、胸用パックの中心部に湾曲した切込みを設けることにより形成された蓋状の開口部であることを特徴とする請求項2に記載された胸用パック。
【請求項4】所定の成分を含んでいるシート状のパック体において、縁部の少なくとも一部が円弧状に湾曲しているとともに、当該湾曲縁部より内側に向けて切込みが設けられている胸用パック部と、前記胸用パック部と連結し、胸元に適用される胸元用パック部とを有することを特徴とするパック体。
【請求項5】前記胸用パック部と前記胸元用パック部とを分離可能な状態で連結し、前記湾曲縁部と略同一円を形成するように、前記湾曲縁部と繋がっている切込みをさらに有することを特徴とする請求項4に記載されたパック体。
【請求項6】前記胸用パック部の中心部に開口部が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載されたパック体。
【請求項7】前記胸元用パック部の縁部で、かつ、前記湾曲縁部の反対側に位置する縁部は、前記湾曲縁部と嵌合可能な形状で湾曲していることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載されたパック体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の成分を含んだシート状パックに係り、特に、胸に適用される胸用パックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、身体部位に適用されるシート状パックが各種提案されている。例えば、鼻用パックに関しては、実開平6−4032号公報や実登3034427号公報等が知られており、顔用パックに関しては、実開平4−13628号公報や実登3001480号公報等が知られている。また、図8に示す形態で使用される、胸元用美容パックも市販されている。この胸元用パック20は、美容成分を含浸したシート状のものであり、これを胸元に貼って、バストを支える肌に潤いと緊張感とを与えてハリを保つ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、胸元(デコルテ)に適用されるパックは知られているものの、胸(バスト)自体に適用される胸用パックは提案されていない。その理由として、平面状のシートをバストにそのまま貼付けても、バストの曲面形状にフィットしにくいことが挙げられる。また、他の身体部位と比較して、バストの大きさや形状には個人差が大きいことも胸用パックの実現を困難なものにしている。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、様々な形状のバストに良好にフィットさせることができる新規な胸用パックを提供することである。
【0005】また、本発明の別の目的は、胸用パックと胸元用パックとを一体形成することにより、生産性の向上を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するために、第1の発明は、所定の成分を含んでおり、胸に適用されるシート状の胸用パックを提供する。この胸用パックは、縁部の少なくとも一部が円弧状に湾曲しているとともに、この湾曲縁部より内側に向けて切込みが設けられている。この切込みによって形成される一対の対向縁部を相対的に変位させれば、平面的な胸用パックが立体的な形状になる。
【0007】第2の発明は、所定の成分を含んでいるシート状のパック体を提供する。このパック体は、縁部の少なくとも一部が円弧状に湾曲しているとともに、この湾曲縁部より内側に向けて切込みが設けられている胸用パック部と、胸用パック部と連結し、胸元に適用される胸元用パック部とを有する。
【0008】ここで、第1または第2の発明において、乳首との接触を避けるために、胸用パック(または胸用パック部)の中心部に開口部を設けることが好ましい。また、この開口部は、上記切込みと繋がっていることが望ましい。さらに、この開口部は、胸用パック(または胸用パック部)の中心部に湾曲した切込みを設けることにより形成された蓋状の開口部であってもよい。
【0009】また、第2の発明において、胸用パック部と胸元用パック部とを分離可能な状態で連結する連結部をさらに設けてもよい。この連結部は、湾曲縁部と略同一円を形成するように、湾曲縁部と繋がっていることが好ましい。
【0010】さらに、第2の発明において、胸元用パック部の縁部で、かつ、湾曲縁部の反対側に位置する縁部は、湾曲縁部と嵌合可能な形状で湾曲していることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、第1の実施形態に係るパック体の平面展開図である。シート状のパック体1は、不織布、吸水紙、ガーゼ等よりなる単一のシート材を所定形状に裁断することによって一体的に形成されている。また、パック体1には、用途に応じて適宜配合された所定成分のパック液が含まれている。例えば、肌にしっとり感やハリを与えるという用途では、周知の美容成分を含むパック液がパック体1に含浸されている。また、ハップ剤のように、ゲル状の薬液(例えばハリを出したりする効能のある)をパック体1に塗工してもよい。
【0012】一例として、本実施形態に係るパック液は、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、カロットエキス、チャエキス、褐藻エキス、PEG−60水添ヒマシ油、PEG−75、ポリソルベート20、カルボマーK、PEG−20、エタノール、プロピレングリコール、エデト酢酸、フェノキシエタノール、パラベン、香料、水を配合したものである。このパックの商品特徴としては、天然コラーゲン(キャロットエキス)、お茶エキス、褐藻エキスを配合することにより、肌にうるおいを与える。
【0013】左右の胸部にそれぞれ適用される一対のパック部2,2は、縦方向に延在する切込み3aを介して左右に連結されており、この切込み3aに対して線対称な形状を有する。それぞれのパック部2は、バストに適用される胸用パック部4と胸元に適用される胸元用パック部5とで構成されている。これらのパック部4,5は、横方向に延在する切込み3bによって分離可能な状態で上下に連結されている。切込み3aに沿って切断すれば左右のパック部2,2を分離でき、切込み3bに沿って切断すれば上下のパック部4,5を分離できる。
【0014】胸用パック部4は、半円状の湾曲縁部4aと半円状の切込み3bとで囲まれた略円領域である。すなわち、湾曲縁部4aは、下方に向って凸状に湾曲しており、その縁部形状は円弧状になっている。また、切込み3bは、上方に向って凸状に湾曲しており、その形状は円弧状になっている。この切込み3bは、湾曲縁部4aと略同一円を形成するように、湾曲縁部4aと繋がっている。したがって、上下のパック部4,5を分離した場合、パック部4は略円状になる。また、このパック部4には切込み3c,3dが設けられている。切込み3cは、パック部4の立体化を可能にするために設けられ、湾曲縁部4aより内側に向けて(本実施形態では径方向に)延在している。切込み3dは、パック部4の中心部分に円弧状に湾曲しており、径方向に延在する切込み3cと繋がっている。この切込み3dは、パック部4を胸に適用した際、乳首との接触を避けるために設けられている。一方、胸元用パック部5は、パック部2から胸用パック部4を除いた領域である。
【0015】本実施形態では、胸用パック部4の曲率半径は55mmであり、切込み3cの曲率半径は8mmである。なお、発明者が鋭意検討した結果、胸用パック部4の曲率半径が35mmから110mmまでの範囲内であることが好ましく、この範囲内であれば、バストを中心とした身体部位を有効に覆うことができる。特に、胸用パック4の曲率半径を上限値に近づけるほど、「バストが覆われている」という満足感を使用者に与えることができる。また、切込み3cの曲率半径が5mmから12mmまでの範囲内であることが好ましく、この範囲内であれば乳首を有効に避けることができる。
【0016】パックの使用方法は以下のとおりである。使用者は、アルミパッケージ等に個装されているパック体1を取り出し、上下左右に4つに折り畳まれた状態になっているパック体1を図1に示した状態に展開する。つぎに、切込み3aに沿って切り離すことで、左右の胸部に対して適用される一対のパック部2を得るとともに、それぞれをさらに切込み3bに沿って切り離すことで、胸用パック部4と胸元用パック部5とを得る。
【0017】図2に示すように、使用者は、胸用パック部4を自身のバストに貼付けるとともに、胸元用パック部5を胸元に貼付ける。その際、胸用パック部4は、バストに合わせて下から上へ持ち上げるようにして密着させる。そして、5〜15分程度の時間が経過してから、これらのパック部4,5を肌から剥がし、肌に残ったパック液は、手でマッサージするようにして肌になじませる。
【0018】胸元は平面に近い状態なので、胸元用パック部5をシート状のまま貼付けても肌にフィットする。これに対して、バストは曲面がきついので、胸用パック部4をシート状のまま貼付けても良好なフィット性を確保できない。そこで、使用に際しては、シート状の胸用パック部4を図3に示すような立体形状にした上で適用する。すなわち、切込み3cによって形成される一対の対向縁部a,bを相対的に変位させて円錐形状にする。この円錐の頂角αは、対向縁部a,b間の距離、すなわちオーバラップ量Dを調整することにより任意に設定できる。したがって、バストの様々な形状に対して柔軟に対応でき、良好なフィット性を確保できる。また、切込み3cの終端は湾曲縁部4aと当接している。そのため、胸用パック部4を円錐状にした際、切込み3c近傍の裾部が連続的かつ滑らかな円弧状になるため、美観を損なうことがない。
【0019】また、胸用パック部4を円錐状にして胸用パックとして使用した場合、切込み3dによって頂部に蓋状の開口部6が形成される。この開口部6がパック部4と乳首との接触を避けるため、使用時におけるフィット性の向上を図ることができる。また、パック液の成分にもよるが、パック液による乳首の刺激を避けることもできる。
【0020】このように、本実施形態によれば、湾曲縁部4aより内側に向けて延在する切込み3cを設け、胸用パック部4を立体化可能にしている。これにより、フィット性に優れ、かつ様々なバストに対して柔軟に対応可能な胸用パックを実現できる。その結果、パック液による肌への効果を高めることができる。特に、本実施形態のように、胸用パック部4の径方向に切込み3cを形成すれば、切込み3c近傍の裾部が突出することなく連続的になるので、良好な見栄えを確保することができる。
【0021】また、胸用パック部4の使用時には、円錐頂部に開口部6が形成されるため、乳首との接触を避けることができる。これにより、パックのフィット性の一層の向上を図ることができる。
【0022】また、本実施形態では、胸用パック部4と胸元用パック部5とを単一のシート材より一体形成している。そのため、これらを含むパック体1の自動製作が容易となり、生産性の向上を図ることができる。
【0023】さらに、本実施形態に係るパックは、コミュニケーションツールとして利用することもできる。例えば、このパックをホテルの備品として、ホテル利用者に対して提供する。パックの使用者(通常は女性)は、自己以外の者(通常は男性)にパックを貼付けてもらう。これにより、両者のコミュニケーションを図ることができる。
【0024】なお、上述した実施形態において、径方向の切込み3cは、下側の湾曲縁部4aと当接するように設けている。しかしながら、本発明は、このような形態に限定されるものではなく、胸用パック部4の縁部の少なくとも一部が円弧状に湾曲しており、その湾曲縁部と当接するように切込み線3cを設けた形態に広く適用可能である。例えば、図1に示した構成において、径方向の切込み3cを、湾曲した切込み3b(分離時には湾曲縁部となる)と当接する位置に設けてもよい。また、例えば、図4に示すような第2の実施形態としてもよい。なお、同図において図1と同一部材については同一符号を付して、ここでの説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。このパック部21は、胸および胸元とを連続的に覆うものであり、上述した胸用パック部4と胸元用パック部5との境界に切込み3cが設けられていない。この構成は、縁部の少なくとも一部(下縁部)が円弧状に湾曲しており、この湾曲縁部より内側に向けて切込み3cが設けられている。したがって、パック部21を切込み3cを介して立体化した際、切込み3c近傍の裾縁部が連続的になるため、美観の悪化を防止できる。また、本発明において、「湾曲縁部」とは円弧状に湾曲した縁部をいうが、裾縁部の連続化という観点より完全な円弧である必要は必ずしもなく、例えば楕円状であってもよい。
【0025】図5は、第3の実施形態に係るパック部の平面図である。このパック部22は、胸用パック部4中央の開口部6を完全に開口したものであり、それ以外は第1の実施形態と同様の構成を有する。
【0026】図6は、第4の実施形態に係るパック部の平面図である。このパック部23は、胸元用パック部5の上縁部5a(すなわち、湾曲縁部4aの反対側に位置する縁部)を、湾曲縁部4aと嵌合可能な湾曲形状にしている。このような構成では、図7に示すように、原反よりパック部23を製造する際、上下のパック部23の縁部が完全に当接し、廃棄部分が少なくなるので、効率的にパック部23を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、様々な形状のバストに対して良好かつ柔軟にフィットする胸用パックを得ることができる。また、パック体として胸用パックと胸元用パックとを一体形成することにより、生産性の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区墨田五丁目17番4号
【出願日】 平成13年8月31日(2001.8.31)
【代理人】 【識別番号】100101982
【弁理士】
【氏名又は名称】久米川 正光
【公開番号】 特開2003−73231(P2003−73231A)
【公開日】 平成15年3月12日(2003.3.12)
【出願番号】 特願2001−264461(P2001−264461)