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【発明の名称】 水中油型乳化化粧料
【発明者】 【氏名】秋山 恵里
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】鳥塚 誠
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】木附 智人
【住所又は居所】和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】

【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):(A)多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、炭素数8〜40の直鎖又は分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基又はこれらの組合せから選ばれる疎水部を有する置換基(置換基(a))、及びヒドロキシル基が置換していてもよいイオン性又は非イオン性親水部を有する置換基(置換基(b))で置換されており、置換基(a)と置換基(b)の置換度の比が(a):(b)=1:1000〜100:1である水溶性多糖誘導体、(B)HLBが7以下の非イオン界面活性剤、(C)疎水性粉体を含有し、成分(B)の含有量が0.01〜1.9重量%である水中油型乳化化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C):(A)多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、炭素数8〜40の直鎖又は分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基又はこれらの組合せから選ばれる疎水部を有する置換基(置換基(a))、及びヒドロキシル基が置換していてもよいイオン性又は非イオン性親水部を有する置換基(置換基(b))で置換されており、置換基(a)と置換基(b)の置換度の比が(a):(b)=1:1000〜100:1である水溶性多糖誘導体、(B)HLBが7以下の非イオン界面活性剤、(C)疎水性粉体を含有し、成分(B)の含有量が0.01〜1.9重量%である水中油型乳化化粧料。
【請求項2】 置換基(a)が、炭素数10〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル又は炭素数10〜40の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテルである請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】 置換基(b)が、ヒドロキシル基で置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩である請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】 成分(B)が、モノ脂肪酸グリセリン又はα−モノアルキルグリセリルエーテルである請求項1〜3のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体、油剤の分散、乳化安定性、使用感、特に塗布感(べたつきのなさ、肌なじみ)、耐水性に優れた水中油型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】水中油型乳化化粧料は、みずみずしく、のびの良い使用感のために、高い評価を得ている。しかし、一般に、親水性の乳化剤や親水性粉末を使用しているため、塗布後の化粧膜は耐水性に劣るという問題がある。そこで、親水性の乳化剤を用いない場合や、疎水性粉末を配合した化粧料が提案されている。例えば特開平9−87129号には、疎水性粉体の分散性を向上させるために、水溶性高分子(ペムレン)と非イオン界面活性剤を配合した乳化組成物が提案されている。しかし、比較的高いHLB(HLB=8〜12)の非イオン界面活性剤を使用しているため、耐水性の点で不十分であった。また、特開平11−12119号には、高分子乳化剤を用いて疎水性粉体を水中油型乳化化粧料に安定分散する方法が提案されている。この方法により疎水性粉体の分散性や乳化組成物の安定性は向上し、また実施例にあるように非イオン界面活性剤を作用することで皮膚上に塗布した際の皮膚付着性(肌なじみ)が改善されたが、非イオン界面活性剤の配合量が多いためにべとつき感が残り、分散性、安全性、使用感、耐水性の全ての点を満足するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粉体、油剤の分散又は乳化安定性に優れ、かつ乳化組成物の使用感、特に塗布時の肌なじみがよく、べたつき感のなさに優れ、耐水性に優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特定の高分子乳化剤である水溶性多糖誘導体に少量の特定の非イオン界面活性剤を併用し、更に疎水性粉体を含有する水中油型乳化化粧料は、油剤が微細に乳化され、粉体、油剤の分散又は乳化の安定性に優れ、しかも、皮膚に塗布した際にべたつき感がなく肌のなじみが飛躍的に向上し、塗布膜の耐水性が優れることを見出した。
【0005】本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):(A)多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、炭素数8〜40の直鎖又は分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基又はこれらの組合せから選ばれる疎水部を有する置換基(置換基(a))、及びヒドロキシル基が置換していてもよいイオン性又は非イオン性親水部を有する置換基(置換基(b))で置換されており、置換基(a)と置換基(b)の置換度の比が(a):(b)=1:1000〜100:1である水溶性多糖誘導体、(B)HLBが7以下の非イオン界面活性剤、(C)疎水性粉体を含有し、成分(B)の含有量が0.01〜1.9重量%である水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用する第1の成分(A)は水溶性多糖誘導体である。ここで水溶性多糖誘導体とは、多糖類又はその誘導体を基本骨格にもち、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等を含む置換基で置換されている多糖誘導体であって水溶性のもののことである。ここで水溶性とは、25℃で水に0.001%以上溶解するものをいう。成分(A)の水溶性多糖誘導体は、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、次の基(a)及び(b);
(a)炭素数8〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基及びこれらの混合物から選ばれる疎水部を有する置換基、(b)ヒドロキシル基が置換していてもよいイオン性又は非イオン性の親水部を有する置換基、で置換されており、置換基(a)と置換基(b)の数の比率が1:1000〜100:1である。
【0007】ここで、置換基(a)としては、例えば炭素数8〜40の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アリールアルキルエーテル基、又はアルキルアリールエーテル基が挙げられる。特に、炭素数10〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル基、炭素数10〜40の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテル基等が好ましい。具体的には、2−ヒドロキシ−3−アルコキシプロピル基、2−アルコキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシプロピル基、2−アルケニルオキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基が挙げられる。なお、置換基(a)がヒドロキシル基を有する場合には、当該ヒドロキシル基は更に他の置換基(a)又は(b)で置換されていてもよい。
【0008】また、置換基(b)としては、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシエチレン基、ポリグリセリン基、スルホアルキル基等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩が好ましい。具体的には、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、その全てあるいは一部がNa、K等のアルカリ金属、Ca、Mg等のアルカリ土類金属類、アミン類等の有機カチオン基、アンモニウムイオンなどとの塩となっていてもよい。なお、置換基(b)がヒドロキシル基を有する場合には、当該ヒドロキシル基は更に他の置換基(a)又は(b)で置換されていてもよい。
【0009】このような水溶性多糖誘導体は、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子を部分的に疎水化(置換基(a)の導入)又はスルホン化(スルホン酸基を有する置換基(b)の導入)した後、残りのヒドロキシル基の全ての又は一部の水素原子をスルホン化又は疎水化することにより、又は同時に疎水化及びスルホン化を行うことにより製造することができる。
【0010】置換基(a)の置換度は、構成単糖残基当たり0.001〜1、特に0.002〜0.5、更に0.003〜0.1であるのが好ましい。置換基(b)の置換度は、構成単糖残基当たり0.01〜2.5、特に0.02〜2、更に0.1〜1.5であるのが好ましい。また、置換基(a)と置換基(b)の比率は1:1000〜100:1、特に1:500〜10:1、更に1:300〜10:1であるのが好ましい。なお、水溶性アルキル置換多糖誘導体においては、多糖類又はその誘導体の同一の繰り返し単位中に必ず置換基(a)及び(b)が存在していなくても良く、一分子全体として見たときに、置換基(a)及び(b)が導入されていれば良い。その置換度が平均して前記範囲内にあるのが好ましい。
【0011】また、成分(A)の水溶性多糖誘導体の基本骨格となる多糖類又はその誘導体としては、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられる。なかでもセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。また、これらの多糖類のメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等の置換基は、単一の置換基で置換されたものでもよいし、複数の置換基で置換されたものでもよく、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜10、特に0.5〜5が好ましい。また、これら多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、1万〜1000万、好ましくは10万〜500万、特に好ましくは30万〜200万の範囲である。
【0012】また、成分(A)の水溶性多糖誘導体としては、特開平3-12401の実施例1〜3、特開平11−12119に記載されている水溶性多糖誘導体、米国特許第4228277号に記載されている非イオン長鎖アルキル化セルロースエーテルが挙げられる。また、市販品としては、ナトロゾル・プラス(NATROSOL PLUS)330やナトロゾル・プラスCS(NATROSOL PLUS)D−67(アクアロン・カンパニー社製)等のアルキル変性ヒドロキシエチルセルロースや、疎水化変性スルホン化多糖誘導体等も好適に使用することができる。
【0013】また成分(A)の水溶性多糖誘導体は、2種以上を用いることもできる。成分(A)は、全組成中に0.01〜10重量%、特に0.05〜5重量%、更に0.05〜2重量%で含有されるのが十分な分散性、安定性が得られるとともに、耐水性が高く、肌なじみがよくべたつきが少ない使用感となり好ましい。
【0014】本発明で使用する成分(B)はHLB7以下の非イオン界面活性剤である。HLB7以下の非イオン界面活性剤を用いることにより、本発明の水中油型乳化化粧料を肌に塗布した際の肌なじみが向上し、かつ塗布後の塗布膜の耐水性が向上すると考えられる。ここで、非イオン界面活性剤のHLBは下記の川上の式(1)で算出される。
【0015】
【数1】

【0016】更に、本発明の水中油型乳化化粧料を肌へ塗布したあとの塗布膜の耐水性の観点から成分(B)は、特にHLBが5以下のものが好ましい。
【0017】成分(B)の例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット・ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
【0018】これらの中で、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル等が好ましく、特にアルキルグリセリルエーテルのα−モノアルキルグリセリルエーテルが好ましい。
【0019】本発明で成分(B)の含有量は、全組成中に0.01〜1.9重量%、好ましくは0.01〜0.9重量%であり、2種以上を組合せて用いることもできる。この範囲であれば、乳化型が水中油型から油中水型に転相することもなく、細かな乳化粒子の乳化物となり十分な肌なじみが得られ、塗布時にべたつきも感じられない。
【0020】本発明で使用する成分(C)は疎水性粉体である。成分(C)としては、一般に化粧用として使用される疎水性粉体、及び化粧料用粉体を疎水化処理した粉体を含む。疎水性粉体としては、ポリアミド樹脂粉体(ナイロン末)、ポリエチレン粉体、4フッ化ポリエチレン粉体、架橋型ポリスチレン粉体、シリコーン系樹脂粉体、ポリメタクリル酸メチル粉体等の有機粉体が挙げられる。
【0021】疎水化処理粉体に用いられる基材としては、無機粉体,天然繊維の粉体、スターチの粉体、有機色素、真珠光沢顔料等が挙げられる。無機粉体の具体例としては、カオリン、金雲母、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、セリサイト、タルク、天然ケイ酸アルミニウム、パイロフェライト質クレー、ベントナイト、マイカ、無水ケイ酸、無水ケイ酸アルミニウム、モンモリロナイト、黄酸化鉄、黄土、黒酸化鉄、ベンガラ、黒酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムコバルト、酸化クロム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化チタンゾル、酸化鉄・二酸化チタン焼結物、酸化セリウム、酸化マグネシウム、水酸化クロム、チタン・二酸化チタン焼結物、チタン酸コバルト、グンジョウ、グンジョウバイオレット、グンジョウピンク、コンジョウ、マンガンバイオレット、カーボンブラック、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、重質炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、カラミン、エポキシ処理アルミニウム、アクリル樹脂被覆アルミニウム末、アルミニウム末、金コロイド、金箔、ロジン酸ナトリウム処理酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ホウ素等が含まれる。また、天然繊維粉体としては、シルク、ウール、セルロース等が挙げられる。スターチ類としては米、コーン、馬鈴薯等が挙げられる。
【0022】上記基材の疎水化処理法としては、例えば粉体表面に油脂を吸着させたり、水酸基等の官能基を利用し、エステル化やエーテル化を起こさせ粉体を親油的にする油脂処理法、脂肪酸の亜鉛塩やマグネシウム塩やアルミ塩を用いた金属石鹸処理法、ジメチルシロキサンやメチル水素シロキサン等のシリコーン化合物を用いたシリコーン処理法、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物で処理する方法等が挙げられる。疎水化処理量は、粉体が化粧料に配合された際に十分に疎水性を示す程度であればよく、好ましくは粉体の量に対して1重量%以上である。また、本発明に用いられる成分(C)の平均粒子径は、好ましくは0.01〜500μmである。
【0023】本発明において、成分(C)の疎水性粉体は、2種以上を用いることもでき、その含有量は、全組成中に0.5〜40重量%、特に1〜30重量%、更に1〜25重量%が好ましい。この範囲の量含有すると、より分散性良好で安定な水中油型乳化化粧料となる。本発明の水中油型乳化化粧料は、以上の成分(A)、(B)、(C)を必須として含む、油相及び水相を水中油型に乳化させて得られる。油相成分として使用できる油剤としては、一般に化粧料に使用可能なものであればよく、例えば、スクワラン、ワセリン、パラフィン等の炭化水素油;オリーブ油、ホホバ油、硬化ヒマシ油等の油脂;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール等の直鎖又は分枝高級アルコール類;鎖状又は環状ジメチルポリシロキサン、変性シリコーン等のシリコーン油が挙げられる。
【0024】本発明の水中油型乳化化粧料にはこれらの成分の他、化粧料に適宜使用させる成分、例えば成分(B)以外の界面活性剤、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の保湿剤、皮膜形成剤、パラアミノ安息香酸、オクチルシンナメート、ベンゾフェノン等の有機紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、薬効成分、色素、香料等を含有させることができる。
【0025】本発明の水中油型乳化化粧料は、乳液、美容液、クリーム、美白剤、アイケアクリーム、ボディ用ローション、化粧下地、サンケア剤、ファンデーション、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ等に利用することができる。
【0026】
【実施例】実施例1〜6表1、表2に示す組成のファンデーションを製造し、疎水性粉体の分散性、乳化安定性、使用感及び耐水性について、下記方法で評価した。
製造法:i.プロペラ攪拌機を用い、室温にて水溶性アルキル置換多糖誘導体を精製水に溶解し、他の水相成分を添加して混合した。
ii.あらかじめ粉体成分を油相に加え、ディスパーを用いて強分散させた。
iii.水相(i)をアジホモミキサーに移し換え、50℃にて高速攪拌を行いながら油相(ii)をゆっくり添加し、30分高速攪拌を行い、ファンデーションを得た。
【0027】
【表1】

【0028】*1 ヒドロキシエチルセルロース(HEC-QP4400,ユニオンカーバイド社)、ステアリルグリシジルエーテル及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムから製造された水溶性多糖誘導体(置換基(a):置換基(b)=30:150)
*2 メチルセルロース(メトローズSM-800,信越化学工業社製)、ステアリルグリシジルエーテル及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムから製造された水溶性多糖誘導体(置換基a:置換基b=27:170)
【0029】
【表2】

【0030】評価法:分散性各ファンデーションを50mL入りガラス瓶に充填し、室温で1日放置後、以下の基準により外観を肉眼で評価した。
◎:良好○:わずかにムラがある△:わずかに凝集・沈降が認められる×:凝集・沈降が明確に認められる安定性分散性を評価したものを40℃で1ヶ月保存したあと、同様にして粉体分散性を評価した。
使用感10名の専門パネラーが実際に各ファンデーションを使用したときの「さっぱり感」と「べたつきのなさ」と「塗布時の肌のなじみ」について官能評価し、次の基準により評価した。
◎:9名以上が良好と評価した。
○:7〜8名が良好と評価した。
△:4〜6名が良好と評価した。
×:3名以下が良好と評価した。
耐水性人工皮革(ポリウレタン製シート10cm四方)のシートの表面5cm四方(25cm2)に均一になるようにファンデーション80mgを指で塗布し、40℃、湿度50%±10%にて1時間乾燥した。その後、シートを接触角測定装置に挿入できる大きさにカッターを用いて等分に分割し、20℃、湿度50%±10%の環境下でイオン交換水1滴をマイクロシリンジの先端から試料面に滴下し、その時の接触角(度)を1分後に測定し、以下の基準で評価した。
◎:接触角80°以上○:接触角60°以上80°未満△:接触角40°以上60°未満×:接触角40°未満【0031】評価した結果を表1、表2に示すが、本発明のファンデーションはいずれも粉体の分散性・安定性に優れるとともに、肌なじみが良く使用感良好で、しかも耐水性に優れたものであった。これに対し、水溶性アルキル置換多糖誘導体を用いない場合(比較例1、2)には粉体の分散性、安定性が悪く、また、非イオン界面活性剤を用いない場合は塗布時の肌なじみが悪く(比較例3)、多量に用いるとさっぱり感が失われ、べたつく使用感となった(比較例4)。また、HLBが8以上の非イオン界面活性剤を用いると、粉体の分散性は良くなるものの経時での顔料沈降が観察され、安定性としては不十分であり、特に塗布後の化粧膜の耐水性が著しく低下した(比較例5、6)。疎水性粉体の代わりに親水性粉体を用いた場合も同様に分散性、耐水性が低下した(比較例7)。
【0032】実施例7 次の乳液を製造した。
水溶性多糖誘導体*1 0.25重量%1,3−ブチレングリコール 5グリセリン 4ポリエチレングリコール1540(PEG1540三洋化成) 0.5エタノール 5デカメチルシクロペンタシロキサン 5スクワラン 5オリーブ油 10ホホバ油 1メチルパラベン 0.1ジオレイン酸ジクリセリル 1モノステアリン酸ソルビタン(HLB4.7) 0.5セチルアルコール 0.5ステアリルアルコール 0.5ナイロンパウダー 0.5精製水 残部【0033】実施例8 次のクリームを製造した。
水溶性多糖誘導体*3 0.35重量%プロピレングリコール 10ジメチルポリシロキサン(2mm2/s) 15流動パラフィン 15パルミチン酸 0.4ステアリン酸 0.5ワセリン 1モノステアリン酸グリセリン(HLB3.8) 0.7防腐剤 適量ポリエチレン末 3精製水 残部*3 メチルセルロース(メトローズSM-800,信越化学工業製)とステアリルグリシジルエーテル及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムから製造された水溶性多糖誘導体(置換基(a):置換基(b)=27:150)
【0034】実施例9 次の化粧下地を製造した。
水溶性多糖誘導体*1 0.4重量%グリセリン 5パーフルオロアルキル変性シリコーン 15オクタメチルシクロテトラシロキサン 3ジメチルポリシロキサン(2mm2/s) 5p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 1α−モノイソステアリルグリセリルエーテル(HLB1.8) 0.5フッ素化合物処理二酸化チタン 2フッ素化合物処理酸化鉄(黄) 0.02フッ素化合物処理酸化鉄(赤) 0.005フッ素化合物処理タルク 0.075精製水 残部【0035】実施例10 次のサンケアクリームを製造した。
水溶性多糖誘導体*4 0.25重量%グリセリン 5エタノール 5α−モノイソステアリルグリセリルエーテル(HLB1.8) 0.05ポリオキシエチレン変性シリコーン 0.15 (KF-6015,信越シリコーン社製)
ジメチルポリシロキサン(6mm2/s) 5イソノナン酸イソトリデシル 0.5メチルシクロポリシロキサン 10p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3酢酸dl−α−トコフェロール 0.1シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛 2シリコーン被覆微粒子酸化チタン 3精製水 残部*4 ヒドロキシエチルセルロース(HEC-QP4400,ユニオンカーバイド社)、ステアリルグリシジルエーテル及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムから製造された水溶性多糖誘導体(置換基(a):置換基(b):30:180)
【0036】実施例7〜10で得られた化粧料はいずれも疎水性粉体が安定に分散し、さっぱりとしてべたつかない使用感であり、塗布時の肌なじみが良好でしかも耐水性に優れたものであった。
【0037】
【発明の効果】本発明の水中油型乳化化粧料は、粉体、油剤の分散、乳化安定性、使用感、特に塗布感、耐水性に優れる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成13年8月31日(2001.8.31)
【代理人】 【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸 (外6名)
【公開番号】 特開2003−73226(P2003−73226A)
【公開日】 平成15年3月12日(2003.3.12)
【出願番号】 特願2001−264443(P2001−264443)