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【発明の名称】 ヒアロニダーゼ阻害剤及び皮膚外用組成物
【発明者】 【氏名】本多 秀子
【住所又は居所】東京都千代田区神田淡路町2丁目23番地 香栄興業株式会社内

【氏名】村田 一惠
【住所又は居所】東京都千代田区神田淡路町2丁目23番地 香栄興業株式会社内

【氏名】八巻 英彦
【住所又は居所】東京都千代田区神田淡路町2丁目23番地 香栄興業株式会社内

【要約】 【課題】皮膚安全性及び効果の面から優れた抗アレルギー作用、抗炎症作用、活性酸素種消去作用を有する植物抽出物を配合することにより、アレルギー性皮膚疾患、過敏症・敏感肌といった皮膚トラブルの予防改善、ついては皮膚の老化防止に有効で、安全性の高い皮膚外用組成物を提供する。

【解決手段】ホホバ葉抽出物は、高いヒアルロニダーゼ活性阻害作用と優れた皮膚安全性を有し、これを配合した皮膚外用組成物は、アレルギーや紫外線による皮膚障害を予防・改善する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ホホバ葉より抽出されたヒアルロニダーゼ阻害物質を有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
【請求項2】請求項1のヒアルロニダーゼ阻害物質を含有することを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項3】皮膚外用剤組成物が抗アレルギー効果を有する請求項2の皮膚外用剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒアルロニダーゼ阻害剤、および抗アレルギー作用、さらに活性酸素種による酸化的ストレス、紫外線等による皮膚障害を予防、改善し得る皮膚外用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の食習慣の変化、生活様式の変化や様々な環境条件の悪化による環境科学物質の影響をはじめ、社会生活におけるストレスの増大等により、蕁麻疹、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー反応の関与する皮膚疾患が増大している。アレルギー反応は、I型〜IV型に分類される。I型アレルギー反応は、IgE抗体が主として関与している。外来性の抗原に対してIgE抗体が産生され、肥満細胞や好塩基球にIgE抗体が固着し感作が成立し、再び抗原が接触することにより感作細胞にて抗原抗体反応が起こり、ヒスタミン、セロトニンなどの化学伝達物質が遊離し、血管透過性の亢進、浮腫、平滑筋の収縮などを引き起こして各種のアレルギー症状を発現する。II型アレルギー反応は、IgG、IgM抗体が関与している。抗体が抗原細胞に結合すると、補体系を形成するタンパク質が連鎖的に活性化され細胞膜を破壊する複合体が形成されることにより、細胞破壊が起こる。また、補体系の活性化の過程で、アナフィラトキシンが過剰に生じると、血管透過性の亢進、平滑筋の収縮、ヒスタミンの遊離などが起こり、各種のアレルギー症状が発現する。III型アレルギー反応は、主にIgG抗体が関与する。発症は、補体系や多形核白血球など多くの因子が関与する複雑な機構で起こるといわれている。IV型アレルギーは、感作Tリンパ球と抗原との反応により生じる。先のI〜III型が即時型であるのに対して遅延型反応であり、アレルギー性接触皮膚炎などのように外部からの接触物が皮膚から吸収され、接触部位に一致して湿疹反応を起こす。
【0003】アレルギー疾患の治療においては、肥満細胞の細胞膜安定化作用を有する薬物、ケミカルメディエーターの産生又は遊離を抑制する薬物、あるいはケミカルメデイエーターに対し拮抗作用を有する薬物等の抗アレルギー薬、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、キサンチン系薬、交換神経刺激薬、ステロイド薬等の対症療法的薬物の適用が検討されている。
【0004】一方、化粧料をはじめとする皮膚外用剤では、高い安全性を有するものや、作用が穏和で、日常的な皮膚の手入れにも使用できるような抗アレルギー剤の需要も高く、甘草由来のグリチルリチン誘導体が主に使用されてきた。また、天然指向の向上も相俟って、植物起原の抗アレルギー剤のスクリーニングも盛んに行われており、ウラジオガシ(特開平6−239757)、エンゴサク(特開平7−10764)、ウルシ科植物(特開平7−10765)、ハイビスカス(特開平9−87188)、ザクロ(特開平9−110710)、イヌカタヒバ(特開平9−263526)、ジュズダマ属植物・ドクダミ科植物等(特開平10−120583)、ゴマ・レンギョウ等(特開平11−180885)の抽出成分が有効成分として開示されている。
【0005】しかしながら、従来の抗アレルギー薬の中には、局所刺激性、粘膜刺激性等を有したり、抗ヒスタミン薬に代表されるように、副作用を有するものが存在していた。また、植物起原の抗アレルギー剤の中には、十分な作用効果が得られなかったり、製剤化において支障となる色・匂いの問題があるものも多く、一定した品質のものが得られにくいといった問題点があった。
【0006】従って、本発明の目的は、皮膚安全性及び効果の面から化粧料添加剤として優れた抗アレルギー作用、抗炎症作用、活性酸素種消去作用を有する植物抽出物を配合することによりアレルギー性の皮膚疾患、過敏症・敏感肌といった皮膚トラブルの予防改善、ついては皮膚の老化防止に有効で、安全性の高い皮膚外用剤・浴剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】このような事情に鑑み、本発明者らは、抗アレルギーあるいは抗炎症作用に優れ、かつ皮膚学上副作用がなく、皮膚に緩和に作用する物質について、広く天然界に存在する植物について鋭意検討を行なった結果、ホホバ葉の抽出物に高いヒアルロニダーゼ活性阻害作用を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明で用いるホホバとは、学名Simmondsia chinensis(Schneider1907)で、米国西南部(アリゾナ州、カリフォルニア州)及びメキシコ北部(ソノーラ、バハ地方)の乾燥地帯に自生する植物である。現在は栽培化され、米国、メキシコ、イスラエル、アルゼンチン、オーストラリアなどの乾燥地域で栽培されている。ホホバは、これまで種子油が主として化粧品油剤として利用されてきた。ホホバ葉の利用については、本発明者らがホホバ葉抽出物の活性酸素抑制作用、これらを配合した皮膚外用組成物について検討してきた(特開2000−154135)。しかしながら、ホホバ葉からの抽出物に関するヒアルロニダーゼ活性阻害作用、抗アレルギー・抗炎症効果について、これまで全く知られていない。
【0009】本発明のホホバ葉抽出物に含まれているヒアルロニダーゼ活性阻害物質の本体はまだ確認されていないが、ポリフェノール系化合物と推定される。この高ヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有するホホバ葉の抽出に用いるホホバ葉は、必要に応じ、生又は乾燥したものをそのまま又は粉砕したものを使用し、有機栽培された葉も同様に使用することができる。抽出法は、種々の適当な溶媒を用い、室温又は加温下において抽出する方法があげられる。
【0010】具体的に抽出溶媒としては、水、メタノール、エタノール等の低級一価アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール、酢酸エチル等の低級アルキルエステルが例示され、これらの一種又は二種以上の混合溶媒を用いることができるが、好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール又はこれらの混液を用いるのが良い。
【0011】本発明のホホバ葉抽出物は、上記のようにして得られた抽出液をそのまま用いても高ヒアルロニダーゼ活性阻害が得られるが、得られた抽出液を濃縮した濃縮物として用いることもできる。また、スプレードライや凍結乾燥などの操作により、エキス粉末として用いることもできる。さらに、カラムクロマトグラフィー、向流分配クロマトグラフィーなどにより精製したものを用いることができる。抽出物の加工、精製法に限定されるものではない。
【0012】本発明に係る皮膚外用組成物の必須成分であるホホバ葉抽出物の含有量は、何ら限定されるものではないが、乾燥固形物に換算して0.0001〜5.0重量%(以下、単に「%」で示す)、好ましくは、0.001〜3.0%がよい。
【0013】本発明の皮膚外用剤には、上記必須成分の他、化粧料成分として一般に使用されている界面活性剤、油脂類、多価アルコール、低級アルコール、増粘剤、紫外線吸収剤・散乱剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素等を適宜配合することができる。これらの添加成分の具体例を示すと次のとおりである。
【0014】界面活性剤としては、石けん用素地、脂肪酸石けん、高級アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、リン酸エステル塩、スルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸塩、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等のアニオン界面活性剤。アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノニウム塩、ジアルキルモルホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン界面活性剤。イミダゾリン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤。ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等の親油性非イオン界面活性剤。POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POE・POPアルキルエーテル、テトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物、POE硬化ヒマシ油誘導体、POEミツロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル等の親水性非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0015】油類としては、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油及びその硬化油。流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油。トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンがある。
【0016】高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などがある。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ホホバアルコール、ラノリンアルコール、バチルアルコール、2−デシルテトラテセシノール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等がある。合成エステルとしては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等がある。シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等の三次元網目構造のもの等がある。
【0017】保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、アテロコラーゲン、尿素、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dlピロリドンカルボン酸塩、可溶性コラーゲン、等のほか、各種動植物抽出物、酵母抽出物等がある。
【0018】紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸誘導体等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサシリレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、4−メチルベンジリデンカンファー、3−ベンジリデンカンファー、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール等がある。
【0019】ビタミン類としては、例えば、ビタミン油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のビタミンB6類、L−アスコルビン酸等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、エルゴカルシフェノール等のビタミンD類、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、酢酸トコフェノール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等がある。
【0020】天然水溶性高分子としては、例えば、アラビアガム、トラガントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード、アルゲコロイド、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、ヒアルロン酸、アルブミン、ゼラチンなどがある。半合成水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系高分子、カルボキシメチルデンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子等がある。合成水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール2000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合高分子系、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等がある。
【0021】粉末成分としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、シリカ、硫酸バリウム、焼セッコウ、フッ素アパタイト、セラミックパウダー等の無機粉末、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末などがある。色素剤としては、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、コバルトバイオレツト等の無機顔料、赤色201号、赤色3号、黄色205号、黄色4号等の有機顔料、クロロフィル、リボフラビン、β−カロチン等の天然色素、ベニバナ、ウコン等の植物抽出物色素等がある。防腐剤としては、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール等がある。酸化防止剤としては、トコフェノール、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸エステル等がある。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、クエン酸等がある。
【0022】さらに、抗菌、細胞賦活、保湿、皮脂分泌調整、消炎、収斂、抗酸化、美白、活性酸素抑制、抗アレルギー等の生理活性作用を有する植物抽出物及びこれらの抽出分画、精製物を併用することもできる。また、上記の他、香料、アルコール、水等を適宜配合することができる。
【0023】本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤を配合した皮膚外用剤組成物は、一般皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬品、医薬部外品、薬用化粧料等を包含するものである。本発明の皮膚外用剤組成物の剤型は、可溶化系、乳化系、粉末分散系等何れでもよく、用途も、化粧水、乳液、クリーム、パック等の基礎化粧料、ファンデーション等のメークアップ化粧料、シャンプー、リンス、石けん、ボディーシャンプーなどのトイレタリー製品、浴用剤等を問わない。
【0024】次に実施例をあげて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0025】(製造例1)乾燥したホホバの葉100gに50vol%エタノール溶液3kgを加え、50℃にて8時間攪拌抽出を行い、冷後ろ過した後、濃縮、凍結乾燥し、エキス末A8.5gを得た。
【0026】(製造例2)乾燥したホホバの葉1kgに50vol%エタノール溶液20kgを加え、60℃にて8時間攪拌抽出を行い、冷後ろ過した後、濃縮し、合成吸着体ダイヤイオンHP−20を充填したカラムに通液する。水洗後、10vol%エタノール溶液、20vol%エタノール溶液、30vol%エタノール溶液、50vol%エタノール溶液にて溶出し、得られた水洗液および各溶出液をそれぞれ濃縮、乾燥しエキス末B61.5g、エキス末C7.24g、エキス末D7.54g、エキス末E5.73g、エキス末F4.9gを得た。
【0027】(製造例3)乾燥したホホバの葉200gに50vol%エタノール溶液4kgを加え、60℃にて8時間攪拌抽出を行い、冷後ろ過した後、濃縮し、カラムクロマト用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したカラムに通液する。水洗後、10〜30vol%エタノール溶液にて溶出した分画を合わせ、減圧濃縮後、凍結乾燥しエキス末G3.8gを得た。
【0028】(試験例1)ヒアルロニダーゼ活性阻害作用の測定ヒアルロニダーゼは、結合組織に分布するヒアルロン酸の加水分解酵素であり、炎症時において活性化され、結合組織のマトリックスを破壊し、炎症系の細胞及び血管の透過性を高める役割を演じると考えられている。また起炎酵素として知られており、抗炎症剤や抗アレルギー剤により阻害されることも知られている。従って、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用は、抗アレルギー活性の一つとされている。
【0029】(試験方法)製造例に示した各エキス末を精製水にて0.5%濃度となるように溶解し、試料とした。陽性対照として、阻害活性が既に知られているクロモグリク酸ナトリウム(藤沢薬品工業製)を試験に用いた。試験方法は、Morgan−Elson法を応用する方法にて行なった。
【0030】試料を適当量に0.1M酢酸緩衝液(pH3.5に調製)にて希釈した溶液0.2mLにヒアルロニダーゼ(Sigma社製,TypeIV・S,最終酵素活性を400NFunit/mL)0.1mLを加え、37℃にて20分間で放置後、活性化剤としてcompound48/80(Sigma社製)の酢酸緩衝液溶液(0.1mg/mL)0.2mLを加え、更に37℃にて20分間放置する。これにヒアルロン酸カリウム(和光純薬工業製)溶液(最終濃度0.4mg/mL)0.5mLを加え、37℃にて40分間放置する。次に、氷上にて0.4N水酸化ナトリウム溶液0.2mLを加えて反応を停止させた後、ホウ酸溶液(ホウ酸4.95gに水50mLを加え、1N水酸化ナトリウム溶液にてpH9.1に調製した後、水を加えて100mLとする)0.2mLを加え、混和後沸騰水浴中にて3分間加熱し酵素を失活させる。次に氷上にて室温まで冷却し、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬(和光純薬工業製、10gに10N塩酸溶液12.5mL、酢酸87.5mLを混合溶解し、使用直前に酢酸にて10倍に希釈する)6mLを加え、37℃にて20分間放置した後、585nmにて吸光度を測定する。なお、試料溶液の代わりに酢酸緩衝液を入れたものを対照とし、各資料溶液、対照について酵素を入れないものブランクとし、次式により阻害活性率を求め、試料濃度を調整することにより50%阻害活性濃度(IC50)を求めた。
阻害率(%)=〔1−(試料溶液の吸光度−試料溶液ブランクの吸光度)/(対照溶液の吸光度−対照溶液ブランクの吸光度)〕×100【0031】(試験結果)表1のごとく、ホホバ葉抽出物は、高いヒアルロニダーゼ活性阻害作用があることが確認された。また、阻害活性が既知のクロモグリク酸ナトリウムより低いものの、十分に抗アレルギー作用が期待できる結果であった。
【0032】
【表1】

【0033】(試験例2)パネルテスト−1軽度のアトピー性皮膚症状を有する20〜39歳の女性30名(平均年齢24.8歳)を対象として、表2の皮膚外用組成物を1日2回(朝、夕)連続2ケ月顔面に塗布、使用せしめた結果の評価を同じく表2に示す。評価は、次の基準で評価した。
有効 :炎症に伴う赤みやかゆみ、肌荒れが改善されたやや有効:炎症に伴う赤みやかゆみ、肌荒れが改善された無効 :使用前と変化なし【0034】
【表2】

【0035】(試験例3)パネルテスト−220〜35歳の健常人女性50名(平均年齢24.2歳)を対象として、パネルテスト−1で使用した皮膚外用剤を用いて、1日2回(朝、夕)連続3ケ月間顔面に塗布、使用せしめた結果を表3に示す。官能評価は、潤い、きめ、皺、日焼けによるしみ・そばかすの4項目とした。
【0036】
【表3】

【0037】表2、表3より明らかなように、本発明のホホバ葉抽出物由来のヒラルロニダーゼ活性阻害剤を含有する皮膚外溶剤を使用により、皮膚の炎症が改善に優れた効果があること、及び皮膚改善効果、紫外線によるしみ・そばかすの防止効果が確認された。
【0038】(試験例4)皮膚安全性試験製造例1に示したホホバ葉エキス末Aを30%1,3−ブチレングリコール溶液に溶解した液(固形物量1.0%)を試験溶液として用いた。皮膚一次刺激性試験は、ニュージーランドホワイト種ウサギ3匹を用いて行なった結果、皮膚一次刺激指数は0.0であった。連続皮膚刺激性試験は、雌雄各3匹のDunkin Hartley系モルモツトを用いて、14日間連続反復投与した結果、最大週別平均刺激指数は0.0となり、無刺激と判定された。眼刺激性試験は、ニュージーランドホワイト種ウサギ3匹の眼について行い、最大群平均評点は0.0で非刺激性と判定された。皮膚感作性試験は、白色モルモットをAdjuvant/Patch法にて、試験動物、対照動物各10匹によって行い、発現率0/10で感作性のないものであることが確認された。光毒性及び光感作性試験は、Dunkin Hartley系モルモット雌各5匹を使用して行なったところ、光毒性及び光感作性の兆候を引き起こさなかった。これらの皮膚安全性の結果から、本発明のホホバ葉抽出物は、皮膚安全性の上で、非常に安全性が高いものであることが明白である。
【0039】(試験例5)パッチテスト20歳〜51歳(平均年齢26.3歳)までの男女各20名からなる健常人40名のボランティアを用いた。被験物質は、先の皮膚安全性試験で使用した液及びパネルテストで使用した皮膚外用組成物Bを用い、対照として30%1,3−ブチレングリコール溶液及び生理食塩水を使用した。試験は、24時間閉塞塗布試験を行なった。人体貼付試験用フィンチャンバー(径11mm、大正製薬)を使用し、被験物質をそれぞれ0.1mL塗布した後、直ちに被験者の背部に貼付し、24時間放置した。そして、24時間後にフィンチャンバーを除去して、30分後及び翌日(48時間後)に判定基準に従って皮膚反応を観察した。
【0040】判定基準は、本邦パッチテスト研究会の判定基準に従った。
無反応 ・・・・ (−)
僅かな紅斑 ・・・・ (±)
明らかな紅斑 ・・・・ (+)
紅斑+腫脹 ・・・・ (++)
紅斑+腫脹+丘疹又は小水泡・・・・ (+++)
大水泡 ・・・・ (++++)
【0041】試験結果を表4に示す。陽性反応(+以上)を示した例は認められなかった。なお、僅かな紅斑(±)を生じた例は各検体群において、30%1,3−ブチレングリコール溶液や生理食塩水例とほぼ同程度の頻度であった。従って、皮膚刺激性は低いものと判断され、皮膚外用剤に配合するにあたって安全性の面で問題のないことが明らかとなった。
【0042】
【表4】

【0043】(実施例1)クリーム下記成分(1)〜(10)、別に下記成分(11)〜(15)を75℃に加温溶解しそれぞれA液及びB液とする。A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(16)を加え、クリームを調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 3.0% (2)スクワラン 2・0% (3)メチルポリシロキサン 0.5% (4)ステアリルアルコール 0.5% (5)セチルアルコール 0.5% (6)トリ(カプリル・カプリン酸グリセリル 12.5% (7)モノステアリン酸グリセリル 5.0% (8)モノステアリン酸ジグリセリル 1.5% (9)モノステアリン酸デカグリセリル 3.0% (10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1% (11)キサンタンガム 0.1% (12)ホホバ葉エキス末A(製造例1) 0.05% (13)1,3−ブチレングリコール 5.0% (14)パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (15)精製水 66.0% (16)香料 0.05%【0044】(実施例2)化粧水下記成分(5)〜(8)を混合溶解させA液とし、これとは別に下記成分(1)〜(4)及び(9)を混合溶解させてB液とし、A液とB液を均等に混合し、化粧水を調整した。
(成分) (重量%)
(1)クインスシードエキス 8.0% (2)グリセリン 3.0% (3)1,3−ブチレングリコール 5.0% (4)ホホバ葉エキス(※) 2.0% (5)ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル 1.2% (6)エチルアルコール 5.0% (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (8)香料 0.1% (9)精製水 75.5%【0045】(実施例3)乳液下記成分(1)〜(10)、別に(11)〜(14)及び(16)を75℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加え、乳液を調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 1.0% (2)スクワラン 2.0% (3)ベヘニルアルコール 1.0% (4)トリ(カプリル・カプリン酸グリセリル 2.0% (5)テトラグリセリン縮合シリノレイン酸 0.1% (6)モノオレイン酸プロピレングリコール 0.5% (7)モノステアリン酸グリセリン 1.0% (8)モノミレスチン酸ヘキサグリセリル 1.0% (9)モノミリスチン酸デカグリセリル 0.5% (10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1% (11)クインスシードエキス 5.0% (12)ホホバ葉エキス末A(製造例1) 0.03% (13)1,3−ブチレングリコール 3.0% (14)パラオキシ安息香酸メチル 0.1% (15)香料 0.1% (16)精製水 82.57%【0046】(実施例4)石けん石けん製造の定法により下記成分を混合し製した。
(成分) (重量%)
(1)石けん素地 53.2% (2)スクロール 19.4% (3)ホホバ油 0.25% (4)ホホバ葉エキス(※) 5.0% (5)還元ハチミツ液 0.25% (6)濃グリセリン 6.5% (7)ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.15% (8)常水 15.25%【0047】(実施例5)クレンジングジェル下記成分(1)〜(3)、別に(4)〜(6)及び(8)を70℃に加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで攪拌する。攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(7)を加えてクレンジングジェルを製した。
(成分) (重量%)
(1)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0% (2)流動パラフィン 59.7% (3)パラオキシ安息香酸エステル 0.3% (4)ホホバ葉エキス末A(製造例1) 0.1% (5)濃グリセリン 5.9% (6)ソルビトール 5.0% (7)香料 0.1% (8)精製水 8.9%【0048】(実施例6)パック剤A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化し、次いでC相を加えて均一に溶解し、製する。
(成分) (重量%)
(A相)ジプロピレングリコール 5.0% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0% (B相)オリーブ油 5.0% 酢酸トコフェノール 0.2% パラオキシ安息香酸エステル 0.2% (C相)ポリビニルアルコール 13.0% ホホバ葉エキス(※) 3.0% エタノール 7.0% 精製水 61.6%【0049】(実施例7)固形ファンデーション下記成分(1)〜(7)をブレンダーで均一に混合し、これに(8)〜(12)を加え、よく混練して製する。
(成分) (重量%)
(1)タルク 42.6% (2)カオリン 15.5% (3)セリサイト 10.0% (4)亜鉛華 7.0% (5)二酸化チタン 3.8% (6)黄色酸化鉄 2.8% (7)黒色酸化鉄 0.3% (7)黒色酸化鉄 0.3% (8)スクワラン 8.0% (9)イソステアリン酸 4.0%(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0%(11)オクタン酸イソセチル 2.0%(12)ホホバ葉エキス(※) 1.0%【0050】(実施例8)シャンプー下記成分を加温均一に混合し製する。
(成分) (重量%)
(1)N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノール 25.0% アミン (2)ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0% (3)ミリスチン酸カリウム 5.0% (4)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0% (5)ポリエチレングリコール400 15.0% (6)ホホバ油 1.0% (7)ホホバ葉エキス(※) 3.0% (8)クロルキシレノール 0.1% (9)ビタミンE 0.1%(10)パラオキシ安息香酸エステル 0.2%(11)香料 0.3%(12)精製水 43.3% 【0051】
(実施例9)浴用剤 (成分) (重量%)
(1)乾燥硫酸ナトリウム 40.0% (2)炭酸水素ナトリウム 57.5% (3)オリーブ油 0.2% (4)ホホバ葉エキス末A(製造例1) 0.1% (5)軽質無水ケイ酸 0.3% (6)香料 1.7% (7)黄色202号の(1) 0.2%上記実施例のうち、ホホバ葉エキス(※)は、製造例3のエキス末G1gを30%1,3−ブチレングリコール溶液100gに溶解し、ろ過し製したものを使用した。
【0052】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤であるホホバ葉抽出物は、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有し、安全性に優れ、これを含有する皮膚外用組成物は、炎症に伴う赤みやかゆみ、肌荒れの改善にも優れたものである。
【出願人】 【識別番号】599000212
【氏名又は名称】香栄興業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田淡路町2丁目23番地
【出願日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−34644(P2003−34644A)
【公開日】 平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願番号】 特願2001−249615(P2001−249615)