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【発明の名称】 アテローム性動脈硬化症の治療のための安息香酸置換ベンゾピラン
【発明者】 【氏名】ロバート ジョセフ エイエロ

【氏名】パトリシア−アン ブーラッサ

【氏名】サラリン リンゼイ

【要約】 【課題】アテローム性動脈硬化症の治療に有効な量のLTB4アンタゴニストを含む新規医薬組成物の提供。

【解決手段】アテローム性動脈硬化症の治療に有効な量の以下の式(I)の化合物:【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 以下の式(1)の化合物:【化1】

{前記式(1)の化合物中、R3−置換された安息香酸基はベンゾピラン環の炭素6又は7に結合し;R1は、qが0〜4である、−(CH2qCHR56であり、それぞれR2及びR3は、水素、フルオロ、クロロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル、及びnが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−から成る群から独立に選ばれ;前記R2及びR3アルキル基はどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記R2及びR3フェニル基はどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;R5は水素、(C1−C6)アルキル又はフェニルであり;前記R5フェニルは場合によりフルオロ、クロロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル又はnが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−により置換され;そして前記アルキル基が前記フェニルの選択可能な置換基上のどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記フェニルが前記フェニルの選択可能な置換基上のどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;R6は水素、(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、フェニル又は5〜10員のヘテロアリールであり;前記R6フェニルは場合によりフルオロ、クロロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル又はnが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−により置換され;そして前記アルキル基は前記フェニルの選択可能な置換基上のどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記フェニル基が前記フェニルの選択可能な置換基上のどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記5〜10員のヘテロアリールは場合により、フルオロ、クロロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル又はnが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−から独立に選ばれる1又は2の置換基により置換され;前記アルキル基は前記5〜10員のヘテロアリールの選択可能な置換基上のどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記フェニル基は前記5〜10員のヘテロアリールの選択可能な置換基上のどこに生じても1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換される}、そのエナンチオマー;又はその医薬として許容される塩;をアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量含む、哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項2】 式中、R1はベンジル、4−フルオロベンジル、4−フェニルベンジル、4−(4−フルオロフェニル)ベンジル又はフェネチルである、請求項1に記載の化合物をアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量含む、哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項3】 式中、R2は水素又はフルオロである、請求項1に記載の化合物をアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量含む、哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項4】 式中、前記R3−置換された安息香酸基は上記ベンゾピラン環の炭素7に結合し、そして前記R3−置換された安息香酸基は2−カルボキシフェニル、2−カルボキシ−5−クロロフェニル、2−カルボキシ−4−クロロフェニル、2−カルボキシ−3−フルオロフェニル、2−カルボキシ−5−フルオロフェニル、2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−カルボキシ−4−フルオロフェニル、2−カルボキシ−6−フルオロフェニル又は3−カルボキシフェニルである、請求項1に記載の化合物をアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量含む、哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項5】 式中、R1はベンジル、R2は水素、そして前記R3−置換された安息香酸基は2−カルボキシ−5−フルオロフェニルである、請求項1に記載の化合物をアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量含む、哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項6】 式中、R1は4−フェニルベンジル、R2は水素、及び前記R3−置換された安息香酸基は2−カルボキシ−5−フルオロフェニル又は2−カルボキシ−4−クロロフェニルである、請求項1に記載の化合物をアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量含む、哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項7】 式中、前記化合物が(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)である、アテローム性動脈硬化症の治療に有効な請求項1に記載の化合物を含む、哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項8】 前記式(1)の化合物がステント中に含浸される、アテローム性動脈硬化症の治療に有効な請求項1に記載の化合物を含む、アテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項9】 前記化合物が(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)である、請求項8に記載のアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項10】 治療的に有効な量のLTB4アンタゴニスト剤を含む、哺乳類患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項11】 前記LTB4アンタゴニスト剤がLTB4受容体の抗体及びLTB4遺伝子のアンチセンスからなる群から選ばれる、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】 前記LTB4アンタゴニスト剤が走化性分析により計測されるとき約20nM未満のLTB4IC50を示す、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】 前記病変の形成の進行を有効に軽減する、治療として有効な量の低分子を含む、アテローム性動脈硬化症の病変を有する哺乳類患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【請求項14】 前記低分子は走化性評価により計測されるとき約20nM未満のLTB4IC50を示す、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】 病変の形成の進行を有効に軽減する量のLTB4アンタゴニスト剤及び医薬として許容される担体を含む、アテローム性動脈硬化症の病変を有する、ヒトを含む哺乳類患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療用医薬組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】発明の背景本発明はアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量のLTB4アンタゴニスト、好ましくは置換されたベンゾピラン又はその医薬として許容される塩を投与することによる、ヒトを含む哺乳類におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法に関する。本発明に従って調製される置換されたベンゾピランは、「アテローム性動脈硬化症の治療のための安息香酸置換ベンゾピラン(“Benzoic Acid Substituted Benzopyrans For The Treatment of Atherosclerosis”)」と題された2001年6月28日出願の米国仮特許出願第60/301,712号;米国特許第5,552,435号及び同第6,096,906号;及びPCT国際出願公開番号WO 96/11925、同WO 96/11920、及びWO 93/15066中に示される。それぞれの上記米国及びPCT国際特許及び特許出願はそれらを全体として本明細書中に援用する。
【0002】アテローム性動脈硬化症の病変の形成は移動、脂質蓄積、炎症性細胞の遊走、血管平滑筋細胞の増殖、及び細胞外マトリックス沈着のような5の重複する段階中で起こりうる。それぞれのこれらの段階はヒト及びアテローム性動脈硬化症モデル動物において起こりうるが、病理学及び病変の臨床的重大性へのそれぞれの関連した寄与は明らかでない。
【0003】単球の遊走及び活性化はアテローム性動脈硬化症の病変の発展の1側面である[Gerrity, R.G., Cellular Events In Early Atherogenesis In Swine, In Swine In Biomedical Research, M.E. Tumbleson, Editor. 1985, Plenum Press:NewYork. p.1497−1509を参照のこと]。単球の遊走は、アラキドン酸代謝物ロイコトリエンB4(LTB4)を含む細胞特異的化学誘引物質により制御される。LTB4及びB4イソロイコトリエンは、好中球、好酸球、及びマクロファージのような炎症性細胞上に発現される、高アフィニティーLTB4受容体(BLTR)に結合することによりそれらの効果を誘導する[Yokomizo T, et. al., Nature, 1997;387:620−624を参照のこと]。BLTRアンタゴニストは、実験的な自己免疫性脳脊髄炎、コラーゲン誘導関節炎及び同種移植片移植のような、前臨床疾患モデルにおいて、好中球、好酸球、及びマクロファージの遊走を阻害することが示された[Weringer E.J., et. al., Transplantation, 1999;67(6):808−815; Griffiths R, et. al., Proc Natl Acad Sci USA, 1995;92:517−521;及びShowell H.J., et. al., Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 1995;273:176−184を参照のこと]。したがって、LTB4受容体に結合するLTB4又は他のリガンドは前アテローム発生の役割を果たしうる。
【0004】本明細書中の本発明者は特異的LTB4受容体アンタゴニスト、例えば安息香酸置換ベンゾピランは、いくつかのアテローム性動脈硬化症マウスモデルにおいて病変の進行を遅延させることを示した。
発明の要約本発明は、前記哺乳類にアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量の式(I)の化合物:【0005】
【化2】

【0006】{前記式(I)の化合物中、R3−置換された安息香酸基はベンゾピラン環の炭素6又は7に結合し;R1は、qが0〜4である、−(CH2qCHR56であり;それぞれのR2及びR3は、水素、フルオロ、クロロ、(メチルのような)(C1−C6)アルキル、(メトキシの如き)(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル、及びnが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−であり;前記R2及びR3アルキル基はどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして、前記R2及びR3フェニル基はどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;R5は、水素、(メチルのような)(C1−C6)アルキル又はフェニルであり;前記R5フェニルは、フルオロ、クロロ、(メチルのような)(C1−C6)アルキル、(メトキシのような)(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル、及び(C1−C6)アルキルチオ、(C1−C6)アルキルスルフィニル、又は(C1−C6)アルキルスルフォニルのような前記nが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−から成る群から独立に選ばれる1〜3の基により場合により置換され;そして前記アルキル基は前記フェニル上のどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記フェニルスルフィニル及びフェニルスルフォニル基は前記フェニル置換基上のどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;R6は、水素、(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、フェニル、又は5〜10員のヘテロアリールであり;前記R6フェニルは、フルオロ、クロロ、(メチルのような)(C1−C6)アルキル、(メトキシのような)(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル、及び(C1−C6)アルキルチオ、(C1−C6)アルキルスルフィニル又は(C1−C6)アルキルスルフォニルのような前記nが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−から成る群から独立に選ばれる1〜3の基により場合により置換され;そして、前記アルキル基は前記フェニル置換基上のどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして、前記フェニルスルフィニル及びフェニルスルフォニル基は前記フェニル置換基上のどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記5〜10員のヘテロアリールは、フルオロ、クロロ、(メチルの如き)(C1−C6)アルキル、(メトキシの如き)(C1−C6)アルキルオキシ、フェニルスルフィニル、フェニルスルフォニル、及び(C1−C6)アルキルチオ、(C1−C6)アルキルスルフィニル又は(C1−C6)アルキルスルフォニルのような前記nが0〜2である(C1−C6)アルキル−S(O)n−から独立に選ばれる1〜2の置換基により場合により置換され;前記アルキル基は前記5〜10員のヘテロアリール置換基上のどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換され;そして前記フェニルスルフィニル及びフェニルスルフォニル基は前記5〜10員のヘテロアリール置換基上のどこに生じても、1〜3のフルオロ基により独立に場合により置換される}、そのエナンチオマー、ラセミ体又は医薬として許容される塩を投与することを含む、哺乳類、好ましくはヒトにおけるアテローム性動脈硬化症の治療方法に関する。
【0007】本明細書中に使用される「ハロ」(“halo”)の用語は、別段の定めなき限り、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
【0008】本明細書中に使用される「アルキル」(“alkyl”)の用語は、別段の定めなき限り、直鎖、有枝鎖又はその組み合わせを有する飽和一価炭化水素基を含む。
【0009】本明細書中に使用される「アルキルオキシ」(“alkyloxy”)の用語は、「アルキル」が上記に定義されるO−アルキル基を含む。
【0010】本明細書中に使用される「アリール」(“aryl”)の用語は、別段の定めなき限り、フェニル又はナフチルのような、1の水素の除去による芳香族炭化水素に由来の有機基を含む。
【0011】本明細書中に使用される「シクロアルキル」(“cycloalkyl”)の用語は、別段の定めなき限り、場合により1又は2の二重結合を含み、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C1-4)アルコキシ、(C6-10)アリルオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ又は(C1-4)アルキル、より好ましくはフルオロ、クロロ、メチル、エチル及びメトキシのような、以下に定義される1〜3の好適な置換基により場合により置換される、単環又は二環の炭素環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、バイシクロ[2.2.1]ヘプタニル、バイシクロ[3.2.1]オクタニル及びバイシクロ[5.2.0]ノナニル等)をいう。
【0012】本明細書中に使用される「ヘテロアリール」(“heteroaryl”)の用語は、別段の定めなき限り、ピリジル、フリール、チエニル、イソキノリル、ピリミジニル、及びピラジニルのような、1の水素の除去による芳香族ヘテロ環化合物由来の有機基を含む。
【0013】本明細書中に使用される「エナンチオマー」(“enantiomer”)の用語は、別段の定めなき限り、以下の式の化合物を含む:【0014】
【化3】

【0015】本明細書中に使用される「ラセミ体」(“racemate”)の用語は、別段の定めなき限り、式(I)の化合物と、「エナンチオマー」の用語が上記に定義されるそのエナンチオマーの混合物を含む。
【0016】本発明に係る方法において使用される式(I)の化合物は、キラル中心を有し、そのため異なる鏡像異性体として存在する。本発明は式(I)の化合物の全ての光学異性体及び構造異性体、並びにそのラセミ体のようなその混合物に関する。
【0017】「持続された放出(持続性放出)」(“sustained release”)の用語は、約3〜約21日の範囲の時間にわたって式(I)の化合物を放出するように計画された投与形態をいう。長時間にわたる放出は本発明に係る「持続された放出」投与形態としても企図される。
【0018】「治療する」(“treating”)の用語は、上記用語が適用される疾患若しくは状態又は上記疾患若しくは状態の1以上の症状を後退させる、緩和する、進行を阻害する又は避けることをいう。本明細書中に使用される「治療」(“treatment”)の用語は、「治療する」が上記に定義される、治療する行為をいう。
【0019】「LTB4受容体アンタゴニスト」(“LTB4 receptor antagonists”)の用語は、上記に定義される式(I)の化合物をいう。
【0020】「アテローム性動脈硬化症」の用語は、移動、脂質蓄積、炎症性細胞の遊走、血管平滑筋細胞の増殖、及び細胞外マトリックス沈着のような5の重複する段階におけるアテローム性動脈硬化症の病変の形成をいう。
【0021】本明細書中に使用される「LTB4アンタゴニスト剤」(“LTB4 antagonist agent”)の用語は、(走化性評価又は直接結合評価のような)標準の評価により計測されたとき、LTB4に対する請求項に示した活性を有する、DNA、RNA、アンチセンス若しくはセンスオリゴヌクレオチド、モノクローナル若しくはポリクローナル抗体又は低分子のような、化学又は医薬分子をいう。
【0022】本明細書中に使用される「低分子」(“small molecule”)の用語は、2000グラム/mole以下の分子量、好ましくは500グラム/mole以下の非DNA、非RNA、非ポリペプチド、及び非モノクローナル抗体分子をいう。好ましい低分子は(アリル又はヘテロアリルのような)芳香族環を含む。より好ましい低分子はフェニル又はベンゾピラニル基を含む。最も好ましい低分子は、MerckのL−651,392が属するフェノチアジン−3−オン類の化合物;NovartisのCGS−25019が属するアミジノ化合物類;オンタゾラストが属するベンゾキサオラミン類;BoehringerのBIIL 284/260が属するベンゼンカルボキシミドアミド類;LillyのLY−233,569が属する2−(置換)−N−ヒドロキシ−N−アルキルシンナムアミド類;エブセレンが属する化合物類;リナゾラストが属する化合物類;BayerのBay−x−1005が属する化合物類;Leo DenmarkのETH−615が属する化合物類;MerkのMAFPが属する化合物類;TerumoのTMK−688が属する化合物類;TanabeのT−0757が属する化合物類;LillyのLY−213024、LY−210073、LY−223982、LY−233469、LY−255283、LY−293111、LY−264086及びLY−292728が属する化合物類;ONOのONO−LB457、ONO−4057、及びONO−LB448が属する化合物類;ShionogiのS−2474が属する化合物類;カルシトロールが属する化合物類;SearleのSC−53228、SC−41930、SC−50605及びSC−51146が属する化合物類;Warner LambertのBPC−15が属する化合物類;SmithKline BeechamのSB−209247の属する化合物類;又はSK&FのSKF−104493が属する化合物類である。
【0023】本明細書中に使用する「病変」(“lesion”)の用語は、本明細書中に援用する、Ross,R. THE PATHOGENESIS OF ATHEROSCLEROSIS IN HEART DISEASE 1106−1124(E. Braunwald ed., W. B. SaundersCompany 1992)中に示される。
【0024】本明細書中に使用する「プラーク」(“plaque”)又は「プラーク安定性」(“plaque stability”)の用語は、本明細書中に援用する、Ross,R. THE PATHOGENESIS OF ATHEROSCLEROSIS IN HEART DISEASE 1106−1124(E. Braunwald ed., W. B. Saunders Company 1992)中に示される。
【0025】本明細書中に使用する「走化性評価により計測されたとき、約20nM未満、好ましくは約10nM未満のLTB4IC50」(“LTB4 IC50 of less than about 20nM, preferably lessthan about 10nM, as measured by chemotaxis assay”)の用語は、本明細書中に援用する、Doherty et. al., The In Vitro and In VivoPharmacologic Activity of the Potentand Selective Leukotriene B4 Receptor Antagonist CP−105,696, J. Pharm.and Exp. Ther, 273:176−184(1995);及びShowell et. al., Characterization ofThe Pharmacological Profile of The Potent LTB4 Antagonist CP−105,696 onMurine LTB4 Receptors In Vitro, Br.J. Pharmacol., 117:1127−1132(1996)中に示される。
【0026】本明細書中に使用される「医薬として許容される」(“pharmaceutically acceptable”)の用語は、上記組成物の他の成分に影響を及ぼさない、その受容者に有害でない、担体、媒体、希釈剤、賦形剤及び/又は塩である。
【0027】本発明の好ましい態様においては、式(I)の化合物は脂質病変の進行を阻害する。本明細書中の以下に例示されるように、安息香酸置換ベンゾピランは哺乳類において脂質病変の進行を阻害する。
【0028】本発明の好ましい態様においては、前記式(I)の化合物中のR1は、ベンジル、4−フルオロベンジル、4−フェニルベンジル、4−(4−フルオロフェニル)ベンジル又はフェネチルである。
【0029】本発明の好ましい態様においては、前記式(I)の化合物中のR2は、水素又はフルオロである。
【0030】本発明の好ましい態様においては、前記式(I)の化合物中の前記R3置換された安息香酸基は、前記ベンゾピラン環の炭素7に結合され;そして前記R3置換された安息香酸基は、2−カルボキシフェニル、2−カルボキシ−5−クロロフェニル、2−カルボキシ−4−クロロフェニル、2−カルボキシ−3−フルオロフェニル、2−カルボキシ−5−フルオロフェニル、2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−カルボキシ−4−フルオロフェニル、2−カルボキシ−6−フルオロフェニル又は3−カルボキシフェニルである。
【0031】本発明の好ましい態様においては、前記式(I)の化合物中のR1はベンジルであり、R2は水素であり、そして前記R3置換された安息香酸基は2−カルボキシ−5−フルオロフェニルである。
【0032】本発明の好ましい態様においては、前記式(I)の化合物中のR1は4−フェニルベンジル、R2は水素であり、そして前記R3置換された安息香酸基は2−カルボキシ−5−フルオロフェニル又は2−カルボキシ−4−クロロフェニルである。
【0033】本発明の特に好ましい態様においては、前記式(I)の化合物は(3S,4R)−7−(2−カルボキシフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン;(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン;(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン;(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン;(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン;(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン;(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン;及び(3S,4R)−7−(3−カルボキシフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピランから成る群から選ばれる。
【0034】本発明の最も好ましい態様においては、前記式(I)の化合物は(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)である。
【0035】上記のある態様においては、前記式(I)の化合物の量は0.5〜1000mg/日である。
【0036】上記のある態様においては、上記式(I)の化合物は経口投与される。
【0037】上記のさらなる態様においては、上記式(I)の化合物は、金属、プラスティック又は生物分解性のポリマーでありうる、血管内ステントのような、ステント中に浸透される。浸透可能な装置及びそれらが形成される生物材料の一般的な議論は、本明細書中に援用される、H. Kambic et al., 「人口臓器における生物材料」(“Biomaterials in Artificial Organs”), Chem. Eng. News, 30(1986)を参照のこと。
【0038】上記のさらなる態様においては、血管内ステントのような、前記ステント中に浸透される上記式(I)の化合物は、(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)である。
【0039】本発明において有用なステントは、その中に持続性放出投与形態を分散させた、生物分解性コーティング又は多孔性の非生物分解性コーティングを含みうる。別の態様においては、生物分解性ステントはその中、例えばステントマトリックス中に浸透させた式(I)の化合物を有しうる。式(I)の化合物がその中に含浸された生物分解性ステントであって、生物分解性コーティングで又はさらにその中に分散された持続性放出投与形態を有する多孔性の非生物分解性コーティングでさらにコーティングされたものを利用することも企図される。本発明に係るこの態様は、式(I)の化合物の差異のある放出速度提供するであろう、すなわち、上記コーティングからの式(I)の化合物の速い放出があり、それに続いてステントマトリックスの分解中に、ステントマトリックス中に浸透された式(I)の化合物の遅延した放出がある。
【0040】上記のさらなる態様においては、式(I)の化合物は、上記ステント、例えば血管内ステント中に含浸され、ここで前記ステントは、生物分解性コーティングで又はその中に分散された前記式(I)の化合物の持続性放出投与形態を有する多孔性の非生物分解性コーティングでさらにコーティングされる。
【0041】本発明は、前記患者に治療として有効な量の、前記病変の形成の進行を有効に軽減するLTB4アンタゴニスト剤、好ましくは低分子、より好ましくはフェニル又はベンゾピラニル基を含む低分子を投与することを含む、アテローム性動脈硬化症の病変を有する哺乳類患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法にも関する。
【0042】1の態様においては、本発明は、アテローム性動脈硬化症の病変を有する前記患者に治療として有効な量の、プラーク安定性を改善することによりプラーク安定性を有効に改善する、LTB4アンタゴニスト剤、好ましくは低分子、より好ましくはフェニル又はベンゾピラニル基を含む低分子を投与することを含む、哺乳類患者、好ましくはヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法に関する。
【0043】他の態様においては、本発明は、アテローム性動脈硬化症の病変を有する前記患者に治療として有効な量のLTB4アンタゴニスト剤を投与することを含む、哺乳類患者、好ましくはヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法に関し、前記剤はLTB4受容体の抗体及びLTB4遺伝子のアンチセンスから成る群から選ばれる。
【0044】他の態様においては、本発明は、アテローム性動脈硬化症の病変を有する前記患者に治療として有効な量のLTB4アンタゴニスト剤を投与することを含む、哺乳類患者、好ましくはヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法に関し、前記LTB4アンタゴニスト剤は走化性評価により計測されたとき約20nM未満、好ましくは約10nM未満のLTB4IC50を示す。
【0045】さらに他の態様においては、本発明は、アテローム性動脈硬化症の病変を有する前記患者に治療として有効な量の低分子を投与することを含む、哺乳類患者、好ましくはヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法に関し、前記低分子は走化性評価により計測されたとき約20nM未満、好ましくは約10nM未満のLTB4IC50を示す。
【0046】さらに他の態様においては、本発明は、前記病変の形成の進行を有効に軽減する量のLTB4アンタゴニスト剤及び医薬として許容される担体を含む、アテローム性動脈硬化症の病変を有する、ヒトを含む哺乳類患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療のための医薬組成物に関する。
【0047】上記のさらなる態様においては、式(I)の化合物、好ましくは(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)は、以下から成る群から選ばれる1以上の要素と共に投与される:(a)ロイコトリエン生合成阻害剤:ジロイトン;ABT−761;フェンロイトン;テポキサリン;Abbott−79175;Abbott−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルフォンアミド;2,6−ジ−第三−ブチルフェノールヒドラゾン;Zeneca ZD−2138を含むメトキシテトラヒドロピラン類;化合物SB−210661及びそれが属する類;L−739,010が属するピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物類;L−746,530が属する2−シアノキノリン化合物類;MK−591、MK−886、及びBAY x 1005が属するインドール及びキノリン化合物類; から成る群から選ばれる、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤及び5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト;(b)L−651,392が属するフェノチアジン−3−オン類の化合物;CGS−25019が属するアミジノ化合物類;オンタゾラストが属するベンゾキサオラミン類;BILL 284/260が属するベンゼンカルボキシミドアミド類;ザファールカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、バールカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP45715A)、及びBAY x 7195が属する化合物類;から成る群から選ばれるロイコトリエンLTB4、LTC4、LTD4、及びLTE4の受容体アンタゴニスト;(c)アイソフォームPDE4Dの阻害剤を含むPDE4阻害剤;(d)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤;又は5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト;(e)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)と血小板活性化因子(PAF)のアンタゴニストの二重阻害剤;(f)LTB4、LTC4、LTD4、及びLTE4のアンタゴニストを含むロイコトリエンアンタゴニスト(LTRAs);(g)セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、及びクロルフェニラミンを含む抗ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト;(h)胃保護H2受容体アンタゴニスト;(i)プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、及び塩酸エチルノルエピネフリンを含む、鬱血除去のために経口又は局所的に投与されるα1−及びα2−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経性ミメティック剤;(j)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤を伴うα1−及びα2−アドレナリン受容体アゴニスト;(k)臭化イプラトロピウム;臭化チオトロピウム;臭化オキシトロピウム;ピレンゼピン;及びテレンゼピンを含む抗コリン作用剤;(l)メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、及びピルブテロールを含むβ1−〜β4−アドレナリン受容体アゴニスト;(m)テオフィリン及びアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;(n)クロモグリケートナトリウム;(o)ムスカリン作動性受容体(M1、M2、及びM3)アンタゴニスト;(p)COX−1阻害剤(NSAIDs);ロフェコキシブを含むCOX−2選択的阻害剤;及び一酸化窒素NSAIDs;(q)インスリン様成長因子1型(IGF−1)ミメティック;(r)シクレソニド;(s)プレドニソン、プレドニソロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタソン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカソン、及びモメタソンフロエートを含む、身体的副作用が軽減された吸入糖質コルチコイド;(t)トリプターゼ阻害剤;(u)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(v)内因性炎症性単位に対して活性なモノクローナル抗体;(w)IPL 576;(x)エタネルセプト、インフリキシマブ、及びD2E7を含む、抗腫瘍壊死因子(TNFα)剤;(y)レフルノミドを含むDMARDs;(z)TCRペプチド;(aa)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(bb)IMPDH阻害剤;(cc)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(dd)カテプシン;(ee)MAPキナーゼ阻害剤;(ff)グルコース−6リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;(gg)キニン−B1−及びB2−受容体アンタゴニスト;(hh)さまざまな親水基を伴う金チオ基の形態の金;(ii)免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、アザチオプリン、及びメトトレキセート;(jj)抗通風剤、例えばコルキシン;(kk)キサンチン酸化酵素阻害剤、例えばアロプリノール;(ll)尿酸排泄剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾン、及びベンズブロマロン;(mm)抗腫瘍剤、特にビンブラスチン及びビンクリスチンのようなビンカアルカロイドを含む、抗有糸分裂薬;(nn)成長ホルモン分泌促進薬;(oo)マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)、すなわちアグレカナーゼはもちろん、ストロメリシン、コラゲナーゼ、及びゼラチナーゼの阻害剤;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメリシン−1(MMP−3)、ストロメリシン−2(MMP−10)、及びストロメリシン−3(MMP−11);(pp)トランスフォーミンング増殖因子(TGFβ);(qq)血小板由来成長因子(PDGF);(rr)線維芽細胞成長因子、例えば塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF);(ss)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(tt)カプサイシンクリーム;(uu)NKP−608C;SB−233412(タルネタント);及びD−4418;から成る群から選ばれる、タチキニンNK1及びNK3受容体アンタゴニスト;(vv)UT−77及びZD−0892から成る群から選ばれる、エラスターゼ阻害剤;(ww)ロバスタチンのようなHMG CoA還元酵素阻害剤;(xx)リピター;(yy)シプロフィブレート及びクロフィブレートのようなフィブリン酸;(zz)コレスチラミン及びコレスチポールのような胆汁酸結合剤;(aaa)ニコチン酸;及び(bbb)プロブコールのような脂肪親和性抗酸化剤。
【0048】上記のさらなる態様においては、上記式(I)の化合物は上記式(I)の化合物のプロドラッグとして投与される。遊離アミノ、アミド、ヒドロキシ又はカルボキシル基を有する式(I)の化合物は、プロドラッグに変換されうる。プロドラッグは、式(I)の化合物の遊離アミノ、ヒドロキシ又はカルボン酸基にペプチド結合を通して共有結合で連結される、アミノ酸残基を有する化合物又は2以上の(例えば、2、3又は4の)アミノ酸残基のポリペプチド鎖を含む。上記アミノ酸残基は通常3の文字記号により表される20の天然アミノ酸を含み、そして4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、及びメチオニンスルフォンをも含む。プロドラッグは、上記式(I)の置換基にカルボニル炭素プロドラッグ側鎖を通して共有結合したカルボネート、カルバメート、アミド及びアルキルエステルをも含む。
発明の詳細な説明アテローム性動脈硬化症の本治療方法に係る、LTB4受容体アンタゴニスト、好適には安息香酸置換ベンゾピランの、ヒトを含む、哺乳類への投与のために、さまざまな慣用の経路が使用されうる。好適な経路は経口の、非経口の(例えば、静脈内、筋内、腹腔内又は皮下)、頬の、直腸の、鼻腔内の、及び経皮の経路を含む。一般的には、本発明に係る化合物(これ以降において活性化合物として知られる)は、約0.5〜1000mg/日の用量で投与されうる。
【0049】好ましくは、上記活性化合物は経口投与されるであろう。しかしながら、用量におけるいくつかの変更が治療される患者の状態に因って必然的に起こるであろう。投与に責任を負う者は、いかなる事件においても、個々の患者に適切な用量を決定するであろう。
【0050】上記活性化合物は広くさまざまな異なる投与形態で投与されることができ、一般的に本発明に係る有効な量の化合物は約5.0重量%〜約70重量%の範囲内の濃度の値で上記投与形態で存在する。
【0051】本発明に係る上記化合物、アイソマー、プロドラッグ及び医薬として許容される塩は、医薬として許容される担体、媒体又は希釈剤との混合物中に混合され、哺乳類、さらに好ましくはヒト、患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療に有効な医薬組成物を提供する。これらの医薬組成物において使用される特別な担体、媒体又は希釈剤は所望される投与のタイプ、例えば静脈、経口、局所、坐剤又は非経口、好ましくは経口に因って広くさまざまな形態をとりうる。また、本発明に係る上記化合物、そのアイソマー、プロドラッグ及び塩は、経口、非経口、直腸の、または経皮の投与形態のような、慣用の投与形態で個々に又は共に投与されうる。
【0052】経口投与のために、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、カルボン酸カルシウム、リン酸ジカルシウム及びグリシンのような、さまざまな賦形剤を含む錠剤が、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチオン及びアカシアのような顆粒化結合剤と共に、デンプン(及び好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、アルギン酸及び若干数の複合珪酸塩のようなさまざまな崩壊剤を伴って使用されうる。それに加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような潤滑剤は、錠剤化の目的のためにしばしば非常に有用である。同じタイプの固体組成物はゼラチンカプセル中の充填材としても使用されうる;この結合において好ましい物質は、高分子量のポリエチレングリコールはもちろん、ラクトース又は乳糖をも含む。水性懸濁物及び/又はエリキシル剤が経口投与のために所望される場合、上記活性成分はさまざまな甘味料又は香味料、色素又は染料、及び、そのように所望される場合、乳化及び/又は懸濁剤とも、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの配合のようなさまざまなもののような上記希釈剤と共に混合されうる。動物の場合、それらは5〜5000ppm、好ましくは25〜500ppmの濃度で動物の食餌又は飲料水中に都合よく含まれる。
【0053】非経口投与(静脈内、筋内、腹腔内又は皮下の使用)のために、上記活性成分の滅菌注射可能溶液が通常調製される。胡麻若しくはピーナッツ油中又は水性のプロピレングリコール中のどちらかの、本発明に係る化合物の溶液が使用されうる。上記水性溶液は、必要な場合はそして上記液体希釈剤がはじめに等張にされ、好ましくは8超のpHに、好適に調節され、及び緩衝されるべきである。これらの水性溶液は好適な静脈内注射の目的である。上記油状溶液は静脈内、筋内及び皮下の注入の目的に好適である。滅菌条件下における全てのこれらの溶液の上記調製物は当業者に周知の標準の医薬技術により容易に達成される。動物の場合、化合物は約0.1〜50mg/kg/日、都合よくは単回用量で又は3までの分割用量で与えられて0.2〜10mg/kg/日の用量値で、筋内で又は皮下で投与されうる。
【0054】頬の投与のために、上記化合物は慣用の方法で形成される錠剤又は舐剤の形態をとりうる。
【0055】直腸投与のために、本発明に係る上記活性成分は、例えばココアバター又は他のグリセリドのような慣用の坐剤基材を含む、坐剤又は貯留浣腸のような直腸組成物にも形成されうる。
【0056】鼻腔内投与又は吸入による投与のために、本発明の上記活性化合物は上記患者によりしぼられる又は汲み出されるポンプ噴霧容器からの溶液又は懸濁物の形態で、又は好適な駆出剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適な気体の使用を伴って、加圧容器又は噴霧器からのエーロゾル噴霧物として、都合よくデリバリーされる。加圧されたエーロゾルの場合、上記用量単位は計測された量をデリバリーするための弁を提供することにより決定されうる。上記加圧容器又は噴霧器は上記活性化合物の溶液又は懸濁物を含みうる。吸入器又は注入器中で使用するための(例えば、ゼラチンから作られた)カプセル又は薬包は、本発明に係る化合物及びラクトース又はデンプンのような好適な粉末基材の粉末混合物を含むように形成されうる。
【0057】経皮投与のために、周知の薬剤デリバリー技術に従って調製された経皮パッチが調製され、治療される哺乳類、好ましくはヒト又はイヌの皮膚に適用されることができ、その後上記活性剤はその調製された溶解特性のために表皮を超えて、一般の循環の一部としてそれが取り込まれる皮膚の皮膚層へ移動し、最終的に所望の延長された期間にわたって上記活性成分の身体の分布を提供する。皮膚の表皮層の下、すなわち治療される患者の皮膚の表皮と皮膚の間に設置される埋め込みも含まれる。上記埋め込みはこのデリバリー技術において通常使用される周知の原理及び材料に従って形成されるであろうし、上記患者の身体の循環への活性成分の制御された、持続された、及び/又は遅延された放出を提供するような上記方法で調製されうる。上記表皮下の(小皮下の)埋め込みは経皮パッチと同様の設置の容易さとデリバリー効率を提供するが、崩壊しやすさの制限なしでは、患者の皮膚の表面の層に暴露される結果として損傷又は偶発的な除去を提供する。
【0058】式(I)の化合物、好ましくは(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)の、哺乳類、特にマウスにおけるアテローム性動脈硬化症への影響力を確かめるために実施された実験は、以下の実施例の節中に詳細に示される。
【0059】本発明は標的細胞へのLTB4受容体アンタゴニストの持続性放出を含む方法及び投与形態をも企図する。好適には、上記標的細胞は、上記投与形態の局所投与により到達可能な、血管平滑筋細胞、癌細胞、疾患状態を改善するための調節を必要とする体細胞、及び免疫系を介した疾患に関連した細胞である。その結果、本発明のこの局面に係る方法及び投与形態は、上記細胞の活性(例えば、移動、増殖、脂質増殖病変の形成、収縮等)を阻害するが、上記細胞を殺さない、LTB4受容体アンタゴニストを使用して、哺乳類宿主における血管平滑筋細胞、及び場合により血管平滑筋細胞結合タンパク質を阻害するのに有用である。持続性放出投与形態は本方法の実施においても使用されうる。
【0060】in vivoの医薬活性化合物の調節された放出を意図した調剤は、フィルムを形成する重合体、蝋、脂肪、シリカ等でコーティングされた又は錠剤化された上記活性成分の固体粒子を含む。これらの物質はin vivoの活性成分の崩壊、分散又は吸収を阻害することを意図される。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは上記活性成分の遅い又は調節された放出を提供しうる成分の1例である。上記化合物は経皮デリバリーのためのパッチ、皮下の埋め込み、浸剤ポンプを介して、又は埋め込まれた持続性放出形態からの放出を介してデリバリーされうる。
【0061】本発明に係る本方法の他の態様は、1週間〜2年間又はより長い期間にわたって本発明に係るLTB4受容体アンタゴニストを放出することができる賦形剤マトリックスを使用する、ステントのような静脈装置の表面からの持続性放出法に関する。上記表面のコーティング及びその物品の埋め込まれた形態は、上記装置の機能を減ずる線維性筋性細胞の増殖及び/又は脂質蓄積を阻害しうる用量率で、本発明に係るLTB4受容体アンタゴニストをゆっくり放出することができる、生物分解性又は非生物分解性の重合体又はセラミックの材料でありうる。線維性筋性細胞の蓄積、及びそれらに結合したマトリックスは、脂質を含む泡沫細胞に伴って、血流が決定的にそこなわれ、そして上記装置が機能的に役に立たない程度までステントの内腔領域を減少しうる。この増殖の阻害はステントの臨床的な機能寿命を延長し、上記患者にとって臨床的利益であろう。
【0062】本発明に係るこの態様の持続性放出投与形態は、アテローム性動脈硬化症を治療する装置表面のすぐ近傍の細胞を暴露するために、充分な抗増殖の、好適には細胞増殖抑制性の、用量をデリバリーする必要がある。これは、線維性筋性細胞及び泡沫細胞の細胞接着、移動及び増殖を阻害するであろう。この用量は、両者とも細胞増殖抑制の用量を達成するために必要とされる上記薬の放出の速度及び持続期間に影響するであろう、さまざまな量の本発明に係るLTB4受容体アンタゴニスト及び重合体賦形剤の修飾を伴う、特別な装置を血管内に埋め込むことにより経験的に確定できる。ステントは永久的に埋め込まれる装置と考えられる;しかしながら、上記装置から上記活性剤が持続的に放出される必要がないこともある。上記ステントが休止した組織により囲まれ、無傷の内皮により覆われるまで過度の増殖が避けられる場合、LTB4受容体アンタゴニストの持続性放出が不必要であろうということが初期の観察から明白である。
【0063】本発明に係る持続性放出投与形態は、好適に非分解性マイクロ粒子若しくはナノ粒子又は生物分解性マイクロ粒子若しくはナノ粒子のどちらかである。より好適には、上記マイクロ粒子又はナノ粒子は、無作為の、非酵素的、加水分解的切断により生物分解する重合体を含むマトリックスから形成される。好適な構造は熱可塑性のポリエステル(例えば、ポリラクチド又はポリグリコリド)の混合物又はラクチド及びグリコリド成分の共重合体から形成される。上記ラクチド/グリコリド構造はそれらの生物分解が、両者とも哺乳類の通常の代謝産物である乳酸及びグリコール酸を形成するという追加の利点を有する。
【0064】本発明に係る持続性放出投与形態は持続された期間にわたって標的細胞にLTB4受容体アンタゴニストをデリバリーする能力を示す。本発明に係る上記投与形態はこの目的のために好適などんな形態でもありうる。好適な持続性放出投与形態は1以上の以下の特性を示す:1.マイクロ粒子(例えば、直径約0.5マイクロメートル〜約100マイクロメートル、好適には約0.5〜約2マイクロメートル)又はナノ粒子(例えば、直径約1.0ナノメートル〜約1000ナノメートル、好適には約50〜約250ナノメートル)の遊離の流動する粉末構造;
2.約3〜約180日、好適には約10〜約21日の期間にわたって生物分解するように計画された生物分解性構造、又はLTB4受容体アンタゴニストの拡散が約3〜約180日、好適には約10〜約21日の期間にわたって起こるようにさせる非生物分解性構造;
3.生物適合性の生物分解産物を含む、上記投与形態が投与される標的組織及び局所の生理的環境に生物適合性のある;
4.1又は両方の以下の経路をとおして起こるLTB4受容体アンタゴニストの放出と共に、好適にはLTB4受容体アンタゴニスト−重合体マトリックスを形成するために、その中でのLTB4受容体アンタゴニストの安定な及び再生可能な分散を促進する:(1)上記投与形態をとおしてのLTB4受容体アンタゴニストの拡散(LTB4受容体アンタゴニストが上記投与形態を形成する重合体又は重合体混合物中に可溶性である場合);又は(2)上記投与形態の生物分解性物質としてのLTB4受容体アンタゴニストの放出;及び1以上の細胞の及び/又は間質性マトリックスエピトープと結合する能力、好適には約1〜約10,000の結合タンパク質/ペプチド−投与形態結合、そしてより好適には最高で粒子の表面領域の150平方オングストローム当たり約1の結合ペプチド−投与形態を有する。結合する総数は使用される上記粒子の大きさに因る。上記結合タンパク質又はペプチドは本明細書中に示されるように共有リガンドサンドウィッチ又は非共有様相をとおして粒子の投与形態に連結することができる。
【0065】例えば、式(I)の化合物を含むナノ粒子は、ポリ(D,L−乳酸)PLA、ポリ(D,L−ラクティック−共−グリコリック)PLGA、メタクリル酸共重合体、ポリ(エプシロン−カプロラクトン)を含む生物分解性重合体を用いて、1)n−溶媒乳化−蒸発技術又は2)乳化−沈殿技術のどちらかを用いて、調製されうる。これらの工程は、共溶媒、典型的には塩化メチレンと共の又はなしの、有機溶媒(例えば、アセトン又はベンジルアルコール)中の重合体の分散を含む。上記式(I)の化合物は有機溶媒中に含まれる。いくつかの場合、溶媒は機械的な攪拌又は超音波処理で、その後混合され、それから安定化させるヒドロコロイド[例えば、ポリ(ビニルアルコール)又はゼラチン](すなわち、水中の油)を含む水性溶液に1滴ずつ加えられる。上記安定エマルジョンの形成に続いて、上記塩素化溶媒は攪拌されたエマルジョンの蒸発を介して除去され、その後脱線的な濾過又は遠心分離/再懸濁による繰り返される洗浄により有機溶媒を含まないようにすることができるナノ粒子を産出する。生ずる水性懸濁物はその後糖又は他の凍結防止剤と共に又はなしで凍結され、凍結乾燥され、単純な攪拌又は超音波処理で生理的食塩水中に再懸濁できるナノ粒子を産出しうる。
【0066】あるいは、上記水性溶液は塩素化溶媒を欠く有機層(すなわち、油中の水エマルジョン)に攪拌又は超音波処理で加えられることができ、それに続いて上記ナノ粒子を沈殿させるために、層の反転を達成するためにさらに水性溶液が追加される。あるいは、沈殿は水性溶媒中の塩析剤に加えることにより増大されうる。典型的には、乳化−蒸発技術のために750mgPLGAが30mlの塩化メチレン中に溶解されうる。好適には、75mgの式(I)の化合物を含む5mlの塩化メチレンが加えられる。この有機層は、可溶性のエマルジョンを形成するために約10分間、15〜55ワットの出力で音波発生装置を用いる超音波処理で、180mlの2.5%ポリ(ビニルアルコール,PVP)(20〜70kDmol Wt.)の水性溶液に1滴ずつ加えられる。超音波処理は15℃を超えない温度で氷水浴中で実行される。上記エマルジョンはその後塩素化溶媒を蒸発させるために、さらに室温で24時間攪拌される。生ずるナノ粒子はさらに100mm多孔ポリオレフィンカートリッジフィルターに適合した濾過装置で精製される。上記乳化−沈殿技術のためには、10μLの水性PMP(10〜30%w/w)が1200〜5000rpmの機械的攪拌の下で10〜15%w/wの重合体PLA又はPLGA及び10〜15w/wの式(I)の化合物を含む5mLのベンジルアルコールに加えられ、それに続いて5分間にわたり水中油エマルジョンが形成される。水(160mL)はその後層の反転に影響させるために加えられ、次の10分間に同時に起こる固体ナノ粒子としての重合体の沈殿と共に水中への有機溶媒の拡散が起こる。
【0067】上記アテローム性動脈硬化症の病変の形成は5の段階で起こりうる。
【0068】1.移動。健康な脈管では、ほとんど又は全ての平滑筋細胞(SMC)は脈管中膜中に含まれる。病変形成の間の拡大された脈管内膜中のSMCの発生はしたがって脈管の上記中膜から上記内膜へのSMCの移動を必要とする。このSMCの移動の阻害は病変の性質をかなり変更するであろうし、そして病変形成に関連した病態を改善しうる。
【0069】2.脂質蓄積。健康な脈管壁中の中膜SMCは脂質を蓄積することはあまりない。しかしながら、脈間内膜のSMCは脂質取り込み及び蓄積の増大した能力を有する。高い値の循環脂質(特に低密度リポタンパク質;LDL)に暴露された場合、SMCは脂肪性脂質で飽和され、死ぬこともある。上記脂質の蓄積は、それは病変の血栓形成性の壊死した芯を形成するので、臨床的に明らかに上記病変の進行に必要である。上記SMCにおける脂質蓄積の阻害は病変の進行を軽減し又は回避し、それからアテローム性動脈硬化症及び結果として生ずる心筋梗塞を減少又は回避するはずである。
【0070】3.炎症性細胞の遊走。ヒトの病変は多くのマクロファージ由来細胞を含む。遊走の過程、これらの細胞の機能、及びそれらの病態への寄与は明らかでない。簡素化したメカニズムは、上記脈管壁から上記脂質を除去するためにマクロファージが病変中に蓄積する脂質に誘引されるということを示唆する。マクロファージ由来細胞の遊走の阻害が病変の病態を軽減しうる一方で、それは脂質で満たされた破裂しやすい状態への進行を促進しうる。
【0071】4.増殖。内膜SMCの蓄積は多くの場合中膜の薄化を伴う。そのため、総SMC数は病変部位であまり増大しないであろう。さらに、アテローム性動脈硬化症の慢性的な性質はこれらの病変中で増殖の刺激を検出することを困難にする。
【0072】5.細胞外マトリックスの沈着。アテローム性動脈硬化症の病変は細胞外マトリックス(ECM)、そして特にコラーゲン繊維に富む。増大したECM合成はプラーク安定性を増大しうる。心筋梗塞をもたらす初期のプラーク破裂は低いECM沈着及び結果として生ずる病変の壊死した脂質に富む芯を覆う繊維質の蓋の弱化に関連しうる。
【0073】したがって、アテローム性動脈硬化症はそのうちいくつかはまだ特定されていない、さまざまな過程の複合した相互作用を含む。アテローム性動脈硬化症を治療する努力における単一の過程を標的にすることは現れた病態へのそれぞれの過程の関連した寄与の知識に因る。この理由のため、協調した計略が好適である。例示した計略は増大されたEMC沈着の可能性のある有益な効果と共に、SMC移動、脂質蓄積及び増殖の阻害を含む。
【0074】アテローム性動脈硬化症の本治療方法における式(I)の化合物は以下のスキーム中に示されるような方法により調製されうる。以下のスキーム及びそれに続く議論においては、別段の定めなき限り、R1、R2、R3、R5、及びR6は上記に定義されたとおりである。以下のスキーム及びそれに続く議論は式(I)〜(XIX)の化合物の調製を示す。以下のスキーム及びそれに続く記述は式(I)〜(XIX)の化合物のエナンチオマーにも適用される。
【0075】
【化4】

【0076】
【化5】

【0077】
【化6】

【0078】
【化7】

【0079】
【化8】

【0080】全体として、スキーム(1)中の合成順序はキラル補助XcをR1を含む化合物(I)(ステップ1)に連結すること、非対称アルドールのアルデヒド(III)との縮合(ステップ2又は2’)、キラル補助のアルドール(IV)からの還元的除去(ステップ3)、ジオール(V)の塩基仲介環化(ステップ4)、ハロベンゾピラノール(VI)のリチウム化及びホウ素化(ステップ5)、ホウ酸(VII)のアリルハリド又はスルフォン酸(VIII)への結合(ステップ6)、及びエステル(IX)の加水分解(ステップ7)を含む。
【0081】スキーム(1)のステップ(1)は、約−80〜0℃、好ましくは−78〜−55℃の温度で、約20分間〜1時間にわたり、エーテル溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)のような非プロトン性溶媒中で、アルキルリチウム塩基、好ましくはブチルリチウムのような、好適な強い塩基で処理することによるキラル補助HXcの一致するアニオンへの変換を示す。置換基Xcは非対称性アルドール反応において比較的及び絶対的な立体構造を制御するのに好適なキラル補助である。HXcの例は(R)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン、(S)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン、(4R,5S)−4−メチル−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、及び(4S,5R)−4−メチル−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オンを含む。生ずるアニオンは、同じ溶媒中で約−80〜0℃、好ましくは約−75℃の温度で、約1時間にわたり、群(W)がハロ、好ましくはクロロ、及びR1が上記に定義されるようなアシル化剤(I)で処理され、そしてその後、水性の重炭酸ナトリウムで処理することにより好ましく達成される、水性のワークアップの前に、約−20℃〜20℃、好ましくは約0℃まで温められ、アシル化キラル補助(II)を産出する。
【0082】スキーム(1)のステップ(2)は、両者とも本明細書中に援用する、Evans, D. A.;Bartroli, J.;Shih, T. L.,J. Am. Chem. Soc. 198103, 2127及びGage, J. R.;Evans, D. A., Org. Syn. 198968, 83中に示されるものと類似の条件下で実行される「エバンズアルドール」反応を示す。特に、スキーム(1)のステップ(2)では、上記アシル化キラル補助(II)はルイス酸、塩基、及び置換されたベンズアルデヒド(III)で処理され、高い程度の構造選択性でアルコール(IV)を産出する。ベンズアルデヒド(III)は、環化ステップ(4)で脱離基としての役割を果たすオルト置換基Y、結合ステップ(6)の間にアリル側鎖により置換される基X(又はスキーム(2)のX’、特にスキーム(2)の結合ステップ(4))、及び上記に定義されるような置換基R2で置換される。置換基X(又はスキーム(2)のX’)はベンズアルデヒド(III)のフェニル基の4又は5位に連結される。上記脱離基Yは典型的にはハロ又はニトロ基であり、そしてXはハリドである(そして、スキーム(2)には、X’はハリド又はC1−C4ペルフルオロアルキルスルフォン酸である)。アルドール生成物(IV)を調製するために、アシル化キラル補助(II)は、約−78℃〜40℃、好ましくは−5℃の温度で、約20分間、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン又はジエチルエーテル、好ましくはジクロロメタンのような非プロトン溶媒中で、スルフォン酸ジアルキルホウ素、好ましくはジブチルホウ素トリフレートのようなホウ素ハリド又はスルフォン酸で処理され、約−78℃〜−40℃、好ましくは−5〜5℃の温度で、約1時間にわたって、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン、好ましくはトリエチルアミンのような、第三アミン塩基で処理される。この混合物は、約−100℃〜0℃、好ましくは約−70℃の温度で、約30分間にわたって、置換されたベンズアルデヒド(III)で処理される。この混合物は、約1時間にわたって、約−20℃〜25℃、好ましくは約−10℃の温度に温められ、その後、約15℃以下の温度で、好ましくはpH7の緩衝溶液、メタノール、及び水性過酸化水素の連続的な添加により、プロトン酸化クエンチ処理され、アルコール(IV)を産出する。
【0083】スキーム(1)のステップ(2’)は代替の、及び好ましい、チタン含有ルイス酸を用いたアルコール(IV)の提供方法を示す。スキーム(1)のステップ(2’)ではアシル化キラル補助(II)は、約−80℃〜0℃、好ましくは−80℃〜−70℃の温度で、約30分間の追加の攪拌を伴う約30分間にわたって、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、又はトルエン、好ましくはジクロロメタンのような非プロトン溶媒中で、チタン(IV)ハリド、好ましくは四塩化チタンで処理され、続いて約−80℃〜0℃、好ましくは−80℃〜−65℃の温度で、約30分間にわたって、トリエチルアミン又はN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、好ましくはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのような第三アミン又は第三ジアミン塩基で処理される。これは場合により、及び好ましく、約−80〜0℃、好ましくは−80〜−65℃の温度で、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルフォルムアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、トリエチル燐酸又は2,2’−ジピリジル、好ましくは1−メチル−2−ピロリジノンのようなドナーリガンドで処理され、続いて約30分間攪拌される。この混合物は、約−100〜0℃、好ましくは−80〜−65℃の温度で、約30分間にわたって、置換されたベンズアルデヒド(III)で処理され、−30〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度まで、約1〜24時間、好ましくは約4時間にわたって温められる。この混合物は、−30〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度で、プロトンクエンチ、好ましくは水性塩化アンモニウムで処理され、アルコール(IV)を産出する。ドナーリガンドを用いた処理がなされる場合、上記アルコール(IV)は、いくつかの場合、上記ドナーリガンドと共に結晶溶媒和物として提供される。クエンチされた反応混合物を約12時間にわたり約20℃の温度で、Celite(商標)のような固体の支持を用いて攪拌することは、チタン副生成物の除去のための反応溶液の濾過を改善する。
【0084】スキーム(1)のステップ(2’)のチタンアルドール状態は、それらが自然発火性試薬トリブチルボラン、腐食性試薬トリフリック酸、及びルイス酸ジブチルボロントリフレートの調製におけるそれらの発熱性の混合物を避けるという点で、スキーム(1)のステップ(2)のホウ素アルドール状態よりも好ましく、そして操作上より単純である。
【0085】さらに、Evans, D. A.;Rieger, D. L.;Bilodeau, M. T.;Urpi, F., J, Am. Chem. Soc. 1991113, 1047のような文献中に示されたチタンアルドール反応と比較して、スキーム(1)のステップ(2’)のチタンアルドール状態は2当量以下のアルデヒド(III)の高い選択性を提供する。好ましくは、約1当量のアルデヒド(III)がこのステップで使用される。本明細書中でアルデヒド(III)又は(請求項中に再引用される)式R11C(O)Hの化合物に関して使用される「約1当量」(“about one equivalent”)の句は、1.5当量以下の前記化合物を意味する。Evans et.al.による上記論説において、2当量のアルデヒドがスキーム(1)のステップ(2’)に類似するチタンアルドール反応のために必要であろうということが報告される。
【0086】式(X)の化合物の調製において有用性を有することに加えて、スキーム(1)のステップ(2’)のチタンアルドール状態は、(1994年3月30日公開の)英国特許出願第2,270,914号中、及びB. D. Dorseyet. al., Tetrahedron Letters, 199,34(12), 1851中に示されるHIVプロテアーゼ阻害剤化合物の調製において有用である。スキーム(4)の反応は、R11がC1−C9アルキル又はC2−C9アルケニル、好ましくは3−シクロヘキシルプロペニルである、前記英国特許出願中に示されるHIVプロテアーゼ阻害剤化合物を調製するために使用しうる。特に、スキーム(4)はチタンアルドール反応の、R11が、C1−C9アルキル、C2−C9アルケニル又はX、Y及びR2が上記に定義される、2位でY、4又は5位でX、及びフェニル基の残りの位置のひとつでR2により置換されたフェニルである、アルデヒド(XVIII)への適用を示す。スキーム(4)の反応条件はスキーム(1)のステップ(2’)のために示された条件と同じである。アルデヒド(XVIII)はスキーム(1)からのアルデヒド(III)を含み、そしてアルコール(XIX)はスキーム(1)からのアルコール(IV)を含む。
【0087】以下の表(1)はスキーム(1)のステップ(2’)の生成物(又はスキーム(4)の生成物)がどのようにして使用される反応条件に因って多様化しうるか、そして特に、ジアステレオマー構造選択性がどのようにしてTMEDAの量を1.2〜3当量に増大させることにより、及び2当量のNMPを添加することにより増大するかを示す。表(1)に関して、1.0当量のアルデヒドRCHOがそれぞれの反応で使用され、x及びyはそれぞれ塩基及びNMPの量を示し、NMPは1−メチル−2−ピロリジノンを意味し、TMEDAはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを意味し、NEtiPr2はジイソプロピルエチルアミンを意味し、そしてジアステレオマーの率はHPLCにより決定された。上記アルドールアイソマーは、分離、及びVan Draanen, N.A.;Arseniyadis, S.;Crimmins, M. T.;Heathcock, C. H., J. Org. Chem. 199156, 2499及びGage, J. R.;Evans, D. A., Org. Syn. 198968, 83中に示される手順と類似の手順に従う、LiOH/H22を用いた加水分解による既知のカルボン酸アイソマーへの変換により同定された。上記所望のアイソマーは太字で示す。
【0088】
【化9】

【0089】
【表1】

【0090】
【表2】

【0091】スキーム(1)のステップ(3)は、ステップ(1)における再利用のために場合により再生されるキラル補助Xcの除去、及び本明細書中に援用される、Penning, T. D.;Djuric, S. W.;Haack, R. A.;Kalish, V. J.;Miyashiro, J. M.;Rowell, B. W.;Yu, S. S., Syn. Commun. 1990, 307中に示される手順と類似の手順に従う化合物(IV)(酸のレベル)の所望のアルコール(V)への還元を示す。この工程では、アルコール(IV)は、約−78℃〜還流温度、好ましくは0℃〜室温(20〜25℃)の温度で、典型的に水、エタノール又はイソプロパノールのようなプロトン溶媒を含む、THF、ジイソプロピルエーテル又はメチル第三エーテル、好ましくはTHFのようなエーテルを含んだ溶媒中で、リチウムボロヒドリド、リチウムアルミニナムヒドリド、ボロヒドリドナトリウム又はボロヒドリドカルシウム、好ましくはリチウムボロヒドリドのようなヒドリド還元剤で処理される。1〜24時間、典型的には12時間後、上記反応は水で停止され、場合によっては過酸化水素を続いて追加される。キラル補助HXcは、選択的沈殿により又はジイソプロピルエチル又は酢酸エチル及びヘキサンの混合物のような有機溶媒中のジオール(V)の溶液からのHXcの水性酸、好ましくは塩酸への抽出、それに続く水性酸抽出物の塩基を用いた中和、及び有機溶媒へのHXcの抽出により、ステップ(1)での再利用のために再生しうる。
【0092】スキーム(1)のステップ(4)は、ジオール(V)の第一ヒドロキシルがオルト脱離基Yを置換し、(VI)のベンゾピラノール環系を産出する、分子内芳香族置換を示す。特に、脱離基Yはハロまたはニトロ基、好ましくはフルオロ基である、ジオール(V)がTHF、ジメチルスルフォキシド、又は1−メチル−2−ピロリジノン、好ましくはTHFのような非プロトン溶媒中で、場合により追加の銅塩存在下で、室温〜130℃、好ましくは約70℃の温度で、1〜24時間、典型的には約4時間、第三ブトキシドカリウム、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウム、炭酸セシウム又は水酸化ナトリウム、好ましくは第三ブトキシドカリウムのような塩基で処理され、ベンゾピラノール(VI)を与える。ベンゾピラノール(VI)中では、上記置換基X(又はスキーム(2)のX’)はベンゾピラン環の6又は7位で連結される。スキーム(1)のステップ(5)はベンゾピラノール(VI)中の置換基Xのリチウム、及びその後ホウ素酸基への変換を示す。リチウム化には、ベンゾピラノール(VI)ははじめにメチルリチウムで好ましく処理され、リチウムアルコキシドを形成し、続いてブチルリチウムで処理され、アリルリチウムを形成する。この工程において、Xがハリド、好ましくは臭化物又はヨー化物である、ベンゾピラノール(VI)は、エーテルを含む溶媒、好ましくはTHF中で、−78〜0℃、好ましくは−70〜−65℃の温度で約1時間、2当量のアルキルリチウム、好ましくははじめに1当量のメチルリチウム、続いて1当量のブチルリチウムで処理され、続いて−78〜0℃、好ましくは−70〜−65℃の温度で、約30分間にわたり、ボラン−テトラヒドロフラン複合体、ホウ酸トリイソプロピル又はホウ酸トリメチル、好ましくはボラン−THF複合体のようなホウ素化試薬により処理され、続いて約−65℃〜室温、好ましくは約0℃の温度で、水または場合により水性酸で停止され、ホウ素酸基がベンゾピラン環の6又は7位に連結したホウ素酸(VII)を与える。
【0093】スキーム(1)のステップ(6)は、化合物(IX)のビアリール結合を形成する、ホウ素酸(VII)と化合物(VIII)のスズキカップリングを示す。化合物(VIII)中では、Zはハライド又はスルフォネート、好ましくは臭化物、ヨー化物又はトリフルオロメタンスルフォネートであり、R4はC1−C6アルキルそしてR3は上記に示すとおりである。この手順は、本明細書中に援用する、Miyaura, N.;Suzuki, A., Chem. Rev.19995, 2457中に示される手順と類似である。この手順は、有機亜鉛を大量調製することの困難さ及び有機錫化合物の毒性のために、亜鉛又は錫種のカップリングに好ましい。この工程において、場合により水、好ましくはエタノールを含む、エタノール、ジメトキシエタン又はトルエンのような溶媒中で、ホウ素酸(VII)、アレン(VIII)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0);ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II);酢酸パラジウム(II);塩化アリルパラジウム2量体;トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又は炭素上10%パラジウム、好ましくは炭素上10%パラジウムのようなパラジウム触媒、及び炭酸ナトリウム;トリエチルアミン;重炭酸ナトリウム;炭酸セシウム;リン酸三カリウム;フルオリドカリウム;フルオリドセシウム又はフルオリドテトラブチルアンモニウム、好ましくはフルオリドカリウムのような塩基又はフルオリド塩の混合物は、室温〜130℃の温度、好ましくは還流温度で、約1〜約24時間、好ましくは約3時間攪拌され、ベンジルエステル基がベンゾピラン環の6又は7位に連結したバイアリル(IX)を与える。
【0094】スキーム(1)のステップ(7)は、40℃〜還流温度、好ましくは還流温度の温度での、約1〜約24時間、好ましくは約6時間の、イソプロピルアルコールのような、アルコール溶媒中での、エステル(IX)の水性水酸化ナトリウムのような、水性水酸化塩基での処理を示す。上記反応混合物は室温まで冷却され、ヘキサン及びイソプロピルエーテルの混合物のような、水性塩基及び有機溶媒間で分割される。上記水性溶液は酸化され、そして最終化合物(X)は酢酸エチルの如き有機溶媒中へ抽出される。化合物(X)を有機溶媒で抽出するこの方法は、中性不純物を除去し、このことは、特にこの合成の最終段階において有利である。
【0095】カルボン酸Xの取り扱いを容易にするために、この化合物は、トルエンのような溶媒中で、R5及びR6が上記に定義される式NHR56の第二アミンで処理されることができ、式中R1、R2、R3、R5、及びR6が上記に定義される以下の式(XVII):【0096】
【化10】

【0097】のカルボン酸アンモニウムを形成する。カルボン酸アンモニウム(XVII)は、0℃〜室温の範囲の温度で、30分間〜3時間、好ましくは1時間、酢酸エチル、トルエン又は塩化メチレン、好ましくは酢酸エチルのような溶媒中で、塩酸又は硫酸、好ましくは塩酸のような水性酸で処理され、カルボン酸(X)を提供しうる。
【0098】スキーム(2)は、スキーム(1)のステップ(5)又は(6)のカップリング順序の代替物を示す。スキーム(2)の工程は好ましい。スキーム(2)のステップ(1)はカルボン酸(XI)の、R3及びR4が上記に定義されるアルコールR4OHを用いたエステル化であり、エステル(XII)を産出する。この工程において、カルボン酸(XI)は、0℃〜還流温度、好ましくは還流温度の温度で、1〜24時間、典型的には4時間、トルエン、ジクロロメタン又はジクロロエタン、好ましくはトルエンのような溶媒中で、アルコールR4OH、好ましくは2,2−ジメチル−プロピルアルコールのような第一又は第二アルコール、及び硫酸、塩酸、メタン硫酸、トルエン硫酸又はカンファー硫酸、好ましくは硫酸のような酸で処理され、エステル(XII)を提供する。
【0099】スキーム(2)のステップ(2)はエステル(XII)の塩基を用いた処理を示し、そして生ずるオルトメタル化種はホウ酸トリアルキルで捕らえ、ホウ酸エステル(XIII)を与える。スキーム(2)のステップ(3)では、上記ホウ酸エステル(XIII)は水酸化され、当業者に知られた方法により実行される対応するホウ酸(XIV)になる。スキーム(2)のステップ(2)及び(3)では、エステル(XII)は、約−78℃〜室温(20〜25℃)の温度範囲、好ましくは約0℃にわたり、THF、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン又はメチル第三ブチルエーテル、好ましくはTHFのようなエーテルを含む溶媒中で、トリイソプロピルホウ酸、トリエチルホウ酸又はトリメチルホウ酸、好ましくはトリイソプロピルホウ酸のようなトリ(C1−C4アルキル)ホウ酸存在下で、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジン又はビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ)マグネシウム、好ましくはリチウムジイソプロピルアミドのような金属アミド塩基で処理される。10分間から5時間、典型的には1時間の後、上記反応は水性酸で停止され、ホウ酸(XIV)を提供する。
【0100】スキーム(2)のステップ(4)に進む前にホウ酸(XIV)の取り扱いを容易にするために、上記ホウ酸(XIV)はスキーム(3)に示すようにアミノジオールと反応されうる。スキーム(3)では、ホウ酸(XIV)は、0℃〜還流温度の範囲内の、好ましくは室温の温度で、15分間〜10時間、好ましくは10時間、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ヘキサン、トルエン又は上記溶媒の混合物、好ましくはイソプロパノールのような溶媒中で、R8、m及びnは上記に定義されるアミノジオール(XV)と反応され、アミン複合体(XVI)を提供する。スキーム(2)のステップ(4)を用いて進行するために、アミン複合体(XV)は当業者に知られた方法従って水酸化されてホウ酸(XIV)になる。上記方法は塩酸のような水性酸の使用を含む。
【0101】スキーム(2)のステップ(4)は、(IX)のビアリール結合を形成するための、ホウ酸(XIV)とベンゾピラノール(VI)のスズキカップリングを示す。この工程では、ホウ酸(XIV)、ベンゾピラノール(VI)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0);ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II);酢酸パラジウム(II);塩化アリルパラジウム2量体;トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又は炭素上10%パラジウム、好ましくはテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)のようなパラジウム触媒、炭酸ナトリウム;トリエチルアミン;重炭酸ナトリウム;炭酸セシウム;リン酸三カリウム;フルオリドカリウム;フルオリドセシウム;水酸化ナトリウム;水酸化バリウム又はフルオリドテトラブチルアンモニウム、好ましくは炭酸ナトリウムのような塩基又はフルオリド塩、及び場合により水を含む、トルエン;エタノール;ジメトキシエタンのような溶媒、好ましくは水を含むトルエンを含む、混合物が調製される。スキーム(1)に従って調製されるベンゾピラノール(VI)では、ベンゾピラン環の6又は7位に連結するX’はハリド又はC1−C4硫酸ペルフルオロアルキル、好ましくは臭化物、ヨー化物又は硫酸トリフルオロメタンを示す。上記混合物は室温〜還流温度、好ましくは還流温度の温度で、約10分間〜約6時間、好ましくは1時間、攪拌され、ビアリール(IX)を提供する。
【0102】スキーム(2)のステップ(5)はスキーム(1)のステップ(7)のための上記に示すカルボン酸(X)を提供するためのエステル(IX)の加水分解を示す。
【0103】式(I)の化合物の塩は、水酸化アルカリ金属、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化アルカリ土壌金属、例えば水酸化マグネシウムのような塩基との反応により、慣用の方法で調製されうる。
実施例本発明は以下の特別な例を参照することにより、より理解されるであろう。
【0104】マウス系の派生。本研究において使用される遺伝学的に調節されたアポリポタンパク質E欠損(ApoE-/-)、低密度リポタンパク質(LDL)受容体欠損(LDLr-/-)、及び単球化学誘引物質タンパク質−1欠損(MCP−1-/-)マウスは以前に記述され、特定されている[Rutledge, B. J.et. al., J. Immunol., 1995;155:4838−4843;及びNakashima Y, et. al., Arterioscler. Thromb., 1994;14(1):133−140を参照のこと]。アポE及びMCP−1(ScyA2)ヌル対立遺伝子の両方がホモ接合であるマウスを得るために、C57B/6バックグラウンド(C57E-/-)の雄ApoE-/-マウスをC57B/6バックグラウンドのヘテロ接合雌MCP-/+マウスと交配した。生ずるApoE-/-×MCP−1-/+子孫をサザンブロット分析により同定し、ApoE-/-×MCP−1-/-(C57E-/-×MCP−1-/-)及び対照ApoE-/-×MCP−1+/+(C57E-/-)マウスを作出するために交配した。混合された遺伝子バックグラウンド1290Ia×C57B/6(129E-/-)のApoE-/-マウスは屋内飼育され兄弟姉妹交配に由来した。全てのマウスは21日目で離乳され、12時間明/暗周期で維持され、普通又は西欧タイプの食事を給餌された[Bourassa, P. K., et.al., Proc Natl Acad. Sci. US, 1996;93:10022−10027を参照のこと]。
【0105】化合物の投与。式(I)の化合物、好ましくは(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)は、35日処理プロトコールを用いて週齢を合わせた群のマウス(犠牲時に15〜30週齢)において病変の発展に対する影響について評価された。マウスの下位群は、上記表及び図の凡例中に示すように組織遺伝子発現における急性の変化の評価のために、より短期間(7〜14日間)、(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)で処理された。全ての研究群で、上記化合物はPBS中0.6%Tween80(商標)と0.25%メチルセルロースから成る媒体中で1日1回経口胃管栄養により投与された。マウスは媒体のみ、式(I)の化合物30mg/kg/日又は100mg/kg/日のいずれかを受けた。
【0106】CD11b FACs分析。処理期間後、マウスはケタミン:キシラジン:PBS(1:1:2)で麻酔され、全血標本は腹大動脈から7.5%EDTAを含む真空管へ採取された。血液単球CD11b発現の決定は以前に示すように実行された[Showell, H. J., et. al., Journalof Pharmacoloty and Experimental Therapeutics, 1995;273:176−184を参照のこと]。細胞はゆるやかな遠心分離(1200rpm、2分間)によりペレットにされ、50μg/mlのフルオレセイン結合ラット抗マウスCD11bIgG(Pharmingen)と共に室温で30分間インキュベートされた。非特異的な結合を調節するために、二重標本が50μg/mlのフルオレセイン結合ラットIgGと共にインキュベートされた。30分間のインキュベート後、細胞は1mlのHiFAZ緩衝液で洗浄され、ペレットにされ、そして赤血球は溶血緩衝液(CA、マウンテンビューのBecton Dickinson)で室温で10分間溶血された。上記細胞はその後2回洗浄され、HiFAZ緩衝液中に再懸濁され、そしてフルオレセインの程度がFACs流動血球計算器上で決定された。データはリスト様式で回収され、そしてマクロファージゲートは側方分散に対する前方分散ドットブロットにより定義された。
【0107】血漿リポタンパク質及び脂質。高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC, NJ、ピスカタウェイのPharmacia LKB Biotechnology, Inc.)を用いた血漿リポタンパク質の分離は以前に示すように実行された[Bourassa, P. K., et. al., Proc Natl. Acad. Sci. USA, 1996;93:10022−10027を参照のこと]。総血漿コレステロール及びトリグリセリドは商業的に入手できるコレステロール/HP(Boehringer−Mannheim)及びトリグリセリドG(Wako Chemical)のキットで呈色法を用いて計測された。
【0108】大動脈樹枝状分岐分析。いくつかの実験では、マウスは4%のパラフォルムアルデヒドで灌流−固定され、そしてさい状頭部領域及び頸動脈、鎖骨下動脈及び大腿の分枝を含むその全ての大動脈樹枝状分岐が取り除かれた。上記組織は外膜を取り除かれ、そして一片のポリスチレン上に置かれ、そして複製スタンドに取り付けられたCCDカメラを用いてデジタルイメージが得られた。上記頸動脈及び鎖骨下の分枝は取り除かれ、そして上記さい状頭部領域がさらなる処置のために単離された。大動脈樹枝状分岐の残りの部分中の病変により覆われた大動脈表面のパーセントは、以前に示したEn face調製を用いて決定された[Bourassa, P. K., et. al., Proc Natl Acad. Sci. USA, 1996;93:10022−10027を参照のこと]。それぞれの大動脈は直接イメージ捕獲及びトリニトロンモニター上の表示により病変領域について評価された。上記病変領域はImagePro3.1イメージ分析(MA、ウォーバーンのImage Processing Solutions)を用いて未染色組織で決定された。外膜を取り除いた大動脈内のアテローム性動脈硬化症プラークの領域は半透明の非病変領域に比較して黄−白色の不透明な領域として現れた。この領域は黒(背景)、灰色(正常組織)、及び白(病変領域)の影について手動で設定した境界により量化された。
【0109】病変分析。断面病変領域を決定するために、心臓は、以前に示すように、4%パラフォルムアルデヒド中で灌流−固定され、30%ゴムスクロースで24時間4℃で浸透され、そしてOCT化合物中に埋め込まれて−18℃で10μmの切片にされ[Borgeat P., et. al., J. Biol. Chem., 1979;254:2643−2646を参照のこと]、そして上記切片はオイルレッドO(NY、ベイショアのPolyscientific)で染色され、そしてGillIIIヘマトキシリン(MO、セントルイスのSigma)で対比染色された。大動脈弁のそれぞれの切片はトリニトロンRGBモニター上の表示のためにLeitz Laborlux S(Leica)光マイクロスコープに取り付けられたRBGカメラからの直接の捕獲イメージによりオイルレッドO染色領域について評価された。イメージ分析は以前に示したように、ImagePro3.1’ソフトウェアを用いて実行された[Bourassa, P. K., et. al., Proc Natl. Acad.Sci. USA, 1996;93:10022−10027を参照のこと]。結果は切片当たりの平均の病変の大きさとして又はオイルレッドOで染色された総断面血管壁のパーセントとして表現された。それぞれの動物について、12〜16の切片の上記平均の病変領域が決定され、そしてデータは病変の大きさ又は平均パーセント病変領域±S.D.として表現された。
【0110】マクロファージの免疫組織化学染色。大動脈弁の連続的なパラフォルムアルデヒド固定されたOCT包埋切片はMOMA−2(BioSource)及びCD11b(Pharmingen)に対するラットモノクローナル抗体(IgG2b)を用いてマクロファージについて免疫染色された。内因性のビオチン及びペルオキシダーゼ活性はそれぞれの切片をアビジン/ビオチン溶液(VectorLaboratories)、及び1%ウシ血清中の0.3%H22とそれぞれインキュベートすることにより防がれた。ラット、抗マウスMOMA−2は25μg/mlの濃度で適用され、そしてラット抗マウスCD11bは(5μg/ml)の濃度で適用された。一次抗体とのインキュベートに続いてビオチン化ロバ抗ラット二次抗体IgG(1.4μg/ml,Jackson ImmunoReseach)、そしてセイヨウワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(1:500)と共にインキュベートされた。非特異的ラットIgG2b抗体(Pharmingen)は陰性対照として使用された。抗体結合はDAB(Vector Laboratories)で可視化され、そして全ての切片はGillIIIヘマトキシリンで対比染色された。結果は総断面血管壁領域のパーセントとして表現された(正常+疾患領域/切片、DABで染色された管腔を除く)。
【0111】腹膜マクロファージ走化性分析。本研究の最後に、それぞれの群からのマウスの一部は1mlの滅菌6%カゼインを腹腔内注射され、そして4日後腹腔の滲出細胞は腹膜腔を1%ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum(FBS))で補充したHanks Balanced Salt Solutions HBSS(Life Technologies)で洗浄することにより回収された。腹膜細胞はその後0.1%ウシ血清アルブミンBSAで補充されたRPMI−1640中で3回洗浄された。走化性には、細胞は走化性緩衝液(0.1%BSA及び20mM HEPES(pH7.4)で補充されたRPMI−1640)中に2×106細胞/mlの濃度で懸濁された。上記細胞懸濁液は48穴の小走性容器の上部容器中にのせられた。マウスMCP−1(10nM)又はLTB4(10nM)は5μmポリカーボネート膜により上記容器から分離された下部容器に加えられた。上記膜の下面に結合した上記腹膜マクロファージは固定され、Diff−Quick、染色セット(スイスのDade Behring Inc)を用いて染色された。結果は3回の標本中で4倍高力域中に移動した細胞の(20回)平均数として表された。
【0112】統計。統計的有意性はStatView統計プログラム(CA、バークレイのAbacus Concepts, Inc.)を用いて、対でないスチューデントのtテストにより決定された。結果は平均±標準偏差として報告される。
【0113】アテローム性動脈硬化症に対する式(I)の化合物、特に(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)の活性は以下の表(2)〜(4)中に表される:【0114】
【表3】

【0115】表(2)に関して、混合された129Io/B6(129E-/-)又はC57BI/6バックグラウンド(C57E-/-)のアポリポタンパク質E欠損マウス、低密度リポタンパク質受容体欠損マウスLDLR-/-マウスのホモ接合マウスは、35日間、経口で、示された用量で(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)を用いて処置された。LDLR-/-は西欧食を給餌された;全ての他の系は普通食で維持された。大動脈洞及び弁領域の10μ切片中の平均パーセント病変領域はオイルレッドO染色に従って計測され、値は平均±SDとして報告される。「ND」の用語は未測定として定義する。「TPC」の用語は総血漿コレステロールとして定義する。「TG」の用語はトリグリセリドとして定義する。「洞」(“sinus”)の用語は大動脈弁の領域;心臓の基底から上昇する;大動脈弁尖がはじめに現れるところではじまり、内腔を3の明確な領域に分ける;として定義する。上記洞では、上記大動脈壁はふくらんでおり不規則である。「弁」(“valve”)の用語は洞領域がおわるところにはじまる大動脈弁の領域;弁領域は、弁尖がもはや管腔を分けない、そして大動脈壁がより曲線的で明確に現れるところからはじまる;として定義する。上記弁領域は上記弁尖がもはや明らかでなく上記壁が充分に曲線的であるところでおわる。
【0116】
【表4】

【0117】表(3)に関して、普通食で維持された雌アポリポタンパク質E欠損マウス(129E-/-)及び西欧タイプの食事で維持された雄LDL受容体(LDLr-/-)欠損マウスは(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)(30mg/kg/d)を用いて経口で35日間処理された。データは平均±SD(N=8/群)病変領域及びCD11bについて陽性に染色された病変の平均パーセントとして報告される。「CD11b」の用語は、他の細胞タンパク質、CD−18と結合したときMAC−1を形成する細胞中内部に見られるタンパク質;MAC−1は接着に関係する単球表面上の受容体である;として定義する。
【0118】
【表5】

【0119】表(4)に関して、C57bI/6バックグラウンド(C57E-/-)マウスの単球化学誘引物質タンパク質−1(MCP−1-/-)及びアポリポタンパク質E(ApoE-/-)のヌル対立遺伝子のホモ接合(MCP−1-/-×ApoE-/-)のマウスは、35日間、経口で、示された0、30又は100mg/kgの用量で(3S,4R)−7−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ベンジル−2H−1−ベンゾピラン)を用いて処置された。大動脈洞及び弁領域の10μ切片中の平均パーセント病変領域はオイルレッドO染色に従って計測され、値は平均±SDとして報告される。「ND」の用語は未測定として定義する。「TPC」の用語は総血漿コレステロールとして定義する。「TG」の用語はトリグリセリドとして定義する。「洞」の用語は大動脈弁の領域;心臓の基底から上昇する;大動脈弁尖がはじめに現れるところではじまり、内腔を3の明確な領域に分ける;として定義する。上記洞では、上記大動脈壁はふくらんでおり不規則である。「弁」の用語は洞領域がおわるところにはじまる大動脈弁の領域;弁領域は、弁尖がもはや管腔を分けない、そして大動脈壁がより曲線的で明確に現れるところからはじまる;として定義する。上記弁領域は上記弁尖がもはや明らかでなく上記壁が充分に曲線的であるところで終わる。
【0120】本発明に係る方法において使用される式(I)の化合物は以下の調製法により示されるように合成されうるが、それはその詳細に限定されない。以下の調製法では、「室温」(room temperature)の用語は約20℃〜約25℃の範囲内の温度を意味する。
調製法(1)(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸イソプロピルアルコール(9L)中の(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸エチルエステル(897g、1.93mol)及び10%水性水酸化ナトリウム(980mL、2.72mol)の混合物を還流で6時間熱し、室温まで冷却し、そして12時間攪拌した。上記反応混合物は水(13.5L)、ヘキサン(9L)、及びイソプロピルエーテル(4.5L)で希釈した。上記水層を分離し、ヘキサン(9L)及びイソプロピルエーテル(4.5L)で抽出し、2Nの水性塩酸でpH2に調整し、そして酢酸エチル(8L及び4L)で抽出した。混合された酢酸エチル抽出物を水(6L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そしてin vacuoで濃縮して濃い琥珀色の油を得、トルエン(2L)で希釈し、再び濃縮して油を得た。上記油は60℃でトルエン(4.2L)に溶解し、そしてヘキサン(8.8L)を50℃以上の温度を維持する率で加えた。数時間かけて室温までゆっくり冷却されて沈殿された上記黄褐色の固体を濾過し、そして2:1ヘキサン/トルエン(2L)で洗浄した。これらの固体を60℃でトルエン(5L)に溶解し、Darco(商標)G−60で処理し、濾過し、トルエンで洗浄し、そしてin vacuoで約4.0Lに濃縮した。この混合物を50〜60℃に熱し、ヘキサン(8.6L)で1滴ずつ処理し、冷却し、そして5℃で1〜2時間粒状化した。生じた固体を濾過し、2:1のヘキサン/トルエン(2L)で洗浄し、そしてその湿った塊をヘキサン(4L)で還流で30分間攪拌した。この混合物を室温まで冷却し、1時間粒状化し、濾過し、そして生じた固体を真空下で一晩乾燥し、450g(55%)の(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸を乳白色の固体として得た:【0121】
【化11】

【0122】調製法(1)のための上記(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸エチルエステル出発物質は以下のように調製された:A. (R)−4−ベンジル−3−(3−フェニル−プロピオニル)−オキサゾリジン−2−オン−78℃でテトラヒドロフラン(9L)中の(R)−(+)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(910g、5.14mol)及び標識としての500mgの2,2’−ジピリジルの溶液に、ヘキサン(2.03L、5.14mol)中のBuLiの2.5M溶液を30分間にわたり添加した。上記反応混合物の温度を上記添加の間−55℃以下に保った。上記反応混合物を−75℃まで冷却し、そして塩化ヒドロシナモイル(950g、5.63mol)を5分間にわたり添加した。上記反応溶液を0℃まで温めた、そこで上記反応混合物は薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、2:1)により完了したことを判断した。上記反応を10%の水性重炭酸ナトリウム(3.6L)及び水(3.6L)を添加することにより停止した。上記水相を分離し、酢酸エチル(3L)で抽出した。混合された有機層は5%水性炭酸ナトリウム(3.6L)及び飽和された水性塩化ナトリウム(2L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そしてin vacuoで約2Lの粘性の黄色懸濁液に濃縮した。この懸濁液を酢酸エチル(3L)に溶解し、固体に濃縮し、そして50℃で酢酸エチル中に溶解した。ヘキサン(10.7L)を添加し、そして上記混合物をゆっくり10℃まで冷却し、固体の沈殿を得、それを10℃で30分間攪拌した。上記固体を濾過により回収し、ヘキサンで洗浄し、そして室温で風乾して1.4g(88%)の(R)−4−ベンジル−3−(3−フェニル−プロピオニル)−オキサゾリジン−2−オンを淡い黄色の針晶として得た:【0123】
【化12】

【0124】B. [4R−[3(2R,3R)]]−4−ベンジル−3−[2−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオニル]−オキサゾリジン−2−オン−5℃でジクロロメタン(5.6L)中の(R)−4−ベンジル−3−(3−フェニル−プロピオニル)−オキサゾリジン−2−オン(1064g、3.44mol)の溶液にジブチルホウ素トリフレート(1133g、4.13mol)を20分間にわたり添加し、続いて反応温度を5℃以下に維持する一方でトリエチルアミン(719mL、5.16mol)を添加した。この混合物を−70℃まで冷却し、そしてジクロロメタン(2L)中の4−ブロモ−2−フルオロ−ベンズアルデヒド(669g、3.44mol)の溶液を30分間にわたり添加した。上記混合物を1時間にわたって−10℃まで温め、そこでそれは薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、2:1)により完了したことを判断した。上記反応を30分間にわたりリン酸カリウム1塩基−塩化ナトリウムpH7緩衝液(3.5L)を添加することにより停止し、続いて反応温度を15℃以下に維持する一方で1.5時間にわたりメタノール(1.8L)及び35%水性過酸化水素(1.8L)を加えた。上記有機層を分離し、飽和水性重炭酸ナトリウム(6.7L)で洗浄し、無水エタノール(4L)及び25%水性重亜硫酸ナトリウムで希釈した。上記有機層を分離し、水(4L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そしてin vacuoで濃縮して1818g(103%−粗重量)の[4R−[3(2R,3R)]]−4−ベンジル−3−[2−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオニル]−オキサゾリジン−2−オンを非常に粘性の琥珀色油として得た:【0125】
【化13】

【0126】C. [4R−[3(2R,3R)]]−4−ベンジル−3−[2−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオニル]−オキサゾリジン−2−オン, 1−メチル−2−ピロリジノン溶媒和物−70℃〜−80℃でジクロロメタン(180L)中の(R)−4−ベンジル−3−(3−フェニル−プロピオニル)−オキサゾリジン−2−オン(12.0kg、38.8mol)の溶液に四塩化チタン(8.8kg、46.6mol)を30分間にわたり添加し、濃い懸濁物を与え、それを−70℃〜−80℃でさらに30分間攪拌した。N,N,N’,N’,−テトラメチルエチレンジアミン(17.6L、116.4mol)を30分間にわたり添加し、より流動性の反応混合物を得た。全て−65℃以下の反応温度に維持される間、1−メチル−2−ピロリジノン(7.6kg、77.6mol)を添加し、そして上記反応混合物を30分間攪拌した。−68℃以下又は−68℃の反応温度に維持する間、ジクロロメタン(38L)中の4−ブロモ−2−フルオロ−ベンズアルデヒド(7.9kg、38.8mol)の溶液を30分間にわたり添加した。上記反応混合物を8時間にわたり20℃まで温め、そこで10℃まで冷却し、そして11Lの水中の5.0kgの塩化アンモニウムの溶液で停止し、白い沈殿物及び28℃までの発熱を誘発した。Celite(商標)(12kg)を添加し、そして上記反応混合物を12時間20℃で攪拌した。上記反応混合物を濾過し、大気中で油に濃縮し、ヘキサン(120L)で処理し、約50Lまで濃縮し、ゆっくり0℃まで冷却し、そして24時間粒状化した。上記粗生成物、24.3kgを濾過により単離し、110Lのジクロロメタン中の2つの同様の反応からの上記粗生成物と混合し、320Lのヘキサンで処理し、大気中で約250Lの最終容積まで濃縮して(蒸留温度65℃)、確実な生成物を結晶の核にし、そして20℃で18時間にわたる粒状化を伴ってゆっくり冷却した。濾過は67.4kg(94%)の[4R−[3(2R,3R)]]−4−ベンジル−3−[2−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオニル]−オキサゾリジン−2−オン,1−メチル−2−ピロリジノン溶媒和物を薄い黄褐色の粒状固体として得た:【0127】
【化14】

【0128】D. (1R,2S)−2−ベンジル−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオールテトラヒドロフラン(1.7L、3.4mol)中のリチウムボロヒドリドの2M溶液をテトラヒドロフラン(1.7L)で希釈し、そして水(61mL、3.4mol)で15分間にわたり慎重に処理した。この混合物を室温で水素放散が終わるまで(0.5〜1時間)攪拌し、そしてその後テトラヒドロフラン(8.75L)中の[4R−[3(2R,3R)]]−4−ベンジル−3−[2−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオニル]−オキサゾリジン−2−オン(1.75kg、3.4mol)の溶液に0℃で30分間にわたり添加した。生じた乳白色の懸濁物を12時間にわたり室温まで温め、そこでそれを薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、2:1)により完了したことを判断した。上記反応混合物を15℃まで冷却し、そして15分間にわたり水(5.25L)で停止し、そして35%水性過酸化水素(2.6L)を20分間にわたり添加する前に、さらに10分間攪拌した。上記反応混合物を15分間攪拌し、そしてその後酢酸エチル(5.3L)及び水(4L)で希釈した。上記有機層を分離し、そして水(5.3L)、5%水性重亜硫酸ナトリウム(5.25L)、及び50%飽和水性塩化ナトリウム(7.5L)で洗浄した。過酸化水素が上記有機層中で検出されたので、それをさらに5%水性重亜硫酸ナトリウム(5L)及び50%飽和水性塩化ナトリウム(6L)で洗浄した。上記有機層をin vacuoで油に濃縮し、酢酸エチル(4L)及びヘキサン(13L)で希釈し、そして(R)−(+)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンを除去するために1Nの水性塩酸(6回17L)で洗浄した。上記有機層を飽和水性重炭酸ナトリウム(5.3L)で洗浄し、トルエン(2L)で希釈し、そしてin vacuoで濃縮して1138g(98%)の(1R,2S)−2−ベンジル−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオールを油として得た:【0129】
【化15】

【0130】E1. (3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オールテトラヒドロフラン(6.55L、6.55mol)中のビス(トリメチルシリル)アミドナトリウムの1M溶液を20分間にわたり、室温でジメチルスルフォキシド(9.88L)中の(1R,2S)−2−ベンジル−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオール(1975g、5.82mol)の溶液に添加した。上記混合物を上記反応混合物からテトラヒドロフランを取り除くために吸引真空下でゆっくり60℃まで熱し、そしてその後吸引真空下で60℃〜65℃で5時間熱し、そこで上記反応を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、2:1)に従って完了したことを判断した。上記反応混合物を室温まで冷却し、そして水(10L)、続いて1Nの水性塩酸(10L)を添加することにより停止した。生じた黄褐色の懸濁物を濾過し、水(2L)で洗浄し、そして酢酸エチル(12L)中に溶解した。この溶液を水(2回12L)で洗浄し、低容積まで濃縮し、イロプロピルエーテル(4L)中に溶解し、そして大気圧下で50〜60℃で濃縮して1.0Lとし、そこで固体が沈殿しはじめた。生じた懸濁物を室温まで冷却し、12時間攪拌し、その二分の一の容積まで濃縮し、0〜5℃まで冷却し、そして濾過して916g(49%)の(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オールを白色固体として得た。上記濾液を濃縮して濃い油(906g)を得、還流でイソプロピルエーテル(1.5L)中に溶解し、室温まで冷却し、攪拌し、そして濾過して追加の82gの固体を得た。上記濾液を濃縮し、そしてシリカゲル(60〜230目)でクロマトグラフィーにかけ、3:1のヘキサン/酢酸エチルで溶出した。生成物に富む画分を濃縮し、そしてイソプロピルエーテルから再結晶して追加の82gの固体を産出した。(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オールの総収量は1080g(58%)であった:【0131】
【化16】

【0132】E2. (3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オールあるいは、上記に示す化合物を以下のように調製しうる:185Lのテトラヒドロフラン中の(33.5kg(54.8moles)の[4R−[3(2R,3R)]]−4−ベンジル−3−[2−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオニル]−オキサゾリジン−2−オン,1−メチル−2−ピロリジノン溶媒和物から単離なしに調製された)(1R,2S)−2−ベンジル−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオールの溶液に、12.9kg(115mol)の第三ブトキシドカリウムを添加した。上記反応混合物を環流で4時間熱し、そこで上記反応を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、3:1)により完了したことを確認した。上記反応混合物を室温まで冷却し、170Lの水で停止し、83Lの酢酸エチルで希釈し、そして7.5Lの濃縮された塩酸でpH5.3(水層)に酸性化した。上記有機層を真空下で約38Lの懸濁液になるまで濃縮し、76Lのイソプロピルエーテルで希釈し、その固体を溶解するために温め、ゆっくり0℃まで冷却し、そして0℃で12時間粒状化した。(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オール、5.1kgの白色固体を濾過により単離した。上記母アルコール液を4Lの飽和水性塩化ナトリウムで洗浄し、57Lの最終容積まで濃縮し、そして0℃で12時間粒状化して4.3kgの(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オールの第二収穫物を得た。
【0133】第二の同一の反応混合物を停止し、酢酸エチルで希釈し、そして上記に示すように酸性化した。上記有機層を10kgの硫酸マグネシウム上で乾燥させ、大気中で約30Lの懸濁液になるまで濃縮し、38Lのイロプロピルエーテルで希釈し、約57Lまで濃縮し、ゆっくり冷却し、そして0〜10℃で12時間粒状化した。(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オール、8.7kgを濾過により単離した。上記母アルコール液を上記はじめの反応からの上記第二収穫物からの母アルコール液と混合し、濃縮して油とし、冷却により凝固させ、6Lのイソプロピルエーテル中で20℃で12時間、及び0℃で2時間粒状化し、そして濾過して冷イソプロピルエーテルで洗浄された後6.3kgの(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オールを得た。両反応からの上記混合された収穫物を乾燥させて20.8kg(59%)の(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オールを得た。
【0134】F. (3S,4R)−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−ホウ素酸−65℃以下の温度を維持する間、−75℃でテトラヒドロフラン(5.6L)中の(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オール(377g、1.18mol)の溶液に、エーテル(1.6L、2.37mol)中のメチルリチウムの1.48M溶液を45分間にわたり添加した。上記反応混合物を−65℃以下で1時間攪拌し、続いてヘキサン(440mL、1.3mol)中のブチルリチウムの2.5M溶液を15分間にわたり添加した。上記反応混合物を−65℃以下で1時間攪拌し、続いてテトラヒドロフラン(5.9L、5.9mol)中のボラン−テトラヒドロフラン複合体の1.0M溶液を30分間にわたり添加した。上記反応混合物を0℃まで温め、水(4.4L)を添加することにより停止し、1Nの水性塩酸(4L)でpH2に調整し、そしてイソプロピルエーテル(4L)で抽出した。上記水層をイソプロピルエーテル(4L)で抽出され、そして上記混合された有機層を0.5Nの水性水酸化ナトリウム(7.2L)で洗浄した。上記水層を1Nの水性塩酸(5.5L)でpH3に調整し、そして酢酸エチル(5.4L及び2.7L)で抽出した。上記混合された酢酸エチル層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そしてin vacuoで濃縮されて304.5g(91%)の(3S,4R)−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−ホウ素酸を黄色泡沫として得た:【0135】
【化17】

【0136】G. (3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸エチルエステルエチル2−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンゾエート(723g、2.1mol)、(3S,4R)−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−ホウ素酸(627g、2.2mol)、フルオリドカリウム(366g、6.3mol)、炭素(157g、50%水で湿った)上の10%パラジウム、及び無水エタノール(6.27L)の混合物を環流で3時間熱し、そこで薄層クロマトグラフィー(トルエン/酢酸、5:1)が上記反応が完了したことを示した。上記反応混合物をイソプロピルエーテル(8L)で希釈し、Celite(商標)で濾過し、そして10%の水性重炭酸ナトリウム(1.5L)で洗浄した。上記水層を分離し、そしてイソプロピルエーテル(3L)で抽出した。上記混合された有機層を水(6L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして室温でDarco(商標)G−60(1.0kg)及びシリカゲル(1kg、70〜230目)で処理した。この混合物をシリカゲル(70〜230目)のパッドで濾過し、そしてin vacuoで濃縮して922gの濃い色の油を得た。この油を酢酸エチル(1L)で希釈し、そしてシリカゲル(2kg)のカラムをとおして濾過し、酢酸エチルで溶出して、薄琥珀色の溶液を与え、その溶液を濃縮して897g(92%)の(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸エチルエステルを薄琥珀色の油として得た:【0137】
【化18】

【0138】調整法(2)(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸イソプロピルアルコール(23mL)中の(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステル(2.34g、4.69mmol)の溶液を10%水性水酸化ナトリウム(2.3mL、6.4mmol)で処理し、そして還流で3時間熱した。上記反応混合物を室温まで冷却し、水(34mL)中へ注ぎ、そしてヘキサン(23mL)及びイソプロピルエーテル(13mL)で抽出した。上記水層を分離し、そしてヘキサン(23mL)及びイソプロピルエーテル(13mL)で抽出し、6Nの水性塩酸でpH2に調整し、そして酢酸エチル(2回40mL)で抽出した。上記混合された酢酸エチル抽出物を塩水(40mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮されて白色泡沫を得た、それをトルエン/ヘキサンから再結晶させた。生じた固体を濾過し、そしてヘキサンで洗浄し、そしてその湿った塊をヘキサン(20mL)で1時間攪拌した。上記混合物を濾過し、そして生じた固体を真空下で乾燥させ1.01g(50%収量)の(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸を白色固体として得た:【0139】
【化19】

【0140】調製法(2)のための上記(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステル出発物質を以下のように調製した:A. 4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステルトルエン(500mL)中の4−トリフルオロメチル安息香酸(75.0g、394mmol)及び2,2−ジメチル−プロピルアルコール(70.5g、800mmol)の懸濁液に濃縮された硫酸(3.0mL)を添加した。上記混合物を環流で4時間攪拌し、室温まで冷却し、飽和水性炭酸ナトリウム(250mL)へ注ぎ、そしてその層を分離した。上記有機層を飽和水性炭酸ナトリウム(250mL)、及び塩水(100mL)で洗浄し、そして濃縮して4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステル(102g、99%収率)を黄色液体として得た:Rf:0.66(酢酸エチル/ヘキサン 25/75);
【0141】
【化20】

【0142】B. 2−(2,2−ジメチル−プロポキシカルボニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンホウ素酸テトラヒドロフラン(40mL)中の4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステル(4.225g、16.23mmol)溶液にホウ酸トリイソプロピル(9.00mL、39.0mmol)を添加した。上記溶液を−78℃まで冷却し、そしてリチウムジイソプロピルアミド(12.0mLのテトラヒドロフラン/ヘプタン中の2.0M溶液、24.0mmol)を5分間にわたり1滴ずつ添加した。上記赤い溶液を30分間攪拌し、0℃まで温め、そして1Nの塩酸(50mL)をゆっくり添加することにより停止した。上記混合物を室温まで温め、30分間攪拌し、そしてヘキサン(200mL)に添加した。上記層を分離し、そして上記有機層を2Nの塩酸(100mLで2回)、水(100mL)、及び塩水(50mL)で連続的に洗浄した。上記有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して油を得た。上記粗生成物をヘプタン(40mL)から結晶化し、2−(2,2−ジメチル−プロポキシカルボニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンホウ素酸(3.037g、62%収率)を白色固体として得た:【0143】
【化21】

【0144】C. (3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸 2,2−ジメチル−プロピルエステルトルエン(15mL)及び水(9mL)中の2−(2,2−ジメチル−プロポキシカルボニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンホウ素酸(1.72g、5.66mmol)、(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オール(1.80g、5.63mmol)、炭酸ナトリウム(1.82g、17.2mmol)、及びトレトラキス(トリフェニル−フォスフィン)パラジウム(0)(12mg、0.19mol%)の二相溶液を還流で100分間攪拌した。上記反応混合物を室温まで冷却し、水(40mL)へ注ぎ、そしてジイソプロピルエーテル(75mL)で抽出した。上記有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、Darco(商標)G−60で処理し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、Celite(商標)で濾過し、そして濃縮した。上記粗生成物をシリカゲル(酢酸エチル/ヘキサン 20/80)のクロマトグラフィーにより精製し、(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸 2,2−ジメチル−プロピルエステルを白色泡沫(2.35g、84%収率)として得た:Rf:0.32(酢酸エチル/ヘキサン 25/75);
【0145】
【化22】

【0146】調製法(3)(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸酢酸エチル(25mL)中の(3S,4R)−ジシクロヘキシルアンモニウム−2−(3−べンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゾエート(2.37g、3.89mmol)、及び1Nの塩酸(25mL)の混合物を室温で1時間攪拌した。上記混合物を酢酸エチル(20mL)中に注ぎ、そして上記水層を除去した。上記有機層を水(6回50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して(3S,4R)−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸(1.66g、100%収率)を得た:【0147】
【化23】

【0148】調製法(3)の上記(3S,4R)−ジシクロヘキシルアンモニウム−2−(3−べンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゾエート出発物質を以下のように調製した:A. 2−[1,3,6,2]ジオキサザボロカン−2−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸 2,2−ジメチル−プロピルエステルテトラヒドロフラン(250mL)中の4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステル(35.8g、138mmol)の溶液にホウ酸トリイソプロピル(73.0mL、316mmol)を添加した。上記溶液を0℃まで冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(73.0mLのテトラヒドロフラン/ヘプタン中の2.0M溶液、146.0mmol)を20分間にわたり1滴ずつ添加し、そしてその赤い溶液をさらに30分間攪拌した。ヘキサン(200mL)、続いて1Nの塩酸(200mL)を添加した。上記混合物を10分間攪拌し、そしてヘキサン(200mL)中へ注いだ。上記有機層を1Nの塩酸(2回150mL)及び塩水(100mL)で洗浄した。上記有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして約200mLまで濃縮した。イロプロピルアルコール(100mL)、及びジエタノールアミン(15.95g、151.7mmol)を添加し、そして上記混合物を室温で10時間攪拌した。上記固体を濾過し、そしてイソプロピルアルコール(15mL)及びヘキサン(30mL)の混合物で洗浄し、2−[1,3,6,2]ジオキサザボロカン−2−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステル(37.83g、74%収率)を白色固体として得た。
【0149】
【化24】

【0150】B. (3S,4R)−ジシクロヘキシルアンモニウム−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゾエートトルエン(45mL)中の2−[1,3,6,2]ジオキサザボロカン−2−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸2,2−ジメチル−プロピルエステル(7.04g、18.9mmol)及び1.5Nの塩酸(45mL)の混合物を室温で45分間攪拌した。上記水層を除去し、そして炭酸ナトリウム(2.73g、25.8mmol)、(3S,4R)−3−ベンジル−7−ブロモ−ベンゾピラン−4−オール(5.47g、17.1mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(24.0mg、20.8μmol)、及び水(20mL)を添加した。上記二相溶液を還流で100分間攪拌し、室温まで冷却し、そして水(50mL)中へ注いだ。上記層を分離し、そして上記有機層をDarco(商標)G−60で処理し、濾過し、そして濃縮した、上記粗エステルをイソプロピルアルコール(80mL)中に溶解し、そして10%水性水酸化ナトリウム(8.0mL)を添加した。上記溶液を還流で3時間熱し、室温まで冷却し、水(120mL)中へ注ぎ、そしてヘキサン(80mL)及びイソプロピルエーテル(40mL)で抽出した。上記水層をヘキサン(80mL)及びイソプロピルエーテル(40mL)で洗浄し、6Nの塩酸でpH2に調整し、そしてメチル第三ブチルエーテル(2回75mL)で抽出した。上記有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。上記粗生成物とメチル第三ブチルエーテル(40mL)中に溶解し、そしてジシクロヘキシルアミン(4.10mL、20.6mmol)を添加した。上記混合物を一晩攪拌し、そしてその固体を濾過し、そしてメチル第三ブチルエーテル(20mL)で洗浄し、(3S,4R)−ジシクロヘキシルアンモニウム−2−(3−ベンジル−4−ヒドロキシ−ベンゾピラン−7−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゾエート(7.32g、70%収率)を得た:【0151】
【化25】

【0152】調製法(4)3S,4R−7−(3−カルボキシフェニル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルメチル−2H−1−ベンゾピラ加水分解:10mLのメタノール中のより極性でない4R,3S N−α−t−ブトキシカルボニル−L−トリプトファン−7−[(3−カルボメトキシフェニル)−3−フェニルメチル]−ベンゾピラン−4−イル]−エステル(840mg、1.08mmole)の攪拌された溶液中に10mLの2MのNaOH溶液を添加した。上記混合物を8時間環流し、冷却し、そして1MのHClでpH4まで酸性化した。上記濁ったエマルジョンを20mLの酢酸エチルで3回抽出し、そしてその混合された有機画分を塩水で洗浄し、そしてMgSO4上で乾燥させた。濾過及びin vacuoでの溶媒除去により黄色泡沫を得た。クロマトグラフィー(シリカゲル−酢酸エチル:ヘキサン:酢酸−35:75:1)により210mgの生成物を得た。
【0153】
【化26】

【0154】メタノール中C=1.00で[α]D25=+11.1。M.P.=210〜212℃。上記のより極性の3R,4Sトリプトファン−エステル(700mg)のような加水分解はその3R,4Sエナンチオマーを与えた。
【0155】
【化27】

【0156】メタノール中c=1.01で[α]D25=−11.0。mp209〜211℃。
【0157】トランス−3−フェニルメチル−4−ヒドロキシ−7−(3−カルボキシフェニル)2H−1−ベンゾピラン上記トランス環アイソマーのような加水分解はその対応する酸を与えた。
【0158】
【化28】

【0159】調製法4のための上記N−α−t−ブトキシカルボニル−L−トリプトファン−7−[(3−カルボメトキシフェニル)−3−フェニルメチル]−ベンゾピラン−4−イル]−エステル出発物質を下記のように調製した:A. 2,4−ジヒドロキシ−3−クロロプロピオフェノンレゾルシノール(200g、1.82mol)及び3−クロロプロピオン酸(200g、1.84mol)の攪拌された混合物にトリフルオロメタンスルフォン酸(1kg)を一塊添加した。上記溶液をゆっくり45分間にわたり80℃に熱し、その後15分間にわたり室温まで冷却し、そしてクロロフォルム(4.0L)中へ注いだ。上記有機部分をゆっくり水(4.0L)中へ注ぎ、そしてその層を分離した。上記水層をクロロフォルム(2回2.0L)で抽出した。上記混合された有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濾過した。in vacuoでの濃縮は橙色の半固体(244.1g)を与え、それは次の段階で使用された原料であった。
【0160】
【化29】

【0161】B. 7−ヒドロキシベンゾピラン−4−オン2Nの水酸化ナトリウム(10.0L)の冷却された(5℃)溶液にステップ(A)の化合物(244.1g)を一塊加えた。上記溶液を湯煎を用いて2時間にわたり室温まで温め、その後50℃まで再冷却し、そして6Mの硫酸(1.2L)でpHを2に調整した。上記混合物を3.0Lの酢酸エチルで3回抽出し、塩水(1回2.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濾過した。in vacuoでの濃縮は黄褐色の固体を与えた。ヘキサンを用いた粉砕、及び濾過は173.7g(58%収率)の表題の化合物を提供した。M.P.136℃〜137℃。
【0162】C. 7−[(トリフルオロメチルスルフォニル)オキシ]−ベンゾピラン−4−オン−78℃で塩化メチレン(3.0L)中の7−ヒドロキシベンゾピラン−4−オン(173.7g、1.05mole)の攪拌された溶液にトリエチルアミン(320g、3.16mole)及びジメチルアミノピリジン(2.5g)を添加された。全ての溶解の後、トリフルオロメタンスルフォニック無水物(327g、1.16mole)を1滴ずつ20分間にわたり添加し、上記原料を−78℃で30分間攪拌し、そしてその後2時間にわたり室温まで温めた。上記反応混合物を飽和した塩化アンモニウム溶液(2.5L)中に注ぎ、そしてその層を分離した。上記水層を2.0Lの塩化メチレンで2回抽出した。上記混合された有機画分を水(1回1.0L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濾過した。in vacuoでの濃縮は赤い油を与えた。ヘキサン:酢酸エチル(8:1)で溶出するシリカゲル(1kg)上でのクロマトグラフィーは、溶媒の除去の後に211.1g(69%収率)の表題の生成物を与えた。mp.43〜44℃。
【0163】D. 7−[(トリフルオロメチルスルフォニル)オキシ]−3−フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オン183mLのメタノール中の7−[(トリフルオロメチルスルフォニル)オキシ]−ベンゾピラン−4−オン(27g、91.2mmole)の攪拌された溶液にベンズアルデヒド(11.1mL、109mmole)、続いてピロリジン(9.1mL、109mmole)を添加した。上記混合物を室温で一晩攪拌し、0℃まで冷却し、そして濾過した。上記固体を50mLの氷冷したメタノールで1回洗浄し、そしてその後in vacuoで乾燥させた;35.2g、(75%収率)の上記題名の生成物が回収された。mp.133〜135℃。
【0164】
【化30】

【0165】E. 7−[(トリフルオロメチルスルフォニル)オキシ]−3−フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オン500mLのParr振騰フラスコ中の250mLの酢酸エチル中の7−[(トリフルオロメチルスルフォニル)オキシ]−3−フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オン(26.6g、69.2mmole)の溶液に炭素触媒(1.3g)上10%パラジウムを添加した。上記混合物を水素取り込みが約3時間後に終わるまで40psiで水素化した。上記混合物を上記パラジウム触媒を除去するためにCELITE(商標)で濾過し、そしてシリカゲル(ヘキサン−エーテル)でクロマトグラフィーされた;25.1g(94%収率)の表題の生成物を得た。mp.56〜58℃。
【0166】
【化31】

【0167】F. 7−(トリメチルスタンニル)−3−フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オン200mLのジオキサン中の7−[(トリフルオロメチルスルフォニル)オキシ]−3−フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オン(9.20g、25.0mmole)の攪拌された溶液に塩化リチウム(3.20、75.0mmole)、Pd(PPh3)、(1.15g、1.0mmole)、ブチル化ヒドロキシトルエンの3の結晶、及びヘキサメチルジチン(9.0g、27.5mmole)を添加された。上記混合物を環流まで1.5時間熱し、室温まで冷却し、そして150mLの飽和した水性塩化アンモニウム溶液中へ注いだ。上記混合物を150mLのジエチルエーテルで3回抽出し、そしてその混合された有機画分を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濾過した。in vacuoでの蒸発は黄色半固体を与え、それはシリカゲル(5:1 ヘキサン:エーテル)上でクロマトグラフィーされ、8.90g(89%収率)の表題の生成物を与えた。mp.84℃〜86℃。
【0168】
【化32】

【0169】G. 7−(3−カルボメトキシフェニル)−3−)フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オンジメチルフォルムアミド(DMF)(35mL)中の7−(トリメチルスタンニル)−3−フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オン(7.0g、17.5mmole)の攪拌された溶液にPd(PPh32Cl2(490mg、0.7mmole)、BHTの3の結晶、及びメチル−3−ヨードベンゾエート(5.0g、19.1mmole)を添加した。上記混合物を環流で1.5時間攪拌し、室温で冷却し、そして150mLの飽和した水性塩化アンモニウム溶液中に注いだ。上記混合物を150mLのジエチルエーテルで3回抽出し、そして上記混合された抽出物を100mLの水で2回、そしてその後塩水で洗浄した。上記溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そしてin vacuoで蒸発して黄色油を提供した。シリカゲル(4:1 ヘキサン:エーテル溶出)上でのクロマトグラフィーは6.51gの表題の化合物を粘性の油として提供した。
【0170】
【化33】

【0171】H. 7−(3−カルボメトキシフェニル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルメチル−ベンゾピラン室温で35mLのメタノール中の7−(3−カルボメトキシフェニル)−3−)フェニルメチル−ベンゾピラン−4−オン(6.50g、17.5mmole)の攪拌された溶液にボロヒドリドナトリウム(940mg、26.0mmole)を一塊添加された。上記濃い色の混合物を室温で2時間攪拌し、その後飽和された水性塩化アンモニウム溶液(75mL)中へ注ぎ、そして75mLのジエチルエーテルで3回抽出した。上記混合された抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そしてin vacuoで濃縮してオフイエロー色の油を得た。4:1のヘキサン:エーテルで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによりはじめに3.26gのシス環アイソマーの表題の化合物、そしてその後1.98gのトランスアイソマーの表題の化合物を粘性の油として得たし、総収率は81%であった。シス環アイソマー:【0172】
【化34】

【0173】トランス環アイソマー:【0174】
【化35】

【0175】I. N−α−t−ブトキシカルボニル−L−トリプトファン−7−[(3−カルボメトキシフェニル)−3−フェニルメチル]−ベンゾピラン−4−イル]−エステル70mLの塩化メチレン中の7−(3−カルボメトキシフェニル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルメチル−ベンゾピラン(2.5g、6.7mmole)の攪拌された溶液にDMAP(897mg、7.34mmole、1.1当量)、DCC(1.51g、7.34mmole、1.1当量)及びN−t−Boc−L−トリプトファン(2.4g、8.01mmole、1.2当量)を添加された。上記混合物を室温で12時間攪拌し、濾過し、そして1MのHCl及び塩水で洗浄した。上記有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、そしてin vacuoで濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル−3:1 シクロヘキサン:エーテル)は860mgのより極性でないジアステレオマー(Rf=0.3)及び700mgのより極性の可動ジアステレオマー(Rf=0.2)を提供した。より極性でない生成物(3S,4R):【0176】
【化36】

【0177】より極性の生成物(3R,4S):【0178】
【化37】

【0179】調製法(5)表(5)中の以下の化合物を上記調製法(4)中に示される手順に従って加水分解により調製した。
【0180】
【表6】

【0181】
【表7】

【0182】調製法(6)調製法(4)に従う対応するエステルの加水分解手順により、158〜160℃(シス)及び173〜175℃(トランス)の融点を有する、7−(4−ヒドロキシ−3−カルボキシフェニル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルメチル−2H−1−ベンゾピランが形成された。
【0183】本発明はそのある特定の態様に関して記述され、そして例証されているが、当業者は手順及びプロトコールのさまざまな適用、変化、修飾、置換、欠損又は追加が本発明の本質及び範囲からはずれることなしになされうると理解されるであろう。それゆえ、本発明は以下の請求項の範囲により定義され、そして上記請求項は妥当であるとされるほど広く解釈されるということが意図される。
【出願人】 【識別番号】397067152
【氏名又は名称】ファイザー・プロダクツ・インク
【出願日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2003−34638(P2003−34638A)
【公開日】 平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願番号】 特願2002−185853(P2002−185853)