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【発明の名称】 リザーバー型投与デバイス
【発明者】 【氏名】中島 法子
【住所又は居所】埼玉県春日部市南栄町8番地1 埼玉第一製薬株式会社内

【要約】 【課題】薬剤を含む液状又はゲル状の調整物を経皮的又は経粘膜的に投与するリザーバー投与デバイスの提供。

【解決手段】支持体フィルム1と放出制御膜層5との間に薬剤貯蔵槽2を有し、放出制御膜層の支持体フィルムと接着した面の反対側の面に粘着剤層7、剥離フィルムが積層されたリザーバー型投与デバイスにおいて、放出制御膜と薬剤貯蔵槽との間に、内部チャックフィルム3を設けることにより、保管時に薬剤液が薬剤貯蔵槽から漏れ出すことを防止でき、更に内部チャックフィルムの剥離手段を設けたので、デバイスの使用時に内部チャックフィルムと支持体との密着を開放することができるリザーバー型投与デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】経皮的に薬剤を投与するための、リザーバー型投与デバイスであって、(a)薬剤含有液または薬剤含有ゲルに対して非透過性の支持体フィルム;
(b)該支持体フィルムの中央部分の下側に位置し、薬剤含有液または薬剤含有ゲルを含有する薬剤貯蔵槽;
(c)該薬剤貯蔵槽及び支持体フィルムの下側に位置し、該薬剤貯蔵槽の大きさよりは大きいが、支持体フィルムよりも小さい大きさの薬剤含有液または薬剤含有ゲルの非透過性の内部チャックフィルムであって、薬剤貯蔵槽の位置する個所よりも外側の部分に、該内部チャックフィルムを該支持体フィルムから剥離させる機能を有するチャック剥離手段を有し、該チャック剥離手段の個所が支持体フィルムに密着して、デバイスの貯蔵時には薬剤貯蔵槽からの薬剤含有液または薬剤含有ゲルの放出制御膜からの漏れ出しを防止するための内部チャックフィルム;
(d)該内部チャックフィルムの薬剤貯蔵槽の設けられた面とは反対側にあって、該内部チャックフィルムが位置するよりも外側の部分で支持体フィルムと1カ所または2カ所以上の箇所でヒートシールされた放出制御膜;
(e)該放出制御膜の支持体フィルムとヒートシールされた面とは反対側の表面の全面、またはその表面の該薬剤貯蔵層の位置する個所を除いた表面に粘着剤が塗布された粘着剤層;
(f)該粘着剤層の放出制御膜がある面とは反対の表面に位置し、支持体フィルムの大きさと同じ大きさであり、薬剤成分及び水に対して非透過性で剥離可能な剥離ライナー層;及び(g)該支持体フィルムの外側表面に位置して、該リザーバー型投与デバイスを使用する際に、内部チャックフィルムを支持体フィルムから剥離するチャックフィルム外部剥離手段;とからなることを特徴とするリザーバー型投与デバイス。
【請求項2】内部チャックフィルムが四角形であることを特徴とする請求項1に記載されたリザーバー型投与デバイス。
【請求項3】内部チャックフィルムがポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる高分子からなるフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載されたリザーバー型投与デバイス。
【請求項4】チャックフィルム剥離手段が、(i)内部チャックフィルムの外縁部に設けられた溝構造のチャックフィルム剥離手段;
(ii)(i)の溝構造に咬合するように支持体フィルムの相対する個所に設けられた咬合する突起−溝構造;及び(iii)(ii)の溝構造部分に嵌め込むことによって、内部チャックフィルムと支持体フィルムとを圧迫することにより、薬剤貯蔵槽から薬剤含有液または薬剤含有ゲルの流出を防止し、取り外すことによって薬剤含有液または薬剤含有ゲルを薬剤貯蔵槽から放出制御膜部へ放出させるための、チャックフィルム外部剥離手段;とからなることを特徴とする請求項1ないし3に記載されたリザーバー型投与デバイス。
【請求項5】チャックフィルム剥離手段が、(i)内部チャックフィルムの外縁部に設けた、チャックフィルム剥離手段としての機能を持つ内部保形成フィルム;
(ii)(i)の内部保形成フィルムに相対する支持体フィルムの外表面部の箇所に、チャックフィルム外部剥離手段としての外部保形成フィルム;及び(iii)(ii)の外部保形成フィルムの一部に設けた保形成フィルム取外しタグ;
とからなるチャックフィルム剥離手段であって、該チャックフィルム剥離手段が、(i)の内部保形成フィルム、支持体フィルム、と(ii)の外部保形成フィルムとを、細かな凹凸を設けて圧迫成型することにより、形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載されたリザーバー型投与デバイス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤を含む液状またはゲル状の調整物を経皮的または経粘膜的に投与するリザーバー投与デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】薬物を皮膚あるいは粘膜を通して患者に投与する、いわゆる経皮投与製剤あるいは経粘膜投与製剤が、薬物を長期間にわたって一定の量を連続的に投与することが出来ること、また、経口投与時に見られる胃腸障害等の副作用も回避できることから注目されるようになった。
【0004】経皮投与製剤あるいは経粘膜投与製剤は、薬剤が粘着剤層中に含まれたマトリックス型投与デバイスと、薬剤貯蔵槽を有するリザーバー型投与デバイスに分類される。マトリックス型投与デバイスは配合する薬剤の処方量が製剤の構造上限定されるが、リザーバー型投与デバイスは薬剤貯蔵槽を有するため、マトリックス型投与デバイスよりも多量の薬剤を保持することが出来る利点が注目されており、本発明もリザーバー型投与デバイスに関するものである。
【0005】一般的には、リザーバー型投与デバイスは微孔性の放出制御膜の一つの面に薬剤溶液の非透過性素材からなる支持体で囲まれた薬剤貯蔵槽が設けられている。薬剤貯蔵層には投与する薬剤の他に、1種または1種以上の溶媒、及び吸収促進剤のほかに、場合によっては安定化剤、溶解剤、増粘剤を含む溶液またはゲル状物が封入される。そして、放出制御膜の他の面には粘着剤が塗布されてなる粘着剤層が形成される等の何らかの患部への接着手段を有し、さらにその外側に粘着剤層を保護するために剥離可能な剥離ライナー層が設けられている製剤がよく知られている。
【0006】投与デバイスを使用するときには、最外部にある剥離ライナーを剥離して、患者の皮膚または粘膜に投与デバイスの粘着剤層を貼り付ける。薬剤は放出制御膜の細孔を通して徐々に放出され粘着剤を通過して患者の皮膚または粘膜から吸収される。
【0007】薬剤の種類によっては粘着剤層において薬剤が粘着剤に吸着して、皮膚または粘膜への放出が極端に少なくなることがしばしば見られる。このために放出制御膜の薬物貯蔵槽の直下の部分には粘着剤を塗布しないリザーバー型投与デバイスや、薬剤貯蔵槽の外周部分の粘着剤層に切れ目を入れることにより、剥離ライナーを除去する際に、薬剤貯蔵槽部分の粘着剤層部分が剥離ライナーと一緒に除去されるように工夫されたリザーバー投与デバイス等が検討されている。しかしながら、薬剤貯蔵槽部分に粘着剤を塗布しないリザーバー投与デバイスは、粘着剤層の塗布されていない部分に空間ができ、投与デバイスの保存中にこの空間部に薬液が溜り、使用時に剥離フィルムを剥がす際に、薬剤液の損失が生ずることになり好ましくない。また、薬剤貯蔵槽の外周部分の粘着剤層部分に切れ目を入れても、使用時に剥離ライナーを除去する際に粘着剤が完全に剥がすことができずに、粘着剤の剥がし残り等が発生することがあるなどの問題点があった。
【0008】また、放出制御膜の薬剤貯蔵槽がある面とは反対側の表面全面に塗布されたタイプのリザーバー型デバイスでは薬剤含有液またはゲルが保存期間中に常に粘着剤と接触することにより、薬剤含有液またはゲルに含まれる溶媒と粘着剤との組合せによっては粘着剤の粘着力が低下したり、薬剤含有液またはゲルの液漏れが生じることがあった。又粘着剤層から溶媒が揮散するなどの問題等があった。
【0009】また、更に保存期間中に粘着剤層の粘着剤と薬剤、経皮吸収促進剤、または溶媒との相互作用により、リザーバー投与デバイスの患部への貼付した時に、薬剤の経皮吸収時間が遅くなることが見られることもあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、リザーバー投与デバイスにおいて、保存期間中に薬剤貯蔵層から放出制御膜を通して粘着剤層へ薬剤含有液またはゲルが漏れ出すことを防止する機構を設けて、保存中に薬剤含有液またはゲルと粘着剤との相互作用及び溶媒の揮散等が生じるなどの問題点を解決したリザーバー型デバイスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点を解決すべく鋭意研究を行なった。その結果、支持体フィルムと放出制御膜層との間に薬剤貯蔵槽を有し、放出制御膜層の支持体フィルムと接着した面とは反対の表面の全面、または薬剤貯蔵槽の下部を除いた表面に粘着剤層を設け、更にその外部にデバイスと同じ大きさの剥離ライナーを設けたリザーバー型投与デバイスにおいて、薬剤貯蔵槽と放出制御膜との間に内部チャックフィルムを設けたデバイスであって、この内部チャックフィルムは薬剤貯蔵槽よりも大きいが、デバイス全体の大きさよりは小さいものであって、内部チャックフィルムの薬剤貯蔵槽よりも外側に相当する個所に、支持体フィルムから内部チャックフィルムを剥離する剥離手段を有する構造とすることによって、デバイスの使用する際に、この剥離手段を用いて内部チャックフィルムを支持体フィルムから剥離させることができる。この機構によって内部チャックフィルムと支持体フィルムの間にできた間隙を通して、薬剤含有液またはゲルが薬剤貯蔵槽から放出制御膜側に流出し、次いで放出制御膜から粘着剤層を通して、または放出制御膜から直接に、皮膚または粘膜の貼付した部位に放出させることができる。投与デバイスの保存中は、内部チャックフィルムのチャック剥離手段の部位が支持体フィルム部分に密着することにより、薬剤含有液またはゲルを薬剤貯蔵槽内に保持することができる機構となっているので、リザーバー型投与デバイスを製造した後、保存期間中に薬剤含有液またはゲルが薬剤貯蔵槽から流出を防ぐことができ、粘着剤層の粘着力の低下や、溶媒の揮散等の問題を解決することができることを見出した。本発明はこれらの知見をもとに完成されたものである。
【0012】すなわち、本発明は経皮的に薬剤を投与するための、リザーバー型投与デバイスであって、(a)薬剤含有液または薬剤含有ゲルに対して非透過性の支持体フィルム;(b)該支持体フィルムの中央部分の下側に位置し、薬剤含有液または薬剤含有ゲルを含有する薬剤貯蔵槽;(c)該薬剤貯蔵槽及び支持体フィルムの下側に位置し、該薬剤貯蔵槽の大きさよりは大きいが、支持体フィルムよりも小さい大きさの薬剤含有液または薬剤含有ゲルの非透過性の内部チャックフィルムであって、薬剤貯蔵槽の位置する個所よりも外側の部分に、該内部チャックフィルムを該支持体フィルムから剥離させる機能を有するチャック剥離手段を有し、該チャック剥離手段の個所が支持体フィルムに密着して、デバイスの貯蔵時には薬剤貯蔵槽からの薬剤含有液または薬剤含有ゲルの放出制御膜からの漏れ出しを防止するための内部チャックフィルム;(d)該内部チャックフィルムの薬剤貯蔵槽の設けられた面とは反対側にあって、該内部チャックフィルムが位置するよりも外側の部分で支持体フィルムと1カ所または2カ所以上の箇所でヒートシールされた放出制御膜;(e)該放出制御膜の支持体フィルムとヒートシールされた面とは反対側の表面の全面、またはその表面の該薬剤貯蔵層の位置する個所を除いた表面に粘着剤が塗布された粘着剤層;(f)該粘着剤層の放出制御膜がある面とは反対の表面に位置し、支持体フィルムの大きさと同じ大きさであり、薬剤成分及び水に対して非透過性で剥離可能な剥離ライナー層;及び(g)該支持体フィルムの外側表面に位置して、該リザーバー型投与デバイスを使用する際に、内部チャックフィルムを支持体フィルムから剥離するチャックフィルム外部剥離手段;とからなることを特徴とするリザーバー型投与デバイス、を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態について、図1、図2、図3及び図4を参照しつつ説明するが、本発明はこの特定の態様に限定されるものではない。
【0014】図1に本発明のリザーバー型投与デバイスの一態様の投与デバイス01の拡大図とその拡大断面図を示す。該投与デバイス01は、支持体フィルム1、内部チャックフィルム3、放出制御膜5、粘着剤層7、及び剥離ライナー8の積層体として構成され、支持体フィルム1と内部チャックフィルム3との間の空間部に、薬剤貯蔵槽2が構成されている。本投与デバイス01では、粘着剤層7は放出制御膜5の支持体フィルム1と反対側の表面全面に塗布されている。支持体フィルム1と、内部チャックフィルム3はともに、薬剤含有液またはゲルに対して非透過性であり、薬剤含有液またはゲルが漏出しない部材で構成されている。内部チャックフィルム3の大きさは薬剤貯蔵槽2の面積よりは大きいが、支持体フィルム1の大きさよりも小さく、該内部チャックフィルム3の外縁部近くに、投与デバイスを使用する際に、内部チャックフィルム3を支持体フィルム1から剥離するためのチャックフィルム剥離手段4が備えられている。
【0015】該チャックフィルム剥離手段4は、内部チャックフィルム3の外周部に設けられた溝部分からなり、該溝部分に支持体フィルム1に設けられた突起−溝構造の突起部分が咬合し、該支持体フィルム1の外表面の突起−溝構造の溝部分には、弾力性のある素材からできたリング状のチャックフィルム外部剥離手段9が嵌め込まれている。該チャックフィルム剥離手段9は弾力性があるので、支持体フィルム1の突起−溝構造の溝部分に嵌め込まれた時には、支持体フィルム1と、内部チャックフィルム3に設けられたチャックフィルム剥離手段4とを密着させることによって、薬剤貯蔵槽2から薬剤含有液またはゲルが漏れ出すことを防止する。投与デバイスを使用する際には、該チャックフィルム外部剥離手段9を支持体フィルム1から取り除くことにより、該支持体フィルム1と内部チャックフィルム3のチャックフィルム剥離手段4との間に空隙ができ、該空隙から薬剤含有液またはゲルが放出制御膜5の方へと流出する。放出制御膜5は薬剤含有液またはゲル中の各成分に対して透過性であり、薬剤含有液またはゲルが放出制御膜5から浸出して、放出制御膜5の下部に設けられた粘着剤層7を通して、皮膚面または粘膜面に到達できるような機構となっている。
【0016】ヒートシール部6は、放出制御膜5と支持体フィルム1とを接着するためのものであって、放出制御膜5の内部チャックフィルム3よりも外側に位置する1個または2個以上のトラックとして外周部分に設けられる。通常は同心円状に適宜の間隔で、トラックが適宜の幅、例えば一つのトラックのシール幅は数ミリメートル程度、好ましくは1mm〜6mmで、トラック間の間隔が、好ましくは1mm〜15mmであるように形成されている。このヒートシール部6は永続的ヒートシールとも呼ばれる場合があり、薬剤含有液またはゲルがそのヒートシール部から漏出しないように、該支持体フィルム1と放出制御膜5とを完全に固着できるように形成されている。また、該放出制御膜5と該内部チャックフィルム3とは薬剤含有液またはゲルが通過するための若干の空隙がある構造となっている。
【0017】粘着剤層7は、該放出制御膜5の支持体フィルム1と接着された面とは反対側の表面の全面に設けられている。そしてその粘着剤層の厚さは、デバイスを皮膚または粘膜に貼付することのできる厚さであればよく、20μm〜300μmの厚みに、好ましくは50μm〜150μmの厚みとなるように、貼付剤に通常使用される感圧接着剤を塗布して形成する。
【0018】粘着剤層7の放出制御膜5に接着した面とは反対側の表面には剥離ライナー8が積層されている。該剥離ライナー8は粘着剤層7と放出制御膜5を、投与デバイスの保管時に保護する役割をはたす。従って、該剥離ライナー8の大きさは、該投与デバイスと同じ大きさであることが好ましい。該剥離フィルム8は該投与デバイスを使用するときに、粘着剤層から剥離する。
【0019】図2は、本発明の第二の形態の投与デバイス02の拡大図と、該デバイスの拡大断面図である。該投与デバイス02は、図1のデバイスの粘着剤層7が、放出制御膜5の支持体フィルム1が接着している面とは反対側表面の薬剤貯蔵槽の下部を除いた部分にのみ設けられている点を除いては、図1のリザーバー型投与デバイスと同じである。
【0020】図3は、本発明の第三の形態の投与デバイス03の拡大図と、該デバイスの一方向の拡大断面図である。該投与デバイス03においては、支持体フィルム1、薬剤貯蔵槽2、放出制御膜5、ヒートシール部6、粘着剤層7、剥離ライナー8は第二の形態の投与デバイス02と同じである。第三の形態の投与デバイス03では、内部チャックフィルム3は四角形であって、その大きさは薬剤貯蔵槽2よりも大きい。該内部チャックフィルム3のうちの相対する2辺は支持体フィルム1とヒートシール部6’でヒートシールすることにより固定され、残る2辺は、第二の形態の投与デバイス02におけるチャックフィルム剥離手段4と同じ機能を持つチャックフィルム剥離手段4が施されている。該チャックフィルム剥離手段4は、四角形の内部チャックフィルム3の2辺の辺縁部に設けられた溝部分からなり、該溝部分に支持体フィルム1に設けられた突起−溝構造の突起部分が咬合する。該支持体フィルム1の外表面の該突起−溝構造の溝部分には、弾力性のある素材からできたチャックフィルム外部剥離手段9が嵌め込まれている。該チャックフィルム剥離手段9は弾力性があるので、支持体フィルム1の該突起部分に嵌め込まれている時には、支持体フィルム1と、内部チャックフィルム3に設けられたチャックフィルム剥離手段4とを密着させることによって、薬剤貯蔵槽2から薬剤含有液またはゲルが漏れ出すことを防止する。該投与デバイス03の使用する際に、この2辺の該チャックフィルム外部剥離手段9を支持体フィルム1から取り除くことにより、該支持体フィルム1と内部チャックフィルム3のチャックフィルム剥離手段4との間が剥離されて空隙ができ、該空隙から薬剤含有液またはゲルが放出制御膜5の方へ流出する構造になっている。
【0021】図4は、本発明の第四の形態の投与デバイス04の拡大図と、一方向の拡大断面図である。該投与デバイス04において、支持体フィルム1、薬剤貯蔵槽2、放出制御膜5、ヒートシール部6、粘着剤層7、及び剥離ライナー8は第一の形態の投与デバイス01と同じである。第四の形態の投与デバイス04では、内部チャックフィルム3の形態は、第一の形態の投与デバイス01の内部チャックフィルムの形態と類似しているが、チャックフィルム剥離手段の構造と、剥離する手段が異なる。
【0022】該投与デバイス04においては、本発明の投与デバイス01〜03の内部チャックフィルムに変わり内部保形成フィルム付き内部フィルムを用い、また、チャックフィルム外部剥離手段に代わり、外部保形成フィルムを用いる。内部フィルム12の外周部には、内部保形成フィルム13がシールされている。また、内部保形成フィルム13に相対する支持体フィルム1の外表面部には、外部剥離手段として外部保形成フィルム14が設けられている。チャックフィルム剥離手段は、内部保形成フィルム13と、該支持体フィルム1と、その外側に位置する外部保形成フィルム14とを細かな凹凸を設けて圧縮成型することで成型される。投与デバイス04を使用する際には、該外部保形成フィルム14の一部に設けた保形成フィルム取外しタグ11を支持体フィルム1から引き剥がすことにより、該外部保形成フィルム14が支持体フィルム1から薬物貯蔵槽2の外周に沿って剥離除去される。これにより、該内部保形成フィルム13が支持体フィルム1から剥がれることにより、内部フィルム12と支持体フィルム1との間に間隙が生じて、薬剤含有液またはゲルが、薬剤貯蔵槽2から内部チャックフィルム3と放出制御膜5との間の間隙へ流出し、放出制御膜5をとおして、薬剤が皮膚または粘膜に放出される。
【0023】次に、本発明のリザーバー型投与デバイスを構成する各構成要素について説明する。支持体フィルムは、薬剤含有液またはゲルが実質的に非透過性であり、皮膚または粘膜面の動きに追随性のある素材であれば、その部材は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、ポリウレタンから選択される高分子から選ばれるフィルムを用いることができる。また、これらの素材とアルミニウム箔等の金属箔から選ばれる1種または2種以上のフィルムを積層した材料も用いることができる。さらに、上記の高分子フィルムにアルミニウム等の金属を蒸着したフィルム、または発泡フィルム、紙などとの積層体も用いることができる。例えば、ポリエチレン−ポリ塩化ビビリデン−ポリエチレンの積層フィルムが好適に用いることができる。支持体フィルムと内部チャックフィルムとの間に設けられる薬剤貯蔵槽部は当業者に周知の方法で容易に形成することができ、例えば成型シール機などを用いて金型成型により形成することができる。
【0024】内部チャックフィルムは、薬剤含有液またはゲルが実質的に非透過性であり、皮膚または粘膜面の動きに追随性のある素材であれば、その部材は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、ポリウレタンから選択される高分子から選ばれるフィルムを用いることができる。該内部チャックフィルムは単層のフィルムであっても、また、前記の高分子フィルムの2種以上のフィルムを積層した構造の積層フィルムであってもよい。そして、内部チャックフィルムは10μm〜100μmの厚さのものが好ましく、厚さが500μmより厚いものは内部チャックフィルムの機能が発揮できないので好ましくない。なお、本発明の第四の形態のデバイスで用いる内部フィルムも内部チャックフィルムと同じ素材の高分子フィルムを用いることができる。
【0025】放出制御膜としては、適宜の速度で薬物含有液またはゲルを透過できるものであればその種類は特に限定されないが、例えば微孔質または多孔質のフィルムを用いることができ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体などのフィルムを用いることができる。より具体的には、多孔質ポリエチレンフィルムや多孔質エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムなどが強度や風合い、ヒートシールなどの易加工性の面から好適である。放出制御膜の厚さは、5μm〜200μm、好ましくは20μm〜150μmが適している。
【0026】内部チャックフィルムの剥離手段として用いるチャックフィルム外部剥離手段としては、本発明の第一の形態、第二の形態、及び第三形態の投与デバイスにおいては、適度な弾性を有する素材のものが用いることが好ましく、例えばゴム系、シリコン系、テフロン(登録商標)系の素材から選ぶことができる。そして、その太さと長さは、チャックフィルム剥離手段と支持体フィルムの該当する箇所に設けた、該チャックフィルム外部剥離手段を嵌め込む溝部分の太さと長さに適合するものであればよく、この溝部分に該チャックフィルム外部剥離手段を嵌め込むことによって、支持体フィルムと内部チャックフィルムが圧迫され、薬剤貯蔵槽から薬剤含有液またはゲルが流出することが防げるだけの圧力が得られるような太さであれば用いることができる。該溝部分の大きさに比して、該チャックフィルム外部剥離手段の太さが小さすぎると、十分な圧力がえらず、薬剤貯蔵槽から薬剤含有液またはゲルが流出することが防げなくなり、また太すぎる場合も該溝部分に嵌め込むことができなくなるので好ましくない。
【0027】本発明の第四の形態の投与デバイスにおいて、チャックフィルム外部剥離手段として用いられる保形成フィルムは、プラスチックフィルムにアルミニウム、銅、スズ、あるいは亜鉛から選ばれる1種または2種以上の金属を積層することによって、鋳型性を持たせたフィルムを用いることができ、その幅は5mm〜10mmの幅のもので、また、厚さは50μm〜300μmのものを用いることが好ましい。
【0028】本発明のリザーバー型投与デバイスを皮膚面または粘膜面に貼り付けるために、投与デバイスの放出制御膜表面に塗布する粘着剤としては、皮膚面や粘膜面に投与デバイスを固定できる慣用の感圧粘着剤から、適宜選択して使用することができる。例えば、アクリル酸エステル重合体、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体、天然ゴム、ビニルエーテル共重合体、ポリジメチルシロキサン、メタクリル酸エステル重合体などをベースポリマーとする感圧性粘着剤を塗布することが好ましい。これらのうちで、ポリイソブチレン系及びポリイソブチレン型とスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の混合型からなる感圧性粘着剤が好ましい。また場合によって、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族不飽和炭化水素樹脂、ロジンエステル、水素添加ロジングリセリンエステル、テルペン樹脂などの粘着付与剤、及び/またはポリイソプレン、ポリブテン、ヤシ油、精製ラノリン等の軟化剤を配合することもできる。
【0029】本発明のリザーバー型投与デバイスを皮膚面または粘膜面に貼り付けるために、投与デバイスの放出制御膜表面の、薬剤貯蔵槽面を除いた部分に塗布する粘着剤層に用いられる粘着剤としては、皮膚面や粘膜面に投与デバイスを固定できる慣用の感圧粘着剤から、適宜選択して使用することができる。例えば、アクリル酸エステル重合体、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体、天然ゴム、ビニルエーテル共重合体、ポリジメチルシロキサン、メタクリル酸エステル重合体などをベースポリマーとする感圧性粘着剤を塗布することが好ましい。これらのうちで、ポリイソブチレン系及びポリイソブチレン系とスチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体の混合系からなる感圧性粘着剤が好ましい。また場合によって、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族不飽和炭化水素樹脂、ロジンエステル、水素添加ロジングリセリンエステル。テルペン樹脂等の粘着付与剤、及び/またはポリイソブチレン、ポリブデン、ヤシ油、精製ラノリン等の軟化剤を配合することもできる。
【0030】剥離ライナーは薬物非透過性の素材で、投与デバイスの使用時に、粘着剤層から剥離して用いることができる素材であれば用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子フィルム、アルミニウム、亜鉛などの金属箔、紙、及び繊維から選ばれるフィルム、または2種以上の素材を積層したラミネートフィルムをあげることができる。剥離ライナーの厚さは、50μm〜150μmのものが好適に用いることができる。また、該剥離ライナーの粘着剤層と接着する面にシリコンなどで薄いコーティング膜を施すことも可能である。
【0031】薬剤含有液またはゲルに含まれる薬剤の種類は、経皮吸収可能な薬剤であれば特に限定されないが、例えば、モルヒネ及びその塩、フェンタニール、ブプレノルフィン、ジヒドロキシエトルフィンなどの麻薬性鎮痛剤;インドメタシン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコールなどの非ステロイド系抗炎症剤;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、ジプロピオン酸ベタメサゾン、吉草酸ベタメサゾン、トリアムシノロンなどのステロイド系抗炎症剤;ベンドロフルメチアジド、ポリチアジド、メチクロチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロチアジドなどの利尿剤;
【0032】プラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシンなどの排尿障害治療剤;ジアゼパム、ニトラゼパム、クロルプロマジン、レセルピン、ハロペリドールなどの向精神薬;バルビタール、チオペンタール、フェノバルビタール、シクロバルビタールなどの催眠剤;バルプロ酸ナトリウム、メプロバメートなどの抗てんかん剤;
【0033】クロルゾキサゾン、レボドーパなどの抗パーキンソン病薬;塩酸メトクロプラミド、トクロプラミドなどの制吐剤;インシュリン、テストステロン、エストラジオール、プロゲステロンなどのホルモン剤;ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、ジピリダモールなどの冠血管拡張薬;
【0034】塩酸ニカルジピン、塩酸ジルチアゼム、ニフェジピン、ニルジピンなどのカルシウム拮抗剤;フマル酸ケトチフェン、ロタラニドなどの抗アレルギー薬;ツルブテロールサルブタモール、フマル酸ホルモテロールなどの抗ぜんそく薬;ニコチンなどの禁煙補助剤などをあげることができるが、これらに限定されることはない。
【0035】薬剤含有液またはゲルの形態は、経皮吸収用または経粘膜吸収製剤として適する液状またはゲル状(半固形状)の形態であればよく、特に限定されることはない。薬物含有液またはゲルとして、通常は、水溶液またはグリセリンなどの非水溶液、またはエタノール含有水溶液など、適宜の液状形態の薬剤含有液を用いることができる。薬剤含有液に含まれる薬剤の濃度も特に限定されず、当業者が適宜選択することができる。薬剤含有液の調整も当業者に周知・慣用の調整方法を適宜選択することができる。薬剤含有液またはゲルの調整にあたっては、1種または2種以上の製剤用添加物を用いることができるが、それらの必要性及び種類は、製剤形態の種類に応じて当業者が適宜選択することが可能である。
【0036】薬剤含有液またはゲルには、一般に外用剤として用いられる溶剤、及び経皮、経粘膜吸収促進剤を用いることができる。例えば、イソプロパノール、エタノール、ベンジルアルコール、ノナノール、デカノール、ドデカノールなどのアルコール類、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコールなどの多価アルコール類、n−ヘプタン、n−ノナンなどの高級アルカン類、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸などの高級脂肪酸類、モノカプリル酸グリセリン、モノカプリン酸グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸ヘプチルなどの高級脂肪酸エステル類、1−メントール、シネオールなどのテルペン類、ハッカ油などの精油類、乳酸、クエン酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類などがあげられる。
【0037】また、そのほかゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子、ワセリン、流動パラフィンなどの油性基剤、防腐剤、着色料、乳化剤、保存剤などを製剤用添加剤として用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】なお、本発明のリザーバー型投与デバイスの形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、四角形、多角形などのいずれの形状でもよいが、好ましくは円形または四角形の形状である。投与デバイスの大きさも特に限定されないが、薬物を放出する面の面積が、例えば、3〜200cmの範囲であることが利便性の点から好ましい。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されることはない。
【0040】実施例1図1に示される本発明の投与デバイスを製造した。成型シール機を用いて、ポリエチレン−ポリ塩化ビニリデン−ポリエチレンで積層された支持体フィルム(バリアロンCX−26、厚み64μm、旭化成工業株式会社)を圧力5kgf/cm、金型温度45℃で、直径16mm、容積約0.5mLのドーム状の凹部(■とする)と、これと同心円状に内径18mm、外径28mm、深さ約2mmの凹部(■とする)を作成した。■に50(V/V)%エタノール水溶液を0.4mL加え。その上をチャックフィルム剥離手段付き内部チャックフィルム(放出制御膜と接する面に凸凹加工したポリエステル−エチレン−酢酸ビニルの積層フィルム(厚み100μm、直径28mm)と内径19.5mm、外径26.5mm、溝幅約2mmの凹チャックからなる)で覆い、支持体フィルムの外表面側からテフロン製のチャックフィルム外部剥離手段(OリングS−22、太さ1.5mm、内径21.5mm、外径24.5mm)を■に沿ってチャックフィルム剥離手段部位に支持体フィルムと共に嵌め込み、50(V/V)%エタノール水溶液を封じ込め、薬剤貯蔵槽を作った。また、チャックフィルム外部剥離手段取外しタグとして、支持体フィルムとチャック外部剥離手段との間にポリエステル製のフィルム(厚み16μm、幅2mm、円周約20mm)を通し、接着剤で輪状にした。その後、内部チャックフィルムの上にポリエチレン製の多孔性の放出制御膜(セティーラE25LMS、厚み25μm、東燃化学株式会社)をかぶせ、圧力5kgf/cm、金型温度140℃で、■の中心から同心円状に2重の熱癒着(最内円:内径32mm、外径34mm、癒着幅1mm、最外円:内径38mm、外径46mm、癒着幅4mm)をした。
【0041】ポリイソブチレン系粘着剤として、VISTANEX MML−100(トーネックス株式会社)、ハイモール4H(日本石油化学株式会社)、ESCORETZ 1202U(トーネックス株式会社)を溶剤のn−ヘプタンに混合溶解させ、コーティング試験機(ダイカジャパン製、Mathis LTE−S(M))を用いて、表面をシリコン処理されたポリエステル製の剥離ライナー(PET10011、リンテック株式会社)に約200μmの厚みで塗膏し、乾燥温度50℃で10分間乾燥した後、表面を易剥離性のシリコンで処理された剥離紙(ブルーグラシン、王子タック株式会社)で粘着面を覆い、厚み約80μmの粘着層を得た。この粘着層を一辺約60mmの四角形に切断し、易剥離性の剥離紙を剥離後、粘着面を圧力5kgf/cmで放出制御膜の上に圧着した。最後に直径44mmに裁断し、本発明のリザーバー型投与デバイスを製造した。
【0042】実施例2図2に示される本発明の投与デバイスを製造した。このデバイスは、実施例1の薬物拡散部の粘着層を取り除いた構造となっている。実施例1で使用したものと同じポリイソブチレン系粘着剤(一辺約60mmの四角形)の中心部を直径30mmに打ち抜き、易剥離性の剥離紙を剥離後、粘着面を圧力5kgf/cmで放出制御膜の上に圧着した。それ以外は、実施例1と同様の方法でリザーバー型投与デバイスを作成した。
【0043】実施例3図3に示される本発明の投与デバイスを製造した。支持体フィルム(バリアロンCX−26、厚み64μm、旭化成工業株式会社)を圧力5kgf/cm、金型温度45℃で、直径16mm、容積約0.5mLのドーム状の凹部(■とする)と、■の中心から最短距離で18mmのところから幅5mm、長さ50mm、深さ約2mmの凹部(■とする)を■を挟んで平行に2本作成した。■に50(V/V)%エタノール水溶液を0.4mL加え、その上から四角形のチャックフィルム剥離手段付き内部フィルム(放出制御膜と接する面に凸凹加工したポリエステル−エチレン−酢酸ビニルの積層フィルム(厚み100μm、46mm×50 mm)の長辺の両端に溝幅約2mmの凹チャックが付いている)のチャックフィルム剥離手段部分が■に一致するように覆い、内部チャックフィルムの相対するチャックのない短辺の両端を圧力10kgf/cm、金型温度140℃で、支持体フィルムと熱癒着(癒着幅2mm)し、支持体フィルムの外表面側からテフロン製のチャックフィルム外部剥離手段(OリングS−22を長さ46mmに切断したもの、太さ1.5mm)を■に沿って内部チャックフィルムのチャックフィルム剥離手段部位に支持体フィルムと共に嵌め込み、50(V/V)%エタノール水溶液を封じ込め、薬剤貯蔵槽を作った。その後の放出制御膜の熱癒着(最内円:内径55mm、外径57mm、癒着幅1mm、最外円:内径61mm、外径69mm、癒着幅4mm)や粘着層の圧着は実施例1と同様に行った。
【0044】実施例4図4に示される本発明の投与デバイスを製造した。この投与デバイスは、チャックフィルム剥離手段の代わりに内部保形成フィルム付き内部フィルム(放出制御膜と接する面に凸凹加工したポリエステル製フィルム(厚み16μm、直径28mm)に内径19mm、外形28mm、厚み200μmのアルミニウムが接着されている)と、チャックフィルム外部剥離手段の代わりに外部保形成フィルム(内径19mm、外形28mm、厚み200μmのアルミニウム箔)を用いた。保形成フィルムの外部剥離手段には、外部保形成フィルムの一部に厚み16μm、一辺約10mmのポリエステル製フィルムを接着し、保形成フィルム取外しタグとした。実施例1と同様に金型を用いて成型した■に50(V/V)%エタノール水溶液を0.4mL加え、その上を内部保形成フィルム付き内部フィルムで覆い、このアルミニウム部分と支持体フィルムの外表面側に位置する外部保形成フィルムを用いて■の部位を挟み、それらを上下から細かい凹凸がついた金型を用いて、圧力5kgf/cmで圧縮成型して密着させることで支持体フィルムと内部保形成フィルム付き内部フィルム間に50(V/V)%エタノール水溶液を封じ込め、薬剤貯蔵槽を作った。その後の放出制御膜の熱癒着や粘着層の圧着は実施例1と同様に行った。
【0045】比較例1ポリエチレン−ポリ塩化ビニリデン−ポリエチレンで積層された支持体フィルム(バリアロンCX−26、厚み64μm、旭化成工業株式会社)を圧力5kgf/cm、金型温度45℃で、直径16mm、容積約0.5mLのドーム状の凹部を作成した。この凹部に50(V/V)%エタノール水溶液を0.4mL加え、放出制御膜(セティーラE25LMS、厚み25μm、東燃化学株式会社)をかぶせ、圧力5kgf/cm、金型温度140℃で、凹部の中心から同心円状に2重の熱癒着(最内円:内径32mm、外径34mm、癒着幅1mm、最外円:内径38mm、外径46mm、癒着幅4mm)をし、放出制御膜と支持体フィルム間に50(V/V)%エタノール水溶液を封じ込め、薬剤貯蔵槽を作った。ポリイソブチレン系粘着剤を一辺約60mmの四角形に切断し、易剥離性の剥離紙を剥離後、粘着面を圧力5kgf/cmで放出制御膜の上に圧着した。最後に直径44mmに裁断し、リザーバー型投与デバイスを製造した。
【0046】試験例1:密封性試験試験に用いる前に、各デバイスの上には20g分銅を乗せ、30分以上放置後に液の漏れがないことを確認した。その後、50(V/V)%エタノール水溶液が封入されている各デバイスを40℃(相対湿度65%)恒温室に保存し、その重量を経時的に測定した。結果を表1に示す。表中の数字は、50(V/V)%エタノール水溶液残量の変化を残存率(%)平均値(n=3)で記載した。
【0047】
【表1】

試験開始時の液体重量を100.0%とした場合の液体残存量(%):平均値(n=3)
【0048】試験例2:皮膚への展着性50(V/V)%エタノール水溶液を封入した各デバイスを25℃(成り行き湿度)恒温室に7日間保存し、その後の皮膚への展着性を官能評価した。また、官能評価を行う際には各デバイスを皮膚に貼付し、外部剥離手段が存在するものはそれを取り除いた。また、各デバイスは、製造後にデバイス上に20g分銅を乗せ、30分以上放置後に液の漏れがないことを確認した後、試験に用いた。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】

【0050】
【発明の効果】本発明のリザーバー投与デバイスは、薬剤貯蔵槽と放出制御膜との間に、内部チャックフィルムを設けて、デバイスの保存中に薬剤貯蔵槽から薬剤含有液又はゲルを放出制御膜へ流出することを防止し、本デバイスを使用する際にはこの内部フィルムを支持体フィルムから剥離する機構を備えることにより、本発明のリザーバー投与デバイスを保管中に、薬剤含有液又はゲルが薬剤貯蔵槽からの流出が防げ、粘着剤の粘着力の低下、また長期間(6ケ月)保管した後に、薬剤含有液又はゲルの漏れや、溶媒の揮散を防止することができた。
【出願人】 【識別番号】000174622
【氏名又は名称】埼玉第一製薬株式会社
【住所又は居所】埼玉県春日部市南栄町8番地1
【出願日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−34633(P2003−34633A)
【公開日】 平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願番号】 特願2001−252111(P2001−252111)