| 【発明の名称】 |
粉末型染毛剤用カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび粉末型染毛剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 恵一
|
| 【要約】 |
【課題】増粘剤として特定のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)を使用することにより、溶解が容易で、かつ、柔らかい風合の粉末状染毛剤を提供する。
【解決手段】粉末型染毛剤に、(A)エーテル化度0.3〜0.6、1%水溶液粘度20〜5000mPa・sのCMC−Na:30〜50重量部、(B)エーテル化度0.45〜0.65、1%水溶液粘度100〜1000mPa・sのCMC−Na:30〜50重量部および(C)エーテル化度0.7〜1.0、1%水溶液粘度20〜5000mPa・sのCMC−Na:10〜50重量部を配合してなり、配合後のエーテル化度が0.45〜0.65、1%水溶液粘度が100〜1000mPa・sであるCMC−Naを配合する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)エーテル化度が0.3〜0.6であり、1%水溶液粘度が20〜5000mPa・sであるカルボキシメチルセルロースナトリウム30〜50重量部、(B)エーテル化度が0.45〜0.65であり、1%水溶液粘度が100〜1000mPa・sであるカルボキシメチルセルロースナトリウム30〜50重量部および(C)エーテル化度が0.7〜1.0であり、1%水溶液粘度が20〜5000mPa・sであるカルボキシメチルセルロースナトリウム10〜50重量部を配合してなり、配合後のエーテル化度が0.45〜0.65であり、1%水溶液粘度が100〜1000mPa・sである粉末型染毛剤用カルボキシメチルセルロースナトリウム。 【請求項2】 請求項1記載のカルボキシメチルセルロースナトリウムを1〜50重量%含有する粉末型染毛剤。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、粉末型染毛剤用カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)および粉末型染毛剤に関する。 【0002】 【従来の技術】粉末型の染毛剤には、(1)粉末状の染毛剤用染料と粉末状の酸化剤とを混合して一包とし、使用時に液剤を加えて染毛液を調製する一剤型、(2)粉末状の染毛剤用染料と粉末状の酸化剤とをそれぞれ分包し、使用時に両者を混合し、さらに液剤を加えて染毛液を調製する二剤型、(3)粉末状の染毛剤染料一包と、液状の酸化剤とからなり、両者を使用時に混合し、さらに必要に応じて液剤を加えて染毛液を調製する粉末・液体の二剤型などが知られている。いずれも製造管理および輸送が容易であること、使用方法が簡便で分割使用ができること、軽量で携帯に便利であることなどから液状の染毛剤よりはるかに要望性の高いものである。 【0003】粉末型の染毛剤は、増粘剤として、たとえば、天然水溶性高分子、CMC−Na、メチルセルロースのような半合成高分子、ポリビニルアルコールのような合成高分子などを含有し、使用時には、水、湯、専用の希釈液などの液剤で、粘性を有するペースト状の染毛液に調製され、刷毛、ブラシまたは人手により、頭髪に塗布される。 【0004】しかし、従来の粉末型染毛剤には、液剤を加えて染毛液にする際に、溶剤となじみ難く、溶解に長時間を要したり、粉末のまま残り、ザラザラまたはベタベタした感触を与え、のびがわるく、頭髪に塗布しにくいという問題があった。また、頭髪に塗布しても、放置しておくと、そのまま乾燥し、粘りが強いために、すべり(櫛通り)がわるく、頭髪全体をむらなく染髪するためのコームスルー操作ができないという問題があった。このような問題を解決する手段として、従来、タルク、金属せっけんなどを添加することが提案されているが、いずれも満足する結果にはいたっていない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、粉末型染毛剤に液剤を加えて調合施用する際に、液剤とのなじみがよく、のびが良好で、櫛通りが滑らかでかつ柔らかい染毛液を調製することのできる粉末型染毛剤およびそのための増粘剤として有用なCMC−Naを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、粉末状の染毛剤の増粘剤として特定のCMC−Naを使用することにより、頭髪への塗布が容易な粘性を有するペースト状の染毛液を形成する染毛剤を提供することにより、前記課題を解決するものである。 【0007】すなわち、本発明は、(A)エーテル化度が0.3〜0.6であり、1%水溶液粘度が20〜5000mPa・sであるCMC−Na30〜50重量部、(B)エーテル化度が0.45〜0.65であり、1%水溶液粘度が100〜1000mPa・sであるCMC−Na30〜50重量部および(C)エーテル化度が0.7〜1.0であり、1%水溶液粘度が20〜5000mPa・sであるCMC−Na10〜50重量部を配合してなり、配合後のエーテル化度が0.45〜0.65であり、1%水溶液粘度が100〜1000mPa・sである粉末型染毛剤用CMC−Naにかかわる。 【0008】また、本発明は、前記のCMC−Naを1〜50重量%含有する粉末型染毛剤にかかわる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の、粉末型染毛剤用CMC−Naは、粉末型染毛剤の増粘剤として、有用である。本発明のCMC−Naは、エーテル化度が0.45〜0.65、好ましくは0.50〜0.60であり、1%水溶液粘度が100〜1000mPa・s、好ましくは300〜700mPa・sである。 【0010】エーテル化度が0.45未満のCMC−Naでは、染毛剤染料の酸化物などによって、粘度が低下するので好ましくなく、0.65を超えるCMC−Naでは、粘着性が強まり、染毛液の粘りが強くなりすぎるので、好ましくない。1%水溶液粘度が100mPa・s未満のCMC−Naでは、染毛剤に粘りを付与できず、使用時にダレが生じ、髪に充分には付着しない傾向があり、1000mPa・sを超えるCMC−Naでは、染毛剤の粘りが強くなり、均一に髪を染めることができない傾向がある。 【0011】本発明のCMC−Naは、3種類のCMC−Na、すなわち、(A)エーテル化度が0.3〜0.6、好ましくは0.35〜0.50であり、1%水溶液粘度が20〜5000mPa・s、好ましくは50〜2000mPa・sであるCMC−Na(CMC−Na(A))、(B)エーテル化度が0.45〜0.65、好ましくは0.50〜0.60であり、1%水溶液粘度が100〜1000mPa・s、好ましくは200〜500mPa・sであるCMC−Na(CMC−Na(B))および(C)エーテル化度が0.7〜1.0、好ましくは0.60〜0.80であり、1%水溶液粘度が20〜5000mPa・s、好ましくは100〜2000mPa・sであるCMC−Na(CMC−Na(C))を配合することにより得られるものである。 【0012】CMC−Na(A)、(B)および(C)の配合割合は、CMC−Na(A)30〜50重量部、好ましくは35〜45重量部、CMC−Na(B)30〜50重量部、好ましくは35〜45重量部、およびCMC−Na(C)10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部とする。 【0013】CMC−Na(A)、(B)および(C)の前記配合割合は、染毛剤の粉末溶解性を保持し、なめらかでかつ柔らかい物性を有する染毛液を得るために必要な3水準の配合であり、このうちの2水準または1水準でだけでは、前述のエーテル化度および粘度のスペックを満足しても充分な溶解性を有する染毛剤を得ることができない。たとえば、CMC−Na(A)の配合割合が少なすぎると、染毛液の弾力性が強くなる傾向があり、多すぎると、染毛液が全く粘度を有しなくなる傾向がある。CMC−Na(B)の配合割合が少なすぎると、CMC−Na(A)および(C)の影響が強くなる傾向があり、多すぎると、CMC−Na(A)および(C)を配合することによる効果が小さくなる傾向がある。CMC−Na(C)の配合割合が少なすぎると、染毛剤に配合されている酸化剤の影響を受け、粘度変化が大きくなる傾向があり、多すぎると、CMC−Na(A)を配合することによる効果が小さくなる傾向がある。 【0014】CMC−Naのエーテル化度および1%水溶液粘度は、たとえば、CMC−Na(A)、(B)および(C)の配合割合を変更することによって調節することができる。CMC−Na(A)、(B)および(C)は、CMC−Naの性質を決める2つの因子であるエーテル化度と1%水溶液粘度が所定の範囲のものであれば問題なく、市販のCMC−Naでよい。 【0015】粉末状染毛剤は、主要成分として、染毛剤染料と酸化剤とを含有する。本発明の粉末状染毛剤は、(1)粉末状の染毛剤染料と、粉末状の酸化剤とを混合して一包とし、使用時に液剤を加えて染毛液とする一剤型、(2)粉末状の染毛剤染料と粉末状の酸化剤とをそれぞれ分包し、両者を使用時に混合し、さらに液剤を加えて染毛液とする二剤型、(3)粉末状の染毛剤染料一包と、液状の酸化剤とからなり、両者を使用時に混合し、さらに必要に応じて液剤を加えて染毛液とする粉末・液体二剤型のいずれであってもよい。 【0016】本発明の粉末染毛剤は、染毛剤染料、酸化剤およびそのほかの成分(液剤を除く)を基準として、本発明のCMC−Naを1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%含有する。本発明の粉末染毛剤は、本発明のCMC−Naを含有することに由来して、染毛剤の溶解使用時、得られる染毛液が均一なペースト状となり、施用の際に滑りがよく、柔らかく、櫛通しを円滑に実施できる。CMC−Naの含有量が1重量%未満では、増粘剤としての作用が小さく、充分な粘性を得ることができず、50重量%を超えると、増粘剤としての作用が大きくなり、染毛液の粘性が強くなり、好適なペースト状の染毛液を得ることができない。 【0017】染毛剤染料としては、酸化染料中間体、たとえば、p−フェニレンジアミン、p−アミノジフェニルアミン、2,4−ジアミノアニソール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール;ニトロ染料、たとえば、4−アミノ−2−ニトロフェノール、ピクラミン酸、1,2−ジアミノ−4−ニトロベンゼン、2−ニトロ−パラフェニレンジアミン、2−ニトロ−p−トルイジン、および、これらの有機または無機酸塩、または、これらの1種またはこれらの2種以上の混合物など、酸化により頭髪に着色を与える公知の芳香族アミン化合物があげられる。本発明の染毛剤は、染毛剤染料を、たとえば、染毛色調の度合に応じて、0.1〜40重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲で含有することができる。 【0018】酸化剤としては、たとえば、過ホウ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム・過酸化水素付加物、第二リン酸ナトリウム・過酸化水素付加物、過炭酸ソーダなどを使用することができ、また、過酸化水素を使用することもできる。酸化剤は、粉末状または液状であることができるが、粉末状であることが好ましい。酸化剤の種類および配合量は染毛剤の種類、染毛色調に応じて適宜選定される。本発明の染毛剤は、酸化剤を、たとえば、20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%含有することができる。 【0019】本発明の染毛剤は、粘性を付与する増粘剤として、本発明のCMC−Naに加えて、たとえば、デンプン類、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダなどを含有することができる。 【0020】前記のほか、本発明の染毛剤には、界面活性剤、たとえば、高級アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸せっけん、高級アルキルスルホン酸塩、高級アルキルリン酸エステル;アルカリ性溶液中でアンモニアを発生して漂白効果を与える無機アンモニウム、たとえば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム;色調調整剤、たとえば、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロール;pH調整剤、たとえば、炭酸ソーダ、クエン酸、酒石酸、香料、養毛剤などを必要に応じて含有することができる。 【0021】本発明の染毛剤は、使用時に、液剤、たとえば、水、アルコール含有水(たとえば、アルコール含有量20重量%以下)、グリセリン、プロピレングリコールなどを加えて、染毛液とすることができる。液剤は、たとえば、染毛剤100重量部に対して100〜500重量部、好ましくは150〜300重量部使用することができる。本発明の染毛剤を使用した染毛液を、たとえば、刷毛、ブラシ、手などにより、頭髪に塗布することにより、染髪することができる。 【0022】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。 【0023】<CMC−Naの分析方法>(1)水分試料約3gを精秤し、105±2℃の恒温器中にて4時間加熱乾燥したのち、デシケーター中で冷却し、秤量する。加熱乾燥による減量より、以下の計算式に基づいて、水分を算出する。 水分(%)=減量(g)÷試料(g)×100【0024】(2)エーテル化度(DS) 絶乾CMC−Naの0.7gを磁製ルツボ中で700〜800℃に加熱して灰化する。この灰化物の入ったルツボごとビーカーに入れ水に浸し、灰化物を完全に溶出する。これを0.1NのH2SO4でフェノールフタレイン指示薬により中和滴定し、0.1NのH2SO4所要量(ml)を求める。0.1NのH2SO4所要量より、以下の計算式に基づいて、水分を算出する。 A=(0.1NのH2SO4の所要量(ml)×力価)÷CMC採取量(g) DS=162×A÷(10000−80×A) 【0025】(3)1%水溶液粘度(mPa・s) 300ml共栓三角フラスコ中に水分値既知のCMC−Na約2.4gを精秤し、蒸留水200gを加え、直ちに栓をして激しく振とうし、CMC−Naを小さい固まりに分散して放置する。一夜(約18〜20時間)放置したのち、既知の水分値より補正水にて1%水溶液濃度に合わせる。補正水量は、(1)で求めた水分より、以下の計算式に基づいて、算出する。 補正水量(g)=CMC試料(g)×(99−水分(%))−200【0026】補正終了後、三角フラスコ中に小回転子を入れ、マグネチックスターラーで25分間攪拌し、膨潤状態の内容物を完全に分散溶解する。ついで、この溶液を250ml容栓付き容器(口径50mm×高さ140mm)に移し、栓をして25℃の恒温槽中に30分間放置する。温度25℃を確認したのち、この栓付き容器にBM型粘度計、ローター、ガードを取り付け、3分後の目盛りを読み取る。このとき、ローターNO.は予測される粘度に合わせて選び、回転数は60rpmとする。 【0027】<染毛剤>(1)染毛剤A以下の各成分(粉末)を以下の配合割合で混合、均一化して染毛剤Aとした。ただし、CMC−Naとして、表1に示すエーテル化度、1%水溶液粘度および配合割合のCMC−Naを使用した。各CMC−Naを構成するCMC−Na(A)、(B)および(C)のエーテル化度および1%水溶液粘度を表3に示す。 過ホウ酸ナトリウム 25重量部ラウリル硫酸ナトリウム 20重量部CMC−Na 25重量部酸化チタン 5重量部p−フェニレンジアミン 15重量部o−アミノフェノール 10重量部【0028】(2)染毛剤B以下の各成分(粉末)を以下の配合割合で混合、均一化して染毛剤Bとした。ただし、CMC−Naとして、表2に示すエーテル化度、1%水溶液粘度および配合割合のCMC−Naを使用した。各CMC−Naを構成するCMC−Na(A)、(B)および(C)のエーテル化度および1%水溶液粘度を表3に示す。 過炭酸ナトリウム 30重量部CMC−Na 25重量部ラウリル硫酸ナトリウム 10重量部酸化チタン 10重量部p−フェニレンジアミン 15重量部o−アミノフェノール 10重量部【0029】実施例1〜5および比較例1〜7染毛剤Aを15gとり、水100mlに加えて、刷毛で均一に混じるように染毛液を調製し、染毛剤の混合性および溶解性を評価し、また、染毛液の染髪時の櫛通しおよび粘りを評価した。結果を表1に示す。 【0030】実施例6〜10および比較例8〜14染毛剤Aに代えて、染毛剤Bを使用したほかは、実施例1〜5および比較例1〜7と同様にした。結果を表2に示す。 【0031】 【表1】
【0032】 【表2】
【0033】 【表3】
【0034】表1および表2中、◎は良好であったこと、○はやや良好であったこと、△はよくなかったこと、×は劣っていたことを示す。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、混練溶解性が良好で、かつ、風合いの柔らかい粉末型染毛剤を得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003506 【氏名又は名称】第一工業製薬株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065226 【弁理士】 【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−34624(P2003−34624A) |
| 【公開日】 |
平成15年2月7日(2003.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2001−220067(P2001−220067) |
|