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【発明の名称】 染毛用のリムーバー
【発明者】 【氏名】鎌田 勉
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内

【要約】 【課題】ヘアカラーなどの通常落としにくいアニオン性染料などの色素を含む色素組成物を除去するための化粧料の除去特性を高める技術を提供する。

【解決手段】色素組成物除去用の化粧料に、塩化セチルピリジニウムや4級アンモニウム塩などのようなカチオン性の物質を含有させる。より好ましくは、更に炭酸エチレンや炭酸プロピレンなどの炭酸の環状エステルを含有させる。更に好ましくは、加えて個々イル脂肪酸アミドジメチルアミノ酸ベタインなどの両性界面活性剤やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン界面活性剤を含有させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カチオン性物質を含有することを特徴とする、色素組成物除去用の化粧料。
【請求項2】 カチオン性物質が、4級のアンモニウム及び/又はピリジニウムの塩であることを特徴とする、請求項1に記載の色素組成物除去用の化粧料。
【請求項3】 4級のアンモニウム及び/又はピリジニウムの塩が、塩化セチルピリジニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及び塩化セチルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種乃至は2種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の色素組成物除去用の化粧料。
【請求項4】 更に、界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
【請求項5】 界面活性剤が両性界面活性剤であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
【請求項6】 両性界面活性剤が、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタインであることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
【請求項7】 更に、炭酸の環状エステルを含有する事を特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
【請求項8】 炭酸の環状エステルが、炭酸プロピレンであることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の化粧料。
【請求項9】 色素組成物が、染毛料であることを特徴とする、請求項1〜8何れか1項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、ヘアカラー、ヘアーマスカラ等の色素組成物の除去に有用な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料において、有機色素などの色素は、使用部位に色を付加する目的で、色素組成物として使用されている。かかる色素組成物としては、リップカラー、ネイルカラー、ペディキュア、ヘアカラー、ヘアマスカラ等が例示できる。これらは、前記色素の蛋白質上に付着した場合に、落ちにくい特質を利用したものである。又、この様な色素としては、赤色226号、赤色102号、青色1号、青色404号、黄色4号、黄色6号、紫色401号、黒色401号、橙色205号、シコニン、カルミン及びこれらのレーキ化物が好ましく例示できる。これらの色素を含む、前記色素組成物は、その演色効果の持続性に優れる反面、その除去には、専用の化粧料が必要であり、この様な除去用の化粧料としては、例えば、炭酸エチレンや炭酸プロピレンなどの炭酸の環状エステルを含有するもの、非イオン性界面活性剤を含有するものなどが知られているが、何れにおいても色素組成物を完全に除去するには多大の努力を要するものであった。加えて、この様な除去剤に於いてはアニオン性色素を電離させるためにpHは10以上であり、このpHを下げることも望まれていた。この様な状況が有ることから、色素組成物を更に持ちの良いものにする努力はペンディングされており、この様な色素組成物の演色性を高める意味でも、皮膚に於ける色素組成物除去用の化粧料の除去特性を高めることが望まれていた。
【0003】一方、カチオン性物質を含有することを特徴とする、色素組成物除去用の化粧料は全く知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状況下為されたものであり、色素組成物除去用の化粧料の除去特性を高める技術を提供することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者らは、色素組成物除去用の化粧料の除去特性を高める技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、カチオン性物質を含有することを特徴とする、色素組成物除去用の化粧料にその様な特性を見出し、発明を完成させるに至った。又、この様な構成を取ることにより、pHを9以下、更に好ましくは8以下にしても充分な色素の除去がなし得る副次的効果も得られた。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)カチオン性物質を含有することを特徴とする、色素組成物除去用の化粧料。
(2)カチオン性物質が、4級のアンモニウム及び/又はピリジニウムの塩であることを特徴とする、(1)に記載の色素組成物除去用の化粧料。
(3)4級のアンモニウム及び/又はピリジニウムの塩が、塩化セチルピリジニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及び塩化セチルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種乃至は2種以上であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の色素組成物除去用の化粧料。
(4) 更に、界面活性剤を含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
(5)界面活性剤が、両性界面活性剤であることを特徴とする(1)〜(4)何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
(6)両性界面活性剤が、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタインであることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
(7) 更に、炭酸の環状エステルを含有する事を特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の色素組成物除去用の化粧料。
(8)炭酸の環状エステルが、炭酸プロピレンであることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の化粧料。
(9)色素組成物が、染毛料であることを特徴とする、(1)〜(8)何れか1項に記載の化粧料。以下、本発明について、実施の形態を中心に更に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】(1)本発明の化粧料の必須成分であるカチオン性物質本発明の化粧料は、色素組成物除去用のものであって、カチオン性物質を含有することを特徴とする。本発明で言うカチオン性物質とは、親水性部分と親油性部分とを1分子内に有する物質であって、前記親油性部分にプラス電荷があるような電離性化合物の総称を意味し、例えば、4級アンモニウム塩、4級ピリジニウム塩、4級イミダゾリウムの塩などが好ましく例示でき、中でも4級アンモニウム塩、4級ピリジニウム塩が特に好ましい。この様なものの具体的な化合物としては、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム或いは塩化セチルピリジニウムなどが好ましく例示できる。かかるカチオン性物質は唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。かかるカチオン性物質は色素組成物に於けるアニオン性染料と皮膚との相互作用をシールドし、皮膚より脱離せしめるさっようを有する。本発明の化粧料に於ける、かかるカチオン性物質の好ましい含有量は、総量で化粧料全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは、0.05〜5重量%である。これは少なすぎると色素除去効果を損なう場合があり、多すぎると色素除去効果が頭打ちになり、徒に一次刺激を増大させる場合があるからである。
【0007】(2)本発明の化粧料の好ましい成分である界面活性剤本発明の化粧料は、上記カチオン性物質を必須成分として含有し、界面活性剤、取り分け両性界面活性剤を好ましい成分として含有することができる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤の4種が一般的に存在するが、この内、カチオン界面活性剤は前記の必須成分であるカチオン性物質に含まれるので、ここの界面活性剤からははずされる。界面活性剤の内、非イオン界面活性剤と両性界面活性剤が好ましく、中でも両性界面活性剤が特に好ましい。ここで、両性界面活性剤とは、同一の電離成分中に正の帯電部分と負の帯電部分を有する物質の総称であり、化粧料の分野では各種のベタインが知られており、中でも脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタインが好ましく例示できる。この様な脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタインを構成する脂肪酸部分としては、通常化粧料などで使用されている脂肪酸であれば特段の限定無く適用することが出来、例えばステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン等が好ましく例示でき、中でもヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタインが特に好ましく例示できる。かかる両性界面活性剤は唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。これらの両性界面活性剤は、本発明の化粧料の必須成分であるカチオン性物質のアニオン性染料除去効果を更に高める作用を有する。これら両性界面活性剤の好ましい含有量は、化粧料全量に対して、総量で1〜10重量%であり、更に好ましくは2〜8重量%である。これは少なすぎると色素除去効果を損なう場合があり、多すぎると色素除去効果が頭打ちになり、徒に一次刺激を増大させる場合があるからである。
【0008】(3)本発明の化粧料の好ましい成分である炭酸の環状エステル本発明の化粧料は、好ましい成分として、炭酸の環状エステルを含有することができる。かかる炭酸の環状エステルは、その溶剤効果により、色素組成物中のカチオン性物質により皮膚より脱離させたアニオン性染料、顔料、その他の色素などの落ちにくい有色成分を溶出、除去する作用と安全性に優れる。炭酸の環状エステルとしては、通常化粧料で使用されているものが使用でき、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンなどが好適に例示でき、中でも炭酸プロピレンが特に好ましい。これらの炭酸の環状エステルは唯一種で適用することも可能であるし、二種以上を組み合わせて適用することも可能である。かかる炭酸の環状エステルの好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、1〜10重量%であり、更に好ましくは2〜8重量%である。これは少なすぎると色素除去効果を損なう場合があり、多すぎると色素除去効果が頭打ちになり、徒に使用感を損なう場合があるからである。
【0009】(4)本発明の色素組成物除去用の化粧料本発明の化粧料は、前記必須成分を含有し、前記好ましい成分を好ましく含有し、染毛料、毛髪着色料等の除去用であり、特に好ましくは、かかる色素組成物が皮膚上に付着した場合に、きれいに該色素組成物を皮膚の残留することなく除去する目的で使用されるものである。本発明の色素組成物除去用の化粧料の特に好ましい除去対象は、他の化粧料では除去しがたい、アニオン性染料を含有する染毛用の組成物である。本発明の化粧料は、前記必須の成分と好ましい成分以外に、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することができる。かかる任意の成分としては、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、オリーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を好ましく例示できる。これらの内、特に好ましいものとしては、非イオン界面活性剤であり、中でもポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。かかるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の好ましいポリオキシエチレンの好ましい付加モル数は40〜100である。又、好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、1〜10重量%であり、更に好ましくは2〜8重量%である。本発明の化粧料はこれら必須の成分、好ましい成分及び任意の成分を常法に従って処理することにより製造することができる。かくして得られた本発明の色素組成物除去用の組成物は、色素組成物、取り分けアニオン性染料を含む色素組成物を皮膚上より除去する作用に優れる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、これら実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
【0011】<実施例1>以下に示す処方に従って、本発明の色素組成物除去用の化粧料を作成した。即ち、処方成分を室温にて攪拌し、可溶化して本発明の色素組成物除去用の化粧料である、化粧料1を得た。又、別途、化粧料1の塩化セチルピリジニウムを水に置換した比較例1も作成した。又、pHは0.1mMのリン酸−リン酸ナトリウム緩衝塩により8に整えた。化粧料1と比較例1とを用い、下記に示す染毛用の化粧料の除去効果を調べた。即ち、染毛料0.1mlを豚皮に塗布し、これを化粧料1乃至は比較例1の10mlで抽出し、抽出液を可視光の吸光度で染毛料0.1mlを10mlにメスアップした液と比較し、回収率を求めた。結果を表1に示す。これより、本発明の色素組成物除去用の化粧料である、化粧料1は染毛料などのアニオン性染料を含む色素組成物の除去作用に優れることが判る。この色素組成物除去用の化粧料である化粧料1のpHが8と低いことも注目すべきことである。
(染毛料)
1,3−ブタンジオール 1 重量部マルチトール 1 重量部エタノール 30 重量部ベンジルアルコール 10 重量部水酸化ナトリウム 0.2重量部紫色401号 0.5重量部黒色401号 0.5重量部橙色205号 0.5重量部メチルセルロース 3 重量部リン酸 1 重量部ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 0.1重量部水 52.2重量部(色素除去用の化粧料)
エタノール 5 重量部炭酸プロピレン 5 重量部椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン 5 重量部塩化セチルピリジニウム*水**詳細は表1に記す。
【0012】
【表1】

【0013】<実施例2>化粧料1の炭酸プロピレンをエタノールに置換して同様に化粧料2を作成した。又、このものの塩化セチルピリジニウムを水に置換した比較例2も作成した。同様に評価した結果を表2に示す。これより、炭酸の環状エステルである炭酸プロピレンをエタノールに置換しても良好な除去効果は得られるものの、炭酸の環状エステルとの組み合わせが好ましいことが実施例1との比較により判る。尚、これらのものについてはpH8では除去特性が好ましくなかったので、12に調整した。
エタノール 10 重量部椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン 5 重量部塩化セチルピリジニウム**水****詳細は表2に示す。
【0014】
【表2】

【0015】<実施例3>実施例1の化粧料1の両性界面活性剤である椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタインをポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油に置換して同様に検討を行った。結果を表3に示す。これより、本発明の色素組成物除去用の化粧料は補助界面活性剤を非イオン界面活性剤に変えても同様の効果を発揮することが判る。これらのpHは8である。
エタノール 5 重量部炭酸プロピレン 5 重量部ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 5 重量部塩化セチルピリジニウム***水******詳細は表3に記す。
【0016】
【表3】

【0017】<実施例4>実施例1の化粧料1の塩化セチルピリジニウムを塩化セチルトリメチルアンモニウムに置換して同様の検討を行った。色素回収率は100%であり、塩化セチルピリジニウムと同等の効果が判ることが判った。
エタノール 5 重量部炭酸プロピレン 5 重量部椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン 5 重量部塩化セチルトリメチアンモニウム 1 重量部水 84 重量部【0018】<実施例5>実施例1の化粧料1の塩化セチルピリジニウムを塩化ジステアリルジメチルアンモニウムに置換して同様の検討を行った。色素回収率は100%であり、塩化セチルピリジニウムと同等の効果が判ることが判った。
エタノール 5 重量部炭酸プロピレン 5 重量部椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン 5 重量部塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1 重量部水 84 重量部【0019】<実施例5>実施例1の化粧料1の塩化セチルピリジニウムの量をへらして同様の検討を行った。色素回収率は96%であり、塩化セチルピリジニウムの濃度は0.01%以上が好ましく、0.1重量%以上が更に好ましいことが判る。
エタノール 5 重量部炭酸プロピレン 5 重量部椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酸ベタイン 5 重量部塩化セチルピリジニウム 0.05重量部水 84.95重量部【0020】
【発明の効果】本発明によれば、色素組成物除去用の化粧料の除去特性を高める技術を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
【住所又は居所】静岡県静岡市弥生町6番48号
【出願日】 平成13年7月18日(2001.7.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−34619(P2003−34619A)
【公開日】 平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願番号】 特願2001−217742(P2001−217742)