トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 無機粉体組成物およびそれを用いた化粧料
【発明者】 【氏名】岡田 明大
【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号 株式会社ナリス化粧品内

【氏名】森 保
【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号 株式会社ナリス化粧品内

【氏名】大西 太郎
【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号 株式会社ナリス化粧品内

【氏名】田中 博和
【住所又は居所】福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒化成工業株式会社内

【氏名】宮崎 巧
【住所又は居所】福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒化成工業株式会社内

【要約】 【課題】皮膚の質感を客観的かつ簡易な方法で評価し、それに基づいて皮膚を若くみせる組成物とそれを含む化粧料を提供する。

【解決手段】被験者の皮膚評価部位の前記粉体組成物塗布時の表面反射光成分を(A)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(B)とした場合、照射光の入射角が皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(B)−(A)>0である無機粉体組成物とそれを含む化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被験者の皮膚評価部位の被験組成物塗布時の表面反射光成分を(A)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(B)とした場合、被験者の皮膚評価部位に対して、前記皮膚評価部位に照明光を一方向から拡散照射しそれによる皮膚表面からの表面反射光成分の検出に、(1)偏光板が装着された銀塩カメラ又は電子的カメラの撮影装置を用いて皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真及び皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真をそれぞれ撮影する工程、(2)前記照明光の入射角は前記皮膚表面に対して0〜80度、前記表面反射光成分の受光角は前記皮膚表面に対して反射方向15〜80度の範囲で、入射角及び受光角のいずれか1つ以上を異なる少なくとも2方向以上設定する工程、(3)前記両撮影写真のデジタル化、差分処理により皮膚の表面反射光成分画像を得る工程、ならびに(4)前記表面反射光成分画像を多階調に輝度変換し、増幅する工程、を含んで成る方法により、前記(A)及び(B)の表面反射光成分を測定し、前記照射光の入射角が前記皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が前記皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(B)−(A)>0であることを特徴とする無機粉体組成物。
【請求項2】全光線透過率が80%以上、ヘーズが70%以上である請求項1記載の無機粉体組成物(ただし、全光線透過率およびヘーズは、塗膜中の粉体の含有量が25重量%となるようにクリアラッカーに分散させた後、この塗料を透明フィルムに塗布乾燥して得た膜厚が5μmの塗膜を試料としてJIS K 7105又はJIS K 7136に規定された方法により測定する)。
【請求項3】タルクに、酸化チタン、酸化アルミニウムおよびシリカをこの順で被覆して成り、その重量割合がタルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:シリカ=55〜75:3〜7:12〜24:5〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の無機粉体組成物。
【請求項4】タルクに、酸化チタン、酸化アルミニウム、球状シリカおよびシリカをこの順で被覆して成り、その重量割合がタルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:球状シリカ:シリカ=40〜60:3〜13:8〜20:10〜24:5〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の無機粉体組成物。
【請求項5】タルクに、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムおよびシリカをこの順で被覆して成り、その重量割合がタルク:酸化チタン:酸化ジルコニウム:酸化アルミニウム:シリカ=40〜60:3〜13:5〜15:12〜24:5〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の無機粉体組成物。
【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の無機粉体組成物を0.1〜90重量%含有することを特徴とする化粧料。
【請求項7】被験者の皮膚評価部位の被験組成物塗布時の表面反射光成分を(A)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(B)とした場合、被験者の皮膚評価部位に対して、前記皮膚評価部位に照明光を一方向から拡散照射しそれによる皮膚表面からの表面反射光成分の検出に、(1)偏光板が装着された銀塩カメラ又は電子的カメラの撮影装置を用いて皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真及び皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真をそれぞれ撮影する工程、(2)前記照明光の入射角は前記皮膚表面に対して0〜80度、前記表面反射光成分の受光角は前記皮膚表面に対して反射方向15〜80度の範囲で、入射角及び受光角のいずれか1つ以上を異なる少なくとも2方向以上設定する工程、(3)前記両撮影写真のデジタル化、差分処理により皮膚の表面反射光成分画像を得る工程、ならびに(4)前記表面反射光成分画像を多階調に輝度変換し、増幅する工程、を含んで成る方法により、前記(A)及び(B)の表面反射光成分を測定し、前記照射光の入射角が前記皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が前記皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(B)−(A)>0であることを特徴とする化粧料。
【請求項8】全光線透過率が75%以上、ヘーズが65%以上である請求項6又は7記載の化粧料(ただし、全光線透過率およびヘーズは、塗膜中の化粧料の含有量が25重量%となるようにクリアラッカーに分散させた後、この塗料を透明フィルムに塗布乾燥して得た膜厚が5μmの塗膜を試料としてJIS K 7105又はJIS K 7136に規定された方法で測定する)。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機粉体組成物とその化粧料用途に関し、さらに詳しくは加齢による皮膚の特有な質感を補正し、自然な仕上がりが得られ実年齢より若く見せる作用を有する無機粉体組成物とそれを含有する化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】女性が肌を若々しくみせたいという願いは普遍的である。この様な欲求を満たすために様々な化粧料が開発されてきた。人が肌の若さを視覚的に評価する場合、「色」、「形態」、及び「質感」の視点から総合的に判断している。「色」及び「形態」については、加齢に伴う黄みの増加、赤みの減少、明度の減少及びシワやたるみの増加が主観的にも客観的にも明らかにされ、分光反射率の測定や皮膚レプリカの画像解析など十分に確立された系から、肌の若さに対する科学的な理論や評価法を構築し、製品開発が為されている(1996−2、FRAGRANCE JOURNAL、p35〜40、1998-4、FRAGRANCE JOURNAL、p27〜35等)。
【0003】「質感」については、「色」や「形態」ほど多くの知見は得られていない。1999、J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn.、Vol.33、No.2、p154〜162によると、質感の測定は一般的には光学的になされることが多く、物体の表面反射光成分の強弱で評価され、その表面反射光成分には表面の凹凸情報や光沢情報が含まれている。例えば、角層の半透明性に由来する光学効果に着目し、異なる2方向(85度と40度)からの照射光に対する分光反射率を複数測定し、得られたスペクトルパターンを相互比較する評価法から粉体組成物を選別し、皮膚の質感を与える化粧料を提供している(特開平10-139629号公報等)。また、皮膚の表面反射光成分のフーリエ解析による毛穴等の凹凸情報の定量化を確立し、化粧料製品開発に資する可能性を提示している(1993、日本写真学会誌、56巻、4号、p264〜269等)。
【0004】しかし、これらの測定法及び評価法を実施するためには、高額な測定・解析機器の購入、複雑で手間の掛かる手順、専門的な知識などが要求され、充分な汎用性、利便性までには至っていない。特に、皮膚の「質感」においては、簡易な評価法が未充足であり、それらに基づく製品開発もあまり為され得ていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状況を踏まえて為されたものであり、人が肌の若さを視覚的に評価する場合の主因子である皮膚の質感を客観的かつ簡易な方法で評価し、皮膚を若く見せる組成物やそれを含む化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような状況に鑑みて、本発明者等は人の皮膚が若くみえる光学的メカニズムを解明すべく鋭意研究を重ねた結果、人の皮膚の質感が若くみえる大きな要素の一つに、皮膚の表面反射光成分、特に表面反射光成分を得るための光源入射角とそれに対する受光角の組み合わせに光学的要素が存在することを見出した。皮膚の凹凸情報に関して、加齢に伴い、皮膚真皮における構造線維の変化や崩壊、皮下脂肪の厚さの減少により、皮膚が弛緩し、大小様々なしわが目立ち、毛穴が大きく縦に垂れてくるなどの状態が見られる。
【0007】加齢に伴い、皮丘の不均一化、面積増加、ふっくら感の減少が生じ、細胞レベルでも皮膚の老化角質細胞は偏平化を来す。そのため、皮膚の光沢に関しては、皮脂量が減少しているにもかかわらず、視覚的に皮膚表面上では光沢が顕著にみられ、素肌において、いわゆる、皮膚のテカリが観察される。若い世代の皮膚においても、光沢が観察されるが、均一で面積の小さいふっくらした皮丘や適度な透明性のある角層であるため半透明性をもった美しい光沢が観察される。つまり、同じ光学現象を観察していても、両者間においては皮膚の光沢感の傾向は異なり、その差異が、中高年齢の場合は、所謂、「テカリ」と、若い年齢の場合は、「つや」と表現されている。
【0008】本発明者等は、皮膚の質感を照射光による皮膚表面反射光成分から検討し、特に、若い世代の「つや」と中高年の「テカリ」の差異について、照射光の入射角と表面反射光成分の受光角とが同じ組み合わせの場合でも、若い皮膚と中高年の皮膚とではその反射光成分の強度が異なることを見出した。さらには、光源の入射角と受光角の組み合わせを変化させ皮膚の表面反射光成分を多面的に観察することから、ある特異的な入射角と受光角における表面反射光成分が若くて美しく見えることに大きく寄与することを見出した。
【0009】すなわち、本発明の無機粉体組成物は、被験者の皮膚評価部位の前記粉体組成物塗布時の表面反射光成分を(A)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(B)とした場合、照射光の入射角が皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(B)−(A)>0であることを特徴とする。前記表面反射光成分の検出には、(1)被験者の皮膚評価部位に対して前記皮膚評価部位に照明光を一方向から拡散照射し、偏光板が装着された銀塩カメラ又は電子的カメラどちらかの撮影装置を用いて皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真及び皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真をそれぞれ撮影する工程、(2)前記照明光の入射角は前記皮膚表面に対して0〜80度、前記表面反射光成分の受光角は前記皮膚表面に対して反射方向15〜80度の範囲で、入射角及び受光角のいずれか1つ以上を異なる少なくとも2方向以上設定する工程、(3)前記両撮影写真のデジタル化、差分処理により皮膚の表面反射光成分画像を得る工程、ならびに(4)前記表面反射光成分画像を多階調に輝度変換し、増幅する工程、を含んで成る方法により得る。
【0010】また、合わせて透明板に一様に塗布した粉体の透明性について透過度及びその透過光の拡散度合いが高ければ、いっそう若くて美しくみせる好適な粉体組成物を提供できることを見出した。すなわち、本発明の無機紛体組成物は、全光線透過率が80%以上、及びヘーズが70%以上であることを特徴とする。前記無機粉体組成物は、好ましくは、タルクに、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカの順で被覆され、その重量比がタルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:シリカ=55〜75:3〜7:12〜24:5〜15重量%であること、又は、タルクに、酸化チタン、酸化アルミニウム、球状シリカ、シリカの順で被覆され、その重量比がタルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:球状シリカ:シリカ=40〜60:3〜13:8〜20:10〜24:5〜15重量%であること、又は、タルクに、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、シリカの順で被覆され、タルク:酸化チタン:酸化ジルコニウム:酸化アルミニウム:シリカ=40〜60:3〜13:5〜15:12〜24:5〜15重量%である。
【0011】本発明に用いるタルクとしては、平均粒子径が2〜20μmで厚みが0.05〜1μmであることが好ましい。無機酸化物の被覆方法は、前記無機酸化物などの前駆物質の金属塩を加水分解する方法や、同様の金属アルコキシドをアルコール溶液中で加水分解する方法など、従来から無機酸化物の被覆方法として知られている方法であれば特に制限はない。例えば鱗片状基材を水中に分散させた物に四塩化チタンなどの金属塩を添加し、アルカリ雰囲気で加水分解し、鱗片状基材表面に金属塩加水分解物を析出させ所定の厚みの酸化チタン被覆層を得る方法などが挙げられる。また、シリカを被覆する場合には、鱗片状基材の分散液にアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を添加し、鱗片状基材表面にケイ酸の重合物を付着させることにより、所定の厚みのシリカ被覆層を得る方法が挙げられる。
【0012】以上のように、基材に対する金属酸化物の被覆を順次おこない目的とする前記無機粉体組成物を得る。更に、本発明の化粧料は、被験者の皮膚評価部位の前記化粧料塗布時の表面反射光成分を(A)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(B)とした場合、照射光の入射角が皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(B)−(A)>0であることを特徴とする。
【0013】前記表面反射光成分の検出には、(1)被験者の皮膚評価部位に対して前記皮膚評価部位に照明光を一方向から拡散照射し、偏光板が装着された銀塩カメラ又は電子的カメラどちらかの撮影装置を用いて皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真及び皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真をそれぞれ撮影する工程、(2)前記照明光の入射角は前記皮膚表面に対して0〜80度、前記表面反射光成分の受光角は前記皮膚表面に対して反射方向15〜80度の範囲で、入射角及び受光角のいずれか1つ以上を異なる少なくとも2方向以上設定する工程、(3)前記両撮影写真のデジタル化、差分処理により皮膚の表面反射光成分画像を得る工程、ならびに(4)前記表面反射光成分画像を多階調に輝度変換し、増幅する工程、を含んで成る方法により得る。
【0014】また、合わせて透明板に一様に塗布した化粧料の透明性について透過度及びその透過光の拡散度合いが高ければ、いっそう若くて美しくみせる好適な化粧料を提供できることを見出した。すなわち、本発明の化粧料は、全光線透過率が75%以上、及びヘーズが65%以上であることを特徴とする。前記化粧料は、好ましくは本発明の前記無機粉体組成物を0.1〜90%含有する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の無機粉体組成物は、被験者の皮膚評価部位の前記粉体組成物塗布時の表面反射光成分を(A)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(B)とした場合、照射光の入射角が皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(B)−(A)>0であり、及び/又は、前記粉体組成物の全光線透過率が80%以上、及びヘーズが70%以上であることを特徴とし、化粧料にも好適である。
【0016】皮膚表面反射光成分に関する評価法の最も好ましい形態は、次に示す手順に従って行われる。
(1)皮膚表面に、拡散光を一方向から照射し、偏光板の装着された銀塩カメラ又は電子的カメラ何れかの撮影装置にて前記皮膚表面を複数の受光角度で撮影する。ここで撮影する皮膚表面の部位は特に限定されないが、顔全体又は人の頬の撮影が適切な評価結果が得られることから好ましい。受光角度は、前記皮膚表面に対して前記照射光の入射方向と反対方向に0〜80度、より好ましくは20〜80度、更に好ましくは40〜70度である。その際、偏光板の回転により皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真、並びに皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真をそれぞれ撮影する。拡散光源は特に限定されないが、好ましくは白色白熱光である。また、撮影装置は得られる写真が銀塩カメラあるいは電子的カメラの何れかを活用してもよいが、好ましくはCCDカメラ又は非CCDカメラを撮像部とするデジタルカメラである。デジタルカメラでは、写真の解析手順を短絡化でき、また、より適切な評価結果が得られる。本発明者等はデジタルカメラ C-2500L(OLYMPUS社製)を用いた。
【0017】(2) 前記(1)の方向とは異なる角度で前記拡散光を照射し、同様に皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真、並びに皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真をそれぞれ(1)と同様に受光角度を変化させ複数撮影する。これらの撮影は、複数回、各々異なる角度の拡散光照射で行う。このとき、(1)と(2)の照射する光の皮膚表面に対する入射角は、0〜80度、より好ましくは20〜80度、更に好ましくは20〜70度である。
【0018】(3) 前記(1)の前記皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真並びに皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真をそれぞれデジタル変換した後、両者の差分処理により表面反射光成分画像を得る。同様に(2)の前記皮膚の内部反射光成分を含む表面反射光成分を最も強調した写真並びに皮膚の表面反射光成分を最も除去した写真についても同様に行い表面反射光成分画像を得る。ここで、写真のデジタル変換にはデジタル変換可能ならば行う機器は限定されない。例えば、デジタルカメラを用いて当該手順どおりに実施できる。
【0019】(4) 前記表面反射光成分画像を256階調の輝度値(L*値)に変換し、輝度レベルを増幅した。変換する際の階調は、16、256、32,768などでも構わないが、16,777,216のごとく大きな階調がより好ましい。その輝度値が皮膚の質感の指標となる。このとき増幅の倍率は1〜5、より好ましくは1.5〜4、更に好ましくは2〜3.5である。また、(3)の差分処理、並びに(4)の輝度変換及び増幅処理には各処理が可能ならば特に限定されないが、例えば画像編集ソフトであるPhotoshop 3.0J(Adobe社製)を用いて処理することができる。ここで、皮膚の表面反射光成分を検出する方法として前記(1)〜(4)の手順を行ったが、表面反射光成分の検出が可能であるなら特に限定されない。
【0020】(5) かくして得られた様々な組み合わせをもつ皮膚の表面反射光成分の傾向から皮膚の質感を評価する。特に、照明光の皮膚表面に対する入射角が20〜70度で、受光角度が入射方向と反対方向の40〜70度で測定した表面反射光成分について質感の評価を行うのがより好ましい。図1及び図2は、光源の入射角は顔面正面に対して0、22.5、45、67.5度のそれぞれで照射し、撮影装置の受光角は前記顔面表面に対して反射方向に正の角度を表すとし、0、22.5、45、67.5度とし、前記(1)〜(4)の手順により測定した場合の顔の表面反射光成分である。図1は20歳女性の顔全体の質感の傾向を示し、図2は48歳女性の顔の質感の傾向を示す。横軸は照射光の顔面表面に対する入射角で67.5、45、22.5、0度と順に示し、縦軸は撮影装置の受光角で顔面表面に対する反射方向を正とし、67.5、45、22.5、0度と順に示す。輝度変換後の増幅は3倍である。輝度が高く、より白く見える部分ほど光沢があることを示す。
【0021】図1と図2を比較した場合、67.5度入射67.5度受光、45度入射67.5度受光、22.5度入射67.5度受光、45度入射45度受光各々にて、加齢に伴い輝度が高く、白く見える部分が多く観察される。このことから、加齢に伴い特異的なこれら入射角受光角の組み合わせにおいて顕著な表面反射が見受けられ、この表面反射を抑制し若い女性と同等に近づければ、皮膚を若く見せる仕上がりになることが判る。したがって、得られた表面反射光成分の傾向を比較すれば無機粉体組成物や化粧料の若く見せる程度を評価することができる。
【0022】合わせて、粉体組成物自身の評価については、無色の透明板に塗布乾燥して得られる塗膜中の無機粉体組成物の含有量が25重量%となるようクリアラッカーにて分散させ、膜厚5μmとなる塗膜試料の全光線透過率及びヘーズの測定にて行う。粉体組成物を透明板に一様な塗膜を貼る方法は、塗膜厚が5μm、塗膜中の粉体含有率が25重量%であるなら特に限定されない。例えば、有機溶剤にニトロセルロースが30%含まれたクリアラッカー SPIRIT VARNISH(株式会社遠藤化学工業所)にて分散させ、更に、分散性を高めるため、超音波ホモジナイザー US−300T(株式会社日本精機製作所)にかけ、透明板に一様に塗布する方法により実施できる。
【0023】透明板は無色で粉体自身の全光線透過率及びヘーズに多大な影響を及ぼさなければ特に限定されないが、より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の透明性が高く耐溶剤性のある材質から形成された透明フィルムである。例えば、材質がポリエステルである厚さ0.1mmのOHPフィルム(プラス株式会社製)を使用することができる。
【0024】全光線透過率及びヘーズの測定は JIS K 7105又はJIS K 7136に規定される測定法に準拠する機器を用いる以外は特に限定されない。例えば、ヘーズコンピューター HZ-2(スガ試験機株式会社製)を用いて測定することができる。本発明の無機粉体組成物は、好ましくは、タルクに、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカの順で被覆され、その重量割合がタルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:シリカ=55〜75:3〜7:12〜24:5〜15重量%であること、又は、タルクに、酸化チタン、酸化アルミニウム、球状シリカ、シリカの順で被覆され、その重量割合がタルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:球状シリカ:シリカ=40〜60:3〜13:8〜20:10〜24:5〜15重量%であること、又は、タルクに、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、シリカの順で被覆され、タルク:酸化チタン:酸化ジルコニウム:酸化アルミニウム:シリカ=40〜60:3〜13:5〜15:12〜24:5〜15重量%である。また、化粧料への好適に配合するため、粉体表面の疎水処理を行うことが好ましい。
【0025】疎水化処理は、疎水化処理剤を用いて行われ、疎水化処理剤としては、シリコーン油、脂肪族金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物などが挙げられる。シリコーン油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、メチルポリシロキサンエマルジョン、高級脂肪族エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン等が例示されるが、これらの例に限定されない。
【0026】脂肪族金属塩としては、特に炭素数12〜18のものが好ましく、またそれらの塩としては、例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等の塩が挙げられ、特にアルミニウム塩が好ましい。従って脂肪族金属塩のうち好ましいものとしては、アルミニウムモノステアレート、アルミニウムジステアレート、アルミニウムモノオレエート、アルミニウムモノパルミテート、アルミニウムモノラウレート等が例示されるがこれらの例に限定されない。
【0027】アルキルリン酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩としては、炭素数1〜45のものが挙げられ、特に炭素数8以上のものが望ましい。炭素数8未満であると、そのアルキリン酸金属塩が粘着性を示し、滑沢性、伸展性が低下するおそれがある。かかる炭化水素基としては、例えば、オクチル、ノニル、ドデシル、デシル、ウンデシル、エイコセニシル基等が挙げられる。また、アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アンモニウムとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン等のアミンから導かれるものが挙げられる。
【0028】アルキルリン酸又はその塩の具体例としては、ジセチルリン酸、モノラウリルリン酸、モノラウリルリン酸のナトリウム塩、カリウム塩又はアミン塩等が挙げられる。N-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸を構成する塩基性アミノ酸としては、α,γ−ジアミノ酪酸、オルニチン、リジン、アルギニン、ヒスチジン等が挙げられる。これらは光学活性体であってもラセミ体であってもよい。長鎖脂肪族アシル基としては炭素数8〜22の飽和又は不飽和の長鎖又は分岐鎖の脂肪族アシル基が挙げられ、単一長鎖のものであっても混合長鎖のものであってもよい。具体的には、2−エチルヘキサノイル、カプリロイル、カプロイル、ラスロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル、オレオイル、ベヘノイル、牛脂脂肪酸アシル、硬化牛脂脂肪酸アシル等が挙げられる。長鎖アシル基の塩基性アミノ酸への結合部位は、α位のアミノ基あるいはω位アミノ基であるが、アルギニン及びヒスチジンにおいてはα位のアミノ基に限定される。具体例としては、Nε-2-エチルヘコイルリジン、Nε-パルミトイルリジン、Nε-イソステアロイルリジン、Nα-ラウロイルアルギニン等が挙げられるが、これらの例に限定されない。
【0029】パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物としては、パーフルオロアルキルリン酸(米国特許第3632744号明細書)、フルオロアルキルジ(オキシエチレン)アミンリン酸エステル(特開昭62-250074号公報)、パーフルオロアルキル基を有する樹脂(特開昭55-167209号公報)、四フッ化エチレン樹脂、パーフルオロアルコール、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型フルオロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアルキルシラン(特開平2-218603号公報)等が挙げられる。
【0030】粉体を疎水化処理する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下に示す方法が挙げられる。粉体のシリコーン油による処理は、例えばシリコーン油の一種又は二種以上を適量のヘキサン等に溶解したものに粉体を分散させ、溶剤留去後100〜200℃で2〜10時間処理し、その後粉砕することにより行う事ができる。粉体のアルキルリン酸又はその塩による処理は、例えばアルキルリン酸をイソプロピルアルコール、ヘキサン等の溶剤で溶解したものに粉体を分散させ50℃〜70℃で1〜3時間処理し、溶剤留去後乾燥することにより行う事ができる。また、例えばアルキリン酸のアルカリ金属又はアミン塩を水に溶解したものに粉体を分散させ、50℃〜70℃で1〜3時間処理し、その後適当な酸で中和した後、熱時濾過し、エタノール水溶液で洗浄後、乾燥することにより行う事ができる。
【0031】また、粉体をN-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸で処理する方法としては乾式法は簡便かつ効果的であって、N-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸の微細粉末を粉体と攪拌混合するか、もしくはN-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸と粉体を混合した後、共粉砕することによって、粉体の表面を容易に処理できる。湿式法は、N-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸が中性付近の水及び通常の油にほとんど溶解しないため、塩化カルシウムを可溶化剤として用いてN-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸を有機溶剤に溶解した後、粉体を接触させ、更に水洗いして塩化カルシウムを除去して乾燥することにより、粉体の表面を処理できる。あるいは酸性もしくはアルカリ性の水又は水溶性溶媒中にN-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸を溶解して粉体を接触させた後、中性付近まで中和して粉体表面にN-モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸を析出付着させ、中和によって生じた塩を水洗いにより除去し、乾燥することによっても同様の表面処理ができる。(特開昭61-7202号公報、特開昭61-10503号公報)
粉体に対する疎水化処理剤の処理量は、0.05〜20重量%、特に2〜10重量%が十分な疎水性、良好な感触が得られ好ましい。
【0032】また、本発明の化粧料は、被験者の皮膚評価部位の前記化粧料塗布時の表面反射光成分を(C)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(D)とした場合、照射光の入射角が皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(D)-(C)>0であり、及び/又は、前記化粧料の全光線透過率が75%以上、及びヘーズが65%以上であることを特徴とし、ファンデーションが好適である。
【0033】評価法の最も好ましい形態は、前記皮膚表面反射光成分に関する手順及び前記透明性の評価に従って行われる。本発明の化粧料は特に限定されないが、ファンデーション又はおしろいが好適である。ルース型、固形、固形パウダー型、固形油性型、固形油中水型乳化型、油中水型乳化型、水中油型乳化型、二層分散油中水型、水性型等のいずれであってよく、ルース型、固形、固形パウダー型、固形油性型が好ましく、特に、ルース型おしろい、固形パウダー型及び固形油性型のファンデーションの場合に本発明の効果は最も発揮される。
【0034】前記化粧料に含まれる、前記無機粉体組成物の含有量は0.1〜90重量%であるが、おしろいのルース型の場合はより好ましくは5〜35重量%、固型の場合はより好ましくは7〜30重量%であり、ファンデーションの固形パウダー型の場合はより好ましくは7〜30重量%、固形油性型の場合は好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは5〜25重量%、固形油中水型乳化型、油中水型乳化型及び水中油型乳化型の場合は好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは5〜20重量%、二層分散油中水型の場合は好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは5〜15重量%、水性型の場合は0.1〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%である。
【0035】本発明の化粧料は、上記必須成分に加えて本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料、医薬部外品等に用いられる成分を配合することができる。このような成分としては、例えば水、油分、保湿剤、活性剤、前記以外の粉体、分散剤、防腐剤、香料、増粘剤等が挙げられる。油分としては、例えば、エステル油、シリコーンオイル、鉱物油、炭化水素、ワックス、脂肪酸、脂肪族アルコール天然脂肪、油性ゲル化剤等が挙げられ、配合量としては、0.01〜70重量%が好ましい。
【0036】保湿剤としては、例えば、多価アルコール、ムコ多糖類等の水溶液、コラーゲンなどのタンパク質水溶液、糖類、アミノ酸水溶液等が挙げられ、配合量としては、0.001〜30重量%が好ましい。粉体としては、例えば、無機顔料、有機顔料、シリコーン及びその誘導体、金属石鹸、フッ素化合物及びその誘導体、レシチン及びその誘導体、アミノ酸及びその塩等で表面処理された顔料等が挙げられ、配合量としては、0.1〜99重量%が好ましい。
【0037】活性剤としては、例えば、脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、レシチン及びホスフェートのような両性及び陰イオン界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンのようなシリコーン系活性剤等が挙げられ、配合量としては、0.01〜20重量%が好ましい。
【0038】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより詳細に説明する。なお本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。実施例1〜3、比較例1、2について、皮膚の表面反射光成分及び無機粉体組成物自身の透明性に対する影響を前記の方法により評価した。
実施例1タルク100gを純水1Lに添加して充分に分散し、これに二酸化チタンとして濃度20%の硫酸チタニル水溶液88.3gを加え攪拌しながら加熱し5時間沸騰させた。これを室温まで冷却し、濾過水洗し、110℃で乾燥させて、二酸化チタンの水和物が被覆されたタルクを得た。これを100g計量し1Lの純水中に添加しよく分散させて、70℃に加熱し、酸化ジルコニウムとして10重量%のオルト硫酸ジルコニウム水溶液176.5gを5重量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH5を維持しながら徐々に加えた。約2時間で添加を終了したあと、更に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを7〜8に調製して冷却し、濾過水洗し、110℃で乾燥することで、酸化チタン及び酸化ジルコニウムの水和物で被覆されたタルクを得た。これを更に100g計量し750mLの純水中に添加しよく分散させたものを、酸化アルミニウムとして濃度10%の塩化アルミニウム水溶液250g及び尿素160gを水500mLに溶かした溶液に加えてよく混合し90℃で5時間加熱し、室温まで冷却した。これを濾過水洗し、110℃で乾燥後、更に600℃で5時間加熱し、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムで順次被膜されたタルクを得た。更にこれを100g計量しエタノールと水の混合溶剤(7:3の比率)1Lに加えよく分散させる。これにシリカとして4重量%の正ケイ酸エチルエタノール溶液277.8gを加えて、50℃に加熱し約10時間保持した。次に、これを冷却後濾過し、エタノールにて洗浄後、更に純水で充分に洗浄し110℃で乾燥し、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びシリカが被覆されたタルク(粉末)を得た。その成分重量%はタルク:酸化チタン:酸化ジルコニウム:酸化アルミニウム:シリカ=52:9.2:10.8:18:10である。
【0039】実施例2タルク100gを純水1Lに添加して充分に分散し、これに二酸化チタンとして濃度20%の硫酸チタニル水溶液40.5gを加え攪拌しながら加熱し5時間沸騰させた。これを室温まで冷却し、濾過水洗し、110℃で乾燥させて、二酸化チタンの水和物が被覆されたタルクを得た。これを更に100g計量し750mLの純水中に添加しよく分散させたものを、酸化アルミニウムとして濃度10%の塩化アルミニウム水溶液250g及び尿素160gを水500mLに溶かした溶液に加えてよく混合し90℃で5時間加熱し、室温まで冷却した。これを濾過水洗し、110℃で乾燥後、更に600℃で5時間加熱し、酸化チタン、酸化アルミニウムで順次被膜されたタルクを得た。更にこれを100g計量しエタノールと水の混合溶剤(7:3の比率)1Lに加えよく分散させた。これにシリカとして4重量%の正ケイ酸エチルエタノール溶液277.8gを加えて、50℃に加熱し約10時間保持した。次に、これを冷却後濾過し、エタノールにて洗浄後、更に純水で充分に洗浄し110℃で乾燥し、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカで順次被膜されたタルク(粉末)を得た。その成分重量%は、タルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:シリカ=66.6:5.4:18:10である。
【0040】実施例3タルク100gを純水1Lに添加して充分に分散し、これに二酸化チタンとして濃度20%の硫酸チタニル水溶液88.3gを加え攪拌しながら加熱し5時間沸騰させた。これを室温まで冷却し、濾過水洗し、110℃で乾燥させて、二酸化チタンの水和物が被覆されたタルクを得た。これを更に100g計量し750mLの純水中に添加しよく分散させたものを、酸化アルミニウムとして濃度10%の塩化アルミニウム水溶液250g及び尿素160gを水500mLに溶かした溶液に加えてよく混合し90℃で5時間加熱し、室温まで冷却した。これを濾過水洗し、110℃で乾燥後、更に600℃で5時間加熱し、酸化チタン、酸化アルミニウムで順次被膜されたタルクを得た。次に、平均粒子径0.6μm真球状シリカの濃度20%のモノエチレングリコールを分散媒とするシリカオルガノゾル100gとイソプロパノール220gの混合液を調製した。これに酸化チタン、酸化アルミニウムで順次被覆されたタルク80gを添加し室温で混合攪拌した。次いでこの分散液に500gのエタノールを加え、更にアンモニア水を加えてpH9.5以上とし、液温を45℃に加温した後、この温度とpHを維持しつつ攪拌しながら正ケイ酸エチルと28%アンモニア水を同時に5時間かけて添加した。正ケイ酸エチルの添加量はシリカとして11.1gであった。添加終了後、更に2時間攪拌した後、濾過洗浄し、110℃で乾燥して、酸化チタン、酸化アルミニウム、球状シリカ、シリカで被覆されたタルク(粉末)を得た。その成分重量%はタルク:酸化チタン:酸化アルミニウム:球状シリカ:シリカ=49:8.6:14.4:18:10である。
【0041】比較例1実施例1で原料として使用したタルクを、実際に皮膚及び透明板に塗布した。
比較例2平均粒子径0.3μmの酸化亜鉛を、実際にヒト皮膚及び透明板に塗布した。皮膚への粉体の塗布量は10mg/cm2とした。実施例1〜3及び比較例1、2における光学的評価及び官能評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】皮膚表面反射光成分に関して、被験者の皮膚評価部位の前記粉体組成物塗布時の表面反射光成分を(A)、無塗布時の皮膚評価部位の表面反射光成分を(B)とした場合、照射光の入射角が皮膚表面に対して20〜70度の何れかの角度である場合の受光角が皮膚表面に対して反射方向40〜70度の何れかの角度で、常に(B)-(A)>0である場合を○、そうでない場合を×と評価した。粉体の透明性に関しては、全光線透過率が80%以上、及びヘーズが70%以上である場合を○、そうでない場合を×とした。
【0044】官能評価専門パネラー16名を用いて、試料粉体を皮膚に塗布し、シアー感、ベール感、カバー力、及び若く美しく仕上がるを重視した総合評価について官能評価を行った。評価基準はその項目が感じられる、やや感じられる、感じられないの3段階評価において、感じられる人数が13〜16名を○、5〜12名を△、1〜4名を×とした。
実施例4(1)実施例1の無機粉体組成物 20重量%、(2)タルク 残量、(3)セリサイト5.0重量%、(4)防腐剤 適量、(5)酸化防止剤 適量、(6)着色材 適量 について、製法として、(1)〜(6)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合後、粉砕を行い、ルース型おしろいを得た。
【0045】実施例5(1)実施例2の無機粉体組成物 15重量%、(2)シリコーン処理タルク残量、(3)シリコーン処理セリサイト 30重量%、(4)シリコーン処理マイカ10重量%、 (5)シリコーン処理酸化チタン 10重量%、(6)防腐剤適量、 (7)着色材 適量、(8)シリコーンオイル 3.5重量%、(9)2−エチルヘキサン酸セチル 2.0重量%、(10)吸着精製ラノリン 1.0重量%、(11)酸化防止剤 適量について、製法として、ヘンシェルミキサーにて(1)〜(7)を攪拌混合し粉砕を行い、混合溶解した(8)〜(11)を粉砕した(1)〜(7)とヘンシェルミキサーで攪拌混合し、再び粉砕を行い、金皿容器にプレスし固形パウダー型ファンデーションを得た。
【0046】実施例6(1)実施例3の無機粉体組成物 5重量%、(2)マイカ20重量%、(3)酸化チタン 15重量%、(4)ナイロンパウダー 5重量%、(5)シリコーンオイル 5重量%、(6)セレシン 6重量%、(7)スクワラン 15重量%、(8)吸着精製ラノリン10重量%、(9)カルナバ蝋 5重量%、(10)防腐剤 適量、(11)着色材 適量、(12)2−エチルヘキサン酸セチル 残量、を用いて、(1)〜(12)を加熱溶解分散後、3本ロールミルを行い、70℃で金皿容器に流し込み、固形油性型ファンデーションを得た。
【0047】比較例3(1)シリコーン処理タルク 残量、(2)シリコーン処理セリサイト 30重量%、(3)シリコーン処理マイカ10重量%、(4)シリコーン処理酸化チタン 10重量%、(5)防腐剤 適量、(6)着色材 適量、(7)シリコーンオイル 3.5重量%、(8)2−エチルヘキサン酸セチル 2.0重量%、 (9)吸着精製ラノリン 1.0重量%、(10)酸化防止剤 適量、を用いて、ヘンシェルミキサーにて(1)〜(6)を攪拌混合し粉砕を行い、混合溶解した(7)〜(10)を粉砕した(1)〜(6)とヘンシェルミキサーで攪拌混合し、再び粉砕を行い、金皿容器にプレスし固形パウダー型ファンデーションを得た。
【0048】図3に実施例5及び比較例3のファンデーションを塗布した場合の皮膚表面反射光成分を示す。表面反射光成分評価における皮膚へのファンデーションの塗布量は10mg/cm2とし、照射光の入射角は35度、受光角は反射方向に60度である。また、表2に透明性評価結果、及び官能評価を含む総合評価を表3に示す。実施例4〜6のファンデーションは、比較例3よりも、透明感もあり、非常に皮膚の質感に有効で、老いた肌を若くみせる効果がある優れた化粧料であった。
【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
【発明の効果】本発明の無機粉体組成物は、とくに化粧料成分として有用である。その評価は、人が肌の若さを視覚的に評価する場合の主因子である皮膚の質感が客観的かつ簡易な方法でなされており、皮膚を若く見せる組成物やそれを含む化粧料として使用可能である。
【出願人】 【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号
【識別番号】000190024
【氏名又は名称】触媒化成工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区堀川町580番地
【出願日】 平成13年7月18日(2001.7.18)
【代理人】 【識別番号】100075155
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外3名)
【公開番号】 特開2003−34617(P2003−34617A)
【公開日】 平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願番号】 特願2001−218386(P2001−218386)