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【発明の名称】 持続性放出医薬デリバリー装置
【発明者】 【氏名】スミス,トーマス ジェイ.

【氏名】アシュトン,ポール

【氏名】ピアソン,ポール エー.

【要約】 【課題】所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るために、哺乳類の生物を治療するための方法及び装置を提供する。

【解決手段】本方法は、上記のような治療が必要な哺乳類の生物に対して有効剤の放出が必要とされる領域に持続性放出医薬デリバリーシステムを投与し、そして制御された方法でのこの有効剤の上記装置の通過を許容することを含む。上記装置(1)は、上記有効剤を含んで成る内部コアまたはリザーバー(5);上記有効剤の通過に対し本質的に浸透性のない第一被覆層(10);及び上記有効剤の通過に対し浸透性のある第二被覆層(15)を含む。上記第一被覆層は上記内部コアの少なくとも一部分を被覆する;しかしながら上記内部コアの少なくとも小部分は上記第一被覆層により被覆されない。上記第二被覆層は上記第一被覆層及び上記内部コアの被覆されていない部分を本質的に完全に被覆する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所望の局所的又は全身的な生理学的若しくは薬理学的効果を得るための哺乳類の生物の治療方法であって、上記の治療を必要としている哺乳類の生物に、(1)所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るための有効量の剤を含む内部コアまたはリザーバー、(2)第一被覆層であって、上記の剤の通過に対し本質的に浸透性がなく、且つ、上記の内部コアの少なくとも一部を被覆しており、上記の内部コアの少なくとも小部分を被覆していないもの、並びに、(3)上記の剤の通過に対して浸透性がある第二被覆層であって、上記の第一被覆層、及び上記の内部コアの被覆されていない部分を本質的に被覆し、これにより、上記の剤が、制御された方法で上記の第二被覆層を通過することができるようにしているもの、を含んで成る持続性放出医薬デリバリーシステムを投与することを含む、哺乳類の生物の治療方法。
【請求項2】 上記の第二被覆層がポリビニルアルコールを含んで成る、請求項1に記載の哺乳類の生物の治療方法。
【請求項3】 上記の第一被覆層がエチレンビニルアセテートを含んで成る、請求項2に記載の哺乳類の生物の治療方法。
【請求項4】 上記の有効剤が5−フルオロウラシルまたはガンシクロビルを含んで成る請求項3に記載の哺乳類の生物の治療方法。
【請求項5】 サイトメガロウイルス網膜炎のための哺乳類の生物の治療方法であって、上記の治療を必要としている哺乳類の生物に、(1)所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得ることに効果的な有効量のガンシクロビルを含んで成る内部コアまたはリザーバー、(2)第一被覆層であって、上記のガンシクロビルの通過に対し本質的に浸透性がなく、且つ、上記の内部コアの少なくとも一部を被覆しており、上記の内部コアの少なくとも小部分を被覆していないもの、並びに、(3)上記のガンシクロビルの通過に対して浸透性がある第二被覆層であって、上記の第二被覆層が、上記の第一被覆層、及び上記の内部コアの被覆されていない部分を本質的に被覆し、これにより、上記のガンシクロビルが、制御された方法で上記の第二被覆層を通過することができるようにしているもの、を含んで成る持続性放出医薬デリバリーシステムを投与することを含んで成る哺乳類の生物の治療方法。
【請求項6】 ガンシクロビルの制御下の及び持続性の投与を哺乳類の生物に提供するための方法であって、上記の治療を必要としている哺乳類の生物に、(1)所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るための有効量のガンシクロビルを含んで成る内部コアまたはリザーバー、及び、(2)上記の内部コアを本質的に完全に被覆し、そして、上記のガンシクロビルの通過に対して浸透性がある被覆層であって、上記のガンシクロビルが、制御された方法で上記の第二被覆層を通過することができるようにしているもの、を含んで成る持続性放出医薬デリバリーシステムを投与することを含んで成る方法。
【請求項7】 上記の浸透性のある被覆層がポリビニルアルコールを含んで成る請求項6に記載の方法。
【請求項8】 上記の医薬デリバリーシステムが、上記のガンシクロビルの通過に対し本質的に浸透性のない他の被覆層をさらに含んでなり、この浸透性のない被覆層が上記内部コアの少なくとも一部分を被覆しており、ここで、上記の内部コアの少なくとも小部分は、上記の第一被覆層で被覆されていない、請求項6に記載の方法。
【請求項9】 上記の浸透性のある被覆層がポリビニルアルコールを含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項10】 上記の浸透性のない被覆層がエチレンビニルアセテートを含んで成る、請求項9に記載の方法。
【請求項11】 5−フルオロウラシルの制御下の及び持続性の投与を哺乳類の生物に提供するための方法であって、上記の治療を必要としている哺乳類の生物に、(1)所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るための有効量の5−フルオロウラシルを含んで成る内部コアまたはリザーバー、及び、(2)上記の内部コアを本質的に完全に被覆し、そして、上記の5−フルオロウラシルの通過に対して浸透性がある被覆層であって、これにより、上記の剤が、制御された方法で上記の第二被覆層を通過することができるようにしているもの、を含んで成る持続性放出医薬デリバリーシステムを投与することを含んで成る方法。
【請求項12】 上記の浸透性のある被覆層がポリビニルアルコールを含んで成る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】 上記の医薬デリバリーシステムが、他の被覆層をさらに含んでなり、これが、上記の5−フルオロウラシルの通過に対し本質的に浸透性のない他の被覆層であって、この浸透性のない被覆層が上記内部コアの少なくとも一部分を被覆しており、ここで、上記の内部コアの少なくとも小部分は、上記の第一被覆層により被覆されていない、請求項11に記載の方法。
【請求項14】 上記の浸透性のある被覆層がポリビニルアルコールを含んで成る、請求項13に記載の方法。
【請求項15】 上記の浸透性のない被覆層がエチレンビニルアセテートを含んで成る、請求項14に記載の方法。
【請求項16】 所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得ることにおいて効果的な剤の制御下の及び持続性の投与を提供するための方法であって、所望の部位に、(1)所望の生理学的または薬理学的効果を得ることにおいて効果的な有効量の剤を含んで成る内部コアまたはリザーバー、及び、(2)上記の内部コアを本質的に完全に被覆し、そして、上記の有効剤の通過に対して浸透性がある被覆層であって、これにより、上記の剤が、制御された方法で上記の第二被覆層を通過することができるようにしているもの、を含んで成る持続性放出医薬デリバリーシステムを外科手術により移植することを含んで成る方法。
【請求項17】 上記の装置が眼の硝子体内に外科手術により移植される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】 上記の医薬配達システムが、他の被覆層をさらに含んでなり、これは、上記の有効剤の通過に対し本質的に浸透性がなく、この浸透性のない被覆層が上記内部コアの少なくとも一部分を被覆しており、ここで、上記の内部コアの少なくとも小部分は、上記の第一被覆層により被覆されていない、請求項16に記載の方法。
【請求項19】 上記の浸透性のある被覆層がポリビニルアルコールを含んで成る、請求項17に記載の方法。
【請求項20】 上記の浸透性のない被覆層がエチレンビニルアセテートを含んで成る、請求項18に記載の方法。
【請求項21】 上記の有効剤がガンシクロビルまたは5−フルオロウラシルである請求項20に記載の方法。
【請求項22】 (A)所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得ることにおいて効果的な有効量の剤を含んで成る内部コアまたはリザーバー、(B)第一被覆層であって、上記の有効剤の通過に対し浸透性がなく、且つ、上記の内部コアの少なくとも一部を被覆しており、上記の内部コアの少なくとも小部分を被覆していないもの、並びに、(C)第二被覆層であって、上記の有効剤の通過に対して浸透性があり、上記の第一被覆層、及び上記の内部コアの被覆されていない部分を本質的に被覆しているもの、を含んで成る持続性放出医薬デリバリーシステム。
【請求項23】 上記の第二被覆層がポリビニルアルコールを含んで成る、請求項22に記載の持続性放出医薬デリバリーシステム。
【請求項24】 上記の第一被覆層がエチレンビニルアセテートを含んで成る、請求項23に記載の持続性放出医薬デリバリーシステム。
【請求項25】 上記の有効剤がガンシクロビルまたは5−フルオロウラシルである請求項24に記載の持続性放出医薬デリバリーシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】発明の分野本発明は、局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的な所望の効果を得ることにおいて有効な剤を含む内部のコアまたはリザーバー、上記の有効剤の通過に対し本質的に浸透性のない第一被覆、及び上記の有効剤の通過に対し浸透性のある第二被覆を含んで成る新規の持続性放出医薬デリバリー装置に関する。上記の第一被覆は、上記の内部コアの少なくとも一部分を被覆している;しかしながら、その内部コアの少なくとも小部分は、この第一被覆層によっては被覆されていない。上記の第二被覆層は、上記内部コアの上記第一被覆層及び上記非被覆部分を、本質的に完全に被覆している。上記の第一被覆層で被覆されていない上記内部コアの部分は、上記の剤の上記の第二被覆層への通過を許容し、これにより、制御された放出を可能にする。
発明の背景長年にわたり、様々な医薬が、多種多様の患いまたは疾病の処置を援助するために開発されてきた。しかしながら、多くの場合、このような医薬は、様々な有害な副作用を伴わないで、経口的にまたは静脈内に投与されることが不可能となっている。
【0002】例えば、静脈内のガンシクロビル(GCV)は、AIDS患者におけるCMV網膜炎の治療において有効であるが、骨髄毒性が、その有用性を限定している。静脈内のGCV治療の間の好中球減少(絶対的な好中球数<1000)の出現率は、30から50%までの範囲となる。GCV治療を継続的に維持することが、上記疾患の進行または再発を防止するために必要である。全身的なGCVの投与に関連する他の問題は、慢性的に内在しているカテーテルに関係する敗血症の危険を含み、そして、AIDS患者において延命及び免疫機能の改善が示されているジドブジン(AZT)と共存する治療を受けることができないことを含んでいる。週に1回または2回投与された、200〜400μgの硝子体内へのGCVの注射は、AIDS患者においてCMV網膜炎の一時的軽減という結果となった。眼内へのGCVの注射は、全身的な治療よりも高い眼内医薬濃度を提供することができ、そして好中球減少の出現率を減少させる。AIDS患者におけるCMV網膜炎の最近の治療は、明らかに最適以下である。ガンシクロビルは、ウイルス静止性であり、そしてこのような疾患の抑制は、医薬投与の維持を要求する。
【0003】特定の医薬を課するという危険のために、研究者は、これらの患い及び疾患の治療を援助するためのこのような医薬の投与システムを開発してきた。これらのシステムの多くは、有害な副作用の発生を減少させる放出速度を提供している。
【0004】1つのこのようなデリバリー装置は、組成物の各種の層内にカプセル化された医薬を含む経口的に投与されたピルまたはカプセルであって、消化管内で長い時間にわたって溶けそのことによりその系内に段階的にもしくはゆっくりと医薬を放出する。
【0005】このような医薬の投与を制御するための他のタイプの装置は、所望の効果を得るために、医薬の通過に対し浸透性のあるポリマー材により医薬を被覆することによって作られる。このような装置は、患者の全身を医薬に晒すことなしに、特定の局所領域にて患者を治療するのに特に好適である。これは利点をもつ、何故ならば、上記医薬の、可能性のあるいかなる副作用も、最小化され得るからである。
【0006】このようなシステムは、眼を冒す患いの治療に特に好適である。眼の外部表面への医薬の投与に関する前進は、Arnoldに対して特許された米国特許第4,014,335号に記載されている。Arnoldは、長時間にわたり涙の膜にゆっくりと医薬を放出するための沈着物または医薬リザーバーとして作用する各種の眼への挿入物について記載している。これらの挿入物は、生物学的に不活性、非アレルギー性、及び涙の液に不溶性である柔軟なポリマー材から作られている。これらの装置の治療的なプログラムを開始するために、眼への挿入物が、眼へ医薬を投与するために、眼球の強膜と眼瞼との間の盲嚢内に置かれる。
【0007】涙液に不溶なポリマー材から形成された装置は、そのポリマー材の分解または腐食により影響されない速度での、眼またはその周囲の組織への医薬の継続的な投与のための、医薬リザーバーとして役立つために必要とされる治療の経過の間、それらの形及び完全性を保持する。この所望の治療プログラムの終了時には、上記の装置は、上記の盲嚢から取り出される。
【0008】米国特許第3,416,530号に記載された、眼の外部表面への医薬の持続性放出のために使用された装置の他のタイプは、その装置の外側とポリマーの膜から一般的に決められた内部の室との間を連絡する多数の細管の開口により作られている。この構造物のこれらの細管の開口は、眼へ特定の医薬を放出するために有効であるが、それらは、その装置の製造に相当の複雑性を加える、なぜならば、各種ポリマーを使用する大規模な製造において、それらの開口の大きさを制御することが困難であるからである。
【0009】米国特許第3,618,604号に記載された他の装置は、上記のような細管の開口を含んでいないが、代わりに、ポリマー膜を通しての拡散による医薬の放出を提供する。この装置は、好ましい態様において、その特許中に記載されたように、その内部の室の中に医薬をもつ密封されたコンテナーを含んで成る。それでもなお、米国特許第4,014,335号に記載されたように、特定の問題が、例えば、そのコンテナーを作るためにその膜の縁をシールするという困難な仕事が、その装置について見いだされている。さらに、それらの装置を製造する間に、変形からその膜壁に導入された圧迫及び引っ張りが、その装置を破壊し、そして漏れを生じさせるであろう。
【0010】米国特許第4,014,335号に記載されたような他の上記のような装置は、涙液に不溶の材料から作られた分離したそして別個の第一の壁及び第三の壁の対をもつ3層の薄板を含んで成り、壁の1つは、医薬の通過に対し浸透性のある、医薬放出材料から作られており、そして、もう1方の壁は、医薬の通過に対し浸透性のない材料から作られている。上記のシステム及び装置は、特定の生理学的なまたは薬理学的な効果を得るための、所望の局所または全身的なレベルでの患者の治療において有効な医薬の持続性のある放出、を提供することを意図する。しかしながら、医薬の所望の放出速度を得ることがしばしば困難であるという事実を含む、それらの使用と関連する多くの欠点がある。より良い放出システムの必要性は、CMV網膜炎の治療において特に意義がある。それ故、所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るために患者への医薬の持続性放出を提供するための改良システムに関し、当業者の間で、長い間考えられてきた必要性が存在する。さらに、これらの装置の全ては、涙の膜にそれらの医薬を放出する。眼の内側に比較的高いレベルが要求される場合は、このような装置は、本質的に無用である。
発明の要約それ故に、本発明の第一の目的は、所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得ることにおいて有効な組成物の制御下の及び持続性のある放出に好適な装置を提供することである。上記装置は、1つの好ましい態様において、上記の所望の効果を得ることにおいて有効な剤を含む内部コアまたはリザーバーを含む。さらに上記装置は、第一の被覆層を含む。この第一の被覆層は、上記剤の通過に対し本質的に浸透性がなく、そして上記の内部コアの一部を覆っている。この第一の被覆層は、それが上記の内部コアに接するところの側にて、その内部コアから上記剤が通過することを妨害する。妨害されていない内部コアの残りの部分は、上記の剤の制御された量が上記の内部コアから上記の第二被覆層に通過することを許容する。この第二被覆層は、上記の剤の通過に対し浸透性があり、そして第一被覆層及び上記の晒された内部コアの全体を本質的に覆っている。この第一被覆層は、上記剤が上記第二被覆層に浸透する速度を制御するために、上記内部コアと上記第二被覆層との間に置かれている。
【0011】本発明の他の目的は、所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るための、哺乳類の生物、例えばヒトの治療方法を提供することである。この方法は、上記の剤の放出が必要とされる領域での本持続性放出医薬デリバリーシステムを配置すること、そして治療の必要な領域に上記の剤を上記第二被覆層を通して通過させることを含んでいる。
【0012】本発明の他の目的は、眼の硝子体への直接的な移植に好適な眼の装置を提供することである。驚くべきことに、本発明のこのような装置が有害な副作用をもたない眼の治療のための、各種組成物の持続性制御下の放出を提供することが見つけられている。
【0013】本発明の他の目的は、炎症または後包の不透明化を防ぐために、眼内水晶体に適用されるであろう眼の配達装置を提供することである。
【0014】以下で明らかになるであろう、本発明の、今後の並びに他の目的、利点、特徴、及び視点によって、本発明の性質は、発明の詳細な説明を、そして添付する請求の範囲を参照することにより、より明確に理解されることができる。
発明の好ましい態様の詳細な説明より具体的には、本発明は、驚くべきことに、所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得ることにおいて、有効な剤の制御されたそして持続性の放出に好適な装置を開発した。
【0015】この装置は、所望の効果を得ることにおいて有効な剤を含む内部コアまたはリザーバーを含む。この装置はさらに、第一被覆層及び第二被覆層を含む。この第一被覆層は、上記の内部コアの一部分のみを覆い、そして上記の剤を通過に対して浸透性がない。上記の第二被覆層は、上記内部コア及び上記第一被覆層の全体を覆い、そして上記剤の通過に対し浸透性がある。上記第一被覆層により被覆されていない上記内部コアの一部は、上記第二被覆層への上記剤の通過を容易にする。特に、上記剤の通過速度を制御している第二被覆層の隣接部分を通しての上記剤の通過を妨害するように、上記第一被覆層は、上記内部コアと上記第二被覆層との間に置かれる。
【0016】図1は、本発明の、持続性放出医薬デリバリー装置の1つの態様を説明している。図1に示した装置は、円筒形であるが、この装置は、いかなる形であることができるはずである。この装置は、内部コアまたはリザーバー(5)、内部コアまたはリザーバー(5)内の剤の通過に対し浸透性のない非浸透性被覆(10)、及び内部コアまたはリザーバー(5)内の剤の通過に対し浸透性のある浸透性被覆(15)を含んで成る。図1は、さらに、非浸透性キャップ(20)及び縫合タグ(25)を示している。
【0017】図2は、断面において、図1に示された装置を説明している。説明するように、内部コアまたはリザーバー(5)と非浸透性被覆(10)との間に、浸透性被覆(30)があることができる。この浸透性被覆(30)は、浸透性被覆(15)と同様の材料から作られることができる。図2に説明された態様において、その非浸透性キャップ(20)は、内部コアまたはリザーバー内の剤の通過を許容する通路(35)があるように、配置されている。この非浸透性キャップ(20)は、浸透性被覆(15)とリザーバーまたは内部コア(5)との間に配置されている。この縫合タグ(25)は、浸透性被覆(15)に接着されている。
【0018】本発明は、所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るための、哺乳類の生物の治療方法にさらに関する。この方法は、上記の持続性放出医薬デリバリーシステムを上記の哺乳類の生物に投与すること、そしてその所望の局所的または全身的な効果を得ることにおいて有効な剤がその哺乳類の生物に接触する上記の第二の被覆を通過することを許容することを含む。投与という用語が本明細書中で使われたときは、本装置を哺乳類の生物に晒すための、配置、挿入、注射、移植、またはその他の手段を意味している。投与の経路は、反応または治療のタイプを、剤のタイプを、及び好ましい投与の部位を含む様々な因子に依存する。
【0019】特定の態様における本装置は、少なくとも以下の範囲に関する所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得ることにおいて有効な剤の、制御下及び持続性の放出を提供することにおける用途をもつ。その範囲とは:癌の原発性腫瘍の治療(例えば、グリア芽細胞腫);慢性の痛み;関節炎;リウマチ症状;ホルモンの欠乏、例えば、糖尿病及び小人症;並びに、例えば移植拒絶におけるそして癌治療における免疫反応の修飾である。多種多様の他の疾患の症状も、本発明の医薬デリバリー装置の使用により、予防または治療されることができる。このような疾患の症状は、当業者により知られている。当業者でない者のためには、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Thrapeutics, 18th Ed., Pergamon Press, NY, 1990; 及びRemington's PharmaceuticalSciences, 18th Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990;を参考することができ、この両方が、本明細書中に引用により取り込まれる。
【0020】さらに、本装置は、AIDS及びAIDS関連の日和見感染、例えばサイトメガロウイルス感染、トキソプラズマ症、カリニ肺炎、及び細胞間の鳥型結核菌により感染した哺乳類の生物における使用に好適である。本装置は、特に、眼の症状の、例えば緑内障、増殖性の硝子体網膜症、糖尿病性網膜症、ブドウ膜炎、及び角膜炎の治療に好適である。本装置は、特に、サイトメガロウイルス網膜炎を患っている哺乳類の生物の治療における眼の装置としての治療にも好適であり、ここで、本装置が外科手術により眼の硝子体内に移植されている。
【0021】先に記載したように、内部コアまたはリザーバーは、所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得ることにおいて有効な剤を含む。以下のクラスの剤は、本発明の装置に取り込むことができる。そのクラスは:麻酔薬または鎮痛剤、例えばリドカイン及び関連化合物並びにベンゾジアゼピン及び関連化合物;抗癌剤、例えば5−フルオロウラシル、アドリアマイシン及び関連化合物;抗炎症剤、例えばリン酸6−マンノース;抗真菌剤、例えばフルコナゾール及び関連化合物;抗ウイルス剤、例えば3ナトリウムホスホモノホルメート、トリフルオロチミジン、サイクロビル、ガンシクロビル、DDI及びAZT;細胞輸送/動員(impending)剤、例えばコルヒチン、ビンクリスチン、サイトカラシンB及び関連化合物;抗緑内症薬、例えばベータ遮断薬(チモロ、ベータアテナロール等);免疫反応修飾剤、例えばムラミルジペプチド及び関連化合物;ペプチド及び蛋白質、例えばシクロスポリン、インシュリン、成長ホルモン、インシュリン関連成長因子、熱ショック蛋白及び関連化合物;ステロイド化合物、例えばデキサメタゾン、プレニゾロン及び関連化合物;そして、炭酸化阻害剤である。
【0022】上記の剤に加えて、他の剤が、局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的に有益な効果を生じさせるための、眼及びその周囲の組織への投与に好適である。このような剤の例は、抗生物質、例えばテトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミクシン、ガラミシジン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、及びエリスロマイシン;抗バクテリア剤、例えばスルホンアミド、スルフアセトアミド、スルファメチゾール及びスルフィソキサゾール;イドクスウリジンを含む抗ウイルス剤;そして他の抗バクテリア剤、例えばニトロフラゾン及びプロピオン酸ナトリウム;抗アレルギー剤、例えばアンタゾリン、メタピリリン、クロルフェニラミン、ピリルアミン及びプロフェンピリダミン;抗炎症剤、例えばヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン21−リン酸塩、フルオシノロン、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21−リン酸塩、酢酸プレドニゾロン、フルオロメタロン、ベータメタゾン、及びトリミノロン;うっ血除去薬、例えばフェニルエフリン、ナファゾリン、及びテトラヒドラゾリン;縮瞳薬及び抗コリンエステラーゼ剤、例えばピロカルピン、エセリンサリシレート、カルバコール、ジイソプロピルフルオロホスフェート、ホスホリンヨード、及び臭化デメカリウム;散瞳薬、例えば硫酸アトロピン、シクロペントレート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピックアミド、ユーカトロピン、及びヒドロキシアンフェタミン;そして交感神経薬、例えばエピネフリンである。他の剤の同定のためには、いくつかの標準的な医薬の教科書、例えばRemington's PharmaceuticalSciences を、もう一度参照することができる。
【0023】このような化合物の医薬として許容される形態は、本発明の実施においては、すなわち、遊離の塩基または医薬として許容される塩もしくはそれらのエステルとして使用されることができる。例えば、医薬として許容される塩は、硫酸塩、乳酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、等を含む。
【0024】多数のポリマーが、本発明の装置を構築するために使用されることができる。必要とされることは、それらが不活性、非免疫原性、そして所望の浸透性をもつということのみである。
【0025】本装置の第一または第二被覆層を作るのに好適であることができる材料は、体液または眼の組織と生物学的に適合性がありそしてその材料が接する体液に本質的に溶解しない天然のもしくは合成の材料を含む。眼の液に速やかに溶ける材料または高い溶解性の材料の使用は避けなければならない。なぜならば、壁の破壊は、医薬の放出の一定性、並びに本システムが長い時間にわたり適所に残る能力に影響を及ぼすであろうからである。
【0026】体液または眼の組織と生物学的に適合性がありそしてその材料が接する体液に本質的に溶解しない天然のもしくは合成の材料は、これに限定はされないが、以下のものを含む。含まれる材料は:酢酸ポリビニル、架橋性ポリビニルアルコール、架橋性ポリビニルブチレート、エチレンエチルアクリレート共重合体、ポリエチルヘキシルアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリビニルアセタール、可塑性エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、酢酸ポリビニル、エチレン塩化ビニル共重合体、ポリビニルエステル、ポリビニルブチレート、ポリビニルホルマール、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑性塩化ポリビニル、可塑性ナイロン、可塑性軟化ナイロン、可塑性ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ポリビニリデン、ポリアクリロニトリル、架橋性ポリビニルピロリドン、ポリトリフルオロクロロエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ(1,4′−イソプロピリジンジフェニレンカーボネート)、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ビニル、塩化−ジエチル フメレール(fumerale)共重合体、シリコンラバー、特別の医薬グレードのポリジメチルシロキサン、エチレン−プロピレンラバー、シリコン−カーボネート共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、及び塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体である。
【0027】特に、本発明の装置の第一層は、上に載せたポリマーのいずれかから、または体液または眼の組織と生物学的に適合性がありその材料が接する体液に本質的に溶解せず、そして有効剤の通過に対して本質的に浸透性がない他のポリマーのいずれかから作られることができる。用語、浸透性のない(impermeable)は、本明細書で使用されたとき、上記の層が所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るために必要な速度で上記有効剤の通過を許容しないことを意味する。
【0028】第一層は、上記のように、内部コアから第二被覆層の隣接部分への上記剤の通過に対し浸透性のないものとして選ばれるべきである。
【0029】その目的は、上記部分への剤の通過を妨害することであり、そしてこれにより、医薬デリバリー装置からの剤の放出を制御することである。上記第一層の組成物、例えば上記のポリマーは、上記の制御された放出を許容するように選ばれるべきである。第一層の好ましい組成物は、上記活性剤、所望の制御速度、及び投与の形態のような因子に依存して変化するであろう。上記活性剤の性質は重要である。なぜならば、その分子サイズが、例えば、上記第二層への上記剤の放出速度を決定することにおいて決定的であるからである。
【0030】第一層は上記有効剤の通過に対し本質的に浸透性がないので、内部コアまたはリザーバーの一部分のみが、その第一被覆層により覆われることができる。本装置の所望のデリバリー速度に依存して、この第一被覆層は、上記有効剤のより速い放出速度のためには、上記内部コアの表面範囲の小部分のみを覆うであろうし、あるいは上記有効剤のより遅い放出速度のためには、上記内部コアの表面範囲の大部分を覆うであろう。
【0031】より速い放出速度のためには、第一被覆層は、内部コアの表面積の10%まで覆われることができる。好ましくは、より速い放出速度のためには、内部コアの表面積の約5〜10%が、第一被覆層により被覆される。
【0032】より遅い放出速度のためには、第一被覆層は、内部コアの表面積の少なくとも10%で覆われることができる。好ましくは、内部コアの表面積の少なくとも25%が、第一被覆層により被覆される。さらにより遅い放出速度のためには、上記表面積の少なくとも50%が被覆されることができる。さらにより遅い放出速度のためには、上記表面積の少なくとも75%が被覆されることができる。さらにより遅い放出速度のためには、上記表面積の少なくとも95%が被覆されることができる。
【0033】したがって、100%まで(しかし100%は含まない)の上記内部コアの表面積の部分は、上記剤の所望の放出速度が得られるまで、上記第一被覆層により被覆されることができる。
【0034】この第一被覆は、上記内部コアの頂上、底、側を(これに限定されないが)含んでいる、内部コアのどこにでも位置することができる。さらに、それは、頂上面と側面上に、または底面と側面、または頂上面と底面、または対向する側面上に、あるいは頂上面と、底面と、もしくは側面との任意の組合せ上にあるはずである。
【0035】本発明の装置の第二の層は、体液または眼の組織と生物学的に適合性があり、その材料が接する体液に本質的に溶解せず、そして上記の剤の、または所望の効果を得ることにおいて有効な組成物の通過に対して浸透性があるものでなければならない。
【0036】上記有効剤は、より低い化学ポテンシャルの方向に、すなわち、上記装置の外側の表面の方向に拡散する。上記装置の外側の表面では、平衡が再び確立される。上記第二被覆層の両側での条件が一定に保たれるとき、上記有効剤の静止状態束が、フィックの拡散法則に従って確立されるであろう。上記医薬が拡散により上記材料を通過する速度は、一般的に、上記医薬のそこでの溶解性に、並びにその壁の厚さに依存する。このことは、上記壁を作るための適切な材料の選択が使用されるべき特定の医薬に依存するであろうということを意味している。
【0037】本発明のポリマーの層を通しての上記有効剤の拡散速度は、沈降(sink)条件下で行われる拡散セル試験を介して決定されることができる。沈降条件下で行われる拡散セル試験においては、供給区分内の高い濃度と比較したとき、その受容区分内の医薬の濃度は、本質的にゼロである。このような条件では、医薬放出の速度は、以下の式:Q/t=(D・K・A・DC)/h〔ここで、Qが、放出された医薬の量であり、tが、時間であり、Dが、拡散係数であり、Kが、分配係数であり、Aが、表面積であり、DCが、膜を隔てた医薬の濃度差であり、そしてhが、膜の厚さである〕
小孔を満たす水を介しての、層を通しての剤の拡散である場合は、分配現象はない。それ故、Kは、上記方程式から削除できる。沈降条件下では、供給側からの放出が非常に遅い場合は、DC値は本質的に一定であり、そして供給区分の濃度に等しい。それ故、放出速度は、膜の表面積(A)、厚さ(h)、及び拡散率(D)に依存するようになる。本発明の装置の構築において、その大きさ(及びそれ故の、表面積)は、主に、上記有効剤のサイズに依存する。
【0038】それ故に、浸透性の値は、Q対時間のプロットの勾配から得ることができる。この浸透性Pは、以下の式:P=(K・D)/hにより、上記拡散係数Dと関係付けできる。上記浸透性が、上記剤の通過に対し浸透性のある被覆のために一旦確立されれば、上記剤の通過に対し浸透性のない被覆により覆われなければならない剤の表面積が決定される。このことは、所望の放出速度が得られるまで、利用可能な表面積をだんだんと減少させていくことにより行われる。
【0039】第二被覆層としての使用に好適な微少孔のある材料の例は、例えば、米国特許第4,014,335号(引用により、その全体が本明細書中に取り込まれる)に記載されている。これらの物質は、架橋性ポリビニルアルコール、ポリオレフィンもしくはポリビニル塩化物または架橋性ゼラチン;再合成された、不溶の、非浸食性のセルロース、アシル化されたセルロース、エステル化されたセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートジエチル−アミノアセテート;ポリウレタン、ポリカーボネート、そして、ポリカチオン及びポリアニオンにより修飾された不溶のコラーゲンの共沈により形成された微少孔ポリマーである。架橋性ポリビニルアルコールが好ましい。上記第二被覆層は、内部コアから哺乳類の生物に、例えばヒトに接する部分への剤の放出が遅くなるように選ばれる。この第二の被覆層は、上記剤のその生物学的環境への段階的放出または制御を提供することを必要としない、しかしながら、この第二被覆層は、その性質または特徴をも持つように遊離に選択されることができる。
【0040】本発明の装置は、多種多様な方法により、例えば、剤の有効量を得て、そしてその剤を所望の形状に圧縮することにより作ることができる。一旦形が作られれば、第一被覆層が塗られることができる。エチレンビニルアセテートの場合には、この第一被覆層は、上記剤の外側の表面へのシートまたは膜の形態で直接的に塗られることができる。場合によっては、この有効な剤は、上記第一被覆層による被覆に先立ってその全表面について使用された浸透性被覆をもつことができる。図2を参照のこと。一旦第一被覆層がこの装置に塗られた場合、第二被覆層も塗られることができる。ポリビニルアルコールの場合は、この第二被覆は、1またはそれより多くの回数、所望のポリマーを含む溶液中にその装置を漬けることにより塗られることができる。場合により、この第二被覆層は、ポリマー溶液による本装置の外部表面の被覆の、ドロッピング、スプレー、ブラッシングまたは他の手段により塗られることができる。この第二被覆層を得るためにポリビニルアルコール溶液が使用されたときは、所望の厚さは、数回にわたる被覆によって得ることができる。それぞれの被覆は、その次に被覆に先立って乾燥されることができる。最後に、この装置は、外側の被覆の浸透性を調整するために加熱されることができる。
【0041】本発明の装置をどのように作るかという今までの記述は、様々な組成物が当業者によく知られているように、単に説明的であり、そしてどのような方法によっても本発明の範囲を限定するべきではない。特に、装置の製造方法は、選択された活性剤及びポリマーの性質に依存する。この活性剤、並びに第一被覆及び第二被覆の両方の組成が与えられれば、当業者は、従来の被覆技術を使用して、本発明の装置を簡単に作ることができるはずである。
【0042】所望の局所的または全身的な生理学的もしくは薬理学的効果を得るための哺乳類の生物の治療方法は、本発明の持続性放出医薬デリバリー装置を哺乳類の生物に投与すること、そして上記剤を本装置を通して哺乳類の生物と直接接するところに通過させることを含む。
【0043】本発明の医薬配達システムは、当業者に知られた投与の経路を介して哺乳類の生物に投与されることができる。このような投与の経路は、眼内、経口、皮下、筋肉内、腹膜内、鼻内、皮膚内、等を含む。さらに、1つまたはそれより多くの装置は、1回で投与されることができるし、または1つより多くの剤を上記内部コア内に含むことができる。
【0044】本発明の医薬デリバリーシステムは、特に、眼の硝子体への直接的移植に、そして眼内水晶体への適用に好適である。
【0045】これらの投与方法及びそれらの調製技術は、当業者によく知られている。それらの調製技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences に述べられている。
【0046】この医薬デリバリーシステムは、十分な長さの時間で、そして関連する疾患状態の治療を許容する条件下で投与されることができる。
【0047】局在化された医薬のデリバリーのためには、本装置は、その作用部位に、または近くに外科的に移植されることができる。これは、眼の症状、原発性腫瘍、リウマチ及び関節炎の症状、並びに慢性の痛みの治療において使用された本発明の装置に関してのケースである。
【0048】全身的な軽減のためには、本装置は、皮下に、筋肉内に、または腹膜内に移植されることができる。これは、装置が持続性の全身的なレベルを与え、そして早発の代謝を回避するときのケースである。さらに、このような装置は、経口的に投与されることができる。
【0049】本発明の1つの態様において、ウイルスの複製を防ぐために有効な量におけるその有効剤としてガンシクロビルを含む眼の装置が、調製されることができる。以降の例にさらに示されるように、眼の硝子体に外科的に移植されたとき、このような装置は、サイトメガロウイルス網膜炎の再生産と効果的に戦い、そしてそれを抑制するために使用されることができる。このような装置は、治療が終了した後永久に硝子体内に残ることができる。これらの装置において使用されるガンシクロビルの好ましい量は、約0.01mgから約20mgまでの範囲にある。より好ましくは、このような装置は、約2mgから約10mgまでのガンシクロビルを含む。これらの好ましい範囲は、数時間から1年以上の期間にわたりガンシクロビルの持続性放出を提供することができる。好ましい第一被覆層は、エチレンビニルアセテートである。好ましい第二被覆層は、ポリビニルアルコールである。このような装置が、眼の硝子体内の移植のために調製されたとき、その装置は、いずれの方向においても約5ミリメーターを超えないことが好まれる。従って、図2に示す円筒形の装置は、好ましくは、高さまたは直径において5ミリメーターを超えないであろう。さらに、第一被覆層の好ましい厚さは、約0.1から約1.0ミリメーターまでの範囲である。第二被覆層の好ましい厚さは、約0.1から約2.0ミリメーターまでの範囲にある。
【0050】本発明の他の態様においては、その有効剤として5−FUを含む眼の装置が調製され得る。以降の例にさらに記載するように、このような装置は、眼の結膜の下に移植されたとき、濾過外科手術の後、緑内症患者の眼内圧力を効果的に維持するために使用されることができる。これらの装置において使用されるガンシクロビルの好ましい量は、約0.01mgから約15mgまでの範囲にある。より好ましくは、このような装置は、約2mgから約15mgまでを含む。これらの好ましい範囲は、数時間から2カ月以上の期間にわたり5−FUの持続性放出を提供することができる。好ましい材料は、第一被覆層としてエチレンビニルアセテートを、そして第二被覆層としてポリビニルアルコールを含む。この第一被覆層の好ましい厚さは、約0.01から約1.0ミリメーターの範囲にある。この第二被覆層の好ましい厚さは、約0.01から約2.0ミリメーターまでの範囲にある。
【0051】場合によっては、1つまたはそれより多くの装置が、眼内水晶体またはそこからの触覚の延長物に接着することができるであろう。それに接着された本発明の装置をもち、そして5−FU、コルヒチン、またはデキサメタゾンを含んでいる眼内水晶体は、外包の白内障の手術を経験した患者の治療に特に好適である。とりわけ、このような装置は、残りの水晶体細胞の増殖を減少するために使用されることができ、このように、後包の不透明化を防止または減少する。
【0052】本発明の上記の態様は、有効剤の好ましい範囲の量、そして好ましい第一及び第二被覆の好ましい厚さにより記載されているが、これらの選択は、本発明を限定することを意味するものでは全くない。当業者により難なく理解されるであろうが、上記の好ましい量、材料及び大きさは、投与の方法、使用された有効剤、使用されたポリマー、所望の放出速度、等に依存する。同様に、実際の放出速度及び放出期間は、上記のものに加えて様々な因子に、例えば治療されている疾患の状態に、患者の年齢及び症状に、投与の経路に、並びに当業者には容易に分かるであろう他の因子に依存する。
【0053】これらの例及びそれらと同等のものが本明細書に照らして当業者に対しより明らかになるようにするために、以下の例は、単に、本発明を説明するにすぎず、本発明の範囲を限定していると考えるべきではない。
【0054】例1抗ウイルス剤の眼内の持続性放出本例は、現在のGCV治療と関連する重い問題が、上記医薬を局所的にデリバリーすることによって回避可能であり、これにより高い全身的な医薬レベルを回避することができることを示している。本発明者は、眼内で90日間以上の間GCVを放出するであろう移植可能な装置を開発した。この装置は、エチレンビニルアセテート(EVA)及びポリビニルアルコール(PVA)の層に包まれた6mgのGCVから構成されている。
【0055】ポリマーの特徴EVAを5トンの圧力下、180℃で圧縮することによりEVA膜を調製した。PVC膜を、PVA溶液から調製した。これを乾燥し、フィルムとし、そして次に120,150または180℃まで加熱した。EVA及びPVA膜のGCVに対する浸透性を、インビトロにおいて、平行ガラス拡散室(Crown Glass Co.,Somerville, NJ)を使用して測定した。GCVの1mlの溶液を、標準リン酸緩衝液(pH7.4)内で調製し、そして上記室の供給側に使用した。上記受容区分への上記膜を横切るGCVの浸透を、37℃で3時間測定した。この装置が、インビトロにおいて、約50μg/日の放出速度で、約120日間の間、線型にGCVを放出することが判明した。
【0056】本装置の調製及びテスト2.5mmのダイを使用した直接圧縮により、6mgのGCVを調製した。浸透性のないEVA膜により3つの側上を囲み、そして次に10%PVA内で被覆した。24時間乾燥に供した後、放出速度をさらに減少させるため、本装置を180℃で4.7時間処理した。上記のように調製された装置からのGCVの放出速度を、インビトロにおいて、等張性のリン酸緩衝液(pH7.4)の5ml内でそれぞれの装置を浸すことによって、測定した。1mlのサンプルを、定期的に引き上げ、そして新しい緩衝液で置換し、そしてその緩衝溶液を微生物の増殖を避けるために10日毎に交換した。
【0057】PVA膜を横切っての見かけのGCVの浸透係数は、それらが処理された温度に依存した。上記膜の物理的性質の変化は、ポリマーの結晶構造の変化に原因がある。EVA膜を横切ってのGCVの浸透性は、浸透係数があまりに低いので計算できなかった。PVC膜を横切ってのGCVの浸透性を、以下の表1に記述する。
【0058】
表1 各種温度にて処理された、PVA膜を横切るGCVの浸透性 Papp(cm/s×10-7) 膜温度(℃) +/−SD,N=4 125 8.3+/−0.6 150 2.1+/−0.2 180 0.9+/−0.1インビトロにおける装置のテスト装置を、白皮症のウサギの結膜下及び硝子体に外科手術により移植した。10日後、上記動物を殺し、そして組織学的調査を実施した。もう1つのグループの動物においては、装置を、眼の後方の室に移植し、そして硝子体液のサンプルを定期的に取り出した。3番目のグループの動物においては、装置を、両眼の硝子体内に移植した。上記装置を移植した後、10,30,40,70及び80日目に上記動物を殺した。上記装置及び硝子体サンプルを分析のために取り出した。これらのサンプル中のGCVの濃度を、254nmでのUV検出を使用したHPLCにより測定した。C−18の逆相カラムを使用し、移動相は0.02%のアンモニウムアセテート緩衝液(pH4.0)そして流速は1ml/分であった。網膜機能に関しての移植の効果を、上記研究の前後で、網膜電位図(ERG)試験を実施することにより評価した。
【0059】組織学的調査は、本装置の移植に起因する毒性または炎症反応の兆候を与えなかった。いくつかの炎症が本装置をそこに止めるために使用された縫合の周囲に見られたが、このことは、この装置自体よりも悪い反応を示していた。硝子体サンプルの分析により、本装置が、80日間以上にわたり2μg/mlで、またはそれより上の濃度で、硝子体内にGCVのレベルを維持したことが示された。上記のERGのデータにより、得られたGCVのレベルが上記ウサギの眼内に網膜毒性を全く起こさなかったことが示唆された。今まで報告されていないが、薬剤耐性がCMV内で出現するという可能性が存在する。GCVに対する耐性は、それは生じるはずであるが、同様の放出装置内の他の医薬(ホスカネットまたはトリフルオロチミジン)の使用により打ち消されることができる。
【0060】結論GCVの放出のための制御性放出装置の移植は、現存の治療を超えるいくつかの有意な利点を提供するようである。ウサギにおいて実施された上記の研究により、GCVの硝子体内濃度が、全身的に高く晒されることなく長い期間にわたり、CMVに関してID 100より上で維持され得ることが示された。このことは、有効である場合には、失明に至る可能性が潜在的にあるCMV網膜炎を治療するであろうし、HIVに関しての最新のAZTの治療を可能にするであろう。
【0061】例2ガンシクロビルの眼内の持続性放出:膜の浸透性及び装置の構築以下の段落は、本発明の特定の態様に関する膜の浸透性及び装置の構築を説明する。
【0062】ガンシクロビルを、粉体の形態で遊離の酸として、Syntex Laboratories から入手した。あるいは、上記遊離酸のガンシクロビルを、商業的に利用できる塩の水溶液(pH11.2)を中性にすることにより調製した。沈殿させた製品を、次に95%エタノールからの2回の連続した再結晶化により精製した。緩衝液を、蒸留水中で、2炭酸ナトリウム(0.68%)、2炭酸カリウム(0.03%)、及び塩化ナトリウム(0.65%)から構成した。この緩衝液のpHを、使用に先立って7.4に調整した。分子量76−78,000のポリビニルアルコール(PVA)及び98%水和物をAldrich Chemical Co.から入手した。エチレンビニルアセテートを、WilmingtonのDu Pont から入手した(商標名ELVAX、グレード40w)。
【0063】拡散セル実験60℃で200mlの蒸留水に4グラムのPVAを溶解することにより、PVA膜を調製した。このPVA溶液を22℃まで冷却し、そして上記の完全混合液を、46cmに対する35cmを示す石英ガラスの厚板を完全に覆い隠すところまで注いだ。16時間乾燥した後、上記PVAフィルムを上記厚板から取り出した。このやり方で調製した膜を、次に190℃で4時間、普通のオーブンで硬化した。
【0064】上記膜をガラスの拡散セル(Crown Glass Co., Somerville, NJ)の区分の間に置くことにより、拡散セル実験を実施した。これらのセルの内径は、1cm(拡散の全表面積は、0.78cm2 )であり;それぞれの区分の容量は、3mlであった。小さなマグネチックスターラーのロッドをそれぞれの区分の中に置き、そしてマグネチックスターラー装置により操作した。この全装置を、循環水浴により37℃で保った。膜を、最初に、30分間、等張性の緩衝生理食塩水(pH7.4)に浸し、そして次に、上記の室内に装填した。適所に膜を置き、緩衝液をそれぞれの区分に添加し、そして上記膜を水和するために30分間あるべき場所に置き、そして次に取り出した。等張性の緩衝生理食塩水にGCVを含む0.025%の溶液を、供給区分に添加し、そして上記の緩衝液を受容区分に添加した。この受容区分の内容物は、分析のために定期的に取り出され、そして新しい緩衝液により置換され、これにより沈降条件を維持した。
【0065】ガンシクロビルの濃度を測定するために紫外線スペクトロメトリー分析を使用した(252nm、検出限界0.1μg/cc)。涙の緩衝液内の既知の医薬濃度を使用することにより、吸光度と濃度との直線的な関係が示された。
【0066】EVA膜のシートを、3.5グラムのペレットを190℃で4メートルトン下で0.6mmの厚さに圧縮することにより調製した。PVAのために先に記載したように、拡散セル試験を、EVA膜で実施した。GCVが上記EVA層を通して浸透しないことが明らかとなった。
【0067】装置の構築EVAはガンシクロビルに対し浸透性がないことが判明したので、本装置内で遮蔽剤として使用した。EVA膜を上記のように調製した。6ミリグラムのGCVのペレットを、500ポンドの圧力下で直径2.5mmのペレットに圧縮した。
【0068】300μlの10%PVA溶液内でガンシクロビルの6mgのペレットを被覆し、そしてこのペレットを乾燥することにより、2μg/hrを放出する持続性放出GCV装置の第一のタイプを調製した。次にこのペレットを、圧縮されたEVAのフィルムにより3つの側上で被覆し、そして10%PVA内で被覆された3mmのディスクによりキャップした。それ故、このペレットは、上記のEVA壁と上記キャップとの間のPVAの薄いリングを除いて、EVAにより完全に周囲を囲まれた。図2を参照のこと。次にこの装置一式を10%PVA内で完全に被覆し、そして一夜乾燥に供した。この埋め込まれたペレットを、4mmの穴開け器を使用して円盤形状に切り出した。乾燥10%PVAの細長い一片を本装置の底面に2%PVAの一滴で接着することにより、縫合用ストラットを本装置にくっつけた。この装置を引き続き190℃で4.75時間ベークした。
【0069】GMVペレットがその頂上と底でのみEVAにより被覆された表面をもっていることを除き、5μg/hrを放出する第二のタイプの装置を、上記同様の方法で調製した。
【0070】放出速度の研究37℃で、10mlの等張性緩衝生理食塩水内に、本装置を置いた。この溶液を定期的にサンプリングし、そして沈降条件を維持するために交換した。これらのサンプル中のGCVの濃度を、254nmのUV検出を使用したHPLCにより測定した。上記サンプルの吸光度を、医薬の濃度に変換し、そして累積医薬放出量(3回の実験の平均)を時間に対してプロットした。
【0071】上記のように、このGCV装置は、2±0.5μg/hr(第一タイプ)及び5±1μg/hr(第二タイプ)の速度で、ガンシクロビルを放出した。
【0072】装置/医薬の安定性上記の個々の成分(EVA,PVA及びガンシクロビル)の近赤外線は、熱処理後、変化を示さなかった:しかしながら、本装置は、約2075nmでシングルの新しいピークを示した。さらに、HPLC分析に基づいては、上記ガンシクロビルの熱処理後、見かけの、医薬の損失または分解はなかったし、そして本装置の操作EMにより、熱処理後、本装置の壁内に孔またはクラックがなかったことが示された。
【0073】例3ガンシクロビルの硝子体内の持続性放出:インビボにおける薬理動態及び耐性本研究において使用された移植に関する、膜浸透性の研究、移植物の構築の研究及びインビトロにおける放出速度の研究を、例2に記載した。インビトロにおいて2または5μg/hrを放出する移植物を調製した。移植物は、Sterile Products Division of the Veterans Administration Hospital in Lexington, Kentuckyにより、エチレンオキサイドのガスで滅菌された。インビトロにおいて5個おきに装置の放出速度を測定することにより品質管理を行った。滅菌は、5個おきに装置を培養のために供することにより、確認された。
【0074】体重1.5〜2kgのNew Zealand 白皮症ウサギを、本研究で使用した。筋肉内の塩酸ケタミン(40mg/kg)、硫酸アトロピン(0.1mg/kg)、キシラジン塩酸塩(10mg/kg)及び局所的プロパラカイン(0.5mg/kg)により、麻酔を提供した。瞳孔の拡張を、局所的なフェニレフリン(2.5%)及びトロピカミド(1%)の数滴により達成した。
【0075】ベースラインの明所視の網膜電位図を、それぞれのウサギにおいて手術前に角膜のコンタクトレンズを使用して記録した。Gansfeld刺激を、結果の標準化を改善するために使用した。鎮静とした後、上記ウサギをGansfeld刺激器内のフラッシュ装置から20cm離れたところに置いた。フラッシュ(網膜錐体、及び杆状細胞の光感受性外向突起(rod)の反応)及びフリッカー(網膜錐体の反応)ERGを、光適合条件下で実施した。グラフによる測定を記録し、そして波形の振幅及び盲目の時間が計算された。
【0076】次に、EVA/PVA膜の挿入または硝子体のサンプリングに関連する網膜剥離の機会を減少させるため、それぞれの眼内の周辺網膜の上方180度に冷凍固定法を適用した。これを実施したのは、上記のNew Zealand 白皮症ウサギの毛様体輪が殆ど発達していないということによるものであり、そしてそれ故に、本装置を移植し、そして硝子体サンプルを網膜を通して取り出すことが必要である。本装置の挿入の直前まで、上記のERGを4週間の間繰り返した。
【0077】全ての眼内の手順を、無菌条件下で実施し、そして実験動物の倫理的処置に関するARVO仕様書に従った。開眼器を置いた後、360度の包皮環状切除を実施した。直筋を2−0の黒い絹糸の縫合により固定した。倒像検眼鏡を使用して、先の冷凍固定の範囲を限局化し、そして強膜のジアテルミーにより印をつけた。
【0078】外部のPVAの支持タグを通しての7−0の絹糸縫合の設置に先立って、上記のEVA/PVA装置を無菌生理食塩水に浸した。冷凍固定法の範囲を通して5mmの強膜切開部位を作るために、MVR刃を使用した。硝子体への穿通は、拡張した瞳孔を通して、上記のMVR刃を直接的に肉眼観察することにより確認された。本装置を上記硝子体の腔に置き、そして外部のPVAの支持タグにくっついている7−0の絹糸縫合により強膜に固定した。この強膜内に残る欠損を、中断されたやり方で7−0絹糸により閉じた。ポリミキシンB、バシトラシン、及びネオマオシンから成る局所的な抗生物質の数滴を、それぞれの手順の後3日間の間、一日に2回、それぞれの眼にすこしずつ注ぎ込んだ。
【0079】9匹のウサギの第一のグループにおいては、その右眼をGCVをもたない装置で処理した(対照眼)。一方、その左眼に、5±1μg/hrで放出する、6mgのGCVを含む装置を与えた(処理眼)。硝子体のサンプルを、ツベルクリンシリンジ上の20ゲージの針を使用して定期的に取り出した。その硝子体腔への入口を、拡張した瞳孔を通して上記の針を観察することにより確認した。倒像検眼鏡を使用しての網膜の検査を、それぞれの硝子体のサンプリングに先立ってそれぞれの眼で実施した。取り出した後、HPLCによる分析まで、硝子体サンプルを−60℃で保存した。装置移植後、1及び2カ月間ERGを繰り返した。
【0080】最後のERGの後、上記ウサギを、静脈内ナトリウムペントバルビタールの過剰投与により殺した。このとき、その硝子体内ではGCVは検出されなかった。摘出した眼を、70%のホルムアルデヒド−グルタルアルデヒド溶液内で固定し、アルコール内で脱水し、パラフィン内に埋め込み、そしてミクロトームを使用して薄い切片にした。組織をヘマトキシリン−エオシンにより染色し、そして光学顕微鏡の下で検査した。
【0081】10匹のウサギの第二のグループにおいては、2±0.5μg/hrで放出する、6mgのGCVを含む装置を両眼に与えた。硝子体サンプルをその処理された眼から採取した。代わりに、上記ウサギを、移植後10,30,40,70及び80日目に殺した。第一のグループで行ったように、倒像検眼鏡を使用して網膜の検査を実施し、そして殺生の直前までERGを実施した。本グループにおいては、装置を上記の眼から取り出し、そして残存するGCV量をHPLCにより測定した。
【0082】上記の処理がされた眼の中にGCVが検出されないとき、静脈内ナトリウムペントバルビタールの過剰投与により上記の動物を殺した。摘出した眼を、20%のホルムアルデヒド−グルタルアルデヒド溶液内で固定し、アルコール内で脱水し、パラフィン内に埋め込み、そしてミクロトームを使用して薄い切片にした。
【0083】最後の実験グループにおいては、装置がすぐに故障するという“最悪の場合のシナリオ”の事件における網膜毒性を評価するために、6mgのGCVを、その毛様体輪を通して1匹のウサギの硝子体(両眼)内に置いた。手術前及び手術後2,11、及び48日目にERGを実施した。
【0084】結果本調査においては、上記第一グループにおける平均GCV硝子体濃度は、EVA/PVA装置挿入後42〜56日間で、14μg/mlから19μg/mlまでの範囲にあった。インビボにおける計算された放出速度は、約5μg/hrであった。第一グループからの眼において、装置の移植後72日目には医薬が検出されなかった。上記の第二のグループにおいては、80日間以上にわたり2μg/mlを超えて、上記硝子体内にGCVが存在した。移植された装置は、インビボにおいて約2μg/hrでGCVを放出したことが判明した。このことは、約120日間にわたり上記硝子体内でレベルが維持されるであろうことを示唆した。
【0085】本装置は、両グループにおいて良く耐えられた。このことは、倒像検眼鏡による眼内の炎症の証拠がないということを示している。上記第一グループからの5つの処理眼が、水晶体の不透明化に発展した(5/9、56%)。上記対称グループからの眼、または上記第二グループからの眼のいずれも、水晶体の不透明化には全く発展しなかった(0/19、0%)。水晶体の不透明化に発展した上記5つの眼の内の2つは、硝子体サンプリングの間に上記水晶体に対しての直接的な損傷の後、はっきり見えない(dim)ものとして使用される白内障に発展した。水晶体の不透明化に発展したその他の眼は、硝子体サンプリングに関連するとも信じられる、焦点の、非進行性の不透明性に発展した。その内にガンシクロビルを含む装置が置かれたところの眼のいずれにおいても、白内障の形成は全く生じなかった。
【0086】グループ1からの処理眼において網膜剥離が発生し(2/9、22%)、そして上記対照グループからの眼または上記第二グループからの眼(0/19、0%)のいずれにおいても全く発生しなかった。両方の網膜剥離は、損傷性の硝子体サンプリングに関連したものであり、本装置の二期反応ではないと考えられた。
【0087】定期的にサンプリングされなかった上記第二グループの動物においては、剥離または他の異常は全く発生しなかった。
【0088】フラッシュ(網膜錐体、及び杆状細胞の光感受性外向突起(rod)の反応)及びフリッカー(網膜錐体の反応)ERG測定を、両眼において手術前及び手術後に得た。上記フラッシュまたはフリッカーのERG波形の振幅の有意な低下は、グループ1または2の眼において全く発生しなかった。手術後のERGのb−波形の振幅及び盲目時間において見られた僅かな異常は、上記の冷凍固定法に関連しているようであった。
【0089】上記網膜の組織学的調査によっては、上記対照と処理眼との間の有意差は、全く示されなかった。両グループの光学顕微鏡による検査は、正常な網膜の構築物を表した。
【0090】硝子体内へのGCVの6mgのボーラス投与を受け入れた上記最終グループからの2つの眼は、倒像検眼鏡によっては毒性の証拠が示されなかった。手術後、上記明所視のフラッシュERGは、終始変化しなかったが、一方、上記明所視のフリッカーERGは、GCV投与後48時間目に始まる、b−波形の振幅における50%の低下、及び盲目時間における僅かな遅れを示した。このフリッカーERGは、GCV投与後48日目には、片方の眼において、そして部分にはもう片方の眼において完全に回復した。
【0091】手術後の網膜組織のERGまたは光学顕微鏡検査によっては、観察され得る網膜毒性は全くなかった。GCVの慢性的低濃度は、上記網膜により良く耐えられたようである。6mgの被覆されていないGCVの移植により、いくつかのERG変化が見られたが、装置の完全な故障が網膜の永久的なダメージを生じさせてはいないようである。グループ1の5つの眼において形成された白内障は、医薬の毒性よりも上記の繰り返しの硝子体の軽い叩きに由来する水晶体の損傷に対する二期症候であると、我々は信ずる。上記対照グループからの眼において、またはそこで繰り返しの硝子体の軽い叩きが実施されなかったところの第二グループからの眼において、水晶体の不透明化は全く発生しなかった。
【0092】本装置は、上記ウサギにおいて、上記の冷凍固定の範囲を通して簡単に挿入された。第一グループの2つの処理眼において見られた上記の網膜剥離は、上記の医薬または装置自体の複雑性よりも、ウサギの眼(貧弱に形成された毛様体輪、低い強膜の剛性、及び大きな水晶体)での上記の困難な仕事の反映であったと、出願者は信じている。上記対照グループからの眼において、またはそこで繰り返しの硝子体の軽い叩きを経験しなかったところの第二グループからの眼において、剥離は全く発生しなかった。
【0093】上記EVA/PVA装置単独に対する最小の炎症反応があった。これらのポリマーは、生物学的に不活性であり、そして上記の眼により良く耐えさせられる。これは非生物分解性システムである。これは欠点と考えることもできるけれども、長い期間にわたる信頼できる放出速度、及び炎症反応をもたないことは、浸食され得る医薬デリバリーシステムを使用しては、非常に獲得が困難であろう。上記の第二グループからの眼においては、医薬装置は、治療の期間を延長するために低い速度でGCVを放出するように構築された。本装置内に担持される医薬の量を増加することは、技術的に簡単でもあったし、そして数カ月の間、上記硝子体にGCVを放出する期間を延長することができた。
【0094】例4ガンシクロビルの硝子体内の持続性放出インビボにおける薬理動態及び耐性:ヒトでの研究本研究において使用された移植に関しての、膜浸透性の研究、移植物の構築、及びインビトロにおける放出速度の研究を、例2に記載した。使用された装置は、GCVを2μg/hrで放出するものであった。
【0095】AIDSで感染した8名のヒトを、本研究で使用した。それぞれの患者の1つの眼を、ガンシクロビルを含む移植物により治療した。この移植物を、外科手術によりその硝子体内に置いた。各患者のもう一方の眼を対照として使用し、すなわち、ガンシクロビルで治療しなかった。8名の全ての患者において、その眼において安定化された視力を、上記移植物により治療した。以下の表2を参照のこと。表2において、第一列は、患者のイニシャルを示す。第二列は、移植に先立つ当該患者の視力を示す。第三列は、最終日の当該患者の視力を示す(患者の視力が、死の前に検査された)。
【0096】
表2 移植により治療された患者の視力 患者 日数 SER 20/70 20/70 21 ELM 20/70 20/25 28 KRS1 CF2 CF2 24 RM 20/80 20/80 19 BR 20/20 20/40 26 CMP 20/30 20/30 9 CRW 20/40 20/40 7 EL 20/20 20/40 501 移植時に、網膜が剥離されたが、移植の間に修復された。引き続き、その網膜が、再び剥離された。
【0097】2 指を数えることのできる視力がなかった。
【0098】さらに、ガンシクロビルにより治療された眼において、上記疾患の進行が、停止し、または逆転した。以下の表3及び図5の写真撮影は、上記疾患の進行を示す。図4は、時間にわたるGCVの濃度を示す。
【0099】表3移植により治療された患者においてのCMVの進行患者 処理眼 対照眼SER 安定 進行ELM 改善 進行KRS 進行 進行RM 改善 疾患なしBR 改善 疾患なしCMP 安定 進行CRW 改善 疾患なしEL 改善 進行視覚能力を、標準的な眼の検査により測定し、そして疾患の進行を、眼底写真により検査した。
【0100】ヒトの眼からの硝子体のサンプルを、0.02%酢酸アンモニウム移動相(pH4.0)を備えたC−18逆相カラムを使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。これらの条件下、GCVは、31分の保持時間をもつ。この仕事により、本装置の移植が、70日間以上にわたり上記硝子体内で約1.5μg/mlのGCVのレベルを保つことが示された。
【0101】例5層状のエチレンビニルアセテート及びポリビニルアルコールから成る熱処理膜システムを使用した、5−FUの持続性放出インビトロにおける研究危険性の高い緑内症の患者における濾過外科手術の付属物としての、5−FUの結膜下方投与には、数多くの結膜下方注射の必要性、及び遅い損傷の回復にその原因がある潜在的に重症な併発症が伴っている。リポソーム、局所的投与、及び持続性放出ポリマーを含む他のデリバリーシステムが提案されてきた。エチレンビニルアセテート(EVA)及びポリビニルアルコール(PVA)の膜を通しての5−FUの拡散による仕事は、PVAが5−FUの持続性放出にとって最適であるような線型の放出を提示しながら、EVAが5−FUに対し浸透性がないということを示した(J. Ocular Pharmacol. 1998; 1062 : 231)。出願人は、放出速度がPVA膜の熱処理により顕著に減少され得ることを見いだした。さらに、出願人は、層状のEVA/PVAシステムを使用して上記放出速度を最適化することにより、改善されたシステムを作ることができることを見いだした。それ故、大きさが6×8mmである膜システムを造りだすために、上記PVA内でEVAの層を作ることにより、その放出速度をさらに減少させた。
【0102】装置の構築6ミリグラムの5−FUのペレットを、500ポンドの圧力下で直径2.5mmのペレットに圧縮した。300μlの10%PVA溶液内で5−FUの6mgのペレットを被覆し、そしてこのペレットを乾燥することにより、持続性放出5−FU装置を調製した。次にこのペレットを、圧縮されたEVAのフィルムにより3つの側上で被覆し、そして10%PVA内で被覆されたEVAの3mmのディスクによりキャップした。それ故、このペレットは、上記のEVA壁と上記キャップとの間のPVAの薄いリングを除いて、EVAにより完全に周囲を囲まれた。図2を参照のこと。次にこの装置一式を10%PVA内で完全に被覆し、そして一夜乾燥に供した。この埋め込まれたペレットを、3.5mmの穴開け器を使用して円盤形状に切り出した。乾燥10%PVAの細長い一片を本装置の底面に2%PVAの一滴で接着することにより、縫合用ストラットを本装置にくっつけた。この装置を引き続き190℃で3時間ベークした。この設計により、出願人は、放出速度を約4μg/hr(4.16±0.43μg/hr、n=3)まで減少させることができ、そしてこの放出をインビトロにおいて1カ月を超える期間にわたり持続させることができた。
【0103】インビボにおける研究上記の装置及び5−FUからのインビボにおける毒性の可能性を研究するために、上記の装置を4匹のウサギにおいて結膜下方に移植した。
【0104】6mgの5−FUを含む装置を、全身麻酔の下、4匹のウサギの右眼内のその縁から1.0mmの上方に晒された強膜上に移植された。左の眼には手を付けず、対照として使用した。
【0105】殺す前に行われたERG及び眼底写真は、上記装置または上記5−FUからの網膜毒性を全く示さなかった。眼内圧力の測定は、両眼の間で有意差を示さなかった。上記の移植された組織学は、本装置または他の組織学的異常と関連する炎症を全く示さなかった。殺生後摘出された装置については、それらの中に医薬が全く残っていなかったことが判明した。
【0106】我々は、持続性放出のための我々のシステムが生物学的に不活性であり、そして毒性レベルを達成しない速度で5−FUを放出することを示した。我々は、本方法のデリバリーが濾過外科手術の失敗に関しての危険がある上記緑内症患者の治療において大いに期待できると感じている。
【0107】例6層状のエチレンビニルアセテート及びポリビニルアルコールから成る熱処理膜システムを使用した、5−FUの持続性放出装置の構築12ミリグラムの5−FUのペレットを、500ポンドの圧力下で直径2.5mmのペレットに圧縮した。持続性放出の5−FU装置を、例5に記載したように、上記の12ミリグラムのペレットを被覆することにより調製した。
【0108】放出速度の研究本装置を、37℃で10mlの等張性緩衝生理食塩水内に置いた。この溶液を定期的にサンプリングし、そして沈降条件を保ために交換した。これらのサンプル中のGCVの濃度を、254nmの吸光度でのUV検出でのHPLCにより測定した。本サンプルの吸光度を、医薬の濃度に変換し、そして累積医薬放出量(3回の実験の平均)を時間に対してプロットした。図5を参照のこと。
【0109】インビボにおける研究上記のように調製された移植物を外科手術により、濾過外科手術を経験したサルの眼に移植した。眼内圧力(IOP)は、濾過外科手術を経験したサルにおいて、増加する傾向がある。それ故、本研究の目的は、持続性放出の5−FUの使用により、濾過外科手術後のサルにおいて、低いIOPを維持することである。それぞれのサルの片方の眼において、12mgの5−FUを含む装置を、外科手術後その結膜下に移植した。それぞれのサルのもう片方の眼においては、5−FUを含まない装置を、外科手術後その結膜下に移植した。
【0110】図6は、日を単位とした時間に対しての、3匹のサルの平均の眼内圧力を説明している。明確に示されるように、処理眼は、未処理(対照)眼のものよりも低い眼内圧力を維持した。
【0111】以上の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を簡単に確認することができ、そして本発明の核心及び範囲から外れることなく、本発明の様々な変更及び/または修正を行い、それを様々な使用及び条件に適用することができる。このように、これらの変更及び/または修正は、適切、等価であり、そして以下の請求項に均等の最大範囲にあると意図される。
【0112】図面中、大きさについて描かれてないが、本発明の様々な態様を説明するために描写される。図面は、以下のようなものである。
【出願人】 【識別番号】591157305
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ケンタッキー リサーチ ファウンデーション
【出願日】 平成4年2月21日(1992.2.21)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【公開番号】 特開2003−2825(P2003−2825A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2002−137473(P2002−137473)