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【発明の名称】 シート状入浴剤
【発明者】 【氏名】大貫 毅
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】柿澤 恭史
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】穂積 康友
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】稲葉 美穂子
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【要約】 【課題】貼布により、美白成分などを充分に皮膚に浸透させることができるとともに、血行促進のためのマッサージを、皮膚に必要以上の摩擦によるダメージを与えることなく、充分に行うことができる入浴剤を提供する。

【解決手段】水不溶性シートの片面に、水溶性または水膨潤性のゲル基材を主成分とするゲル基材層を設けたシート状入浴剤であって、入浴中に、前記水不溶性シートと、前記ゲル基材層とを一体化した状態で使用するものであることを特徴とするシート状入浴剤を製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水不溶性シートの片面に、水溶性または水膨潤性のゲル基材を主成分とするゲル基材層を設けたシート状入浴剤であって、入浴中に、前記水不溶性シートと、前記ゲル基材層とを一体化した状態で使用するものであることを特徴とするシート状入浴剤。
【請求項2】 請求項1に記載のシート状入浴剤において、前記ゲル基材が、以下の混合物(A)と、混合物(B)の一方あるいは両方からなることを特徴とするシート状組成物。
混合物(A):融点50℃以上のゲル化剤(a)と、融点50℃未満のゲル化剤または融点50℃以下の水溶性高分子(b)とからなり、(a):(b)の質量比が0.01:1〜3:1である混合物。
混合物(B):ポリアクリル酸(c)と、ポリアクリル酸塩(d)とからなり、(c):(d)の質量比が1:0.01〜1:0.8である混合物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシート状入浴剤に関する。
【0002】
【従来の技術】入浴剤は浴湯に分散、溶解させて用いるのが一般的であるが、近年皮膚に直接塗布または貼布することにより、美白成分、冷感剤などの有効成分などをより効果的に皮膚に作用させようという方法が提案されている。例えば、特開平9−278648号公報には、水溶性粘着性シートと、必要に応じて水溶性保護材を積層したシート状のもので、前記水溶性粘着性シート面を皮膚に貼り付けて浴湯につかるタイプの入浴剤が開示されている。特開平9−249552号公報には、液状、半固形状の入浴剤を皮膚に塗布、または貼布して浴湯につかることにより、入浴剤中の成分を浴湯中に分散、溶解させながら入浴するための入浴剤が開示されている。これらの入浴剤は皮膚に塗布、または貼布するため、組成物中の美白成分、保湿成分などが皮膚に浸透しやすいという効果が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平9−278648号公報や、特開平9−249552号公報に記載された入浴剤は、水溶性、あるいは、浴湯中に成分を分散、溶解させながら入浴するためのものであるため、入浴中にその表面がべたつき、使用感が悪いという問題があった。また、最近は美容などの点から、浴湯に長い時間つかる場合がある。そのため、浴湯につかっているうちに、入浴剤が浴湯中に分散、あるいは溶解し、消失してしまい、浴湯につかっている間中、その効果を充分に実感することができないという問題があった。一方、入浴中にマッサージを行うと、血行を促進することができ、好ましい。また、このときクリーム状などのマッサージ剤を使用すると、皮膚に必要以上の摩擦によるダメージを与えることがなく、好ましい。しかし、上述の入浴剤は、マッサージをすることは想定されていないので、例えば入浴剤の上から手をあてて皮膚のマッサージを行うと、入浴剤が手にべとつき、または必要以上に滑ったりして使用感が悪いという問題があった。
【0004】本発明は前記事情に鑑てなされたもので、皮膚に入浴剤に含まれる美白成分、保湿成分などを充分に作用させることができるもので、入浴中にべたつきがなく、使用感に優れた入浴剤を提供することを課題とする。さらには、塗布、貼布により、美白成分などを充分に皮膚に浸透させることができるとともに、血行促進のためのマッサージを、皮膚に必要以上の摩擦によるダメージを与えることなく、充分に行うことができる入浴剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明においては、水不溶性シートの片面に、水溶性または水膨潤性のゲル基材を主成分とするゲル基材層を設けたシート状入浴剤であって、入浴中に、前記水不溶性シートと、前記ゲル基材層とを一体化した状態で使用するものであることを特徴とするシート状入浴剤を提案する。また、前記ゲル基材が、以下の混合物(A)と、混合物(B)の一方あるいは両方からなるものであると、充分なマッサージ効果が得られる。
混合物(A):融点50℃以上のゲル化剤(a)と、融点50℃未満のゲル化剤または融点50℃以下の水溶性高分子(b)とからなり、(a):(b)の質量比が0.01:1〜3:1である混合物。
混合物(B):ポリアクリル酸(c)と、ポリアクリル酸塩(d)とからなり、(c):(d)の質量比が1:0.01〜1:0.8である混合物。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、各構成について詳細に説明する。
(1)水不溶性シート本発明において、水不溶性シートは、水に溶解しないものであれば特に限定せずに用いることができ、1層、または2層以上の多層構造とすることができる。水不溶性シートには、例えば、不織布、織布、編布などの繊維素材からなるシート;合成樹脂製フィルムなどを用いることができる。
【0007】合成樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリアクリロニトリル系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリウレタン系樹脂;などを用いることができる。中でもコスト、製造性などの点から、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などが好適である。
【0008】繊維素材としては、天然繊維、合成繊維のいずれも使用可能である。天然繊維としては、木綿、パルプ、麻、羊毛、絹など、特に限定せずに用いることができる。合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維;ナイロンなどのポリアミド系繊維;ポリアクリロニトリル系繊維;ポリビニルアルコール系繊維;ポリウレタン繊維;ビスコースレーヨン;銅アンモニアレーヨン溶剤紡糸されたレーヨン;などを例示することができる。これら天然繊維、合成繊維は1種または2種以上を混合して用いることができる。また、例示した合成繊維の材料を2種以上用いて形成した芯鞘型繊維やサイド−バイ−サイド型繊維などの複合繊維を用いることもできる。
【0009】なお、水不溶性シートのゲル基材層形成面の反対側の表面にゲル基材が染み出すと、ゲル基材がべとついて、操作性、使用感などが低下するため、不都合である。そこで、水不溶性シートは、ゲル基材が透過しにくい材質からなる層(以下、便宜上、染出防止層と呼ぶことととする。)を備えていると好ましい。この染出防止層は、例えば合成樹脂フィルム、繊維密度の高い不織布などを用いることができる。また、染出防止層の配置位置は、特に限定せず、水不溶性シートの厚さ方向の中間に配置することもできるし、最外層として配置することもできるが、ゲル基材層形成面の反対側の最外層とすると、効果が高く、好ましい。
【0010】合成樹脂フィルムの材料は、上述の様に各種の合成樹脂を用いることができ、中でもコストなどの点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。染出防止層を構成する合成樹脂フィルムは1μm以上、より好ましくは5μm以上とされる。1μm未満では、フィルムが薄すぎて、ハンドリングが低下したり、ゲル基材の染み出しを防止することが困難となる場合がある。上限値は特に限定しないが、コスト、使用時の固さや使用性などの点から、実質的には10000μm、好ましくは1000μmとされる。
【0011】染出防止層を構成する不織布は、密度0.02g/cm3以上のものが好ましい。この密度の上限値は特に限定しないが、実質的には、硬すぎたりして、ハンドリングが低下するため、0.7g/cm3とされる。なお、0.02g/cm3未満では、ゲル基材の染み出しを充分に防止することが困難となる場合がある。また、ゲル基材層の透過を充分に防止するため、ゲル基材層の厚さに対する不織布からなる染出防止層の厚さの比率は、好ましくは2倍以上とされる。上限値は特に限定しないが、実質的には、コスト、ハンドリングなどの点から、100倍以下とされる。
【0012】また、充分にゲル基材の染み出しを防止する点から、不織布からなる染出防止層の厚さは0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上とされる。上限値は特に限定しないが、実質的には、コスト、ハンドリングなどの点から200mm以下、好ましくは100mm以下とされる。なお、不織布を構成する繊維素材は、上述の様に公知の各種繊維素材を用いることができるが、ゲル基材の染み出しを効果的に防止する点においては、合成樹脂繊維などからなる疎水性繊維が特に好ましい。
【0013】水不溶性シートは、この様に染出防止層として好適なもののみからなる1層構造のものとすることもできるし、この染出防止層の一方あるいは両方の表面に、にさらに他の材料からなる層を積層した多層構造とすることもできる。なお、本発明のシート状入浴剤は、入浴中、水不溶性シートとゲル基材層とを一体化した状態で使用するものであるため、水不溶性シートのゲル基材層形成面は、ゲル基材層との親和性が良好であることが好ましい。したがって、シリコーン離型材などで表面処理されていない合成樹脂シートや不織布、織布などの繊維素材などを用いると好ましい。なお、シリコーン離型材などで表面処理された合成樹脂からなる剥離シートは、表面の濡れ性が低いため、マッサージ中にゲル基材層が水不溶性シートから剥がれたりして、マッサージ効果が低下し、不都合である。
【0014】また、ゲル基材の染み出しをより効果的に防止するためには、染出防止層以外の層も疎水性材料を主体とするものが好ましい。疎水性の材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリアクリロニトリル系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリウレタン樹脂;あるいはこれらの混合物などを例示することができ、これらをフィルム状、あるいは各種繊維状に加工したものを用いることができる。なお、本発明に用いる1層構造、あるいは多層構造の水不溶性シートは、公知の方法によって製造することができる。
【0015】また、本発明のシート状入浴剤は、入浴中において、水不溶性シートのゲル基材層形成面の反対側の面を手で押さえ、ゲル基材層を皮膚に当接させてマッサージして使用する。よって、このゲル基材層形成面と反対側の面には、手が滑りにくい様に凹凸が形成されてると好ましい。凹凸の形成により、しっかりと手をあてて、水不溶性シートから力を加えて、ゲル基材層を充分に皮膚に押しつけながらマッサージすることができる。凹凸の形状は、手が滑りにくいものであれば特に限定することはない。例えば、エンボス状、メッシュ状、ドット状などの各種の形状を例示することができる。例えばエンボス状に加工するには、表面にエンボスの形状が形成されたローラーを用いてプレス加工する方法などを例示することができる。メッシュ状にするには、スパンレース不織布のようなメッシュネットを使用する方法などを例示することができる。ドット状とするには、合成樹脂をスクリーン塗工やスプレー塗工することにより、ドット状に加工する方法などを例示することができる。
【0016】なお、水不溶性シート全体の坪量は20〜2000g/m2 、より好ましくは30〜500g/m2とされる。20g/m2未満では、軽すぎて、手から滑り落ちやすくなり、使用感が低下する場合がある。2000g/m2 をこえるとコストの点で不都合となるおそれがある。また、水不溶性シート全体の厚さは0.1〜200mmとされる。0.1mm未満では、薄すぎてハンドリング性が低下し、200mmをこえるとコストの点で不都合となる。
【0017】また、水不溶性シートの形状は特に限定せず、円形、楕円形、四角形、正方形、長方形などを例示することができる。水不溶性シートの大きさは、片手でマッサージすることを考えて、おおよそ手のひら程度の大きさとすると、ハンドリング性が向上し、好ましい。また、水溶性シートをミトン状に加工することもできる。例えば、水溶性シートを半分に折り曲げて、手を差し入れる部分を残して、周縁を一体化する。この様にミトン状に加工するとマッサージ時のハンドリング性がさらに向上し、しっかりとマッサージすることができ、好ましい。
【0018】また、水不溶性シートのゲル基材層形成面側に凹凸を設けることもできる。この場合は、凹凸形状の凸部がゲル基材層を介して皮膚に当接するため、これら凸部にかかる力が大きくなり、マッサージ効果を高めることができる。この場合も凹凸の形状、その加工方法などは、上述の反対側の面に凹凸を設ける場合と同様の形状、方法を用いることができる。
【0019】(2)ゲル基材層ゲル基材層の厚さは0.01〜10mm、好ましくは0.1〜5mmとされる。0.01mm未満では充分にマッサージする前にゲル基材層が消失するおそれがあり、10mmをこえると浴槽などの汚れが気になる場合がある。また、ゲル基材層は、水不溶性シートの片面の全面に設けることもできるし、一部に設けることもできるが、ゲル基材層に配合した美白成分などを皮膚に効果的に作用させるためには、全面に設けることが好ましい。また、ゲル基材層を形成するにおいては、後述するゲル基材、その他の配合成分を混合したゲル基材層の材料を、水不溶性シートの片面にコーティングしてゲル基材層を形成してもよいし、付着させてゲル基材層を形成してもよい。また、ゲル基材層の粘度が比較的低く、また水不溶性シートのゲル基材層形成面が繊維素材からなる場合には、ゲル基材層の材料を、前記ゲル基材層形成面に、一部、含浸させて、ゲル基材層を形成することもできる。
【0020】ゲル基材層は、主成分であるゲル基材と、他の成分との混合物から構成されている。以下、ゲル基材層の構成成分について説明する。
■ゲル基材水膨潤性、水溶性の条件を満足するゲル基材は、適度な柔らさを備えたゲル状であるため、皮膚に貼り付けたときに皮膚にそって変形し、美白成分などを効果的に皮膚に浸透させることができる。さらにマッサージの際には、皮膚に必要以上の摩擦を与えることなくマッサージすることができる。
【0021】ゲル基材層中のゲル基材の割合は0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜20質量%とされる。0.01質量%未満では、入浴中にゲル基材が消失しやすくなったり、配合する粉体などを充分に保持することができなくなり、不都合となる場合がある。50質量%をこえると美白成分などの他の有効成分の配合量が少なくなりすぎる場合がある。
【0022】ゲル基材は、以下の混合物(A)と、混合物(B)の一方あるいは両方からなるものであると好ましい。これらを用いることにより、さらにマッサージ中にゲル基材層が消失せず、マッサージの持続性が充分に得られ、また、ゲル基材層の存在の持続により、入浴終了まで使用している実感が充分に得られる。その結果、充分なマッサージ効果が得られる。
【0023】混合物(A):融点50℃以上のゲル化剤(a)と、融点50℃未満のゲル化剤または融点50℃以下の水溶性高分子(b)とからなり、(a):(b)の質量比が1:0.01〜3:1である混合物。前記(b)の配合量が多すぎると、水に必要以上に溶解しやすくなるため、ゲル基材層が短時間に消失し、好ましくない場合がある。前記(a)の配合量が多すぎると、マッサージによって適度にゲル基材層が消失しない場合がある。
【0024】混合物(B):ポリアクリル酸(c)と、ポリアクリル酸塩(d)とからなり、(c):(d)の質量比が1:0.01〜1:0.8である混合物。ポリアクリル酸(c)とポリアクリル酸塩(d)の配合比のバランスを欠くと、膨潤性が増加し、融けにくくなり、使用性が悪くなるおそれがある。
【0025】融点50℃以上のゲル化剤(a)の具体例としては、カッパカラーギーナン、イオタカラギーナン、寒天、ジェランガム、ローメトキシペクチンなどを挙げることができる。融点50℃未満のゲル化剤または融点50℃以下の水溶性高分子(b)の具体例としては、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、第4級窒素含有セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、デキストリン、ガラクタン、プルラン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ジアルキルアミノエチルアクリレート、ジアルキルアミノエチルメタクリレートなどを挙げることができる。
【0026】ポリアクリル酸との数平均分子量は例えば5000〜500万とされる。5000未満では増粘、ゲル化しにくく、500万をこえると取り扱い性が悪化するおそれがある。ポリアクリル酸塩は、ポリアクリル酸の金属塩であって、Na、Kなどのアルカリ金属塩、Mg、Caなどのアルカリ土類金属塩などを例示することができるが、汎用性が最も高いため、Na塩が好ましい。また、各種公知の架橋剤を添加して架橋させた架橋型のものあってもよい。また、ポリアクリル酸塩の数平均分子量は例えば5000〜700万とされる。5000未満では贈粘、ゲル化しにくく、700万をこえると取り扱い性が悪くなるおそれがある。
【0027】■他の成分ゲル基材層に、ゲル基材の他に配合する成分は特に限定せず、例えば美白成分、保湿成分、冷感剤などの皮膚に直接作用する成分、油分、粉体などのマッサージの効果を向上させる成分やエタノールなどを挙げることができる。以下、具体例を示す。
【0028】(美白成分)美白成分の具体例としては、エラグ酸及びそのアルカリ金属塩、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン、コウジ酸及びその誘導体、アルブチン、プラセンタエキスなどがあげられる。これらの美白成分は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。美白成分は、その美白効果の点から、ゲル基材層中に0.01%〜20質量%配合すると好ましい。
【0029】(保湿成分)保湿成分の具体例としては、例えばポリオール類、グリコールエーテル類、ラノリン及びその誘導体、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどを例示することができる。中でも、効果の点から、ポリオール類、グリコールエーテル類などが好ましい。ポリオール類としては、例えばプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、グルコース、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール20000、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ヘキシレングリコール、スクロース、ポリオキシエチレングリコシド誘導体、エチレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
【0030】グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなどが挙げられる。これら例示した中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが、使用感触の点から好ましい。より好ましくはグリセリン、ソルビトールが、皮膚を清浄にする効果が高く、また低刺激性であるため望ましい。
【0031】これらの保湿成分は1種または2種以上を混合して用いることができる。配合量は、ゲル基材層中に、0.1〜8質量%、好ましくは0.5〜6質量%、さらに好ましくは1〜5質量%とされる。0.1質量%では効果が得られず、8質量%では、ぬめり感が強く、使用感が重くなる場合がある。特に0.5〜6質量%配合すると、ゲル基材層を適度に贈粘して、安定化することができ、好ましい。また、肌のしっとり感が良好となる。
【0032】(その他、皮膚に作用する成分)これらの成分を配合することにより、皮膚に貼布して入浴したときには、これらの成分が集中的に皮膚に浸透させることができ、肩こり、腰痛などに効果的である。
【0033】具体的には、例えば、1−メントール、カンファー、チモール、メントール誘導体などの冷感剤;トウガラシチンキ、トウガラシ末、ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジルなどのニコチン酸誘導体、カプサイシン、オランダガラシエキス、サンショウエキス、ショウチョウエキスなどの温感剤;シャクヤク、ショウキョウ、トウキ、センキュウ、チョウジ、ソウジュツ、チンピなどの生薬およびその抽出エキスやニコチン酸ベンジル、トコフェロールなどの合成化合物などの血行促進剤;グリチルリチン酸カリウム、酢酸トコフェロールなどの抗炎症剤;イソプロテレノール、ドブタミン、サルブタノール、ヨヒンビン、コショウ、アレチアザミ、ノアザミなど痩身剤;などを例示することができる。これらの成分は、ゲル基材層中に0.01〜10質量%の範囲で配合され、その作用効果の程度によって配合量は適宜、調整される。
【0034】(油分)油分を配合することにより、皮膚との摩擦が低下し、滑らにマッサージすることができる。また、保湿効果も得られる。油分の具体例としては、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマシ油、綿実油などの油脂類、ラノリン、ホホバ油、カルナバロウなどのロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、揮発性イソパラフィンなどの炭化水素油、脂肪酸類、アルコール類、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、アルキルエーテル変性シリコーン、シリコーン樹脂などを挙げることができる。油分の配合量は、充分に効果を得る点から、ゲル基材層に0.01〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%とされる。
【0035】(粉体)適当な粉体を配合することにより、マッサージ効果が向上する。また、マッサージ後の皮膚の表面の動摩擦が低下し、手触りがよくなる。また、マッサージ後、湯上がり後などにさらさらとした肌の感触が得られる。なお、粉体の形状は、球状であることが好ましく、表面平滑性が高い方が好ましい。表面平滑性が向上するにしたがって、動摩擦係数が下がり、肌の滑り感が高まるためである。また、ゲル基材層中の粉体の配合量は0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%とされる。0.1質量%未満では充分に効果を得ることができず、20質量%をこえると逆に肌の感触が悪化する場合がある。具体的には、例えば合成高分子、天然鉱物などからなるものを用いることができる。
【0036】粉体の粒径は、0.5〜30μmの範囲に全粉体の60質量%以上が存在することが、肌の感触を高めるために、好ましく、粒径1〜10μmの粉体が全粉体の80質量%以上であることが特に好ましい。なお、粒径が0.5μm未満の粉体は、肌の感触に対してほとんど効果がなかったり、あるいはきしむような不快感を与えるため、少ない方が好ましい。また粒径が30μmをこえる粉体の混入は少ない方が良い。よって、0.5〜30μmの範囲外の粒径を備えた粉体は全粉体の40質量%未満であることが好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、肌の感触の向上の点からは、粒径が200μm以上の粉体を実質的に含まないことが望ましい。
【0037】合成高分子からなる粉体としては、以下の様なものを例示することができる。シリコーン樹脂製の粉体(信越化学 (株) 製KMP−590、東芝シリコーン(株) 製トスパール145、トスパール2000B等)、ポリオルガノシルセスキオキサン、シリコーンゴムパウダー(信越化学 (株)製KMP−597、KMP−598、X−52−875、東レ(株) 製トレフィル501、トレフィル505、トレフィル506、トレフィル601等)、シリコーン樹脂/ゴム複合パウダー(信越化学 (株) 製X−52−1139K、X−52−1139G等)、片末端にラジカル重合性基を有するポリシロキサン化合物を分散剤として、溶媒中でビニルモノマーの分散重合を行うことにより得られたポリマー微粒子、などの有機シリコーン基含有樹脂からなる粉体;
【0038】合成シリカビーズ、疎水性シリカパウダー(信越化学 (株) 製KMP−110、KMP−105等);ナイロン樹脂製の粉体(東レ(株) 製SP−500等);ポリスチレン系樹脂製の粉体(住友化学工業(株) 製ファインパール、積水化成品工業(株) 製テクポリマーSB、綜研化学(株) 製ファインパウダーSGP等);ポリエチレン樹脂製の粉体(住友精化(株) 製フロービーズ等);ポリメタクリル酸メチル系樹脂製の粉体(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーM、積水化成品工業(株) 製テクポリマーMB、綜研化学(株) 製ファインパウダーMP等);ジビニルベンゼン系樹脂製の粉体;ポリウレタン系樹脂製の粉体;ベンゾグアナミン樹脂製の粉体;メラミン樹脂製の粉体;フェノール系樹脂製の粉体;フッ素系樹脂製の粉体;メチルハイドロジェンジメチルポリシロキサン、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩等のケイ素やフッ素を含有する化合物で表面撥水化処理をした粉体(三好化成(株) 製SI−タルクJA46R、大東化成工業(株)製PF−3LL−5タルク);などである。
【0039】中でも、有機シリコーン基含有ポリマーを用いたものは、肌ざわりなどが良好で好ましい。
【0040】天然鉱物からなる粉体としては、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、スメクタイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、雲母、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどを例示することができる。
【0041】(エタノール)エタノールを配合すると、ゲル基材層の防腐力や安定性の点から好ましい。エタノールの配合量は、その効果の点から、ゲル基材層中、0.1〜10質量%とされる。
【0042】(その他)その他配合可能な成分を、以下に例示する。ゲル基材の溶解させるための精製水;トリクロサン、トリクロロカルバニリド等の殺菌剤;メチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤;エチレンジアミン四酢酸又はその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩等のキレート剤;クエン酸、コハク酸等のpH調整剤;電解質物質;薬効剤;色素;香料;酸化防止剤;パール化剤;紫外線吸収剤;植物エキス;塩化ナトリウムなどの塩類などである。
【0043】(3)本発明のシート状入浴剤の使用方法例本発明のシート状入浴剤は、ゲル基材層を皮膚に貼布して浴槽入浴すると好ましい。このとき、ゲル基材層は、皮膚と水不溶性シートとの間に挟まれているため、水不溶性シートに保護され、浴湯中のお湯が接触しにくい。そのため、美白成分、保湿成分などが浴湯中に溶解しにくく、一方、ゲル基材層と接触している皮膚には、集中的にこれらの成分を作用させることができる。そして、浴湯からあがって、ゲル基材層を皮膚に当接させた状態で、水不溶性シートに手を当てて、マッサージを行う。このとき、水不溶性シートに手をあてて、全身、あるいは特にマッサージしたいところや、特に美白成分、保湿成分などを作用させたい部分を重点的にマッサージする。また、浴湯につかった状態で、マッサージすることもできる。なお、最後に、必要に応じて、全身を洗い流してもよい。また、貼布して浴湯につかることは、必須ではなく、浴湯中、あるいは浴湯の外でのマッサージのみを行うこともできる。
【0044】また、シャワー入浴の際にも、本発明のシート状入浴剤を使用することができる。すなわち、シート状入浴剤を貼布して、シャワーを浴びる。このとき、美白成分などの有効成分が皮膚に集中的に浸透する。そして、ゲル基材層を皮膚に当接させ、水不溶性シートに手を当てて、上述の場合と同様にしてマッサージを行う。このとき、シャワーによるマッサージ効果により、マッサージの相乗効果が得られる。最後に、必要に応じて、全身を洗い流してもよいこと、マッサージのみを行うこともできることは、浴槽入浴と同様である。
【0045】(4)本発明において、さらに好ましい実施の形態をまとめると以下の様になる。
■水不溶性シートが1層または2層以上からなり、少なくともゲル基材を透過しない層を備えていると、ゲル基材が、水不溶性シートのゲル基材層形成面の反対側の面に染み出さず、ゲル基材が手に付着してべとついたり、必要以上に滑ったりすることを防止することができる。
■そのため、さらに好ましくは、前記ゲル基材を透過しない層が、以下の(C)、または(D)を満足する構成を備えていると好ましい。(C)合成樹脂フィルムからなる。(D)密度0.02g/cm3以上の不織布からなり、前記ゲル基材層の厚さに対して、0.5〜100倍の厚さを備えている。
■また、前記水不溶性シートの両面の一方または両方に凹凸が設けられていると、効果的にマッサージすることができ、好ましい。
■そして、本発明のシート状入浴剤を用い、入浴中に、皮膚にゲル基材層を当接させて、マッサージする方法により、血行を促進するとともに、ゲル基材層に含まれる美白成分などを皮膚に充分に浸透させることができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。表1、2に記載した組成の厚さ0.5mmのゲル基材層(なお、表3〜7にゲル基材層の厚さを示した場合は、その厚さ)を、表3〜7に示したシートの片面に形成し、シート状入浴剤を製造した。
【0047】なお、ゲル基材を構成するものうち、融点50℃以上のものと融点50℃未満のものは以下の通りである。
(融点50℃以上のもの)
カッパカラギーナンイオタカラギーナン寒天(融点50℃未満のもの)
ポリビニルピロリドンポリビニルアルコールゼラチンカーボポール【0048】また、表1、2に示されている「融点50℃以上/融点50℃未満」は、これら、(融点50℃以上のもの)と(融点50℃未満のもの)との質量比である。また、「ポリアクリル酸/ポリアクリル酸Na」はこれらの質量比である。したがって、組成1〜5、9〜13はゲル基材に用いる「融点50℃以上/融点50℃未満」と「ポリアクリル酸/ポリアクリル酸Na」の質量比の好ましい範囲を満足しており、組成6〜8は満足しないものである。
【0049】そして、表中PPはポリプロピレン、PEはポリエチレン、PETはポリエチレンテレフタレートである。また、シートについて、例えば「PET/レーヨン/熱融着繊維(40%/40%/20%)」との記載はこの3層構造のシートの各層の質量比を示したものである。また「ゲル/シート厚さ」は、ゲル基材層と水不溶性シートの厚さとの比率を示す。また、凹凸は、水不溶性シートのゲル基材層形成面の反対側に形成した。また、「%」は特にことわりがない限り、「質量%」である。
【0050】また、シート状入浴剤において、ゲル基材のうらじみのなさは、官能評価で、以下の基準に従って実施した。
5 :全く認められない4 :僅かなうらじみ3 :若干のうらじみを認める程度2 :うらじみを認め、しっとりと支持体が濡れている。
1 :うらじみが激しく、支持体からしみだしている【0051】持続力、塗布時の手のべたつきのなさ、使用している実感、マッサージ感、水の汚れ具合による不快感のなさは、10名の被験者が実際に入浴中に使用して評価を行った。評価基準は以下の様に設定した。なお、「※貼って入浴」とは、貼って入浴してしばらくした後に浴層内でマッサージを行ったことを示す。
◎ :非常によい◎〜○:かなりよい○ :ややよい○〜△:よい△ : ややよくない△〜×:かなりよくない× :非常によくないなお、表に示した様に、浴槽入浴(あるいは浴槽)と示した場合は、浴槽内でマッサージし、評価したものである。シャワー入浴(あるいはシャワー)と示した場合は、シャワーを浴びながらマッサージし、評価したものである。なお、マッサージは首、肩、腕、胸、腹、足等の体のいずれの部分について行った。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
【表3】

【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

【0058】
【表7】

【0059】これらの表に示した様に、本発明に係る実施例においては良好な結果が得られた。なお、ゲル基材の好ましい組成を満足しない実施例15、16においては、持続力、使用している実感などの評価がやや低い場合があった。これに対し、比較例においては、シートを用いなかったり、水溶性シートを用いたため、うらじみが生じたり、使用感などの評価が悪かった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、以下の様な効果が得られる。すなわち、入浴中に、水不溶性シートのゲル基材層形成面の反対側の面から手をあてて、しっかりとマッサージすることができる。また、手に直接接触する部分がマッサージ中などに融けだしてべとつくことがない。また、入浴中に皮膚に貼り付けて使用する場合、ゲル基材から美白成分などを効果的に皮膚に浸透させることができる。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所1丁目3番7号
【出願日】 平成13年6月22日(2001.6.22)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2003−2823(P2003−2823A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−190142(P2001−190142)