| 【発明の名称】 |
歯牙漂白方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】角田 稔
【氏名】染谷 昌男
【氏名】小笠原 益美
【氏名】野浪 亨
【氏名】石橋 卓郎
【氏名】石橋 浩造
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| 【要約】 |
【課題】歯牙漂白の効果を高める方法を提供する。
【解決手段】歯牙漂白材を用いて歯牙漂白する際に、縮合リン酸塩水溶液で前処理をする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯牙漂白材を用いて歯牙漂白する際に、縮合リン酸塩水溶液で前処理することを特徴とする変色歯牙漂白方法。 【請求項2】 歯牙漂白材が光触媒作用を有する二酸化チタンと過酸化水素を主成分とする請求項1記載の方法。 【請求項3】 縮合リン酸塩水溶液がトリポリリン酸ナトリウム0.1〜10重量%、ピロリン酸ナトリウム0.1〜10重量%及びピロリン酸4カリウム0.1〜10重量%からなる群から選ばれる1種以上の水溶液である請求項1又は2記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歯牙に沈着した色素(着色、変色)を漂白、除去する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、歯科診療において、審美性の改善として歯牙漂白の需要が高まっている。歯牙漂白として、30数%過酸化水素を用いる方法がある。例えば、松風ハイライト(商品名)による漂白法、改良マキネス漂白法、ウォーキングブリーチ法等や、特開平8−143436号公報、特開平5−320033号公報、特開平8−113520号公報に記載されている漂白法がある。 【0003】本発明者らは、安全性、簡易性に優れ、短期間で有髄歯、無髄歯双方に顕著な効果を示す新しい漂白方法として、光触媒作用を有する二酸化チタンと低濃度過酸化水素水を併用する方法を提示している(特開平11−92351号公報)。さらに、二酸化チタンと無機または有機の増粘剤を用いることにより、効果的な歯牙漂白材を見出している。 【0004】ここで、本発明者らは、上記の種々の漂白法において、前処理無しに変色歯牙の漂白を試みたところ、歯牙によっては漂白効果に差が生じ、十分な漂白効果が得られないことが度々あることを発見した。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記したような課題を解決し、簡便かつ安定的に歯牙漂白効果を高める歯牙漂白前の歯牙洗浄方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、歯牙漂白材で漂白する際の前処理法を鋭意検討した結果、縮合リン酸塩水溶液で洗浄することにより安定的に漂白効果を高めることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、歯牙漂白材を用いて歯牙漂白する際に、縮合リン酸塩水溶液で前処理することを特徴とする変色歯牙漂白方法に関するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明においては、歯牙漂白材の使用前に縮合リン酸塩水溶液により歯牙を洗浄する。具体的には、脱脂綿やガーゼ等にリン酸塩水溶液を浸し、これを用いて直接歯牙表面の汚れをふき取る。続いて水洗浄、乾燥し、歯牙漂白材による漂白操作を行う。 【0008】使用する縮合リン酸塩としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、四リン酸等のカリウム塩、ナトリウム塩等を例示することができ、特に好ましくは、ピロリン酸4ナトリウムである。これらは、単独でも2種以上を混合して用いることもできる。これらの水溶液はpH4.0以上12.0未満であることが好ましい。pH12.0以上であると、口腔粘膜を侵してしまう。また、pH4.0以下であると、歯牙のエナメル質を溶解してしまうおそれがある。 【0009】縮合リン酸塩水溶液の濃度は、通常0.01〜30重量%であり、より好ましくは0.1〜10重量%である。薄すぎると水による洗浄と効果に差がなくなり、また、濃すぎると溶液の調製が困難になり、また使用時に塩が析出してしまう。 【0010】本発明の縮合リン酸塩の主たる作用は、縮合リン酸塩のビルダー効果を挙げることができる。これにより、歯牙表面の汚れ物質の多く、特に歯牙漂白材で分解されにくい無機物質が洗い流される。また、縮合リン酸塩で洗浄しきれない歯牙変色物質は歯牙漂白材で分解漂白される。この2つの操作により、安定的に高い漂白効果が得られる。 【0011】本発明の前処理後に用いる歯牙漂白材は、特に制限はなく、従来技術に挙げられている種々の過酸化水素を含有する歯牙漂白材を用いることができる。本発明者らの提案した光触媒作用を有する二酸化チタンと過酸化水素を併用した漂白材も好適に用いることができる。該漂白材の成分として、二酸化チタン、過酸化水素、リン酸、ピロリン酸4ナトリウムおよび増粘剤を含有するものが挙げられる。 【0012】二酸化チタンとしては、光触媒作用を生じる二酸化チタンであればその形態、性状に制限はなく用いることができる。好ましくは、アナターゼ型、ルチル型及びブルッカイト型のいずれかであり、特にルチル型が好ましい。また、アナターゼ型、ルチル型あるいはブルッカイト型の二酸化チタンの表面に燐酸カルシウムをコーティングすることによって、歯牙表面との親和性を改良したものを用いることもできる。更に、二酸化チタンに白金を担持させることによって光触媒活性を向上させたもの、あるいは二酸化チタンにプラズマ処理等を行うことによって、可視光領域の光に応答して光触媒作用を示すものも用いることが出来る。 【0013】二酸化チタンは、粉末状態のものでも水などの媒体に分散したゾル状態のものであっても良い。二酸化チタンの粒子径は、1〜500nmのものが好適に用いられ、より好ましくは5〜200nmのものである。二酸化チタンの配合量は、少量であっても十分その効果が得られ、具体的には0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは、0.01〜0.1重量%である。配合量が余り少ないと歯牙の変色度合いによっては好ましい結果を得るのに長時間を要する場合があり、また、多すぎると二酸化チタン自身の光透過性が良くないために却って漂白効果の低下が生じることがある。 【0014】過酸化水素の含有量は、35重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。該含有量をこの範囲より高くしても、漂白効果に顕著な差が見られない上に、安全性の見地からも有利ではない。リン酸および縮合リン酸塩は、安定剤および漂白促進剤として使用される。リン酸としては、オルトリン酸が好ましい。また縮合リン酸塩としては、縮合リン酸であるピロリン酸、トリポリリン酸等のカリウム塩、ナトリウム塩等を例示することができ、好ましくは、ピロリン酸4ナトリウムである。 【0015】リン酸の添加量は、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜2重量%である。この範囲より少ない場合は効果が少なく、多くした場合は、漂白材組成物の酸性が強くなり、歯牙表面に悪影響を与えるなどの問題を生じる。また、縮合リン酸塩の添加量は、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。この範囲より少ない場合は効果が少なく、多くした場合は、漂白剤組成物の液性がアルカリ性となり、過酸化水素の安定性が低下する。 【0016】増粘剤としては、無機系、有機系いずれのものも使用できる。ただし、有機増粘剤においては、光触媒作用で分解し難いものが好ましい。無機増粘剤としては、無機粘土鉱物が、より好ましくは層状構造型無機粘土鉱物が用いられる。一般に、無機粘土鉱物は、繊維状構造型(例えば、セピオライト、アパタルジャイト等)非晶質構造型(例えば、アロフェン等)、混合層構造型(例えば、カオリナイト、モンモリロナイト等)及び上記層状構造型に大別される。層状構造型無機粘土鉱物は、その構造中の単位層間に水分子を膨潤する性質を利用し、系内に存在する過酸化水素が変色した歯牙に接した状態で保持されることを実現するものである。本発明においては、このような水の存在下で膨潤する性質を有する層状構造型の無機粘土鉱物を使用することが好ましい。 【0017】無機粘土鉱物は繊維状構造型、非晶質構造型の粘土鉱物であっても、水の添加後に高速攪拌装置によって攪拌を行うことによって膨潤状態を実現させることが可能であるが、層状構造型粘土鉱物はそのような特別な装置を必要としない利点がある。 【0018】無機粘土鉱物としては、ディッカライト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、ハロイサイト、メタハロサイト、クリソタイル、リザルダイト、蛇紋石、アンチゴライト、バイデライト、モンモリロナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、スメクナイト、セピオライト、ネクタイト、イライト、セリサイト、海縁石−モンモリロナイト、ロウ石−モンモリロナイト、緑泥石−バーミキュライト、イライト−モンモリロナイト、ハロイサイト−モンモリロナイト、カオリナイト−モンモリロナイト等が挙げられる。 【0019】上記の無機粘土鉱物のうち、本発明において特に好ましく用いられる層状構造型粘土鉱物として、モンモリロナイト、ソーコナイト、スメクナイト、スチブンサイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、ネクタイト及びセピオライトなどがあげられる。これらは、天然品であっても合成品であっても良い。合成品としては、合成ケイ酸マグネシウムナトリウムリチウム(ラポナイト)等があげられる。また、これらの2種以上の混合物を用いることもできる。 【0020】有機増粘剤としては水溶性高分子が、好ましくは安全性の面から食品添加物用の増粘剤が用いられる。特に好ましく用いられる食品添加物用の増粘剤として、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等があげられる。より好ましくは、保存安定性に優れたポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが用いられる。これらは、天然品であっても合成品であっても良く、また、これらの2種以上の混合物を用いることもできる。 【0021】これらの増粘剤の配合量は、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。歯牙漂白材の粘度として、0.001〜10Pa・s、好ましくは0.002〜0.10Pa・sとなるような増粘剤の配合量が選ばれる。この範囲の粘度であれば、水平面に対して45度の角度をもつ歯牙表面に塗布した場合においても漂白材が垂れ落ちることがない。 【0022】該歯牙漂白材は、直接歯牙表面に塗布して、光を照射する処置を1回以上、好ましくは複数回繰返すことにより使用される。照射する光としては、二酸化チタンに吸収され光触媒作用を生じることのできる波長を有する光であり、且つ、人体に対して悪影響が少ない波長の光であることが望ましい。そのような波長として、300nm以上の波長を含む光、より好ましくは380〜500nmの波長を含む光が用いられる。用いられる光源としては、発熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、ブラックライト、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀灯、UVランプ、LED(発光ダイオード)、半導体レーザー等が例示される。これらの光源からの光を、適当なフィルターを介して不要な波長をカットして所定の波長にすればよい。 【0023】該漂白材の塗布及び光照射の回数は、変色度の程度に応じて適宜調整することができる。漂白材の塗布操作を行う場合は、通常、約15分〜20分おきに塗布させれば良く、その間隔及び頻度は歯牙の状態に応じて適宜設定することができる。該漂白材は、無髄歯、有髄歯双方の漂白に有効である。 【0024】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何らの制限を受けるものではない。 【0025】実施例135重量%過酸化水素10.0g、リン酸0.60g、ピロリン酸4ナトリウム・10水塩2.00g、ルチル型二酸化チタン(テイカ製MT−150A)0.06g、ラポナイト1.50gに精製水を加え全量を100gとした水溶液を漂白材に用いて、以下の手順で変色歯牙(抜去歯)の漂白を実施した。 1)前準備として歯垢、歯石、タール等を超音波スケーラーで除去した。 2)前処理として、歯牙表面をピロリン酸4ナトリウム2.0重量%水溶液で洗浄の後、水洗、乾燥した。 3)簡易防湿を行った。 4)漂白材を歯面に塗布し、380nm以上の波長の光を照射した。 5)1回の照射時間を5分とし、一回毎に新たな上記漂白剤の塗布及び光照射を行いこの操作を4回繰返した。 その結果、初期変色度F3.5が漂白後変色度F1.5となった。 【0026】比較例12)のピロリン酸4ナトリウム水溶液による洗浄をしなかった以外は、実施例1と同様に漂白を行った。その結果、初期変色度F3.5が漂白後変色度F2.0となった。 【0027】比較例2ピロリン酸4ナトリウム水溶液により変色歯牙(抜去歯)の洗浄のみを実施した。その結果、初期変色度F3.5が変色度F2.5となった。 【0028】上記漂白試験において、用いた変色歯牙(抜去歯)の変色度の分類は、以下に従った。 F1:淡い黄色、褐色、灰色で歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない。 F2:F1よりも濃く歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない。 F3:濃い灰色、青みがかった灰色で縞模様を伴う。 F4:著しく濃い紫色、灰色がかった紫で歯冠部全体が変色している。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば、(1)操作が簡易であり、(2)歯牙漂白の効果が高まり、(3)歯牙漂白の効果が安定化する、などの顕著な効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004466 【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社 【識別番号】301021533 【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所 【識別番号】501038827 【氏名又は名称】イーヴィス有限会社
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| 【出願日】 |
平成13年6月21日(2001.6.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100117891 【弁理士】 【氏名又は名称】永井 隆
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| 【公開番号】 |
特開2003−2815(P2003−2815A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月8日(2003.1.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−187899(P2001−187899) |
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