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【発明の名称】 化粧品
【発明者】 【氏名】伊藤 敬史
【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区大川5−1 チッソ株式会社横浜研究所内

【氏名】平木 純
【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区大川5−1 チッソ株式会社横浜研究所内

【要約】 【課題】パラベンの使用量が少量であっても、微生物による腐敗や劣化が起こりにくく、また、化粧品のその他の成分による吸着や造塩、および抗菌性阻害を受けることがなく、さらに、肌荒れや皮膚刺激性が少ない化粧品の提供。

【解決手段】パラベン、有機酸塩、およびε−ポリリジンおよび/またはその塩を化粧品に配合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パラベン、有機酸塩、およびε−ポリリジンおよび/またはその塩を含有する化粧品。
【請求項2】 パラベンが、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソブチル、およびパラヒドロキシ安息香酸ブチルから選ばれた一種以上である請求項1記載の化粧品。
【請求項3】 有機酸塩がクエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、およびリン酸塩から選ばれた1種以上である請求項1記載の化粧品。
【請求項4】 さらに、有機酸を含有する請求項1〜3の何れか1項記載の化粧品。
【請求項5】 有機酸がクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、コハク酸、およびリン酸から選ばれた1種以上である請求項4記載の化粧品。
【請求項6】 pH緩衝液を含有する請求項1〜5の何れか1項記載の化粧品。
【請求項7】 pH緩衝液がクエン酸塩、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、コハク酸、およびリン酸から選ばれた1種以上の酸とその塩からなるpH緩衝液である請求項6記載の化粧品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧品に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧品には、微生物による腐敗とそれに伴う品質の低下を防止することを目的として、安息香酸類、ソルビン酸類、安息香酸エステル類、グルコン酸クロルヘキシジンなどの合成保存料が使用されている。そのなかでも、パラヒドロキシ安息香酸エステル類(以下、「パラベン」と記述する。)は最も広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらパラベンは、皮膚に付着した際には、皮膚刺激やアレルギー反応を引き起こすことから、その使用量は極力少ないことが望ましい。一方、その使用量を減らすと腐敗防止効果が低下することから、パラベンの使用量が少量であっても、腐敗防止効果が低下しない化粧品が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の従来技術の課題に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、パラベン、有機酸塩、およびε−ポリリジンおよび/またはその塩を含有する化粧品であれば、従来技術に比べてパラベンの使用量が少なくなった場合であっても、微生物による腐敗や劣化が起こりにくいこと、また、化粧品のその他の成分による吸着や造塩、および抗菌性阻害を受けることがないこと、さらに、本発明の化粧品であれば、肌荒れや皮膚刺激性が少ないことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0005】本発明は下記構成(1)〜(7)を有する。
(1)パラベン、有機酸塩、およびε−ポリリジンおよび/またはその塩を含有する化粧品。
【0006】(2)パラベンが、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソブチル、およびパラヒドロキシ安息香酸ブチルから選ばれた一種以上である、前記第1項記載の化粧品。
【0007】(3)有機酸塩がクエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、およびリン酸塩から選ばれた1種以上である前記第1項記載の化粧品。
【0008】(4)さらに、有機酸を含有する前記第1項〜第3項の何れか1項記載の化粧品。
【0009】(5)有機酸がクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、コハク酸、およびリン酸から選ばれた1種以上である前記第4項記載の化粧品。
【0010】(6)pH緩衝液を含有する前記第1項〜第5項の何れか1項記載の化粧品。
【0011】(7)pH緩衝液がクエン酸塩、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、コハク酸、およびリン酸から選ばれた1種以上の酸とその塩からなるpH緩衝液である前記第6項記載の化粧品。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明する。本発明の化粧品に使用するパラベンは特に限定されるものではないが、本発明においてはパラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソブチル、およびパラヒドロキシ安息香酸ブチルから選ばれた一種以上を好ましく使用することができる。
【0013】本発明の化粧品が含有するパラベンの含有割合は特に限定されるものではないが、該化粧品に対して0.001〜1重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲である。
【0014】本発明の化粧品が含有するEPLの含有割合は特に限定されるものではないが、該化粧品に対して0.0001〜5重量%の範囲であることが好ましい。
【0015】本発明に使用する有機酸塩は特に限定されるものではないが、有機酸塩の中でもクエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、およびリン酸塩は、本発明において好ましく使用することができる。
【0016】本発明の化粧品が含有する有機酸塩の含有割合は特に限定されるものではないが、本発明の化粧品に対して0.005〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0017】本発明で用いられるε−ポリリジンは何れの方法によって得られたものであっても本発明の化粧品に使用することができるが、具体的には、特許第1245361号に記載のストレプトマイセス・アルプラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスを、その組成が、グルコース5重量%、酵母エキス0.5重量%、硫酸アンモニウム1重量%、リン酸水素二カリウム0.08重量%、リン酸二水素カリウム0.136重量%、硫酸マグネシウム・7水和物0.05重量%、硫酸亜鉛・7水和物0.004重量%、および硫酸鉄・7水和物0.03重量%であり、pHが6.8に調整された培地にて培養し、得られた培養物からε−ポリリジンを分離・採取することによって得られるε−ポリリジンを挙げることができる。
【0018】本発明において用いられるε−ポリリジンは、遊離のε−ポリリジンであってもよく、また、塩酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸とε−ポリリジンとで形成されるε−ポリリジンの無機酸塩や、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸、および乳酸などの有機酸とε−ポリリジンとで形成されるε−ポリリジンの有機酸塩や、【0019】カプロン酸、ラウリン酸、およびステアリン酸などの中鎖および長鎖の飽和脂肪酸とε−ポリリジンとで形成されるε−ポリリジンの飽和脂肪酸塩や、オレイン酸、リノール酸、およびアラキドン酸などの中鎖および長鎖の不飽和脂肪酸とε−ポリリジンとで形成されるε−ポリリジンの不飽和脂肪酸塩であってもよい。なおこれ以降、前述の各種酸とε−ポリリジンとの塩、および遊離のε−ポリリジンを併せて「EPL」と記述する。
【0020】本発明の化粧品にはさらに有機酸を添加することが好ましい。本発明に使用する有機酸は特に限定されるものではないが、有機酸の中でもクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、コハク酸、およびリン酸は、本発明において好ましく使用することができる。
【0021】本発明の化粧品が含有する有機酸の含有割合は特に限定されるものではないが、本発明の化粧品に対して0.005〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0022】本発明の化粧品はpH緩衝液を含有するものであることが好ましい。それによって、人間の皮膚のpH(pH5.4〜6.2)に近いpH領域においても、高い防腐能力を発揮することができる。本発明に使用するpH緩衝液は特に限定されるものではないが、弱酸性物質−弱塩基性物質、弱酸性物質−強塩基性物質、強酸性物質−弱塩基物質より構成されるpH緩衝液であれば、何れのpH緩衝液も使用することができる。
【0023】特に、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、コハク酸、およびリン酸から選ばれた1種以上の酸とその塩とからなるpH緩衝液(クエン酸−クエン酸塩緩衝液、リンゴ酸−リンゴ酸塩緩衝液、乳酸−乳酸塩緩衝液、酢酸−酢酸塩緩衝液など)は、化粧品に適用した場合の防腐能力、安全性、およびコストにおいて特に優れていることから、本発明に好ましく使用することができる。
【0024】本発明においては、事前に調整したpH緩衝液を本発明の化粧品に添加してもよい。また、本発明の化粧品に、該化粧品が含有する有機酸塩と緩衝液を形成し得る有機酸水溶液を適当な割合で添加して、該化粧品中でpH緩衝液を形成させてもよい。
【0025】本発明の化粧品が含有するpH緩衝液の含有割合は特に限定されるものではないが、本発明の化粧品保存料に対して0.005〜99.9重量%の範囲であることが好ましい。
【0026】本発明の化粧品は、化粧品の製造時にパラベン、有機酸塩、EPL、有機酸、pH緩衝液を配合して化粧品としてもよい。また、予め、パラベン、有機酸塩、EPL、有機酸、pH緩衝液を配合した化粧品保存料を作製しておき、化粧品の製造時に該化粧品保存料を化粧品原料と適当割合にて配合し化粧品としてもよい。
【0027】本発明の化粧品は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その目的により各種の化粧料原料を配合することができる。該化粧料原料としては、乳化、可溶化、分散剤としての界面活性剤、油分、および着色剤などの目的で配合される粉体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】乳化、可溶化、分散剤としての界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン性界面活性剤や、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、高級アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アシルサルコシン酸塩、スルホコハク酸塩などのアニオン性界面活性剤、また、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、および塩化ベンザルコニウムなどのカチオン性界面活性剤、【0029】カルボキシベタイン系、イミダゾリン系、グリシン系の合成両性界面活性剤、ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルグリセロール、フォスファチジン酸、ホスファチジルセリン、N−アシルフォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、プラスマーロゲンなどのリン脂質、およびこれらの混合物であるダイズレシチン、卵黄レシチン、および牛乳レシチンなどの天然由来の両性界面活性剤などが挙げられる。
【0030】油分としては、通常の化粧品に使用できるものであれば本発明に使用することができ、植物油としてはオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、コメヌカ油、ヤシ油など、動物油としてはスクワラン、牛脂、ラノリンなど、合成油としてはシリコン油、ポリイソブテン、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンなど、ロウとしてはミツロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウなど、炭化水素としては流動パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなど、高級アルコールとしてはセタノール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなど、高級脂肪酸としてはステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸など、その他油分としてはシリコーン樹脂、シリコーンゴム、パーフルオロエーテルなどが挙げられる。
【0031】着色剤などの目的で配合される粉体としては、通常化粧品に使用されるもので、有機色素(青色1号、緑色3号、、赤色202号、赤色227号、黄色、4号などと、そのレーキ)、無機顔料(酸化鉄、酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛など)、体質顔料(セリサイト、マイカ、タルク、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、シリコンパウダー、ポリアクリル酸アルキル、リン酸カルシウム、窒化ホウ素など)、パール(酸化チタン処理マイカ、酸化チタン.酸化鉄処理マイカ、酸化チタン.紺青処理マイカなど)、さらには、クロロフィル、β−カロチンなどの天然色素があげられる。本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば、これらの中から1種以上を選択して用いることができる。
【0032】また、該粉体の疎水性向上、触媒活性低下、および滑沢性向上を目的として、該粉体に表面処理および/または複合化を行ってもよい。この表面処理、複合化の際に用いられる物質としては、無水ケイ酸、酸化チタン、ナイロン、ポリアクリル酸アルキル、フッ素化合物、金属石鹸、油脂、および脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0033】系の安定性を損なわない範囲であれば、本発明の化粧品に対して、上記成分のほかにガム質、ムコ多糖類、植物抽出エキス、動物抽出エキス、天然水溶性化合物およびびその誘導体、キレート剤、酸化防止剤、保湿剤、低級アルコール、多価アルコール、香料、清涼剤、pH調整剤、紫外線防止剤、美白剤、抗炎症剤、老化防止剤、抗シミ剤、無機塩類、無機酸類、無機塩基類、および糖質類などを配合してもよい。
【0034】さらに、本発明の化粧品には、本発明の効果および安全性を損なわない範囲であれば、竹抽出物、アリルカラシ油、プロタミン、茶抽出物、グレープフルーツ種子抽出物、リゾチ−ム、キトサン、およびヒノキチオ−ルなどの天然由来の抗菌物質や、EPLの抗菌効果を補強する物質、例えば、グリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル、およびアルキルグリコシドなどの界面活性剤や、グリシン、アラニンなどのアミノ酸などを添加してもよい。
【0035】本発明の化粧品の種類は特に限定されるものではないが、固形石鹸、液体石鹸、洗顔フォーム、洗顔ミルク、クレンジングジェル、クレンジングオイル、シャンプー、ドライ・シャンプーなどの洗浄用化粧品、【0036】ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアリキッド、ヘアトニック、スタイリングジェル、スタイリングムース、パーマネントウェーブ用剤、染毛剤、ヘアマニュウキュア、カラーリンスなどの頭髪化粧品、【0037】バニシングクリーム、モイスチュアクリーム、エモリエントクリーム、マッサージクリーム、美白クリーム、アンチリンクルクリーム、ハンドクリーム、乳液、化粧水、美容液、スキンローション、パックなどの基礎化粧品、【0038】リキッドファンデーション、クリームファンデーション、パウダーファンデーション、フェィスパウダー、コンパクトフェィスパウダー、チーク、コンパクトチーク、コンパクトアイシャドウなどのメークアップ化粧品、【0039】日焼け止めクリーム、サンスクリーン、サンオイルなどの日焼け・日焼け止め化粧品、【0040】ベースコート、トップコート、ネイルエナメル、ネイルハードなどの爪化粧品、【0041】アイライナー、液状マスカラ、固形マスカラなどのアイライナー化粧品、【0042】口紅、リップクリームなどの口唇化粧品、【0043】歯磨料、洗口料などの口腔化粧品、【0044】および、入浴剤、バスオイルなどの入浴用化粧品などの化粧品が挙げられる。
【0045】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「重量%」である。本実施例においてε−ポリリジン(EPL)はチッソ株式会社製ε−ポリリジン25%水溶液を、パラベンは和光純薬株式会社製p−ヒドロキシ安息香酸メチル(以下、「メチルパラベン」と記述する。)を用いた。
【0046】1.化粧水1−1.化粧水の作製(実施例1〜4、比較例1〜3)
表1に示した割合に従い、滅菌精製水、EPL、メチルパラベン、有機酸塩(クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム)、有機酸(クエン酸)、ノニオン性界面活性剤(ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)、アニオン性物質(ヒアルロン酸ナトリウム)、およびその他成分(1,3ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール)を配合し、80℃に昇温、可溶化したのち、撹拌しながら室温まで冷却して化粧水(実施例1〜4、比較例1〜3)を得た。
【0047】
【表1】

【0048】1−2.安定性試験1作製した化粧水の安定性試験を以下の方法により実施した。実施例1〜4および比較例1〜3の各化粧水を、30℃の恒温器内に90日間放置し、各化粧品の経時変化について目視観察した。その結果を表2に示した。また、評価基準は、○;色相変化、沈殿、浮遊物が認められない、×;色相変化、沈殿、浮遊物が認められる、の二段階とした。
【0049】
【表2】

【0050】表2より明らかなように、本発明の実施例1〜4の化粧水は、比較例1〜3の化粧水と比較して、同等以上の安定性を有していることがわかる。
【0051】1−3.保存性試験1作製した化粧水の保存性試験は以下の方法により実施した。実施例1〜4および比較例1〜3の各化粧水に対して試験菌を接種したのち、25℃の恒温器内に静置した。静置後1日目、3日目、7日目、14日目、21日目、28日目の各化粧水1g(1mL)中の生菌数を標準寒天培地法により測定し、検出される生菌数が10個/g以下となるまでの日数を防腐効果の指標とした。その結果を表3に示した。なお、試験菌の種類および調製方法は下記の通り。
【0052】試験菌:カンジダ アルビカンス(Candida albicans(ATCC 10231))
調製方法:ポテトデキストロースブイヨン培地を用いて、25℃、48時間前培養した試験菌を、滅菌生理食塩水に10個/mLの濃度になるように懸濁して試験菌液を得た。得られた試験菌液を、化粧品10g(10mL)当たり0.1mL接種し混合した。
【0053】試験菌:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger(ATCC 1604))
調製方法:ポテトデキストロース寒天培地を用いて、25℃、14日間培養した試験菌の胞子を、ポリソルベート80を0.05%加えた滅菌生理食塩水に10個/mLの濃度になるように懸濁して試験菌液を得た。得られた試験菌液を、化粧品10g(10mL)当たり0.1mL接種し混合した。
【0054】試験菌:エスケリチア コリ(Escherichia coli(ATCC8739))
調製方法:普通ブイヨン培地を用いて、30℃、24時間前培養した試験菌を、滅菌生理食塩水に10個/mLの濃度になるように懸濁して試験菌液を得た。得られた試験菌液を、化粧品10g(10mL)当たり0.1mL接種し混合した。
【0055】試験菌:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa(ATCC 9027))
調製方法:普通ブイヨン培地用いて、30℃、24時間前培養した試験菌を、滅菌生理食塩水に10個/mLの濃度になるように懸濁して試験菌液を得た。得られた試験菌液を、化粧品10g(10mL)当たり0.1mL接種し混合した。
【0056】試験菌:スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococus aureus(ATCC 6538))
調製方法:普通ブイヨン培地用いて、30℃、24時間前培養した試験菌を、滅菌生理食塩水に10個/mLの濃度になるように懸濁して試験菌液を得た。得られた試験菌液を、化粧品10g(10mL)当たり0.1mL接種し混合した。
【0057】
【表3】

C.albicans:カンジダ アルビカンス(Candida albicans(ATCC 10231))
A.niger:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger(ATCC 1604))
E.coli:エスケリチア コリ(Escherichia coli(ATCC8739))
P.aeruginosa:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa(ATCC 9027))
S.aureus:スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococus aureus(ATCC 6538))
【0058】表3より明らかなように、本発明の実施例1〜4の化粧水は、比較例1〜2の化粧水と比較して、ノニオン性界面活性剤およびアニオン性物質が配合されていても本保存性試験に用いた全ての試験菌に対して防腐効果が高いことがわかる。
【0059】1−4.皮膚刺激性試験1実施例1〜4および比較例1〜3の各化粧水を敏感肌で刺激を感じやすいパネラー20人の下腕部内側に塗布し、感じた刺激について自己申告させた。その結果を表4に示した。また、評価基準は、−;刺激を感じない、±;やや刺激を感じる、+;明らかに刺激を感じる、++;非常に刺激を感じる、の四段階とした。
【0060】
【表4】

【0061】表4より明らかなように、本発明の実施例1〜4の化粧水は、比較例2の化粧水と比較して皮膚刺激性が低いことがわかる。
【0062】2.乳液2−1.乳液の作製(実施例5〜8、比較例4〜6)
表5に示した割合に従い、滅菌精製水、EPL、メチルパラベン、有機酸塩(クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム)、有機酸(クエン酸)、リン脂質(水素添加ダイズリン脂質)、造粘多糖類(キサンタンガム)、およびその他成分(ベヘニルアルコール、流動パラフィン、1,3ブチレングリコール、スクワラン)を配合したのち、80℃に昇温、可溶化したのち、撹拌しながら室温まで冷却して乳液(実施例5〜8、比較例4〜6)を得た。
【0063】
【表5】

【0064】2−2.安定性試験2実施例9〜12および比較例7〜9の各乳液について、先述の「1−2.安定性試験1」に記載の方法に準じて安定性試験を行った。その結果を表6に示した。また、評価基準は、○;色相変化、沈殿、浮遊物が認められない、×;色相変化、沈殿、浮遊物が認められる、の二段階とした。
【0065】
【表6】

【0066】表6より明らかなように、本発明の実施例5〜8の乳液は、比較例4〜6の乳液と比較して、同等以上の安定性を有していることがわかる。
【0067】2−3.保存性試験2実施例5〜8および比較例4〜6の各乳液について、先述の「1−3.保存性試験1」に記載の方法に準じて保存性試験を行った。その結果を表7に示した。
【0068】
【表7】

C.albicans:カンジダ アルビカンス(Candida albicans(ATCC 10231))
A.niger:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger(ATCC 1604))
E.coli:エスケリチア コリ(Escherichia coli(ATCC8739))
P.aeruginosa:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa(ATCC 9027))
S.aureus:スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococus aureus(ATCC 6538))
【0069】表7より明らかなように、本発明の実施例5〜8の乳液は、比較例4〜6の乳液と比較して、リン脂質および造粘多糖類が配合されていても本保存性試験に用いた全ての試験菌に対して防腐効果が高いことがわかる。
【0070】2−4.皮膚刺激性試験2実施例5〜8および比較例4〜6にて作製した各乳液について、先述の「1−4.皮膚刺激性試験1」に記載の方法に準じて皮膚刺激性試験を行った。その結果を表8に示した。また、評価基準は、−;刺激を感じない、±;やや刺激を感じる、+;明らかに刺激を感じる、++;非常に刺激を感じる、の四段階とした。
【0071】
【表8】

【0072】表8より明らかなように、本発明の実施例5〜8の乳液は、比較例5の乳液と比較して皮膚刺激性が低いことがわかる。
【0073】3.クリーム3−1.クリームの作製(実施例9〜12および比較例7〜9)
表9に示した割合に従い、滅菌精製水、EPL、メチルパラベン、有機酸塩(クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム)、有機酸(クエン酸)、ノニオン性界面活性剤(モノステアリン酸ポリオキシエチレン(40)グリコール)、およびその他成分(ステアリン酸、セタノール、精製ラノリン、ミリスチン酸イソプロピル、トリエタノールアミン、ソルビトール)を配合したのち、80℃に昇温、可溶化したのち、撹拌しながら室温まで冷却してクリーム(実施例9〜12および比較例7〜9)を得た。
【0074】
【表9】

【0075】3−2.安定性試験3実施例9〜12および比較例7〜9の各クリームについて、先述の「1−2.安定性試験1」に記載の方法に準じて安定性試験を行った。その結果を表10に示した。また、評価基準は、○;色相変化、離水が認められない、×;色相変化、離水が認められる、の二段階とした。
【0076】
【表10】

【0077】表10より明らかなように、本発明の実施例9〜12のクリームは、比較例7〜9のクリームと比較して、同等の安定性を有していることがわかる。
【0078】3−3.保存性試験3実施例9〜12および比較例7〜9の各クリームについて、先述の「1−3.保存性試験1」に記載の方法に準じて保存性試験を行った。その結果を表11に示した。
【0079】
【表11】

C.albicans:カンジダ アルビカンス(Candida albicans(ATCC 10231))
A.niger:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger(ATCC 1604))
E.coli:エスケリチア コリ(Escherichia coli(ATCC8739))
P.aeruginosa:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa(ATCC 9027))
S.aureus:スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococus aureus(ATCC 6538))
【0080】表11より明らかなように、本発明の実施例9〜12のクリームは、比較例7〜9のクリームと比較して、本保存性試験に用いた全ての試験菌に対して防腐効果が高いことがわかる。
【0081】3−4.皮膚刺激性試験3実施例9〜12および比較例7〜9にて作製した各クリームについて、先述の「1−4.皮膚刺激性試験1」に記載の方法に準じて皮膚刺激性試験を行った。その結果を表12に示した。また、評価基準は、−;刺激を感じない、±;やや刺激を感じる、+;明らかに刺激を感じる、++;非常に刺激を感じる、の四段階とした。
【0082】
【表12】

【0083】表12より明らかなように、本発明の実施例9〜12のクリームは、比較例8のクリームと比較して、皮膚刺激性が低いことがわかる。
【0084】4.シャンプー4−1.シャンプーの作製(実施例13〜16および比較例10〜12)
表13に示した割合に従い、滅菌精製水、保存料(EPL、メチルパラベン)、有機酸塩(クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム)、有機酸(クエン酸)、アニオン性界面活性剤(ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム・3エチレンオキサイド付加物)、ノニオン性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)、およびその他成分(プロピレングリコール)を配合したのち、80℃に昇温、可溶化したのち、撹拌しながら室温まで冷却してシャンプー(実施例13〜16および比較例10〜12)を得た。
【0085】
【表13】

【0086】4−2.安定性試験4実施例13〜16および比較例10〜12の各シャンプーについて、先述の「1−2.安定性試験1」に記載の方法に準じて安定性試験を行った。その結果を表14に示した。また、評価基準は、○;色相変化、沈殿、浮遊物が認められない、×;色相変化、沈殿、浮遊物が認められる、の二段階とした。
【0087】
【表14】

【0088】表14より明らかなように、本発明の実施例13〜16のシャンプーは、比較例10〜12のシャンプーと比較して、同等以上の安定性を有していることがわかる。
【0089】4−3.保存性試験4実施例13〜16および比較例10〜12の各シャンプーについて、先述の「1−3.保存性試験1」に記載の方法に準じて保存性試験を行った。その結果を表15に示した。
【0090】
【表15】

C.albicans:カンジダ アルビカンス(Candida albicans(ATCC 10231))
A.niger:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger(ATCC 1604))
E.coli:エスケリチア コリ(Escherichia coli(ATCC8739))
P.aeruginosa:シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa(ATCC 9027))
S.aureus:スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococus aureus(ATCC 6538))
【0091】表15より明らかなように、本発明の実施例13〜16のシャンプーは、比較例10〜12のシャンプーと比較して、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が存在していても、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)、およびシュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)に対する防腐効果が高いことがわかる。
【0092】3−4.皮膚刺激性試験3実施例13〜16および比較例10〜12にて作製した各クリームについて、先述の「1−4.皮膚刺激性試験1」に記載の方法に準じて皮膚刺激性試験を行った。その結果を表16に示した。また、評価基準は、−;刺激を感じない、±;やや刺激を感じる、+;明らかに刺激を感じる、++;非常に刺激を感じる、の四段階とした。
【0093】
【表16】

【0094】表16より明らかなように、本発明の実施例13〜16のシャンプーは、比較例11のシャンプーと比較して、皮膚刺激性が低いことがわかる。
【0095】
【発明の効果】本発明の化粧品であれば、従来技術に比べてパラベンの使用が少量であっても微生物による腐敗や劣化が起こりにくい。また、化粧品成分による吸着や造塩、および抗菌性阻害を受けることがない。さらに、該化粧品は肌荒れや皮膚刺激性が少ないことから、洗浄用化粧品、頭髪化粧品、基礎化粧品、メークアップ化粧品、日焼け・日焼け止め化粧品、爪化粧品、アイライナー化粧品、口唇化粧品、口腔化粧品、および入浴用化粧品などの化粧品として幅広く好適に使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000002071
【氏名又は名称】チッソ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区中之島3丁目6番32号
【出願日】 平成13年6月20日(2001.6.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−2810(P2003−2810A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−187078(P2001−187078)