| 【発明の名称】 |
CTスキャナのための行単位での完全螺旋ビュー加重方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】シャロン・ワン
【氏名】スティーブン・メッツ
【氏名】トマス・トス
【氏名】ピエロ・ユー・シモニ
【氏名】チエンイン・リー
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| 【要約】 |
【課題】任意数の行を有するマルチ検出器によるCTヘリカル・スキャン・データ取得時間を短縮してアーティファクトを低減させる。
【解決手段】Nビーム・ヘリカル・スキャンによって得られるデータを用いて画像再構成を行なうに際し、CT検出器のN行(R1〜R8)の各々について投影データ配列(106)を形成し(102)、各々の行について螺旋加重付き配列(108)を形成するために多くの異なる行数Nを有する検出器に適用可能な一意の加重関数(106)を用いてデータ配列に加重し(112)、各々の検出器行について共役配列(114)を形成するために共役加重関数(110)を適用することにより螺旋加重付き配列に加重し(115)、共役加重付き配列を結合し(118)、スライス画像(102)を形成するためにフィルタ補正逆投影を行なう(116)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮像区域の相対向する側でガントリ(20)に装着されている放射線源(26)と、並進軸(48)に垂直に配列されているN行の別個の検出器行を含む対向検出器(44)とを含んでいる計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム(38)と共に用いられて、ピッチpを有するヘリカル・スキャンで取得される投影データ集合から物体内部の関心領域(ROI)を通るスライス画像平面全体にわたる断層スライス画像を形成する装置であって、前記データ集合は前記N行の検出器行(R1〜R8)に対応するN個の別個の行データ集合を含んでおり、各々の行データ集合は行ビューとガントリ角度とを相関付けしており、前記投影データ集合内の中心角度βは前記スライス画像平面と実質的に整列しており、当該装置は、前記N個の別個の行データ集合の各々について別個の投影データ配列(104)を形成し、各々の投影データ配列について別個の螺旋加重付き配列(108)を形成するために前記投影データ配列の各々に螺旋加重関数を適用して(112)、(c) 前記螺旋加重付き配列を用いてスライス画像を構成する(116)ように構成されている画像再構成器を備えており、各々の投影データ配列に適用される前記加重関数は、【数1】
であり、ここで、Δβ(2π/p)、βr1=tgγ+rΔβ、βr2=βr1+Δβ、及びβr3=βr1+2Δβであり、ここで、tgは正接加重パラメータであり、γは各々のビーム内でのファン角度であり、rは検出器行番号であって0〜N−1の値を有している装置。 【請求項2】 前記再構成器(68)は、前記螺旋加重付き配列の各々に共役加重関数を適用して(115)、これにより、各々の螺旋加重付き配列について共役加重付き配列(114)を形成するようにさらに構成されており、また前記再構成器は、前記共役加重付き配列を用いて前記スライス画像を構成するように構成されている請求項1に記載の装置。 【請求項3】 前記共役加重関数は下記の式【数2】
を含んでおり、ここで、w0及びwnは、それぞれ最初の検出器行及び最後の検出器行についての螺旋加重関数であり、βn0及びβncは、それぞれ前記最初の行の始点及び前記最後の行の終点に対応する共役パラメータである請求項2に記載の装置。 【請求項4】 前記再構成器(68)は、前記スライス画像平面内の各々のガントリ角度について、当該ガントリ角度についての結合加重付き配列を形成するために各々の検出器行及び前記ガントリ角度に対応する前記共役加重付き配列を加算し(118)、前記結合加重付き配列をフィルタ補正し、次いで前記結合加重付き配列を逆投影することにより、前記スライス画像を形成するために前記共役加重付き配列を用いるように構成されている請求項3に記載の装置。 【請求項5】 前記再構成器(68)は、各々の検出器行に対応する前記共役加重付き配列について、行特定的スライス画像を形成するために前記共役ゲート付き配列をフィルタ補正逆投影し(116)、次いで前記画像平面内での最終的なスライス画像(120)を形成するために前記行特定的スライス画像を加算することにより、前記スライス画像を形成するために前記共役加重付き配列を用いるように構成されている請求項3に記載の装置。 【請求項6】 前記再構成器(68)は、複数のスライス画像を再構成するために、前記投影データ配列の各々に前記螺旋加重関数を適用する前に、システム・メモリに前記データ配列を記憶するようにさらに構成されている請求項1に記載の装置。 【請求項7】 撮像区域の相対向する側でガントリ(20)に装着されている様々なファン・ビーム角度γに位置する射線を含むファン・ビームを形成する放射線源(26)と、並進軸(48)に垂直に配列されているN行の別個の検出器行(R1〜R8)を含む対向検出器(44)とを含んでいる計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム(38)と共に用いられて、ピッチpを有するヘリカル・スキャンで取得される投影データ集合から物体内部の関心領域(ROI)を通るスライス画像平面全体にわたる断層スライス画像を形成する装置であって、前記データ集合は前記N行の検出器行に対応するN個の別個の行データ集合を含んでおり、各々の行データ集合は行ビューとガントリ角度とを相関付けしており、前記投影データ集合内の中心角度βは前記スライス画像平面と実質的に整列しており、当該装置は、前記N個の別個の行データ集合の各々について別個の投影データ配列を形成し(102)、各々の投影データ配列について別個の螺旋加重付き配列を形成するために前記投影データ配列の各々に螺旋加重関数を適用し(112)、ここで、各々の行ビューに対応する前記加重関数は前記ガントリ角度及び前記ファン角度の両方に従属しており、前記螺旋加重付き配列を用いてスライス画像を構成する(116)ように構成されている画像再構成器を備えた装置。 【請求項8】 前記再構成器(68)は、前記螺旋加重付き配列の各々に共役加重関数(110)を適用して(115)、これにより、各々の螺旋加重付き配列について共役加重付き配列(114)を形成するようにさらに構成されており、また前記再構成器は、前記共役加重付き配列を用いて前記スライス画像(120)を構成するように構成されている請求項7に記載の装置。 【請求項9】 前記共役加重関数は下記の式【数3】
を含んでおり、ここで、w0及びwnは、それぞれ最初の検出器行及び最後の検出器行についての螺旋加重関数であり、βn0及びβncは、それぞれ前記最初の行の始点及び前記最後の行の終点に対応する共役パラメータである請求項8に記載の装置。 【請求項10】 前記再構成器(68)は、前記スライス画像平面内の各々のガントリ角度について、当該ガントリ角度についての結合加重付き配列を形成するために各々の検出器行及び前記ガントリ角度に対応する前記共役加重付き配列を加算し(118)、前記結合加重付き配列をフィルタ補正し、次いで前記結合加重付き配列を逆投影することにより、前記スライス画像を形成するために前記共役加重付き配列を用いるように構成されている請求項9に記載の装置。 【請求項11】 前記再構成器(68)は、各々の検出器行に対応する前記共役加重付き配列について、行特定的スライス画像を形成するために前記共役ゲート付き配列をフィルタ補正逆投影し、次いで前記画像平面内での最終的なスライス画像を形成するために前記行特定的スライス画像を加算することにより、前記スライス画像を形成するために前記共役加重付き配列を用いるように構成されている請求項9に記載の装置。 【請求項12】 撮像区域の相対向する側でガントリ(20)に装着されている放射線源(26)と、並進軸(48)に垂直に配列されているN行の別個の検出器行(R1〜R8)を含む対向検出器(44)とを含んでいる計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム(38)と共に用いられて、ピッチpを有するヘリカル・スキャンで取得される投影データ集合から物体内部の関心領域(ROI)を通るスライス画像平面全体にわたる断層スライス画像を形成する方法であって、前記データ集合は前記N行の検出器行に対応するN個の別個の行データ集合を含んでおり、各々の行データ集合は行ビューとガントリ角度とを相関付けしており、前記投影データ集合内の中心角度βは前記スライス画像平面と実質的に整列しており、当該方法は、前記N個の別個の行データ集合の各々について別個の投影データ配列を形成する工程(102)と、各々の投影データ配列について別個の螺旋加重付き配列を形成するために、工程(a)において形成された前記投影データ配列の各々に螺旋加重関数(106)を適用する工程(112)であって、各々の投影データ配列に適用される前記加重関数は、【数4】
であり、ここで、Δβ(2π/p)、βr1=tgγ+rΔβ、βr2=βr1+Δβ、及びβr3=βr1+2Δβであり、ここで、tgは正接加重パラメータであり、γは各々のビーム内でのファン角度であり、rは検出器行番号であって0〜N−1の値を有している、適用する工程(112)と、前記螺旋加重付き配列を用いてスライス画像(120)を構成する工程(116)とを備えた方法。 【請求項13】 前記方法は、前記螺旋加重付き配列の各々に共役加重関数(110)を適用する工程(115)であって、これにより、各々の螺旋加重付き配列について共役加重付き配列(114)を形成する適用する工程(115)をさらに含んでおり、前記構成する工程は、前記共役加重付き配列を用いて前記スライス画像を構成する工程(118)を含んでいる請求項12に記載の方法。 【請求項14】 前記共役加重関数は下記の式【数5】
を含んでおり、ここで、w0及びwnは、それぞれ最初の検出器行及び最後の検出器行についての螺旋加重関数であり、βn0及びβncは、それぞれ前記最初の行の始点及び前記最後の行の終点に対応する共役パラメータである請求項13に記載の方法。 【請求項15】 前記スライス画像を形成するために前記共役加重付き配列を用いる前記工程は、前記スライス画像平面内の各々のガントリ角度について、当該ガントリ角度についての結合加重付き配列を形成するために各々の検出器行及び前記ガントリ角度に対応する前記共役加重付き配列を加算する工程(118)と、前記結合加重付き配列をフィルタ補正する工程(116)と、次いで前記結合加重付き配列を逆投影する工程(116)とを含んでいる請求項14に記載の方法。 【請求項16】 前記スライス画像を形成するために前記共役加重付き配列を用いる前記工程は、各々の検出器行に対応する前記共役加重付き配列について、行特定的スライス画像を形成するために前記共役ゲート付き配列をフィルタ補正逆投影する工程と、次いで前記画像平面内での最終的なスライス画像を形成するために前記行特定的スライス画像を加算する工程とを含んでいる請求項14に記載の方法。 【請求項17】 複数のスライス画像を再構成するために、前記投影データ配列の各々に前記螺旋加重関数を適用する前に、システム・メモリに前記データ配列を記憶する工程をさらに含んでいる請求項12に記載の方法。 【請求項18】 撮像区域の相対向する側でガントリ(20)に装着されている様々なファン・ビーム角度γに位置する射線を含むファン・ビームを形成する放射線源(26)と、並進軸(48)に垂直に配列されているN行の別個の検出器行(R1〜R8)を含む対向検出器(44)とを含んでいる計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム(38)と共に用いられて、ピッチpを有するヘリカル・スキャンで取得される投影データ集合から物体内部の関心領域(ROI)を通るスライス画像平面全体にわたる断層スライス画像を形成する方法であって、前記データ集合は前記N行の検出器行に対応するN個の別個の行データ集合を含んでおり、各々の行データ集合は行ビューとガントリ角度とを相関付けしており、前記投影データ集合内の中心角度βは前記スライス画像平面と実質的に整列しており、当該方法は、前記N個の別個の行データ集合の各々について別個の投影データ配列(104)を形成する工程(102)と、各々の投影データ配列について別個の螺旋加重付き配列を形成するために前記投影データ配列の各々に螺旋加重関数(106)を適用する工程(112)であって、ここで、各々の行ビューに対応する前記加重関数は前記ガントリ角度及び前記ファン角度の両方に従属している、適用する工程(112)と、前記螺旋加重付き配列を用いてスライス画像を構成する工程(116)とを備えた方法。 【請求項19】 前記方法は、前記螺旋加重付き配列の各々に共役加重関数(110)を適用する工程(115)であって、これにより、各々の螺旋加重付き配列について共役加重付き配列(114)を形成する適用する工程(115)をさらに含んでおり、前記スライス画像を構成する前記工程は、前記共役加重付き配列を用いる工程を含んでいる請求項18に記載の方法。 【請求項20】 前記共役加重関数は下記の式【数6】
を含んでおり、ここで、w0及びwnは、それぞれ最初の検出器行及び最後の検出器行についての螺旋加重関数であり、βn0及びβncは、それぞれ前記最初の行の始点及び前記最後の行の終点に対応する共役パラメータである請求項19に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の背景】本発明は、マルチスライス螺旋計算機式断層写真法に関し、さらに具体的には、高画質を保持しつつ、画像を形成するのに必要なデータ取得時間及びデータ処理時間を短縮する断層写真法のアルゴリズム、方法及び装置に関する。 【0002】計算機式断層写真法(CT)では、X線フォトンの射線が患者を透過して検出器に向かって照射される。減弱した射線が検出器によって検出され、減弱量は射線が透過横断した患者の構造(例えば骨、筋肉、空腔等)を示す。次いで、再構成アルゴリズムに従って減弱データを処理して逆投影し、患者の体内の解剖学的構造の画像を形成する。一般的には、「逆投影」はソフトウェアで行なわれるが、名称が含意しているように画像平面内で画像平面の全体にわたる多くの異なる角度から射線を物理的に投影することに類するものであり、同じ画像ボクセルを透過した射線の値を何らかの態様で結合すると、得られる画像のボクセルに結合の効果を生ずる。以下、逆投影された射線に対応するデータを逆投影射線と呼ぶ。 【0003】データ取得時に患者が運動すると、得られる画像にアーティファクトが生ずる場合があり、しばしば画像が診断目的に役立たなくなったり利用が困難になったりする。この理由等のため、CT業界は、取得されるデータの品質を低下させずに取得時間を短縮する方法を識別すべく絶えず試行している。 【0004】データ取得速度を高める様々なCTシステム特徴及び手順が開発されている。比較的一般的な特徴及び手順の幾つかとして、ファン・ビーム取得、同時多数スライス取得、螺旋走査(ヘリカル・スキャン)、及びハーフ・スキャンがある。ファン・ビーム取得では、線源をコリメートして薄いファン・ビームとし、患者に対して対向する側に設けられている検出器に向かって照射する。このようにして、線源ファン・ビームの中心射線によって画定される一つのビーム角度について完全なファン・ビーム投影データ集合が瞬時に形成される。線源及び検出器は画像平面の周りを回転して、全ビーム角度(例えば典型的には360°)からデータを収集する。この後に、収集したデータを用いて画像平面における画像を再構成する。このようにしてファン・ビーム取得は取得時間を短縮する。 【0005】ハーフスキャンについて述べると、患者がデータ取得時間中には静止したままでいると仮定すると、共役データ取得(すなわち同じ経路に沿って反対方向から取得されるデータ)は同一になる筈である。加えて、ファン・ビームを用いると、患者の周りを完全に一回転させないでも、あらゆる可能なビーム角度から画像平面の全体にわたって1以上の射線を照射することができる。このために、当技術分野で公知のように、単一の画像平面に関連する全ビーム角度に対応するデータを、患者の周りでの(π+2γ)/(2π)回転の後に収集することができる。ここで、γはファン・ビーム角度である。スライス画像に対応するデータを取得するために患者の周りでの完全一回転未満の回転しか必要とされないので、これらの取得方法及びシステムを一般的にハーフスキャン方法及びシステムと呼んでいる。このようにして、ハーフスキャン取得を単一行の検出器と共に用いて取得時間を短縮している。 【0006】シングル・スライス検出器、ファン・ビーム及びハーフスキャンを用いて、異なる数枚の平行な画像平面におけるデータを生成することができ、これらのデータをデータ取得後にプロセッサによって利用して、当技術分野で公知の補間/補外手順を通じて画像平面の間の任意の位置での画像を形成することができる。例えば、二つのデータ取得時間中に、0.25インチだけ離隔した第一及び第二の平行な取得平面にそれぞれ対応する第一及び第二のデータ集合を取得したとする。利用者が、画像再構成のために第一の取得平面と第二の取得平面との間に位置する画像平面を選択すると、第一の集合のデータと第二の集合のデータとの間の補間を用いて、選択された画像平面に対応するデータの値を推定することができる。例えば、取得時間中に、複数の射線の中で特に第一の射線及び第二の射線を用いてそれぞれ第一の集合及び第二の集合を形成し、且つ第一の射線と第二の射線とは平行であった(すなわち同じビーム角度及びファン角度を有していた)とする。この場合には、第一の射線及び第二の射線から取得されたデータの間を補間することにより、第一の射線及び第二の射線に平行で且つ画像平面内に位置する仮想的な逆投影射線に対応する推定値を求める。かかる補間を実行してあらゆるビーム角度及びファン角度について画像平面の全体にわたる逆投影射線を形成することにより、画像平面に対応する完全なデータ集合が形成される。 【0007】かかるシステムは有用であるが、残念なことに、多数の画像平面に対応するデータを生成するのに必要な取得時間が過度に長く、患者が不可避的に運動してしばしば画像アーティファクトを生ずる。 【0008】数枚の画像平面に対応するデータ取得を高速化する一つの方法は、ファン・ビームと共にマルチ検出器(multi-row detector)を用いることによるものである。マルチ検出器システムでは、比較的厚いファン・ビームをコリメートし、患者を透過させてマルチ検出器に照射する。各々の検出器行は実質的に、ファン・ビーム幅に垂直なZ軸又は並進軸に沿った厚いファン・ビームの別個の「スライス」についてのデータを収集する。各々の検出器行は一定の厚みを有するが、これらのシステムでは、各々の行で検出される信号は、アイソセンタZに投射された状態で当該行内の中心に位置する平面に対応すると仮定している。以下、一つの行を通る中心平面を行中心と呼ぶ。 【0009】データ取得後に、インタフェイスによって、システム利用者は収集データに対応する区域の範囲内から画像平面を選択することができる。選択される画像平面は、少なくとも二行の隣接した検出器行の各行中心の間に位置する。画像平面選択後に、プロセッサが隣接する各行に対応するデータの間を補間して、選択された画像平面に対応する逆投影射線を形成する。異なる画像平面に対応する他の画像を求めたい場合には、平面を選択した後に、プロセッサは再度、取得データの部分集合を識別して、補間、追加処理、及び逆投影を行なう。このようにして、マルチ検出器システムはデータ取得時間をさらに短縮し、この場合には再構成のために数枚の画像平面を選択することができる。 【0010】マルチ検出器に関する一つの制限は、単一の取得時間中に、検出器の厚みに対応するデータしか収集できないことである。より広い患者の関心のある空間又は関心領域(ROI)に対応する追加データを収集するためには、第一の空間に対応する一つの取得時間の後に、第一の空間に隣接する第二の空間が線源と検出器との間に位置するまで並進軸に沿って患者を移動させなければならない。この後に、二回目の取得工程を実行しなければならない。同様に、第三の空間に対応する追加データを収集するためには、線源及び検出器に対するもう一つの相対位置まで患者を搬送しなければならない。取得を行なわない並進が必要とされるため取得時間が必然的に長くなり、取得時間及び位置揃え工程が加わって、相対的な不快感、さらなる患者の運動、及び望ましくない画像アーティファクトが不可避的に生ずる。 【0011】取得時間中に患者の並進を中断せずに単一の取得時間でデータを収集し得るようにヘリカル・スキャン・システムが開発されている。ヘリカル・スキャン・システムでは、環状のガントリの相対向する表面に線源及び検出器アレイを装着して、ガントリを通して一定の速度で患者を搬送しながら線源及び検出器アレイをガントリの周りで回転させる。X線ビームは患者全体にわたる螺旋経路を掃引し、従って「ヘリカル・スキャン・システム」と命名されている。動作ピッチ(すなわちガントリ回転速度に対するテーブル並進速度)を高めることによりデータ取得を高速化することができる。データを取得した後に、データを処理して、逆投影射線推定値を生成すると共に螺旋取得によって生ずるデータの微小差異(nuance)にも配慮する。 【0012】ファン・ビーム、マルチスライス、ハーフスキャン及びヘリカル・スキャンの各特徴の様々な組み合わせを結合することにより、相乗効果を実現すると共に何らかの成功が収められている。例えば、一つのシステムでは、マルチ・ファン・ビーム検出器及びファン・ビーム線源をヘリカル・スキャン手順と組み合わせて、高ピッチ/高速動作モードを用いて撮像データを高速に取得している。例えば、1996年7月30日に付与された【特許文献1】米国特許第5,541,970号(以下「970号特許」と呼ぶ)、標題“Image Reconstruction for a CT System Implementing Four Fan Beam Helical Scan”は、四行の検出器を含むシステム例を教示しており、該特許では、取得時に、四行の各行毎にROIに関する螺旋データを収集している。収集したデータは「ビュー」を含んでおり、各々のビューが、ガントリの周りでの特定の線源角度から収集された検出器全体に対応するデータを含んでいる。以下、「行ビュー」という用語を用いて、特定のガントリ角度で取得された特定の検出器行に対応するデータを表わし、四行検出器は各々のガントリ角度において第一、第二、第三及び第四の別個の行ビューを有するものとする。 【0013】データが収集されて記憶された後に、必要とされる画像を形成すべきROIを通るトランスアキシャル(軸横断)平面をシステム操作者が指定すると、システム・プロセッサは、選択された平面を実質的に中心とする螺旋データの部分集合を選択する(以下、「選択されたデータ部分集合」と呼ぶ)。この後に、選択されたデータ部分集合を、スライス画像平面に対応するスライス画像データを生成するように変更し、変更後のデータをスライス画像平面にわたってフィルタ補正逆投影し、所望の画像を形成して観察及びさらなる処理を行なう。高品質の画像を形成するためには、逆投影後のデータは、スライス平面の周りでの多数の等間隔のガントリ角度からのビューを含んでいなければならない。 【0014】選択されたデータ部分集合をフィルタ補正逆投影のためにスライス画像データへ変換するために、四行すべての検出器行からのデータを含む選択されたデータ部分集合は、Z軸又は並進軸に沿って空間従属性を有するアルゴリズムに従って加重される。このために、各々の検出器行について、少なくとも一行の行ビューは典型的にはスライス画像平面と整列一致するので、この行ビューはその取得された状態で(すなわち加重を行なわずに)撮像目的に用いることができる。以下、整列一致した行ビューに対応するガントリ角度を整列時角度と呼ぶ。 【0015】スライス画像平面内の残りのガントリ角度の各々については、撮像平面に近接した選択されたデータ部分集合内に他の行ビューが存在している。例えば、四行検出器の場合には、整列時角度と類似したガントリ角度について、選択されたデータ集合は、画像平面に先行する二つの行ビューと、画像平面に後続する二つの行ビューとを含んでいる。整列時角度に相対的に類似していない他のガントリ角度については、選択されたデータ集合は、画像平面に先行する一つの行ビューと、画像平面に後続する三つの行ビューとを含んでいるか、或いはその反対である。 【0016】いずれの場合にも、スライス画像平面内の残りのガントリ角度の各々について(すなわちスライス画像平面に整列一致していないすべてのガントリ角度について)、近接した行ビューは、全体的にZ軸に沿った間隔の関数として加重される。例えば、スライス画像平面が第二の検出器行ビューと第三の検出器行ビューとの間に位置しており、且つスライス平面が第三の行ビューよりも第二の行ビューに近接しているような所与のガントリ角度については、行ビューの加重は、高い方から低い方にそれぞれ第二、第三、第一、及び第四となる。選択されたデータ部分集合内の各々の行ビューに加重した後に、加重付きデータをフィルタ補正逆投影して、必要とされる画像を形成する。この態様で、加重付きビューの完全な集合を形成して従来の360°CT再構成を行なう。 【0017】970号特許に記載されているアルゴリズムは四行検出器については十分に動作するが、残念ながら、追加行のデータを収集するためにさらに大型の検出器(例えば8行検出器)を設計すると、螺旋ピッチ(すなわちガントリ回転速度に対するテーブル並進速度)をさらに高めると共にコーン角度(すなわちZ軸又は並進軸内でのX線ビームの間の角度)をさらに大きくしなければならず、これにより、画像アーティファクトが生じて、得られる画像の診断値にかなりの悪影響を及ぼすことが判明した。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明は、実質的に任意の数の検出器素子行を有する検出器と共に用いて、ヘリカル・スキャンにより得られたCTデータから高精度の画像を形成することのできる新たな加重アルゴリズム及び方法を含んでいる。本発明のアルゴリズムは一般的には、二つの逐次的な加重工程を含んでいる。第一に、螺旋走査によるデータを関心領域(ROI)について収集し、ROIを通るトランスアキシャル・スライス画像平面を識別した後に、選択されたスライス画像平面に対応するデータの部分集合を識別し、次いで検出器行の各行に対応するデータに対して別個に螺旋加重アルゴリズムを適用して、各々の検出器行毎に別個の螺旋加重付き配列を形成する。例えば、検出器が8行の検出器行を含んでいる場合には、8つの別個の螺旋加重付き配列が形成される。 【0019】重要な点として、図5に本発明の加重関数の一例を二次元で図示しており、各々の行ビューに適用される本発明の加重関数はガントリ角度β及びビーム角度γの両方に従属している。このために、線130に沿っては加重関数は値1を有しており、線131及び線132の各々に沿っては加重関数は値0を有しており、また線131と線132との間及び線132と線130との間では加重関数は0から1に傾斜している。線130、131及び132の傾きを一般的に正接加重パラメータtgと呼ぶものとし、このパラメータは、システムのピッチ及び検出器幅を設定した後に、最適な撮像特性が得られる(例えばアーティファクト及び雑音が最低限になる)まで最適化工程によって修正することができる。 【0020】第二に、螺旋加重関数を適用して各々の行についての螺旋加重付き配列が形成された後に、各々の螺旋加重付き配列に対して共役加重関数を適用し、これにより、各々の検出器行について別個の共役加重付き配列を形成する。 【0021】共役加重を適用した後に、得られる共役加重付き配列をフィルタ補正逆投影して、これにより、選択されたスライス画像平面に対応するスライス画像を形成する。共役加重付き配列はフィルタ補正逆投影の前に結合されていてもよいし、或いはフィルタ補正逆投影を行単位で実行して行特定的なスライス画像を形成し、次いでこれらの行特定的なスライス画像を結合して最終のスライス画像又は結合したスライス画像を形成してもよい。 【0022】本発明のこれらの側面その他は以下の記載から明らかとなろう。記載では、本発明の好適実施形態を示す本書の一部を成す添付図面を参照している。かかる実施形態は本発明のすべての範囲を必ずしも表わしている訳ではなく、従って、本発明の範囲を理解するためには本書の特許請求の範囲を参照されたい。 【0023】 【発明の実施の形態】A.ハードウェアここで図1について説明する。本発明と共に用いられるCTスキャナが、開口(すなわち撮像区域を画定する)を有するガントリ20を含んでおり、ガントリ20は、ビーム軸41に沿って患者42を透過するX線のファン・ビーム40を、対向して支持されている検出器アレイ44に向かって投射するように配向されているX線源10を支持している。ガントリ20は回転して、デカルト座標系のx−y平面を画定するガントリ平面38内でビーム軸を回転させる。ガントリ20の回転は、ガントリ平面38内の任意の基準位置からのビーム角度Βによって測定される。 【0024】患者42は、デカルト座標系のZ軸に整列した並進軸48に沿って移動可能なテーブル46の上に横臥している。テーブル46はガントリ平面38に交差しており、撮像過程に干渉しないように放射線透過性となっている。 【0025】ファン・ビーム40内のX線は、ガントリ平面38内のビーム軸41から、ビーム軸41及び並進軸48の両方に全体的に直交する横断軸50に沿ってファン・ビーム角度γで発散している。図3を同時に参照すると、ビーム40内のX線はまた、Z軸48に沿ってビーム軸41及びガントリ平面38からも僅かに発散している。以下、最大ビーム角度γを記号Γで表わす。 【0026】患者42を透過した後に、ファン・ビーム40内のX線は、複数の検出器素子18′を含む検出器アレイ44によって受光される。図3を同時に参照すると、アレイ44の一例の検出器素子18′は、横断軸50に沿って延在しておりZ軸に沿ってアレイ44を小分割している8つの行R1〜R8と、Z軸48に沿って延在している複数の列とを成して配列されている(すなわちアレイ44は8スライス検出器である)。検出器アレイ44の幅WはZ軸48に沿って測定される。検出器アレイ44の表面は平面であってもよいし、又は焦点26或いはシステム・アイソセンタに中心を有する球若しくは円筒の断面に沿っていてもよい。 【0027】検出器素子18′は各々X線を受光して、ファン・ビーム40の別個の射線に沿った強度測定値を与える。各々の強度測定値は、患者42の空間43の一部を透過した一つのファン・ビーム射線の線積分によって減弱を記述する。Z軸48に沿った空間43の寸法は、8スライス・アレイ44のZ軸幅よりも大きい。 【0028】図1及び図2を参照すると、図1のCTイメージング・システムを制御する制御システムの例が、参照番号52によってまとめて示されているガントリ関連の制御モジュール、テーブル・モータ制御部58、スリップ・リング64、中央処理コンピュータ60、操作者コンソール65、及び大容量記憶装置66を含んでいる。モジュール52は、X線制御部54、ガントリ・モータ制御部56、データ取得システム62、及び画像再構成器68を含んでいる。X線制御部54はX線源10に電力信号及びタイミング信号を供給して、コンピュータ60の制御の下での要求に応じてX線源10をオン及びオフにする。ガントリ・モータ制御部56は、ガントリ20の回転速度及び位置を制御して、ガントリ位置に関する情報をコンピュータ60へ供給する。データ取得システム62は、検出器アレイ44の検出器素子18′からの強度信号をサンプリングすると共にディジタル化して、ディジタル化した信号を螺旋データ行ビューの形態でコンピュータ60へ供給し、大容量記憶装置66に記憶させる。再構成器68はコンピュータ60に結合されており、コンピュータ60からデータを受け取って、本発明の方法に従ってデータに加重し、加重付きデータをフィルタ補正すると共にデータを逆投影して、名称が含意しているように観察用のスライス画像を構成する。 【0029】以上のモジュールの各々が、スリップ・リング64を介して、ガントリ装着の関連する各構成要素に接続されていると共に、制御の目的のためにコンピュータ60にも結合されている。スリップ・リング64は、ガントリ20が360℃を上回る角度にわたって連続的に回転して投影データを取得し得るようにしている。 【0030】テーブル46の並進軸48に沿った速度及び位置は、テーブル・モータ制御部58によってコンピュータ60により制御される。コンピュータ60は、何らかの形式の視覚的インタフェイス装置(例えばCRT表示器)及び1以上の入力装置(例えばキーボード、マウス制御式表示カーソル等)を一般に含む操作者コンソール65を介して命令及び走査パラメータを受け取る。コンソール65によって、操作者はデータ取得走査を制御するパラメータを入力することができ、また構成された画像及びコンピュータ60からのその他の情報を表示させることができる。 【0031】大容量記憶装置又はメモリ66は、CTイメージング・システム用の動作プログラムを記憶すると共に、操作者が後に参照するための画像データを記憶する手段を提供する。コンピュータ60及び画像再構成器68の両方が、データ及びパルス系列作成プログラムを記憶する付設の電子式メモリ(図示されていない)を有している。 【0032】動作時には、ガントリ・モータ制御部56がガントリ20を一定の回転速度まで作動させると共に、テーブル・モータ制御部58が並進軸48に沿ったテーブル46の並進を開始する。X線制御部54はX線源10をオンにして、連続的に投影データを取得する。ガントリ回転速度に対するテーブル46の並進速度を動作の「ピッチ」と呼ぶ。各々のビーム角度Βにおいて取得される投影データは、アレイ44の特定の各々の列及び行に位置する各々の検出器素子18′に対応する強度信号を含んでいる。収集されたデータは、ガントリ角度に相関付けされた行ビューを含む螺旋データとして記憶装置66に記憶される。 【0033】再び図3を参照すると、検出器44の8つの行R1〜R8は、8つのファン・ビーム系を画定している。X線ファン・ビーム40は実質的に、Z軸に沿って変位している8つのファン・ビームに分割される。 【0034】ここで、図1〜図4を参照して述べると、画像再構成器68は、加算器118、フィルタ及び逆投影器116、並びに検出器行R1〜R8の各行用の別個の処理サーキットリ・アセンブリを含んでおり、これら別個のアセンブリを参照符号100(R1)〜100(R8)でそれぞれ示している。アセンブリ100(R1)〜100(R8)の各々は本質的に同一であり、類似の態様で動作する。従って、本書での説明を簡単にするために、サーキットリ・アセンブリ100(R1)についてのみ本書で詳述する。ここでは、アセンブリ100(R1)は検出器アレイ44の行R1によって生成されるデータ行ビューを処理し、アセンブリ100(R2)はアレイ44の行R2によって生成されるデータ行ビューを処理し、以下同様であること、及びアセンブリ100(R1)〜100(R8)のアレイ出力信号が加算器118へ供給され、加算器118はこれらのアレイ信号を加算して、選択されたスライス画像平面内での加重付きデータ・ビューを形成し、このデータ・ビューをフィルタ補正逆投影して画像平面に対応する画像を形成し得ることを述べておけば十分であろう。 【0035】アセンブリ100(R1)について述べると、アセンブリ100(R1)は、プリプロセッサ102、第一及び第二の乗算器それぞれ112及び115、螺旋加重関数モジュール106、並びに共役加重関数モジュール110を含んでいる。アセンブリ100(R1)の各構成要素は、検出器行R1に対応する行ビューを受け取って、受け取ったビューを数回にわたって変化させて中間データ配列を形成し、最終の結果は行R1に対応する共役加重付き配列114となる。図4では、データ配列とアセンブリ100(R1)の構成要素とを区別するために、配列を角の丸い外周を有するブロックで示している一方、アセンブリ構成要素を角の尖ったブロックで示している。中間配列は、投影データ配列104及び螺旋加重付き配列108を含んでいる。 【0036】図2及び図4をさらに参照して述べると、検出器行R1に対応するDAS62からのデータの各々の行ビューをプリプロセッサ102へ供給すると、このビュー・データが前処理されて、ビーム・ハードニング、検出器のオフセット及びばらつき、並びにチャネル・ゲイン等の周知の様々な誤差について補正される。加えて、プリプロセッサ102は、ビューの負対数を生成して投影データを供給し、投影データは投影データ配列104として記憶される。 【0037】投影データ配列104は読み出されて、モジュール106によって生成された螺旋加重関数が乗算器112によって投影データ配列104に適用され、これにより、螺旋加重付き配列108を形成して再び記憶する。螺旋加重付き配列108は読み出されて、モジュール110によって形成された共役加重関数が乗算器115によって螺旋加重付き配列108に適用され、これにより、共役加重付きアレイ114を形成してさらに再び記憶する。 【0038】共役加重付き配列114は、アセンブリ100(R2)〜100(R8)からの同様の配列と共に加算器118へ供給される。各配列は加算器118によって加算されて、結合スライス平面データ配列を形成する。結合配列がフィルタ−逆投影器116へ供給されると、フィルタ−逆投影器116は結合配列ビューをフィルタ補正逆投影して、スライス画像120を形成する。得られるスライス画像配列120は後の利用のために装置66に記憶され、或いはコンソール65を介して操作者に対して表示されてもよい。 【0039】代替的には、フィルタ補正逆投影の前に共役加重付き配列を加算するのではなく、各々の共役加重付き配列を別個にフィルタ補正逆投影して、各々の行について別個の画像データ配列を形成してもよい。この後に、別個の画像データ配列をピクセル単位で加算して、結合した最終のスライス画像配列120を形成してもよい。 【0040】B.加重工程本発明は、一形態では、加重付き投影データ配列108及び共役加重付き投影配列114の形成に特に関わっている。この観点から、本発明の方法は一般的には、螺旋加重工程と共役加重工程とを含む二つの別個の下位工程を含んでいる。これら二つの工程を順に説明する。以下の議論については、参照符号dはガントリ回転軸48において測定される検出器行間隔(すなわちz軸間隔)を示し、sはガントリ回転当たりのテーブル供給速度を示し、ピッチpは p=d/s (式1) となるようなd及びsの比を示す。 【0041】1.螺旋加重工程ここで図5を参照すると、本発明による一般的な行特定的加重関数が二次元グラフに示されている。図5では、標識に示すように、ガントリ角度β1が画像を形成すべき選択されたスライス画像平面に対応している。線130、131及び132はそれぞれ加重値1、0及び0に対応しており、線131と線130との間の領域は0から1に傾斜しており、線132と線130との間の領域も同様に0から1に傾斜している。従って、図5を一瞥すると明らかなように、本発明の加重アルゴリズムによれば、加重値は、ガントリ角度β、及び特定の行ビュー内での(すなわち特定のガントリ角度βに対応するビュー内での)ファン角度βの両方の関数として変化する。従って、例えば、選択された画像平面内のガントリ角度β1に対応する行ビューについては、中心射線β1は加重値が1である一方、同じ行ビュー内の他の射線は1と0との間(すなわち図示のように線130と線131又は132のいずれかとの間)の加重を有する。ピッチp及び検出器幅は典型的には選択される。線130の傾きは明らかに加重関数に影響を与え、従って極めて重要であり、最適化を行なう工程で設定される。最適化を行なう工程では、最適な撮像特性が得られる(例えば雑音及びアーティファクトが最小限になる)まで正接加重パラメータtgを調節して傾きを変化させる。 【0042】図5に示す螺旋加重関数は一般的には、下記の式に従って表現することができる。 【0043】 【数7】
【0044】ここで、 Δβ=(2π/p)、及びpは螺旋ピッチであり、 (式3) βr1=tgγ+rΔβ、 (式4) βr2=βr1+Δβ、並びに (式5) βr3=βr1+2Δβ (式6) である。ここで、βは選択された撮像平面を中心としたガントリ角度であって特定の行に対応するデータ内の中心となるガントリ角度であり、rは検出器行であって、0〜N−1にわたり、Nは検出器44の行数である。 【0045】各々のガントリ角度及び各々のファン角度において上の式2〜式5によって決定される8行すべての検出器行についての螺旋加重の和を考察しておくことは、上の式2〜式5に対応する螺旋加重アルゴリズムの理解に有益である。このために、ここでビュー当たり約888個のファン角度γ、及び984個の別個のガントリ角度を想定して図6及び図7を参照して述べると、式2〜式5に従って決定される各々のガントリ角度β及び各々のファン角度γについての加算後の検出器加重の三次元グラフ及び二次元グラフがそれぞれ図示されている。例えば、領域140内ではガントリ角度及び位相角についての加算後の加重は1である。同様に、領域146及び領域148内ではガントリ角度及び位相角についての加算後の加重は0である一方、領域142及び領域144内ではガントリ角度及び位相角についての加算後の加重は領域146と領域140との間及び148と領域140との間でそれぞれ0から1に傾斜している。明らかに、図示の加算後の加重関数は一意である。 【0046】2.共役加重工程取得システムが高螺旋ピッチで動作している場合には、選択された画像スライス平面に対応するデータはROIの周りでの2πに満たないガントリ回転に対応しており、従って、螺旋加重付き配列のみを用いていたのでは直接的には正確な画像を再構成することができない。追加の加重を行なわなければならない。このために、下記の式によって表現することのできる共役加重関数を開発した。 【0047】 【数8】
【0048】ここで、w0及びwnは、それぞれ最初の検出器行及び最後の検出器行(例えば図3ではR1及びR8)についての螺旋加重関数であり、βn0及びβncは、それぞれ最初の行の始点及び最後の行の終点に対応する共役パラメータ(すなわちガントリ角度)である。 【0049】図8及び図9を参照して述べると、図6及び図7に類似した三次元グラフ及び二次元グラフがそれぞれ図示されており、共役加重と螺旋加重とを結合した後の最終的な加重を示している。図8及び図9では、加重が2の領域150、結合加重が1の領域154、結合加重が1の領域164、結合加重が0の領域156、結合加重が0の領域158、領域156と領域164との間で0から1に傾斜する領域162、領域158と領域154との間で0から1に傾斜する領域168、領域164と領域150との間で1から2に傾斜する領域152、領域154と領域150との間で1から2に傾斜する領域160を含む九つの別個に加重される領域が存在している。ここでもやはり、図8及び図9の加重関数が一意であることが理解されよう。 【0050】所望のスライス・プロファイルが、以上に述べたデータ及び再構成アルゴリズムによって扱われ得るプロファイルよりも厚い場合には、所望のスライス・プロファイル内の多数の薄いスライスを加算することにより相対的に厚いスライスを導出することができる。多数の薄いスライスがそれ自体には関心のないものである場合には、投影領域において対応する加算を早期に実行することにより、多数の薄いスライスを再構成する中間工程を迂回することができる。これにより、計算負荷及び画像記憶負荷を軽減させることができる。得られる加重関数は、対応してシフトした形態のデータ平面を加算することにより導出することができる。 【0051】本発明の以上の記載から、本発明の目的が達せられたことは明らかであろう。本発明を詳細に説明すると共に図示したが、これらは説明及び例示のみのためのものであって限定のためのものと解釈すべきでないことを明瞭に理解されたい。例えば、本書に記載したCTシステムは、X線源及び検出器の両方がガントリと共に回転する「第3世代」システムである。しかしながら、検出器がフル・リング型の静止式検出器であってX線源のみがガントリと共に回転するような「第4世代」システムを含めたその他多くのCTシステムを用いてよい。 【0052】本発明の範囲を公衆に通告するために、特許請求の範囲を掲げる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300019238 【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
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| 【出願日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093908 【弁理士】 【氏名又は名称】松本 研一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−164444(P2003−164444A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2002−324593(P2002−324593) |
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