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【発明の名称】 角膜形状測定装置
【発明者】 【氏名】鈴木 敏行
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区則武新町二丁目11番33号 株式会社トーメーコーポレーション内
【課題】角膜形状測定装置を用いて角膜の広い範囲の形状を測定する。

【解決手段】角膜形状測定装置に、複数の交互に点灯する発光光源を付加し、被検者の角膜データを中心固視の状態で取得後、複数光源を順次点灯させ、被検者の視線を光源方向に振る度毎に同じく角膜データを取得する。周辺データには、視線を変えたことにより、回旋方向に平行移動を受け、その分周辺データが含まれるようになる。この周辺データを、統計的に画像処理することで、角膜の広い範囲にいたる形状分布が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多重リングパターンを角膜に照射し、角膜からの反射パターンを解析することで角膜形状を測定する角膜形状測定装置において、交互に点灯する複数個の光源を内部に設けた角膜形状測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼科分野における人眼の角膜形状を他覚的に自動で測定する角膜形状測定装置(通称角膜トポグラファ)に関するものである。
【0002】
【従来技術】角膜に、複数のリングパターンを投影し、その反射像から角膜形状を計算し色分けされたマップで角膜形状を表現する装置(角膜トポグラファ)が提供されている。これは眼前に設置された発光リング生成器を用い、角膜からの反射光群を装置の小開口から取り出し平面受光素子に導いてそのパターン像の解析から角膜各位置での形状を算出するものであった。これはコンタクトレンズの処方、角膜形状病変の発見に役立ち、かつ現在では屈折矯正手術においても術前術後の変化を知るために不可欠な装置となっている。その角膜上の測定範囲も装置毎で多少違いはあるが、大体直径9mm位(基準の角膜曲率半径を8mmとした時)が測定できる上限であった。図2は代表的な角膜形状測定装置であり、1は被検者眼を、2はリング生成器であり(以後形状からコーンと呼称する。)、このコーンの内面はリング4が透過/不透過の交互に作られ、それぞれのリング群は角膜上に等間隔でパターン像を形成するように作られている。3はリングを照明する光源で、2のコーンの光源部に面する所は透過面になっている。5は結像レンズで、角膜からの反射パターンを平面受光素子6に結像させる。図3は角膜からの反射パターンが装置の平面受光素子6に結像した図を表わしている。このパターン像は処理系7で画像処理され、モニター8に表示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンタクトレンズの処方等で角膜のもっと広い範囲までの形状測定が求められるようになり、従来の機構ではそれに答えるのは困難な状況になってきた。本発明の目的は、従来の角膜形状測定装置でできなかった角膜の広い範囲の測定を可能にすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】角膜形状を測定するための発光リング生成器の中に、あるいは別設置であらかじめ設定された2つ以上の位置で交互に発光する光源が付加された角膜形状測定装置。発光光源はこの機能の測定が要求された場合に交互に点灯する。この時の点灯時間は被検者が十分その発光点を凝視できるほどの長さで、かつ、装置として被検者の視線が移動したその状態で角膜形状の測定ができるに十分な時間とする。
【0005】
【作用】従来の発光リングのみで角膜形状を測定後、本発明の視線誘導用の光源がひとつ点灯し、被検者がその光源に視線を合せたあとその状態で角膜形状を測定する。これを設置した光源の数だけ繰り返し、それぞれの位置での角膜データを取得し、位置毎の画像データとして保存しておく。こうして得られた中心位置での角膜形状データと、交互に視線を動かして取られた周辺位置での角膜形状データは整合性を取って重ねあわされる。これは、予め整合性をとるためのリング位置を指定しておき、その指定範囲内のデータ同志を比較することでその共通範囲外の部分にも適用するものである。画像合成は、中心測定時の経線毎のデータと周辺測定時の経線毎のデータを整合性をとって繋ぎ合わせることで実現できる。すなわち、それぞれのデータから経線毎の多項近似式を求め、周辺データの変化率を、中心データの変化率に組み入れ、中心データの拡大された部分を補完するのである。
【0006】
【実施例】以下、本発明を具体的に明らかにするために、本発明の実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4は角膜形状測定のための基本的光学原理を表わし、11は角膜の表面を、21はリングの発光点を含む平面を、そしてOは角膜の曲率中心を、Aはリングの発光点を、Bは角膜上でこのリングの発光点が反射する点を表わす。また、大きさに関しては、角膜の曲率半径をR、角膜表面から21面までの長さをL、Aの高さをH、角膜反射後の反射平行光の反射高さをh,角膜のAに対する球欠部の長さを△とし、このAから角膜に入射する光線の光軸に対してなす角を2θとする。この時角膜のRと測定値hには次の関係式がある。
R・sinθ=h.................(1)
tan(2θ)=(H−h)/(L+△)........(2)
【0007】図5は角膜の測定範囲を広げた場合(hを大きくする場合)の説明図で、hを大きくするにはAの位置を角膜表面の位置よりも内側にもってこなければならない。これは装置のリング発光部の位置を人眼よりも内側にもってくることで物理的に困難であり、これが従来の角膜形状測定装置の課題であった。
【0008】本発明では、図1のようにコーン2の内側に被検者の視線をαだけ変化させる視線誘導光源9を複数個設置し、順次点灯させ視線を変えながら角膜の広い範囲まで測定しようとするものである。なお、視線変化の回転中心は被検者の眼球中心Qとする。
【0009】次に図6により、視線をαだけ変えたことにより、測定できる角膜の範囲がどれだけ広がるかを計算する。これは測定範囲は図4のhから図6のkに拡大されることを意味する。31は従来の装置光軸、32は回旋による新たな角膜の中心光軸、33は回旋後の視軸を表わし、角膜の曲率中心はOからO‘に移り、発光点と反射点をそれぞれA、Bとする。なお、長さは図中で示した変数をとると、回旋により角膜頂点はyだけ回旋方向にの座標移動をうける。回旋半径をpとし、角膜中心部はほぼ球面と仮定するとyとpとkは簡単な幾何学で以下の関係式で表わされる。なお、h1は当該リングの半径であり、h2は画面中心からリング端までの長さで共に装置により測定可能である。
y=h1−h2 ......................(3)
p=R+y/sinα....................(4)
k=h1・cosα+ r −h1 ・sinα......(5)
【0010】つまり、αの回旋で、測定可能範囲がh1からkに拡大されるのである。このh1は図4のhと同値である。以下の表は角度αにより、どのくらい拡大されるかを上記式(3)、(4)、(5)を用いて計算したものである。(R=8mm時)
【0011】
α(回旋角) h(中心測定時の範囲) k(回旋測定時の範囲)
0° Φ9mm Φ 9.0mm 5° Φ9mm Φ10.1mm 10° Φ9mm Φ11.2mm 15° Φ9mm Φ12.1m 20° Φ9mm Φ13.0mm 注:上記表は、半径を2倍したリング径で求めてある。
【0012】
【発明の効果】従来の角膜形状測定装置に被検者眼の視線誘導機構を組込み、中心固視のデータと視線を誘導させる毎に得たデータを統計的に解析することで、従来測定できなかった角膜の広い範囲での形状測定が可能になる。例えば、15°の回旋角を用いれば、測定範囲は直径9mmから直径12.1mmにまで拡大できるのである。これは、コンタクトレンズのフィッテイング等の処方に大変有用であり、また、これを利用することで回旋中心の位置(p)も求めることができるため、コンタクトレンズの動きの解明にも役立つのである。
【出願人】 【識別番号】501299406
【氏名又は名称】株式会社トーメーコーポレーション
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区則武新町二丁目11番33号
【出願日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−102686(P2003−102686A)
【公開日】 平成15年4月8日(2003.4.8)
【出願番号】 特願2001−338606(P2001−338606)