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【発明の名称】 電気掃除機
【発明者】 【氏名】原田 健司
【住所又は居所】神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テック株式会社秦野工場内

【氏名】竹本 律雄
【住所又は居所】神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テック株式会社秦野工場内

【氏名】田中 正俊
【住所又は居所】神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テック株式会社秦野工場内

【氏名】江部 清
【住所又は居所】神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テック株式会社秦野工場内

【氏名】松野 真愛
【住所又は居所】神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テック株式会社秦野工場内

【要約】 【課題】フィルタを本体ケースとは別途形成したものに比べて、部品点数を削減できると共に、フィルタを本体ケースに貼り付ける作業を省略できる電気掃除機を提供すること。

【解決手段】本体ケース(6,50)の排気風路(排気室10a,10c,送風機室56)を形成する壁部(上壁9b、側壁9c,9d、後壁50a、隔壁55)の少なくとも一部を本体ケース(6,50)と一体に形成された通気性のある多孔質壁部(16,17,42,50a,55a)としている。この構成によれば、本体ケースとは別体のフィルタを設けていないので、部品点数を削減できると共に、フィルタを本体ケースに貼り付ける作業を省略できる。多孔質壁部を介して排気できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】集塵室に吸込負圧を作用させる電動送風機が掃除機本体の本体ケース内に配設され、前記電動送風機から排出されるエアを排気する排気風路が前記本体ケース内に設けられ、前記本体ケースの前記排気風路を形成する壁部の少なくとも一部を前記本体ケースと一体に形成された通気性のある多孔質壁部としたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】集塵室に吸込負圧を作用させる電動送風機が前記本体ケース内に配設されている電気掃除機において、前記集塵室と電動送風機の吸込室とを区画する壁部の少なくとも一部を多孔質壁部から一体に形成したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】請求項1又は2に記載の電気掃除機において、前記多孔質壁部には帯電材が混入されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】請求項1に記載の電気掃除機において、前記多孔質壁部は本体ケースの外壁の少なくとも一部であると共に、前記多孔質壁部は内側多孔質層と外側多孔質層から一体に形成されており、且つ、前記内側多孔質層は軟質に形成され、前記外側多孔質層は硬質に形成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】請求項1に記載の電気掃除機において、前記多孔質壁部は前記本体ケースの外壁の少なくとも一部であると共に、前記多孔質壁部は内側多孔質層と外側多孔質層から一体に形成されており、且つ、前記内側多孔質層は硬質に形成され、外側多孔質層は軟質に形成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】請求項1に記載の電気掃除機において、前記本体ケース内に設けられて前記電動送風機のモータ部の周囲に排気室を形成する壁部の少なくとも一部が多孔質壁部から形成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項7】請求項6に記載の電気掃除機において、前記多孔質壁部は排気室に臨む内側多孔質壁部と外側多孔質壁部とから一体に形成されていると共に、前記内側多孔質層は軟質に形成され、外側多孔質層は硬質に形成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項8】請求項1に記載の電気掃除機において、前記掃除機本体内に前記排気風路とは区画されたコードリール室が設けられ、前記コードリール室内にコードリールが配設され、前記コードリールに捲回された電源コードが前記コードリール室に開口する引出口から外部に引き出し可能に設けられていると共に、前記コードリール室の前記排気風路に臨む壁部の少なくとも一部が多孔質壁部から形成されていることを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通気性のある壁部を有する電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気掃除機では、電動送風機の排気側に連通する風路に開口する排気口を本体ケースに設け、この排気口を覆うようにウレタン製のフィルタを本体ケースの内面に貼り付けるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、フィルタを本体ケースに貼り付ける作業があるため、手間がかかるという問題があった。
【0004】そこで、本発明は、部品点数を削減できると共に、フィルタを本体ケースに貼り付ける作業を省略できる電気掃除機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、この発明の電気掃除機は、集塵室に吸込負圧を作用させる電動送風機が掃除機本体の本体ケース内に配設され、前記電動送風機から排出されるエアを排気する排気風路が前記本体ケース内に設けられ、前記本体ケースの前記排気風路を形成する壁部の少なくとも一部を前記本体ケースと一体に形成された通気性のある多孔質壁部としたことを特徴とする。
【0006】この構成によれば、部品点数を削減できると共に、フィルタを本体ケースに貼り付ける作業を省略できる。また多孔質壁部を介して排気もできる。
【0007】
【発明の実施の形態1】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】図1において、1は電気掃除機の掃除機本体、2は蛇腹状で可撓性のある集塵ホース、3は集塵ホース2の自由端部に設けられた手元操作パイプ、4は手元操作パイプ3に接続された延長パイプ(延長管)、5は延長パイプ4に接続された吸込口体である。尚、図1中、S1,S2,S3は手元操作パイプ3に設けられたスイッチである。また、吸込口体5には下方に開口する吸込口(図示せず)が設けられている。
【0009】掃除機本体1は、図2に示したように、本体ケース6と、本体ケース6の上部を覆うカバー7を有する。この本体ケース6は、前側に容器取付凹部8aが設けられた下ケース8、この下ケース8の後部上に取り付けられた上ケース9を有する。
【0010】この下ケース8と上ケース9との間には送風機室10が形成され、送風機室9内には電動送風機11が上方に向けて配設されている。この電動送風機11は、遠心ファン部12と、遠心ファン部12内の図示しないインペラーを回転駆動するモータ部13を有する。13aはモータ部12の排気口である。この遠心ファン部12がゴム等の弾性部材14を介して上ケース9の円筒部9a内に支持され、モータ部13はゴム等の弾性部材15を介して下ケース8の円筒部8aに支持されている。そして、このモータ部13の周囲には排気室10aが排気風路として形成されている。また、遠心ファン部12の吸込口12aと上ケース9の上壁9bとの間には吸込室10bが形成されている。
【0011】しかも、上ケース9の上壁9bの略中央には上方に膨出する多孔質壁部16が形成され、上ケース9の左右の側壁9c,9dには図3に示したように多孔質壁部17,17が形成されている(図4,図6,図7参照)。
【0012】この様な多孔質壁部16,17は、例えば次のようにして形成されている。先ず、熱可塑性樹脂からなる細かい粒子状の樹脂粉体と細かい粒子状の溶解性粉体(多孔質壁部16の場合には後述するフィルタ26を作る場合の溶解性粉体の粒径より小さい粒径の粉体、多孔質壁部17の場合は10μ以下の粒径の粉体)との混合粉体を成型型内に充填すると共に、この混合粉体の樹脂粉体を加熱溶融して、この樹脂粉体の粒子同士を溶融結合させ後、この樹脂粉体を冷却して硬化させて成形体を形成する。この成型体を、上ケース9の成形金型(図示せず)の所定位置(上壁9bを形成する部分と側壁9c,9dを形成する部分)にセットして、上ケース9を射出成形により形成する。この際、成型体は上ケース9の所定位置に一体に結合される。この後、上ケース9を溶解液に浸して、上ケース9と一体の成型体内の溶解性粉体を溶解液で溶出させることにより、微細で互いに連通する小孔が多数形成された多孔質壁部16,17が上ケース9に形成され、多孔質壁部16,17が通気性を有するようになる。
【0013】ここで、多孔質壁部16,17と上ケース9の多孔質壁部16,17以外の部分を同じ樹脂材料(例えばABSやポリプロピレン)から形成することで、多孔質壁部16,17と上ケース9の多孔質壁部16,17以外の部分を確実に一体に接合できる。しかも、多孔質壁部16,17と上ケース9の多孔質壁部16,17以外の部分との間に継ぎ目等が生じないので、外観上の見栄えが損なわれない。また、多孔質壁部16,17は、硬質に形成できる。しかも、多孔質壁部16,17と上ケース9の多孔質壁部16,17以外の部分を同じ樹脂材料(例えばABSやポリプロピレン)から形成することで、リサイクルがし易くなる。
【0014】尚、樹脂粉体としては例えばABSを用い、溶解性粉体としては例えば塩等を用いた場合、溶解液は水になる。しかし、溶解性粉体及び溶解液としては、溶解性粉体を樹脂粉体による成型体から溶解液により溶出させる際、成型体に影響が生じないものであれば、他の材料を用いてもよい。
【0015】また、下ーケース8の後部には下方に開口するバッテリ収納室18が形成され、このバッテリ収納室18の下方への開口には底蓋19が図示しないビス等により着脱可能に取り付けられている。このバッテリ収納室18と排気室10aは隔壁18aにより区画されている。そして、バッテリ収納室18内には、充電式のバッテリ20が取り付けられている。尚、隔壁18aの少なくとも一部及び底板19に多孔質壁部17と同様な多孔質壁部を形成して、本体ケース6の排気風路の一部を形成して、バッテリ20による電動送風機11の駆動制御時に、発熱するバッテリ20の冷却を行うようにしても良い。
【0016】このバッテリ20は、図示を省略した制御回路を介して電動送風機11に駆動電力を供給するようになっている。この構成には周知の構成を採用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0017】更に、容器取付凹部8aには、サイクロン式の集塵容器(ダストカップ)21の下端部が着脱可能に収納されている。
【0018】この集塵容器21は、筒状の集塵容器本体22と、集塵容器本体22の上端部に装着されたフィルタ23を有する。このフィルタ23は、集塵容器本体22の上端部内に嵌合されたフィルタ枠24と、フィルタ枠24の下部に下方に向けて保持された目の粗い籠状の第1のフィルタ25と、フィルタ枠24に保持された目の細かい第2のフィルタ26を有する。この第2のフィルタ26は、樹脂製で多孔質の部材から形成されている。22aは集塵容器本体22内の集塵室である。
【0019】尚、フィルタ枠24は、図8に示したように下フィルタ枠24aと下フィルタ枠24aに嵌着される上フィルタ枠24bを有し、このフィルタ枠24a,24b間に第2のフィルタ26が保持される。また、この下フィルタ枠24aの周面にはシリコンゴム製の筒状シール部材24cが図6の如く嵌着される。
【0020】尚、この第2のフィルタ26は、熱可塑性樹脂からなる細かいの粒子状の樹脂粉体と細かい粒子状の溶解性粉体(例えば、略20μ〜30μの粒径の粉体)との混合粉体を成型型内に充填すると共に、この混合粉体の樹脂粉体を加熱溶融して、この樹脂粉体の粒子同士を溶融結合させ後、この樹脂粉体を冷却して硬化させて成形体を形成し、この成型体を溶解製粉体の溶解液中に浸漬して、成型体内の溶解製粉体を溶解させることにより、形成されている。この樹脂粉体としては例えばABSやポリプロピレン等を用い、溶解性粉体としては例えば塩等が用いられるが、これらに限定されものではなく、樹脂粉体や溶解製粉体は他の材料であっても良い。
【0021】従って、フィルタ枠24やフィルタ25,26を同じ材質の樹脂、例えばポリプロピレン等から形成することにより、リサイクルが容易となる。また、フィルタ枠24やフィルタ26を同じ材質の樹脂から形成することで、フィルタ枠24やフィルタ26を一体に形成することもできる。この場合には、部品点数を削減できる。
【0022】また、フィルタ枠24には上面及び集塵容器本体22内に周方向に向けて開口する吸込口27が形成され、カバー7には吸込口27の上端に連通するホース接続口28が形成されている。更に、カバー7には、前側開口29aがフィルタ23を介して集塵容器本体22に連通し、且つ、後側開口29bが多孔質壁部16を介して吸込室10bに連通する吸込風路29が形成されている。30は、吸込風路29の後部開口29bの周囲に沿ってカバー7に取り付けられたシール部材である。
【0023】尚、集塵ホース2の一端部に設けられた接続パイプ2aは、ホース接続口28に着脱可能に接続されている。図2中、31は下ケース8の前側下面に取り付けられた前輪としてのキャスター、32は下ケース8の後部の両側に取り付けられた後輪である。
【0024】次に、この様な構成の電気掃除機の作用を説明する。
【0025】手元操作パイプ3のスイッチS1,S2,S3等を操作することで、バッテリ20から電動送風機11のモータ部13に駆動電力が供給され、電動送風機11が作動される。この作動により、電動送風機11の吸込口12aに吸込負圧が発生する。この吸込負圧は、吸込室10b,多孔質壁部16,吸込風路29,多孔質フィルタ26及びフィルタ25を介して、集塵容器21の集塵室22aに作用した後、集塵ホース2,手元操作パイプ3及び延長パイプ4を介して吸込口体5に作用する。
【0026】これにより、清掃面の塵埃がエアと共に吸込口体5内に吸い込まれ、この吸い込まれた塵埃を含むエアは延長パイプ4,手元操作パイプ3及び集塵ホース2を介して吸込口27から集塵容器21の集塵室22a内に流入する。この集塵室22aに流入した塵埃を含むエアは、集塵容器本体22の内周面に沿って流れて集塵室22a内で旋回流となった後、フィルタ25,26を介して吸込風路29内に流入する。
【0027】この際、エアに含まれる塵埃は、一部が自重により落下して堆積し、残りがフィルタ25,26に捕集される。この様にして塵埃が捕集されて清浄化されたエアは、多孔質壁部16を透過して吸込室10bに流入した後、電動送風機11のエア吸込口12aから遠心ファン部12内に吸い込まれる。この遠心ファン部12内に吸い込まれたエアは、モータ部13内を流れて内部を冷却した後、排気室10a内に排気される。そして、この排気されたエアは、上ケース9の側壁9b,9cに設けた多孔質壁部17の全体を透過して、大気に排気される。
【0028】この際、エアは、多孔質壁部17全体から染み出る様に大気に排気されるので、強い排気風が特定の方向に向いて吹き出される様な電気掃除機と比べると、清掃作業者に不快感を与えるのを防止できる。しかも、この様な多孔質壁部17を設けることで、全体として排気面積を広げることができる。
【0029】また、多孔質壁部17は、電動送風機11のカーボンブラシが整流子によって削り取られる微細なカーボン粒子が電動送風機のモータ部からの排気と共に排出されても、この排気に含まれるカーボン粒子を捕集して、カーボン粒子が大気に排気されるのを未然に防止する。
(変形例1)以上説明した実施例では、多孔質壁部17を単層に形成した例を示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0030】例えば、図9に示したように多孔質壁部17を形成するために、軟質の内側多孔質壁形成用成形体17aと硬質の外側多孔質壁形成用成形体17bを用意する。この内側多孔質壁形成用成形体17aには多数の位置決穴40が形成され、外側多孔質壁形成用成形体17bには位置決穴40に挿入する位置決突部41が形成されている。
【0031】この様な多孔質壁形成用成形体17a,17bは、熱可塑性樹脂からなる細かい粒子状の樹脂粉体と細かい粒子状の溶解性粉体(10μ以下の粒径の粉体)との混合粉体を成型型内に充填すると共に、この混合粉体の樹脂粉体を加熱溶融して、この樹脂粉体の粒子同士を溶融結合させ後、この樹脂粉体を冷却して硬化させることにより形成される。この際、樹脂粉体の高分子密度を変えることで内側多孔質壁形成用成形体17aを軟質に形成し,外側多孔質壁形成用成形体17bを硬質にすることができる。
【0032】この様にして形成された内側多孔質壁形成用成形体17aの位置決穴40に外側多孔質壁形成用成形体17bの位置決突部41を挿入することにより、多孔質壁形成用成形体17a,17b同士を重ね合わせて、多孔質壁形成用成形体17a,17bの合わせ部同士を成形型内で熱融着させることで、多孔質壁形成用成形体17a,17bを一体に接合した成型体が形成される。
【0033】この様にして形成した多孔質壁形成用成形体17a,17bからなる成型体を、上ケース9の成形金型(図示せず)の所定位置(側壁9c,9dを形成する部分)にセットして、上ケース9を射出成形により形成する。この際、成型体は、上ケース9の所定位置に一体に結合される。
【0034】この後、上ケース9を溶解液に浸して、上ケースに一体に形成された成型体内の溶解性粉体を溶解液で溶出させることにより、成型体が図10に示したように軟質の内側多孔質層(内側多孔質壁部)17a1及び硬質の外側多孔質層(外側多孔質壁部)17b1からなる多孔質壁部17となり、内側多孔質層17a1及び外側多孔質層17b1内に微細で互いに連通する小孔が多数形成され、内側多孔質層17a1及び外側多孔質層17b1が通気性を有するようになる。
【0035】この構成によれば、電動送風機11の排気口13aから排出されたエアは、内側多孔質層(内側多孔質壁部)17a1及び外側多孔質層(外側多孔質壁部)17b1を透過して大気に排気される。この際、多孔質壁部17は、電動送風機11のカーボンブラシが整流子によって削り取られる微細なカーボン粒子が電動送風機のモータ部からの排気と共に排出されても、この排気に含まれるカーボン粒子を捕集して、カーボン粒子が大気に排気されるのを未然に防止する。
【0036】また、電動送風機11から発生して排気室10aに伝播される騒音を軟質の内側多孔質層(内側フィルタ壁部)17a1により吸収して、騒音が外部に洩れる量を効果的に低減できる。しかも、外側多孔質層(外側多孔質壁部)17b1は硬質であるので、多孔質壁部17全体としては成型された形状を保持している。
【0037】尚、内側多孔質層17a1には、外側多孔質層17b1より粒径が大きい溶解性粉体を用いて形成することができる。この場合には、騒音の最も大きい周波数を吸収可能な内側多孔質層を形成することもできる。
(変形例2)また、図10では、内側多孔質層(内側多孔質壁部)17a1を軟質に形成し、外側多孔質層(外側多孔質壁部)17b1を硬質に形成した例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0038】例えば、多孔質壁部17を、図10に示したように硬質の内側多孔質層(内側多孔質壁部)17a2と、軟質の外側多孔質層(外側多孔質壁部)17b2から構成してもよい。この場合には、多孔質壁部17を形成する溶解性粉体の粒径を10μ以下にする。
【0039】この構成によれば、電動送風機11の排気口13aから排出されたエアは、内側多孔質層(内側多孔質壁部)17a1及び外側多孔質層(外側多孔質壁部)17b1を透過して大気に排気される。この際、多孔質壁部17は、電動送風機11のカーボンブラシが整流子によって削り取られる微細なカーボン粒子が電動送風機のモータ部からの排気と共に排出されても、この排気に含まれるカーボン粒子を捕集して、カーボン粒子が大気に排気されるのを未然に防止する。
【0040】しかも、多孔質壁部17の外側多孔質層(外側多孔質壁部)17b2は軟質であるので、外側多孔質層17b2が家具や壁等の障害物に当たっても、外側多孔質層17b2が衝撃を吸収して外側多孔質層17b2と家具や壁等の障害物との傷突きを未然に防止するバンパー機能を有することになる。
【0041】
【発明の実施の形態2】図12(a)は、上述した構成に加えて、電動送風機のモータ部13の周囲を筒状の多孔質壁部(多孔質筒状壁部)42で覆うようにした例を示したものである。この多孔質壁部42は、図12(b)に示したように、軟質の内側多孔質層(内側多孔質壁部)42aと硬質の外側多孔質層(外側多孔質壁部)42bから構成されている。
【0042】この多孔質壁部42も、図10に示した多孔質壁部17と同様にして形成されていると共に、下ケース8の射出成形に際して下ケース8に一体に形成されている。これにより、多孔質壁部42の外周には排気室10aが形成され、モータ部13と多孔質壁部42との間には排気室10cが形成される。この場合、多孔質壁部42を形成する溶解性粉体の粒径としては例えば10〜20μのものが用いられる。尚、内側多孔質層42aは、外側多孔質層42より粒径が大きい溶解性粉体を用いて形成することができる。この場合には、騒音の最も大きい周波数を吸収可能な内側多孔質層を形成することもできる。
【0043】この構成によれば、電動送風機11の排気口13aから排気室10c内に排出されたエアは、内側多孔質層(内側多孔質壁部)42a及び外側多孔質層(外側多孔質壁部)42bを透過して排気室10aに流入する。この際、筒状の多孔質壁部42は、電動送風機11のカーボンブラシが整流子によって削り取られる微細なカーボン粒子が電動送風機のモータ部からの排気と共に排出されても、この排気に含まれるカーボン粒子を捕集して、カーボン粒子が排気室10aに排気されるのを防止する。
【0044】また、電動送風機11から発生する騒音を内側多孔質層(内側フィルタ壁部)42aにより吸収して、騒音が排気室10aに洩れる量を効果的に低減できる。しかも、この構成に図10に示した構成を組み合わせることにより、排気室10aに洩れた騒音を多孔質壁部17の内側多孔質層(内側フィルタ壁部)17a1により吸収して、騒音が外部に洩れる量を更に効果的に低減できる。この様に電動送風機11で発生する騒音を内側多孔質層42a,17a1で二重に吸収させることにより、騒音が外部に洩れる量を変形例1よりも更に効果的に低減できる。
【0045】
【発明の実施の形態3】図13〜図15は、この発明の実施の形態3を示したものである。この図13〜図15に示した掃除機本体1の本体ケース50の前部側は、前後に間隔をおいて配設された左右に延びる隔壁51,52よって、前側の集塵室53と、中間の吸込室54とに区画されている。尚、本体ケース50以外の構成は、図1に示した構成と同じであるので、図1と同一部分又は類似するには図1に付した符号と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0046】また、本体ケース50の後部側は、前後に延びて隔壁52及び本体ケース50の後壁50aとに連設された隔壁55により後側の送風機室(排気室)56及びコードリール室(排気風路)57に区画されている。この送風機室56及びコードリール室57は左右に並設されている。
【0047】そして、送風機室56内には電動送風機58が配設されている。この電動送風機58は、遠心ファン部59と、遠心ファン部59を作動させるモータ部60を有する。この遠心ファン部59の吸込口59aは吸込室53に開口している。また、モータ部60の排気口60aは排気室(排気風路)としての送風機室56に開口している。
【0048】更に、コードリール室57内には、電源コード61を捲回したコードリール62が回転自在に保持されている。このコードリール62は、電源コード61を巻き取る方向に回動付勢されている。また、電源コード61は本体ケース50に設けたコード引出口63から引出可能に設けられている。
【0049】そして、隔壁51には多孔質壁部51aが一体に形成され、隔壁55には多孔質壁部55aが一体に形成され、後壁50aには多孔質壁部50bが一体に形成されている。
【0050】この多孔質壁部50b,51a,55aは、上述したのと同様に、例えば次のようにして形成されている。先ず、熱可塑性樹脂からなる細かい粒子状の樹脂粉体と細かい粒子状の溶解性粉体(多孔質壁部51aの場合には20〜30μの粒径の粉体、多孔質壁部50b,55aの場合10μ以下の粒径の粉体)との混合粉体を成型型内に充填すると共に、この混合粉体の樹脂粉体を加熱溶融して、この樹脂粉体の粒子同士を溶融結合させ後、この樹脂粉体を冷却して硬化させて成形体を形成する。この成型体を、ケース本体50の成形金型(図示せず)の所定位置(隔壁51,55を形成する部分と後壁50aを形成する部分)にセットして、本体ケース50を射出成形により形成する。この際、成型体は本体ケース50の所定位置に一体に結合される。この後、本体ケース50を溶解液に浸して、本体ケース50と一体の成型体内の溶解性粉体を溶解液で溶出させることにより、微細で互いに連通する小孔が多数形成された多孔質壁部50b,51a,55aが本体ケース50に一体に形成され、多孔質壁部50b,51a,55aが通気性を有するようになる。
【0051】次に、この様な構成の電動送風機の作用を説明する。
【0052】この様な構成においては、電動送風機58が作動させられると、電動送風機58は集塵室53内に吸込負圧が作用する。この吸込負圧は、集塵ホース2,手元操作パイプ3,延長管4を介して吸込口体5に作用する。これにより、清掃面の塵埃はエアと共に吸込口体5内に吸い込まれることになる。この吸込口体5に吸い込まれた塵埃を含むエアは、延長パイプ4,手元操作パイプ2,集塵ホース2を介して集塵室内53内の紙パックフィルタ53a内に流入する。そして、エアのみが紙パックフィルタ53aを透過し、塵埃は紙パックフィルタ53aに捕集される。また、紙パックフィルタ53aを透過したエアは、多孔質壁部51aを透過して吸込室54から遠心ファン部59内に吸込口59aから吸い込まれた後、モータ部60内を冷却して、排気口60aから送風機室56内に排気される。
【0053】この排気されたエアは、一部が多孔質壁部50bを透過して本体ケース50の後部から大気に排気され、残りは多孔質壁部55aを透過してコードリール室57内に流入する。このコードリール室57内に流入したエアは、電源コード61を冷却した後、コード引出口63から大気に排気される。
【0054】一方、電動送風機58のモータ部60は、作動時にカーボンブラシが整流子によって削り取られて、微細なカーボン粒子を電動送風機のモータ部からの排気と共に排出する。しかし、多孔質壁部50b,55aは、この排気に含まれるカーボン粒子を捕集して、カーボン粒子が排気室10aに排気されるのを防止する。
【0055】また、エアが多孔質壁部55aを透過してコードリール室57内に流入しても、このエアに含まれるカーボン粒子がコードリール室57内に流入することはないので、コードリール62の図示しない電極にカーボン粒子が付着して電極が短絡するようなことは防止できる。
【0056】尚、本実施例では、送風機室46とコードリール室47を横に並設した構成において、コードリール室47に冷却風を透過させる多孔質壁部55aを設けた例を示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。例えば、送風機室46の後方に送風機室46と隔壁で区画されたコードリール室を設けて、この隔壁に多孔質壁部55aと同じ多孔質壁部を設けた構成としてもよい。
【0057】また、以上説明した実施例では、10μ以下から30μ程度の粒径の溶解性粉体を用いて多孔質壁部を形成した例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、10μ〜200μの範囲の溶解性粉体を用いて多孔質壁部や集塵容器のフィルタを形成することができる。
【0058】以上説明したように、本実施の形態によれば、集塵室(22a,53)に吸込負圧を作用させる電動送風機(11,58)が掃除機本体1の本体ケース(6,50)内に配設され、電動送風機(11,58)から排出されるエアを排気する排気風路(排気室10a,10b,送風機室56)が前記本体ケース内に設けられている。そして、本体ケース(6,50)の排気風路(排気室10a,10c,送風機室56)を形成する壁部(上壁9b、側壁9c,9d、後壁50a、隔壁55)の少なくとも一部を本体ケース(6,50)と一体に形成された通気性のある多孔質壁部(16,17,42,50a,55a)としている。この構成によれば、本体ケースとは別体のフィルタを設けていないので、部品点数を削減できると共に、フィルタを本体ケースに貼り付ける作業を省略できる。多孔質壁部を介して排気できる。
【0059】また、従来は本体ケースがABS樹脂等から形成され、排気フィルタはウレタンから形成されているため、電気掃除機の各部品のリサイクルのためにはフィルタを本体ケースから取り外して、フィルタを本体ケースから分別する必要があるため、手間がかかる。
【0060】しかし、本実施の形態のよれば、多孔質壁部を本体ケースと同じ材料から一体に形成した場合、分別が不要となるので、リサイクルし易い。
【0061】また、本実施の形態によれば、集塵室(22a,53)と電動送風機(11,58)の吸込室(10b,54)とを区画する壁部(上壁9b,隔壁51)の少なくとも一部を多孔質壁部(16,51a)から一体に形成している。
【0062】この構成によれば、フィルタ本体やこれを保持するフィルタ枠を本体ケースとは別途設ける必要がない分だけ、部品点数を削減できる。多孔質壁部を介して排気できる。
【0063】また、集塵室形成体が本体ケースの場合、従来であるとフィルタがフィルタ本体とこれを保持する保持枠等を備えているので、部品点数が多くなる。しかも、フィルタを本体ケースに組み付ける作業が必要である。しかし、この発明の実施の形態によれば、部品点数を削減できると共に、フィルタを本体ケースに組み付ける作業を省略できる。フィルタの取付枠等が不要となる。その上、本体ケースと多孔質隔壁が同じ材料から形成されるので、リサイクルしやすい。
【0064】また、壁部がダストカップ(集塵容器21)の場合、従来であると、ダストカップの上端部に設けられるフィルタがフィルタ枠と該フィルタ枠に保持されるフィルタは材質が異なるので、リサイクルしにくい。しかし、この発明の実施の形態によれば、フィルタ25,26とフィルタ枠24は同じ材質から形成するこtができる。この様に、フィルタ25,26とフィルタ枠24を同じ材質から形成することにより、リサイクルがし易くなる。
【0065】更に、本実施の形態によれば、多孔質壁部(16,17)には帯電材が混入されている。この構成によれば、多孔質壁部(16)が電動送風機(11)の吸込側にある場合、吸込側の微細な塵埃を捕集できる。また、多孔質壁部(17)が電動送風機の排気側にある場合、例えば、電動送風機のカーボンブラシが整流子によって削り取られる微細なカーボン粒子が電動送風機のモータ部からの排気と共に排出されても、この排気に含まれるカーボン粒子を捕集して、カーボン粒子が大気に排気されるのを未然に防止できる。
【0066】また、本実施の形態によれば、多孔質壁部(17)は本体ケース6の外壁(側壁9c,9d)の少なくとも一部であると共に、多孔質壁部(17)は内側多孔質層(17a1)と外側多孔質層(17b1)から一体に形成されており、且つ、内側多孔質層(17a1)は軟質に形成され、外側多孔質層(17b1)は硬質に形成されている。この構成によれば、電動送風機(11)等から排気風路(排気室10a)に伝播される騒音(例えば、ファンによる吸込音や振動音、モータ部13の回転駆動音等)を吸収して、騒音を低減できる。
【0067】更に、多孔質壁部(17)は本体ケース6の外壁(側壁9c,9d)の少なくとも一部であると共に、多孔質壁部(17)は内側多孔質層(17a2)と外側多孔質層(17b2)から一体に形成されており、且つ、内側多孔質層(17a2)は硬質に形成されと外側多孔質層(17b2)は軟質に形成されている。
【0068】この構成によれば、多孔質壁部(17b2)が、排気フィルタの役目を果たすと共に、バンパー機能を有する。また、本実施の形態によれば、本体ケース6内に設けられて電動送風機11のモータ部13の周囲に排気室10cを形成する壁部の少なくとも一部が多孔質壁部42から形成されてい。この構成によれば、排気室10cを密閉して、電動送風機11から排気室10cに伝播される騒音が外部に洩れる量を低減できる。
【0069】また、多孔質壁部42は、排気室10cに臨む内側多孔質壁部42aと外側多孔質壁部42bとから一体に形成されていると共に、内側多孔質層42aは軟質に形成され、外側多孔質層42bは硬質に形成されている。
【0070】この構成によれば、電動送風機11から排気室10cに伝播される騒音を内側フィルタ壁部42aにより吸収して、騒音が外部に洩れる量を効果的に低減できる。
【0071】更に、本実施の形態によれば、掃除機本体1内に排気風路(送風機室56)とは区画されたコードリール室57が設けられ、このコードリール室57内にコードリール62が配設され、コードリール62に捲回された電源コード61がコードリール室67に開口する引出口63から外部に引き出し可能に設けられている。しかも、コードリール室57の排気風路(送風機室56)に臨む壁部(隔壁55)の少なくとも一部が多孔質壁部55aから形成されている。この構成によれば、電源コードの冷却を行うことができると共に、電動送風機11からのカーボン粒子が多孔質壁部55aにより捕捉されてコードリール室57内に流入しないので、コードリール62の電極がカーボン粒子によりショートするのを未然に防止できる。
【0072】尚、図10、図11に示した実施例では、多孔質壁部17を内側多孔質層(17a1,17a2)と外側多孔質層(17b1,17b2)から構成しているが、単なる吸音や、バンパー機能を持たせるだけであれば、図10、図11に示した構成に限定されるものではない。例えば、内側多孔質層(17a1,17a2)と外側多孔質層(17b1,17b2)の一方のみを多孔質にして、他方は多孔質にしないようにしても良い。
【0073】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成したので、フィルタを本体ケースとは別途形成したものに比べて、部品点数を削減できると共に、フィルタを本体ケースに貼り付ける作業を省略できる。
【出願人】 【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町1丁目1番地
【出願日】 平成14年2月28日(2002.2.28)
【代理人】 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄 (外1名)
【公開番号】 特開2003−250724(P2003−250724A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−52545(P2002−52545)