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【発明の名称】 清掃用シート
【発明者】 【氏名】佐藤 信也
【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内

【氏名】湯地 朱実
【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内

【氏名】坂橋 春夫
【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】清掃に際して水を必要とせず、また清掃対象面に傷を付けること無く清掃対象面に付着した汚れを除去し得る清掃用シートを提供すること。

【解決手段】本発明の清掃用シートは、液体の保持が可能な基材シートに水性洗浄剤が含浸されてなる湿式のシートである。基材シートの少なくとも一面は液透過性の繊維集合体からなり、該繊維集合体を構成する繊維にモース硬度が5以下の研磨粒子が保持固定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体の保持が可能な基材シートに水性洗浄剤が含浸されてなり、該基材シートの少なくとも一面が液透過性の繊維集合体からなり、該繊維集合体を構成する繊維にモース硬度が5以下の研磨粒子が保持固定されている清掃用シート。
【請求項2】 前記水性洗浄液が界面活性剤及び酸性剤を含有している請求項1記載の清掃用シート。
【請求項3】 前記水性洗浄液が界面活性剤及び金属キレート剤を含有している請求項1記載の清掃用シート。
【請求項4】 前記基材シートが、単層構造の繊維シートからなるか、又は少なくとも一面が前記繊維集合体からなる多層構造のシートからなる請求項1〜3の何れかに記載の清掃用シート。
【請求項5】 前記研磨粒子がバインダーによって前記繊維に保持固定されているか、又は前記研磨粒子が前記繊維中に練り込まれている請求項1〜4の何れかに記載の清掃用シート。
【請求項6】 前記バインダーが耐水性のものであり、前記研磨粒子は、その粒径分布において、325メッシュより大きな粒径のものを全体の50重量%以上含み且つ28メッシュより大きな粒径のものを実質的に含まないものである請求項5記載の清掃用シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿式の清掃用シートに関し、更に詳しくはキッチン周り、浴室、洗面台、トイレなどの水周りの汚れの清掃に好適に用いられる清掃用シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】本出願人は先に特開平10−165344号公報において、硬質表面用の洗浄剤含浸物品を提案した。この洗浄剤含浸物品は、炭酸カルシウムなどの固体研磨粒子を含む水性洗浄剤を、基体に保持固定させることなく含浸させてなるものである。この洗浄剤含浸物品は、洗浄剤を清掃対象面に放出させ、放出された洗浄剤中の固体研磨粒子が清掃対象面から汚れ成分を遊離させるものであり、その後に拭き取り用シートによって該汚れ成分及び該洗浄剤を該清掃対象面から拭き取ると共に、該清掃対象面上に防汚性の保護膜を形成する。この洗浄剤含浸物品によれば、汚れが軽く拭き取れ、拭き取り後に拭きむらが残らず、拭き取り後の防汚性が高くなる。しかし、拭き取り用シートを用いた二度拭きの必要がある。
【0003】特開平6−125862号公報には、基板となる紙に、酸化アルミニウム、酸化クロム、シリコンカーバイド、酸化鉄、二酸化珪素、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ガラスなどの研磨材粒子をバインダーで接着させてなる払拭紙が記載されている。この払拭紙によれば、清掃後に研磨材粒子が清掃対象面に残ることは防止されるが、研磨材粒子の硬度が比較的高いことから、清掃対象面に傷が付きやすい。また、この払拭紙は乾式のものであることから、頑固にこびりついた油汚れなどに対する十分な清掃効果が期待できない。
【0004】特開昭62−152427号公報には、不織布の構成繊維表面に、洗剤を封入した球形多孔質無機粉体及び研磨材粒子を含む樹脂を被覆固着させたクリーナーが記載されている。しかし、このクリーナーにおいては、あまり水のない場所を清掃する場合に洗剤が溶け出してこないので、十分な清掃効果が期待できない。水で濡らしてから使うのでは手間が増えてしまう。また硬度の高い研磨材粒子を用いた場合には、清掃対象面を傷つけてしまう。
【0005】特開平2−21834号公報には、表面に合成樹脂粉粒体や木粉を点在させた不織布に、植物精油単体若しくはこれにオレイン酸やリノール酸を混合した油脂有機溶剤を5〜30%含浸させた油脂拭きとり材が記載されている。しかし、このような油脂有機溶剤は、清掃対象面に付着したまま残存してしまうので、その後に油汚れが付着し易くなってしまう。また、合成樹脂粉粒体や木粉は硬度が低いので、清掃対象面に強固に付着した汚れを除去することが容易でない。
【0006】特開平3−139320号公報には、ゼオライト及びキレート剤を含有する熱可塑性樹脂結合剤を不織布に含浸させて被覆した浴槽用クリーナーが記載されている。しかし、水垢のような硬い汚れに対しては、キレート剤では十分な洗浄効果が期待できない。また、研磨材としてゼオライトを用いているのではないので、研磨効果も期待できない。
【0007】従って、本発明は、清掃に際して新たに水を供給することを必要とせず、また清掃対象面に傷を付けること無く清掃対象面に付着した汚れを除去し得る清掃用シートを提供することを目的とする。また本発明は、清掃対象面を二度拭きする必要の無い清掃用シートを提供することを目的とする。
【0008】本発明は、液体の保持が可能な基材シートに水性洗浄剤が含浸されてなり、該基材シートの少なくとも一面が液透過性の繊維集合体からなり、該繊維集合体を構成する繊維にモース硬度が5以下の研磨粒子が保持固定されている清掃用シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の清掃用シートは、基材シートに水性洗浄剤が含浸されてなる湿式シートである。清掃用シートを構成する基材シートは、液体の保持が可能であり且つ少なくとも一面が液透過性の繊維集合体からなっている。この繊維集合体を構成する繊維には、モース硬度が5以下の研磨粒子が保持固定されている。
【0010】基材シートとしては、単層構造のシート及び多層構造のシートの何れもが用いられる。多層構造のシートを用いる場合、該シートとしては例えば二層構造のシートを用いることができる。二層構造のシートは、液体の保持量が高い液保持層と、研磨粒子が保持固定されている繊維を含む液透過性の繊維集合体の層からなる研磨層とから構成されていることが好ましい。各層の機能を分けることで、清掃用シートの性能を高めることができる。
【0011】二層構造の基材シートにおける液保持層としては、水性液を多量に保持できる繊維であるパルプ、レーヨン、コットンなどの親水性繊維を含む繊維層が好ましい。液保持層は親水性繊維のみから構成されていてもよく、或いは液保持層の湿潤強度を高める目的で、低吸収性又は非吸水性の繊維であるポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリアミド類、アクリル樹脂などからなる繊維が更に含まれていてもよい。液保持層における親水性繊維の割合は、50〜90重量%、特に55〜75重量%であり、低吸収性又は非吸水性の繊維の割合は10〜50重量%、特に25〜45重量%であることが、清掃に十分な量の水性洗浄剤を保持し得る点及び液保持層に十分な強度を付与する点から好ましい。同様の理由により、液保持層の坪量は、20〜200g/m2、特に50〜150g/m2であることが好ましい。液保持層の具体例としては、例えばエアレイド不織布、ウエットレイド不織布、レジンボンド不織布、ウォーターニードリング不織布などが挙げられる。
【0012】二層構造の基材シートにおける研磨層としては、湿潤強度が高く、研磨粒子の保持固定性が良好な点から、各種合成繊維から構成される不織布を用いることが好ましい。合成繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリアミド類、アクリル樹脂などの合成樹脂から構成される繊維が好ましく用いられる。これらの繊維は、1〜20dtex、特に2〜10dtex程度の太さであることが好ましい。これらの繊維から構成される不織布としては、スパンボンド不織布などのサーマルボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンレース不織布などのウオーターニードリング不織布、エアレイド不織布、ウェットレイド不織布等が好適に用いられる。これらの不織布は、その坪量(研磨粒子の保持固定前の坪量)が20〜100g/m2、特に25〜50g/m2であることが、研磨層に十分な強度を付与し得る点及び水垢汚れに対して十分な研磨性が発現する点から好ましい。
【0013】研磨層に研磨粒子を保持固定させるには、例えばバインダーを用いて研磨粒子を繊維に保持固定する方法や、研磨粒子を繊維中に練り込む方法が挙げられる。バインダーを用いる場合には、研磨粒子及びバインダーを含む塗布液を用いる。該塗布液における研磨粒子とバインダーとの比率は、バインダーの硬さや接着性などを勘案して、バインダー100重量部に対して研磨粒子50〜300重量部となるようにすることが好ましい。該塗布液を、研磨層と液保持層とが積層一体化されている基材シートにおける研磨層の表面に施し、次いで乾燥させることで、研磨層の表面に研磨粒子を保持固定させることができる。一方、研磨粒子を繊維中に練り込むには、マスターバッチとして、樹脂に研磨粒子を混練したものを用い溶融紡糸すればよい。何れの方法を用いる場合においても、研磨粒子の保持量は50〜250g/m2、特に100〜150g/m2であることが、十分な研磨性の発現及び経済性の点から好ましい。
【0014】研磨粒子を繊維に保持固定するために用いられるバインダーとしては、研磨粒子及び繊維の双方に強固に付着し、バインダー自体の凝集力が高く、更にフレキシブルなものが好ましい。具体的にはフェノール樹脂、フェノール−アルデヒド樹脂、ブチレート化尿素−アルデヒド樹脂、エキポシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、アクリル樹脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル樹脂などが挙げられる。バインダーは、エマルション状態のものを用いることが、環境負荷が小さくて済むことから好ましい。
【0015】またバインダーとして耐水性のものを用いることも好ましい。これによって清掃中における研磨粒子の脱落を効果的に防止できる。その結果、広面積の清掃を十分に行うことができ、また十分な研磨効果が持続する。耐水性のバインダーとしては、エポキシ系接着剤;アクリル樹脂系接着剤;EVA樹脂、ポリアミド樹脂、エラストマーなどを用いたホットメルト系接着剤;ウレタン系接着剤;CR系溶剤型、SBRラテックス型などのゴム系接着剤;酢酸ビニル樹脂、EVA樹脂、アクリル樹脂、合成ゴムを用いたエマルション系接着剤;シリコーン系接着剤;紫外線硬化型接着剤;可視光硬化型接着剤などを用いることができる。これらの中でも、特に加工のし易さや、環境に対する負荷が小さいことから、エマルション系接着剤が好ましく、その中でも特にアクリル樹脂エマルション系接着剤を用いることが好ましい。
【0016】バインダーは、それを構成する樹脂のガラス転移点(Tg)が50℃以下、特に−45〜30℃、とりわけ−45〜10℃であることが、バインダーによる清掃対象面の傷つけ防止、清掃用シートのベタツキ発生の防止の点から好ましい。ガラス転移点(Tg)は、例えば粘着ハンドブック第2版(日本粘着テープ工業会編集、1995年、日本粘着テープ工業会発行)の第144頁に記載されている以下の式に従い測定される。
【0017】
【数1】

【0018】研磨粒子が基材シートを構成する繊維に保持固定されていることに起因して、本発明の清掃用シートには、クレンザーを用いた清掃と比べて、清掃後の清掃対象面に研磨粒子が残存しないという利点がある。従って、本発明の清掃用シートを用いた清掃では二度拭きの必要がない。
【0019】液保持層と研磨層とは積層一体化されている。一体化の方法としては、例えば熱融着によって一体化する方法が挙げられる。また両層がウオーターニードリング不織布から構成されている場合には、各層を構成する繊維ウエブを重ね合わせてウオーターニードリング処理することによって両層を一体化させることができる。熱融着によって一体化させる場合には、各層に芯鞘型複合繊維などの熱融着繊維を含有させることが好ましい。また熱融着繊維は、湿潤強度を高めるための低吸収性又は非吸水性の繊維としても用いられる。
【0020】保持層と研磨層とからなる基材シートの坪量は、40〜300g/m2、特に80〜250g/m2、とりわけ100〜200g/m2であることが、清掃時の操作性が良好である点及び基材シートに十分な強度を付与し得る点から好ましい。
【0021】基材シートとして単層構造のシートが用いられる場合、該シートとしては液体の保持が可能であり且つ液透過性である繊維シートが用いられる。そして、該繊維シートを構成する繊維に研磨粒子が保持固定されている。単層構造の基材シートは、水性洗浄剤の保持性、十分な湿潤強度及び研磨粒子の坦持性を具備することが好ましい。これらの点から基材シートは、水性液を多量に保持できる繊維であるパルプ、レーヨン、コットンのような親水性繊維を含み、且つ低吸収性又は非吸水性の繊維であるポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリアミド類、アクリル樹脂などからなる繊維を含むことが好ましい。これら低吸収性又は非吸水性の繊維は、前述した二層構造の基材シートにおける研磨層を構成する繊維と同程度の太さであることが好ましい。基材シートにおける親水性繊維の量は20〜80重量%、特に40〜60重量%であり、低吸収性又は非吸水性の繊維の量は80〜20重量%、特に60〜40重量%であることが、水性洗浄剤の保持性、十分な湿潤強度及び研磨粒子の坦持性の点から好ましい。用いる基材シートの坪量は、50〜300g/m2、特に80〜200g/m2であることが好ましい。
【0022】単層構造の基材シートの具体例としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ヒートロール不織布などのサーマルボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンレース不織布などのウオーターニードリング不織布、エアレイド不織布、ウェットレイド不織布等が挙げられる。研磨粒子が保持固定されている基材シートの坪量は、前述した二層構造の基材シートの坪量と同様とすることができる。また研磨粒子を保持固定させる方法及び保持量も、前述した二層構造の基材シートの場合と同様とすることができる。但し、単層構造の基材シートにおいては、その片面のみならず両面に研磨粒子を保持固定させてもよい。
【0023】基材シートに保持固定される研磨粒子としては、モース硬度が5以下、好ましくは4.5以下のものが用いられる。モース硬度の下限値は、本発明の清掃用シートの具体的な用途にもよるが、一般に2程度である。モース硬度が5以下の研磨粒子は比較的やわらかい部類に属するものなので、そのような研磨粒子を用いたのでは、清掃対象面に強固に付着した汚れを十分に除去できないと考えるかも知れない。しかし本発明においては、基材シートに水性洗浄剤を含浸させておくことで、清掃対象面に強固に付着した汚れが水性洗浄剤によって軟化され、軟化した汚れが研磨粒子で掻き取られるので、研磨粒子のモース硬度が高くなくても汚れを十分に除去できる。特に、研磨粒子が繊維に保持固定されていることに起因して、クレンザーを用いた清掃と比べて研磨粒子の転がりが生じないので、これによって汚れの掻き取り性が高くなる。その上、研磨粒子のモース硬度が比較的低いので、清掃対象面が傷つけられることが防止される。
【0024】用いられる研磨粒子は、清掃対象面の素材に応じて適宜選択すればよい。例えば、ガラスやそれに近い硬度を有する釉薬を清掃対象面とする場合には、モース硬度5以下のものを用いる。ステンレスで作られているシンクやバスタブなどを清掃対象面とする場合にはモース硬度4以下のものを用いることが好ましい。プラスチック材料を清掃対象面とする場合には、使用されているプラスチック材料の硬度未満のものが好ましく用いられる。
【0025】研磨粒子の具体例としては以下のものが挙げられる。尚、括弧内の数字はモース硬度を表す。輝石(5)、アパタイト(5)、オブシディアン(5)、ターコイズ(5)、ネフライト(5)、ヘマタイト(5)、ラピスラズリ(5)、マンガン(5)、鉄(4.5)、フローライト(4)、螢石(4)、ゼオライト(4)、白銀(4)、アズライト(3.5)、コーラル(珊瑚)(3.5)、ハウライト(3.5)、マラカイト(3.5)、ロードクロサイト(3.5)、ニッケル(3.5)、セレスタイト(3)、炭酸カルシウム(3)、大理石(3)、アルミニウム(3)、アンチモン(3)、銀(3)、銅(3)、メラミン(3)、ユリア樹脂(3)、サーペンティン(2.5)、ジェット(2.5)、真珠(2.5)、亜鉛(2.5)金(2.5)、炭酸水素ナトリウム(重曹)(2)、アンバー(琥珀)(2)、クリソコラ(2)、石膏(2)、雲母(2)、ジプサム(2)、錫(2)、マグネシウム(2)、ナイロン(2)、ポリカーボネート(2)、ポリエステル(2)、アクリル樹脂(2)、アプリコット(2)、クルミ(2)、ピーチ(2)、コーン(2)、鉛(1.5)、タルク(滑石)(1)。特に、鉄、ゼオライト、炭酸カルシウム、メラミン、ユリア樹脂を用いることが好ましい。
【0026】研磨粒子は、その粒径が5〜600μm、特に50〜400μmであることが、十分に高い研磨力が得られる点から好ましい。粒径は電子顕微鏡による観察によって測定される。研磨粒子の形状に特に制限はない。
【0027】ステンレス、陶器、ホーロー、ガラス、クロムメッキ部分など、研磨によって比較的傷のつきやすい硬質表面に付着している汚れを、該硬質表面に傷をつけずに、少ない回数の研磨操作で除去する観点からは、研磨粒子として、対象となる硬質表面よりもモース硬度の低い粒子、好ましくは炭酸カルシウムやゼオライトの粒子を用い、且つその粒径分布において、325メッシュより大きな粒径のものを全体の50重量%以上、特に70重量%以上、とりわけ90重量%以上含み且つ28メッシュより大きな粒径のものを実質的に含まないものを用いることが好ましい。なお、「28メッシュより大きな粒径のものを実質的に含まない」とは、研磨粒子の粒度分布の調整工程や清掃用シートの製造工程において、28メッシュより大きな粒径の研磨粒子が、本発明の効果を損なわない範囲において不可避的に混入することを妨げないことを意味する。
【0028】研磨効果を一層向上させるためには、100メッシュより大きな粒径の研磨粒子を全体の10重量%以上、特に25重量%以上、とりわけ50重量%以上含有することが好ましい。特に、研磨粒子として炭酸カルシウムやゼオライトを用いた場合には、100メッシュより大きな粒径の粒子は、研磨操作中に外力によって割れて小さくなりやすい。これによって粒子数が増え、研磨力が長時間維持される。また割れて生じた粒子には、研磨効果の高い多数の角部があることから、これによっても研磨力が長時間維持される。
【0029】清掃対象面に傷が生ずることを一層防止するためには、32メッシュよりも大きな粒径の研磨粒子の割合が全体の10重量%未満、特に1重量%未満であることが好ましい。傷付きを更に一層防止するためには、32メッシュより大きな粒径の研磨粒子を実質的に含まず且つ42メッシュよりも大きな粒径の研磨粒子の割合が全体の15重量%未満、特に1重量%未満であることが好ましい。
【0030】基材シートに含浸される水性洗浄剤は、水を媒体とし、洗浄成分である界面活性剤を含有するものである。これらの成分に加えて水性洗浄剤は酸性剤を含有することが、清掃対象面に強固に付着した水垢汚れを軟化させ易くする点から好ましい。同様の理由により、水性洗浄剤は酸性剤に加えて又は酸性剤に代えて金属キレート剤を含有していることが好ましい。尚、水は50〜99.9重量%、特に80〜99重量%含有されることが、清掃対象面の仕上がり性の点から好ましい。
【0031】界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤の何れもが用いられる。特に洗浄性と仕上がり性の両面から、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直鎖または分岐鎖)グリセリルエーテル等の非イオン界面活性剤が好適に用いられる。同様の理由により、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタインなどのアルキル炭素数8〜24の両性界面活性剤も好適に用いられる。界面活性剤は、水性洗浄剤中に、0.01〜2.0重量%、特に0.05〜1.0重量%含有されることが、洗浄性及び清掃対象面の仕上がり性の点で好ましい。
【0032】酸性剤としては、酢酸、モノクロル酢酸、安息香酸、シュウ酸、トリカルバリル酸、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシブタン酸、サリチル酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、マレイン酸などが挙げられる。特に、扱いやすさ、環境負荷が小さいなどの点から、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸を用いることが好ましい。酸性剤は、水性洗浄剤中に、0.1〜10重量%、特に0.5〜3重量%含有されることが、十分な清掃効果の発現及び清掃対象面での残留・析出防止の点から好ましい。
【0033】金属キレート剤としては、金属イオンをキレートする能力を有するものであれば特に制限されない。例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)テトラ酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、ポリアクリル酸、イソアミレン−マレイン酸共重合体、グルコン酸、ヒドロキシベンジルイミジノ酢酸、イミジノ酢酸及びこれらの塩が挙げられる。これらのうち、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の多価ヒドロキシカルボン酸類又はこれらの塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)等の多価ホスホン酸類又はこれらの塩を用いると、特に優れた洗浄効果が得られるので好ましい。金属キレート剤は、水性洗浄剤中に、1〜20重量%、特に3〜10重量%含有されていることが、十分な清掃効果の発現及び清掃用シートの保存中における金属キレート剤の析出を防止する点から好ましい。
【0034】水性洗浄剤には前記の各成分に加えて、アルカリ剤、増粘剤、水溶性溶剤、除菌剤、香料、防黴剤、色素(染料、顔料)、ワックス剤等を含有させることもできる。
【0035】アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸塩、硫酸水素ナトリウム等のアルカリ性の硫酸塩、第1リン酸ナトリウム等のリン酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の有機アルカリ金属塩挙げられる。また以下の一般式(1)〜(4)で表されるアミン化合物も用いることができる。
【0036】
【化1】

【0037】一般式(1)で表される化合物としては、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等を挙げることができる。一般式(2)で表される化合物としては、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン等を挙げることができる。一般式(3)で表される化合物としては、ジエチレントリアミン等を挙げることができる。一般式(4)で表される化合物としては、モルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
【0038】上述した各種アルカリ剤のうち、特に感触とpHの緩衝性の点で、モノ、ジ又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のβ−アミノアルカノール並びにモルホリンが好ましい。アルカリ剤は、水性洗浄剤中に、0.01〜30重量%、特に0.1〜20重量%、とりわけ0.5〜10重量%含有されることが、洗浄性及び感触の面で好ましい。
【0039】増粘剤としては、天然多糖類、セルロース系高分子及びデンプン系高分子等の半合成高分子、ビニル系高分子及びポリエチレンオキシド等のその他合成高分子、粘土鉱物等の水溶性高分子が挙げられる。特にベタツキ感、ヌルツキ感の低いポリアクリル酸系増粘剤若しくはアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体系増粘剤又はこれらの混合物が好ましい。これらアクリル酸系増粘剤は、ナトリウム塩の状態で粘性を発現するのが好ましい。増粘剤は、水性洗浄剤中に、0.01〜2重量%、特に0.02〜1重量%含有されることが、被清掃面の仕上がり性の点で好ましい。
【0040】水溶性溶剤としては、1価アルコール、多価アルコール及びその誘導体から選ばれる1種以上のものが好適である。特に仕上がり性の点から蒸気圧267Pa(2mmHg)以上のものが好ましい。例えば、次の一般式(5)〜(7)で表わされる化合物、炭素数4〜12の二価アルコール及び炭素数1〜5の一価アルコールから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0041】
【化2】

【0042】一般式(5)で表わされる水溶性溶剤において、R14、R15がアルキル基である場合の炭素数は1〜4が特に好ましい。また、式(5)中、エチレンオキサイド(E.O.)及びプロピレンオキサイド(P.O.)の平均付加モル数のm及びnは、それぞれ0〜10のものが用いられるが、これらの付加順序は特に限定されず、ランダム付加したものであってもよい。この化合物(5)の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1)ポリオキシプロピレン(p=1)グリコールジメチルエーテル(pは平均付加モル数を示す)、ポリオキシエチレン(p=3)グリコールフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等が挙げられる。このうち、洗浄力及び使用感の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールフェニルエーテルが好ましい。
【0043】また、一般式(6)で表わされる化合物としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが好適なものとして例示され、一般式(7)で表わされる化合物としては3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−エトキシ−3−メチルブタノール等が好ましい。また、炭素数4〜12の二価アルコールとしては、イソプレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール等が例示される。更に炭素数1〜5の一価アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が例示される。これらの低級アルコールを配合することにより、水性洗浄剤の低温安定性が向上する。
【0044】水溶性溶剤は、水性洗浄剤中に、1〜50重量%、特に1〜20重量%含有されることが、臭い及び皮膚刺激性の低減の点から好ましい。
【0045】水性洗浄剤は、基材シートの重量に対して50〜1000重量%、特に100〜500重量%含浸されていることが、水性洗浄剤の保持性と放出性とのバランス及び清掃性能の点から好ましい。
【0046】以上詳述したように、本発明の清掃用シートは、水性洗浄剤を含有しており且つ研磨粒子が保持固定されているので、清掃に際して別途水や洗浄剤を用いる必要がない。更に、水性洗浄剤と研磨粒子との相乗作用によって、清掃対象面に傷を付けること無く、清掃対象面に強固に付着した水垢汚れを除去できる。清掃後には、清掃対象面に研磨粒子が残存しないので、二度拭きの手間が省ける。本発明の清掃用シートは、特にキッチン周りにこびついた変性油、焦げ付き及び水垢、並びに浴室、洗面台、トイレなどの水周りに付着した水垢や石鹸カスの除去に有効である。
【0047】本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態における多層構造の基材シートとして、二層構造のものに代えて、液保持層の両面に研磨層が積層一体化された三層構造の基材シートを用いてもよい。
【0048】
【実施例】以下の実施例及び比較例中、特に断らない限り「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
【0049】〔実施例1〕325メッシュの篩残分65%、100メッシュの篩残分5%、60メッシュの篩残分0%、42メッシュの篩残分0%である炭酸カルシウム(研磨粒子、モース硬度3、G−100/三共製粉(株)製)100部及びアクリル樹脂エマルジョン(バインダー、AD−25/日本エヌエスシー(株)製、Tg=−40℃、固形分50%)100部を混合して塗布液を調製した。ポリプロピレンのスパンボンド不織布〔三井化学製のシンテックス(商品名)、坪量30g/m2〕に塗布液を塗布し(塗布量300g/m2)、乾燥させて研磨層を形成した。研磨層における炭酸カルシウム及びアクリル樹脂の合計量は225g/m2であった。(炭酸カルシウム150g/m2、アクリル樹脂75g/m2
【0050】これとは別に、パルプ(長さ加重平均繊維長2.5mm)60部及びポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘型複合繊維(2dtex、5mm、鞘成分の融点130℃)40部を原料とし、エアレイ法によってこれらの繊維を堆積させてウエブを形成した。このウエブをアクリロニトリル−ブタジエンゴムからなるバインダーで固定して、乾式パルプシートからなる坪量80g/m2の液保持層を得た。パルプ繊維の長さ加重平均繊維長はカヤーニ繊維長測定器を用いて測定される。微細な特定繊維長範囲内にある繊維の平均繊維長をli(i=1〜144)とし、その本数をNiとすると、全体の長さ加重平均繊維長はΣNili2/ΣNiliで表される。
【0051】研磨層と液保持層とを重ね合わせ、熱融着させて両層を一体化させて二層構造の基材シートを得た。基材シートの坪量は335g/m2であった。この基材シートに、該基材シートの重量に対して200%の水性洗浄剤を含浸させて、清掃用シートを得た。水性洗浄剤は、界面活性剤としてドデシルグルコシド(縮合度1.4)を0.2%、水溶性溶剤としてプロピレングリコールを5%を含み、残部が水からなるものであった。
【0052】〔実施例2〕レーヨン(2dtex、50mm)40部及びポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの芯鞘型複合繊維(3dtex、50mm、鞘成分の融点130℃)60部を原料とし、カード法によってウエブを形成した。このウエブに130℃の熱風を吹き付けて構成繊維を融着させて、坪量100g/m2のエアスルー不織布を得た。
【0053】これとは別に、325メッシュの篩残分80%、100メッシュの篩残分50%、60メッシュの篩残分0%のメラミン樹脂(研磨粒子、モース硬度3)100重量部及びアクリル樹脂エマルジョン(バインダー、AD−93/日本エヌエスシー(株)製、Tg=−10℃、固形分45%)50部を混合して塗布液を調製した。前記エアスルー不織布に塗布液を塗布し(塗布量200g/m2)、乾燥させて単層構造の基材シートを得た。基材シートにおけるメラミン樹脂及びアクリル樹脂の合計量は163g/m2であった。また基材シートの坪量は263g/m2であった。
【0054】得られた基材シートに、界面活性剤としてドデシルグルコシド(縮合度1.4)を0.2%、酸性剤としてクエン酸を3%、水溶性溶剤としてプロピレングリコールを5%含み残部が水からなる水性洗浄剤を、該基材シートの重量に対して250%含浸させて、清掃用シートを得た。
【0055】〔実施例3〕研磨粒子として325メッシュの篩残分60%、100メッシュの篩残分20%、60メッシュの篩残分0%であるゼオライトを用いた。また水性洗浄剤として、ラウリル酸アミドプロピルベタイン(界面活性剤)1.5%、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム(金属キレート剤)2.5%、ブチルジグリコール(水溶性溶剤)5%、及び残部が水からなるものを用いた。この水性洗浄剤を基材シート重量に対して250%含浸させた。これら以外は、実施例2と同様にして清掃用シートを得た。
【0056】〔実施例4〕レーヨン(1.4dtex、40mm)50部と、ポリプロピレン繊維(2dtex、51mm)50部とからなるスパンレース不繊布を製造した。このスパンレース不織布の坪量は100g/m2であった。これとは別に、炭酸カルシウム(1−A/三共製粉(株)製)100部に対し、耐水性接着剤(A−4100/日本エヌエスシー製のアクリル樹脂エマルション系接着剤、Tg=10℃、固形分60%)50部を混合し塗布液を調製した。炭酸カルシウムは、325メッシュの篩残分が99%、100メッシュの篩残分が61.8%、28メッシュの篩残分が0%、32メッシュの篩残分が0%、42メッシュの篩残分が0%であった。塗布液をスパンレース不織布に塗布し乾燥させた。乾燥後の坪量は317g/m2であった。炭酸カルシウムの量は167g/m2、接着剤の量は50g/m2であった。これら以外は実施例1と同様にして清掃用シートを得た。
【0057】〔実施例5〕鞘がポリエチレンで、芯がポリエステルからなる芯鞘型複合繊維(3dtex、50mm、鞘成分の融点130℃)60部と、レーヨン(2dtex、50mm)40部とを原料としてカードウエブを製造した。このカードウエブを130℃の熱風で処理して、坪量200g/m2のエアスルー不織布を得た。これとは別に、炭酸カルシウム(K−1/三共製粉(株)製)100部に対し、耐水性接着剤(AA−936/日本エヌエスシー製のアクリル樹脂エマルション系接着剤、Tg=4℃、固形分45%)50部を混合し塗布液を調製した。炭酸カルシウムは、325メッシュの篩残分が100%、100メッシュの篩残分が94.1%、28メッシュの篩残分が0%、32メッシュの篩残分が0%、42メッシュの篩残分が14%であった。塗布液をエアスルー不織布に塗布し乾燥させた。乾燥後の坪量は445g/m2であった。炭酸カルシウムの量は200g/m2、接着剤の量は45g/m2であった。これら以外は実施例1と同様にして清掃用シートを得た。
【0058】〔比較例1〕実施例1において水性洗浄剤を含浸させずに同量の水を含浸させた以外は実施例1と同様にして清掃用シートを得た。
【0059】〔比較例2〕実施例1において研磨粒子を保持固定しない以外は実施例1と同様にして清掃用シートを得た。
【0060】〔比較例3〕スコッチブライト調理器具用スポンジ(3M社家庭用ナイロンスポンジ、研磨粒子としてアルミナを使用)に、実施例1と同様の水性洗浄剤を100%含浸させた。
【0061】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られた清掃用シートについて、以下の方法でタイル及びステンレスの水垢汚れの除去性及び傷つき防止性を評価した。結果を表1に示す。
【0062】〔タイル及びステンレスの水垢汚れの除去性及び傷つき防止性〕
(1)モデル水垢汚れの調製(a)タイルの場合INAX製の半磁器タイルSP−20/25(商品名、大きさ110mm×110mm)を用意した。2号ケイ酸ナトリウム(Na2Si03)5重量%水溶液からなるモデル水垢液1gを、前記タイルの一面全体に塗布した。このタイルを100℃の電気乾燥機に入れて30分間焼き付け、水垢汚れを調製した。
(b)ステンレスの場合80mm×30mmのSUS304プレートを用意した。このプレートを前記モデル水垢液中に1時間浸漬した。次いでこのプレートを100℃の電気乾燥機に入れて30分間焼き付け、水垢汚れを調製した。
(2)水垢汚れの除去性及び傷つき防止性の評価実施例及び比較例で得られた清掃用シートを用いて、調製されたモデル水垢汚れを20回強く擦った。その後のタイル及びステンレス表面の状態を以下の基準で評価した。
(a)水垢汚れの除去性◎:簡単に全ての汚れが落ちた。
○:完全に汚れが落ちた。
△:水垢が薄く残った。
×:水垢が落ちなかった。
(b)傷つき防止性○:傷つきがない。
△:薄く傷がついた。
×:ひどく傷ついた。
【0063】
【表1】

【0064】表1に示す結果から明らかなように、実施例の清掃用シート(本発明品)によれば、タイル及びステンレスに傷を付けること無く、水垢汚れを除去できることが判る。これに対して比較例1及び2の清掃用シートは、タイル及びステンレスに傷をつけないが、水垢汚れを除去できないことが判る。比較例3の研磨スポンジは、タイル及びステンレスをひどく傷つけることが判る。
【0065】
【発明の効果】本発明の清掃用シートによれば、清掃に際して水を必要とせず、また清掃対象面に傷を付けること無く清掃対象面に付着した汚れを除去することができる。また本発明の清掃用シートによれば、清掃対象面を二度拭きする必要がない。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成14年6月28日(2002.6.28)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開2003−225187(P2003−225187A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−190152(P2002−190152)