トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 清掃具
【発明者】 【氏名】野田 幸男
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】田原 宏俊
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】清掃具に用いられる粘着ロールの粘着力を上げても回転体が粘着ロールに貼付かず、回転体と粘着ロールを確実に回転させ、集塵性能を向上すること。

【解決手段】清掃具10であって、粘着ロール21を回転させるための回転体18の表面に、該回転体18の回転方向で互いに離隔する多数の突起部71を設けたもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレームに掻き上げ体と、粘着ロールを回転させるための回転体を並べて回動自在に支持し、掻き上げ体と回転体の上に粘着ロールを並べて回動自在に配置してなる清掃具であって、回転体の表面に、該回転体の回転方向で互いに離隔する多数の突起部を設けた清掃具。
【請求項2】 フレームに掻き上げ体と、粘着ロールを回転させるための回転体を並べて回動自在に支持し、掻き上げ体と回転体の上に粘着ロールを並べて回動自在に配置してなる清掃具であって、回転体の表面の一部に、該回転体の表面から突出する環状リングを被着した清掃具。
【請求項3】 フレームに掻き上げ体と、粘着ロールを回転させるための回転体を並べて回動自在に支持し、掻き上げ体と回転体の上に粘着ロールを並べて回動自在に配置してなる清掃具であって、回転体の表面に、該回転体の回転方向で互いに離隔する多数の突起部を設けるとともに、回転体の表面の一部に、該回転体の表面から突出する環状リングを被着した清掃具。
【請求項4】 前記回転体の軸方向に離隔する各部に前記の多数の突起部を設け、該回転体の軸方向で相隣る突起部同士を該回転体の回転方向に互い違いに配置した請求項1又は3に記載の清掃具。
【請求項5】 前記回転体又は突起部又は環状リングが低粘着性材料により形成された請求項3に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は清掃具に関する。
【0002】
【従来の技術】清掃具として、一次吸着ローラの表面と二次吸着ローラの粘着シートを接触させ、床面上を転動せしめられる一次吸着ローラの回転力により二次吸着ローラを連れ回り回転させる状態で、一次吸着ローラの表面に付着した塵埃を、二次吸着ローラの粘着シートの側に転写させて捕捉するものがある(実開平2-12363)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】粘着シートによる塵埃の捕捉力を強化しようとして、粘着シートの粘着力を上げると、一次吸着ローラが粘着シートに貼付いて一次吸着ローラも二次吸着ローラも回転不能になる。このため、粘着シートの粘着力を上げることができず、集塵性能の向上に困難がある。
【0004】本発明の課題は、清掃具に用いられる粘着ロールの粘着力を上げても回転体が粘着ロールに貼付かず、回転体と粘着ロールが確実に回転するようにして、集塵性能を向上することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、フレームに掻き上げ体と、粘着ロールを回転させるための回転体を並べて回動自在に支持し、掻き上げ体と回転体の上に粘着ロールを並べて回動自在に配置してなる清掃具であって、回転体の表面に、該回転体の回転方向で互いに離隔する多数の突起部を設けたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】清掃具10は、図1、図2に示す如く、柄11の先端部に継手部12を介して支持アーム13を結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに支軸部14を介してフレーム15を前後方向に揺動自在に支持している。
【0007】フレーム15の前部にはブラシからなる可撓掻き上げ体16が回転軸17を介して回動自在に支持され、フレーム15の後部にはロール体からなる接触回転体18が回転軸19を介して回動自在に支持され、掻き上げ体16と接触回転体18は平行に並べられて配置される。掻き上げ体16は、掻き上げ部16A(ブラシ部)とタイヤ部16Bからなり、掻き上げ部16Aの掻き上げ径(ブラシ径)をタイヤ部16Bのタイヤ径より大きくしている。接触回転体18は、ロール状の接触部18Aとタイヤ部18Bからなる。
【0008】掻き上げ体16と接触回転体18の接触部18Aの上には、それらに跨がる粘着ロール21が乗せられ、粘着ロール21は掻き上げ体16と接触回転体18の回転に連れ回る。フレーム15の上部は粘着ロール21の出し入れ口とされ、取外し可能な透明カバー15Aにより被覆される。粘着ロール21は、粘着シートの巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能とする構成等を含む。本実施例の粘着ロール21は、粘着シート21Aをコア21Bに巻き回し、粘着シート21Aの粘着面を外側に向けて巻出し可能かつ切断可能にした巻取りロールにて構成される。
【0009】フレーム15における掻き上げ体16の後部には塵取部23が支持されている。塵取部23は、床面に接する底面部23Aと、掻き上げ体16に隙間なく(又は隙間を介して)相対する曲面状(又は平面状)のすくい面部23Bと、凹状のゴミ受け部23Cを有する。塵取部23は、フレーム15に後述する如くに上下に揺動可能に支持され、自重により底面部23Aとすくい面部23Bの最下端部を床面に隙間なく接し、掻き上げ体16の掻き上げ部16Aが掻き上げるゴミを床面に沿う後方に逃がすことなく、その全てのゴミをすくい面部23Bにより粘着ロール21の側にガイドし、大きなゴミはゴミ受け部23Cに送り込む。
【0010】清掃具10では、塵取部23をフレーム15に対し、掻き上げ体16とは独立に上下に揺動可能に支持するとともに、塵取部23のゴミ受け部23Cをフレーム15から開放可能に支持した。
【0011】具体的には、塵取部23における掻き上げ体16に近い側の前端を揺動部40(塵取部23の前端側両側面に設けたピン41を、フレーム15の両側壁に設けた長孔42の中で上下動可能に係入したもの)によりフレーム15に揺動可能に支持する。また、塵取部23における掻き上げ体16から遠い側の後端に設けた係脱部50の孔51を、フレーム15に設けた係脱可能ピン52に係脱可能にし、孔51を係脱可能ピン52から外して塵取部23の後端をフレーム15から開放可能に支持する。塵取部23の孔51をフレーム15の係脱可能ピン52に係入した状態で、係脱可能ピン52を塵取部23の揺動の中心軸とし、塵取部23の孔51をフレーム15の係脱可能ピン52から外した状態で、揺動部40を塵取部23の開放の中心軸とする。
【0012】清掃具10による清掃動作は以下の通りなされる。
(1)柄11の軸方向に加える操作力により清掃具10を前進させ、掻き上げ体16及び接触回転体18を回動させ、同時に粘着ロール21を連れ回り回転させる。
【0013】(2)掻き上げ体16の掻き上げ部16Aが床面上のゴミを掻き上げると、このゴミは塵取部23にガイドされて粘着ロール21の側に送り出され、粘着ロール21の粘着面に吸着捕捉される。
【0014】(3)粘着ロール21の粘着面に捕捉されたゴミは、粘着ロール21の回動とともに接触回転体18の側に移動し、接触回転体18により粘着ロール21の粘着面に押付けられて固定化される。
【0015】(4)透明カバー15Aを通して粘着ロール21の粘着面の全周に多量のゴミが捕捉されたことが視認されたら、カバー15Aを開いて粘着シート21Aの1周分を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめた後、カバー15Aを閉じる。
【0016】尚、清掃具10は前進だけでなく、後進もできる。塵取部23は、底面部23Aの尾端部をアール状に跳ね上げ、後進時にこの尾端部が床面に引掛かるのを防止する。
【0017】清掃具10にあっては、図3、図4に示す如く、接触回転体18の接触部18Aを成形体60により構成し、接触回転体18の表面に、接触回転体18の回転方向で互いにピッチpを介して離隔する多数の突起部71を設け、結果として粘着ロール21の粘着力を上げても接触回転体18が粘着ロール21に貼付かないようにし、かつ接触回転体18を粘着ロール21に喰い込ませて粘着ロール21を接触回転体18に確実に連れ回り回転させる。各突起部71は例えば円錐状のスパイク状をなす。
【0018】具体的には、図5に模式的に示すように、接触回転体18(成形体60)の軸方向に離隔する各部のそれぞれに、多数の突起部71からなる突起列70A、70B…を設け、相隣る突起列70A、70B…の間でそれらの突起部71同士(例えば突起列70Aの突起部71と突起列70Bの突起部71)を接触回転体18の回転方向にピッチp/2で互い違いになるように配置した。
【0019】ここで、粘着ロール21に喰い込む接触回転体18の突起部71が粘着ロール21を構成する基材からの粘着剤の剥離(浮き上がり)を引きおこすことがないようにするため、接触回転体18の成形体60を下記(a)〜(c)の如くの粘着性のない又は粘着剤を剥離しない弱い低粘着性材料により形成することが好ましい。尚、接触回転体18にあっては、該回転体18と突起部71を別材料にて構成し、該回転体18と突起部71のいずれか一方を低粘着性材料により形成しても良い。
【0020】(a)シリコンゴムそのもので成形体60を成形する。
(b)ポリプロピレンで成形体60の芯材を成形し、この芯材の表面にシリコンゴムをコーティングする。
【0021】(c)ポリプロピレンに粒状シリコンゴム又はシリコンオイルを添加したもので成形体60を成形する。
【0022】本実施形態によれば、以下の作用がある。
■接触回転体18の表面に多数の突起部71を設けたから、接触回転体18と粘着ロール21の接触面積が小さくなり、粘着ロール21の粘着力を上げても接触回転体18が粘着ロール21に貼付かず、接触回転体18は床面上をスムースに転動できる。
【0023】■接触回転体18の突起部71は回転方向で互いに離隔するように設けられ、接触回転体18の回転方向に多数の突起部71が繰り返し配置される。従って、接触回転体18は回転角が進む都度、新たな突起部71が粘着ロール21に喰い込む如く突き当たり、接触回転体18の回転力により粘着ロール21を確実に回転させる。
【0024】■従って、清掃具10は、床面上で接触回転体18をスムースに転動させながら、高い粘着力の粘着ロール21を確実に回転させ、掻き上げ体16が掻き上げる塵埃を粘着ロール21の新規粘着面により確実に捕捉する。
【0025】■接触回転体18の軸方向に離隔する各突起列70A、70B…のそれぞれに多数の突起部71を設け、接触回転体18の軸方向で相隣る突起部71同士(例えば突起列70Aの突起部71と突起列70Bの突起部71)を接触回転体18の回転方向で互い違いに配置した。従って、接触回転体18の軸方向からみた端面視で、接触回転体18の全表面に設けられている突起部71の先端を該接触回転体18の回転方向に沿ってつないだ多角形を円形に近づけることができる。これにより、床面上で接触回転体18を転動させるときの接触回転体18が粘着ロール21と接する面の変位を少なくし、粘着ロール21の振動、ひいては清掃具10の振動を低減できる。
【0026】■接触回転体18の多数の突起部71がスパイク状をなすことにより、粘着ロール21の表面に塵埃がたまってきても、突起部71が粘着ロール21に喰い込み、粘着ロール21を確実に回転させる。ここでスパイク状とは円錐状の形状をいう。
【0027】接触回転体18は、図6に示す如く、2本の成形体60(60Aと60B)を軸方向で連結し、成形体60Aの突起列70Aと成形体60Bの突起列70Aとを接触回転体18の回転方向にp/4で互い違いになるように配置しても良い。これによれば、接触回転体18が突起部71の先端によって形成する多角形をより円形に近づけ、接触回転体18の転動に伴う接触回転体18が粘着ロール21と接する面の変位をより少なく、粘着ロール21の振動、ひいては清掃具10の振動をより低減できる。
【0028】尚、回転体の表面に設けられる多数の突起部は、回転体の回転方向で互いに離隔するものであれば良く、各突起部は回転体の軸方向では互いに離隔することを必要とされず、歯車の歯の歯幅方向に連続する山部の如くのものでも良いし、該山部の歯幅方向に沿う各所に切欠凹部を備えるものでも良い。
【0029】図7の接触回転体100は図3の接触回転体18の変形例であり、粘着ロール21に喰い込む突起部71が粘着ロール21を構成する基材からの粘着剤の剥離(浮き上がり)を引き起こすことがないようにするため、接触部18Aの表面の一部、本実施形態では両端部に、接触部18Aの表面から突出するシリコンゴム製Oリング等の環状リング101を被着したものである。
【0030】接触回転体100にあっては、環状リング101を突起部71よりわずかに、例えば0.5mm程度外方に張り出すことにより、粘着ロール21の使用初期に未だゴミが付着していない段階では、環状リング101と粘着ロール21の粘着力で粘着ロール21を確実に回転させる。そして、粘着ロール21にゴミが付着してきた段階では、環状リング101と粘着ロール21の粘着力の低下を補うように、突起部71が粘着ロール21上のゴミに喰い込む如くに突き当たって粘着ロール21を確実に回転させる。
【0031】従って、接触回転体100によれば、粘着ロール21を回転させるに際し、粘着ロール21を構成する粘着剤に対する突起部71の直接的な喰い込み機会を少なくし、粘着ロール21からの粘着剤の剥離を防止できる。
【0032】尚、環状リング101としては、シリコンゴム等の低粘着性軟質リングの他に、フッ素樹脂、テフロン(登録商標)等の低粘着性硬質リングを採用できる。軟質の環状リング101は、図8(A)に示す如く、接触部18Aの表面に設けた環状溝102に嵌着できる。硬質の環状リング101は、図8(B)に示す如く、タイヤ部18Bに設けたリング支持部103に被着し、これを接触部18Aとの間で挟み込み保持できる。
【0033】図9の接触回転体200は図7の接触回転体100の変形例であり、接触回転体100の表面に設けてあった突起部71を撤去し、接触部18Aの表面の一部に環状リング101を被着しただけのものである。
【0034】接触回転体200にあっては、環状リング101と粘着ロール21の粘着力で粘着ロール21を確実に回転させることができる。また、接触部18Aの表面の全部が粘着ロール21に接触するものに比して、接触部18Aと粘着ロール21の接触面積が小さく、粘着ロール21の粘着力を上げても接触回転体200が粘着ロール21に貼付かない。
【0035】尚、環状リング101はタイヤ部18Bを兼用するもの、即ちタイヤ部18Bの上に粘着ロール21を乗せる形態であっても良い。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、清掃具に用いられる粘着ロールの粘着力を上げても回転体が粘着ロールに貼付かず、回転体と粘着ロールを確実に回転させ、集塵性能を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【代理人】 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
【公開番号】 特開2003−204911(P2003−204911A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−5331(P2002−5331)