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【発明の名称】 食器洗浄機のパネル接合構造
【発明者】 【氏名】栂 圭一
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16 ホシザキ電機株式会社内

【要約】 【課題】食器洗浄機のドアケーシングのシール性と耐久性を高める。

【解決手段】ドアケーシング30の天板パネル34は、その外周囲部34aが、幅dだけ直角下方に折り曲げられる。また胴パネル32の上端部32aは、先ず水平方向に直角に折り曲げられ、続けてその先端部32bが、外周囲部34aの折曲幅と同じ幅dだけ直角下方に折り曲げられる。拝み合わせの形になるように、幅dの天板パネル34の外周囲部34aと胴パネル32の先端部32bとが突き合わせられる。そして、外周囲部34aの先端と胴パネル32の先端部32bの先端とが、隙間なく溶接される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のパネル(32,34)が接合されて製造され、該パネル(32,34)の内面で洗浄室が画成されるドアケーシング(30)を備えた食器洗浄機のパネル接合構造において、隣接するパネル(32,34)の接合部分(32b,34a)を内面側に折り曲げて突き合わせ、両パネル(32,34)の突き合わされた接合部分(32b,34a)の先端箇所(36)を、前記両パネル(32,34)の接合線(38)の全長に亘って隙間無く溶接したことを特徴とする食器洗浄機のパネル接合構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食器洗浄機のパネル接合構造に関し、更に詳細には、防水のためにシール材を塗布する必要のない食器洗浄機のパネル接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲食に供した後の皿や茶碗、コップ等の食器を自動的に洗浄する食器洗浄機が、喫茶店やレストラン等の厨房、更には一般家庭にも設置されて広く使用されるに至っている。図2は、この食器洗浄機の外観図である。食器洗浄機10は、上部に開口部12aが形成された矩形状の洗浄槽12と、この洗浄槽12を上方から被蓋して内部に洗浄室を画成する箱状のドアケーシング14とを備えており、洗浄室に食器を出し入れするときは、ドアケーシング14にリンク杆16を介して取り付けられたドアハンドル18を持ち上げることで、該ドアハンドル18がヒンジ部20を中心に上方に回動してドアケーシング14を持ち上げ、洗浄槽12の開口部12aが開口するようになっている。
【0003】洗浄室に食器を入れて洗浄する場合には、ドアハンドル18をヒンジ部20を中心に下方に回動してドアケーシング14で洗浄室を覆い、洗浄槽12内に設けられた図示しない洗浄ノズルから洗浄液を食器に噴射し、次にすすぎ水を食器に噴射して食器を洗浄することになる。このとき、洗浄液やすすぎ水が洗浄室内に飛散し、ドアケーシング14の内面は洗浄液やすすぎ水に晒されるため、ドアケーシング14から外部に洗浄液やすすぎ水が漏れ出ないように、ドアケーシング14を液密に製造する必要がある。
【0004】図3(a)は、従来のドアケーシング14を斜め上方から見た図である。このドアケーシング14は、矩形筒状に折り曲げられた胴パネル22と、上面の開口部を覆蓋する天板パネル24とを接合することで製造され、該パネル22,24の内面で洗浄室が画成されるようになっている。図3(b)は、図3(a)のIIIb―IIIb線断面図である。従来のドアケーシング14は、天板パネル24の外周囲部24aをパネル厚さ分だけ窪ませるように折曲し、胴パネル22の上端部22aを水平方向に直角に折曲し、胴パネル22の上端部22aを天板パネル24の外周囲部24aの上に重ね合わせ、上端部22aと外周囲部24aとをスポット溶接により接合している。しかしスポット溶接だけでは、両者間を液密にシールすることができないため、その接合部にシール材26を塗布している。あるいは、シール材26を予め塗布した上端部22aと外周囲部24aとをスポット溶接(シール・スポット溶接)するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の食器洗浄機のドアケーシング14は、シール性能を高めるために、シール材を用いている。しかしこのシール材は、食器洗浄機が長期間に亘って使用されると、高温の洗浄液や食器の汚れに含まれる油成分に長期間晒されることになり、その物理的性質や化学的性質が経年的に劣化してしまい、接合部の隙間腐食の原因になり、食器洗浄機の耐久性や信頼性を損ねる難点が指摘される。
【0006】
【発明の目的】本発明は、従来の技術に係る食器洗浄機のパネル接合構造に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、シール性能が優れ、隙間腐食の心配が無い食器洗浄機のパネル接合構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る食器洗浄機のパネル接合構造は、複数のパネルが接合されて製造され、該パネルの内面で洗浄室が画成されるドアケーシングを備えた食器洗浄機のパネル接合構造において、隣接するパネルの接合部分を内面側に折り曲げて突き合わせ、両パネルの突き合わされた接合部分の先端箇所を、前記両パネルの接合線の全長に亘って隙間無く溶接したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る食器洗浄機のパネル接合構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、食器洗浄機の基本的な構成は、図2を参照して従来の技術で説明した通りであるので、その詳細説明は省略する。
【0009】図1(a)は、本発明の一実施例に係る食器洗浄機のドアケーシングを斜め上方から見た図である。本実施例に係るドアケーシング30は、その外観については図3(a)に示す従来のドアケーシングと同じであり、矩形筒状に折り曲げられた胴パネル32と、上面の開口部を覆蓋する天板パネル34とを接合することで製造されて、両パネル32,34の内面で洗浄室を画成するよう構成される。
【0010】図1(b)は、図1(a)のIb―Ib線断面図である。本実施例のドアケーシング30の天板パネル34は、図1(b)に示すように、接合部分としての外周囲部34aが、幅dだけ直角下方に折り曲げられている。また、胴パネル32の上端部32aは、先ず水平方向に直角に折り曲げられ、続けて接合部分としての先端部32bが、外周囲部34aの折曲幅と同じ幅dだけ直角下方に折り曲げられている。
【0011】そして、拝み合わせの形になるように、天板パネル34の外周囲部34aと胴パネル32の先端部32bとが突き合わせられている。すなわち、隣接する両パネル34,32の接合部分34a,32bが、ドアケーシング30の内面側に折り曲げられて突き合わされている。また、天板パネル34における外周囲部34aの先端と、胴パネル32における先端部32bの先端とは、隙間なく溶接してある。
【0012】この溶接は、本実施例では電気溶接の一種であるアルゴン溶接で行ない、ステンレス製の天板パネル34および胴パネル32は、融けたステンレスにより溶接部(ドアケーシング30に臨む先端箇所)36で相互に溶着される。また溶接は、拝み合わせた天板パネル34および胴パネル32の接合線38(図1(a)参照)の全長に亘って隙間無く行なわれる。
【0013】
【実施例の作用】次に、前述した実施例に係る食器洗浄機のパネル接合構造の作用について説明する。
【0014】本実施例の食器洗浄機では、そのドアケーシング30の天板パネル34と胴パネル32とが拝み合わせで突き合わされ、その接合部が全長に亘ってアルゴン溶接により溶着されるため、接合部は融けたステンレスによって完全密閉される。このため、洗浄液や油分などが溶接部に長期間に亘って噴射されても、溶接部に隙間腐食が発生する心配はなく、食器洗浄機の耐久性や信頼性が、シール材を用いた場合に比較して格段に向上する。
【0015】また、図1(b)に明示するように、溶接部36は、ドアケーシング30の内側(裏側)の距離dだけ離れた箇所に存在するため、溶接による焼け跡がドアケーシング30の外側表面にでることがなく、焼痕除去作業を行わなくてもドアケーシング30の外観性が保たれ、食器洗浄機の美観を向上させることが可能となる。更に、拝み合わせ溶接した距離dの折曲部分(34a,32b)が、天板の補強リブとしても機能し、ドアケーシング30の構造が強化される。
【0016】なお実施例では、ドアケーシングを胴パネルと天板パネルとの2部材から構成した場合で説明したが、胴パネルに関しては、複数のパネルを筒状に溶接することで構成されるものであってもよく、その接合部が本発明の接合構成となっていればよい。
【0017】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る食器洗浄機のパネル接合構造によれば、パネル同士の接合部にシール材を用いないから、ドアケーシングのシール性が格段に向上すると共に、耐腐食性が向上して食器洗浄機の耐久性,信頼性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16
【出願日】 平成13年12月5日(2001.12.5)
【代理人】 【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
【公開番号】 特開2003−169772(P2003−169772A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−371942(P2001−371942)