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【発明の名称】 清掃具
【発明者】 【氏名】田原 宏俊
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】野口 徳司
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】掻き上げ体が塵取部のすくい面部に摺接して塵埃を掻き上げる際の取りこぼしを少なくすること。

【解決手段】掻き上げ体16の後部に塵取部23を設けた清掃具10であって、掻き上げ体16が塵取部23のすくい面部23Bに摺接して塵埃を掻き上げるブラシからなり、塵取部23のすくい面部23Bに掻き上げ体16の掻き上げ方向に沿って延びる多数条の溝62を設けたもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレームに掻き上げ体を回動自在に支持し、フレームにおける掻き上げ体の後部に塵取部を支持した清掃具であって、掻き上げ体が塵取部のすくい面部に摺接して塵埃を掻き上げるブラシからなり、塵取部のすくい面部に掻き上げ体の掻き上げ方向に沿って延びる多数条の溝を設けた清掃具。
【請求項2】 前記塵取部のすくい面部における床面側のエッジに、該エッジの幅方向に沿う凹凸状歯面を備える請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】 前記掻き上げ体に並び、かつ塵取部の上方に配置される粘着体をフレームに設けた請求項1又は2に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は清掃具に関する。
【0002】
【従来の技術】清掃具として、特開平1-262827号公報に記載の如く、フレームに掻き上げ体を回動自在に支持し、フレームにおける掻き上げ体の後部に塵取部を支持してなるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】■掻き上げ体を構成するブラシが塵取部のすくい面部に摺接して塵埃を掻き上げるに際し、図4(C)に示す如く、ブラシの先端とすくい面部との間に塵埃を挟んで掻き上げるものであり、塵埃がブラシの先端から脱落して取りこぼし易い。
【0004】■掻き上げ体がカーペットの毛足の中に潜ってゴミを掻き上げるとき、塵取部のすくい面部における床面側のエッジがカーペットの毛足に当たることによる抵抗が大きく、清掃具の前進操作力が重い。
【0005】本発明の課題は、掻き上げ体が塵取部のすくい面部に摺接して塵埃を掻き上げる際の取りこぼしを少なくすることにある。
【0006】本発明の他の課題は、清掃具の前進操作力を軽くすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、フレームに掻き上げ体を回動自在に支持し、フレームにおける掻き上げ体の後部に塵取部を支持した清掃具であって、掻き上げ体が塵取部のすくい面部に摺接して塵埃を掻き上げるブラシからなり、塵取部のすくい面部に掻き上げ体の掻き上げ方向に沿って延びる多数条の溝を設けた清掃具である。
【0008】
【発明の実施の形態】清掃具10は、図1、図2に示す如く、柄11の先端部に継手部12を介して支持アーム13を結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに支軸部14を介してフレーム15を前後方向に揺動自在に支持している。
【0009】フレーム15の前部にはブラシからなる可撓掻き上げ体16が回転軸17を介して回動自在に支持され、フレーム15の後部にはロール体からなる接触回転体18が回転軸19を介して回動自在に支持され、掻き上げ体16と接触回転体18は平行に並べられて配置される。掻き上げ体16は、掻き上げ部16A(ブラシ部)とタイヤ部16Bからなり、掻き上げ部16Aの掻き上げ径(ブラシ径)をタイヤ部16Bのタイヤ径より大きくしている。接触回転体18は、ロール状の接触部18Aとタイヤ部18Bからなる。尚、接触回転体18の接触部18Aには、その表面に凹凸部を設けても良い。凹凸部とは、接触部18Aのロール表面にリブや凸部、凹部、しぼ面等を設けたことをいう。
【0010】掻き上げ体16と接触回転体18の上には、それらに跨がる粘着ロール21が乗せられ、粘着ロール21は掻き上げ体16と接触回転体18の回転に連れ回る。フレーム15の上部は粘着ロール21の出し入れ口とされ、取外し可能な透明カバー15Aにより被覆される。粘着ロール21は、粘着シートの巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能とする構成等を含む。本実施例の粘着ロール21は、粘着シート21Aをコア21Bに巻き回し、粘着シート21Aの粘着面を外側に向けて巻出し可能かつ切断可能にした巻取りロールにて構成される。
【0011】フレーム15における掻き上げ体16の後部には塵取部23が支持されている。塵取部23は、床面に接する底面部23Aと、掻き上げ体16に隙間なく(又は隙間を介して)相対する曲面状(又は平面状)のすくい面部23Bと、凹状のゴミ受け部23Cを有する。塵取部23は、フレーム15に後述する如くに上下に揺動可能に支持され、自重により底面部23Aとすくい面部23Bの最下端部を床面に隙間なく接し、掻き上げ体16の掻き上げ部16Aがすくい面部23Bに摺接して掻き上げるゴミを床面に沿う後方に逃がすことなく、その全てのゴミをすくい面部23Bにより粘着ロール21の側にガイドし、大きなゴミはゴミ受け部23Cに送り込む。
【0012】塵取部23をフレーム15に対し、掻き上げ体16とは独立に上下に揺動可能に支持するとともに、塵取部23のゴミ受け部23Cをフレーム15から開放可能に支持した。
【0013】具体的には、塵取部23における掻き上げ体16に近い側の前端を揺動部40(塵取部23の前端側両側面に設けたピン41を、フレーム15の両側壁に設けた長孔42の中で上下動可能に係入したもの)によりフレーム15に揺動可能に支持する。また、塵取部23における掻き上げ体16から遠い側の後端に設けた係脱部50の孔51を、フレーム15に設けた係脱可能ピン52に係脱可能にし、孔51を係脱可能ピン52から外して塵取部23の後端をフレーム15から開放可能に支持する。塵取部23の孔51をフレーム15の係脱可能ピン52に係入した状態で、係脱可能ピン52を塵取部23の揺動の中心軸とし、塵取部23の孔51をフレーム15の係脱可能ピン52から外した状態で、揺動部40を塵取部23の開放の中心軸とする。
【0014】清掃具10による清掃動作は以下の通りなされる。
(1)柄11の軸方向に加える操作力により清掃具10を前進させ、掻き上げ体16及び接触回転体18を回動させ、同時に粘着ロール21を連れ回り回転させる。
【0015】(2)掻き上げ体16の掻き上げ部16Aが床面上のゴミを掻き上げると、このゴミは塵取部23にガイドされて粘着ロール21の側に送り出され、粘着ロール21の粘着面に吸着捕捉される。
【0016】(3)粘着ロール21の粘着面に捕捉されたゴミは、粘着ロール21の回動とともに接触回転体18の側に移動し、接触回転体18により粘着ロール21の粘着面に押付けられて固定化される。
【0017】(4)透明カバー15Aから粘着ロール21の粘着面の全周に多量のゴミが捕捉されたことが視認されたら、カバー15Aを開いて粘着シート21Aの1周分を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめた後、カバー15Aを閉じる。
【0018】しかるに、清掃具10にあっては、図3、図4に示す如く、塵取部23のすくい面部23Bに、掻き上げ体16の掻き上げ方向に沿って延びる多数条の凸部61と、相隣る凸部61の間に形成される多数条の溝62とを設けてある。
【0019】また、塵取部23のすくい面部23Bは、多数条の凸部61の先端を底面部23Aにまで延ばし、結果として、塵取部23のすくい面部23Bにおける床面側のエッジ63に、該エッジ63の幅方向に沿う凹凸状歯面64を備える。そして、塵取部23のすくい面部23Bの平面視(図3(C))で、凹凸状歯面64を形成する凸部61の先端の両側角部65に例えば半径0.3mm程度のR面(曲面)を付与し、かつ、凹部66の両側角部67に例えば半径0.3mm程度のR面を付与し、凹凸状歯面64がこの両側角部65で床面のカーペットに引掛かるのを防止する。
【0020】尚、塵取部23のすくい面部23Bの先端形状は、塵取部23を成形するための金型設計上、図5(A)〜(C)の形態を採用できる。
【0021】(実施例1)(図5(A))
凸部61の先端Ra(丸味半径)を溝62の先端Rbよりも大きくするとカーペットの引掛かりが少なくなる。具体的にはRaを0.8mm、溝62の先端Rbを0.3mmとした。RbをRaよりも小さくすることで、ゴミが掻き上げやすくなる。このとき、塵取部23を成形する金型のパーティングラインはアンダーカットを生じないようにRa、Rbの突端に設けるものとするが、RaとRbが異なるため、Raの突端を通るパーティングラインPaとRbの突端を通るパーティングラインPbに段差ができて金型が複雑になる。
【0022】(実施例2)(図5(B))
凸部61の先端Raと溝62の先端Rbを同一の0.5mmとすることで、パーティングラインPの段差を無くし、金型を簡易にした。しかしながら、凸部61の先端が溝62の先端に対する突出量(約1mm)が過大になり、すくい面部23Bのエッジ63がカーペットに少し引掛かる可能性がある。
【0023】(実施例3)(図5(C))
凸部61の先端Raと溝62の先端Rbを同一の0.5mmにすることで、パーティングラインPの段差を無くし、金型を簡易にした。また、凸部61の先端側を除く部分の底面部23Aに対する傾斜角θa(例えば50度)に対し、凸部61の先端側の底面部23Aに対する傾斜角θb(例えば65度)を大きくすることにより、凸部61の先端が溝62の先端に対する突出量(0.4mm)を小さくし、すくい面部23Bのエッジ63によるカーペットの引掛かりを抑えた。
【0024】本実施形態によれば以下の作用がある。
(請求項1に対応する作用)
■掻き上げ体16を構成するブラシが塵取部23のすくい面部23Bに摺接して塵埃を掻き上げるに際し、図4(A)、(B)に示す如く、ブラシの先端がすくい面部23Bの溝62に入り、塵埃をブラシの腹で支えて掻き上げるものとなり、塵埃がブラシの先端から脱落することなく、取りこぼしを少なくできる。
【0025】(請求項2に対応する作用)
■掻き上げ体16がカーペットの毛足の中に潜ってゴミを掻き上げるとき、塵取部23のすくい面部23Bにおける床面側のエッジ63が凹凸状歯面64をなしており、該エッジ63の凸状歯面がカーペットの毛足を掻き分けて前進するものとなり、前進に対する抵抗が小さく、清掃具10の前進操作力を軽くできる。
【0026】(請求項3に対応する作用)
■掻き上げ体16がカーペットの毛足の深い部分から掻き上げるゴミも、フローリングの硬い平坦面から後方に掻き飛ばすゴミも、掻き上げ体16の後部の塵取部23にすくい上げられて確実に粘着ロール21の側にガイドされ、粘着ロール21の粘着面に確実に粘着捕捉され、集塵性能を向上できる。
【0027】(その他の作用)
■塵取部23を掻き上げ体16とは独立に揺動可能としたから、清掃具10を毛足の長いカーペットに使用したとき、掻き上げ体16がカーペットの毛足の中に潜ってゴミを掻き上げながらも、塵取部23はカーペットの上面を滑るように移動して前進の抵抗にならず、操作性が良い。
【0028】■掻き上げ体16が掻き上げ部16Aと、タイヤ部16Bからなるとき、タイヤ部16Bがカーペットの毛足の中に潜っても、塵取部23はカーペットの上面を滑るように移動して前進の抵抗にならない。
【0029】■掻き上げ体16がタイヤ部16Bを備えるから、タイヤ部16Bは清掃具10の重量により床面に押付けられて回転し、掻き上げ体16を確実に回転させる。掻き上げ径をタイヤ径より大きくしたから、掻き上げ部16Aは弾性たわみの復元に基づく掻き上げ力によりゴミを強力に掻き上げ、掻き上げ性能を向上するし、カーペットの繊維の深い部分のゴミも良く掻き出しできる。
【0030】尚、粘着ロール21は清掃具10の移動に連動して回転するものであれば良く、粘着ロール21は掻き上げ体16との間に歯車列、巻き掛け体等の連動手段を介して該掻き上げ体16に連れ回り回転するものでも良い。
【0031】本発明で使用される粘着ロールとして、コアロールに筒状シートを着脱可能に被せるものを使用しても良い。このとき、筒状シートの原形は、枚葉型の封筒状シートをなすものとし、多数の封筒状シートを互いに積層して保管することができる。また、本発明の粘着体はロール状であることを必須にしない。
【0032】また、本発明において、接触回転体は、ロール体に限らず、タイヤ等でも良い。
【0033】また、本発明において、床面とは、畳、フローリング、カーペット等で、特にカーペットに対し顕著で特有な効果を奏する。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、掻き上げ体が塵取部のすくい面部に摺接して塵埃を掻き上げる際の取りこぼしを少なくすることができる。また、本発明によれば、清掃具の前進操作力を軽くすることができる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成13年12月3日(2001.12.3)
【代理人】 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
【公開番号】 特開2003−164402(P2003−164402A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−369063(P2001−369063)